JPH11356083A - モータ駆動制御装置 - Google Patents

モータ駆動制御装置

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JPH11356083A
JPH11356083A JP10160641A JP16064198A JPH11356083A JP H11356083 A JPH11356083 A JP H11356083A JP 10160641 A JP10160641 A JP 10160641A JP 16064198 A JP16064198 A JP 16064198A JP H11356083 A JPH11356083 A JP H11356083A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の励磁相を有するモータの駆動を制御
する装置であって、電流検出回路を2以上使用せず、簡
潔な回路構成で、トルク変動を生じさせる電流変動を抑
制できるモータ駆動制御装置を提供する。 【解決手段】 モータの各励磁相a〜eに供給する励磁
信号を生成する駆動回路22,23と、各励磁相ごとに
励磁信号の方向決定及びオン・オフの切替えを行う制御
回路21とを備える。制御回路21は、駆動回路22,
23に対し、励磁電流の切替え時に励磁電流が立ち上が
る相と立ち下がる相の電流変化率を一致させるか又は同
程度にする駆動信号を供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラシレスモータ
やリニアモータ等のように複数の励磁相を有するモータ
の駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車のパワーステアリング装
置の駆動源として用いられているブラシレスモータは、
3相以上の励磁相を有するモータであり、その駆動は矩
形波状の励磁電流によって行われる。
【0003】5相ブラシレスモータの場合、モータ駆動
回路は、モータの回転子(ロータ)の外周面を電気角で
72 度ずつ離隔して取り囲むように配設された5相(以
下、これらをa相〜e相という)の励磁コイルa〜eに
対し、マイクロコンピュータ等の制御回路による制御下
で、4相同時に励磁する4相励磁方式により、コイルを
1相ずつ順次切り換えて矩形波電流で励磁し、ロータを
回転駆動させる。この4相励磁方式では、モータ電流は
5相のうちの4つの相に流れることになるが、各相にバ
ランスよく電流を流すために、各励磁コイルの抵抗は全
て等しくなるように形成されている。
【0004】このようなモータ駆動回路は、10個の電
界効果トランジスタ(FET)で構成されている。これ
ら10個のトランジスタは、対応する2個のトランジス
タを直列接続して5つの直列トランジスタ回路を形成
し、それぞれを電源の+,−両端子間に接続すると共
に、各直列トランジスタ回路の2個のトランジスタの接
続部をそれぞれ、Y字形にスター結線した5個の励磁コ
イルa〜eの外端に接続することにより、モータのコイ
ル回路と接続されている。
【0005】このモータ駆動回路から各励磁コイルへ供
給される励磁電流(矩形波)の方向及び長さは、ロータ
の回転角(電気角)の値に対して、例えば図16に示す
ようになる。すなわち、電気角で36度毎に順次1相ずつ
励磁コイルを切り替え、1つの相コイルを電気角で144
度の間励磁することにより、ロータを連続して回転させ
るようになっている。この図では、電気角をθとしたと
き、 0≦θ<36,36≦θ<72,72≦θ<108 , 108≦θ
<144 , 144≦θ<180 , 180≦θ<216 ,216≦θ<2
52 , 252≦θ<288 , 288≦θ<324 , 324≦θ<360
の区間を、それぞれ (1),・・・・,(10)で表わしてい
る。
【0006】この例の場合、a相の電流は、区間(1) 及
び(2) で+方向に流れ、区間(3) で0、区間(4) から
(7) で−方向に流れ、区間(8) で0、区間(9) から(10)
を経て再び区間(1) で+方向に流れる。b相の電流は、
区間(1) から(4) で+方向に流れ、区間(5) で0、区間
(6) から(9) で−方向に流れ、区間(10)で0、そして再
び区間(1) で+方向に流れる。c相の電流は、区間(1)
で−方向に流れ、区間(2) で0、区間(3) から(6) で+
方向に流れ、区間(7) で0、区間(8) から(10)を経て再
び区間(1) で−方向に流れる。d相の電流は、区間(1)
から(3) で−方向に流れ、区間(4) で0、区間(5) から
(8) で+方向に流れ、区間(9) で0、そして区間(10)か
ら再び−方向に流れる。e相の電流は、区間(1) で0、
区間(2) から(5) で−方向に流れ、区間(6) で0、区間
(7) から(10)で+方向に流れ、再び区間(1) で0とな
る。従って、(1) から(10)の各区間の境界(電気角で36
度毎の切替時)では、5つの励磁コイルのうちの2つが
互いに逆向きに切り替えられることになる。
【0007】このような励磁電流の切替えは、原理的に
は、図16に示すような矩形波の立ち上がり又は立ち下
がりで表わされるが、実際には、その立ち上がり又は立
ち下がり波形は横軸に対し直角に変化するものでなく、
励磁電流が+方向に立ち上がるまで、或いは−方向に立
ち下がるまで、ある程度の時間Δt(モータ回路の時定
数の3倍位)がかかる。
【0008】例えば、図16の区間(8) と(9) の境界
(電気角で 288度)では、a相の電流が0から+の一定
値まで立ち上がる一方、d相の電流が+の一定値から0
に立ち下がり、b相及びc相の電流は共に“−”の一定
値、e相の電流は“+”の一定値であるが、この境界部
分の波形の変化を拡大すると、図17に示すようにな
る。
【0009】詳細には、a相の立ち上がり電流は、時間
Δtの間に0から+の一定値まで漸進的に増大する一
方、d相の立ち下がり電流は、時間Δtよりも短い時間
Δt1(モータ回路の時定数より小さい)で、+の一定値
から0まで減少する。この時、他の3つの相b,c,e
は切り替えられない相であるが、5つの相の電流をia,
b,ic,id,ie で表わしたとき、これらの電流の間に
は次の関係がある。
【0010】 ia +id +ie =−(ib +ic )=I …(1) このため、a相とd相の電流が上記のように変化する
と、b,c,e相の電流も変化する。すなわち、a相と
d相の電流変化率が異なるために、この2つの相の電流
の合計値が定常値にならず、図17のようにb相,c相
の電流が変動する結果、e相の電流も上記時間Δtの間
変化する。これらの電流変動により、過度的なトルク変
動が生じてしまう。
【0011】上記のように2つの相の電流の立上りと立
下りの電流変化率が異なるのは、次の理由による。
【0012】まず、モータ駆動回路に供給される電源電
圧をVb ,スター結線した励磁コイルa〜eの中心接続
点の電圧をVn とする。
【0013】次に、図17において、時間Δt1の区間を
、時間Δt2(=Δt−Δt1)の区間をとする。
【0014】区間では、+から0に切り替えられるd
相(OFF相)の電流id は、−Vn ,コイルの逆起電
圧Ed 及びモータ回路の時定数に応じた変化率で、モー
タ駆動回路からモータへの通電電流Iの半分(I/2)
から零(0)まで下がる。このとき、OFF相の等価回
路に加えられる電圧をVOFF とすると、VOFF =−Vn
−Ed <0であり、Vn は近似的にVb/2となる。一
方、0から+に切り替えられるa相(ON相)の電流i
a は、電圧Vb ,−Vn 、コイルの逆起電圧Ea及びモ
ータ回路の時定数に応じた変化率で、零(0)から上昇
するが、このとき、ON相の等価回路に加えられる電圧
をVONとすると、VON=Vb・Duty1(矩形波のデューティ
比)−Vn −Ea である。
【0015】式で説明すると、OFF相の等価回路によ
り、電流id は次式で表される。
【0016】 id(t)= (I/2)e-t/T+(VOFF/R)(1−e-t/T) …(2) ∴t=0のとき、id =I/2 但し、Tは等価回路の電気的時定数、Rは等価回路の抵
抗である。
【0017】一方、ON相の等価回路により、電流ia
は次式で表される。
【0018】 ia(t)=(VON/R)(1−e-t/T) …(3) ∴t=0のとき、ia =0, t→∞で、ia =VON/R=I/2 従って、OFF相,ON相の各電流id ,ia の変化率
は、それぞれ次のようになる。
【0019】 did(t)/dt =−(1/T)(I/2)e-t/T+(1/T)(VOFF/R) e-t/T =−(I/2−VOFF/R)(1/T)e-t/T =−(I/2+Vn/R+Ed/R)(1/T)e-t/T …(4) dia(t)/dt =(1/T)(VON/R) e-t/T =(I/2)(1/T)e-t/T …(5) 上式(4) 及び(5) において、(I/2+Vn/R+Ed/R) >
I/2 であるから、OFF相の電流変化率の方がON相の
電流変化率より大きい。特に、等価回路の抵抗Rが小さ
い場合、電源電圧Vb(≒2Vn)が大きい場合、或いは高
速回転時で逆起電圧Ed が大きい場合には、OFF相の
電流変化率はON相の電流変化率よりかなり大きくな
る。
【0020】従って、OFF相の電流id がI/2から
0まで下がる時間(Δt1)よりも、ON相の電流ia
0からI/2まで上がる時間(Δt)のほうが長い。す
なわち、区間の最後でON相の電流ia はI/2に到
達せず、上昇途中である。
【0021】その後、区間において、ON相の電流i
a が最終的に定常値(I/2)に到達するが、それまで
に時間Δt2(モータ回路の時定数の2〜3倍)を要す
る。従って、切り替えられる2つの相の電流の立ち上が
りと立ち下がりでは、電流変化率が異なっている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
モータ駆動回路による励磁電流の制御では、切替える2
つの相(例えば、図16のa相とd相)の電流の立上り
と立下りの変化率が異なるため、切替えられない相(例
えば、図16のb相、c相、e相)の電流が変動し、そ
れらの電流変動により過度的なトルク変動が生じてしま
う。
【0023】このようなトルク変動を生じさせる相切替
時の電流変動を抑制するためには、各相の電流を制御す
ればよいが、その制御のために各相の電流を検出する必
要があり、2以上の電流検出回路が必要になる。特に、
5相ブラシレスモータの場合は、4相励磁方式を採用し
ていることから、モータ駆動回路に4つの電流検出回路
と4つの電流ループが必要であり、駆動回路の構成が複
雑化し、コストも高くなるという問題点があった。
【0024】本発明は、以上の状況に鑑み、電流検出回
路を2以上使用せず、簡潔な回路構成で、上記のような
トルク変動を生じさせる電流変動を抑制できるモータ駆
動制御装置を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の励磁相
を有するモータの駆動を制御する装置であって、モータ
の各励磁相に供給する励磁信号を生成する駆動手段と、
各励磁相ごとに励磁信号の方向決定及びオン・オフの切
替えを行う制御手段とを備え、該制御手段は、上記切替
え時に切り替えられる相の励磁信号の変化率を制御する
ことを特徴とする。
【0026】本発明の具体的な一態様では、上記駆動手
段は、励磁信号としてモータの複数の励磁コイルに供給
する励磁電流を生成する駆動回路を含み、上記制御手段
は、励磁電流の切替え時に励磁電流が立ち上がる励磁相
と立ち下がる励磁相の電流変化率を一致させるか又は同
程度にする駆動信号を上記駆動回路に供給することを特
徴とする。
【0027】更に具体的な態様では、上記制御手段は、
励磁電流が切り替えられない励磁相に対する第1のPW
M信号と、励磁電流が立ち上がる励磁相及び/又は立ち
下がる励磁相に対する第2のPWM信号とを合成演算す
ることにより、上記駆動信号を生成することを特徴とす
る。
【0028】更に具体的な態様では、上記第2のPWM
信号のデューティ比 (Duty2)は、上記切替え時のモータ
電流値(I)、上記第1のPWM信号のデューティ比
(Duty1)及びモータの回転角速度(ω)の関数であるこ
とを特徴とする。
【0029】
【作用及び効果】本発明によれば、制御手段は、駆動手
段からモータの各励磁相ごとに供給される励磁信号の方
向決定及びオン・オフの切替えを行う。その切替え時に
切り替えられる励磁信号の変化率を制御することによ
り、切替える2つの相の電流変化率を一致させる(又は
同程度にする)ことができる。これにより、切り替えな
い相の電流変動が抑制されるので、前述のトルク変動も
なくなる。
【0030】また、励磁信号は、従来通りモータ回路を
流れる電流のみを検出すれば生成可能であるから、励磁
信号の変化率を制御するために各相の電流を検出する必
要がなく、制御のための回路構成も複雑化しない。
【0031】具体的な態様では、上記駆動手段に含まれ
る駆動回路で生成された励磁電流がモータの相励磁コイ
ルに供給される。制御手段は、励磁電流の切替え時に励
磁電流が立ち上がる励磁相と立ち下がる励磁相の電流変
化率を一致させるか又は同程度にする駆動信号を駆動回
路に供給する。これにより、切り替えない相の電流変動
が抑制される。
【0032】更に具体的な態様では、上記駆動信号は、
制御手段において、励磁電流が切り替えられない励磁相
に対する第1のPWM信号と、励磁電流が立ち上がる励
磁相及び/又は立ち下がる励磁相に対する第2のPWM
信号とを合成演算することにより、生成される。
【0033】更に具体的な態様では、上記第2のPWM
信号のデューティ比 (Duty2)は、上記切替え時のモータ
電流値(I)、上記第1のPWM信号のデューティ比
(Duty1)及びモータの回転角速度(ω)の関数で計算さ
れるので、制御手段は、第1のPWM信号と共に第2の
PWM信号を自動生成し、両信号の合成演算により、励
磁電流が切り替えられる相の電流変化率を制御する駆動
信号を容易に得ることができる。
【0034】本発明をブラシレスモータの駆動制御に用
いれば、安価で電流変動が抑制された高性能モータ制御
装置が得られる。例えば、前記のような電動パワーステ
アリング装置に本発明のモータ駆動制御装置を取り入れ
ることにより、不快なトルク変動がなく、操舵感覚に優
れたパワーステアリングを実現できる。
【0035】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の装置で駆動制御
されるモータの一例の5相ブラシレスモータの内部構造
を示す縦断面図である。
【0036】この5相ブラシレスモータ1は、円筒形の
ハウジング2と、このハウジング2の軸心に沿って配設
され、軸受3a,3bにより回転自在に支持された回転
軸4と、この回転軸4に固定されたモータ駆動用の永久
磁石5と、この永久磁石5を包囲するようにハウジング
2の内周面に固定され且つ5相の励磁コイル6a,6
b,6c,6d及び6eが巻き付けられた固定子(ステ
ータ)6とを具備し、回転軸4及び永久磁石5によって
回転子(ロータ)7を構成している。
【0037】ロータ7の回転軸4の一端部の近傍には、
位相検出用のリング状永久磁石8が固定され、この永久
磁石8は、周方向に等間隔で交互にS極とN極に着磁さ
れている。また、ロータ7の永久磁石5も、S極及びN
極が周方向に交互に等問隔で着磁されている。
【0038】ハウジング2内の軸受3bが配設された側
の端面には、ステー9を介して、リング状の薄板からな
る支持基板10が、その内側の絶縁部分が上記永久磁石
8に対向するように配設されている。この支持基板10
の永久磁石8側の面には、永久磁石8に対向するよう
に、例えばホール素子からなる位相検出素子11が固定
されている。なお、位相検出素子11は、実際には励磁
コイル6a〜6eの駆動タイミングに対応して周方向に
適宜離間して5個(11a〜11e)設けられている
が、図1は、そのうちの一つのみ示している。
【0039】上記位相検出素子11a〜11eは、各々
に対向する永久磁石8の磁極が、N極の場合には、位置
検出信号として“H”のセンサ信号を、S極の場合には
“L”のセンサ信号をそれぞれ出力する。これら各位相
検出素子11a〜11eの出力は、各素子に対向する永
久磁石8の磁極によって変化することを利用して、ロー
タ7の回転位置を検知できる。その回転位置に応じて、
後述のモータ駆動制御装置20(図2)が、上記5相の
励磁コイル6a〜6eに対し、4相同時に通電しなが
ら、通電する励磁コイルを1相ずつ順次切り換える4相
励磁方式により、ロータ7を回転駆動するようになって
いる。
【0040】一方、5相の励磁コイル6a〜6eは、ロ
ータ7の外周面を電気角で 72 度ずつ離隔して取り囲む
ように配設され、図2に示すように、Y字型にスター結
線されて、このモータのコイル回路12を構成してい
る。なお、上記4相励磁方式ではモータ電流は4つの相
に流れることになるが、電流はコイル抵抗に反比例する
ので、各相にバランスよく電流を流すために、各励磁コ
イル6a〜6eのコイル抵抗は全て等しくなるように形
成されている。
【0041】また、上記ステータ6は、例えば、図示し
ないステータコア内周面に等間隔に30個のスロットを
有すると共に、これらのスロット間に同数の凸部を有
し、そのうち5個の凸部を1組として、各組に各励磁コ
イル6a〜6eを巻き付けるように構成されている。各
励磁コイル6a〜6eの一端は、まとめて結線され、他
端は、モータ駆動制御装置20に接続されている。
【0042】モータ駆動制御装置20は、図2に示すよ
うに、制御回路21、FETゲート駆動回路22、モー
タ駆動回路23、電流検出回路24及びロータ位置検出
回路25で構成されている。ここで、制御回路21が本
発明における制御手段に対応し、FETゲート駆動回路
22及びモータ駆動回路23が駆動手段に対応してい
る。
【0043】制御回路21は、例えばマイクロコンピュ
ータで構成され、定電圧源26から一定電圧が供給され
る。制御回路21には、外部回路27から電流指令I
ref が入力され、電流検出回路24からモータ電流検出
値I、ロータ位置検出回路25からロータ位置信号S
a-e (=Sa ,・・・・,Se )がそれぞれ入力される。制
御回路21は、これらの入力信号に基づいて、モータ駆
動回路23からモータのコイル回路12に供給される駆
動電流を制御する。
【0044】ここで、前述の電動パワーステアリング装
置の駆動源として上記5相ブラシレスモータが用いられ
る場合、外部回路27は、自動車の変速機の出力軸の回
転数に応じたパルス信号を発生する車速センサの出力か
ら求められる車速検出値Vと、ステアリングホィールの
入力軸に加えられた操蛇トルクを検出するトルクセンサ
の出力から求められるトルクの方向を含む検出値Tとか
ら、特性線図を参照して対応するモータ電流値を検索
し、これを電流指令信号Iref として出力するように構
成される。これは、上記動作を実行するCPUなどの回
路で構成可能であるが、この回路に代えて、上記車速セ
ンサ及びトルクセンサの各出力を制御回路21に入力
し、ここで電流指令Iref を生成するように構成しても
よい。
【0045】上記モータ駆動回路23は、電源供給側
(上段側)に5個,アース側(下段側)に5個の合計1
0個のトランジスタ(電界効果トランジスタFET)T
a1〜Te1,Ta2〜Te2で構成されている。これら10個
のトランジスタTa1〜Te1,Ta2〜Te2は、上段側と下
段側とで対応するトランジスタが直列接続され、これら
直列接続のトランジスタ対(Ta1−Ta2,Tb1−Tb2,
Tc1−Tc2,Td1−Td2,Te1−Te2)の各々の上段側
端子は制御回路21に、下段側端子は電流検出回路24
に、それぞれ接続されると共に、各トランジスタ対の接
続部は、各励磁コイル6a〜6eの外端(スター結線の
中心側とは逆側)と接続されている。そして、トランジ
スタTa1〜Te2の各々のゲート電圧は、ロータ位置検出
回路25からの検出信号Sa-e に基づいて、制御回路2
1により制御される。
【0046】上記モータ駆動回路23から各励磁コイル
6a〜6eへの励磁電流の方向及び大きさは、基本的に
は従来と同様、前述の図16に示すようになり、各トラ
ンジスタTa1〜Te2のオン/オフのタイミングは、下記
の表1のゲート信号(上段)Ga1〜Ge1及びゲート信号
(下段)Ga2〜Ge2に示すようになる。なお、表1で
は、各トランジスタTa1〜Te2をオン,オフするゲート
信号Ga1〜Ge2を、それぞれ“1”,“0”で表してい
る。
【0047】
【表1】 図16において、ロータ7が、例えば (1)の状態にある
ものとすると、これは表1の区間(1) に該当し、上段側
のトランジスタTa1,Tb1及び下段側のトランジスタT
c2,Td2がオン状態、これら以外のトランジスタはオフ
状態であるので、励磁コイル6a及び6bには外端側か
ら電流が流れ、励磁コイル6c及び6dには結線側から
電流が流れる。これにより、ロータ7のN極又はS極と
その周囲に発生したN極又はS極との間の磁気吸引力及
び反発力が生じ、ロータ27が回転する。そして、ロー
タ27が、図16の (2)の状態に移行すると、これは表
1の区間(2) に該当し、上段側のトランジスタTa1,T
b1及び下段側のトランジスタTd2,Te2がオン状態、こ
れ以外のトランジスタがオフ状態であるので、励磁コイ
ル6a及び6bには外端側から電流が流れ、励磁コイル
6d及び6eには結線側から電流が流れる。これによ
り、ロータ7が更に回転する。
【0048】以上の操作を繰返し行うと、表1に示すタ
イミングで各トランジスタが駆動され、図16に示すよ
うに、電気角で 36 度毎に順次1相ずつ励磁コイルを切
り替え、1つの相を電気角で 144度の間励磁する。これ
により、ステータ5に発生するN極又はS極が順次移動
し、ロータ7が連続回転する。
【0049】電流検出回路24は、上記モータ駆動回路
23の下段側のトランジスタTa2〜Te2に接続した電流
検出抵抗を有し、その両端に発生した電圧を増幅すると
共にノイズを除去して、モータ電流値Iの検出信号とし
て出力する。
【0050】ロータ位置検出回路25は、上記位相検出
素子11a〜11eからの検出信号をロータ位置検出信
号Sa-e として出力する。
【0051】制御回路21は、上記表1に示すように、
ロータ位置検出回路25からの検出信号Sa-e について
予め設定した組み合わせと、上段側及び下段側のゲート
信号との対応を表すゲート設定テーブルを、記憶部に格
納している。
【0052】このゲート設定テーブルには、図16の電
気角 36 度毎の区間(1) 〜(10)の各々に対応する検出信
号Sa-e の組み合わせと、各区間で設定する励磁コイル
を指定する上段側及び下段側のゲート信号Ga1〜Ge2と
の対応が設定されている。ここで、検出信号Sa-e
“H”はN極、“L”はS極に励磁されていることを表
す。
【0053】更に、各区間(1) 〜(10)に対応する組み合
わせの場合には、異常信号を“0”すなわち正常として
設定し、各区間(1) 〜(10)に対応する組み合わせでない
場合には、異常信号を“1”、すなわち異常として設定
する。そして、各区間(1) 〜(10)に対応する組み合わせ
でない場合には、各ゲート信号Ga1〜Ge2を全て“0”
に設定し、コイル回路12への電流供給を行わないよう
に設定している。
【0054】制御回路21は、上記ロータ位置検出回路
25から送られる検出信号Sa-e の組み合わせに対し、
上記ゲート設定テーブルに基づいて、対応するゲート信
号Ga1〜Ge2をFETゲート駆動回路22に送る。ま
た、制御回路21は、前述した入力信号に基づいて、電
流制御によりモータ駆動用電圧指令信号を生成し、この
電圧指令信号に基づいてパルス幅変調(Pulse Width Mo
dulation)信号及びゲート駆動信号G1-10(=Ga1〜G
e2)を生成し、FETゲート駆動回路22に供給する。
【0055】FETゲート駆動回路22は、制御回路2
1から出力されたゲート駆動信号G1-10に基づき、指定
されたトランジスタのゲート端子に所定の電圧供給を行
う。
【0056】図3は、上記制御回路21の機能ブロック
図である。図に示すように、制御回路21は、その機能
上、電流制御部31と、後述のように励磁電流が立ち上
がる(又は立ち下がる)励磁相のPWMデューティ比演
算部32と、モータ回転速度演算部33と、FETゲー
ト駆動信号演算部34とで構成される。
【0057】この制御回路21においては、前記モータ
電流指令信号Iref と電流検出回路24によって検出さ
れたモータ電流値Iとが電流制御部31に入力される。
電流制御部31は、前記トルクセンサからのトルク検出
値Tに対して所定の中立電圧VC よりも高いか否かによ
ってトルクの発生方向を検出し、所定の処理を行って、
モータの回転方向を決める電磁トルク方向指令信号 DRC
T を出力する。或いは、モータ電流検出値Iに符号を持
たせ、電流制御部31で生成した前記モータ駆動用電圧
指令信号の符号により電磁トルク方向指令信号 DRCT を
決め、これを出力するように構成してもよい。
【0058】上記電流制御部31は、後述のように相切
替時に電流変化率が制御される相以外の相に対する第1
のPWM信号のデューティ比 Duty1を演算して出力す
る。
【0059】一方、モータ回転速度演算部33は、ロー
タ位置検出回路25からの出力信号Sa-e より相切替信
号を生成し、その切替信号の発生周波数よりモータ回転
角速度ωを検出する。
【0060】上記第1のPWM信号のデューティ比 Dut
y1、モータ電流検出値I及びモータ回転速度ωは、相切
替時に電流変化率が制御される立上り(又は立下り)相
のPWMデューティ比演算部32に入力される。この演
算部32では、後述のように電流変化率が制御される相
に対する第2のPWM信号のデューティ比 Duty2が演算
される。
【0061】上記2つのデューティ比 Duty1,Duty2 、
電磁トルク方向指令 DRCT 及びロータ位置Sa-e の各信
号が、FETゲート駆動信号演算部34に入力される。
この演算部34では、各FETのゲート駆動(オン・オ
フ)信号G1-10が出力される。
【0062】上記FETゲート駆動信号演算部34は、
図4に示すように、第1のFETゲート駆動信号論理演
算部341、第2のFETゲート駆動信号論理演算部3
42及びFETゲート駆動信号合成演算部343で構成
される。
【0063】図4において、第1のFETゲート駆動信
号論理演算部341は、上記第1のPWM信号のデュー
ティ比 Duty1、位置検出信号Sa-e 及び電磁トルク方向
指令信号DRCTより、各相の上下段FETのゲート駆動信
号G'1-10 (=G'1,・・・・,G'10 )を生成する。
【0064】第2のFETゲート駆動信号論理演算部3
42は、上記第2のPWM信号のデューティ比 Duty2、
ロータ位置検出信号Sa-e 及び電磁トルク方向指令DRCT
より、励磁電流が立ち上がる(又は立ち下がる)相に対
する上下段FETのゲート駆動信号GPCを生成する。
【0065】FETゲート駆動信号合成演算部343
は、上記2つの通電区間信号G'1-10及びGPCから上記
FETゲート駆動信号G1-10を生成する。
【0066】図5は、第1のFETゲート駆動信号論理
演算部341を構成する演算ブロックを示す。この演算
部は、前記ロータ位置信号Sa-e と電磁トルクの方向指
令信号 DRCT から、従来通りのFET通電区間信号G"
1-10 を生成する演算ブロック341aと、その信号G"
1-10 と上記第1のPWM信号のデューティ比 Duty1か
ら、電流変化率を制御しない励磁相に対するFETゲー
ト駆動信号G'1-10 を生成する演算ブロック341bと
を示す。
【0067】図6は、図4の第2のFETゲート駆動信
号論理演算部342を構成する演算ブロックを示す。図
6において(A)は、前記ロータ位置信号Sa-e と電磁
トルクの方向指令信号 DRCT から、立下り(又は立上
り)相のFETゲート駆動信号G'PC を生成する演算ブ
ロック342aと、そのゲート駆動信号G'PC 及び第2
のPWM信号のデューティ比 Duty2から、切替時に切り
替えられる相のFETのゲート駆動信号GPCを生成する
演算ブロック342bとを示す。
【0068】また、通電区間終了は、この相の立下りが
始まる時であることから、図6(B)に示すように、演
算ブロック342aでは、ロータ位置信号Sa-e と電磁
トルクの方向指令信号 DRCT から得られるFETのゲー
ト駆動信号G"1-10 を用いて、励磁電流が切り替えられ
る相に対する駆動信号G'PC を生成するようにしてもよ
い。この場合、(A)よりも演算量を減らすことができ
る。
【0069】本発明によれば、制御回路21では、上記
のようにモータ電流I,第1のPWM信号のデューティ
比 Duty1及びモータ回転角速度ωの3つの信号から、第
2のPWM信号のデューティ比 Duty2を演算する。その
演算式は、次の関数fで表わされる。
【0070】 Duty2 =f(I,Duty1 ,ω) …(6) この関数fは、励磁電流を切り替える2つの相(例えば
a相とd相)の電流変化率が一致するか又は同程度にな
るように設定される。
【0071】次に、関数fの例を説明する。
【0072】図2のモータ駆動回路23に供給される電
源電圧をVb ,励磁コイルa〜eの中心接続点(各相の
合流点)の電圧をVn とし、Vn = (1/2)Vb と仮定す
る。そして、d相に対するPWM信号のデューティ比を
Duty2-1,a相に対するPWM信号のデューティ比を D
uty2-2とすると、各相の電圧方程式は次のようになる。
【0073】 a相: (2・Duty2-2−1)・0.5Vb =Lm(dia/dt) +iaa +Ea …(7) b相: (2・Duty1−1)・0.5Vb =Lm(dib/dt) +ibb +Eb …(8) c相: (2・Duty1−1)・0.5Vb =Lm(dic/dt) +icc +Ec …(9) d相: (2・Duty2-1−1)・0.5Vb =Lm(did/dt) +idd +Ed …(10) e相: (2・Duty1−1)・0.5Vb =Lm(die/dt) +iee +Ee …(11) 但し、Lm =L−M(Lは各相の自己インダクタンス、
Mは2つの相の間の相互インダクタンス)である。
【0074】矩形波電流駆動で、着磁波形は電気角 144
度の略台形波であるので、逆起電力も近似的に台形波に
なる。相切替え時に各相の逆起電圧の絶対値は、ほぼ等
しい。すなわち、 Ea =−Eb =−Ec =Ed =Ee =E …(12) また、各相のコイル抵抗も同じである。すなわち、 Ra =Rb =Rc =Rd =Re =R …(13) 切替える2つの相(この場合、a相とd相)の電流変化
率を同じにするため、両相の電流の合計は一定で、他の
相の電流は変化しない。すなわち、 ia +id =−ib =−ic =ie =i …(14) ∴ d(ia+id)/dt =−d(ib)/dt=−d(ic)/dt=−d(ie)/dt=d(i)/dt =0 …(15) 上記a相とd相の電圧方程式(7),(10)を加算して式(12)
〜(15)を代入すると、 (2Duty2-2+2Duty2-1−2)・0.5Vb =Lm(d(ia+id)/dt) +iaa+idd+Ea+Ed ∴ (Duty2-2+Duty2-1−1)Vb =iR+ 2E …(16) となる。また、上記e相の電圧方程式(11)に式(12)〜(1
5)を代入すると、 (2Duty1−1)・0.5Vb =Lm(die/dt) +iee +Ee =iR+E …(17) となる。
【0075】これら2つの式(16),(17)より、OFF相
のデューティ比 Duty2-1とON相のデューティ比 Duty
2-2との関係は、次のように求められる。
【0076】 iRを消去する場合 Duty2-1 + Duty2-2= Duty1+ 0.5+E/Vb = Duty1+ 0.5+Km・ω/2Vb …(18) 但し、E= (1/2)Km・ωで、Km [volt・sec]はモータの
電圧定数である。
【0077】 Eを消去する場合 Duty2-1 + Duty2-2= 2・Duty1−iR/Vb = 2・Duty1−(2i)R/2Vb …(19) 但し、iは1相の電流で、1個の電流検出器で検出する
場合、検出電流は2iになる。
【0078】上記2つの式(18),(19)のいずれかを用い
て、下記実施例1〜3のように、切り替えられる(O
N,OFF)相に対する第2のPWM信号のデューティ
比 Duty2-1,Duty2-2 を求めることができる。そして、
これらのデューティ比を持つPWM信号で相切替時の立
下り相(又は立上り相)の駆動電流を制御することによ
り、切替える2つの相の電流変化率を一致させるか又は
同程度にすることができ、従来の相切替時の電流変動
(図17)が抑えられる。このとき、検出される電流は
上記モータ電流Iのみであり、必要な電流検出回路は1
つで済む。
【0079】[実施例1]励磁電流切替時に立下り相
(例えばd相)の電流変化率を制御して、立上り相(例
えばa相)のPWM信号の電流変化率と一致させるよう
にする。
【0080】この場合、a相に対するPWM信号のデュ
ーティ比 Duty2-2=Duty1 であるから、d相に対するP
WM信号のデューティ比Duty2-1 は、式(18)より Duty2-1 = 0.5+Km・ω/2Vb …(20) 或いは、式(19)より Duty2-1 = Duty1−(2i)R/2Vb …(21) として求められる。
【0081】図7(A)は各相の逆起電圧Ea-e (=E
a ,・・・・,Ee )、図7(B)は図6の機能ブロックで
演算された、立下り相(d相)の電流変化率制御用ゲー
ト駆動信号G'PC 、図8(C)は図5の機能ブロックで
演算された、各相の上下段FETのゲート駆動信号G"
1-10 、図8(D)はロータ位置検出信号Sa-e の各波
形の位相関係を示す。
【0082】この場合、図5の論理演算により、図8
(D)のロータ位置検出信号Sa-e と電磁トルク方向指
令DRCTとから、図8(C)のゲート駆動信号G"1-10
生成され、この駆動信号G"1-10 とデューティ比Duty1
のPWM信号とから、従来通りのゲート駆動信号G'
1-10 が生成される。
【0083】また、図6(A)の論理演算により、図8
(D)のロータ位置検出信号Sa-eと電磁トルク方向指
令DRCTとから、図7(B)の立下り相(d相)に対する
ゲート駆動信号G'PC が生成される。
【0084】このゲート駆動信号G'PC は、図8(C)
のゲート駆動信号G"1-10 が“Low”(0)になった
時、“High”(1)になる。つまり、この相に対す
る従来の駆動信号G"1-10 が“Low”(電流の立ち下
がり)になった時に、別の駆動信号G'PC で、その電流
の立ち下がりを制御する。例えば、図8(C)のTd1
(上段FETの一つ)のゲート駆動信号G"1-10 が、電
気角18のところで“Low”になった時、図7(B)の
Td1のゲート駆動信号G'PC は“High”になり、そ
の後、電気角54のところで“Low”になる。このゲー
ト駆動信号G'PCとデューティ比Duty2 のPWM信号と
から、立下り相(d相)のゲート駆動信号GPCが生成さ
れる。
【0085】実際のFETゲート駆動信号G1-10は、上
記のG'1-10 とGPCとを合成演算して生成される。
【0086】このようにして立下り相の電流変化率を制
御することにより、図9に示すように、励磁電流切替時
に立下り相(d相)と立上り相(a相)の電流変化率を
一致させることができる。従って、電流変動とトルク変
動は、従来のFET駆動方法での電流変動によるトルク
変動波形(図17)と比べて大幅に抑制される。
【0087】[実施例2]励磁電流切替時に立上り相
(例えばa相)の電流変化率を制御して、立下り相(例
えばd相)のPWM信号の電流変化率と同じくなるよう
にする。
【0088】この場合、d相に対するPWM信号のデュ
ーティ比 Duty2-1=0であるから、a相に対するPWM
信号のデューティ比 Duty2-2は、式(18)より Duty2-2 = Duty1+ 0.5+Km・ω/2Vb …(22) 或いは、式(19)より Duty2-2 = 2・Duty1−(2i)R/2Vb …(23) として求められる。但し、Duty2-2 >1となる場合は、
Duty2-2 =1とする。
【0089】図10(A)は各相の逆起電圧Ea-e 、図
10(B)は図6の機能ブロックで演算された、立上り
相(a相)の電流変化率制御用ゲート信号G'PC 、図1
1(C)は図5の機能ブロックで演算された、各相の上
下段FETのゲート駆動信号G"1-10 、図11(D)は
ロータ位置検出信号Sa-e の各波形の位相関係を示す。
【0090】この場合、図5の論理演算により、図11
(D)のロータ位置検出信号Sa-eと電磁トルク方向指
令DRCTとから、図11(C)のゲート駆動信号G"1-10
が生成され、この駆動信号G"1-10 とデューティ比Duty
1 のPWM信号とから、従来通りのゲート駆動信号G'
1-10 が生成される。
【0091】また、図6(A)の論理演算により、図1
1(D)のロータ位置検出信号Sa-e と電磁トルク方向
指令DRCTとから、図10(B)の立上り相(a相)ゲー
ト駆動信号G'PC が生成される。
【0092】このゲート駆動信号G'PC は、図11
(C)のゲート駆動信号G"1-10 が“High”(1)
になった時、“High”(1)になる。つまり、この
相に対するゲート駆動信号G"1-10 が“High”(電
流の立ち上がり)になった時に、別の駆動信号G'PC
で、その電流の立ち上がりを制御する。例えば、図11
(C)のTa1(上段FETの一つ)のゲート駆動信号
G"1-10 が、電気角18のところで“High”になった
時、図10(B)のTa1のゲート駆動信号G'PC は“H
igh”になり、すぐに“Low”になる。これは、ゲ
ート駆動信号G"1-10 の立ち上がりをより速くするため
である。このゲート駆動信号G'PC とデューティ比Duty
2 のPWM信号とから、立上り相(a相)のゲート駆動
信号GPCが生成される。
【0093】実際のFETゲート駆動信号G1-10は、上
記のG'1-10 とGPCとを合成演算して生成される。
【0094】このようにして立上り相の電流変化率を制
御することにより、図12に示すように、前述の区間
において、励磁電流切替時の立上り相(a相)の電流変
化率を立下り相(d相)の電流変化率に近づけることが
できる。従って、従来のFET駆動方法での電流変動に
よるトルク変動波形(図17)と比べて、変動が大幅に
抑制される。
【0095】更に、この実施例2の場合、立上り相と立
下り相の電流変化率を完全に一致させることは困難であ
るが、前記実施例1の効果を示す図9と比較すると、電
流切替えの過渡時間(すなわち、切り替え開始から電流
が安定するまでの時間)を短くできるという利点があ
る。これにより、モータが高速回転する時には、2つの
電流切替え時点の間の電流安定時間が長くなり、電流変
動とトルク変動の低減に寄与する。
【0096】[実施例3]これは、上記実施例1と実施
例2の組み合わせである。すなわち、励磁電流切替時に
立下り相(例えばd相)に対するPWM信号の電流変化
率と立上り相(例えばa相)の電流変化率の両方を制御
して、両者が同じくなるようにする。
【0097】この場合、d相に対するPWM信号のデュ
ーティ比 Duty2-1は、式(20)より 0<Duty2-1 < 0.5+Km・ω/2Vb …(24) の範囲で選択する。また、a相に対するPWM信号のデ
ューティ比 Duty2-2は、式(18)より Duty2-2 = Duty1− Duty2-1+ 0.5+Km・ω/2Vb …(25) として求められる。但し、Duty2-2 >1となる場合は、
Duty2-2 =1とする。
【0098】或いは、d相に対するPWM信号のデュー
ティ比 Duty2-1は、式(21)より 0<Duty2-1 < Duty1−(2i)R/2Vb …(26) の範囲で選択する。また、a相に対するPWM信号のデ
ューティ比 Duty2-2は、式(19)より Duty2-2 = 2・Duty1− Duty2-1−(2i)R/2Vb …(27) として求められる。但し、Duty2-2 >1となる場合は、
Duty2-2 =1とする。
【0099】図13(A)は各相の逆起電圧Ea-e 、図
13(B)は図6の機能ブロックで演算された、立下り
相(d相)及び立上り相(a相)の電流変化率制御用ゲ
ート駆動信号G'PC 、図14(C)は図5の機能ブロッ
クで演算された、各相の上下段FETのゲート駆動信号
G"1-10 、図14(D)はロータ位置検出信号Sa-e
各波形の位相関係を示す。
【0100】この場合、図5の論理演算により、図14
(D)のロータ位置検出信号Sa-eと電磁トルク方向指
令 DRCT とから、図14(C)のゲート駆動信号G"
1-10 が生成され、この駆動信号G"1-10 とデューティ
比Duty1 のPWM信号とから、ゲート駆動信号G'1-10
が生成される。
【0101】また、図6(A)の論理演算により、図1
4(D)のロータ位置検出信号Sa-e と電磁トルク方向
指令 DRCT とから、図13(B)の立下り相(d相)及
び立上り相(a相)に対するゲート駆動信号G'PC が生
成される。
【0102】このゲート駆動信号G'PC は、図14
(C)のゲート駆動信号G"1-10 が“High”(1)
又は“Low”(0)になった時、“Low”(0)又
は“High”(1)になる。つまり、駆動信号G"
1-10 が“High”(電流の立ち上がり)又は“Lo
w”(電流の立ち下がり)になった時に、別の駆動信号
G'PCで、その電流の立ち上がり又は立ち下がりを制御
する。例えば、図14(C)のTd1,Ta1のゲート駆動
信号G"1-10 が、それぞれ電気角 18 のところで“Lo
w”,“High”になった時、図13(B)のTd1,
Ta1の各ゲート駆動信号G'PC はそれぞれ“High”
になり、その後、Ta1のゲート駆動信号はすぐに“Lo
w”になり、Td1のゲート駆動信号は電気角 54 のとこ
ろで“Low”になる。これらのゲート駆動信号G'PC
とデューティ比Duty2 のPWM信号とから、立下り相
(d相)及び立上り相(a相)に対するゲート駆動信号
PCが生成される。
【0103】実際のFETゲート駆動信号G1-10は、上
記のG'1-10 とGPCとを合成演算して生成される。
【0104】このようにして立下り相と立上り相の両方
の電流変化率を制御することにより、図15に示すよう
に、前述の区間の始めから区間の途中(−1)ま
での間に、励磁電流切替時の立下り相(d相)と立上り
相(a相)の電流変化率を一致させることができる。従
って、従来のFET駆動方法での電流変動によるトルク
変動波形(図17)と比べて、変動が大幅に抑制され
る。
【0105】更に、この実施例3の場合も、立上り相と
立下り相の電流変化率を完全に一致させることは困難で
あるが、前記実施例2と同様、電流切替えの過渡時間を
短くできるという利点がある。これにより、モータが高
速回転する時、2つの電流切替え時点の間の電流安定時
間が長くなり、電流変動とトルク変動の低減に寄与す
る。
【0106】以上の実施例では、第1のPWM信号のデ
ューティ比 Duty1と、ロータ位置Sa-e と電磁トルクT
m の方向指令DRCTより、各FETのゲート駆動信号G'
1-10を決める。一方、切替えられる相の立ち下がり及び
/又は立ち上がり電流の変化率を制御するため、切替え
られる相に対する第2のPWM信号のデューティ比 Dut
y2を演算する。この演算は、モータ電流値I、第1のP
WM信号のデューティ比 Duty1及びモータ回転角速度ω
の関数fを用いて行われる。このため、電流検出回路2
4でモータの電流値Iを検出し、電流フィードバック制
御の出力から第1のPWM信号のデューティ比 Duty1を
得ると共に、ロータ位置検出信号Sa-eから切替信号を
生成し、モータ回転角速度ωを検出する。そして、立ち
上がり及び/又は立ち下がり相のFET駆動開始信号
G'PC とデューティ比Duty2 との論理演算により、実際
切り替えられる相のFET駆動制御信号GPCを決定し、
これらの信号G'1-10 ,GPCによりモータの駆動を制御
する。
【0107】以上では、本発明を5相ブラシレスモータ
の制御に適用した実施例について説明したが、5相に限
らず、相数が異なっても、励磁信号の切替時に切り替え
られる相の励磁電流の変化率を上記実施例と同様に制御
すればよい。
【0108】また、本発明は、ボールスクリュータイプ
の電動パワーステアリング用中空軸ブラシレスモータの
制御にも利用できる。更に、本発明は、ブラシレスモー
タに限らず、矩形波信号で駆動制御されるモータ(例え
ばリニアモータ)の制御に適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】5相ブラシレスモータの断面図。
【図2】実施例の電動パワーステアリング装置の回路
図。
【図3】図2の装置に用いられる制御回路の機能ブロッ
ク図。
【図4】図3においてゲート駆動信号を生成する論理演
算部の機能ブロック図。
【図5】図4の第1のFETゲート駆動信号論理演算部
を構成する演算ブロックを示す図。
【図6】図4の第2のFETゲート駆動信号論理演算部
の構成例を示すブロック図。
【図7】本発明の第1実施例による5相ブラシレスモー
タの各相の逆起電圧Ea-e 及び励磁電流切替時の立下り
相の電流変化率制御用ゲート信号G'PC を示す波形図。
【図8】第1実施例で生成された各相駆動信号G"1-10
及びロータ位置検出信号Sa-eの波形図。
【図9】第1実施例による励磁電流切替時の各相の電流
変化及び電磁トルク変化を示す図。
【図10】本発明の第2実施例による5相ブラシレスモ
ータの各相の逆起電圧Ea-e 及び励磁電流切替時の立上
り相の電流変化率制御用ゲート信号G'PC を示す波形
図。
【図11】第2実施例で生成された各相駆動信号G"
1-10 及びロータ位置検出信号Sa-eの波形図。
【図12】第2実施例による励磁電流切替時の各相の電
流変化及び電磁トルク変化を示す図。
【図13】本発明の第3実施例による5相ブラシレスモ
ータの各相の逆起電圧Ea-e 及び励磁電流切替時の立下
り相と立上り相の電流変化率制御用ゲート信号G'PC
示す波形図。
【図14】第3実施例で生成された各相駆動信号G"
1-10 及びロータ位置検出信号Sa-eの波形図。
【図15】第3実施例による励磁電流切替時の各相の電
流変化及び電磁トルク変化を示す図。
【図16】5相ブラシレスモータの各相の励磁電流の波
形図。
【図17】従来の励磁電流切替時の各相の電流変化及び
電磁トルク変化を示す図。
【符号の説明】
1…5相ブラシレスモータ、2…円筒形ハウジング、3
a,3b…軸受、4…回転軸、5…永久磁石、6…ステ
ータ、6a〜6e…励磁コイル、7…ロータ、8…永久
磁石、9…ステー、10…支持基板、11…位相検出素
子、12…コイル回路、20…モータ駆動制御装置、2
1…制御回路、22…FETゲート駆動回路、23…モ
ータ駆動回路、24…電流検出回路、25…ロータ位置
検出回路,26…電源、27…、28…、31…電流制
御部、32…PCMデューティ演算部、33…モータ回
転速度演算部、34…FETゲート駆動信号演算部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の励磁相を有するモータの駆動を制御
    する装置であって、前記モータの各励磁相に供給する励
    磁信号を生成する駆動手段と、各励磁相ごとに前記励磁
    信号の方向決定及びオン・オフの切替えを行う制御手段
    とを備え、該制御手段は、前記切替え時に切り替えられ
    る励磁信号の変化率を制御することを特徴とするモータ
    駆動制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のモータ駆動制御装置におい
    て、前記駆動手段は、前記励磁信号として前記モータの
    複数の励磁コイルに供給する励磁電流を生成する駆動回
    路を含み、前記制御手段は、前記励磁電流の切替え時に
    前記励磁電流が立ち上がる励磁相と立ち下がる励磁相の
    電流変化率を一致させるか又は同程度にする駆動信号を
    前記駆動回路に供給することを特徴とするモータ駆動制
    御装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載のモータ駆動制御装置におい
    て、前記制御手段は、前記励磁電流が切り替えられない
    励磁相に対する第1のPWM信号と、前記励磁電流が立
    ち上がる励磁相及び/又は立ち下がる励磁相に対する第
    2のPWM信号とを合成演算することにより、前記駆動
    信号を生成することを特徴とするモータ駆動制御装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載のモータ駆動制御装置におい
    て、前記第2のPWM信号のデューティ比 (Duty2)は、
    前記切替え時のモータ電流値(I)、前記第1のPWM
    信号のデューティ比 (Duty1)及びモータの回転角速度
    (ω)の関数であることを特徴とするモータ駆動制御装
    置。
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