JPH11354462A - パルスバイアス酸素負イオン注入方法及び注入装置 - Google Patents

パルスバイアス酸素負イオン注入方法及び注入装置

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JPH11354462A
JPH11354462A JP10163461A JP16346198A JPH11354462A JP H11354462 A JPH11354462 A JP H11354462A JP 10163461 A JP10163461 A JP 10163461A JP 16346198 A JP16346198 A JP 16346198A JP H11354462 A JPH11354462 A JP H11354462A
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JP
Japan
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plasma
oxygen
substrate
plasma chamber
ions
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JP10163461A
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English (en)
Inventor
Koji Miyake
浩二 三宅
Tsukasa Hayashi
司 林
So Kuwabara
創 桑原
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Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体基板、絶縁体基板または金属基板に酸
素イオンを一定深さに注入して酸化層を作製する場合、
質量分離マグネットなどが不要で走査機構も不要な酸素
イオン注入方法を提供すること。 【解決手段】 半導体基板、絶縁体基板または金属基板
を酸素プラズマ室の内部に入れ、酸素プラズマと接触さ
せ、ウエハに正のバイアス電圧をパルス的に印加して、
プラズマ中の酸素負イオンOをウエハに注入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体基板、絶
縁体基板、金属基板の中に酸素イオンを注入し基板の表
面近くの一定深さに酸化膜を形成する方法及び装置に関
する。半導体基板の場合は、表面近くに酸化物(絶縁膜
I)を形成するから、S/I/S構造になる。金属の場
合はM/I/M構造になる。Si基板の場合は特にSO
I基板と呼ぶ。Siオンインシュレータ(SOI)を略
してそのように呼ぶのである。SOI基板でも酸素注入
によるものはSIMOXと言う。Si基板に限らず、本
発明の酸素注入の対象となるものは、SiGe基板、S
iC基板などがある。その場合は酸素注入によって絶縁
層Iが中間に生成され基板側にも表面側にも同じ材料の
物質の層が存在する。それだけでなくて、本発明は異種
物質の境界に酸化層を形成する事にも利用する事ができ
る。Si基板の上にGaAsをヘテロエピタキシャル成
長させその境界に酸素を打ち込んで酸化層を作る、とい
ったことにも使う事ができる。金属の内部一定厚みに酸
素を注入してM/I/M構造とすることもできる。さら
に絶縁体/金属の境界に酸素を注入して酸化層を作るた
めにも利用できる。以下に用途を纏めて列挙する。 1.Si基板 Si/I/Si基板 (SOI構造) 2.SiGe基板 SiGe/I/SiGe基板 (SiGeSOI構造) 3.SiC基板 SiC/I/SiC基板 (SiCSOI構造) 4.Si基板 GaAs/I/Si基板 (酸化バリア層) 5.金属膜 PZT/高濃度酸素層/金属膜 これらは全て酸素正イオンを加速して注入し基板の改質
を行おうとする試みであった。
【0002】SOI基板(silicon on insulator)とい
うのは広義には絶縁層の上にSi単結晶を持つ基板であ
る。SOI基板には厚い絶縁体基板の上に薄いSiを載
せた(Si/絶縁基板)ものもある。例えばサファイヤ
の上にSi薄膜を形成したものなどである。しかし異種
結晶の上にヘテロ成長させると結晶欠陥が多いし劈開も
ないし高価になる。ほとんど利益はない。だからSOI
基板といえば、全体がSiで表面近くに薄い絶縁層とS
i単結晶が存在する(Si/絶縁層/Si基板)の3層
構造のものが主である。絶縁層はSiO2である。つま
り(Si/SiO2/Si基板)の3層構造である。S
iウエハ−は安価である。高品質のものが入手しやす
い。SOI基板ではSiの上にSiがあるから格子定数
は同一で欠陥は少ない。劈開もあり素子分離に便利であ
る。
【0003】
【従来の技術】絶縁物上に単結晶Si半導体層を形成し
たSiオンインシュレータ基板(いわゆるSOI基板)
は、通常のバルクSi基板と比較して高集積化が可能、
低消費電力・高速デバイスの作製が可能など、多くの点
で優れている、と言われている。その優位性のため各地
で精力的に研究されている。研究されているが実用的な
レベルまで到達していない。SOI基板の製造が難しく
SOI基板はSi基板より未だ高価だからである。SO
I基板の原理的、物性的、電気的な優位性は、例えば次
の文献に説明されている。
【0004】Special Issue:"Single-crystal silico
n on non-single-crystal insulators"; edited by G.
W. Cullen, Journal of Crystal Growth, vol.63, No.
3, pp429-590(1983)
【0005】SOI基板には二つの作り方がある。いず
れも正イオンを基板に注入するものである。一つは水素
正イオン注入によるものである。表面酸化膜を有する第
1のSi基板に水素正イオンを打ち込んでSi基板中に
脆弱な多孔質層を作り、第2のSi基板を貼り合わせ、
多孔質層から第1のSi基板を剥離し、露呈したSi面
を研磨して(Si/I/Si)構造を得る。水素正イオ
ンはプロトンであり簡単に生成できるからイオン注入自
体は簡単である。ただし多孔質層で第1のSi基板を薄
く切断するという工程は容易でない。とりわけ困難な方
法である。
【0006】もう一つは酸素正イオンによるものであ
る。これはもっと簡単でSi基板のある深さに酸素正イ
オンを打ち込むものである。酸素イオンが酸化シリコン
(SiO2)をつくるから(Si/I/Si)構造とな
る。これをSIMOX(Separated by IMplanted OXyge
n)という。SOI基板の製造方法として最も普及して
いるのが、この酸素イオン注入によって埋め込み酸化層
を形成するSIMOX法である。Si基板上のSOI構
造がもっとも良く知られている。
【0007】しかしSiGeやSiCなど半導体につい
ても基板半ばに酸化層を形成する、という試みが細々な
がらもなされている。 石川由加里、柴田典禅、深津晋「低エネルギー酸素イ
オン注入によるSiGeSOI構造の作製」春季応用物
理学会、講演予稿集29a−K−1p803(199
8) SiGeは混晶半導体である。Siそのものでない。こ
れをSOI(silicon oninsulator)と呼ぶのはおかし
い。しかし上記の論文の報告者はSiGeSOIという
言い方をしている。これにならってここではSiGeS
OIという。金属と強誘電体の境界に酸化層を作製する
方法については例えば 特開平9−232517号「誘電体素子及び誘電体素
子の製造方法」がある。金属電極の上に強誘電体PZT
を形成しその上から酸素正イオンビ−ムを150keV
で注入して金属とPZTの間に酸化膜を作る。さらに酸
素正イオンビ−ムを120keVに加速し、PZTの表
面に酸化層を形成する。さらに酸化層の上に電極金属を
付ける。つまり金属/酸化層/PZT/酸化層/金属と
いうような積層構造を提案している。PZT膜の疲労を
防止するということが目的である。電界を掛けることに
よって強誘電体のPZTを分極させるが次第に分極率が
減少して行く。これは電極近傍での酸素濃度低下に原因
がある。酸素濃度を十分に確保するために電極/PZT
の界面に高濃度酸素を注入する。本発明はこのように半
導体、金属、絶縁体など広く基板や膜に酸素イオンビ−
ムを注入して、ある一定深さに局在的な酸化層を製造す
る方法と装置の改良に関する。SiSOI基板への用途
がもっとも重要である。以下ではSiのSOI基板(S
IMOX)を例にして従来技術の問題を説明する。
【0008】典型的なSIMOX製造プロセスを以下に
述べる。約450℃〜750℃にSi基板を加熱する。
20keV〜220keVの間のエネルギーの酸素正イ
オン(O)を基板に注入する。酸素イオン(O)は
Si基板の表面から一定深さまで進入してそこに留ま
る。加速エネルギーによって注入深さを制御する。表面
はSiのままである。SIMOXプロセスでの典型的な
ドーズ量はおよそ2×1017個(原子)/cm以上
である。さらに酸素とアルゴン雰囲気で、1150℃〜
1400℃の温度で基板を熱処理(アニール)する。雰
囲気の酸素は基板からの酸素原子の抜けを防ぐ。この熱
処理によって、注入された酸素原子は付近のSi原子と
反応し、二酸化シリコン(SiO)の埋め込み層を形
成する。これによって(Si/SiO/Si)の3層
構造ができる。SOI基板である。
【0009】SIMOXは、酸素イオンを直接にある深
さに注入しこれをSiOに変えることによりそれより
浅い部分のSiを活性なSi層として利用しようとする
ものである。基板側のSiも表面のSi層も元は同じS
i基板の一部だから結晶構造は初めから整合している。
内部酸化膜によってSi基板を水平に二分するからsepa
rated by oxygenという。酸素注入の目的は内部酸化膜
を形成することである。単純なSOI基板製造法であ
る。
【0010】表面側Siがイオン注入によって乱れるの
でアニールによって結晶性を回復する。アニールについ
て次の文献に提案がなされる。 特開平8−46161号「SOI基板及びその製造方
法」 Si基板に酸素正イオンビームを打ち込んでアニールし
一定深さに酸化層を作る。通常はAr、酸素雰囲気でア
ニールする。ところがこの発明は水素雰囲気でアニール
するものである。
【0011】酸素イオンのイオン注入法としては、従来
B、PなどのドーパントをSi基板に注入するのに使わ
れた通常のイオン注入装置を使用することが多い。ドー
ズ量や加速エネルギーなどにおいてSiウエハプロセス
でのドーパント注入とあまりかわらないからである。ド
ーピング用のイオン注入装置は高価で大型の装置であ
る。高価な装置を利用せざるを得ない事がSOI基板を
コスト高のものにしている。
【0012】本発明は酸素イオン注入を問題にする。従
来は、マイクロ波或いは高周波などの交流、或いは直流
放電によって酸素プラズマを生成し、引出電極系に適当
な電圧を印加することによって、酸素正イオンを引き出
す。この酸素イオンを磁場或いは電界によって質量分離
してO (酸素分子1価の正イオン)などを除去して
(酸素原子1価の正イオン)のみを抽出し、基板に
照射する。一般的にイオンビーム径は基板より小さい。
細いビームなので一挙に基板にビーム照射できない。そ
のため電界或いは磁界による走査系でビームを走査し、
基板全体に均一に照射する。
【0013】図1に典型的なイオン注入装置による酸素
正イオン注入装置を示す。これはフィラメント励起によ
る装置である。真空に引く事のできるチャンバ1にはフ
ィラメント2が設けられる。絶縁物5を通ってフィラメ
ント2の端子が外部に取り出される。端子の両端には直
流のフィラメント電源3が接続される。チャンバ1には
ガス入口4がありここから酸素ガスが供給される。チャ
ンバ1とフィラメント2の間にはア−ク電源6(Va
k)が接続される。加速電源7(Vacc)がア−ク電
源6の負極とアースの間に設けられる。チャンバ1の電
位は、Vacc+Vakである。
【0014】チャンバ1の出口8の外側には、開口部の
軸線を共通にするように有孔の電極が3枚設けられる。
加速電極9、減速電極10、接地電極11である。加速
電極9には抵抗13を介して加速電源7の正極が接続さ
れる。減速電源10には減速電源12が接続される。チ
ャンバ出口8、電極9、10、11の開口の延長上に
は、4分円弧の質量分離マグネット14が設置される。
チャンバ1から出たイオンビ−ム15は、入口16から
質量分離マグネット14に入り磁場によって彎曲した軌
道を描いて出口17から出る。質量、エネルギーで軌道
を調整してあるから、一原子イオンOは中央軌跡26
を経てスリット板18を通る。しかし2原子イオンO
偏奇軌跡27を描いて、質量分離マグネット14の壁
やスリットに当たって消滅する。一原子酸素正イオンO
はスリット板18を通り、対向電極19、20と可変
電源21からなる走査機構22によって左右に走査され
る。走査ビーム23はサセプタ25の上のSiウエハ−
24に注入される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】酸素イオン注入のため
の図1に示す装置は、従来の不純物イオン注入装置と同
じである。Siウエハ−にBをp型ドーパントとして、
あるいはPをn型ドーパントとして注入するための大型
の装置を使っている。ドーパント注入用であるからイオ
ン注入装置の装置構成が非常に複雑になる。また高価な
装置になる。設置面積も広く必要である。装置が高額で
あるというだけではない。細いビームを走査してイオン
注入するため、ウエハ1枚あたりの処理時間が非常に長
くなる。つまりスループットが低い。
【0016】そのような結果、SOI基板1枚あたりの
単価は非常に高くなる。このため、SOI基板の優秀性
が広く認められているにもかかわらずSOI基板は普及
しない。これが現状である。SiSOIだけでなく、そ
の他の金属、強誘電体、などのSOIも量産規模にはほ
ど遠い。長い研究の歴史にも拘らずいまだ研究開発の段
階に留まっている。SOIは未だ高コスト基板という難
点を克服できない。
【0017】どうして装置が高価であり大型であるのか
?何故スループットが低いのか?これを説明する。酸素
プラズマ中の酸素正イオンは様々の形態を取る。一原子
イオンOだけでない。O、O (2原子イオン)
またはこの他にO (3原子イオン)、多価イオンO
++など数種類のイオンが酸素プラズマ中に存在する。
このうちいずれか1種類を独占的に注入しなければ埋め
込み酸化膜層が多層に形成されてしまう。イオンビ−ム
の質量M、加速エネルギーEによって注入深さが異な
る。同じ1価のイオンであれば加速エネルギーは同一で
ある。速度は質量の逆数の平方根に比例する。速度の大
きい質量の小さいイオンはより深くまで到達する。質量
の大きいイオンは浅瀬で止まってしまう。
【0018】一価イオンであって質量の異なるものがM
種あると、注入深さのピークがM個できてしまう。注入
深さを一定値にしないとSOI基板の酸化膜が二重、三
重にできる。酸化膜より表面側のSi膜が薄くなりすぎ
る。またO 、O のように原子量の大きいイオン
が多量に注入された表面のSi層は結晶欠陥が急激に増
大してしまうことが知られている。そのようなものはS
OI基板として使用できない。それで一原子の一価イオ
ンOだけを独占的に注入するということがぜひとも必
要である。はじめから例えばOだけを選択的に生成で
きるプラズマ生成装置があれば好都合である。しかしそ
れがない。
【0019】プラズマの生成方法にはマイクロ波放電、
高周波放電、直流放電など様々ある。が、酸素正イオン
、O 、O 、O++のうち何れか1種類を独
占的に生成できる方法は筆者の知る限り未だ見つかって
いない。電子密度・電子温度を厳密にコントロールした
プラズマでも、O/O 比率は、80/20〜20
/80である。この範囲を越えるプラズマを生成するこ
とはできない。酸素プラズマ中には1原子イオンと2原
子イオンが必ず混在する。このためイオンビ−ムによる
イオン注入装置では必ず質量分離系を設ける。
【0020】それは図1の質量分離マグネット14に当
たる装置である。質量分離装置によって、ビーム中から
例えばO以外のイオンを除去し、基板に照射してい
る。質量分離マグネットは重く大きく嵩高い磁石であ
る。大面積のビームを磁石で曲げようとすると口径が大
きい強力な磁束密度を発生できる磁石が必要になる。生
産機械ではとても使えない。大面積イオンビ−ムをマグ
ネットでは質量分離できない。そこでビームを絞って細
いビームにしてマグネットによる質量分離を行う。ビー
ムが細いと言っても高速ビームでありこれを曲げるのだ
から、強い磁場が必要でマグネット自体は大きいもので
ある。
【0021】細いビームであるから、ウエハ−の面積よ
りもずっと狭い。一度でウエハ−にイオン注入できな
い。それでどうしても質量分離装置の後に走査装置を設
けざるをえない。走査装置は交番磁場や交番電界を利用
する。磁界、電界でイオンビ−ムを左右前後に振りウエ
ハ−の全面に注入する。図1では交番電界による走査機
構を示す。走査装置自体もかなりスペースを取る装置で
ある。ビーム曲げ角が小さいと距離を長く取らなければ
ならない。
【0022】質量分離マグネットのために大型化し、重
量も増え、据え付け面積も広くなる。装置が高価になる
のは質量分離マグネットが一つの原因である。また質量
分離のため走査しなければならず、走査装置のためにコ
ストはさらに上がる。ビーム走査には時間がかかるので
スループットが低下する。このように従来の酸素イオン
ビ−ム注入装置によるSOI基板の製造法はイオン種を
1種に限ることができないため、装置が大がかり、高価
額、低スループットという問題を持つ。いかなるプラズ
マ生成法もこれを解決できないでいる。
【0023】酸素の生成イオン種を一種に限定できる半
導体、金属、絶縁体基板への酸素イオン注入方法、装置
を提供する事が本発明の第1の目的である。生成イオン
種を一種にしぼり質量分離を不要とし、安価で小面積に
設置できる酸素イオン注入装置を提供することが本発明
の第2の目的である。生成イオンを一種に絞る事によっ
て走査を不要としスループットの高い酸素イオン注入装
置を提供することが本発明の第3の目的である。
【0024】
【課題を解決するための手段】酸素正イオンには、上述
のように数種のイオン種が存在し、何れか1種を80%
以上独占的に生成することは、極めて困難である。本発
明はその途を取らない。本発明は、正イオンでなく、酸
素負イオンを用いる。酸素負イオンとしてはO 、の他
にO 、O 、O などが知られている。しかし
これらの複数原子のマイナスイオンは極めて発生しにく
い。酸素負イオンの場合、プラズマパラメータを適当に
選ぶ事によって、Oを90%以上にまで高めることが
可能である。酸素のマイナスイオンは殆どOである。
負イオンにおけるOの優れた独占性を活用するのが本
発明の骨子である。
【0025】酸素グロー放電における酸素イオンの生成
については文献に述べられる。 S.V.Krishna Kumar, "Mass spectrometric diagnosti
cs of Plasma-Negativeions in an oxygen glow discha
rge", S.V.Krishna Kumar Journal GeologicalSociety
of India, vol.27, pp144-153(1986) グロー放電において、ガス圧を上げる、また放電電流を
上げる、電界を強くすることなどによって、Oの比率
を90%以上にまで高めることが可能である。最適条件
では、QMS(Quadrupole Mass Spectroscopy)で他の
イオン種が検出不可能なレベルにまで高めることができ
る。
【0026】本発明は酸素プラズマから負イオンを抽出
してSi基板に注入する。一原子一価イオンOしか存
在しないので質量分離が不要である。大きく重い質量分
離マグネットは不要になる。これによって装置が小型に
なる。装置据え付け面積も少なくなる。マグネットが無
いのでより安価になる。
【0027】質量分離が不要であるとビームを絞る必要
もない。大面積のビームを発生させそのままウエハ−に
イオン注入すれば良い。ビーム走査しないから走査機構
の分だけ装置が安価になる。また走査機構が不要でその
分走査距離が不要になるから据え付け面積をさらに削減
できる。一挙にイオン注入できるから注入時間が大幅に
短縮できる。ためにスループットが大いに向上する。S
OI基板の製造コストを引き下げる事ができる。
【0028】良い事ばかりのようにみえる。しかし問題
はある。酸素負イオンをどうして生成するか?と言う事
が問題である。そもそも従来技術が全て酸素の正イオン
を注入していたのは、正イオンが生成し易いからであ
る。負イオンはなかなかできない。ドーパントとしてボ
ロンやリンをSiにドープする場合もこれらは正イオン
の形で生成され質量分離し、走査してウエハ−に注入さ
れる。これらドーパントも正イオンで注入するからここ
で述べたものと同じ問題があり依然解決されていない。
【0029】そもそもプラズマというのは電子、イオ
ン、中性ラジカル、中性分子、原子の集合であり、電子
電荷とイオン電荷が打ち消しあって全体として中性にな
るはずで、イオンはほとんどが正イオンなのである。正
イオンと負イオンの数の差が電子数である。そうだとし
てみると負イオンを生成するのはずいぶんと難しいもの
である。
【0030】本発明者は、その難しい負イオン生成の問
題を解決した。ひとつは、プラズマ中の中性を保持しつ
つ電子を急激に消滅させることによって負イオンを一時
的に増大させる手法である。一価イオンに換算すると、
電子数+負イオン数=正イオン数であるから、電子数を
一時的に0に近づける事によって、負イオン数を正イオ
ン数に近づける事が可能である。プラズマが点灯してい
るときプラズマ励起手段を遮断すると、電子温度が急激
に下がり、低エネルギー電子が増える。
【0031】低エネルギー電子は衝突の断面積が大きい
から中性原子、分子と衝突し易くなる。中性酸素原子に
衝突すると一価のOになる。中性酸素分子に衝突する
と、分子を分裂させ二つの原子にし電荷を与えて中性原
子と負イオンOになる。このようにプラズマが消滅す
る際、電子が急速に減少し負イオンが増える。負イオン
数が正イオン数に拮抗するようになる。もちろんこれは
一時的なものでその後正イオンも負イオンも減少し始め
る。その短い間だけウエハ−を正のバイアス電圧を印加
して負イオンをウエハ−に注入するようにする。プラズ
マを消滅させた直後に正のバイアス電圧を印加して負イ
オンを注入するのである。
【0032】わずかな間だけ注入するのであるから繰り
返し繰り返し積み重ねる必要がある。それでプラズマ点
灯消灯をパルス的に行いそれから一定時間遅れてウエハ
−に正電圧バイアスをパルス的に印加する。1回あたり
の負イオン注入がわずかであっても繰り返して注入すれ
ばやがて所望のドーズ量に達する。この方法を、仮に消
灯後正バイアス法と呼ぶ。
【0033】消灯後正バイアス法の他にもう一つ負イオ
ンを高密度に生成する方法がある。電子エネルギーを下
げて、中性原子、中性分子との衝突断面積を増やす方法
である。これはエネルギーフィルタ法と呼ばれている。
【0034】さらにCsの仕事関数の低い事を利用した
負イオン生成法もある。これはよく知られた方法であ
る。負のバイアス電圧を印加したターゲットにCsを付
着させておき中性原子分子を当てるとCsの電子が中性
原子、分子に移動して負イオンをつくるというものであ
る。
【0035】プラズマの生成法自体は、フィラメントに
よるア−ク放電、平行平板電極間の高周波放電、直流放
電、マイクロ波放電、スパッタ負イオン生成など幾つも
の方法がある。本発明はその何れにも適用できるもので
ある。
【0036】グロー放電による場合は、に述べたよう
に、ガス圧を上げる、放電電流を上げる、電圧を上げる
などグロー放電の条件を限定することによって酸素負イ
オンを生成する事ができる。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明は、酸素負イオンOをS
i基板に注入することに特徴がある。酸素負イオンは殆
どがOである。そのため質量分離は不要である。質量
分離のためビームを絞る必要がないから走査装置も不要
である。装置は単純化、小型化されスループットも上が
る。作りにくい負イオンをどのようにして作るか?とい
う事が問題になる。負イオン生成について述べる。
【0038】[1.消灯後正バイアス法]プラズマ点灯
をパルス的に行い消灯直後にウエハ−を正のバイアス電
圧を印加することによって負イオンを注入する方法であ
る。
【0039】プラズマ生成手段をオンすることによっ
て、プラズマ生成室内に酸素を含むプラズマを生成す
る。次にプラズマ生成手段をオフする。プラズマ中の電
子の温度は、数μsec以内に、数10eVから数eV
まで急速に低下する。一方、この期間、電子および、正
・負イオン密度は殆ど変化しない。プラズマ中では低エ
ネルギー電子が支配的となる。この低速電子と酸素分子
が解離性付着を起こすことによって酸素負イオンが生成
される確率が急激に高くなる。e+O→O+O。
+O→Oの式によって簡明に表現できる。このよ
うな付着によって、負イオン密度はプラズマ生成手段オ
フ直後から急激に上昇する。さらに20〜30μsec
まで経過すると、電子は軽いために、急速に拡散し、消
滅して密度が低下する。一方で、正・負イオンは質量が
大きいため、殆ど消滅しない。このため電子密度が極端
に少なく、正負イオンでプラズマが維持される特異な
(電子が殆ど無い)プラズマが形成される。この現象
は、例えば次の文献に述べてある。
【0040】”パルス変調プラズマ”寒川誠二、応用
物理第66巻第6号、p550−558(1997)
【0041】M.B.Hopkins, M.Bacal & W.G.Graham,”
Enhanced volume production of negative ions in the
post dischagrge of a multicusp hydrogen discharg
e", J.Appl.Phys.70(4),p2009-2014(1991)"
【0042】は塩素やアルゴンのプラズマについて述
べたものである。は水素プラズマについて調べたもの
である。酸素について調べた文献は発見できなかった。
しかし本発明者が実験したところでは同様の減少が酸素
プラズマについても起こる。以上の文献はそれ以上の事
は書いていない。本発明者はこれを巧みに利用する。本
発明は、この特異なプラズマ(正イオン数=負イオン
数)が形成される瞬間に、Si基板に正のパルスを印加
する。これによって、酸素負イオン(O)をSi基板
に注入する。
【0043】[2.エネルギーフィルタ法]プラズマ室
を2つに分離し、第1プラズマ室ではプラズマ生成を行
う。第2プラズマ室にはウエハとサセプタを設ける。二
つのプラズマ室の間にはエネルギーフィルタを設ける。
第1プラズマ室では旺盛なプラズマ生成が行われ電子の
エネルギーが高い。エネルギーフィルタは高エネルギー
の電子の通過を防ぐ。第2プラズマ室は低エネルギーの
電子が多く存在する。低エネルギー電子は中性分子、原
子との衝突断面積が大きいからこれを負イオン化する。
そのようにして低エネルギーの電子が少なくなると第1
プラズマ室から低エネルギー電子が入ってくる。エネル
ギーフィルタは、電子エネルギーに対して選択性のある
ものである。中性原子、分子は自由に通過を許すものと
する。それは数百ガウス程度の磁場を形成することによ
ってなされる。そのような磁場は永久磁石を対向させる
ことによって発生させる事ができる。あるいは平行な複
数の導体棒に電流を流す事によって磁場を発生させるこ
とができる。
【0044】[3.Cs法]負イオン源として既に広く
使われている方法である。Csは金属表面に吸着される
と金属表面の仕事関数を下げる作用がある。仕事関数が
下がるので電子がより放出されやすくなる。そこでこの
金属を負にバイアスすると金属は電子の放出体として機
能する。酸素分子、酸素正イオンが、Csに当たると電
子が酸素分子などに与えられ酸素負イオンになる。Cs
は蒸発源に固体の状態で収容しておき加熱気化して金属
表面に導く。Csの他にルビジウムRb、カリウムK、
バリウムBaなどをも利用できる。
【0045】[4.グロー放電法]平行平板電極間に高
周波を印加すると、適当な圧力、ガス種においてグロー
放電が発生する。プラズマがこれによって生ずるが、圧
力を高く、電界を強くすることによって負イオンの率を
高めることができる。これは先述のにも記載されてい
る。
【0046】[実施例1(プラズマ消灯直後負イオン増
加利用)]図2によって実施例1を説明する。原料ガス
入口29を有するチャンバ30は高周波励起プラズマ発
生装置である。チャンバ30内部下方にサセプタ電極3
1が、上方に対向電極32が設けられる。サセプタ電極
31はシャフト33によって支持される。シャフト33
は絶縁物34によってチャンバ30から絶縁される。平
行平板電極31、32の一方の電極32は配線37、マ
ッチングボックス38、配線39、第1スイッチ40を
介して13.56MHzの高周波電源41に接続され
る。高周波電源41は第1トリガ回路45によってトリ
ガされ周期的にオン/オフされる。
【0047】平行平板電極31、32の他方のサセプタ
電極31にはSi基板58が積載される。サセプタ電極
31につづくシャフト33は絶縁物34を介してチャン
バ30支持される。シャフト33は配線42、第2スイ
ッチ43を介して正バイアス電源44の正極に接続され
る。正バイアス電源であって負バイアス電源ではない。
ここに注意すべきである。第2スイッチ43は第2トリ
ガ回路46によって周期的にオンオフする。
【0048】タイミング調整回路47は、第1、第2ト
リガ回路45、46を図3のように一定の時間差をもっ
てオンオフする。プラズマを点灯する第1スイッチを短
くパルス的にオンオフしその直後にサセプタ電極31、
ウエハ−58に正のバイアス電圧を印加する第2スイッ
チ43を短くオンオフする。その意味は以下のようであ
る。
【0049】プラズマ生成チャンバ30内に酸素ガスを
導入する。トリガ回路45が第1スイッチ40をオン
(パルス立ち上がり48)にする。対向電極32、サセ
プタ電極31に高周波電圧が印加される。電極間でグロ
ー放電が起こり酸素プラズマが生成される。電子は数1
0eV程度の運動エネルギーをもつ。これが図3の高周
波オン49でのプラズマ点灯状態である。
【0050】第1トリガ回路45がオフ(立ち下がり5
0)となると、第1スイッチ40が切れる。プラズマは
消滅に向かう。電子温度が下がりプラズマ中の数10e
V程度の高エネルギー電子は数μsec内に急速に消滅
する。瞬間的に電子はエネルギーを失い数eV程度の低
いエネルギーになる。エネルギーが低いと速度が遅いの
で酸素原子との衝突断面積が著しく増える。つまり酸素
に衝突し易くなる。この低エネルギー電子が酸素分子に
解離性付着し、Oが生成される。そのためにO密度
はトリガ回路45がオフ50となった直後から急減に上
昇し始める。ガス圧を高く、また投入マイクロ波電力を
高め電界を強めることによって、Oがより優先的に生
成される。それによって、負イオンの殆ど全てが一原子
一価のO になる。プラズマ容器や生成条件によるため
一概には言えないが、数10μsec〜100msec
の間にO密度はピーク値を取る。そのとき負イオン数
は正イオンの数に匹敵するぐらい多くなっている。その
後壁面との衝突などによってOは徐々に減少する。
【0051】トリガ回路45がオフとなってからオンと
なるまでの間、より好ましくは、電子密度が極端に低下
する、第1トリガ回路45がオフ(52)してから10
μsec以降からオンとなるまでの間に第2トリガ回路
46をオンする(53)。オン54時には、Si基板に
20〜220kVの正のバイアス電圧がパルス的に印加
される。ウエハ−は正のバイアス電圧が印加されプラズ
マ57中の負イオンがウエハ−58に引き寄せられる。
加速されてウエハ−の内部奥深くまで進入する。プラズ
マ57の広がりはウエハ−58よりも大きいので、酸素
負イオンは全面に同等分だけ注入される。だから走査す
る必要はない。すぐに負イオンは減少するが正のバイア
ス電圧はすぐに解除(立ち下がり55)するから無駄な
時間は少ない。
【0052】すぐに次の回のプラズマ点灯(立ち上がり
48)を行い、プラズマを立ち上げ、これを消して負イ
オン濃度を高め、正のバイアス電圧を印加する(立ち上
がり53)。このような繰り返しによって少しづつ負イ
オンOをウエハ−に注入する。
【0053】この実施例ではスイッチ40、43とし
て、半導体スイッチを用いている。この場合は、デユー
ティ1%、繰り返し周波数は数Hz〜10kHzまで印
加可能であることを確認している。またスイッチング手
段としてサイラトロン等を用いる事も可能である。
【0054】実施例1の主点は、プラズマをオン/オフ
させ、オフ期間中にOを多量に生成し、タイミング良
く正のバイアス電圧を印加してOをSi基板に注入す
る事である。プラズマ消灯直後の負イオンの増大現象を
巧みに利用するものである。
【0055】ここでは高周波励起の装置を用いたがこれ
に限らない。プラズマ生成手段としては高周波プラズマ
以外にもマイクロ波プラズマでも直流放電プラズマでも
良い。何れの場合も周期的にプラズマ生成手段をオンオ
フしオフになった直後の負イオン増加時にタイミングを
合わせてウエハ−に正のバイアス電圧を印加する。
【0056】[実施例2(エネルギーフィルタによって
低エネルギー電子を通す)]図4に実施例2を示す。こ
れはエネルギーフィルタによって低エネルギー電子を増
やし負イオン生成を促進する。ECRプラズマ生成装置
を例にするが、そのほかの励起方法であっても適用する
ことができる。プラズマ室61はガス入口62、ガス排
出口63を有する。マグネトロン64はマイクロ波66
を発生する。マイクロ波66は導波管65を通り誘電体
窓79を通過してプラズマ室61に入る。コイル67は
ECR条件を満たす磁場を発生する。つまりマイクロ波
が2.45GHzであれば875ガウスの磁束密度がで
きるようにする。そこで電子はマイクロ波を共鳴吸収す
る。
【0057】プラズマ室61は中間部において、複数の
導体棒69が平行に設けられる。これには同方向に電流
を流す。導体棒69の周りに数10ガウス〜100ガウ
ス程度の磁場を生ずる。この弱い磁場の障壁を、高いエ
ネルギーの電子は通り抜けることができない。低エネル
ギーの電子はこれを通り抜けることができる。だから導
体棒69が作る磁場は低エネルギー電子だけを選択透過
させるエネルギーフィルタとなっている。
【0058】プラズマ室61は導体棒69によって上下
に分割される。上方はマイクロ波を共鳴吸収する部分で
ある。第1プラズマ室68と呼ぶ。下方は負イオンを生
成する部分である。第2プラズマ室70と呼ぶ。ここに
はウエハ−72を戴置したサセプタ73がある。サセプ
タ73はシャフト74を介し外部回路につながる。シャ
フト74はスイッチ76、正バイアス電源77につなが
る。
【0059】正バイアス電圧はSiウエハ−への必要な
酸素の注入深さによって適当に決める。20keV〜2
20keVの程度の注入深さとする事が多い。タイミン
グ調整回路78はスイッチ76をオンオフする。スイッ
チ76が閉じたときウエハ−は正電圧にバイアスされる
から酸素負イオンが奥深く注入される。広がりあるプラ
ズマの中にウエハ−があるから一挙に全面に酸素負イオ
ンを注入できる。大面積のプラズマであるから質量分
離、ビーム走査は不要である。
【0060】プラズマ室61の下半外壁には、永久磁石
71が多数設けられる。NSの極が隣接磁石間で反転す
るような配列になっている。隣接磁石間でカスプ磁場を
生成し荷電粒子をプラズマ室の中央部に閉じ込める作用
がある。
【0061】その動作は次のようである。酸素ガスを入
口62から導入する。誘電体窓79を通してマイクロ波
66をプラズマ室61に導入する。電子はマイクロ波を
共鳴吸収し高密度の酸素プラズマを第1プラズマ室68
に生成する。このプラズマは正イオン、電子、中性原
子、分子を含む。電子が多く負イオンは少ない。電子エ
ネルギーは高くて10eV程度もある。高速の電子であ
るから中性原子と衝突しにくい。
【0062】導体棒69が作る磁場B(数十ガウス〜百
ガウス)が第1、第2プラズマ室68、70の境界にあ
る。荷電粒子、特に高速の電子はこの磁場障壁を抜ける
ことができない。中性原子、分子は磁場Bを通り抜ける
ことができる。軽い電子でもエネルギーが低いもの(約
1eV以下)は導体棒69の磁場Bを通り抜けることが
できる。低エネルギーの電子は磁場にとらえられてサイ
クロトロン運動するがやがて磁場の影響を離脱する。
【0063】第2プラズマ室70ではECR条件が満た
されないから新たにプラズマが増えない。第1プラズマ
室68からの移動分しか存在しない。しかしそこには低
エネルギーの電子が存在するからこれが中性酸素分子に
解離性付着する。これによって酸素負イオンができる。
低エネルギーの電子は殆ど全て中性原子、分子に付着し
て消滅する。そのとき負イオン密度が最も高くなる。丁
度そのときにウエハ−、サセプタを正のバイアス電圧を
印加して負イオンを強力に静電力によって引きつける。
【0064】実施例2では、第1プラズマ室68にのみ
酸素ガスを供給しているが、これにかぎらない。一般に
酸素ガス圧が高い方が負イオン生成効率が高い。負イオ
ン生成効率を高めるため第2プラズマ室70にも酸素ガ
スを供給しても良い。また第1プラズマ室には酸素ガス
を与えず、第2プラズマ室70のみに酸素ガスを供給し
ても良い。
【0065】正バイアスがオフ56であるときウエハ−
は正イオンにさらされているがそれは差し支えない。正
イオンが単に接触するだけではウエハ−内部に取り込ま
れない。
【0066】この実施例ではマイクロ波は連続発振して
おり、プラズマを一時的に消すということはしていな
い。しかしマグネトロンを間欠発振させ図3のようにプ
ラズマを点灯消灯させるようにしても良い。その場合は
オフ時に低速電子が増えるから、図3のようにタイミン
グを合わせてサセプタとウエハ−に正のバイアス電圧を
印加するようにすれば一層良い。
【0067】[実施例3(エネルギーフィルタによって
低エネルギー電子を通す)]図5は第3の実施例を示
す。これはエネルギーフィルタの部分を導体棒でなく、
永久磁石81〜84によって置き換えたものである。カ
スプ磁場を作る永久磁石71とは別に、プラズマ室61
の中間高さに同一方向を向いた永久磁石81〜84を設
ける。異極が対向する永久磁石81、82間と永久磁石
83、84間に一方向に向かう磁束密度Bが生ずる。こ
れは高速電子を遮断する作用がありエネルギーフィルタ
として機能する。図2の導体棒に電流を流すのと同じ作
用がある。下半部の永久磁石71はカスプ磁場を生成す
るためのものである。ウエハ−72を間欠的に正電源に
よってバイアスすることによって負イオンを注入する点
は変わらない。全面一挙注入であるから質量分離やビー
ム走査が不要である。
【0068】[実施例4(ECRプラズマ装置)]図
4、図5もECRプラズマ装置であったが、図6に示す
ものもECRマイクロ波プラズマ装置である。カスプ磁
場による閉じ込めの代わりに、ECRコイルの縦磁場を
用いている。
【0069】マグネトロン85で発生したマイクロ波8
7は導波管86を伝搬する。マイクロ波87は誘電体窓
88を通り、プラズマ室89にはガス入口(図示しな
い)とガス出口(図示しない)がありマイクロ波によっ
てガスをプラズマに励起する。プラズマ室89の周囲に
はコイル90が設置される。コイル90はプラズマ室8
9内部のプラズマ91に縦磁場92を生ずる。電子はコ
イル磁場によってサイクロトロン運動する。サイクロト
ロン周波数とマイクロ波周波数が同一の領域でマイクロ
波の共鳴吸収(ECR)が起こる。そこでプラズマ密度
が高くなる。プラズマ室89の内部に、サセプタ93に
よって支持されるウエハ−94が設けられる。プラズマ
91とウエハ−94の全面が接触する。スイッチ97、
正バイアス電源98がサセプタ93に接続される。タイ
ミング調整回路99がスイッチ97を周期的に開閉す
る。また適当な時間差でマグネトロン85もオンオフす
る。オンオフのタイミングは図3に示すものと同じであ
る。
【0070】マグネトロン85をパルス駆動する。プラ
ズマがそれに応じて点灯する。プラズマが消えた後の負
イオン密度の上昇に合わせてウエハ−94とサセプタ9
3を正電位にバイアスする。これによって酸素負イオン
がSiウエハ−に注入される。全面でプラズマに接
触しているから、一挙に全面に酸素負イオンが注入され
る。一種類の負イオンしか発生しないから質量分離の必
要はない。ビームを絞らないから走査機構も不要であ
る。
【0071】[実施例5] 図7に実施例5を示す。セ
シウムを利用したスパッタ型負イオン源を用いたもので
ある。セシウム利用スパッタ型負イオン源については例
えば次の文献に説明されている。 富岡哲生、辻博司、豊田啓孝、後藤康仁、石川順三、
「RFプラズマスパッタ型負重イオン源からの酸素及び
フッ素負イオン引き出し特性」 Proc.BEAMS
1995TOKYO、pp191−194
【0072】プラズマ生成室100内の上方には導電性
ターゲット101が設けられる。ターゲット101の軸
は絶縁物102を経て外部に引き出され、負バイアス電
源103に接続される。ガス入口104から原料ガスが
供給される。プラズマ生成室100内部には数ターンの
高周波コイル105が設置される。高周波コイル105
の端子は絶縁物106を経て外部へ取り出される。その
一端はマッチングボックス107、第1スイッチ108
を経て高周波電源109に接続される。高周波電源10
9の一端は接地される。コイル105の他端は接地され
ている。
【0073】プラズマ生成室100の下方には、サセプ
タ110、ウエハ−111が設けられる。軸112は絶
縁物113を通って外部に延長する。軸112、サセプ
タ110、ウエハ−111は、第2スイッチ114、正
バイアス電源115に接続される。正バイアス電源11
5は、20keV〜220keVの間の加速エネルギー
を酸素イオンに与える。タイミング調整回路116が第
1、第2スイッチ108、114を図3のようなタイミ
ングでパルス的に開閉する。
【0074】プラズマ生成室100の外部にオーブン1
17がある。この内部にセシウムCs118が収容され
る。周りのヒ−タ119によってオーブンを加熱するこ
とができる。オーブン117の上にはパイプがついてお
りパイプ先端のノズル121はターゲット101の下面
に向かって設けられる。ヒ−タ119によってCsを加
熱すると蒸気が発生し、ノズル121から噴出しターゲ
ット101の表面に付着する。プラズマ生成室100に
はガス排出口122がありここから内部を真空に引くこ
とができるようになっている。以上の構成においていて
その動作を述べる。
【0075】ターゲット101には300V〜800V
程度の負電圧が印加されている。オーブン117からセ
シウム蒸気が生じターゲット101に付着している。プ
ラズマ生成室100にアルゴンAr、キセノンXeなど
のスパッタガスと酸素ガスの混合ガスを導入する。酸素
分子の一部はターゲットのセシウム層の上に吸着され
る。
【0076】第1スイッチ108を閉じ高周波コイル1
05に高周波電圧を印加する。高周波によってガス中の
電子が上下に振動し原子に当たって電離するから、混合
ガス(Xe+O)のプラズマが生成される。プラズマと
いうのは電子、正イオン、中性ラジカル、中性分子など
の集合である。
【0077】ターゲット101には負電圧が印加されて
いるから混合ガスのうち不活性ガスの正イオン、例えば
Xeイオンがターゲットに引き寄せられる。不活性ガ
ス正イオンはターゲットの酸素分子に当たりこれをスパ
ッタリングする。酸素分子はCsから電子を取り分解し
て一原子負イオンOになる。Csを使うので負イオン
濃度が高くなる。これだけでも酸素負イオンを生成でき
るが本発明は、実施例1で述べたような工夫をする。タ
イミング調整回路116によって、高周波コイルへのパ
ルス的な電力供給の直後にウエハ−111を正電圧にバ
イアスする。
【0078】高周波をコイル105に通すと高周波で電
子が強く運動しプラズマができる。高周波を切ると電子
が運動エネルギーを失い、中性酸素分子との衝突の確率
が増える。そして殆どの低速電子が中性酸素と結合し、
負イオンとなる。特にCsの添加量を調整することによ
って、Oを独占的に生成する事が可能である。丁度そ
のときにウエハ−に正のバイアス電圧を印加することに
よって効率よく負イオンをウエハ−へ注入する。
【0079】この方法は、後でSi基板上のCs或いは
浅く注入されたCsを除去しなければならないという問
題がある。しかし負イオンの生成効率を高めるという点
で利点がある。放電オフ期間(図3の51)中に基板
(Siウエハ−)に酸素負イオンが注入されるが、プラ
ズマは全体的に中性を保とうとするので、正イオンがプ
ラズマ生成室壁面などに衝突する。この正イオンがセシ
ウム被覆ターゲットに当たり、さらに負イオン濃度を上
げることができる。結局負バイアス電源103から電子
を与えるので負イオンをより高濃度で生成できる。
【0080】
【発明の効果】Si基板に酸素負イオンを注入する事に
よって所定深さに埋め込み、酸化膜を形成する。プラズ
マにSi基板の全体が接触した状態でイオンを注入する
から一括して全面に注入できる。酸素負イオンはプラズ
マパラメータを調整する事によってOのみ独占的に生
成する事が可能である。Si基板に正のパルスバイアス
電圧を周期的に印加することによってOのみを安定的
に、短時間で実用量を注入する事ができる。質量分離系
などを設ける必要はない。質量分離の大がかりな装置が
不要であるから装置価格は低下する。据え付けに必要な
面積も節減できる。質量分離しないからビームを細くす
る必要がなく、走査が不要になる。走査せず一挙に注入
できるのでスループットが向上する。
【0081】さらにプラズマ生成手段を周期的にオン/
オフさせ、オフ期間にSi基板に正のバイアスパルスを
印加する。電子の過剰照射による基板過熱及びパルスバ
イアス電源の大容量化を回避する事が可能になる。安
価、安定、小設置面積のイオン注入装置を提供する事が
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例にかかる酸素正イオンをSiウエハ−に
注入する装置の概略断面図。
【図2】高周波励起によって酸素プラズマを生成し、高
周波電力遮断後の一時的な負イオン増加時に正のバイア
ス電圧を印加しSiウエハ−に酸素負イオンを注入する
ようにした本発明の第1の実施例に掛かる装置の断面
図。
【図3】図4の第1の実施例において、高周波電力を供
給するタイミングとウエハ−に正のバイアス電圧を印加
するタイミングを示すパルス波形図。
【図4】ECRプラズマ法を用い導体棒電流によってチ
ャンバ中間に磁場を生成してプラズマを二分し負イオン
生成率を上げウエハ−に酸素負イオンを注入するように
した本発明の第2の実施例にかかる装置の断面図。
【図5】ECRプラズマ法を用い永久磁石磁場によって
チャンバ中間に磁場を形成しプラズマを二分して負イオ
ン生成率を上げウエハ−に酸素負イオンを注入するよう
にした本発明の第3の実施例に掛かる装置の断面図。
【図6】ECRプラズマ法をもちいて、ウエハ−に酸素
負イオンを注入するようにした本発明の第4の実施例に
掛かる装置の断面図。
【図7】スパッタ型負イオン源を用いてウエハ−に酸素
負イオンを注入するようにした本発明の第5の実施例を
示す断面図。
【符号の説明】
1チャンバ 2フィラメント 3フィラメント電源 4ガス入口 5絶縁物 6ア−ク電源 7加速電源 8出口 9加速電極 10減速電極 11接地電極 12減速電源 13抵抗 14質量分離マグネット 15酸素正イオンビ−ム 16入口 17出口 18スリット板 19電極 20電極 21可変電源 22走査機構 23走査ビーム 24ウエハ− 25サセプタ 26中央軌跡 27偏奇軌跡 29ガス入口 30チャンバ 31サセプタ電極 32対向電極 33シャフト 34絶縁物 35軸 36絶縁物 37配線 38マッチングボックス 39配線 40第1スイッチ 41高周波電源 42配線 43第2スイッチ 44正バイアス電源 45第1トリガ回路 46第2トリガ回路 47タイミング調整回路 48立ち上がり 49オン 50立ち下がり 51オフ 52消灯時 53立ち上がり 54オン 55立ち下がり 56オフ 61プラズマ室 62ガス入口 63ガス排出口 64マグネトロン 65導波管 66マイクロ波 67コイル 68第1プラズマ室 69導体棒 70第2プラズマ室 71永久磁石 72ウエハ− 73サセプタ 74軸 75絶縁物 76スイッチ 77正バイアス電源 78タイミング調整回路 79誘電体窓 81〜84永久磁石 85マグネトロン 86導波管 87マイクロ波 88誘電体窓 89プラズマ室 90コイル 91プラズマ 92縦磁場 93サセプタ 94ウエハ− 95軸 96絶縁物 97スイッチ 98正バイアス電源 99タイミング調整回路 100プラズマ生成室 101ターゲット 102絶縁物 103負バイアス電源 104ガス入口 105コイル 106絶縁物 107マッチングボックス 108第1スイッチ 109高周波電源 110サセプタ 111ウエハ− 112軸 113絶縁物 114第2スイッチ 115正バイアス電源 116タイミング調整回路 117オーブン 118セシウム固体 119ヒ−タ 120パイプ 121ノズル 122ガス排出口
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/265 F Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板、絶縁体基板或いは金属基板
    に酸素イオンを注入し所定の深さに酸化層を形成する方
    法であって、プラズマ生成手段によって酸素を含むプラ
    ズマを発生し、半導体基板、絶縁体基板或いは金属基板
    を酸素プラズマ中にさらし、基板に正のパルス電圧を印
    加することによってプラズマ中の酸素負イオンを基板中
    に所定深さまで注入することを特徴とするパルスバイア
    ス酸素負イオン注入方法。
  2. 【請求項2】 プラズマを生成するプラズマ室内の中間
    部に電子を捕獲するための磁場を形成し、磁場の一方の
    側の第1プラズマ室ではプラズマ生成手段によってプラ
    ズマを生成し、第2プラズマ室には半導体基板、絶縁体
    基板又は金属基板を設け、磁場によって妨げられ高エネ
    ルギー電子が第2プラズマ室に移動しないようにし、第
    2プラズマ室で電子と中性原子、分子の衝突を促進し負
    イオン濃度を高めるようにすることを特徴とする請求項
    1に記載のパルスバイアス酸素負イオン注入方法。
  3. 【請求項3】 高周波コイルに高周波を加える事により
    プラズマを生成する手段を備えたプラズマ室にCsを供
    給し、プラズマ室内に設置された導電性ターゲットの表
    面にCsを堆積させ、このターゲットに負電圧を印加す
    る事によって、ターゲットを正イオンでスパッタし、酸
    素負イオン濃度の高い酸素プラズマを生成することを特
    徴とする請求項1に記載のパルスバイアス酸素負イオン
    注入方法。
  4. 【請求項4】 プラズマ生成手段を周期的にオン/オフ
    し、プラズマ生成手段がオフに切り替わってから10μ
    secから再びオンになるまでの期間に半導体基板、絶
    縁体基板または金属基板に正のパルス電圧を印加するこ
    とを特徴とする請求項1、2又は3に記載のパルスバイ
    アス酸素負イオン注入方法。
  5. 【請求項5】 真空に引くことができプラズマを生成す
    る空間であるプラズマ室と、プラズマ室内にプラズマを
    発生するプラズマ発生手段と、プラズマ室に酸素原子を
    含むガスを導入するガス導入口と、プラズマ室からガス
    を排出するガス排気装置と、プラズマ室内に設けられ半
    導体基板、絶縁体基板又は金属基板を戴置するためのサ
    セプタと、サセプタに正電圧バイアスを印加する正バイ
    アス電源と、正バイアス電源とサセプタの間に設けられ
    るスイッチと、スイッチを周期的にオンオフし、Siウ
    エハにパルス的に正電圧バイアスを印加する機構とを含
    むことを特徴とするパルスバイアス酸素負イオン注入装
    置。
  6. 【請求項6】 プラズマ室内に磁界を形成するための磁
    場形成手段を、プラズマ室正内或いは外に設け、プラズ
    マ室を二つに分離し、磁場によってエネルギーの高い電
    子の透過を防ぎ、一方のプラズマ室ではプラズマ生成を
    行い、他方のプラズマ室にはサセプタと基板を設けた事
    を特徴とする請求項5に記載のパルスバイアス酸素負イ
    オン注入装置。
  7. 【請求項7】 高周波コイルに高周波を加える事により
    プラズマを生成する手段を備えたプラズマ室に設けられ
    た導電性のターゲットと、ターゲットに負電圧を印加す
    る負バイアス電源と、Cs、Rb、Kなどの蒸気を生成
    するオーブンと、オーブンで発生した蒸気をターゲット
    に導くノズルとを設けた事を特徴とする請求項5に記載
    のパルスバイアス酸素負イオン注入装置。
  8. 【請求項8】 プラズマ生成手段をオンオフする機構
    と、プラズマ生成オンオフと、サセプタの正バイアスの
    オンオフのタイミングを決めるタイミング調整回路とを
    設け、プラズマ生成手段がオフになった直後にサセプタ
    に正のバイアス電圧を印加ことを特徴とする請求項5、
    6又は7に記載のパルスバイアス酸素負イオン注入装
    置。
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