JPH11354362A - 希土類・鉄・ボロン系永久磁石の焼結方法 - Google Patents

希土類・鉄・ボロン系永久磁石の焼結方法

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JPH11354362A
JPH11354362A JP10181441A JP18144198A JPH11354362A JP H11354362 A JPH11354362 A JP H11354362A JP 10181441 A JP10181441 A JP 10181441A JP 18144198 A JP18144198 A JP 18144198A JP H11354362 A JPH11354362 A JP H11354362A
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sintering
temperature
permanent magnet
rare earth
iron
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JP10181441A
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Nobushige Hiraishi
信茂 平石
Wataru Takahashi
渉 高橋
Akiyasu Ota
晶康 太田
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Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
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    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形体の温度均一性が良好で、短時間で所定
の温度に到達させることで効率よく焼結を実施し、熱エ
ネルギーの削減によるコストダウンが可能なR‐Fe‐
B系永久磁石の焼結方法の提供。 【解決手段】 R‐Fe‐B系焼結永久磁石の焼結用容
器の外表面に高い輻射率で、蒸気圧が低く標準生成自由
エネルギーが小さく安定した酸化物、炭化物あるいは窒
化物セラミックス材料をコーティングすることにより、
焼結工程の短縮を図ることが可能となり、また、炉内の
昇温速度を10℃/min〜30℃/minとすること
により、高効率・低コストで磁気特性の良好な焼結体が
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、希土類・鉄・ボ
ロン系磁石用合金を主成分とする圧粉体を焼結する方法
の改良に係り、輻射率を高めたFe基あるいはNi基の
合金材料からなる金属製の焼結用容器を使用し、短時間
で均熱に加熱して効率のよい焼結を可能にする希土類・
鉄・ボロン系永久磁石の焼結方法に関する。
【0002】
【従来の技術】永久磁石材料は、一般家庭の各種電気製
品から大型コンピューターの周辺末端機器まで、幅広い
分野で使用される極めて重要な電気・電子材料の一つで
ある。近年の電気・電子機器の小型化、高機能化の要求
にともない、永久磁石材料はますます高性能化が求めら
れている。
【0003】そのなかで、安価な永久磁石材料として、
高価なSmやCoを必ずしも含有する必要のない、R:
10〜30原子%(但し、RはYを含む希土類元素から
選ばれた少なくとも1種類)、B:2〜28原子%、F
e:65〜82原子%を主成分とするR−Fe−B系磁
石用合金を用いた、磁気異方性焼結体からなる永久磁石
が提案された(特開昭59‐46008号公報)。
【0004】このR‐Fe‐B系焼結永久磁石の温度特
性を改良するために、Feの一部をCoで置換すること
により、生成合金のキュリー点を上昇させて温度特性を
改善したR‐Fe‐Co‐B系磁気異方性焼結体からな
る永久磁石も提案された(特開昭59‐64733号公
報)。以下では、R‐Fe‐Co‐B系も含めてR‐F
e‐B系と総称する。
【0005】これら希土類系永久磁石は、一般に次のよ
うな工程により製造される。まず、所定組成の合金を溶
解してインゴットやフレークを得た後、これを粗粉砕
後、ジェットミル等の微粉砕機により微粉砕して、原料
となる合金粉末を得る。
【0006】そして、磁気異方性を付与するために磁場
中でプレス金型成形して圧粉体を作製し、500〜60
0℃の温度の脱バインダーに引き続き、950〜115
0℃の温度で焼結し、その後、時効処理することによ
り、R−Fe−B系永久磁石が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来、脱バインダー並
びに焼結は、焼結用容器としてFe基合金、Ni基合
金、非鉄合金等の金属容器を使用し、この金属容器の中
に圧粉体を入れて、真空中または減圧不活性ガス中で実
施され、圧粉体に含まれるバインダー等の不純物の除去
の後、液相焼結して成形体の密度を上昇させて真密度に
する工程である。
【0008】この際、脱バインダーは真空中または減圧
不活性ガス中で行なうため、対流および熱伝導による焼
結用容器への熱伝熱が起こり難く、また脱バインダー温
度(600℃)以下では輻射による熱伝導も小さいた
め、焼結用容器の温度上昇速度が遅くなり、その中の圧
粉体の温度が上昇し難い。そのため、脱バインダー時間
が非常に長くなり、その結果、焼結工程全体が長くなる
という問題があった。
【0009】一方、残留炭素量の少ない焼結体を得るた
めに、合成油などを媒体とする湿式加圧成形した成形体
を減圧、排気しながら不活性ガスあるいは還元ガスによ
り、脱油、焼結する希土類永久磁石の製造方法が提案
(特開平8−88134号公報)されているが、開示さ
れている加熱条件では、脱バインダー時間が長く、多大
の手間を要してコスト高になる問題がある。
【0010】また、低温、短時間で焼結を行い、高品質
で機械加工性に優れた焼結体の製造を目的として提案
(特開平10−8170号公報)された焼結方法は、F
e‐Co系合金またはFe‐Co‐V系合金の圧粉体を
水素雰囲気中で低温焼結しているが、この方法でも圧粉
体が所定の温度に上昇するまで時間を要し、処理効率が
悪いという問題があった。
【0011】そこで、発明者らは、R‐Fe‐B系焼結
永久磁石の焼結用容器に要求される特性としては、第一
に脱バインダー温度(600℃)以下の低温においても
焼結用容器材料の熱伝熱が大きく、焼結炉の制御温度と
焼結用容器温度との温度差が小さいことが必要であると
考えた。
【0012】しかし、従来から焼結用容器として使用さ
れているステンレス鋼等の金属製では、脱バインダー温
度までの低温領域における熱伝熱が小さく、焼結炉制御
温度が所定の温度に達しても焼結用容器温度がなかなか
上昇しないため、その中に入っているR‐Fe‐B系焼
結永久磁石成形体の温度が上昇するまでには数時間の時
間が必要であった。
【0013】この発明は、R‐Fe‐B系焼結永久磁石
の焼結工程において、成形体の温度均一性が良好で、短
時間で所定の温度に到達させることで効率よく焼結を実
施し、熱エネルギーの削減によるコストダウンが可能な
R‐Fe‐B系永久磁石の焼結方法の提供を目的として
いる。
【0014】
【課題を解決するための手段】発明者らは、R‐Fe‐
B系焼結永久磁石用の圧粉体の温度を均一に短時間で上
昇させるため、種々検討した結果、輻射熱が焼結用容器
の表面の色相による輻射率により、吸熱量が大きく変化
することに着目し、焼結用容器の表面を輻射率の大きい
材料でコーティングすることによって、熱効率(熱吸
収)の良好な焼結用容器を作製してこれを使用するとと
もに、焼結炉制御温度の昇温速度を大きくすることによ
り、目的が達成できることを知見した。
【0015】また、発明者らは、このコーティング材料
について種々検討した結果、コーティング材料は、剥離
しないこと、R‐Fe‐B系焼結永久磁石成形体の気化
したガスとの化学反応を起こさないとともに、コーティ
ング材料が気化してR‐Fe‐B系焼結永久磁石成形体
に悪影響を及ばさないことが必要であり、従って、コー
ティング材料には焼結温度においてコーティング性がよ
く安定した化合物であることが必要であることを知見し
た。
【0016】さらに、前記コーティング材料に必要な特
性は、焼結用容器が変形しないとともに、その中に入っ
ているR‐Fe‐B系焼結永久磁石成形体との化学反応
を起こさないことである。そのために、焼結用容器材料
は常温延性に優れ、かつ焼結温度において高温強度を有
するFe基あるいはNi基の合金材料の使用が必要であ
る。
【0017】発明者らは、常温延性に優れ、かつ焼結温
度において高温強度を有するFe基あるいはNi基の合
金材料に、かかる特性を有するコーティング材料を採用
することにより、R‐Fe‐B系焼結永久磁石用の成形
体の昇温速度が早く、焼結体の外観形状および磁気特性
の損なわれないR‐Fe‐B系焼結永久磁石の焼結方法
を提供できることを知見した。
【0018】発明者らは、前記の課題を解決するため
に、焼結炉内制御温度の昇温速度、炉内雰囲気および焼
結用容器のコーティング材料の種類を変化させて、焼結
炉内制御温度とR‐Fe‐B系焼結永久磁石戚形体との
温度差、焼結用容器コーティング性および磁気特性等に
ついて詳細に検討を行なった結果、上記目的を達成する
ための焼結用容器として最適である表面コーティング材
料として、0.5以上の輻射率で、蒸気圧が低く標準生
成自由エネルギーが小さく安定した酸化物、炭化物ある
いは窒化物セラミックスでNd系希土類元素との化学反
応を起こさない材料を知見し、この発明を完成した。
【0019】
【発明の実施の形態】この発明の焼結永久磁石の製造用
粉末に用いるR‐Fe‐B系希土類合金粉末は、R:1
0〜30原子%、B:2〜28原子%、Fe:65〜8
2原子%の組成を有する。希土類元素Rはイットリウム
(Y)を包含し、軽希土類(セリウム族)と重希土類
(イットリウム族)の両者を含む希土類元素である。R
としては軽希土類だけでも十分であり、特にNdおよび
Prが好ましい。
【0020】通常、Rは1種類だけでよいが、原料入手
上その他の理由により、安価な2種類以上の希土類元素
の混合物(ミッシュメタル、ジジム等)を使用すること
もできる。Sm、Y、La、Cc、Gd等は、他のR、
特にNdまたはPrとの混合物として用いることが好ま
しい。Rは純希土類元素である必要はなく、工業上入手
可能な純度のものでよい。すなわち、製造上不可避な不
純物が混入していても差し支えない。
【0021】希土類元素Rの割合が10原子%未満で
は、高磁気特性、特に高い固有保磁力(iHC)が得ら
れず、30原子%を超えると残留磁束密度(Br)が低
下し、優れた特性の永久磁石が得られない。よって、R
は10〜30原子%の範囲が望ましい。
【0022】同様に、Bの割合が2原子%未満では高い
固有保磁力(iHC)が得られず、28原子%を超える
と残留磁束密度(Br)が低下し、高磁気特性の永久磁
石が得られない。よって、Bは2〜28原子%の範囲が
望ましい。
【0023】Feの割合が65原子%未満では残留磁束
密度(Br)が不足し、82原子%を超えると高い固有
保磁力(iHc)が得られないので、Feは65〜82
原子%が望ましい。また、Feの一部はCoで置換する
ことができ、これにより、合金のキュリー点が上昇し、
永久磁石の温度特性が向上する。しかし、CoがFeよ
り多くなると高い固有保磁力(iHc)が得られないの
で、Feの一部をCoで置換する場合、CoはFe+C
oの合計量の50%を上限とする。従って、Coの上限
は41原子%である。Coを添加する場合、その添加効
果を十分に得るための好ましい添加量は5〜25原子%
の範囲である。
【0024】高い残留磁束密度(Br)と高い固有保磁
力(iHc)をともに有する優れた永久磁石を得るに
は、合金粉末の組成をR:10〜25原子%、B:4〜
26原子%、Fe:65〜82原子%の範囲とすること
が好ましい。
【0025】この発明で用いる永久磁石用合金粉末に
は、R、B、Feの他に、製造工程で不可避的に混入す
る不純物、或いは低価格化、特性改善などの目的で意図
的に混入した元素も小量であれば共存させることができ
る。
【0026】また、R‐Fe‐B系合金粉末の製造方法
は特に制限されないが、上述した一般的な製造方法によ
り得たものでよく、得られた合金粉末の粉末粒度は、平
均粒径で1〜20μmであればよい。平均粒径が20μ
mを超えると、永久磁石の作製時に優れた磁気特性、と
りわけ高い保磁力が得られない。また、平均粒径が1μ
m未満では、永久磁石の製造工程(すなわち、プレス成
形、焼結工程)における合金粉末の酸化が著しく、優れ
た磁気特性が得られないためである。
【0027】このようにして得られた合金粉末を、磁界
中プレス金型成形により圧粉成形を行ない磁気異方性を
持たせ、用途に応じて各種形状の圧粉体を作製する。
【0028】焼結温度において、950〜1150℃の
範囲が望ましい理由は、950℃未満では焼結体の密度
が十分上昇しないことと焼結が十分に進行しないため、
残留磁束密度(Br)と固有保磁力(iHc)が大きく
低下してしまうためである。また、1150℃を超える
と結晶粒が著しく粗大化し、固有保磁力(iHc)が大
きく低下してしまうためとコーティング材料が劣化しリ
サイクル性が低下してしまうためである。
【0029】なお、高い残留磁束密度(Br)と高い固
有保磁力(iHc)をともに有する優れた永久磁石を得
るには、焼結温度を1000〜1100℃の範囲とする
ことが好ましい。
【0030】この発明において、焼結用容器の外面に輻
射率が0.5以上のセラミックス材料のコーティングを
施す理由は、600℃以下の脱バインダー温度において
も温度の伝熱が良好になり、焼結炉内制御温度と焼結用
容器の温度差が小さくなるためである。
【0031】この発明において、また焼結温度である9
50〜1150℃の真空あるいは減圧の不活性ガス中に
おいても、R‐Fe‐B系焼結永久磁石圧粉体の主要成
分であるNd系希土類元素との化学反応を起こしたり、
気化、溶融しない材料で安定したコーティング皮膜が存
在し、さらに、常温においてもコーティング材料の剥離
や大気中での吸湿等による変質が起こり難く、比較的安
価な材料が必要であるため、酸化物、炭化物あるいは窒
化物セラミックスの使用が必要である。
【0032】セラミックス材料としては、Dy23、S
23、Y23、安定化ZrO2、ZrSiO4、SrT
iO3、NbC、SiC、TiC、NbN、BNC、T
iNおよびZrNの使用が好ましい。また、コーティン
グする方法としては真空蒸着法、プラズマ溶射法あるい
はCVD法等の一般的な方法で十分である。
【0033】この発明で用いる金属製の焼結用容器とし
ては、常温延性に優れた合金材料が必要であり、その理
由は、常温でのハンドリング中に焼結用容器が変形した
り破損したりすることによるリサイクル性の低下を防止
するためである。また、焼結用容器の高温強度の高い合
金材料が必要な理由は、焼結温度である950〜115
0℃において、曲がってしまうと圧粉体のセットがスム
ーズに行えず、また、焼結用容器をフラットにする工程
が必要となるためである。
【0034】さらに高温強度が低いと焼結用容器の板厚
を厚くする必要があり、そのため焼結用容器の重量が重
くなり、昇温エネルギーのコストがかさむ問題がある。
そのため、板厚は3mm以下にすることが好ましい。そ
のため圧粉体の重量による変形に耐える高温強度を有し
安価で耐熱性があるステンレス鋼あるいは高合金鋼の使
用が好ましい。
【0035】また、この発明において、炉内制御温度の
昇温速度は10℃/min以上に設定することにより、
焼結時間の短縮を図ることが可能であり、昇温速度が大
き過ぎると焼結用容器の温度差が大きくなり、希土類永
久磁石成形体の成形性に問題が生じるため、10℃/m
in〜30℃/minの範囲が望ましい。
【0036】なお、脱バインダー温度以下においては遠
赤外線ヒータを併用することにより、圧粉体の効率的な
加熱が行なえる。
【0037】
【実施例】実施例1 原子%で15%Nd‐8%B‐77%Feの組成になる
ように原料を配合し、Ar雰囲気中で高周波炉により溶
解し、合金を作製した。次いで、該合金を粗粉砕後、ジ
ェットミルにより微粉砕して、平均粒径が5μmのR‐
Fe‐B系合金粉末を得た。この合金粉末を電動プレス
を使用して平行磁界中で1.0ton/cm2の圧力で
金型圧粉成形を行ない、外径40mm、内径20mm、
高さ60mmの圧粉体を作製した。
【0038】この圧粉体の焼結に際して、焼結用容器と
して2mmの板厚で、250mm角の大きさのステンレ
ス鋼容器を使用し、この外面にY23を蒸着によりコー
ティングを行なった。
【0039】このステンレス鋼容器の中に前記の圧粉体
を16個入れて、50mmHgの減圧Arガス雰囲気中
で、10℃/minの昇温速度(焼結炉の制御温度の昇
温速度(以下では昇温速度と記す。)で500℃まで加
熱し3時間の脱バインダー処理後、10℃/minの昇
温速度で1080℃まで加熱し、2時間焼結処理した。
(図1参照)
【0040】この時、焼結炉制御温度およびステンレス
鋼容器内部の圧粉体の温度をR熱電対により5分間隔で
測温した。焼結炉制御温度が脱バインダー温度および焼
結温度に到達してから焼結用容器内の圧粉体の温度がそ
れぞれの温度に到達するまでの時間を測定した。その結
果を表2に示す。また、焼結用容器のコーティング性に
ついて表3に示す。
【0041】さらに、この焼結体を500℃で時効処理
後、C,O分析およびBHトレーサーにより磁気特性の
評価を行なった。その結果を表4に示す。
【0042】実施例2 2mmの板厚で250mm角の大きさのステンレス鋼容
器を使用し、この外面にSiCをCVD法によりコーテ
ィングを行なった。焼結用容器を用いる以外は、実施例
1と同様な方法で焼結磁石を作製した。その結果を表1
〜表4に示す。尚、各評価方法は実施例1と同様であ
る。
【0043】表1〜表4に示すとおり、実施例2の焼結
用容器を使用すると、大幅な焼結時間の短縮が図れると
ともに磁気特性が同等である焼結体が得られることが判
明した。
【0044】実施例3 実施例1で作製した圧粉体を使用し、焼結に際して、焼
結用容器として2mmの板厚で250mm角の大きさの
ステンレス鋼容器を使用し、この外面にTiNをプラズ
マ溶射によりコーティングを行なった。
【0045】このステンレス鋼容器の中に圧粉体を16
個入れて、50mmHgの減圧Arガス雰囲気中で、3
0℃/minの昇温速度で500℃まで加熱し3時間の
脱バインダー処理後、30℃/minの昇温速度で11
00℃まで加熱し2時間焼結処理した。測温条件につい
ては実施例1と同様である。実施例1と同様に、焼結時
間、焼結用容器の評価、焼結体のC,O分析、磁気特性
の結果を表1〜表4に示す。(図1参照)
【0046】表1〜表4に示す通り、実施例3の焼結用
容器を使用すると、大幅な焼結時間の短縮が可能である
とともに磁気特性が同等である焼結体が得られることが
判明した。
【0047】実施例4 実施例1で作製した圧粉体を使用し、焼結するに際し
て、焼結用容器として3mmの板厚で250mm角の大
きさのステンレス容器を使用し、この外面をY23の蒸
着によりコーティングを行なった。
【0048】このステンレス鋼容器の中に圧粉体を16
個入れて、1×10-3mmHgの真空雰囲気中で、20
℃/minの昇温速度で500℃まで加熱し2時間の脱
バインダー処理後、20℃/minの昇温速度で110
0℃まで加熱し2時間焼結処理した。測温条件は実施例
1と同様である。(図1参照)
【0049】表1〜表4に示すとおり、実施例4の焼結
用容器を使用すると、大幅な焼結時間の短縮が可能であ
るととも磁気特性が同等である焼結体が得られることが
判明した。
【0050】比較例1 実施例1で作製した圧粉体を使用し、焼結に際して、焼
結用容器として2mmの板厚で250mm角の大きさの
ステンレス鋼容器をそのまま使用した。このステンレス
鋼容器の中に圧粉体を16個入れて、実施例1に示す焼
結条件および測温条件で焼結処理を行なった。この焼結
処理による焼結時間と焼結用容器の評価は、実施例1と
同様の方法により行なった。実施例1と同様に、焼結時
間、焼結用容器の評価、焼結体のC,O分析、磁気特性
の結果を表1〜表4に示す。
【0051】表1〜表4に示す通り、比較例1の焼結用
容器を使用すると、磁気特性は良好であるが、脱バイン
ダー温度に到達するまでの時間が大幅に要することが判
明した。
【0052】比較例2 2mmの板厚で250mm角の大きさのステンレス鋼容
器を使用し、この外面をAl23のプラズマ溶射により
コーティングを行なった。焼結用容器を用いる以外は、
実施例1と同様な方法で焼結磁石を作製した。その結果
を表1〜表4に示す。尚、各評価方法は実施例1と同様
である。
【0053】表1〜表4に示すとおり、比較例2の焼結
用容器を使用すると、脱バインダー温度に到達するまで
の時間が大幅に掛かるとともに、O量が増え磁気特性が
低下することが判明した。
【0054】比較例3 実施例1で作製した圧粉体を使用し、焼結するに際し
て、焼結用容器として2mmの板厚で250mm角の大
きさのグラファイト容器を使用した。このグラファイト
容器の中に圧粉体を16個入れて、実施例1に示す焼結
条件および測温条件で焼結処理を行なった。この焼結処
理による焼結時間と焼結用容器の評価は、実施例1と同
様の方法により行なった。実施例1と同様に、焼結時
間、焼結用容器の評価、焼結体のC,O分析、磁気特性
の結果を表1〜表4に示す。
【0055】表1〜表4に示すとおり、比較例2の焼結
用容器を使用すると、脱バインダー温度に到達するまで
の時間は短くてすむが、C量が増えた影響で磁気特性が
低下することが判明した。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
【発明の効果】この発明は、R‐Fe‐B系焼結永久磁
石の焼結用容器の外表面に高い輻射率で、蒸気圧が低く
標準生成自由エネルギーが小さく安定した酸化物、炭化
物あるいは窒化物セラミックス材料をコーティングする
ことにより、焼結工程の短縮を図ることが可能となり、
また、炉内の昇温速度を10℃/min〜30℃/mi
nとすることにより、高効率・低コストで磁気特性の良
好な焼結体が得られる製造方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例におけるヒートパターンを示すグラフで
ある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Yを含む希土類元素から選ばれた少なく
    とも1種の希土類元素RとボロンBを含有し、残余主体
    が鉄Fe(但しFe量の50%までCoで置換可能)か
    らなるR−Fe−B系磁石用合金を主成分とする圧粉体
    を焼結する希土類・鉄・ボロン系永久磁石の焼結方法に
    おいて、当該圧粉体を外面に輻射率の高い材料でコーテ
    ィングが施された金属製の焼結用容器に入れて、焼結を
    行なう希土類・鉄・ボロン系永久磁石の焼結方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、コーティング材料
    が、0.5以上の輻射率で、蒸気圧が低く標準生成自由
    エネルギーが小さく安定した酸化物、炭化物あるいは窒
    化物セラミックスでNd系希土類元素との化学反応を起
    こさない材料からなる希土類・鉄・ボロン系永久磁石の
    焼結方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、金属製の焼結用容器
    が、常温延性に優れ、かつ焼結温度において高温強度を
    有するFe基あるいはNi基の合金材料からなる希土類
    ・鉄・ボロン系永久磁石の焼結方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかにおい
    て、加熱炉における昇温速度が10℃/min〜30℃
    /minである希土類・鉄・ボロン系永久磁石の焼結方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008263242A (ja) * 2008-08-04 2008-10-30 Inter Metallics Kk 磁気異方性希土類焼結磁石の製造方法及び製造装置
JP2008294469A (ja) * 2008-08-04 2008-12-04 Inter Metallics Kk NdFeB系焼結磁石の製造方法及びNdFeB系焼結磁石製造用モールド
CN106920616A (zh) * 2017-03-17 2017-07-04 京磁材料科技股份有限公司 一种钕铁硼磁体的烧结方法

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