JPH11353825A - 磁気ディスク装置 - Google Patents

磁気ディスク装置

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JPH11353825A
JPH11353825A JP15885098A JP15885098A JPH11353825A JP H11353825 A JPH11353825 A JP H11353825A JP 15885098 A JP15885098 A JP 15885098A JP 15885098 A JP15885098 A JP 15885098A JP H11353825 A JPH11353825 A JP H11353825A
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latch
magnetic disk
inertial
impact
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Toshiharu Noda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 慣性ラッチを用い、超小型で信頼性の高いキ
ャリッジロック機構を提供する。 【解決手段】 本発明の磁気ディスク装置は、衝撃が印
加されたときだけキャリッジロック機構が作動する慣性
ラッチ18を有し、1つの球181への衝撃によってこ
の球181が動くことによってロック機構を作動させ
る。また、キャリッジ13が所定の待機位置から脱落す
る方向に働く衝撃に対してだけ作動する。さらに、キャ
リッジ13の回転中心と慣性ラッチ18の回転中心と球
181の球心とは1直線になるように配備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
に関し、特に、衝撃が加わった時のみ作動するキャリッ
ジロック機構を備えた磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、磁気ディスク装置は、キャリッ
ジと称するアクチュエータによってヘッドを位置決めし
た後、媒体上に記録再生する。従って、非動作時には、
ヘッドを記録再生領域から離れた位置に退避させ、その
位置に保持することが必要となる。ここで、ヘッドを保
持する理由について以下に説明する。
【0003】(1)媒体内周にてCSS(コンタクトス
タートストップ)するタイプの装置では、退避位置と記
録再生領域では、媒体の表面仕上げ度が異なる。すなわ
ち、退避位置は表面を意図的に粗くし、媒体の回転が停
止しても、ヘッドと媒体とが吸着しないようにしてい
る。また、記録再生領域は、媒体表面が鏡面仕上げにな
っているため、媒体停止時に、万が一、ヘッドが記録再
生領域に出ていくとヘッドと媒体とが吸着し装置が再起
動できなくなってしまう。仮に起動したとしても、記録
再生領域でCSSしてしまうと、媒体に記録されたデー
タを損傷する危険があるからである。
【0004】(2)媒体全面を粗くした装置の場合も、
起動させる時に、ヘッドが最内周にないと、媒体とヘッ
ドとの摩擦トルクが増大し、媒体を回転させることがで
きなくなってしまうからである。
【0005】(3)一方、媒体の外側にランプを設け、
ヘッドをロード/アンロードするタイプの装置でも、ヘ
ッドがランプから脱落し、媒体の記録再生領域に停止す
るとCSSの時と同様な問題が生じる。
【0006】上記理由により、ヘッドを保持するための
様々なロック機構が適用され、その一例として、マグネ
ットの吸引力を用いたものがある。これは、キャリッジ
に磁性材を取り付け、ベース側にマグネットを装着し、
両者の吸引力によりロックする方式である。
【0007】また、電磁式ラッチを用いた従来例があ
る。これは、立ち下げ時にキャリッジが所定の位置に復
帰したあと、電磁式ラッチに通電し、ラッチを閉の状態
にして保持する方式である。起動時は、再度電磁式ラッ
チに通電し、ラッチを開の状態にしてからキャリッジを
駆動させる。
【0008】従来の磁気ディスク装置は、ワークステー
ションサーバやパーソナルコンピュータ等の据え置き型
の装置に格納されて用いられてきた。そのため、設置後
はほとんど衝撃を受けることがなく、衝撃を受けるのは
搬送時のみに限られていた。搬送時は、緩衝材にも助け
られるため、衝撃レベルは、せいぜい70G以下であっ
た。そのため、上記マグネットによるロック機構や、電
磁式ラッチ機構でも十分なロック力が得られ、装置とし
て成り立ってきた。
【0009】しかし、近年、ノート型の小型パーソナル
コンピュータや携帯型端末が普及し、それに伴い、磁気
ディスク装置も小型化し、かつ更に強い耐衝撃性能を要
求されるようになった。一般的に携帯して使用する製品
の場合、数百Gを保証することが必要になっている。
【0010】この場合、小型化,より強い衝撃性能を確
保するためには、上述したマグネットによるロック機構
ではロック力が十分に確保できない。また、十分なロッ
ク力を確保すると、アクチュエータの駆動力を越えてし
まいヘッドを動かすことができなくなってしまう。
【0011】また、電磁式ラッチでも、ロック力が十分
でないだけでなく、ラッチの構造が大きくなるため、小
型化された磁気ディスク装置に搭載することができなく
なってしまうという問題があった。
【0012】そこで、このような携帯型でかつ小型の磁
気ディスク装置には、衝撃が印加された時のみ作動する
慣性ラッチが用いられるようになった。その一例とし
て、特表平9−503608号公報に示されるような慣
性ラッチを用いることによって、キャリッジロック機構
を構成した例がある。
【0013】図8は、上述した従来の磁気ディスク装置
の一例の構成を示す平面図である。この磁気ディスク装
置は、ベース81にスピンドルモータ82及びキャリッ
ジ83を搭載して構成される。スピンドルモータ82に
は、媒体84が固定される。キャリッジ83には、記録
再生するためのヘッド85が、アーム831の先端に取
り付けられる。また、アーム831と反対側には、コイ
ル832が取り付けられ、ベースに取り付けられた磁気
回路86によってボイスコイルモータを形成する。キャ
リッジ83の中心にはベアリング833が取り付けら
れ、ピボットシャフト834を中心にキャリッジ83全
体が回転可能となっている。ヘッド85からの記録再生
信号は、FPC87を介して電気信号処理回路に伝達さ
れる。媒体84のわきには、ランプ88が設けられる。
キャリッジ83は、装置停止時に媒体の外までヘッド8
5を移動し、ヘッド85わきに取り付けられたバー83
5をランプ88に乗り上げた状態で停止する。キャリッ
ジ83後方には慣性ラッチ89が設置される。慣性ラッ
チ89は。慣性によって自由に動く2つの球8911、
球8912と、回転運動する回転体892、及び、回転
体892をアンロック側に押し当てるバネ893からな
る。回転体892は、シャフト894を中心に回転す
る。回転体892には、ラッチ側フック895が設けら
れ、キャリッジ83の対応する位置に設けられたキャリ
ッジ側フック836と係合するようになっている。
【0014】次に、図8,図9を参照して、上述した従
来の磁気ディスク装置の一例の動作について説明する。
【0015】まず、装置の基本動作から説明する。キャ
リッジ83は、装置停止時はヘッド5を媒体の外に出
し、バー835をランプ88に乗せた状態で待機してい
る。装置が起動すると、スピンドルモータ82によって
媒体84が回転を開始する。媒体84の回転が定常回転
に達したら、コイル832に通電され、キャリッジ83
は、ヘッド85を媒体84上にロードする。その後は、
ボイスコイルモータの駆動力によって、ヘッド85を媒
体84上の任意の位置にシークさせ、記録再生を行う。
再び装置が停止すると、ヘッド85をランプ88まで復
帰させてから停止する。また、装置によっては、記録再
生時のみヘッド85を媒体84上にロードし、一定時間
命令がないと、装置が停止していなくてもヘッド85を
ランプ88に復帰させておくタイプもある。
【0016】次に慣性ラッチ89の動作について説明す
る。慣性ラッチ89は衝撃が印加されない通常時は、常
にアンロック状態を維持している。これは、バネ893
によって、回転体892がアンロック側に押し当てられ
ているからである。よって、上記キャリッジ83の通常
動作時には、慣性ラッチ89はいっさい干渉しない。い
ったん衝撃が印加されると、図9に示すように、球89
11に加速度×球の質量分の慣性力が生じる。
【0017】図9は、慣性力が生じた後の状態を示す図
である。この慣性力によって、球8911は回転体89
2に衝突し、回転体892をロック状態側に回転させ
る。同時に衝撃によって、キャリッジ83は待機位置か
ら動きだし、ヘッド85をランプ88から脱落する方向
に回転し始める。しかし、脱落する前に、ラッチ側フッ
ク895がキャリッジ側フック836に係合し、キャリ
ッジ83を固定する。衝撃加速度が解除されると、回転
体892は、球8911からの慣性力を失い、変わって
バネ893の反力によって、再びアンロック状態に復帰
する。すなわち、衝撃が印加された瞬間のみロックとし
ての機能を果たす。
【0018】ここで、図9では、矢印で示した方向のみ
の衝撃について説明したが、それと反対側の衝撃が印加
されたときは、球8912によって同様の動作を行うこ
とができる。また、回転体892形状と、その周りのハ
ウジング形状を適当に選ぶことによって、360度すべ
ての方向の衝撃に対して、ほぼ均一な慣性力を発生させ
ることができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来例では、
慣性ラッチを構成するために2つの球を必要とするた
め、慣性ラッチの構造が大きくなり、磁気ディスク装置
の更なる小型化に対して対応できないという問題があっ
た。この磁気ディスク装置の小型化に関しては、近年、
装置の小型化はめざましく、主流は3.5インチから
2.5インチに切り替わろうとしている。また、更に1
インチクラスまで製品化される傾向にある。慣性ラッチ
の場合、加えられた衝撃から慣性力を得ることによっ
て、ロック機構が動作する設計であるため、慣性体であ
る球の質量が大きいほど感度がよくなる。しかし、球の
質量は体積が小さくなることによって、3乗で効いて小
さくなる。すなわち、球の実装体積が半分になれば、質
量は(1/2)3 =1/8になってしまう。よって、現
実的に動作可能なロック機構を設けるには、それなりに
大きな体積を確保しなければならない。
【0020】しかし、上述したような小型磁気ディスク
装置においては、それだけの大きさの球を2つも実装す
ることは不可能である。すなわち、360度すべての方
向の衝撃に対して保証するために、球を2つ用いてお
り、更にその周りのハウジングの構造も大がかりにし、
衝撃に対する過剰な保証をするために慣性ラッチの構造
を大きくする必要があるという問題があった。
【0021】通常、磁気ディスク装置では、キャリッジ
が待機位置を飛び越えて、媒体から離れる方向に更に行
きすぎることがないように、ストッパーを設けている。
よって、衝撃が加わった時に考慮しなければならないの
は、全方向の衝撃ではなく、キャリッジが待機位置から
記録再生領域に向かう方向の衝撃に対してだけである。
【0022】そこで、本発明の目的は、上記問題を解決
すべく、小型化、簡易化した慣性ラッチを用いて、信頼
性の高い小型磁気ディスク装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の磁気ディスク装置は、衝撃が加わった時の
み作動する慣性ラッチによってキャリッジをロックする
キャリッジロック機構を備えた磁気ディスク装置におい
て、慣性ラッチに衝撃を与える慣性体を、1体のみにす
ることによって小型化したことを特徴とする。
【0024】また、慣性体の形状が、球であるのが好ま
しい。
【0025】さらに、慣性体の形状が、円錐,円柱,円
盤のいずれかであるのが好ましい。
【0026】またさらに、キャリッジの回転中心,慣性
ラッチの回転中心,慣性体の中心が、ほぼ1直線になる
ように配置して、キャリッジの回転中心回りの衝撃に対
する感度を高めるのが好ましい。
【0027】また、キャリッジの重心を、1直線上に設
定することによって、慣性ラッチが作動しにくい慣性ラ
ッチの回転中心と慣性体の中心とを結ぶ方向に印加され
た衝撃に対してキャリッジを回転しにくくするのが好ま
しい。
【0028】さらに、慣性ラッチが、キャリッジが待機
位置から脱落する際に衝撃がかかったときのみ作動する
慣性ラッチ機構を備えるのが好ましい。
【0029】またさらに、慣性ラッチ機構が、シャフト
を中心に回転運動する回転体と、回転体をアンロック側
に押し当てるバネとを備え、回転体が、ラッチ側フック
を有し、キャリッジの対応する位置に設けられたキャリ
ッジ側フックと係合するのが好ましい。
【0030】また、慣性体の材質が、回転する際の摩擦
損失が小さくかつ軽量であるのが好ましい。
【0031】さらに、慣性体が、樹脂系材料または薄型
軽量金属より形成されるのが好ましい。
【0032】以上説明したように、本発明の磁気ディス
ク装置は、衝撃が印加されたときだけキャリッジロック
機構が作動する慣性ラッチを有する。より具体的には、
1つの球を配備し、この球が衝撃によって動くことによ
ってロック機構を作動する。
【0033】また、キャリッジが所定の待機位置から脱
落する方向に働く衝撃に対してだけ作動することも特徴
である。
【0034】さらに、キャリッジ回転中心と慣性ラッチ
回転中心と球の中心とは1直線になるように配備したこ
とも特徴である。
【0035】本発明では、球を1つだけ配備して慣性ラ
ッチを構成している。このため、キャリッジロック機構
をコンパクトにすることができ、超小型の磁気ディスク
装置に適用しやすい。
【0036】また、本発明では、360度全ての方向の
衝撃に対して保証するのではなく、本当に必要なキャリ
ッジが待機位置から脱落する方向に働く衝撃に対しての
み機能するロック機構を構成している。そのため、衝撃
を慣性力として感知する球も1つで済み、かつその他の
ハウジング形状も簡単で済む。よって、装置の構成が簡
易化できる。
【0037】さらに、キャリッジ回転中心と慣性ラッチ
回転中心と球とが1直線になっているため、キャリッジ
が最も動きやすいキャリッジ回転中心周りの回転衝撃に
対して、最も感度よくロック機構が作動することができ
る。
【0038】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して、本発明の
実施の形態について説明する。
【0039】図1は、本発明の磁気ディスク装置の実施
の形態を示す平面図である。この磁気ディスク装置は、
ベース11にスピンドルモータ12及びキャリッジ13
を搭載して構成される。スピンドルモータ12には、媒
体14が固定される。キャリッジ13には、記録再生す
るためのヘッド15が、アーム131の先端に取り付け
られる。また、アーム131の反対側には、コイル13
2が取り付けられ、ベース11に取り付けられた磁気回
路16によってボイスコイルモータを形成する。さら
に、アーム131の端部を停止させる内周ストッパ19
1および外周ストッパ192が取り付けられている。キ
ャリッジ13の中心にはベアリング133が取り付けら
れ、ピボットシャフト134を中心にキャリッジ13全
体が回転可能となっている。ヘッド15からの記録再生
信号は、FPC17を介して電気信号処理回路に伝達さ
れる。媒体14の内周側にはCSS領域141があり、
装置停止時には、キャリッジ13はこの領域にヘッド1
5を待機させる。
【0040】また、キャリッジ13わきには慣性ラッチ
18が設置される。慣性ラッチ18は、慣性によってベ
ース11に設けられたガイド111に沿って自由に動く
1つの球181と、回転運動する回転体182と、回転
体182をアンロック側に押し当てるバネ183とから
なる。回転体182は、シャフト184を中心に回転す
る。回転体182には、ラッチ側フック185が設けら
れ、キャリッジ13の対応する位置に設けられたキャリ
ッジ側フック135と係合するようになっている。
【0041】ここで、小さな衝撃でも感度良く慣性ラッ
チ18が機能するように、球181はできるだけ比重の
大きい金属を用いることが望ましい。また、回転体18
2は、回転する際の摩擦損失が小さく、かつ、軽量であ
ることが望ましいため、樹脂系材料を用いる。もしくは
板金などの薄型軽量金属などがよい。
【0042】また、キャリッジ13が衝撃によって動き
出してしまう最も厳しい条件は、キャリッジ13の回転
中心回りの回転衝撃が印加されたときである。そこで、
その衝撃に対して最も効率よく慣性ラッチ18が機能す
るように、キャリッジ13の回転中心と回転体182の
回転中心と、アンロック状態(初期状態)での球181
の中心との配置は、一直線に並んでいることが望まし
い。
【0043】図2は、キャリッジ回転中心,慣性ラッチ
回転中心,球心の配置を示す図である。これらの図を用
いて、上述した一直線にする理由について説明する。
【0044】図2(a)は、本発明におけるキャリッジ
回転中心,慣性ラッチ回転中心,球心の3者が1直線に
並んでいる場合に、キャリッジ13の回転中心回りの回
転衝撃Gが印加された場合である。このとき、回転体1
82を回転させる回転トルクTl(MAX)は、次式で
与えられる。
【0045】Tl(MAX)=rl・G・Mb rl:慣性ラッチ回転中心と球までの距離 G :加えられた衝撃 Mb:球の質量 それに対して、図2(b)は、3者が角度θをもって並
んでいる場合を示す。このときの、回転トルクTl(θ)
は次式で表される。
【0046】Tl(θ)=rl・G・Mb・cosθ よって、1直線に並んでいる場合は、角度θを持つ場合
に比較して、rl・G・Mb・(1−cosθ)だけ大
きくなり、最大となることがわかる。
【0047】図3は、図1のAA断面図である。キャリ
ッジ側フック135は、キャリッジ13の側面から突き
出しており、ラッチ側フック185と高さ的にかみ合う
ように設定される。また、球181が回転体182を押
しのけるように、両者の高さも、中心が一致するように
設定される。また、球181が高さ方向に飛び出さない
ように、磁気回路16の上側のヨーク161を、球18
1の上面までせりのばしている。
【0048】次に、本発明の実施の形態の動作について
説明する。
【0049】図4は、本発明の実施の形態の基本動作を
示す図である。キャリッジ13は、図4(a)に示すよ
うに、装置停止時はヘッド15を媒体14のCSS領域
141に乗せた状態で待機している。装置が起動する
と、スピンドルモータ12によって媒体14が回転を開
始する。媒体14の回転が定常回転に達したら、コイル
132に通電され、キャリッジ13は、図4(b)に示
すようにヘッド15を媒体14上の記録再生領域142
にロードする。その後は、ボイスコイルモータ16の駆
動力によって、ヘッド15を媒体14上の任意の位置に
シークさせ、記録再生を行う。再び装置が停止すると、
ヘッド15をCSS領域141まで復帰させてから停止
する。
【0050】また、装置によっては、記録再生時のみヘ
ッド15を媒体14上にロードし、一定時間命令がない
と、装置が停止していなくてもヘッド15をCSS領域
141に復帰させておくタイプもある。
【0051】次に慣性ラッチ18の動作について説明す
る。慣性ラッチ18は衝撃が印加されない通常時は、常
にアンロック状態を維持している。これは、バネ183
によって、回転体182がアンロック側に押し当てられ
ているからである。よって、図4に示すように、上記キ
ャリッジ13の通常動作時には、慣性ラッチ18はいっ
さい干渉しない。
【0052】図5は、回転衝撃が印加された場合を示す
図である。図5(a)に示すように、矢印の方向に回転
衝撃Gが印加されると、球181に(加速度)×(球の
質量)の慣性力が生じる。この慣性力によって、球18
1は図5(b)に示すように回転体182に衝突し、回
転体182をロック状態側に回転させる。同時に衝撃に
よって、キャリッジ13はCSS領域から動きだし、ヘ
ッド15を記録再生領域に飛び出させる方向に回転し始
める。しかし、飛び出す前に、ラッチ側フック185が
キャリッジ側フック135に係合し、キャリッジ13を
固定する。衝撃加速度が解除されると、回転体182
は、球181からの慣性力を失い、変わってバネ183
の反力によって、再びアンロック状態に復帰する。すな
わち、衝撃が印加された瞬間のみロックとしての機能を
果たす。
【0053】図6は、反対向きの回転衝撃が印加された
場合を示す図である。図5では、矢印で示した回転方向
のみの衝撃について説明したが、それと反対向きの回転
衝撃が印加されたときは、図6に示すように、キャリッ
ジ13は、内周ストッパー191に衝突して止まるの
で、CSS領域141からヘッド15を飛び出させるこ
とはない。
【0054】図7は、直線方向の衝撃が印加された場合
を示す図である。図7(a)に示すように、直線方向の
衝撃Gがさらに印加された場合は、キャリッジ13を回
転させようとするトルクは次式で与えられる。この式を
説明する模式図を、図7(b)に示す。
【0055】T = G・l・Mc・cosβ T:キャリッジ回転トルク G:直線方向の衝撃加速度 l:キャリッジ回転中心と重心のずれ量 Mc:キャリッジ質量 β:回転接線方向と衝撃印加方向とでつくる角度 しかし、超小型の磁気ディスク装置では、通常キャリッ
ジの質量Mcは1mg程度に抑えられ、また、回転中心
および重心のずれ量も設計的に10μm程度以下にする
ことができるため、回転トルクTはほとんど生じない。
生じたとしても、ヘッド15と媒体14の摩擦力による
摩擦トルクを超えることはないので、キャリッジ13は
回りだしてしまう心配はない。
【0056】ここで、本発明の慣性ラッチ18が正常に
動作するための条件を説明する。キャリッジ13が衝撃
によって動き出してしまう条件として最も厳しいのは、
キャリッジ13の回転中心周りの回転衝撃がかかったと
きである。よってこの時に正常に慣性ラッチ18が動作
すればよいことになる。キャリッジ13が媒体14の待
機位置で静止している力は、媒体14とヘッド15の静
止摩擦力fh0 で与えられる。よって、下記関係式を満
たす角加速度αが、キャリッジ13の回転中心に発生し
たときに、キャリッジ13は動き出してしまう。
【0057】α・Jc>n・fh0 ・rh n:ヘッド15の本数 fh0 :媒体14とヘッド15の静止摩擦力 rh:キャリッジ13の回転中心からヘッドまでの距離 Jc:キャリッジ13の慣性モーメント よって、最小の角加速度α0 は、近似的に式(1)で与
えられる。
【0058】 α0 =(n・fh0 ・rh)/Jc・・・・・(1) いったん動き出したキャリッジ13は、媒体14とヘッ
ド15との間に生じる動摩擦力fhに逆らって回転す
る。よって、キャリッジ13が実際に動くときの角加速
度αcは式(2)で与えられる。
【0059】 αc=(Jc・α0 −n・fh・rh)/Jc =α0 −(n・fh・rh)/Jc・・・・・(2) fh:媒体14とヘッド15との動摩擦力 次に、慣性ラッチ18の回転体182が動き出す角加速
度αl を求める。回転体182が回転する駆動トルク
は、球181が衝撃によって得る慣性力である。しか
し、このとき、バネ183によるバネ力と回転体182
とが回転する際の摩擦損失は、反力となって作用する。
よって、αl は式(3)で求められる。
【0060】 αl =(rbc・α0 ・Mb・rb−Ts−Tl)/Jl・・・・・(3 ) rbc:球181とキャリッジ13の回転中心との距離 Mb:球181の質量 rb:球181と慣性ラッチ回転中心との距離 Ts:バネ183のバネトルク Tl:回転体182が回転する際に生じる摩擦損失トル
ク ここで、キャリッジ13が、ヘッド15をCSS領域1
41内に止めておける遊びの量dcを、上記加速度αc
で移動してしまうのに要する時間TimeCは式(4)
で求められる。
【0061】 TimeC=(2dc/rc・αc)1/2 ・・・・・・(4) dc:キャリッジ13の遊び量(この範囲で動く分には
慣性ラッチ18がキャリッジ13を捕まえることができ
る) rc:キャリッジ側フック135とキャリッジ13の回
転中心との距離 同様に、慣性ラッチ18が、キャリッジ13を捕まえる
ことができる位置まで、回転体182を移動するのに要
する時間TimeLは、式(5)で求められる。
【0062】 TimeL=(2dl/rl・αl)1/2 ・・・・・・(5) dl:ラッチ側フックが、キャリッジ13を捕まえるこ
とができる位置まで移動する距離 rl:ラッチ側フック135と慣性ラッチ18の回転中
心との距離 また、正常に慣性ラッチ18がロック機能を果たすため
には、キャリッジ13よりも慣性ラッチ18の方が、速
くラッチ位置に到達することが条件となる。よって、 TimeC>TimeL・・・・・・(6) が満たすべき条件となる。
【0063】
【実施例】次に、図1,図2を用いて、本発明の第1の
実施例の構成を説明する。磁気ディスク装置は、超小型
と称される領域の1.3インチサイズとする。また、全
体の厚みは5mmの超薄型とする。媒体14は1枚実装
とする。キャリッジ13には、媒体の両面に対応してヘ
ッド15を2つ搭載する。ヘッド15のサイズは、厚さ
0.3mmの通称30%スライダを用いる。アーム13
1には、ステンレス製0.2mm厚の板金を用いる。ベ
アリング33は、現在、市場で量産されている最小形状
である外径φ4mm,内径φ1.5mmのサイズのもの
を適用する。コイル132は、線径φ0.05μm以下
の極細いものを使用し、十分な駆動トルクを得るために
最適な巻き数を選択する。巻き数は250ターン程度が
良好である。磁気回路16は、上側ヨーク161,下側
ヨーク162,サイドヨーク163,マグネット164
からなる。マグネット164は、上側ヨーク161に接
着される。磁気回路16の各部材の厚み寸法は、磁気デ
ィスク装置の全高から制限される範囲で、最大駆動トル
クを出すように設計される。ここで、磁気ディスク装置
の全高を超薄型の5mmと設定したので、各部材の厚さ
は、上側ヨーク161,下側ヨーク162ともに0.6
mm、マグネット164は0.8mm、サイドヨーク1
63は高さ1.3mmとした。コイル132の厚さは
0.7mmとした。
【0064】慣性ラッチ18は、衝撃に対する感度を最
適にするため以下のように設計した。まず、球181は
できるだけ重量を大きくするため、実装可能な大きさの
中で最大とし直径3mmとする。また、材質は比重を大
きくするためタングステンを用いた。逆に、回転体18
2は、回転する際の摩擦損失が小さくかつ軽量であるこ
とが望ましい。そこで、樹脂系の材料からナイロンを選
択した。バネ183のバネ力は、キャリッジ13が動き
だす最小の角加速度で、回転体182が動き出さなけれ
ばならないので、式(3)より以下の関係式を満たす必
要がある。
【0065】 rbc・α0 ・Mb・rb>Ts+Tl・・・・・(7) また、通常時は回転体182を初期位置まで戻さなけれ
ばならないので、さらに以下の関係式も満たす必要があ
る。
【0066】Ts>Tl・・・・・(8) 上記2つの関係式(7),(8)を満たすように、薄厚
のバネ鋼を用いた。
【0067】次に、本発明の実施例の動作について詳細
に説明する。キャリッジ13が最も動きやすい衝撃は、
キャリッジ13の回転中心回りに回転衝撃がかかったと
きである。そこで、図4に示すような回転衝撃がかかっ
たときについて記述する。
【0068】まず、キャリッジ13が動き出す最低の角
加速度α0 を求める。キャリッジ13の慣性モーメント
Jcは計算により容易に求められ、0.22g・cm2
となる。ヘッド15の本数nは前述したように2本であ
る。媒体14とヘッド15の静止摩擦力fh0 とは実測
によって求められ、3gf程度となる。また、キャリッ
ジ13の回転中心からヘッド15までの距離rhは2.
03cmとした。よって、α0 は、式(1)に従い以下
のように求まる。
【0069】 α0 =(n・fh0 ・rh)/Jc =(2×3×2.03)/0.22 =55.4(rad/sec2 )・・・・・・・・(9) 次に、キャリッジ13が動き出したときのキャリッジ1
3の角加速度αcを求める。動摩擦力fhも実測により
求められ、0.2gf程度となる。よって、式(2)に
値を代入して、αcは以下のように求まる。
【0070】 αc=α0 −(n・fh・rh)/Jc =55.4−(2×0.2×2.03)/0.22 =51.7(rad/sec2 )・・・・・・・・(10) さらに、慣性ラッチ18の回転体182が動き出す角加
速度αlを求める。回転体182を回転させるための回
転トルクは、球181に生じる慣性力で与えるから、球
181の質量とその配置が問題となる。球181の質量
Mbは、直径3mmの球体積とタングステンの密度8.
96g/cm3 とから求められ、0.13gとなる。
【0071】球181が初期状態で設置される位置と、
キャリッジ13の回転中心との距離rbcは0.87c
mとする。また、回転体182の回転中心と球181と
の距離rbは0.29cmに配置した。よって、球18
1に生じる慣性力により回転トルクは、 rbc・α0 ・Mb・rb/9.8=0.87×55.4×0.13×0.2 9/9.8=0.18(gf・cm)・・・・・・・(11) となる。
【0072】また、回転体182が回転する際の摩擦損
失は、回転体182の質量Mlと、回転体182とベー
ス11との間に生じる摩擦係数μの積によって求められ
る。さらに、この値に、回転体182の回転中心と回転
体182の重心位置(摩擦力の作用点)の距離Xを掛け
合わせ摩擦損失トルクTlが求められる。
【0073】質量Mlは、体積にナイロンの密度1.1
g/cm3 をかけあわせ、0.004gとなる。また、
摩擦係数μは、実験的に求められ0.05となる。距離
Xは、設計上0.12cmとなる。よって、摩擦損失ト
ルクは以下のように求まる。
【0074】 Tl=9.8・Ml・μ・X =9.8×0.004×0.05×0.12 =0.00024 (gf・cm)・・・・・・・(12) さらに、バネ183によるバネトルクは、関係式
(7),(8)に従い、 Ts=0.01(gf・cm)・・・・・・・・(13) となるように条件だしした。
【0075】尚、回転体182の慣性モーメントJl
は、計算により容易に求められ、 Jl=0.0005(g・cm2 )・・・・・・・・(14) となる。
【0076】結果的に、慣性ラッチ18の回転体182
が動き出す角加速度αlは、式(3),(11)〜(1
4)より以下のようになる。
【0077】 αl=(rbc・α0・Mb・rb−Ts−Tl)/Jl =(0.18−0.01−0.00024)/0.0005 =339.5(rad/sec2 )・・・・・・(15) 以上、求められた角加速度から、ラッチがかかるまでの
時間を計算する。まずキャリッジ13は、遊び量dcを
0.1cm、キャリッジ側フックとキャリッジの回転中
心との距離rcを0.56cmと設計した。キャリッジ
13の到達時間は、式(4)より、 TimeC=(2dc/rc・αc)1/2 =(2×0.1/0.56・51.7)1/2 =0.083(sec)・・・・・・・(16) となる。
【0078】同様に、慣性ラッチ18は、遊び量dlを
0.07cmとし、ラッチ側フック185と慣性ラッチ
18の回転中心との距離rlを、0.29cmに設定す
る。
【0079】従って、慣性ラッチ18の到達時間は、式
(5)より、 TimeL=(2dl/rl・αl)1/2 =(2×0.07/0.29×339.5)1/2 =0.038(sec)・・・・・・・(17) よって、 2TimeC≒TimeL となり、これは、ロック機構が成立する条件式(6)を
安全率2倍で満足することになる。
【0080】次に、本発明の他の実施例について詳細に
説明する。
【0081】まず、本発明の第2の実施例について説明
する。本発明の第1の実施例では、衝撃を感知して、キ
ャリッジロック機構を動作させるための慣性体に球を用
いたが、第2の実施例では、円錐や円柱、または円盤な
ど別の形状にする。ただし、この慣性体が動作する際に
生じる転がり摩擦や滑り摩擦は極力小さく抑えられ得る
ことが望ましい。本発明の第1の実施例に示した球は、
その転がり摩擦がほぼ無視できるレベルであるため、最
も有利と考えられる。
【0082】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。本発明の実施の形態でヘッドの待機位置を媒体の
内周側CSS領域に設置した場合について説明したが、
本実施例では、ヘッドをロード/アンロードするタイプ
の装置に対しても適用可能とする。この場合、ヘッドが
媒体外のランプから脱落しないように慣性ラッチの設置
位置を調節する必要がある。
【0083】次に、本発明の第4の実施例について説明
する。慣性体である球と慣性ラッチの回転中心とを結ぶ
線と平行な方向に衝撃が印加された場合、慣性ラッチを
回転させるトルクを発生することができないためキャリ
ッジロックとして機能しない。しかし、前述したよう
に、本発明では、キャリッジの質量と重心ずれとが十分
小さく、直線方向の衝撃が印加された場合キャリッジが
動き出す心配はない。ただし、ここでより安全を期すた
め、慣性体と慣性ラッチの回転中心とを結ぶ線方向の衝
撃でキャリッジが回りにくくなるように、キャリッジの
重心を上記線上に配置する。こうすることにより、この
方向に衝撃が印加されても、キャリッジに回転トルクが
生じない。そこで、本実施例では、キャリッジ側フック
に比重の高い材質を用いたり、この方向に重りを負荷す
るなどの方法が考えられる。元々、この方向には、FP
Cや、キャリッジ側フックが付加されているため、重心
が目的位置近傍に存在することになるので、大がかりな
バランス調整は不要となる。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、36
0度全ての方向の衝撃に対して保証するのではなく、本
当に必要なキャリッジ大気一から脱落する方向に働く衝
撃に対してのみ機能するロック機構を構成している。そ
のため、衝撃を慣性力として感知する球も比筒の球で済
み、かつ、その他のハウジング形状も簡単で済む。従っ
て、慣性ラッチを有する超小型の磁気ディスクを提供で
きるという効果を奏する。
【0085】また、キャリッジ回転中心と慣性ラッチ回
転中心と球とが1直線に配備されているため、キャリッ
ジが最も動きやすいキャリッジ回転中心周りの回転衝撃
に対して、最も感度よくロック機構が作動することがで
きる。従って、衝撃に対して感度の高い慣性ラッチを有
し信頼性の高い磁気ディスク装置を提供できるという効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の構成を示す平面図であ
る。
【図2】キャリッジ回転中心,慣性ラッチ回転中心,球
心の配置を示す図である。(a)は3者が一直線の場合
を示し、(b)は3者が角度を持った場合を示す図であ
る。
【図3】本発明の実施の形態を示す断面図である。
【図4】本発明の基本動作を示す図である。(a)は装
置停止時を示し、(b)は装置起動時を示す図である。
【図5】本発明によるキャリッジが回転してしまう方向
に回転衝撃が印加された場合の動作を示す図である。
(a)は回転体に衝突する前を示し、(b)は回転体に
衝突した後を示す図である。
【図6】本発明によるキャリッジがストッパーに押し当
たる方向に回転衝撃が印加された場合の動作を示す図で
ある。
【図7】本発明の直線衝撃が印加された場合を示す図で
ある。(a)は衝撃がさらに印加された場合を示し、
(b)はその模式図である。
【図8】従来の慣性ラッチの一例の構成を示す平面図で
ある。
【図9】従来の慣性ラッチの一例の動作を示す平面図で
ある。
【符号の説明】
11 ベース 111 ガイド 12 スピンドルモータ 13 キャリッジ 131 アーム 132 コイル 133 ベアリング 134 ピボットシャフト 135 キャリッジ側フック 14 媒体 141 CSS領域 142 記録再生領域 15 ヘッド 16 磁気回路 17 FPC 18 慣性ラッチ 181 球 182 回転体 183 バネ 184 シャフト 185 ラッチ側フック 19 ストッパー 191 内周ストッパー 192 外周ストッパー 81 ベース 82 スピンドルモータ 83 キャリッジ 831 アーム 832 コイル 833 ベアリング 834 ピボットシャフト 835 バー 836 キャリッジ側フック 84 媒体 85 ヘッド 86 磁気回路 87 FPC 88 ランプ 89 慣性ラッチ 8911,8912 球 892 回転体 893 バネ 894 シャフト 895 ラッチ側フック 161 上側ヨーク 162 下側ヨーク 163 サイドヨーク 164 マグネット
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】図8は、上述した従来の磁気ディスク装置
の一例の構成を示す平面図である。この磁気ディスク装
置は、ベース81にスピンドルモータ82及びキャリッ
ジ83を搭載して構成される。スピンドルモータ82に
は、媒体84が固定される。キャリッジ83には、記録
再生するためのヘッド85が、アーム831の先端に取
り付けられる。また、アーム831と反対側には、コイ
ル832が取り付けられ、ベースに取り付けられた磁気
回路86によってボイスコイルモータを形成する。キャ
リッジ83の中心にはベアリング833が取り付けら
れ、ピボットシャフト834を中心にキャリッジ83全
体が回転可能となっている。ヘッド85からの記録再生
信号は、FPC87を介して電気信号処理回路に伝達さ
れる。媒体84のわきには、ランプ88が設けられる。
キャリッジ83は、装置停止時に媒体の外までヘッド8
5を移動し、ヘッド85わきに取り付けられたバー83
5をランプ88に乗り上げた状態で停止する。キャリッ
ジ83後方には慣性ラッチ89が設置される。慣性ラッ
チ89は、慣性によって自由に動く2つの球8911、
球8912と、回転運動する回転体892、及び、回転
体892をアンロック側に押し当てるバネ893からな
る。回転体892は、シャフト894を中心に回転す
る。回転体892には、ラッチ側フック895が設けら
れ、キャリッジ83の対応する位置に設けられたキャリ
ッジ側フック836と係合するようになっている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の磁気ディスク装置は、衝撃が加わった時の
み作動する慣性ラッチによってキャリッジをロックする
キャリッジロック機構を備えた磁気ディスク装置におい
て、慣性ラッチは、衝撃によって自由に動く1つの慣性
体を備えたことを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正内容】
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、36
0度全ての方向の衝撃に対して保証するのではなく、本
当に必要なキャリッジ待機位置から脱落する方向に働く
衝撃に対してのみ機能するロック機構を構成している。
そのため、衝撃を慣性力として感知する球も1つの球で
済み、かつ、その他のハウジング形状も簡単で済む。従
って、慣性ラッチを有する超小型の磁気ディスクを提供
できるという効果を奏する。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】衝撃が加わった時のみ作動する慣性ラッチ
    によってキャリッジをロックするキャリッジロック機構
    を備えた磁気ディスク装置において、 前記慣性ラッチに衝撃を与える慣性体を、1体のみにす
    ることによって小型化したことを特徴とする磁気ディス
    ク装置。
  2. 【請求項2】前記慣性体の形状が、球であることを特徴
    とする、請求項1に記載の磁気ディスク装置。
  3. 【請求項3】前記慣性体の形状が、円錐,円柱,円盤の
    いずれかであることを特徴とする、請求項1に記載の磁
    気ディスク装置。
  4. 【請求項4】前記キャリッジの回転中心,前記慣性ラッ
    チの回転中心,前記慣性体の中心が、ほぼ1直線になる
    ように配置して、前記キャリッジの回転中心回りの衝撃
    に対する感度を高めたことを特徴とする、請求項1〜3
    のいずれかに記載の磁気ディスク装置。
  5. 【請求項5】前記キャリッジの重心を、前記1直線上に
    設定することによって、前記慣性ラッチが作動しにくい
    前記慣性ラッチの回転中心と前記慣性体の中心とを結ぶ
    方向に印加された衝撃に対して前記キャリッジを回転し
    にくくすることを特徴とする、請求項4に記載の磁気デ
    ィスク装置。
  6. 【請求項6】前記慣性ラッチが、前記キャリッジが待機
    位置から脱落する際に衝撃がかかったときのみ作動する
    慣性ラッチ機構を備えたことを特徴とする、請求項1〜
    5のいずれかに記載の磁気ディスク装置。
  7. 【請求項7】前記慣性ラッチ機構が、シャフトを中心に
    回転運動する回転体と、前記回転体をアンロック側に押
    し当てるバネとを備え、前記回転体が、ラッチ側フック
    を有し、前記キャリッジの対応する位置に設けられたキ
    ャリッジ側フックと係合することを特徴とする、請求項
    6に記載の磁気ディスク装置。
  8. 【請求項8】前記慣性体の材質が、回転する際の摩擦損
    失が小さくかつ軽量であることを特徴とする、請求項1
    〜7のいずれかに記載の磁気ディスク装置。
  9. 【請求項9】前記慣性体が、樹脂系材料または薄型軽量
    金属より形成されることを特徴とする、請求項1〜8の
    いずれかに記載の磁気ディスク装置。
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