JPH1135651A - 熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物

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JPH1135651A
JPH1135651A JP19528697A JP19528697A JPH1135651A JP H1135651 A JPH1135651 A JP H1135651A JP 19528697 A JP19528697 A JP 19528697A JP 19528697 A JP19528697 A JP 19528697A JP H1135651 A JPH1135651 A JP H1135651A
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Minoru Kakiya
稔 垣谷
Ken Nanaumi
憲 七海
Teruki Aizawa
輝樹 相沢
Yasuyuki Hirai
康之 平井
Yoshinori Sato
義則 佐藤
Hideo Nagase
英雄 長瀬
Shinichi Kamoshita
真一 鴨志田
Shunichi Numata
俊一 沼田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】非ハロゲンで耐燃性および耐湿耐熱性が良好な
ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の組
成物およびその硬化物を提供する。 【解決手段】ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬
化性樹脂とフェノール類およびトリアジン環を有する化
合物とアルデヒド類との反応物からなるフェノール樹脂
組成物を含有する熱硬化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層板用、成形
用、接着用、塗料用、封止材用、特に積層板用に適する
ジヒドロベンゾオキサジン系熱硬化性樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ジヒドロベンゾオキサジン環を有
する樹脂を含有する熱硬化性樹脂を難燃化する手段とし
ては、特開平2−69567号公報、特開平4−227
922号公報、あるいは特開平7−3121号公報に示
されるように、ハロゲン化化合物を用いる方法、無機充
填剤、無機リン系化合物を用いる方法等が報告されてい
る。特開平4−227922号公報に記載されたハロゲ
ン化化合物を用いる方法では、燃焼時に有毒ガスが発生
し環境上の問題が発生する。また、特開平2−6956
7号公報では、無機リン系化合物、無機充填材を使用し
ている。この場合、無機系リン系化合物では、赤リン、
リンの酸素酸類の無機、有機塩、ポリリン酸類等が用い
られている。赤リンは発火の危険があり、リンの酸素酸
類の無機、有機塩、ポリリン酸類等の化合物は酸、アル
カリ、または水に弱い等の問題点を有しており用途が限
定されているのが実情である。無機充填剤としては水酸
化アルミニウム、水和炭酸カルシウム、水酸化マグネシ
ウムが用いられている。水和炭酸カルシウム、水酸化マ
グネシウムは酸等の薬品に対して弱い等の問題を有して
おり適用範囲が制限される。一方、水酸化アルミニウム
は難燃剤として幅広く使用されているが、分解開始温度
が約220℃であり、積層板や封止材のような高温での
(250℃以上)耐熱性を要求される用途に適応する場
合、配合量を低減する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる状況に
鑑みなされたもので、非ハロゲンでかつ耐燃性、耐湿耐
熱性の優れた樹脂組成物の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、ジヒドロベンゾ
オキサジン環を有する熱硬化性樹脂にフェノール類およ
びトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類との反応
物からなるフェノール樹脂組成物を硬化剤として用いる
ことにより、上記課題が解決されることを見出し、本発
明を完成するに至った。すなわち本発明は、ジヒドロベ
ンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂(A)とフェノ
ール類およびトリアジン環を有する化合物およびアルデ
ヒド類との反応物からなるフェノール樹脂組成物(B)
を必須成分とすることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】ジヒドロベンゾオキサジン環を有
する熱硬化性樹脂としては、ジヒドロベンゾオキサジン
環を有し、ジヒドロベンゾオキサジン環の開環反応によ
り硬化する樹脂であれば特に限定されるものではなく、
フェノール性水酸基を有する化合物、ホルマリン、1級
アミンから下記式に示すごとく合成される。
【0006】
【化1】 (式中のR1はメチル基、フェニル基または少なくとも
1つの炭素数1〜3のアルキル基若しくはアルコキシル
基で置換されたフェニル基である。)
【0007】フェノール性水酸基を有する化合物とし
て、多官能フェノール、ビフェノール化合物、ビスフェ
ノール化合物、トリスフェノール化合物テトラフェノー
ル化合物、フェノール樹脂が挙げられる。多官能フェノ
ールとしてはカテコール、ヒドロキノン、レゾルキノー
ルが挙げられる。ビスフェノール化合物としては、ビス
フェノールA、ビスフェノールFおよびその位置異性
体、ビスフェノールS、テトラフルオロビスフェノール
Aが挙げられる。またフェノール樹脂としてはレゾール
樹脂、フェノールノボラック樹脂、フェノール変性キシ
レン樹脂、アルキルフェノール樹脂、メラミンフェノー
ル樹脂、フェノール変性ポリブタジエン等が挙げられ
る。1級アミンとしては、具体的にメチルアミン、シク
ロヘキシルアミン、アニリン、置換アニリン等が挙げら
れる。本発明においてフェノール性水酸基を有する化合
物と1級アミンとの混合物を70℃以上に加熱したアル
デヒド中に添加して、70〜110℃、好ましくは90
〜100℃で20〜120分反応させ、その後120℃
以下の温度で減圧乾燥することにより、合成することが
出来る。
【0008】本発明におけるフェノール樹脂組成物を得
るための前記フェノール類としては、特に限定されるも
のではなく、例えばフェノール、あるいはクレゾール、
キシレノール、エチルフェノール、ブチルフェノール等
のアルキルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェ
ノールF、ビスフェノールS、レゾルシン、カテコール
等の多価フェノール類、フェニルフェノール、アミノフ
ェノール等が挙げられる。またこれらのフェノール類
は、その使用にあたって1種類のみに限定されるもので
なく、2種類以上の併用も可能である。さらに、本発明
のフェノール樹脂組成物を得るためのトリアジン環を含
む化合物としては、特に限定されるものではないが、次
の一般式(I)および/または一般式(II)であること
が好ましい。
【0009】
【化2】 (式中、R1、R2、R3はアミノ基、アルキル基、フ
ェニル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシルアルキル基、
エーテル基、エステル基、酸基、不飽和基、シアノ基、
のいずれかを表す)
【0010】
【化3】 (式中、R4、R5、R6はアミノ基、アルキル基、フ
ェニル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシルアルキル基、
エーテル基、エステル基、酸基、不飽和基、シアノ基、
のいずれかを表す) 一般式(I)中、R1、R2、R3のうち少なくとも1
つがアミノ基であることが望ましい。
【0011】一般式(I)で示される化合物としては、
具体的には、例えばメラミン、あるいはアセトグアナミ
ン、ベンゾグアナミン等のグアナミン誘導体、シアヌル
酸、あるいはメチルシアヌレート、エチルシアヌレー
ト、アセチルシアヌレート、塩化シアヌル等のシアヌル
酸誘導体等が挙げられる。これらの中でもR1、R2、
R3のうち何れか2つまたは3つがアミノ基であるメラ
ミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナ
ミン誘導体がより好ましい。一般式(II)で示される化
合物としては、具体的には、例えばイソシアヌル酸、あ
るいはメチルシアヌレート、エチルシアヌレート、アリ
ルイソシアヌレート、2−ヒドロキシエチルイソシアヌ
レート、2−カルボキシルエチルイソシアヌレート、塩
素化イソシアヌル酸等のイソシアヌル酸誘導体等が挙げ
られる。これらの中でもR4、R5、R6のすべてが水
素原子であるイソシアヌル酸が最も好ましい。また、こ
の互変異性体である一般式(I)で表される化合物にあ
たるシアヌル酸も同様に好ましい化合物である。これら
の化合物も使用にあたっては、1種類のみに限定される
ものではなく2種類以上の併用が可能である。本発明の
フェノール樹脂組成物を得るためのアルデヒド類は限定
されるものではないが、取扱いの容易さからホルムアル
デヒドが好ましい。ホルムアルデヒドの代表的な供給源
としてホルマリン、パラホルムアルデヒド等が挙げられ
る。
【0012】以下に、本発明のフェノール樹脂組成物を
得るための代表的な方法について説明する。まず前記し
たフェノール類とアルデヒド類とトリアジン環を有する
化合物とを、塩基性あるいは酸性触媒化で反応させる。
この時系のpHは特に限定されるものではないが、トリ
アジン環を含む化合物の多くが塩基性溶液に溶解するこ
とから、塩基性触媒化で反応させることが好ましく、さ
らにはアミン類の使用が好ましい。また、各原料の反応
順序も特に制限はなく、フェノール類、アルデヒド類を
まず反応させてからトリアジン環を有する化合物を加え
ても、逆にトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類
を反応させてからフェノール類を加えても、同時にすべ
ての原料を加えて反応させてもよい。このとき、フェノ
ール類に対するアルデヒド類のモル比は、特に限定され
るものではないが0.2〜1.5で、好ましくは0.4
〜0.8である。また、フェノール類に対するトリアジ
ン環を有する化合物との重量比は、10〜98:90〜
2で好ましくは50〜95:50〜5である。フェノー
ル類の重量比が10%以下では樹脂化することが困難と
なり、98%以上では充分な難燃効果が得ることができ
なくなる。
【0013】また、触媒として特に限定されるものでは
ないが、代表的なものとして水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属およびアル
カリ土類金属の水酸化物、およびこれらの酸化物、アン
モニア、1〜3級アミン類、ヘキサメチレンテトラミ
ン、炭酸ナトリウム等、そして塩酸、硫酸、スルホン酸
等の無機酸、シュウ酸、酢酸等の有機酸、ルイス酸、あ
るいは酢酸亜鉛等の2価金属塩等がある。金属等の無機
物が触媒残として残ることは好ましくないことから、塩
基性の触媒としてはアミン類、酸性の触媒としては有機
酸を使用することが好ましい。また、反応制御の面から
反応を各種溶剤の存在下で行ってもよい。次に必要に応
じて中和、水洗して塩類等の不純物を除去する。ただ
し、触媒にアミン類を使用した場合は行わないことが好
ましい。反応終了後、未反応のアルデヒド類、フェノー
ル類、溶剤等を常圧蒸留、真空蒸留等の常法に従って除
去する。この時、未反応のアルデヒド類とメチロール類
を除去することが好ましく、未反応のアルデヒド類とメ
チロール基を実質的に含まない樹脂組成物を得るために
は、120℃以上の加熱処理を必要とする。この時、ノ
ボラック樹脂を得るときの常法に従い、充分に加熱、蒸
留することが好ましい。特に限定されるわけではない
が、またこの時前記したように、未反応一官能性のフェ
ノール単量体を2%以下にすることが好ましい。
【0014】このようにして得られたものは、フェノー
ル類およびトリアジン環を有する化合物とアルデヒドと
の反応物からなるフェノール樹脂組成物である。特に限
定されるものではないが、該反応物中に未反応アルデヒ
ドを含まず、メチロール基についても実質上含まないこ
とが好ましい。ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱
硬化性樹脂(A)とフェノール類およびトリアジン環を
有する化合物とアルデヒド類との反応物からなるフェノ
ール樹脂組成物(B)の配合比は、A/B=(40〜9
7)/(3〜60)重量%が好ましい。この範囲を外れ
ると難燃性や耐熱特性に問題が出やすい。また、本発明
において上記組成物にエポキシ樹脂を配合してもよい。
用いられるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、ポリフェノール系エポキシ樹脂、脂肪族
エポキシ樹脂、芳香族エステル型エポキシ樹脂、環状脂
肪族エステル型エポキシ樹脂、脂肪族エステル型エポキ
シ樹脂、エーテルエステル型エポキシ樹脂等があり、特
に限定されるものではなく、また数種類のエポキシ樹脂
を使用しても何等差し支えないが、これらのエポキシ樹
脂による変性により、幅広い樹脂物性を有する樹脂硬化
物を有する硬化物を得ることが可能となる。
【0015】例えば、ノボラック型エポキシ樹脂あるい
はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂を用いた場合に
は、架橋密度を向上することができ、脂環式エポキシ樹
脂を用いた場合には、耐トラッキング性の向上等を図る
ことが出来る。さらに、本発明の樹脂組成物には、充填
剤として通常の無機、有機充填剤、強化用繊維も使用可
能である。例えば、ステープルファイバー、糸、綿布、
ガラスクロス、ガラスマット、ガラス繊維、炭素繊維、
石英繊維、難燃性合成繊維、シリカ粉、炭酸カルシウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等であ
る。これらの充填剤は、予めカップリング剤処理をして
おくと樹脂との界面接着性を向上することが出来る。こ
の際カップリング剤を添加することも充填剤と樹脂との
界面接着性を向上させることに効果がある。
【0016】これらの樹脂組成物から銅張積層板、プリ
プレグ、封止材、成形材料を製造する方法は特に限定す
るものではない。通常は、これらの樹脂組成物を有機溶
剤を用いることにより溶液化し、次いで基材に塗工、乾
燥することにより行われる。このようにして製造された
プリプレグを、重ね合わせその両面に銅箔を構成後、プ
レスすることにより、銅張り積層板を製造することが出
来る。またこれらの樹脂組成物と充填剤を溶融混練する
ことにより、封止材、成形材料等を製造することが出来
る。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例およびその比較例によ
って、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものではない。 実施例1〜10、比較例1〜8 〔1〕ジヒドロベンゾオキサジン環の合成(I) (1)フェノールノボラックの合成 フェノール1.9kg、ホルマリン(37%水溶液)
1.15kg、しゅう酸4gを5リットルフラスコに仕
込み、環流温度で6時間反応させた。引き続き、内部を
6666.1Pa以下に減圧して未反応のフェノール及
び水を除去した。得られた樹脂は軟化点89℃(環球
法)、3〜多核体/2核体比89/11(ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィーによるピーク面積比)であ
った。 (2)ジヒドロベンゾオキサジン環の導入 上記により合成したフェノールノボラック樹脂1.7k
g(ヒドロキシル基16molに相当)をアニリン1.
49kg(16molに相当)と80℃で5時間攪拌
し、均一な混合溶液を調整した。5リットルフラスコ中
に、ホルマリン1.62kgを仕込み90℃に加熱し、
ここへノボラック/アニリン混合溶液を30分間かけて
少しずつ添加した。添加終了後30分間、環流温度に保
ち、然る後に100℃で2時間6666.1Pa以下に
減圧して縮合水を除去し、反応しうるヒドロキシル基の
95%がジヒドロベンゾオキサジン化された熱硬化性樹
脂を得た。以下、得られた樹脂を(M1)と略記する。
【0018】〔1〕ジヒドロベンゾオキサジン環の合成
(II) (1)フェノールノボラックの合成 フェノール1.9kg、ホルマリン(37%水溶液)
1.10kg、しゅう酸4gを5リットルフラスコに仕
込み、環流温度で6時間反応させた。引き続き、内部を
6666.1Pa以下に減圧して未反応のフェノール及
び水を除去した。得られた樹脂は軟化点84℃(環球
法)、3〜多核体/2核体比82/18(ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィーによるピーク面積比)であ
った。 (2)ジヒドロベンゾオキサジン環の導入 以下、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹
脂の合成(II)と同様にしてジヒドロベンゾオキサジン
環を導入した。得られた熱硬化性樹脂は、フェノールノ
ボラック樹脂の、反応しうるヒドロキシル基の90%に
ジヒドロベンゾオキサジン環が導入されたものであっ
た。以下、得られた樹脂を(M2)と略記する。
【0019】〔3〕フェノール樹脂組成物の合成例
(I) フェノール94部、ベンゾグアナミン9.4部に41.
5%ホルマリン51部、およびしゅう酸0.47部を加
え、発熱に注意しながら徐々に100℃まで昇温した。
100℃にて5時間反応させた後、常圧下にて水を除去
しながら180℃まで昇温し、減圧下にて未反応のフェ
ノールを除去し、軟化点103℃のフェノール樹脂組成
物を得た。以下、この組成物を「N1」と略記する。フ
ェノールとトリアジン環を有する化合物の重量比率、未
反応ホルムアルデヒド量、メチロール基の有無、および
未反応フェノールモノマー量を求め、結果を表1にまと
めて示した。
【0020】〔4〕フェノール樹脂組成物の合成例(I
I) フェノール94部に41.5%ホルマリン29部、およ
びトリエチルアミン0.47部を加え、80℃にて3時
間反応させた。メラミンを19部加えさらに1時間反応
させた後、常圧下にて水を除去しながら120℃まで昇
温し、温度を保持したまま2時間反応させた。次に、常
圧下にて水を除去しながら180℃まで昇温し、減圧下
にて未反応のフェノールを除去し、軟化点136℃のフ
ェノール樹脂組成物を得た。フェノールとメラミンの重
量比率、未反応ホルムアルデヒド量、メチロール基の存
在の有無、および未反応フェノールモノマー量を求め、
結果を表1にまとめて示した。以下、この組成物を「N
2」と略記する。
【0021】
【表1】
【0022】〔5〕その他の配合物 水酸化アルミニウムとしては、電子材料用に一般的に用
いられている残留イオン等の少ないものとし、粒子系が
3〜5μmの物を使用した。比較材に使用したフェノー
ルノボラックは、OH基相当量が103〜110、平均
3〜6核体の物を使用した。 〔6〕積層板の作製 各々表2に示した、樹脂組成物をメチルエチルケトン/
ジメチルホルアミド=50/50重量部の混合溶剤に溶
解させ、さらに溶液の不揮発分を60〜70%になるよ
うにメチルエチルケトンで調整した。しかる後、各々の
混合溶液をガラスクロス(0.2mm)に含浸させ、1
60℃で4分間乾燥してプリプレグを得た。このプリプ
レグを8枚重ね、その両面に18μmの銅箔を重ね、1
85℃、圧40kgf/cm2 にて100分間加熱加圧
成形して厚さ1.5mmの両面銅張積層板を得た。次い
で、積層板は、エッチング処理を施し、銅箔を除去した
後、各物性試験を行った所、表2に示される結果が得ら
れた。
【0023】
【表2】 *1:吸湿はんだ耐熱性試験は所定時間プレッシャーク
ッカ(PCT)処理(121℃、水蒸気下中)後260
℃のはんだ浴に20秒間浸漬して評価を行った。評価
は、その試験片の外観、ミ−ズリングまたは膨れの発生
の有無を目視判定により行った。○:全く以上無、△:
ミ−ズリングあり、×:膨れの発生あり *2:耐燃焼性試験はUL−94に従い行なった。 硬化剤としてフェノールノボラックを用いた場合、難燃
性を確保するためには水酸化アルミニウムの添加量が最
低70部必要であり、確実に難燃性を確保するためには
90部必要となり、耐燃焼性と吸湿はんだ耐熱性のバラ
ンスが取れない。一方、硬化剤としてフェノール樹脂組
成物(B)を用いた場合、水酸化アルミニウムの添加量
が50部で耐燃焼性がV−0を確保することが可能とな
り、耐燃焼性と吸湿はんだ耐熱性のバランスが取れ、か
つピール強度等の特性の向上が見られる。
【0024】
【発明の効果】本発明のジヒドロベンゾオキサジン化合
物(A)およびフェノール類とトリアジン環を有する化
合物とアルデヒド類との反応物からなるフェノール樹脂
組成物(B)を用いることにより得られた樹脂組成物
は、従来のジヒドロベンゾオキサジン化合物(A)を用
いた樹脂組成物よりも吸湿はんだ耐熱性、耐燃焼性およ
び金属密着性に優れる硬化物が得られる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年8月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【化3】 (式中、R4、R5、R6はアミノ基、アルキル基、フ
ェニル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシルアルキル基、
エーテル基、エステル基、酸基、不飽和基、シアノ基、
のいずれかを表す) 一般式(I)中、R1、R2、R3のうち少なくとも1
つがアミノ基であることが望ましい。
フロントページの続き (72)発明者 平井 康之 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内 (72)発明者 佐藤 義則 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内 (72)発明者 長瀬 英雄 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内 (72)発明者 鴨志田 真一 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内 (72)発明者 沼田 俊一 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬
    化性樹脂(A)とフェノール類およびトリアジン環を有
    する化合物とアルデヒド類との反応物からなるフェノー
    ル樹脂組成物(B)を必須成分とすることを特徴とする
    樹脂組成物
  2. 【請求項2】A/B=(40〜97)/(3〜60)重
    量%である請求項1記載の熱硬化性組成物
  3. 【請求項3】ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬
    化性樹脂が、オルソ位の少なくとも一方に水素が結合し
    ているフェノール性水酸基を、1分子中に2以上有する
    化合物と1級アミンとホルムアルデヒドとを、フェノー
    ル性水酸基1モル当たり1級アミン0.5〜1.0モ
    ル、及びホルムアルデヒドを1級アミン1モル当たり2
    モル以上の割合で用いて反応させることにより合成され
    たものである請求項1又は2記載の熱硬化性組成物
  4. 【請求項4】フェノール類とトリアジン環を有する化合
    物とアルデヒド類との反応物からなるフェノール樹脂組
    成物(B)が、未反応アルデヒド類を含まず、かつメチ
    ロール基を実質的に含まないものである請求項1、2又
    は3に記載の熱硬化性組成物
  5. 【請求項5】請求項1、2、3又は4記載の熱硬化性組
    成物を硬化してなる硬化物
  6. 【請求項6】請求項1、2、3又は4記載の熱硬化性組
    成物と強化材とからなる成形材料
  7. 【請求項7】強化材としてガラスクロス、有機繊維材
    料、不織布、または紙を用い、加熱成形してなる請求項
    6記載の積層板
JP19528697A 1997-07-22 1997-07-22 熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物 Expired - Lifetime JP3488996B2 (ja)

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