JPH11354296A - 高周波電源 - Google Patents

高周波電源

Info

Publication number
JPH11354296A
JPH11354296A JP10161976A JP16197698A JPH11354296A JP H11354296 A JPH11354296 A JP H11354296A JP 10161976 A JP10161976 A JP 10161976A JP 16197698 A JP16197698 A JP 16197698A JP H11354296 A JPH11354296 A JP H11354296A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
frequency
circuit
harmonic
power supply
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10161976A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiko Matsuyama
康彦 松山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP10161976A priority Critical patent/JPH11354296A/ja
Publication of JPH11354296A publication Critical patent/JPH11354296A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Plasma Technology (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)
  • Generation Of Surge Voltage And Current (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波信号に同期した低周波信号を発生し、
これをキャリア信号としてRF電源の出力信号を発生す
ることにより、搬送波における位相安定性を改善でき、
RFプラズマ発生装置の品質向上を実現する。 【解決手段】 容量素子9は、発振回路5により発生さ
れた高周波信号S5の分周信号S6に含まれている直流
成分を除去し、交流成分のみからなる信号S9を出力す
る。移相回路10は信号S9の位相をπ/3移相し、加
算回路11は移相信号S10と元の信号S9との加算信
号S11を出力する。基本波の高調波のうち、3次波が
除去され、5次波以上の高調波のみ残されるので、高調
波を除去するためのローパスフィルタ7aを小型の素子
で構成できる。この結果、回路コストの低減および回路
の小型化、IC化を容易に実現でき、且つ生成した高周
波信号の同期性を改善でき、高品質のRFプラズマ発生
装置を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波電源、例え
ば、RFプラズマ発生装置にキャリア信号で変調された
高周波信号を供給する高周波電源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造工程において、ウェー
ハ上のCVD処理やエッチング処理をRF(Radio freq
uency )プラズマを用いて行うことが多くなってきてい
る。RFプラズマを発生するRFプラズマ発生装置にお
いて正弦波の高周波RF電源(以下、単にRF電源とい
う)を用いて、RFプラズマを発生する。このため、高
周波の電源を安定してRFプラズマ発生装置のチャンバ
ー(プラズマ処理室)内に供給するために、低周波の搬
送波(キャリア)信号で高周波信号を変調して供給する
ことが一般に行われている。
【0003】図4は一般的なRF電源の簡略した構成例
を示している。図示のように、RF電源発生回路は、高
周波信号発生回路(以下、単に高周波発生回路という)
1、低周波信号発生回路(以下、単に低周波発生回路と
いう)2、乗算回路3および出力ドライバー4により構
成されている。
【0004】本例のRF電源においては、高周波発生回
路1により、例えば、周波数f1 の高周波信号S1が発
生される。また、低周波発生回路2により、例えば、周
波数f2 の低周波信号S2が発生される。ここで、高周
波信号S1の周波数f1 は、RF電源の周波数であり、
例えば、20MHzである。低周波信号S2はキャリア
信号として発生され、その周波数f2 は、キャリア周波
数であり、例えば、400Hzである。
【0005】高周波信号S1と低周波信号S2が乗算回
路3に入力される。乗算回路3は、これらの入力信号の
乗算結果として、信号S3を出力する。さらに、信号S
3はドライバー4により増幅されたあと、図示していな
いRFプラズマ発生装置に供給される。
【0006】図5は、本例のRF電源により生成された
高周波信号S3の波形を例示したものである。なお、図
5は、キャリア信号S2で変調された高周波信号S3の
概略を示すものであり、実際の波形とは異なる。図示の
ように、高周波信号S1と低周波信号S2の乗算結果で
ある信号S3は、RF電源により発生された高周波信号
として供給される。図5において、T1 は高周波信号S
1の周期であり、T1=1/f1 である。また、T2
低周波数のキャリア信号S2の周期であり、T2 =1/
2 である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のRF電源において、高周波発生回路1と低周波発生
回路2は、別々の信号発生源として互いに独立して信号
S1と信号S2を発生するために、高周波信号S1と低
周波信号S2の位相が一致しておらず、図5(a)およ
び同図(b)に示すように、乗算信号S3の振幅と位相
が変動する。その結果、当該高周波信号S3を電源とし
て動作するRFプラズマ発生装置では、例えば、プラズ
マCVDにより成膜する工程において、形成された薄膜
の品質を一定に保つことが困難になるという不利益があ
る。
【0008】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、高周波信号に同期した低周波信
号を発生し、これをキャリア信号としてRF電源の出力
信号を発生することにより、RFプラズマ発生装置にお
ける品質の向上を実現できる高周波電源を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の高周波電源は、第1の周波数のパルス信号
を発生するパルス発生回路と、上記パルス信号につい
て、上記第1の周波数成分に応じた第1の交流信号を発
生する第1の発生回路と、上記パルス発生回路によって
発生された上記パルス信号を所定の分周比で分周して第
2の周波数の分周パルス信号を得る分周回路と、上記分
周パルス信号に含まれている高調波成分を除去する高調
波除去回路と、上記高調波除去回路の出力信号につい
て、上記第2の高周波成分に応じた第2の交流信号を発
生する第2の発生回路と、上記第1の交流信号と上記第
2の交流信号とを乗じて、振幅が上記第2の周波数に応
じて変化する第1の周波数を有する変調信号を発生する
乗算回路とを有する。
【0010】また、本発明の高周波電源は、第1の周波
数のパルス信号を発生するパルス発生回路と、上記パル
ス信号に含まれている直流成分を除去し、上記第1周波
数成分に応じた第1の交流信号を出力する第1の直流成
分除去回路と、上記パルス発生回路によって発生された
上記パルス信号を所定の分周比で分周して第2の周波数
の分周パルス信号を得る分周回路と、上記分周回路によ
って発生された上記分周パルスの直流成分を除去し、上
記第2の周波数に応じた第2の交流信号を出力する第2
の直流成分除去回路と、上記第2の交流信号の位相を所
定の値で移相し、移相信号を出力する移相回路と、上記
移相信号と上記第2の交流信号とを加算して、上記第2
の周波数に応じた加算信号を出力する加算回路と、上記
加算信号に含まれている高調波成分を除去する高調波除
去フィルタと、上記第1の交流信号と除去高調波除去フ
ィルタにより高調波が除去された上記加算信号とを乗じ
て、振幅が上記第2の周波数に応じて変化する第1の周
波数を有する変調信号を発生する乗算回路と有する。
【0011】また、本発明では、好適には、上記移相回
路は、上記分周信号の位相を60度(π/3)移相させ
る。
【0012】さらに、本発明では、好適には、上記高調
波除去フィルタは、上記加算信号に含まれている基本波
の5次高調波以上の高調波成分を除去し、上記第1およ
び第2の直流成分除去回路は、それぞれキャパシタによ
り構成されている。
【0013】本発明によれば、発振回路により高周波で
ある第1の周波数のパルス信号が発生され、分周回路に
より当該高周波のパルス信号が所定の分周比で分周さ
れ、分周パルス信号が出力される。このため、分周パル
ス信号は、パルス発生回路により発生された高周波のパ
ルス信号との同期が常に保たれる。第1の発生回路によ
り高周波のパルス信号に含まれる第1の周波数成分に応
じた第1の交流信号が出力され、第2のフィルタにより
分周回路から得た分周パルス信号に含まれる第2の周波
数成分に応じた第2の交流信号が出力される。乗算回路
により、第2の交流信号をキャリアとして振幅が制御さ
れた第1の周波数を持つ高周波信号が出力され、当該乗
算回路の出力信号を高周波電源の出力として、供給対象
である、例えば、RFプラズマ発生装置に供給される。
【0014】また、本発明によれば、発振回路により高
周波信号が発生され、分周回路により当該高周波信号が
所定の分周比で分周され、分周信号が出力される。当該
分周信号の位相が移相回路により、予め設定された値、
本発明では60度、即ちπ/3だけ移相される。加算回
路により移相回路の出力信号とパルス分周信号との加算
信号が発生される。ここで、分周パルス信号の周波数、
即ち、第2の周波数を持つ信号を基本波とすれば、移相
信号と移相前の分周信号における基本波の3次高調波の
位相差が180度、即ち、πであるので、加算回路の出
力信号においては3次波の高調波成分が互いに相殺さ
れ、除去される。この結果、加算回路の出力側に設けら
れた高調波除去フィルタは、基本波の5次高調波以上の
高調波成分を除去するだけでよく、当該高調波除去フィ
ルタ、例えば、ローパスフィルタのカットオフ周波数を
高く設定できる。乗算回路により、高調波除去フィルタ
の出力信号、即ち、キャリア信号により振幅が制御され
た第1の周波数を持つ高周波信号が出力される。当該乗
算回路により出力された高周波信号は、高周波電源の出
力として供給対象のRFプラズマ発生装置に供給され
る。
【0015】本発明の高周波電源によって、乗算回路に
入力された高周波信号と低周波のキャリア信号との同期
が保たれるので、RFプラズマ発生装置において安定し
たRFプラズマが発生される。さらに、分周信号を移相
回路によって、その移相が例えば、π/3だけ移相され
たあと、元の分周信号との加算信号が生成されるので、
当該加算信号における基本波の3次高調波がほぼ完全に
除去される。このため、当該加算信号に用いられる高調
波除去フィルタ、例えば、ローパスフィルタのカットオ
フ周波数を高く設定でき、当該ローパスフィルタを構成
するためのキャパシタの容量値または抵抗素子の抵抗値
を通常より小さく設定可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】第1実施形態 図1は本発明に係る高周波電源の第1の実施形態を示す
回路図である。図示のように、本実施形態の高周波電源
は、発振回路5、分周回路6、第1のローパスフィルタ
(LPF)7、第2のローパスフィルタ8、乗算回路3
および出力ドライバー4により構成されている。
【0017】発振回路5は、所定の発振周波数f1 で発
振し、発振信号S5を出力する。なお、ここで、発振信
号S5は高周波のパルス信号とし、その周波数f1 は、
例えば、20MHzである。発振信号S5は、分周回路
6とローパスフィルタ8にそれぞれ供給される。
【0018】分周回路6は、所定の分周比nで入力信号
S5を分周し、分周信号S6を出力する。ここで、分周
信号S6の周波数をf2 とすると、f2 は次式により求
められる。
【0019】
【数1】 f2 =f1 /n …(1)
【0020】分周比nを所定の値に設定することによ
り、分周信号S6の周波数f2 を所定値に制御できる。
例えば、上述したようにf1 =20MHzの場合に、分
周比n=5×104 に設定すると、分周信号S6の周波
数f2 は400Hzとなる。分周信号S6は、高周波信
号S5との同期が保たれている。このように、本実施形
態の高周波電源において、発振回路5により高周波のパ
ルス信号S5を発生し、それを分周回路6により所定の
分周比で分周することにより、互いに同期が保たれ、周
波数の異なる二つの信号を容易に生成できる。分周信号
S6は、ローパスフィルタ7に入力され、それに含まれ
ている高周波成分が減衰され、周波数f2 を中心とする
信号S7が出力される。なお、信号S7は、高周波電源
のキャリア信号であり、ほぼ正弦波の波形を有する。ロ
ーパスフィルタ7のカットオフ周波数は、周波数f2
中心とする所定の帯域の周波数成分が十分通過しうるよ
うに設定される。
【0021】発振回路5からの高周波発振信号S5がロ
ーパスフィルタ8に入力され、それに含まれている高周
波成分が減衰され、周波数f1 を中心とする信号S8が
出力される。なお、信号S8もほぼ正弦波の波形を有す
る。ローパスフィルタ8のカットオフ周波数は、発振回
路5の発振周波数f1 を中心とする所定の帯域の周波数
成分が十分通過しうるように設定される。
【0022】ローパスフィルタ7からのキャリア信号S
7とローパスフィルタ8からの高周波信号S8がともに
乗算回路3に入力され、乗算回路3によりこれらの信号
の乗算結果が求められる。このため、乗算回路3の出力
信号S3は、キャリア信号S7により振幅が制御された
周波数f1 の高周波信号となる。信号S3は、さらに出
力ドライバー4により増幅され、高周波電源の出力とし
て、例えば、RFプラズマ発生装置に供給される。
【0023】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、発振回路5により発生された高周波信号S5は、分
周回路6およびローパスフィルタ8にそれぞれ供給され
る。分周回路6は、高周波信号S5を所定の分周比nで
分周し、分周信号S6を出力し、ローパスフィルタ7
は、分周信号S6に含まれいる高周波成分を除去し、キ
ャリア信号として、正弦波信号S7を出力する。このた
め、キャリア信号S6の位相は、発振回路5により発生
された高周波信号S5の位相と一致する。ローパスフィ
ルタ8により高周波成分が除去された高周波信号S8
は、キャリア信号S7とともに乗算回路3に入力され、
乗算回路3は、これらの入力信号の乗算結果である信号
S3を出力する。このように生成された信号S3におい
て、キャリア信号S7と高周波信号S8とが同期してお
り、当該高周波信号に応じた信号で駆動されたRFプラ
ズマ発生装置により、安定したプラズマを供給できる。
【0024】なお、本実施形態の高周波電源において、
分周回路6からの分周信号S6に含まれている高周波成
分を除去するために、第1のローパスフィルタ、即ち、
ローパスフィルタ7が設けられている。分周回路6の出
力信号S6は、低周波の方形波なので、キャリア周波数
2 を中心とする低周波成分のみを通過させるローパス
フィルタ7のカットオフ周波数を低く設定する必要があ
る。このため、ローパスフィルタ7を構成するキャパシ
タの容量値および抵抗素子の抵抗値は大きくなり、ロー
パスフィルタ7は高価なものになり、且つ当該フィルタ
を構成する回路自体が大きくなるという不利な面があ
る。こうした状況を鑑みて、本発明では、移相回路を設
けて、分周信号の位相を所定の値だけ移相させることに
より、高次波のレベルを十分低減させ、ローパスフィル
タのカットオフ周波数を通常より高く設定可能にし、上
述した問題を解決する。以下、本発明の第2の実施形態
において、これをさらに詳細に説明する。
【0025】第2実施形態 図2は本発明に係る高周波電源の第2の実施形態を示す
回路図である。図示のように、本実施形態の高周波電源
は、発振回路5、分周回路6、第1のローパスフィルタ
(LPF)7、第2のローパスフィルタ8、キャパシタ
9,12、移相回路10、加算回路11、乗算回路3お
よび出力ドライバー4により構成されている。
【0026】なお、図2において、図1に示した高周波
電源と同一ないし類似の構成要素には同一の符号を付し
て表記する。発振回路1は、図1に示す発振回路と同様
に、周波数f1 の高周波発振信号S5を発生する。高周
波信号S5は、分周回路6に入力され、さらに、キャパ
シタ12により直流成分がカットオフされ、交流成分か
らなる高周波信号S12のみローパスフィルタ8に入力
される。
【0027】分周回路6は、予め設定された分周比nで
入力信号S5を分周し、分周信号S6を出力する。な
お、ここで、分周信号S6の周波数をf2 とすれば、f
2 は式(1)により求められる。
【0028】分周信号S6の直流成分は、キャパシタ9
によりカットオフされ、交流成分のみからなる信号S9
が出力される。図示のように、信号S9は移相回路10
および加算回路11にそれぞれ供給される。
【0029】移相回路10は、入力信号S9の位相を所
定の値、ここでは、60度、即ちπ/3だけ移相させ、
移相信号S10を出力する。このため、移相信号S10
と移相前の信号S9の3次高調波の位相差が180度、
即ちπにあるので、これらの信号S9とS10を加算し
て得た信号には、3次高調波が完全に除去される。図2
に示すように、本実施形態の高周波電源においては、移
相信号S10と移相前の信号S9がともに加算回路11
に入力され、加算回路11により加算信号S11を出力
される。このため、加算信号S11における3次高調波
がほぼ完全に除去されている。
【0030】加算信号S11は、ローパスフィルタ7a
に入力され、その高周波成分が除去され、周波数f2
中心とした所定の帯域の信号S7のみが出力される。信
号S7は、ほぼ正弦波の波形を有し、キャリア信号とし
て乗算回路3に供給される。上述のように、加算信号S
11における3次高調波がほぼ完全に除去されたので、
ローパスフィルタ7aは、3次高調波以上の高調波成
分、例えば、5次高調波、7次高調波などを除去すれば
よい。このため、ローパスフィルタ7aのカットオフ周
波数を通常より高く設定可能であり、フィルタを構成す
る素子の小型化を容易に実現できる。
【0031】ローパスフィルタ8により、キャパシタ1
2により直流成分が取り除かれた信号S12に含まれて
いる高周波成分が除去され、周波数f1 を中心とした所
定の帯域の信号S8が出力される。
【0032】ローパスフィルタ7からの信号S7とロー
パスフィルタ8からの信号S8がともに乗算回路3に入
力される。乗算回路3により、振幅がキャリア信号S7
により制御された高周波信号S3が出力される。信号S
3は、出力ドライバー4により増幅され、高周波電源の
出力として、例えば、RFプラズマ発生装置に供給され
る。
【0033】以下、数式に基づき、本実施形態の原理に
ついて詳しく説明する。ここで、発振回路5により発生
された高周波信号S5の基本波をsin(nωt) とする
と、ローパスフィルタ8の出力信号S8は、時間tの関
数として次式により表される。
【0034】
【数2】
【0035】分周回路6により、ほぼ方形波である分周
信号S6が得られる。さらに、その分周比をnとする
と、分周信号S6の基本周波数f2 は(ωt)となる。
さらに、キャパシタ9により直流成分が取り除かれた交
流信号S9は、次式により表せる。
【0036】
【数3】
【0037】式(3)に示すように、信号S9には、周
波数がωtの基本波の他に、周波数が3ωtの3次高調
波、周波数が5ωtの5次高調波およびそれ以上の高次
高調波も含まれている。
【0038】移相回路10により得られた移相信号S1
0は、信号S9に対して60度、即ちπ/3の位相差を
持つ。このため、移相信号S10は次式により表せる。
【0039】
【数4】
【0040】式(4)に示すように、移相信号S10の
3次高調波の移相は、移相前の信号S9の3次高調波の
移相に対して、180度、即ちπだけ異なる。このた
め、移相信号S10と移相前の信号S9における3次高
調波は、互いに反転信号となる。加算回路11により、
式(3)および(4)に示す信号S10とS11を加え
ると、その出力信号S11は、さらに次式により表せ
る。
【0041】
【数5】
【0042】式(5)に示すように、原理的に加算信号
S11における3次高調波は、完全に除去される。ロー
パスフィルタ7aにより高調波成分が除去され、基本波
の周波数成分のみを含むキャリア信号S7が出力され
る。キャリア信号S7は、次式により表される。
【0043】
【数6】
【0044】上述のように、移相回路10の出力信号S
10における基本波の3次高調波の位相と信号S9の3
次高調波の位相が互いに反転しているので、原理的に加
算信号S11の出力信号S11においては、基本波の3
次高調波が除去される。即ち、加算回路11の出力信号
S11において、基本波の他に、3次高調波より周波数
の高い5次高調波、7次高調波などが残っている。しか
し、式(5)から分かるように、加算信号S11におい
て、3次高調波の振幅に比べて、5次高調波、7次高調
波の振幅は、小さくなっている。
【0045】また、信号S11において基本波の次にあ
るのは、5次以上の高調波であるため、これらの高調波
成分を取り除くためのローパスフィルタ7aのカットオ
フ周波数は、図1に示す第1の実施形態のローパスフィ
ルタ7に比べて、高く設定することが可能である。例え
ば、図1のローパスフィルタ7において、基本波の3次
高調波の振幅を十分に減衰させるために、カットオフ周
波数を2ωt以下に設定することが望ましい。このた
め、第1の実施形態のローパスフィルタ7には、上述し
た不利な点がある。
【0046】これに対し、本実施形態のローパスフィル
タ7aは、移相回路10および加算回路11により、基
本波の3次高調波が取り除かれたので、基本波の5次高
調波以上の高調波成分を有効に減衰すれば十分である。
例えば、そのカットオフ周波数を4ωtに設定すればこ
の目的を達成できる。このため、本実施形態のローパス
フィルタ7aは、第1の実施形態のローパスフィルタ7
に比べて、カットオフ周波数を高く設定することがで
き、ローパスフィルタ7aを構成するためのキャパシタ
の容量値および抵抗素子の抵抗値をローパスフィルタ7
の構成素子に比べて十分小さくすることができ、ローパ
スフィルタのコストの低減および回路の小型化を容易に
実現できる。
【0047】図3は、本実施形態における各部分回路の
出力信号の波形を示す波形図である。図3(a)に示す
ように信号S5は、高周波のパルス信号であり、同図
(b)に示すように信号S9は、信号S5を所定の分周
比で分周され、さらにその直流成分が除去された方形波
である。同図(c)に示すように、移相信号S10は、
信号S9について、π/3だけ移相された信号である。
信号S9とS10の加算信号S11は、同図(d)に示
している。上述したように、加算信号S11には、3次
高調波がほぼ完全に除去された。ローパスフィルタ7a
により、加算信号S11の5次高調波以上の高調波成分
が除去され、キャリア信号S7が得られる。同図(e)
に示すように、キャリア信号S7は、ほぼ正弦波の波形
を有している。また、同図(f)に示すように、信号S
8は高周波のパルス信号S5の直流成分が除去され、さ
らに高調波成分が除去された正弦波信号である。信号S
7とS8との乗算の結果、同図(g)に示す信号S3が
得られる。図示のように、信号S3は、キャリア信号S
7により振幅が制御された高周波信号である。
【0048】なお、式(6)および図3(g)に示すよ
うに、キャリア信号S7には、基本波sin(ωt)に
対して、30度、即ちπ/6の位相ずれがあるが、この
移相ずれは常に一定値に保たれているので、信号S7と
信号S8との位相同期は保たれる。
【0049】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、キャパシタ9は、発振回路5により発生された高周
波信号S5の分周信号S6に含まれている直流成分を除
去し、交流成分のみからなる信号S9を出力する。移相
回路10は、信号S9の位相をπ/3だけ移相し、移相
信号S10と元の信号S9を加算回路11に入力し、加
算信号S11を出力する。加算信号S11には、基本波
の高調波のうち、3次高調波が除去され、5次高調波以
上の高調波成分のみが残っているので、高調波を除去す
るためのローパスフィルタ7aを値の小さい小型の素子
で構成することができる。この結果、回路コストの低減
および回路の小型化、IC化を容易に実現でき、且つ生
成した高周波信号の同期性が改善でき、高品質のRFプ
ラズマ発生装置を実現できる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の高周波電
源によれば、移相回路および加算回路を用いて、キャリ
ア信号にある高調波成分を減衰でき、複雑な高周波正弦
波発生回路や低周波正弦波発生回路を用いることなく、
同期が保たれ安定した高周波信号を発生できる。これに
より、高品質のRFプラズマ発生装置を実現可能であ
る。また、本発明によれば、簡単な分周回路とローパス
フィルタにより同期した高周波信号を発生でき、ローパ
スフィルタのカットオフ周波数に対する要求が緩和され
たので、回路の小型化および高周波電源全体のコストの
削減を実現できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高周波電源の第1の実施形態を示
す回路図である。
【図2】本発明に係る高周波電源の第2の実施形態を示
す回路図である。
【図3】図2の高周波電源における信号の波形図であ
る。
【図4】従来の高周波電源の構成を示す概念図である。
【図5】従来の高周波電源の出力信号の波形図である。
【符号の説明】
1…高周波発生回路、2…低周波発生回路、3…乗算回
路、4…出力ドライバー、5…発振回路、6…分周回
路、7…第1のローパスフィルタ、8…第2のローパス
フィルタ、10…移相回路、9,12…キャパシタ、1
1…加算回路。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の周波数のパルス信号を発生するパル
    ス発生回路と、 上記パルス信号について、上記第1の周波数成分に応じ
    た第1の交流信号を発生する第1の発生回路と、 上記パルス発生回路によって発生された上記パルス信号
    を所定の分周比で分周して第2の周波数の分周パルス信
    号を得る分周回路と、 上記分周パルス信号に含まれている高調波成分を除去す
    る高調波除去回路と、 上記高調波除去回路の出力信号について、上記第2の高
    周波成分に応じた第2の交流信号を発生する第2の発生
    回路と、 上記第1の交流信号と上記第2の交流信号とを乗じて、
    振幅が上記第2の周波数に応じて変化する第1の周波数
    を有する変調信号を発生する乗算回路とを有する高周波
    電源。
  2. 【請求項2】上記第1の発生回路は、上記パルス発生回
    路によって発生された上記パルス信号に含まれている上
    記第1の周波数成分を得る第1のフィルタを有する請求
    項1記載の高周波電源。
  3. 【請求項3】上記第1のフィルタは、上記第1の周波数
    を含む所定の帯域幅を持つフィルタである請求項2記載
    の高周波電源。
  4. 【請求項4】上記第2の発生回路は、上記高調波除去回
    路の出力信号に上記第2の周波数成分を得る第2のフィ
    ルタを有する請求項1記載の高周波電源。
  5. 【請求項5】上記第2のフィルタは、上記第2の周波数
    を含む所定の帯域幅を持つフィルタである請求項4記載
    の高周波電源。
  6. 【請求項6】上記乗算回路からの乗算信号を負荷回路に
    供給する出力ドライバーを有する請求項1記載の高周波
    電源。
  7. 【請求項7】第1の周波数のパルス信号を発生するパル
    ス発生回路と、 上記パルス信号に含まれている直流成分を除去し、上記
    第1周波数成分に応じた第1の交流信号を出力する第1
    の直流成分除去回路と、 上記パルス発生回路によって発生された上記パルス信号
    を所定の分周比で分周して第2の周波数の分周パルス信
    号を得る分周回路と、 上記分周回路によって発生された上記分周パルスの直流
    成分を除去し、上記第2の周波数に応じた第2の交流信
    号を出力する第2の直流成分除去回路と、 上記第2の交流信号の位相を所定の値で移相し、移相信
    号を出力する移相回路と、 上記移相信号と上記第2の交流信号とを加算して、上記
    第2の周波数に応じた加算信号を出力する加算回路と、 上記加算信号に含まれている高調波成分を除去する高調
    波除去フィルタと、 上記第1の交流信号と除去高調波除去フィルタにより高
    調波が除去された上記加算信号とを乗じて、振幅が上記
    第2の周波数に応じて変化する第1の周波数を有する変
    調信号を発生する乗算回路とを有する高周波電源。
  8. 【請求項8】上記移相回路は、上記分周信号の位相を6
    0度(π/3)移相させる請求項7記載の高周波電源。
  9. 【請求項9】上記高調波除去フィルタは、上記加算信号
    に含まれている基本波の5次高調波以上の高調波成分を
    除去する請求項7記載の高周波電源。
  10. 【請求項10】上記第1の直流成分除去回路は、キャパ
    シタにより構成されている請求項7記載の高周波電源。
  11. 【請求項11】上記第2の直流成分除去回路は、キャパ
    シタにより構成されている請求項7記載の高周波電源。
  12. 【請求項12】上記乗算回路からの乗算信号を負荷回路
    に供給する出力ドライバーを有する請求項7記載の高周
    波電源。
JP10161976A 1998-06-10 1998-06-10 高周波電源 Pending JPH11354296A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10161976A JPH11354296A (ja) 1998-06-10 1998-06-10 高周波電源

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10161976A JPH11354296A (ja) 1998-06-10 1998-06-10 高周波電源

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11354296A true JPH11354296A (ja) 1999-12-24

Family

ID=15745669

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10161976A Pending JPH11354296A (ja) 1998-06-10 1998-06-10 高周波電源

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11354296A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100980165B1 (ko) 2006-11-22 2010-09-03 어드밴스드 마이크로 패브리케이션 이큅먼트 인코퍼레이티드 아시아 고주파 전원 장치 및 고주파 전력 공급 방법

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100980165B1 (ko) 2006-11-22 2010-09-03 어드밴스드 마이크로 패브리케이션 이큅먼트 인코퍼레이티드 아시아 고주파 전원 장치 및 고주파 전력 공급 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6006323B2 (ja) 電子発振回路
JPH01151823A (ja) 周波数合成装置
JPH10510123A (ja) 周波数シンセサイザー
JP2000165905A (ja) クロック発生回路
JP2637418B2 (ja) 高周波数シンセサイザー
TWI431944B (zh) 具有降低分數式切換雜訊之分數式n頻率合成器
JPH11354296A (ja) 高周波電源
US20220252694A1 (en) Systems and Methods for Digital Signal Chirp Generation Using Frequency Multipliers
JP2000332539A (ja) 周波数シンセサイザ
JP4076558B2 (ja) Am/fmラジオ受信機およびこれに用いる局部発振回路
JP3447646B2 (ja) デジタル信号送信装置
JPH08330848A (ja) 数値制御発振回路
JP2004166079A (ja) ローカル信号発生装置
JP2007215039A (ja) 周波数シンセサイザ、通信機、及び周波数シンセサイズ方法
JP2001237700A (ja) 位相同期ループ回路
JPS6238352Y2 (ja)
JPH09135167A (ja) 位相同期ループ装置
JPH08204554A (ja) ダイレクト・デジタル・シンセサイザ位相同期発振回路
JPH10335938A (ja) 波形生成装置
JPS63187709A (ja) 発振回路
JPH03250814A (ja) 周波数シンセサイザ
JPH0783214B2 (ja) 高周波発振回路
JPH06260932A (ja) Pll回路
JPH10242762A (ja) ダイレクトデジタルシンセサイザ発振器
JPH06252755A (ja) 発振回路