JPH11355023A - 内蔵アンテナを有する携帯通信機器 - Google Patents

内蔵アンテナを有する携帯通信機器

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JPH11355023A
JPH11355023A JP16511598A JP16511598A JPH11355023A JP H11355023 A JPH11355023 A JP H11355023A JP 16511598 A JP16511598 A JP 16511598A JP 16511598 A JP16511598 A JP 16511598A JP H11355023 A JPH11355023 A JP H11355023A
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JP
Japan
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antenna
built
portable communication
communication device
base
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JP16511598A
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Tadahiro Okuma
忠裕 大熊
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NEC Saitama Ltd
Original Assignee
NEC Saitama Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構成部品点数を増すことなく、重量を軽減す
ることのできる内蔵アンテナを有する携帯通信機器を提
供することを目的とする。 【解決手段】 アンテナ部と、回路基板の所定部位に接
触する接触部と、この接触部と前記アンテナ部とを導通
接続する接続部とからなる内蔵アンテナを有する携帯通
信機器において、前記携帯通信機器のケース1の内部に
取り付けられる基体4aと、この基体4aに形成された
アンテナ部9aと、前記基体4aの一部に基体4aと一
体に形成され基体4aから回路基板3に向けて立ち上が
る弾発部4bと、この弾発部4bに形成され、回路基板
3の所定部位に接触する接触部9bおよびこの接触部9
bとアンテナ部9aとを導通接続する接続部9cとから
構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話や無線機
等の携帯通信機器の内蔵バッテリをケース内で回路基板
に接続する、内蔵アンテナを有する携帯通信機器に関す
る。
【0002】
【従来技術】携帯電話や無線機等の携帯通信機器におい
ては、内蔵するバッテリの電源を基板回路に供給して駆
動させるのが一般的である。図4および図5は内蔵アン
テナを有する携帯通信機器の従来例にかかり、携帯通信
機器の要部の部分断面図である。
【0003】回路基板(プリント基板)33や内蔵アン
テナ34を収容するケース31は、上ケース31aと下
ケース31bとからなる上下二分割構造で、下ケース3
1bの底部に内蔵アンテナ34が取り付けられ、上ケー
ス31aの開口近傍にリブ32等によって支持されて回
路基板33が取り付けられる。内蔵アンテナ34は、ア
ルミや銅等の導電性金属を主体とするアンテナ部34a
に、弾性体から形成され下ケース31bの開口側に延び
る接続部35,36を取り付けて構成される。このよう
に構成された内蔵アンテナ34は、ボルトや接着剤等に
より下ケース31bの底部に取り付けられる。
【0004】上記のように下ケース31bの底部に取り
付けられた内蔵アンテナ34と回路基板33とを導通接
続するために、図4に示す従来例では、接続部35はル
ープ状に形成され、その先端37が下ケース31bの内
方側に折り返されている。このループ状の接続部35の
頂部は上ケース31aの組み付け前において下ケース3
1bの開口から突出しており、上ケース31aを下ケー
ス31bに嵌め込んで組み付けるとむ、突出していた前
記頂部が回路基板33に当接するとともに、上ケース3
1aの嵌め込み動作とともに、回路基板33に押されて
接続部35が弾性変形する。これにより、前記頂部は回
路基板33の所定部位に押し付けられるので、回路基板
33と内蔵アンテナ34とが導通状態になる。
【0005】一方、図5に示す従来例では、接続部36
は下ケース31bに形成された台座40に沿って直線上
に立ち上がっている。台座40の上端には、ゴム等の弾
性部材で形成されたブロック状のクッション41が接着
剤等で固着され、接続部36の先端38はこのクッショ
ン41の上面に沿うようにほぼ水平に折り曲げられてい
る。また、先端38には、回路基板33との接触性を良
好にするために、突起が形成されている。
【0006】上ケース31aが下ケース31bに組み付
けられる前は、クッション41の上面は僅かに下ケース
31bの開口より突出していて、上ケース31aを下ケ
ース31bに嵌め込むと、回路基板33の所定部位が先
端38の前記突起に当接するとともに、回路基板33が
前記突起をクッション41側に押す。これにより、回路
基板33と内蔵アンテナ34とが導通状態になる。な
お、このような内蔵アンテナを有する携帯通信機器につ
いては、特開平2−116228号や特開平2−162
804号公報等に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の内蔵アンテナを有する携帯通信機器には、以下
のような問題点がある。すなわち、アンテナ部34aを
下ケース31bに直接ボルト等で取り付ける構造である
ため、アンテナ部34aのほか接続部35,36にある
程度の肉厚をもたせ、剛性を保持させる必要がある。こ
の場合、内蔵アンテナ34は導電性の金属を主体とする
材質のものから形成する必要があることから、内蔵アン
テナ34の重量が重くなり、携帯通信機器の重量も重く
なるという問題がある。
【0008】また、図4に示す従来例では、アンテナ部
34aと接続部35が別体に形成されており、アンテナ
部34aと接続部35とを溶着等により取り付けて内蔵
アンテナ34を形成しているため、部品点数が多くな
り、携帯通信機器の製造コストが高くなるという問題が
ある。
【0009】さらに、図5に示す従来例では、先端38
を回路基板33に押し付けるために弾性を有するゴム等
のクッションを別体に設けているため、図4に示す携帯
通信機器よりも構成部品の数が多くなるうえ、携帯通信
機器の重量も重くなるという問題がある。
【0010】この発明は、上記の問題を解決するために
なされたもので、内蔵アンテナの重量を軽減するととも
に、構成部品点数を増すことなくコストも低廉なものに
することができる内蔵アンテナを有する携帯通信機器を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1に記載の発明は、アンテナ部と、回路基板の
所定部位に接触する接触部と、この接触部と前記アンテ
ナ部とを導通接続する接続部とからなる内蔵アンテナを
有する携帯通信機器において、前記携帯通信機器のケー
スの内部に取り付けられる基体と、この基体に形成され
たアンテナ部と、前記基体の一部に前記基体と一体に形
成され前記基体から前記回路基板に向けて立ち上がる弾
発部と、この弾発部に形成され、前記回路基板の所定部
位に接触する接触部およびこの接触部と前記アンテナ部
とを導通接続する接続部とから構成してある。
【0012】この構成により、樹脂材や紙材のようなき
わめて軽い材料で基体や弾発部を形成し、この上にアン
テナ部や接続部,接触部を形成することにより、内蔵ア
ンテナを軽量化することができる。また、ケースに取り
付けられる基体と、弾性により回路基板と接続部との確
実な接続を担う弾発部とが一体に形成されるので、内蔵
アンテナと回路基板の接続構造を簡単なものにして、携
帯通信機器のコストを低廉なものにすることができる。
【0013】請求項2に記載の発明は、前記アンテナ
部,前記接続部および前記接触部は、導電材を前記基体
および前記弾発部の表面に塗着して構成してある。この
構成によれば、樹脂材等で形成した基体および弾発部
に、導電性金属を蒸着又はメッキ等することによってア
ンテナ部,接続部,接触部を形成するので、内蔵アンテ
ナをきわめて軽量なものにすることができる。
【0014】請求項3に記載の発明は、予めシート状に
形成した前記アンテナ部,前記接続部および前記接触部
を前記基体および前記弾発部に貼着して構成してある。
この構成により、基体や弾発部に予め形成されたフィル
ム状のアンテナ部,接続部,接触部を貼り付けるだけで
よいので、作業性に優れ携帯通信機器も軽量なものとす
ることができる。
【0015】請求項4に記載の発明は、前記弾発部の先
端を前記ケースの内側に折り返し、前記回路基板が前記
接触部に接触したときに前記弾発部の前記先端が前記ケ
ースの内部に形成した係合部に係合するように構成して
ある。この構成によれば、弾発部は前記基体と前記係合
部とによって両側を拘束されるので、弾発部の弾発力が
増し、より強い力で接触部を回路基板に押し付け、確実
な接触状態を長く維持することができる。また、振動や
衝撃が加えられても、弾発部の両側が拘束されているの
で、容易に接触部が回路基板から離脱するということが
なく、信頼性の高い携帯通信機器を得ることが可能にな
る。さらに、弾発力が比較的弱い材質のものや薄い材質
のものも使用することができるようになるので、より安
価で軽量な携帯通信機器を得ることができるようにな
る。
【0016】請求項5に記載の発明は、前記基体は前記
ケースに粘着部材により貼着される構成としてある。こ
の構成により、ボルト等の締結手段によらず内蔵アンテ
ナをワンタッチでケース内に取り付けることができるの
で、作業性に優れ、安価でより軽量な携帯通信機器を得
ることができる。
【0017】請求項6に記載の発明は、前記弾発部は山
形状または円弧形状に形成され、前記弾発部の頂部に前
記接触部を設けた構成としてある。このように構成する
ことにより、接触部が一点で回路基板に接触するので、
回路基板と接触部との接触性を良好にすることができ
る。
【0018】請求項7に記載の発明は、前記基体および
前記弾発部は導電材で形成され、前記基体および前記弾
発部と前記アンテナ部,前記接続部および前記接触部と
の間に絶縁シートを介在させた構成としてある。この構
成により、基体および弾発部が導電性を有する材質のも
のから形成されていても、非導電性の被膜がアンテナ部
や接続部,接触部との絶縁性を保つので、超軽量金属や
その他の導電性を有する軽い部材を使用することができ
るようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施形態を、図面
に従って詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に
かかり、(a)は内蔵アンテナを有する携帯通信機器の
一部を省略した分解斜視、(b)は内蔵アンテナの構成
を説明する斜視図、図2は内蔵アンテナを有する携帯通
信機器の要部の縦断面図である。
【0020】図示するように、この実施形態において
も、ケース1は、図4および図5の従来例と同様、上ケ
ース1aと下ケース1bとからなる上下二分割構造であ
る。上ケース1aには、その内壁に形成されたリブ2で
支持させて、回路基板3が取り付けられる。下ケース1
bの底部の所定位置(以下、内蔵アンテナの取付位置A
として記載)には、粘着部材である両面テープ13によ
って、内蔵アンテナ4が貼着固定される。
【0021】内蔵アンテナ4は、ポリエチレンやポリプ
ロピレン等のある程度の弾性を有する樹脂材で形成され
た薄板状の基体4aと、この基体4aの一部に一体に形
成された山形ループ状の弾発部4bと、この基体4aお
よび弾発部4bの表面に形成されたアンテナ部9a,接
続部9b,接触部9cとで構成される。弾発部4bの高
さは、内蔵アンテナ4を下ケース1bの底部に取り付け
たときに、その頂部4dが下ケース1bの開口から僅か
に突出する程度である。
【0022】弾発部4bは、薄板状の樹脂部材から基体
4aを打ち抜き形成する際、同時に打ち抜き形成するも
のとしてもよいし、射出成形による場合は、基体4aを
射出成形すると同時に、基体4aの一部に一体的に射出
成形するものとしてもよい。また、弾発部4bを山形ル
ープ状に形成するには、打ち抜き工程の後に加熱成形工
程を設けて成形するものとしてよいし、射出成形の場合
は型形状を選択することによって基体4aと弾発部4b
が形成されると同時に弾発部4bが山形ループ状に形成
されるようにしてもよい。
【0023】アンテナ部9aおよび接続部9b,接触部
9cは、アルミや銅,金等を主体とする導電性金属を基
体4aおよび弾発部4bに蒸着,スパッタリング,塗布
等の公知の手段によって形成することができる。なお、
アンテナ部9aは、ループアンテナ,平行アンテナ等種
々のものを採用することができる。また、接触部9c
は、回路基板3との接触性を良好にするために、弾発部
4bの頂部4dに形成するとよい。
【0024】この実施形態では、下ケース1bの底部の
内蔵アンテナ4の取付位置Aに対向して、弾発部4bの
先端4cが係合する係合部10が、下ケース1bの内壁
に形成されている。もちろん、弾発部4bがそれ自体で
十分な弾性を有する場合には、係合部10は特に設けな
くてもよい。また、弾発部4bの先端4cを、前記した
係合部10ではなく接着剤等により下ケース1bの底部
に接着して固定するものとしてもよい。
【0025】次に、上記構成の内蔵アンテナを有する携
帯通信機器の作用を説明する。ケース1を組み立てる前
の状態において、下ケース1bの底部の取付位置Aに
は、両面テープ13によって内蔵アンテナ4が取り付け
られる。内蔵アンテナ4には、予め前工程で基体4aお
よび弾性部4bにアンテナ部9aや接続部9b,接触部
9cが形成されている。弾発部4bの先端4cは、係合
部10に係合していてもよいし、その近傍に位置してい
てもよい。
【0026】次いで、下ケース1bに回路基板3を組み
込んだ上ケース1aを取り付ける。上ケース1aを下ケ
ース1bに嵌め込むと、回路基板3の所定部位が山形ル
ープ状の弾発部4bの頂部4dに形成された接触部9c
に当接する。上ケース1aを下ケース1bに完全に嵌め
込むと、弾発部4bが図2に示すように弾性変形して頂
部4dに形成された接触部9cを回路基板3の所定部位
に押し付ける。これにより、アンテナ部9aと回路基板
3とが完全に導通状態となる。
【0027】係合部10を設けたものは、回路基板3の
嵌め込み動作とともに先端4cが係合部10に係合する
ので、弾発部4bの弾性が比較的小さい場合でも、接触
部9cは十分な力で回路基板3に押し付けられる。この
係合部10と基体4aとにより、弾発部4bはその両端
を拘束されることになるので、携帯通信機器にある程度
大きな衝撃や振動が加えられても、内蔵アンテナ4と回
路基板3との導通状態が損なわれるということがない。
【0028】図3は本発明の他の実施形態にかかり、内
蔵アンテナを有する携帯通信機器の要部の縦断面図であ
る。この実施形態において先の実施形態と相違するとこ
ろは、弾発部4bの形状を半円弧状としている点であ
る。そして、この半円弧状の弾発部4bの頂部4dに、
接触部9cと回路基板3との接触性を良好にするための
凸部を形成している。
【0029】この凸部は、基体4aと弾発部4bを一体
に打ち抜き形成した後に形成するものとしてもよいし、
射出成形により基体4aと弾発部4bを一体に成形する
場合は、金型の形状を選択することにより基体4aと弾
発部4bを射出成形すると同時に形成することができ
る。先の実施形態と同様、下ケース1bの底部には係合
部10を取付位置Aの対向位置に形成しており、弾発部
4bの先端を係合部10に係合するようにしている。こ
の実施形態においても、上ケース1aを下ケース1bに
完全に嵌め込むと、弾発部4bが弾性変形して接触部9
cを回路基板3に押し付けるので、アンテナ部9aと回
路基板3とが完全な導通状態となる。
【0030】この発明の好適な実施形態について説明し
てきたが、この発明は上記の実施形態により限定される
ものではない。例えば、基体4aや弾発部4bは樹脂材
に限らず紙材(特に樹脂を浸透させて補強したものが好
ましい),木材,その他金属材であってもよい。さら
に、非導電性の材料に限らず、導電性の材料で形成して
もよい。この場合は、アンテナ9,接触部9c,接続部
9bとの絶縁性を保持すべく、基体4aと弾発部4bの
間に絶縁シートを介在させるとよい。
【0031】
【発明の効果】この発明は上記のように構成されている
ので、樹脂材や紙材のようなきわめて軽量な材料で基体
や弾発部を形成し、この上に金属被膜を形成する等して
アンテナ部,接続部および接触部を形成することによ
り、内蔵アンテナを軽量化することができる。また、ケ
ースに取り付けられる基体と、弾性により回路基板と接
続部との確実な接続を担う弾発部とが一体に形成される
ので、内蔵アンテナと回路基板の接続構造を簡単なもの
にして、携帯通信機器のコストを低廉なものにすること
ができる。
【0032】特に、弾発部の先端をケース内に形成した
係合部に係合させたものは、弾発部の部材厚が比較的薄
い場合や弾発部の弾性が比較的弱い場合でも接触部を回
路基板に十分強い力で押し付けることができ、かつ、振
動や衝撃が加えられても、弾発部の両側が拘束されてい
るので、容易に接触部が回路基板から離脱するというこ
とがなく、信頼性の高い携帯通信機器を得ることが可能
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかり、(a)は本発明
の内蔵アンテナを有する携帯通信機器の一部を省略した
分解斜視、(b)は内蔵アンテナの構成を説明する斜視
図である。
【図2】図2は内蔵アンテナを有する携帯通信機器の要
部の縦断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態にかかり、内蔵アンテナ
を有する携帯通信機器の要部の縦断面図である。
【図4】本発明の従来例にかかり、携帯通信機器の要部
の部分断面図である。
【図5】本発明の他の従来例にかかり、携帯通信機器の
要部の部分断面図である。
【符号の説明】
1 ケース 1a 上ケース 1b 下ケース 3 回路基板 4 内蔵アンテナ 4a 基体 4b 弾発部 9a アンテナ部 9b 接続部 9c 接触部 10 係合部 13 両面テープ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 内蔵アンテナを有する携帯通信機器
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話や無線機
等の携帯通信機器の内蔵バッテリをケース内で回路基板
に接続する、内蔵アンテナを有する携帯通信機器に関す
る。
【0002】
【従来技術】携帯電話や無線機等の携帯通信機器におい
ては、内蔵するバッテリの電源を基板回路に供給して駆
動させるのが一般的である。図4および図5は内蔵アン
テナを有する携帯通信機器の従来例にかかり、携帯通信
機器の要部の部分断面図である。
【0003】回路基板(プリント基板)33や内蔵アン
テナ34を収容するケース31は、上ケース31aと下
ケース31bとからなる上下二分割構造で、下ケース3
1bの底部に内蔵アンテナ34が取り付けられ、上ケー
ス31aの開口近傍にリブ32等によって支持されて回
路基板33が取り付けられる。内蔵アンテナ34は、ア
ルミや銅等の導電性金属を主体とするアンテナ部34a
に、弾性体から形成され下ケース31bの開口側に延び
る接続部35,36を取り付けて構成される。このよう
に構成された内蔵アンテナ34は、ボルトや接着剤等に
より下ケース31bの底部に取り付けられる。
【0004】上記のように下ケース31bの底部に取り
付けられた内蔵アンテナ34と回路基板33とを導通接
続するために、図4に示す従来例では、接続部35はル
ープ状に形成され、その先端37が下ケース31bの内
方側に折り返されている。このループ状の接続部35の
頂部は上ケース31aの組み付け前において下ケース3
1bの開口から突出しており、上ケース31aを下ケー
ス31bに嵌め込んで組み付けるとむ、突出していた前
記頂部が回路基板33に当接するとともに、上ケース3
1aの嵌め込み動作とともに、回路基板33に押されて
接続部35が弾性変形する。これにより、前記頂部は回
路基板33の所定部位に押し付けられるので、回路基板
33と内蔵アンテナ34とが導通状態になる。
【0005】一方、図5に示す従来例では、接続部36
は下ケース31bに形成された台座40に沿って直線上
に立ち上がっている。台座40の上端には、ゴム等の弾
性部材で形成されたブロック状のクッション41が接着
剤等で固着され、接続部36の先端38はこのクッショ
ン41の上面に沿うようにほぼ水平に折り曲げられてい
る。また、先端38には、回路基板33との接触性を良
好にするために、突起が形成されている。
【0006】上ケース31aが下ケース31bに組み付
けられる前は、クッション41の上面は僅かに下ケース
31bの開口より突出していて、上ケース31aを下ケ
ース31bに嵌め込むと、回路基板33の所定部位が先
端38の前記突起に当接するとともに、回路基板33が
前記突起をクッション41側に押す。これにより、回路
基板33と内蔵アンテナ34とが導通状態になる。な
お、このような内蔵アンテナを有する携帯通信機器につ
いては、特開平2−116228号や特開平2−162
804号公報等に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の内蔵アンテナを有する携帯通信機器には、以下
のような問題点がある。すなわち、アンテナ部34aを
下ケース31bに直接ボルト等で取り付ける構造である
ため、アンテナ部34aのほか接続部35,36にある
程度の肉厚をもたせ、剛性を保持させる必要がある。こ
の場合、内蔵アンテナ34は導電性の金属を主体とする
材質のものから形成する必要があることから、内蔵アン
テナ34の重量が重くなり、携帯通信機器の重量も重く
なるという問題がある。
【0008】また、図4に示す従来例では、アンテナ部
34aと接続部35が別体に形成されており、アンテナ
部34aと接続部35とを溶着等により取り付けて内蔵
アンテナ34を形成しているため、部品点数が多くな
り、携帯通信機器の製造コストが高くなるという問題が
ある。
【0009】さらに、図5に示す従来例では、先端38
を回路基板33に押し付けるために弾性を有するゴム等
のクッションを別体に設けているため、図4に示す携帯
通信機器よりも構成部品の数が多くなるうえ、携帯通信
機器の重量も重くなるという問題がある。
【0010】この発明は、上記の問題を解決するために
なされたもので、内蔵アンテナの重量を軽減するととも
に、構成部品点数を増すことなくコストも低廉なものに
することができる内蔵アンテナを有する携帯通信機器を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1に記載の発明は、内蔵アンテナを有する携帯
通信機器において、前記内蔵アンテナが、前記携帯通信
機器のケースの内部に取り付けられる樹脂製の基体と、
この基体に形成されたアンテナ部と、前記基体の一部に
前記基体と一体に形成され前記基体から前記回路基板に
向けて立ち上がる樹脂製の弾発部と、この弾発部の頂部
に形成され、前記携帯通信機内の回路基板の所定部位に
接触する接触部と、この接触部と前記アンテナ部とを導
通接続する接続部とからなる構成としてある。
【0012】この構成により、樹脂材からなるきわめて
軽い材料で基体や弾発部を形成し、この上にアンテナ部
や接続部,接触部を形成することにより、内蔵アンテナ
を軽量化することができる。また、ケースに取り付けら
れる基体と、弾性により回路基板と接続部との確実な接
続を担う弾発部とが一体に形成されるので、内蔵アンテ
ナと回路基板の接続構造を簡単なものにして、携帯通信
機器のコストを低廉なものにすることができる。
【0013】請求項2に記載の発明は、前記アンテナ
部,前記接続部および前記接触部は、導電材を前記基体
および前記弾発部の表面に塗着して構成してある。この
構成によれば、樹脂材で形成した基体および弾発部に、
導電性金属を蒸着又はメッキ等することによってアンテ
ナ部,接続部,接触部を形成するので、内蔵アンテナを
きわめて軽量なものにすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施形態を、図面
に従って詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に
かかり、(a)は内蔵アンテナを有する携帯通信機器の
一部を省略した分解斜視、(b)は内蔵アンテナの構
成を説明する斜視図、図2は内蔵アンテナを有する携帯
通信機器の要部の縦断面図である。
【0015】 図示するように、この実施形態において
も、ケース1は、図4および図5の従来例と同様、上ケ
ース1aと下ケース1bとからなる上下二分割構造であ
る。上ケース1aには、その内壁に形成されたリブ2で
支持させて、回路基板3が取り付けられる。下ケース1
bの底部の所定位置(以下、内蔵アンテナの取付位置A
として記載)には、粘着部材である両面テープ13によ
って、内蔵アンテナ4が貼着固定される。
【0016】 内蔵アンテナ4は、ポリエチレンやポリプ
ロピレン等のある程度の弾性を有する樹脂材で形成され
た薄板状の基体4aと、この基体4aの一部に一体に形
成された山形ループ状の弾発部4bとを有している。こ
の基体4aの表面にはアンテナ部9aが形成されてお
り、弾発部4bの表面には接続部9bおよび接続部9c
が形成されている。弾発部4bの高さは、内蔵アンテナ
4を下ケース1bの底部に取り付けたときに、その頂部
4dが下ケース1bの開口から僅かに突出する程度であ
る。
【0017】 弾発部4bは、薄板状の樹脂部材から基体
4aを打ち抜き形成する際、同時に打ち抜き形成するも
のとしてもよいし、射出成形による場合は、基体4aを
射出成形すると同時に、基体4aの一部に一体的に射出
成形するものとしてもよい。また、弾発部4bを山形ル
ープ状に形成するには、打ち抜き工程の後に加熱成形工
程を設けて成形するものとしてよいし、射出成形の場合
は型形状を選択することによって基体4aと弾発部4b
が形成されると同時に弾発部4bが山形ループ状に形成
されるようにしてもよい。
【0018】 アンテナ部9aおよび接続部9b,接触部
9cは、アルミや銅,金等を主体とする導電性金属を基
体4aおよび弾発部4bに蒸着,スパッタリング,塗布
等の公知の手段によって形成することができる。なお、
アンテナ部9aは、ループアンテナ,平行アンテナ等種
々のものを採用することができる。また、接触部9c
は、回路基板3との接触性を良好にするために、弾発部
4bの頂部4dに形成するとよい。
【0019】 この実施形態では、下ケース1bの底部の
内蔵アンテナ4の取付位置Aに対向して、弾発部4bの
先端4cが係合する係合部10が、下ケース1bの内壁
に形成されている。もちろん、弾発部4bがそれ自体で
十分な弾性を有する場合には、係合部10は特に設けな
くてもよい。また、弾発部4bの先端4cを、前記した
係合部10ではなく接着剤等により下ケース1bの底部
に接着して固定するものとしてもよい。
【0020】 次に、上記構成の内蔵アンテナを有する携
帯通信機器の作用を説明する。ケース1を組み立てる前
の状態において、下ケース1bの底部の取付位置Aに
は、両面テープ13によって内蔵アンテナ4が取り付け
られる。内蔵アンテナ4には、予め前工程で基体4aお
よび弾性部4bにアンテナ部9aや接続部9b,接触部
9cが形成されている。弾発部4bの先端4cは、係合
部10に係合していてもよいし、その近傍に位置してい
てもよい。
【0021】 次いで、下ケース1bに回路基板3を組み
込んだ上ケース1aを取り付ける。上ケース1aを下ケ
ース1bに嵌め込むと、回路基板3の所定部位が山形ル
ープ状の弾発部4bの頂部4dに形成された接触部9c
に当接する。上ケース1aを下ケース1bに完全に嵌め
込むと、弾発部4bが図2に示すように弾性変形して頂
部4dに形成された接触部9cを回路基板3の所定部位
に押し付ける。これにより、アンテナ部9aと回路基板
3とが完全に導通状態となる。
【0022】 係合部10を設けたものは、回路基板3の
嵌め込み動作とともに先端4cが係合部10に係合する
ので、弾発部4bの弾性が比較的小さい場合でも、接触
部9cは十分な力で回路基板3に押し付けられる。この
係合部10と基体4aとにより、弾発部4bはその両端
を拘束されることになるので、携帯通信機器にある程度
大きな衝撃や振動が加えられても、内蔵アンテナ4と回
路基板3との導通状態が損なわれるということがない。
【0023】 図3は本発明の他の実施形態にかかり、内
蔵アンテナを有する携帯通信機器の要部の縦断面図であ
る。この実施形態において先の実施形態と相違するとこ
ろは、弾発部4bの形状を半円弧状としている点であ
る。そして、この半円弧状の弾発部4bの頂部4dに、
接触部9cと回路基板3との接触性を良好にするための
凸部を形成している。
【0024】 この凸部は、基体4aと弾発部4bを一体
に打ち抜き形成した後に形成するものとしてもよいし、
射出成形により基体4aと弾発部4bを一体に成形する
場合は、金型の形状を選択することにより基体4aと弾
発部4bを射出成形すると同時に形成することができ
る。先の実施形態と同様、下ケース1bの底部には係合
部10を取付位置Aの対向位置に形成しており、弾発部
4bの先端を係合部10に係合するようにしている。こ
の実施形態においても、上ケース1aを下ケース1bに
完全に嵌め込むと、弾発部4bが弾性変形して接触部9
cを回路基板3に押し付けるので、アンテナ部9aと回
路基板3とが完全な導通状態となる。
【0025】
【発明の効果】この発明は上記のように構成されている
ので、樹脂のようなきわめて軽量な材料で基体や弾発部
を形成し、この上に導電材を塗着してアンテナ部,接続
部および接触部を形成することにより、内蔵アンテナを
軽量化することができる。また、ケースに取り付けられ
る基体と、弾性により回路基板と接続部との確実な接続
を担う弾発部とが一体に形成されるので、内蔵アンテナ
と回路基板の接続構造を簡単なものにして、携帯通信機
器のコストを低廉なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかり、(a)は本発明
の内蔵アンテナを有する携帯通信機器の一部を省略した
分解斜視、(b)は内蔵アンテナの構成を説明する斜視
図である。
【図2】図2は内蔵アンテナを有する携帯通信機器の要
部の縦断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態にかかり、内蔵アンテナ
を有する携帯通信機器の要部の縦断面図である。
【図4】本発明の従来例にかかり、携帯通信機器の要部
の部分断面図である。
【図5】本発明の他の従来例にかかり、携帯通信機器の
要部の部分断面図である。
【符号の説明】 1 ケース 1a 上ケース 1b 下ケース 3 回路基板 4 内蔵アンテナ 4a 基体 4b 弾発部 9a アンテナ部 9b 接続部 9c 接触部 10 係合部 13 両面テープ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンテナ部と、回路基板の所定部位に接
    触する接触部と、この接触部と前記アンテナ部とを導通
    接続する接続部とからなる内蔵アンテナを有する携帯通
    信機器において、前記携帯通信機器のケースの内部に取
    り付けられる基体と、この基体に形成されたアンテナ部
    と、前記基体の一部に前記基体と一体に形成され前記基
    体から前記回路基板に向けて立ち上がる弾発部と、 この弾発部に形成され、前記回路基板の所定部位に接触
    する接触部およびこの接触部と前記アンテナ部とを導通
    接続する接続部とからなること、 を特徴とする内蔵アンテナを有する携帯通信機器。
  2. 【請求項2】 前記アンテナ部,前記接続部および前記
    接触部は、導電材を前記基体および前記弾発部の表面に
    塗着して形成したこと、 を特徴とする請求項1に記載の内蔵アンテナを有する携
    帯通信機器。
  3. 【請求項3】 予めシート状に形成された前記アンテナ
    部,前記接続部および前記接触部を前記基体および前記
    弾発部の表面に貼着したこと、 を特徴とする請求項1に記載の内蔵アンテナを有する携
    帯通信機器。
  4. 【請求項4】 前記弾発部の先端を前記ケースの内側に
    折り返し、前記回路基板が前記接触部に接触したときに
    前記弾発部の前記先端が前記ケースの内部に形成した係
    合部に係合すること、 を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載
    の内蔵アンテナを有する携帯通信機器。
  5. 【請求項5】 前記基体は前記ケースに粘着部材により
    貼着されること、 を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載
    の内蔵アンテナを有する携帯通信機器。
  6. 【請求項6】 前記弾発部は山形状または円弧形状に立
    ち上がり、前記弾発部の頂部に前記接触部を設けたこ
    と、 を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載
    の内蔵アンテナを有する携帯通信機器。
  7. 【請求項7】 前記基体および前記弾発部は導電材で形
    成され、前記基体および前記弾発部と前記アンテナ部,
    前記接続部および前記接触部との間に絶縁シートを介在
    させたこと、 を特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載
    の内蔵アンテナを有する携帯通信機器。
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