JP2000278984A - ブラシレスdcモータ駆動制御装置 - Google Patents

ブラシレスdcモータ駆動制御装置

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JP2000278984A
JP2000278984A JP2000004884A JP2000004884A JP2000278984A JP 2000278984 A JP2000278984 A JP 2000278984A JP 2000004884 A JP2000004884 A JP 2000004884A JP 2000004884 A JP2000004884 A JP 2000004884A JP 2000278984 A JP2000278984 A JP 2000278984A
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brushless
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motor drive
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JP2000004884A
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Satoshi Chin
慧 陳
Koji Matsuda
公二 松田
Toshiyuki Onizuka
利行 鬼塚
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブラシレスDCモータのトルク変動を大幅に
低減することができるブラシレスDCモータ駆動制御装
置を提供する。 【解決手段】 位置検出器を用いてロータの回転角度又
はその一部を高分解能で示す回転角度信号を生成し、当
該回転角度信号を用いて矩形波駆動をするブラシレスD
Cモータ駆動制御装置において、前記回転角度信号を用
いて、ブラシレスDCモータの電機子反作用による矩形
波駆動の転流位置のずれに相当する電気角度を補償す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラシレスDCモ
ータを駆動制御するブラシレスDCモータ駆動制御装置
に関し、特にブラシレスDCモータのトルクの変動を良
好に抑えるブラシレスDCモータ駆動制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ブラシレスDCモータを矩形波で
駆動する場合は、例えば、三相の場合は3個のホール素
子、五相の場合は5個のホール素子というように、ロー
タの位置を少ない数のホール素子等で検出して位置検出
信号を生成し、その少ない位置検出信号を用いてロータ
と電機子コイルの相対的な位置関係を検出し、この位置
関係から転流位置を決めていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ブラシレスDCモータでは、低コスト化、小形化及び高
出力化に伴い、ブラシレスDCモータのトルク定数及び
アンペアターンが大きくなってしまう。このアンペアタ
ーン増大するほど、ブラシレスDCモータの電機子電流
の起磁力が大きくなり、各相のトルク形状の歪みを大き
くしてしまう。
【0004】少ない数のホール素子等を用いて転流位置
を決めて矩形波駆動される従来のブラシレスDCモータ
では、相電流の転流位置が固定されているので、図12
(b)に示すような各相の歪んだトルクを加え合わせる
と、2相の電流の転流位置でのトルクのつなぎは不連続
になる。その不連続性により、図12(a)に示すよう
なトルク変動が起きてしまう。このトルク変動は、ブラ
シレスDCモータの運転時における騒音の発生原因にな
ってしまう。
【0005】一方、このようなトルク変動のある従来の
ブラシレスDCモータを車輌における電動パワーステア
リングの動力源とした場合は、ハンドルをゆっくり回転
させた時に、そのトルク変動が操舵フィーリングに影響
すると共に、ハンドルを早く回転させた時の騒音の発生
原因になってしまう。
【0006】本発明は上述のような事情からなされたも
のであり、本発明の第1の目的は、ブラシレスDCモー
タのトルク変動を大幅に低減することができるブラシレ
スDCモータ駆動制御装置を提供することにある。
【0007】本発明の第2の目的は、電動パワーステア
リングにおける操舵フィーリングを良好にするととも
に、騒音の発生を低減することができるブラシレスDC
モータ駆動制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、位置検出器を
用いてロータの回転角度又はその一部を高分解能で示す
回転角度信号を生成し、当該回転角度信号を用いて矩形
波駆動をするブラシレスDCモータ駆動制御装置に関
し、本発明の上記第1の目的は、前記回転角度信号を用
いて、ブラシレスDCモータの電機子反作用による矩形
波駆動の転流位置のずれに相当する電気角度を補償する
ことによって達成される。
【0009】また、本発明の上記第2の目的は、前記回
転角度信号を用いてブラシレスDCモータの電機子反作
用による矩形波駆動の転流位置のずれに相当する電気角
度を補償することを特徴とするブラシレスDCモータ駆
動制御装置が、車輌の舵輪操作に要する力をブラシレス
DCモータの回転力により補助する電動式パワーステア
リング装置における、当該ブラシレスDCモータを駆動
制御するものとすることによって達成される。
【0010】また、本発明の上記第1及び第2目的は、
前記ブラシレスDCモータの電機子反作用による矩形波
駆動の転流位置のずれに相当する電気角度を、正転駆
動、逆転駆動、正転回生制動及び逆転回生制動からなる
4つの運転状態とブラシレスDCモータの電機子反作用
の影響を示す値との関数を用いて決定することによっ
て、より効果的に達成される。
【0011】このような本発明に係るブラシレスDCモ
ータ駆動制御装置によれば、ロータの細かな回転角度を
示すことができる回転角度信号を用いて、矩形波駆動を
するので、相電流転流位置の細かな調整ができる。
【0012】さらに、本発明に係るブラシレスDCモー
タ駆動制御装置によれば、ロータの細かな回転角度を示
すことができる回転角度信号を用いて、ブラシレスDC
モータの4つの運転状態とブラシレスDCモータの電機
子反作用のトルク歪みに対する影響とを、相電流の転流
位置の細かな進み又は遅れ調整により補償することで、
ブラシレスDCモータのトルク変動を大幅に低減するこ
とができる。
【0013】さらにまた、本発明に係るブラシレスDC
モータ駆動制御装置を、電動式パワーステアリング装置
の動力源となるブラシレスDCモータを駆動制御するも
のとすることにより、操舵フィーリングが良く、振動と
ノイズの少ない電動式パワーステアリング装置を構築す
ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0015】本実施の形態のブラシレスDCモータ駆動
制御装置は、電機子反作用によるトルク変動の補償をす
る。
【0016】図1は、本発明の装置で駆動制御されるモ
ータの一例の5相ブラシレスモー夕の内部構造を示す縦
断面図である。
【0017】この5相のブラシレスDCモータ1は、円
筒形のハウジング2と、このハウジング2の軸心に沿っ
て配設され、軸受3a,3bにより回転自在に支持され
た回転軸4と、この回転軸4に固定されたモータ駆動用
の永久磁石5と、この永久磁石5を包囲するようにハウ
ジング2の内周面に固定され且つ5相の励磁コイル6
a,6b,6c,6d及び6eが巻き付けられた固定子
(ステータ)6とを具備し、回転軸4及び永久磁石5に
よって回転子(ロータ)7を構成している。
【0018】ロータ7の回転軸4の一端部の近傍には、
位相検出用のリング状永久磁石8が固定され、この永久
磁石8は、周方向に等間隔で交互にS極とN極に着磁さ
れている。また、ロータ7の永久磁石5も、S極及びN
極が周方向に交互に等問隔で着磁されている。
【0019】ハウジング2内の軸受3bが配設された側
の端面には、ステー9を介して、リング状の薄板からな
る支持基板10が、その内側の絶縁部分が上記永久磁石
8に対向するように配設されている。この支持基板10
の永久磁石8側の面には、永久磁石8に対向するよう
に、例えばホール素子からなる位相検出素子11が固定
されている。なお、位相検出素子11は、実際には励磁
コイル6a〜6eの駆動タイミングに対応して周方向に
適宜離間して5個(11a〜11e)設けられている
が、図1はそのうちの一つのみ示している。
【0020】上記位相検出素子11a〜11eは、各々
に対向する永久磁石8の磁極が、N極の場合には、位置
検出信号として“H”のセンサ信号を、S極の場合には
“L”のセンサ信号をそれぞれ出力する。これら各位相
検出素子11a〜11eの出力は、各素子に対向する永
久磁石8の磁極によって変化することを利用して、ロー
タ7の回転位置を検知できる。その回転位置に応じて、
後述のモータ駆動制御装置20(図2)が、上記5相の
励磁コイル6a〜6eに対し、4相同時に通電しなが
ら、通電する励磁コイルを1相ずつ順次切り換える4相
励磁方式により、ロータ7を回転駆動するようになって
いる。
【0021】一方、5相の励磁コイル6a〜6eは、ロ
ータ7の外周面を電気角で72度ずつ離隔して取り囲む
ように配設され、図2に示すように、Y字型にスター結
線されて、このモータのコイル回路12を構成してい
る。なお、上記4相励磁方式ではモータ電流は4つの相
に流れることになるが、電流はコイル抵抗に反比例する
ので、各相にバランスよく電流を流すために、各励磁コ
イル6a〜6eのコイル抵抗は全て等しくなるように形
成されている。
【0022】また、上記ステータ6は、例えば、図示し
ないステータコア内周面に等間隔に30個のスロットを
有すると共に、これらのスロット間に同数の凸部を有
し、そのうち5個の凸部を1組として、各組に各励磁コ
イル6a〜6eを巻き付けるように構成されている。各
励磁コイル6a〜6eの一端はまとめて結線され、他端
はモータ駆動制御装置20に接続されている。
【0023】モータ駆動制御装置20は、図2に示すよ
うに、制御回路21、FETゲート駆動回路22、モー
タ駆動回路23、電流検出回路24及びロータ位置検出
回路25で構成されている。
【0024】制御回路21は、例えばマイクロコンピュ
ータで構成され、定電圧源26から一定電圧が供給され
る。制御回路21には、外部回路27から出力された電
流指令信号Irefが入力され、電流検出回路24から
モータ電流検出値I、ロータ位置検出回路25からロー
タ位置信号Sa-e(=S,・・・・,S)がそれぞれ入力
される。制御回路21は、これらの入力信号に基づい
て、モータ駆動回路23からモータのコイル回路12に
供給される駆動電流を制御する。
【0025】ここで、前述の電動パワーステアリング装
置の駆動源として上記5相ブラシレスモータが用いられ
る場合、外部回路27は、自動車の変速機の出力軸の回
転数に応じたパルス信号を発生する車速センサの出力か
ら求められる車速検出値Vと、ステアリングホィールの
入力軸に加えられた操蛇トルクを検出するトルクセンサ
の出力から求められるトルクの方向を含む検出値Tとか
ら、特性線図を参照して対応するモータ電流値を検索
し、これを電流指令信号Irefとして出力するように
構成される。これは、上記動作を実行するCPUなどの
回路で構成可能であるが、この回路に代えて、上記車速
センサ及びトルクセンサの各出力を制御回路21に入力
し、ここで電流指令信号Irefを生成するように構成
してもよい。
【0026】上記モータ駆動回路23は、電源供給側
(上段側)に5個,アース側(下段側)に5個の合計1
0個のトランジスタ(電界効果トランジスタFET)T
a1〜Te1,Ta2〜Te2で構成されている。これら10個
のトランジスタTa1〜Te1,Ta2〜Te2は、上段側と下
段側とで対応するトランジスタが直列接続され、これら
直列接続のトランジスタ対(Ta1−Ta2,Tb1−Tb2,T
c1−Tc2,Td1−Td2,Te1−Te2)の各々の上段側端
子は制御回路21に、下段側端子は電流検出回路24
に、それぞれ接続されると共に、各トランジスタ対の接
続部は、各励磁コイル6a〜6eの外端(スター結線の
中心側とは逆側)と接続されている。そして、トランジ
スタTa1−Te2の各々のゲート電圧は、ロータ位置検出
回路25からの検出信号Sa-eに基づいて、制御回路2
1により制御される。
【0027】これらにより、制御回路21は、FETゲ
ート駆動回路22を介して各トランジスタを駆動制御
し、順次1相ずつ励磁コイルを切り換えながら励磁す
る。これにより、ステータ6に発生するN極又はS極が
順次移動し、ロータ7が連続回転する。
【0028】また、制御回路21は、ロータ位置検出回
路25からの検出信号Sa-eについて予め設定した組み
合わせと、上段側及び下段側のゲート信号との対応を表
すゲート設定テーブルを、所定の記憶部に格納してい
る。
【0029】さらにまた、制御回路21は、ロータ位置
検出回路25から送られる検出信号Sa-eの組み合わせ
に対し、上記ゲート設定テーブルに基づいて、対応する
ゲート信号Ga1〜Ge2をFETゲート駆動回路22に送
る。また、制御回路21は、前述した入力信号に基づい
て電流制御によりモータ駆動用電圧指令信号を生成し、
この電圧指令信号に基づいてパルス幅変調(Pulse Wid
th Modulation)信号及びゲート駆動信号T1_10(=Ga
1〜Ge2)を生成し、FETゲート駆動回路22に供給
する。
【0030】次に、本発明の主要部であって、ブラシレ
スDCモータにおける電機子反作用によるトルク変動を
補償する手段について、具体的に説明する。
【0031】(1)第1の電動状態<正転駆動> この第1の電動状態では、ロータの回転方向をCWとし
て、トルクの方向もCWとする。
【0032】図3は、電機子反作用を無視した場合のブ
ラシレスDCモータ1におけるロータ7の永久磁石5の
表面とエアギャップの磁束密度分布状態を示す特性図で
ある。
【0033】ブラシレスDCモータ1における電機子反
作用を無視する場合は、エアギャップにおける磁束密度
の分布状態は主に永久磁石5の表面の磁束密度の分布状
態で決まる。図3(c)は、エアギャップにおける磁束
密度の分布状態を示し、図3(a)は、永久磁石5の表
面の磁束密度の分布状態を示している。
【0034】図4は、ブラシレスDCモータ1における
電機子反作用を無視した場合の各相の電流、各相の定常
電流トルク及び合成トルクの各波形を示す特性図であ
る。
【0035】ブラシレスDCモータ1の各相に定常電流
を流すと、各相の電磁トルクの状態はエアギャップにお
ける磁束密度の分布状態とほぼ同じで、図4(b)に示
すようになる。図1に示すような5相のブラシレスDC
モータ1を4相励磁矩形波で駆動するときは、各相の電
流を図4(c)に示すように転流させる。これにより、
各相の電流によって合成したモータの電磁トルクの状態
は、図4(a)に示すようになる。
【0036】図5は、第1の電動状態における、電機子
反作用を考慮した場合のブラシレスDCモータ1におけ
るロータ7の永久磁石5の表面とエアギャップの磁束密
度分布状態を示す特性図である。
【0037】電機子反作用を考慮した場合は、エアギャ
ップにおける磁束密度の分布状態は永久磁石5の表面の
磁束密度の分布と電機子電流で生じたエアギャップにお
ける磁束密度分布との合成波形で決まる。図5(c)に
示すように、エアギャップにおける磁束密度の合成波形
は歪んでいる。その歪んだエアギャップの磁束密度分布
により、各相の定常電流での電磁トルク状態は図6
(b)に示すように歪んでしまう。
【0038】図6は、第1の電動状態における、ブラシ
レスDCモータ1の電機子反作用を考慮した場合の各相
の電流、各相の定常電流トルク及び合成トルクの各波形
を示す特性図である。ここで、図4(c)に示す矩形波
と同じ矩形波の電流(図6(c)に示す矩形波電流)で
励磁する場合は、電流の転流位置での2つの相の電磁ト
ルクは電機子反作用により歪んだため、不連続になり、
その合成したモータの電磁トルクの状態は図6(a)に
示す状態となる。
【0039】電流をIとした場合は、電機子反作用によ
る転流位置のずれ電気角度を下記数1に示す。
【0040】
【数1】δa cwcw=fcwcw(I) ここで、δa cwcwは転流位置のずれ量を電気角度で示し
たものである。
【0041】として、従来の転流位置の電気角度δbと
すると、その転流位置のずれによるトルクの変化を補償
するために、本実施形態のブラシレスDCモータ1駆動
制御装置の転流位置は、従来のブラシレスDCモータ1
駆動制御装置の転流位置の電気角度δbから電気角度δ
baにシフトしたものとする。電気角度δbaは、下記
数2から求める。
【0042】
【数2】 δba=δb−δa cwcw (δa cwcw=fcwcw(I)≧0) ここで、電流Iと転流のずれ電気角度との関係「(δa
cwcw=fcwcw(I))」は磁界解析又は実験から求め
る。
【0043】図11は、本実施形態のブラシレスDCモ
ータ駆動制御装置における電機子反作用の補償方法を示
すブロック図である。図11に示すように、本実施形態
のブラシレスDCモータ駆動制御装置は、電流Iの時に
ロータ7の位置が電気角度δbaとすると、矩形波による
駆動パターンは、電気角度δb=δba+δa cwcwに基づ
いて従来のホール素子パターンテーブルSa e=Tbls(δ
b)を参照して、ホール素子信号Sa eを発生し、そのホー
ル素子信号Sa eにより、駆動パターンテーブルT1_10=T
blt(Sa e,mtdir)を参照してスイッチング素子(例え
ば、FET)のON-OFF信号であるゲート駆動信号T1_10
を決める。ここで、mtdirは電磁トルクの方向:CWで
ある。テーブルTblsとテーブルTbltを1つのテーブルT1
_10=Tblst(δb,mtdir)にまとめて、電気角度δbに基づ
いて直接駆動パターンであるゲート駆動信号T1_10を求
めることもできる。
【0044】図7は、本実施形態のブラシレスDCモー
タの第1の電動状態における、電機子反作用の影響を補
償した場合の各相の電流、各相の定常電流トルク及び合
成トルクの各波形を示す特性図である。転流位置を電気
角度δbから電気角度δbaにシフトした結果、転流位置
でのトルク変化が大きく低減し、合成トルクは図7
(a)に示すようになる。
【0045】(2)第2の電動状態<逆転駆動> この第2の電動状態では、ロータ7の回転方向をCCW
として、トルクの方向もCCWとする。
【0046】上述の第1の電動状態の場合は、ロータ7
の回転方向はCWであり、電機子反作用によるトルク変
化を補償するため、転流位置を従来の転流位置からCW
方向に進ませる必要がある。この第2の電動状態では、
ロータ7の回転方向はCCWであるので、電機子反作用
のトルク変化を補償するために、転流位置を従来の転流
位置からCCW方向に進ませる必要がある。したがっ
て、本実施形態のブラシレスDCモータ駆動制御装置の
電流転流位置は、従来のブラシレスDCモータ駆動制御
装置の転流位置の電気角度δbから電気角度δbaにシ
フトさせる。この電気角度δbaは、下記数3から求め
られる。
【0047】
【数3】 δba=δb+δa ccwccw (δa ccwccw=fccwccw(I)≧0) ここで、電機子反作用による転流位置のずれ量の電気角
度δa ccwccwは関数fccwccw(I)で表している。
【0048】(3)第1の回生制動状態<正転回生制動
> この第1の回生状態では、ロータ7の回転方向をCWと
して、トルクの方向はCCWとする。
【0049】図8は、第1の回生状態における、電機子
反作用を考慮した場合のブラシレスDCモータ1のロー
タ7の永久磁石5の表面とエアギャップの磁束密度分布
状態を示す特性図である。
【0050】この第1の回生状態の場合は、電流の方向
は電動状態1の場合と逆方向なので、電機子電流で生じ
たエアギャップにおける磁束密度の分布状態は図8
(b)に示すようになる。電機子と永久磁石5の合成磁
束密度分布は、図8(c)に示すように歪んでしまう。
【0051】その歪んだ合成磁束密度分布により、従来
のブラシレスDCモータ駆動制御装置の転流位置で転流
する場合は、各相の定常電流での電磁トルク状態が図9
(b)に示すように歪んでしまう。図9は、第1の回生
状態における、ブラシレスDCモータ1の電機子反作用
を考慮した場合の各相の電流、各相の定常電流トルク及
び合成トルクの各波形を示す特性図である。
【0052】これらの電機子反作用によるトルク変化を
補償するためには、転流位置を従来のブラシレスDCモ
ータ駆動制御装置の転流位置よりもCW方向に遅らせる
必要がある。そこで、その電機子反作用によるトルク変
化を補償するために、本実施形態のブラシレスDCモー
タ駆動制御装置の転流位置は、従来のブラシレスDCモ
ータ駆動制御装置の転流位置の電気角度δbから電気角
度δbaにシフトしたものとする。電気角度δbaは、
下記数4から求める。
【0053】
【数4】 δba=δb+δa cwccw (δa cwccw=fcwccw(I)≧0) ここで、電機子反作用による転流位置のずれ量の電気角
度δa cwccwは、関数fcwccw(I)で表す。
【0054】図10は、本実施形態のブラシレスDCモ
ータの第1の回生状態における、電機子反作用の影響を
補償した場合の各相の電流、各相の定常電流トルク及び
合成トルクの各波形を示す特性図である。転流位置を電
気角度δbから電気角度δbaにシフトした結果、転流位
置でのトルク変化が大きく低減し、合成トルクは図10
(a)に示すようになる。
【0055】(4)第2の回生制動状態<逆転回生制動
> この第2の回生状態では、ロータ7の回転方向をCCW
として、トルクの方向はCWとする。
【0056】上述の第1の回生状態の場合は、ロータ7
の回転方向はCWであり、電機子反作用によるトルク変
化を補償するため、転流位置を従来の転流位置からCW
方向に遅らせる必要がある。この第2の回生状態では、
ロータ7の回転方向はCCWであるので、電機子反作用
のトルク変化を補償するために、転流位置を従来の転流
位置からCCW方向に遅らせる必要がある。したがっ
て、本実施形態のブラシレスDCモータ駆動制御装置の
電流転流位置は、従来のブラシレスDCモータ駆動制御
装置の転流位置の電気角度δbから電気角度δbaにシ
フトさせる必要がある。この電気角度δbaは、下記数
5から求められる。
【0057】
【数5】 δba=δb−δa ccwcw (δa ccwcw=fccwcw(I)≧0) ここで、電機子反作用による転流位置のずれ量の電気角
度δa ccwcwは、関数fccwcw(I)で表している。
【0058】これらにより、本実施形態のブラシレスD
Cモータ駆動制御装置によれば、ロータ7についての細
かな位置信号を利用して矩形波駆動する場合に、電機子
反作用の影響によるの電流転流位置のずれの補償ができ
るので、それら電機子反作用の影響による転流時のトル
ク変動を大幅に低減することができる。
【0059】
【発明の効果】これらにより本発明によれば、ロータ7
についての細かな位置信号を利用して矩形波駆動する場
合に、電機子反作用の影響によるの電流転流位置のずれ
の補償ができるので、それら電機子反作用の影響による
転流時のトルク変動を大幅に低減することができるブラ
シレスDCモータ駆動制御装置を提供することができ
る。
【0060】また、本発明によれば、電機子反作用の影
響による転流時のトルク変動を大幅に低減することがで
きるので、本発明に係るブラシレスDCモータ駆動制御
装置を電動パワーステアリング装置に組み込めば、電動
パワーステアリングにおける操舵フィーリングを良好に
するとともに、騒音の発生を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】5相のブラシレスDCモータの断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るブラシレスDCモータ
駆動制御装置のブロック図である。
【図3】電機子反作用を無視した場合のブラシレスDC
モータのロータの磁石表面とエアギャップの磁束密度分
布状態を示す特性図である。
【図4】ブラシレスDCモータにおける電機子反作用を
無視した場合の各相の電流、各相の定常電流トルク及び
合成トルクの各波形を示す特性図である。
【図5】第1の電動状態における、ブラシレスDCモー
タの電機子反作用を考慮した場合のロータの磁石表面と
エアギャップの磁束密度分布状態を示す特性図である。
【図6】第1の電動状態における、ブラシレスDCモー
タの電機子反作用を考慮した場合の各相の電流、各相の
定常電流トルク及び合成トルクの各波形を示す特性図で
ある。
【図7】本実施形態のブラシレスDCモータの第1の電
動状態における、電機子反作用の影響を補償した場合の
各相の電流、各相の定常電流トルク及び合成トルクの各
波形を示す特性図である。
【図8】第1の回生状態における、電機子反作用を考慮
した場合のブラシレスDCモータのロータの磁石表面と
エアギャップの磁束密度分布状態を示す特性図である。
【図9】第1の回生状態における、ブラシレスDCモー
タの電機子反作用を考慮した場合の各相の電流、各相の
定常電流トルク及び合成トルクの各波形を示す特性図で
ある。
【図10】本実施形態のブラシレスDCモータの第1の
回生状態における、電機子反作用の影響を補償した場合
の各相の電流、各相の定常電流トルク及び合成トルクの
各波形を示す特性図である。
【図11】本実施形態のブラシレスDCモータ駆動制御
装置における電機子反作用の補償方法を示すブロック図
である。
【図12】従来のブラシレスDCモータ駆動制御装置に
おける電機子反作用の影響によるトルク変動を示す特性
図である。
【符号の説明】
1 ブラシレスDCモータ 2 ハウジング 3 軸受 4 回転軸 5 永久磁石 6 ステータ 7 ロータ 8 永久磁石 11 位相検出素子 12 コイル回路 20 モータ駆動制御装置 21 制御回路 22 FETゲート駆動回路 23 モータ駆動回路 24 電流検出回路 25 ロータ位置検出回路 26 定電圧源 27 外部回路

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位置検出器を用いてロータの回転角度又
    はその一部を高分解能で示す回転角度信号を生成し、当
    該回転角度信号を用いて矩形波駆動をするブラシレスD
    Cモータ駆動制御装置において、前記回転角度信号を用
    いて、ブラシレスDCモータの電機子反作用による矩形
    波駆動の転流位置のずれに相当する電気角度を補償する
    ことを特徴とするブラシレスDCモータ駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記ブラシレスDCモータの電機子反作
    用による矩形波駆動の転流位置のずれに相当する電気角
    度は、正転駆動、逆転駆動、正転回生制動及び逆転回生
    制動からなる4つの運転状態とブラシレスDCモータの
    電機子反作用の影響を示す値との関数を用いて決定する
    請求項1に記載のブラシレスDCモータ駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 モータ電流をI、従来の転流位置の電気
    角度をδbとした場合、前記関数をδa=f(I,mtdir,mdi
    r)として新たな転流位置の電気角度をδba=δb−δa
    で表わすようにした請求項2に記載のブラシレスDCモ
    ータ駆動制御装置。
  4. 【請求項4】 前記回転角度信号を用いてブラシレスD
    Cモータの電機子反作用による矩形波駆動の転流位置の
    ずれに相当する電気角度を補償することを特徴とするブ
    ラシレスDCモータ駆動制御装置は、車輌の舵輪操作に
    要する力をブラシレスDCモータの回転力により補助す
    る電動式パワーステアリング装置における、当該ブラシ
    レスDCモータを駆動制御するものである請求項1に記
    載のブラシレスDCモータ駆動制御装置。
  5. 【請求項5】 前記回転角度信号を用いてブラシレスD
    Cモータの電機子反作用による矩形波駆動の転流位置の
    ずれに相当する電気角度を補償することを特徴とするブ
    ラシレスDCモータ駆動制御装置は、車輌の舵輪操作に
    要する力をブラシレスDCモータの回転力により補助す
    る電動式パワーステアリング装置における、当該ブラシ
    レスDCモータを駆動制御するものである請求項2に記
    載のブラシレスDCモータ駆動制御装置。
  6. 【請求項6】 前記ブラシレスDCモータの電機子反作
    用による矩形波駆動の転流位置のずれに相当する電気角
    度は、正転駆動、逆転駆動、正転回生制動及び逆転回生
    制動からなる4つの運転状態とブラシレスDCモータの
    電機子反作用の影響を示す値との関数を用いて決定する
    請求項4に記載のブラシレスDCモータ駆動制御装置。
  7. 【請求項7】 前記転流位置の電気角度のずれδaを、
    モータ電流I、トルク方向mtdir、ロータ回転方向
    mdirからf(I,mtdir,mdir)として求
    めるようになっている請求項1に記載のブラシレスDC
    モータ駆動制御装置。
  8. 【請求項8】 前記ロータの回転電気角度信号をδbaと
    した場合、駆動パターン選択用転流位置電気角度δbを
    g(δa,δba,mtdir,mdir)で求めるよう
    になっている請求項7に記載のブラシレスDCモータ駆
    動制御装置。
  9. 【請求項9】 前記駆動パターン選択用転流位置電気角
    度δb及び前記トルク方向からTblst(δb,mtd
    ir)によりモータ駆動信号を得るようになっている請
    求項8に記載のブラシレスDCモータ駆動制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100800901B1 (ko) * 2000-11-24 2008-02-04 마츠시타 덴끼 산교 가부시키가이샤 모터 제어 장치

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