JPH11354977A - 板金回路インサート成形品及びその製造方法 - Google Patents

板金回路インサート成形品及びその製造方法

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JPH11354977A
JPH11354977A JP15472598A JP15472598A JPH11354977A JP H11354977 A JPH11354977 A JP H11354977A JP 15472598 A JP15472598 A JP 15472598A JP 15472598 A JP15472598 A JP 15472598A JP H11354977 A JPH11354977 A JP H11354977A
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JP
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sheet metal
resin
thin
molded product
electric circuit
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Application number
JP15472598A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Tsuzuki
努 都築
Wataru Watanabe
渡 渡辺
Katsuhiro Makihata
勝浩 巻幡
Koichi Hanada
浩一 花田
Makoto Tamaru
眞 田丸
Toshiyasu Kitamura
敏康 北村
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁波シールド機能と電子部品実装可能な高
密度電気回路機能とを一体化して、安価で優れた機能部
品とする。 【解決手段】 耐熱性樹脂からなる樹脂成形本体12a
の上側面に、複数の電気回路部13aを形成した薄肉板
金13をインサート成形により一体化させて設け、また
樹脂成形本体12aの下側面に電磁波のシールド機能を
持った金属薄膜14を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性樹脂本体の
一方の面に板金回路を埋め込んで電子部品を実装するこ
とを可能にし、他方の面には各種電子機器から発する電
磁波のシールド機能を持たせる金属薄膜を形成してなる
板金回路インサート成形品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図23は従来の携帯電話における外観の
一部を示す平面図、図24は図23におけるK−K線断
面図であり、この携帯電話9は、図24に示すように、
内部に設置された基板5に、各種電子部品6a,6bが
実装されており、各種電子部品6a,6bから発する電
磁波の放射防止及び外部からの電磁波障害を防止するた
めに、図25に示すような平面形状のシールドケース1
が組み込まれている。
【0003】図24において、シールドケース1は、樹
脂成形体1aの表面全体にメッキ処理によって金属膜1
bが設けられている構成であり、シールドケース1と主
基板5とは、本体ケース8内に設けられているボス8a
に小ねじ7により組み付けられていることによって、シ
ールドケース1の金属膜1bと、主基板5に形成されて
いる回路5aとが電気的に接触してアースされた状態に
なっている。
【0004】シールドケース1の上には、図26の平面
図に示すようなポリイミド樹脂製のシート2aを基材と
して回路パターン2bが積層形成された構造のフレキシ
ブル基板2が設置されている。このフレキシブル基板2
における回路パターン2b上には、図24に示すよう
に、異形電子部品3aあるいはチップ部品3bが実装さ
れており、さらに、フレキシブル基板2の左端部2cは
コネクタ4を介して主基板5の回路5aに電気的に接続
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来例における構
成部品の中において、フレキシブル基板2はコストの高
い要素部品となっている。そこで、従来においても、前
記フレキシブル基板とシールドケースの機能を一体化さ
せコストダウンを図ろうとする構成が幾つか提案されて
いる。
【0006】例えば、図27の平面図及び図28に示す
図27における横断面図に示した回路一体成形品を例示
することができる。この回路一体成形品10は、図29
に示す図27におけるL部の拡大図に示すように、耐熱
性樹脂製の成形体10aの表面に必要なマスキングをし
た後、樹脂メッキを施すことによって金属薄膜10b,
10cを形成させ、下側の金属薄膜10bに電磁波シー
ルド機能をもたせ、上側の金属薄膜10cに電気回路と
しての機能を持たせる構成である。
【0007】しかし、樹脂メッキにより形成された下側
の金属薄膜10bは、0.003mm(3μm)という非
常に薄い膜であって、質量のある異形電子部品を実装す
ることは困難であり、また振動,衝撃により樹脂母材で
ある成形体10aから金属薄膜10cが剥離して破壊等
を発生する恐れもあり、回路成形品としての信頼性に問
題があるものであった。
【0008】そこで、電気回路を板金で製作して、その
板金をインサート成形により樹脂本体と一体化させる方
法が考えられるが、電気回路パターンの密集度が高いと
きには、板金を細い薄板により構成することになるた
め、インサート成形時に樹脂の流動圧により細く薄肉の
板金が著しく変形することが予想され、この方法は実現
性が乏しいという問題を有している。
【0009】このため、狭ピッチ回路構成の薄肉板金で
あってもインサート成形時に樹脂の流動圧による変形を
防止することができる優れた構造体としての板金回路イ
ンサート成形品の開発が望まれる。
【0010】また、前記板金回路インサート成形品にお
いて薄肉板金の変形防止の一手段として、従来から考え
られている樹脂成形時に型内に薄肉板金を押さえるため
の板金押さえピンを設ける方法があるが、成形後に板金
押さえピンを抜くとピン存在部分の樹脂部に下側から薄
肉板金まで貫通する孔があき、下側面にメッキまたは真
空蒸着等による金属薄膜を形成する工程を行う際に、貫
通孔内部にまで金属薄膜が形成されてしまい、この金属
薄膜と薄肉板金の電気回路がショートしてしまうという
問題を有していた。
【0011】本発明は、前記従来の諸問題を解決するも
のであり、優れた構造体であって、電磁波シールド機能
と電子部品実装可能な高密度電気回路機能を一体化し、
安価で優れた機能部品としての板金回路インサート成形
品およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、前記従来例におけるフレキシブル基板と
シールドケースの2部品に置き換えて、微細な電気回路
部を形成した薄肉板金をインサート成形により樹脂本体
の一方側に形成し、樹脂本体の他方側には電磁波シール
ド機能を付与するために、メッキまたは真空蒸着によっ
て金属薄膜を形成したことを特徴とする板金回路インサ
ート成形品の構成と、その製造方法であって、これらの
構成及び方法により前記技術課題を解決することがで
き、従来と同等の機能で安価な部品が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の板金回
路インサート成形品に係る発明は、耐熱性樹脂からなる
樹脂本体の一方の面に、微細な電気回路部が形成された
薄肉板金を一体に設け、さらに樹脂本体の他方の面に金
属薄膜を設けて、樹脂本体に対して微細な電気回路およ
び電磁波シールド膜を一体化して構成したことを特徴と
し、この構成によって、従来のフレキシブル基板とシー
ルドケースとの2部品と同等の機能を備えた安価な部品
が得られる。
【0014】請求項2に記載の板金回路インサート成形
品に係る発明は、前記薄肉板金の大部分を耐熱性樹脂か
らなる前記樹脂本体の表面に露出させるように設けたこ
とを特徴とし、この構成によって、インサート成形時の
樹脂流動圧による薄肉板金の変形を極力少なくさせるこ
とができ、微細でかつ高密度な電気回路を提供できると
ともに、その板金表面上に各種の表面実装用電子部品を
直接半田付けして実装することが可能な板金回路インサ
ート成形品であり、電気回路部品としての機能充実と製
造品質の向上が得られる。
【0015】請求項3に記載の板金回路インサート成形
品に係る発明は、前記薄肉板金の一部に、樹脂本体内に
入り込む曲げ部を形成したことを特徴とし、この構成に
よって、インサート成形時に曲げ部の突起が樹脂内部に
入り込んでアンカー効果を持たせることができるため、
薄肉板金と樹脂本体の接合が強固になり、製品の信頼性
が得られる。
【0016】請求項4に記載の板金回路インサート成形
品に係る発明は、前記薄肉板金における前記電気回路部
を形成する板金部分間に、電気回路部を繋いで補強しか
つ完成時には分断除去される補強用タイバーを設けたこ
とを特徴とし、この構成によって、薄肉板金を金型内に
装着して樹脂成形をする際に、補強用タイバーにより樹
脂の流動圧により薄肉板金が変形することを防止するこ
とができ、成形後には不要なその補強用タイバーをNC
彫刻機などにより分断加工して、電気回路を完成させる
ことができるため、微細かつ高密度な電気回路を形成で
きるとともに、樹脂本体に対し貫通孔をあけることなく
補強タイバーの分断ができるため、他側面における金属
薄膜形成に支障をきたさない。
【0017】請求項5に記載の板金回路インサート成形
品に係る発明は、前記薄肉板金を金型内に装着し樹脂成
形をする際に金型内に薄肉板金を押さえる板金押さえピ
ンを用いた場合に、成形後に前記板金押さえピンを抜き
取ったことによって樹脂本体に薄肉板金まで到達するよ
うに形成される孔を塞ぐために、この孔の周囲を溶かし
て封鎖するための膨出樹脂部を形成したことを特徴と
し、この構成によって、樹脂成形を行う際に板金押さえ
ピンを用いても、板金押さえピンを抜き取った側に金属
薄膜を形成しても、金属薄膜と薄肉板金とが確実に絶縁
される。
【0018】請求項6に記載の板金回路インサート成形
品の製造方法に係る発明は、微細な電気回路部と、樹脂
本体内に入り込む曲げ部と、前記電気回路部間を繋ぐ補
強用タイバーと、樹脂本体形状に対応した段差の曲げ形
状と、位置決め用孔を有する桟とからなる薄肉板金をプ
レス加工して成形し、前記薄肉板金を樹脂成形型に装着
して耐熱性合成樹脂を用いてインサート成形し、インサ
ート成形後、前記薄肉板金における電気回路間の補強用
タイバーを分断加工し、インサート成形後、板金押さえ
ピンを抜き取ったことによって成形された樹脂本体に薄
肉板金まで到達するように形成された孔の周囲を溶かし
て潰すことにより孔を封鎖し、薄肉板金における桟など
不要部分の分断とコネクター端子部の曲げ加工を行い、
薄肉板金の設置面とは反対面の樹脂本体に対してメッキ
または真空蒸着により金属薄膜を形成させることを特徴
とし、この方法によって、前記のように各種電子部品を
実装可能な微細電気回路の機能と電磁波シールド機能と
を併せ持った板金回路インサート成形品を品質良くかつ
安価に提供することができる。
【0019】以下、本発明の実施の形態について図1か
ら図22を参照して説明する。
【0020】図1は本発明に係る板金回路インサート成
形品の一実施形態を説明するための成形後の板金回路イ
ンサート成形品の平面図、図2は図1の板金回路インサ
ート成形品における横断面図、図3は図1におけるA部
の拡大図、図4は図2におけるB部の拡大図である。
【0021】本板金回路インサート成形品11におい
て、12aは電子部品実装の際における半田付けに耐え
得る耐熱性樹脂からなる樹脂成形本体であり、この樹脂
成形本体12aの上側面には、リン青銅のような導電性
の良い母材に2〜3μmの半田メッキを施し、電子部品
の実装の際の半田付け性を向上させて複数の電気回路部
13aを形成した薄肉板金13が、インサート成形によ
り一体化されている。
【0022】薄肉板金13の左端部は電気回路部13a
により複数本の微細リードとなっており、電気回路部1
3aの左端部を樹脂体12bにより束ねることによって
一体化して、雄型コネクタ11aとしている。また、樹
脂成形本体12aの下側面には電磁波のシールド機能を
持った金属薄膜14が後述する方法によって形成されて
いる。
【0023】薄肉板金13の電気回路部13aは、具体
的には図3及び図4に示すように、隣接回路間ピッチ
0.7mm,回路部幅0.3mm,板厚0.1mmという薄肉
でかつ微細な板金によってそれぞれ構成し、また金属薄
膜14の膜厚は3μmにしてある。
【0024】図5は本板金回路インサート成形品11を
組み込んだ携帯電話の断面図であり、薄肉板金13の電
気回路部13a上には、異形電子部品3aあるいはチッ
プ部品3bが半田付けにより直接実装されている。ま
た、雄型コネクター11aは主基板5に設けられた雌型
コネクター4に挿入され、主基板5の回路5aに電気的
に接続される。さらに、板金回路インサート成形品11
と主基板5とは本体ケース8の内側に設けられたボス8
aに小ネジ7で組み付けられるため、電磁波シールド機
能をもった金属薄膜14が主基板5の回路5aに導通さ
れる。
【0025】以上のように、本板金回路インサート成形
品11は、既述した従来例におけるシールドケース1と
フレキシブル基板2との機能を併せ持つ構成となる。
【0026】次に、本板金回路インサート成形品11の
細部構造について説明する。
【0027】ところで、従来の板金インサート成形品で
は、図6に示す参考例のように、その断面形状において
板金23の多くの部分(a部,b部,c部)が樹脂成形
本体22の中に埋め込まれるような構造となるが、この
構造では成形時、金型内の三次元空間に板金23の多く
が浮いた状態となり、樹脂の流動圧を直接に受けること
になって、このようなインサート法を本板金回路インサ
ート成形品にそのまま用いると、本板金回路インサート
成形品では、微細で高密度な電気回路部13aを有する
薄肉板金13において著しい変形の発生が予想される。
【0028】そこで本実施形態では、図7で示すように
薄肉板金13の大半が樹脂成形本体12aの表面に露出
する構成にしている。このため、インサート成形時、薄
肉板金13の大部分が金型面に密着した状態となって、
成形時における樹脂流動圧による影響が二次元的にな
り、変形の度合いが著しく低減される。
【0029】しかし、図7に示す構成では樹脂成形本体
12aから薄肉板金13が剥離しやすいため、予め薄肉
板金13に剥離防止の形状を施しておくとよい。その剥
離防止のための構成を以下説明する。
【0030】図8はインサート成形前の薄肉板金13の
平面図、図9は同薄肉板金13の正面図、図10は図8
におけるC部の拡大図、図11は図10におけるE−E
線断面図、図12は図10におけるF−F線断面図、図
13は図8におけるD部の拡大図であり、図8に示すよ
うに薄肉板金13の両側には桟13bが設けられてお
り、図9に示すように薄肉板金13には樹脂成形本体1
2aの形状に対応させて一部に段部13cが形成されて
いる。さらに薄肉板金13には、特に図10,図11,
図12に示すように、曲げ部13dあるいは折れ曲げ部
13eを形成することにより、曲げ部13dあるいは折
れ曲げ部13eが樹脂成形本体12a内へ入り込むよう
にすることによって、薄肉板金13をインサート成形後
に樹脂成形本体12aに確実に保持一体化することがで
きる。
【0031】さらにインサート成形時の樹脂流動圧によ
る薄肉板金13の変形防止のための方法として、図13
に示す薄肉板金13の電気回路部13aにおける狭ピッ
チ回路間に、斜線で示す補強用タイバー13fを一体に
設けることが考えられる。補強用ダイバー13fの存在
によって、インサート成形時に樹脂流動圧が加わって
も、図14に示す板金回路インサート成形品、図15に
示す図14におけるG部の拡大図、図16に示す図15
におけるH−H線断面図のように、電気回路部13a間
が変形し縮むことなく、堅固な構造体として製造するこ
とができる。
【0032】しかし、補強用タイバー13fは薄肉板金
13と同材料の導電材料であるため、薄肉板金13によ
り構成される電気回路部13aに対して分断して取り除
かなければならない要素である。このため、図17と、
図18に示す図17におけるI−I線断面図のように、
補強用タイバー13fを樹脂成形本体12aとともにN
C彫刻機などにより溝15を形成することによって除去
する。
【0033】この溝15は、図18に示すように樹脂成
形本体12aに対して貫通させずに形成することによっ
て、樹脂成形本体12aの下側面に形成される金属薄膜
14が分断されるおそれを防ぐことができる。
【0034】さらに、インサート成形時の樹脂流動圧に
よる薄肉板金13の変形防止の他の方法として、インサ
ート成形時に薄肉板金13の横ずれ変形を防止するため
に、金型内に組み込まれた薄肉板金13を押さえ付けて
保持するためのピン(図示せず)を使用することが考え
られるが、図19に示すように、インサート成形後にピ
ンを抜いたことによって、樹脂成形本体12aに孔12
cが形成されることになる。この孔12cが残存したま
までは、樹脂成形本体12aの下面側に金属薄膜14を
形成する際に、孔12c内まで金属薄膜14が形成され
てしまうと、薄肉板金13の電気回路部13aとショー
トしてしまって、回路が成り立たなくなる。
【0035】そこで、この対策として本実施形態では、
図19,図20に示すように、樹脂余肉12dを孔12
cの周囲に予め膨出するように設けている。そして、図
21に示すように、後工程として樹脂余肉12dに対し
て溶着棒17を用いて熱を加え、図21に示す12eの
ような形状に樹脂余肉12d部分を潰すことによって孔
12cを塞ぐようにしている。このようにすることによ
って、金属薄膜14を薄肉板金13に対して絶縁される
ように形成することができる。
【0036】次に、本発明に係る板金回路インサート成
形品の製造工程の一実施形態を説明する。
【0037】図22は板金回路インサート成形品の製造
工程図である。先ず、工程1の「薄肉板金プレス加工」
において、リン青銅等の導電性に優れた薄肉板金の表面
に2〜3μmの半田(または錫)メッキを施した連続フ
ープ材を用いて、図8に示すような電気回路を構成した
製品部となる薄肉板金13、あるいは連続加工に必要な
送り桟13bと、樹脂成形本体12aに施された段差形
状に対応した図9に示す曲げ形状13cと、図10,図
11,図12に示す曲げ部13d,13eと、図8,図
13の回路間を結ぶ補強用タイバー13f等の加工をプ
レス加工によって行う。尚、薄肉板金13への半田(ま
たは錫)メッキは、工程の都合上「薄肉板金プレス加
工」の後に施してもよい。
【0038】次に、工程2の「インサート成形加工」に
おいて、図14に示す樹脂成形本体12a,樹脂体12
bを成形する。樹脂成形本体12a,樹脂体12bに使
用される樹脂材料は、半田付け時にその熱に耐え得る耐
熱性を有する熱可塑性樹脂を採用する。
【0039】このインサート成形時、特に熱可塑性樹脂
の射出成形等では、非常に高い樹脂流動圧が薄肉板金1
3に加わるが、前記図7に示すように薄肉板金13の大
部分が金型上面に密着した状態であり、その薄肉板金1
3の要所を図19にて説明したピンにより確実に金型上
面に密着保持し、さらに図14に示す補強用タイバー1
3fがそれを挟んだ両側にある薄肉板金13の電気回路
部13a間の距離を一定に保つ作用をすることなどによ
って、薄肉板金13が樹脂流動圧によって変形すること
なく成形することができる。
【0040】また、図11,図12に示す薄肉板金13
の曲げ部13d,13eが、図7に示すように樹脂成形
本体12a内部にしっかり食い込んでいるので、薄肉板
金13が樹脂成形本体12aから剥離することはない。
【0041】次に工程3の「補強タイバーカット加工」
において、前記インサート成形に際して薄肉板金13の
変形防止に有効に作用した補強用タイバー13fを、薄
肉板金13を電気回路として完成させるために除去す
る。ここではNC彫刻機を用いて図17,図18に示す
溝15を形成して補強用タイバー13fを分断し、電気
回路として仕上げる。したがって、樹脂成形本体12a
に対し、貫通孔を形成することなく補強用タイバー13
fの分断ができるため、下側面の磁気シールド用膜の形
成に支障をきたさない。
【0042】次に工程4の「貫通穴埋め加工」におい
て、工程2の「インサート成形」時の樹脂流動圧による
薄肉板金13の横ずれ変形を防止するために、金型内に
組み込まれた薄肉板金13の押さえて保持するピンによ
って樹脂成形本体12aに形成された図19,図20に
示す孔12cをその周囲の樹脂余肉12dを利用して塞
ぐ処理を行う。
【0043】この「孔埋め加工」を図21を参照して説
明すると、先ず樹脂成形本体12aを図19に示す向き
と180度反転した状態でベース16の上に設置し、溶
着棒17を樹脂余肉12d部分に圧接させ、溶着棒17
により発する熱によって図19に示す樹脂余肉12dを
図21の12eに示すような球状に軟化させて潰し、孔
12cの孔埋めを行う。この「孔埋め加工」によって、
後工程における金属薄膜14を薄肉板金13と電気的に
導通することなく形成することができる。
【0044】尚、溶着棒17による溶着方法としては、
超音波溶着または熱溶着のいずれを採用することができ
る。
【0045】次に工程5の「桟分断・リード曲げ加工」
において、図14に示す薄肉板金13の桟13bの分断
と、図2に示す雄型コネクタ11aの結合部近傍の薄肉
板金13における電気回路部(リード部)13aの曲げ
加工を行って、電気回路として完成させる。
【0046】次に工程6の「金属薄膜形成」において、
図1,図2に示す薄肉板金13の電気回路部13aをマ
スキング治具に装着した後、真空蒸着により金属薄膜1
4を形成することによって、板金回路インサート成形品
11が完成する。
【0047】この「金属薄膜形成」方法としては、真空
蒸着あるいはメッキ処理のいずれによって形成してもよ
いが、樹脂成形本体12aの材質の適正およびコスト面
から実情にあった選択をする。
【0048】この板金回路インサート成形品11に対し
ては、さらに工程7において電子部品を半田付けにより
直接実装することができる。
【0049】尚、本実施形態の板金回路インサート成形
品とその製造方法は、上述した携帯電話に限らず、一般
電子機器にも応用できる。
【0050】また、板金回路インサート成形品11の断
面構造として、樹脂成形本体12aの上側面に薄肉板金
13による電気回路を形成し、樹脂成形本体12aの下
側面に金属薄膜14を形成した構成として説明したが、
逆に樹脂成形本体12aの下側面に薄肉板金13による
電気回路を形成し、上側面に金属薄膜14を形成する構
成としてもよい。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
の板金回路成形品によれば、従来のフレキシブル基板と
シールドケースの2部品の機能を一体化させることがで
きコストダウンが図れる。
【0052】また、請求項2の板金回路インサート成形
品の構造によれば、薄肉板金の大部分を耐熱樹脂の表面
に露出させたため、請求項1の発明の効果とともに薄肉
板金の曲げ加工が容易となり、さらにインサート成形の
際、薄肉板金への樹脂流動圧の影響を著しく低減させ変
形を少なくすることによって、微細な回路を持った薄肉
板金のインサート成形も可能となる効果がある。
【0053】また、請求項3の板金回路インサート成形
品の構造によれば、請求項2の発明の効果とともに薄肉
板金に折れ曲がった突起を設けることによって、インサ
ート成形時にその突起が樹脂内部に入り込み、薄肉板金
が樹脂本体から剥離するのを防止する効果がある。
【0054】また、請求項4の板金回路インサート成形
品の構造によれば、請求項1,請求項2の発明の効果と
ともに、薄肉板金の回路間に補強用タイバーを設けて、
それをインサート成形後に樹脂成形本体とともに溝加工
して除去した構造となり、インサート成形時の樹脂流動
圧による薄肉板金の変形防止ができるとともに、補強タ
イバー除去後も樹脂層に貫通孔が形成されないため、後
工程の金属薄膜を形成することができ、高いシールド効
果が得られる。
【0055】また、請求項5の板金回路インサート成形
品の構造によれば、請求項1,請求項2および請求項4
の発明の効果とともに、インサート成形の金型内に板金
押さえ用のピンを設けたことによって、インサート成形
時に樹脂流動圧による薄肉板金の変形を防止することが
でき、しかも、前記ピンによって薄肉板金まで到達する
孔が形成されても、その孔を塞ぐことができる形状とす
ることにより、後工程の金属薄膜を欠落部がなく形成す
ることができるため、高いシールド効果が得られる。
【0056】また、請求項6の板金回路インサート成形
品の製造方法によれば、請求項1ないし請求項5までの
構成の板金回路インサート成形品による効果と合わせ、
従来のフレキシブル基板とシールドケースの2部品の機
能を一体化させる製造方法が提供でき、コストダウンと
品質の確保が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る板金回路インサート成形品の一実
施形態を説明するための平面図
【図2】図1の板金回路インサート成形品の横断面図
【図3】図1におけるA部の拡大図
【図4】図2におけるB部の拡大図
【図5】本発明に係る板金回路インサート成形品を組み
込んだ携帯電話の断面図
【図6】一般的に行われているインサート成形の参考例
の部分断面図
【図7】本発明に係る板金回路インサート成形品の部分
断面図
【図8】本実施形態の薄肉板金の平面図
【図9】本実施形態の薄肉板金の正面図
【図10】図8におけるC部の拡大図
【図11】図10におけるE−E線断面図
【図12】図10におけるF−F線断面図
【図13】図8におけるD部の拡大図
【図14】本実施形態のインサート成形加工直後におけ
る板金回路インサート成形品の平面図
【図15】図14におけるG部の拡大図
【図16】図15におけるH−H線断面図
【図17】本実施形態の補強用タイバーをカットした後
の状態を示す平面図
【図18】図17におけるI−I線断面図
【図19】本実施形態において用いたピンにより形成さ
れた孔を埋める構成を説明するための断面図
【図20】図19におけるJ矢視図
【図21】本実施形態におけるピンにより形成された孔
を埋めるための装置の概略構成図
【図22】本発明に係る板金回路インサート成形品の製
造方法の一実施形態を説明するための工程図
【図23】従来の携帯電話の部分外観図
【図24】図23におけるK−K線断面図
【図25】従来の携帯電話に用いられているシールドケ
ースの平面図
【図26】従来の携帯電話に用いられているフレキシブ
ル基板の平面図
【図27】従来の樹脂メッキを行って電気回路とシール
ド膜とを形成した構造体の平面図
【図28】図27における横断面図
【図29】図28におけるL部拡大図
【符号の説明】
11 板金回路インサート成形品 11a 雄型コネクタ 12a 樹脂成形本体 12c 孔 12d 樹脂余肉 13 薄肉板金 13a 電気回路部 13b 桟 13c 段部 13d 曲げ部 13e 折れ曲げ部 13f 補強用ダイバー 14 金属薄膜 15 溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 花田 浩一 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 (72)発明者 田丸 眞 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 (72)発明者 北村 敏康 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性樹脂からなる樹脂本体の一方の面
    に、微細な電気回路部を形成する薄肉板金を一体に設
    け、さらに樹脂本体の他方の面に金属薄膜を設けて、樹
    脂本体に対して微細な電気回路および電磁波シールド膜
    を一体化して構成したことを特徴とする板金回路インサ
    ート成形品。
  2. 【請求項2】 前記薄肉板金の大部分を耐熱性樹脂から
    なる前記樹脂本体の表面に露出させるように設けたこと
    を特徴とする請求項1記載の板金回路インサート成形
    品。
  3. 【請求項3】 前記薄肉板金の一部に、樹脂本体内に入
    り込む曲げ部を形成したことを特徴とする請求項1記載
    の板金回路インサート成形品。
  4. 【請求項4】 前記電気回路部間に、電気回路部を繋い
    で補強しかつ完成時には分断除去される補強用タイバー
    を設けたことを特徴とする請求項1記載の板金回路イン
    サート成形品。
  5. 【請求項5】 前記薄肉板金を金型内に装着し樹脂成形
    をする際に金型内に薄肉板金を押さえる板金押さえピン
    を用いた場合に、成形後に前記板金押さえピンを抜き取
    ったことによって樹脂本体に薄肉板金まで到達するよう
    に形成される孔を塞ぐために、この孔の周囲を溶かして
    封鎖するための膨出樹脂部を形成したことを特徴とする
    請求項1記載の板金回路インサート成形品。
  6. 【請求項6】 微細な電気回路部と、樹脂本体内に入り
    込む曲げ部と、前記電気回路部間を繋ぐ補強用タイバー
    と、樹脂本体形状に対応した段差の曲げ形状と、位置決
    め用孔を有する桟とからなる微細な薄肉板金をプレス加
    工して成形し、 前記薄肉板金を樹脂成形型に装着して耐熱性合成樹脂を
    用いてインサート成形し、 インサート成形後、前記薄肉板金における電気回路部間
    の補強用タイバーを分断加工し、 インサート成形後、板金押さえピンを抜き取ったことに
    よって成形された樹脂本体に薄肉板金まで到達するよう
    に形成された孔の周囲を溶かして潰すことにより孔を封
    鎖し、 薄肉板金における桟など不要部分の分断とコネクター端
    子部の曲げ加工を行い、 薄肉板金の設置面とは反対面の樹脂本体に対してメッキ
    または真空蒸着により金属薄膜を形成させる、 ことを特徴とする板金回路インサート成形品の製造方
    法。
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