JPH11353619A - 磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

磁気ヘッドおよびその製造方法

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JPH11353619A
JPH11353619A JP15615598A JP15615598A JPH11353619A JP H11353619 A JPH11353619 A JP H11353619A JP 15615598 A JP15615598 A JP 15615598A JP 15615598 A JP15615598 A JP 15615598A JP H11353619 A JPH11353619 A JP H11353619A
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JP
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film
spin valve
free layer
valve gmr
heat treatment
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JP15615598A
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Inventor
Atsushi Fujita
藤田  淳
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フラックスガイド膜を有するスピンバルブG
MRヘッドにおいて、全ての工程を経てもフリー層の一
軸異方性およびフラックスガイド膜との磁気的交換結合
を維持できる磁気ヘッドおよびその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 本発明の磁気ヘッドの製造方法において
は、フラックスガイド膜とスピンバルブGMR膜のフリ
ー層の一部を成膜し熱処理を施し、フリー層の表面酸化
層または拡散層を除去した後にスピンバルブGMR膜を
形成する。このとき、フラックスガイド膜とスピンバル
ブGMR膜を構成する多層膜を形成する際に、GMR層
のフリー層となる軟磁性膜の一部をエッチングしたのち
フリー層と、フリー層上に接続する膜層部分の処理条件
およびその厚さを最適化し、かつ、構成部材の熱処理条
件を選択する。かかるフラックスガイド膜とスピンバル
ブGMR膜を用いて磁気ヘッドを作製した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録装置に用い
られる磁気ヘッドおよびその製造方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来の磁気ヘッドにおいては、たとえば
J.C.Mallinson著、“Magneto−R
esistive Heads”、1998、ACAD
EMIC PRESS(ISBN 0−12−4666
30−2)、米国、p.80に記載されるように、フラ
ックスガイド膜とスピンバルブGMR膜を絶縁膜を介し
て磁路を形成していた。前述の文献に記載された磁気ヘ
ッドと異なる構造を有する磁気ヘッドが本発明者らによ
り特願平9−145461号に提案されているが、当該
特願平9−145461号に示すように、フラックスガ
イド膜とスピンバルブGMR膜のフリー層を交換結合作
用によって磁気的に結合するようにした。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記絶縁膜を設けた従
来の磁気ヘッドによれば、フラックスガイド膜は外部磁
界をスピンバルブGMR膜近傍まで磁束を導くだけであ
って、フラックスガイド膜の磁化回転から直接、スピン
バルブGMR膜のフリー層の磁化回転を誘導することが
できないし、GMR素子としての本来の目的である大き
な磁気抵抗効果が得られないという問題がある。前記絶
縁膜を設けずに磁気ヘッドを構成する場合には、フラッ
クスガイド膜とスピンバルブGMR膜のフリー層を交換
結合作用によって磁気的に結合することができる。しか
し、両層を磁気的に結合させるためには両層の磁化方向
を制御する処理が必要であるが、かかる処理をおこなっ
たのち他の膜層に対する熱処理を行なうと、この両層を
磁気的に結合させる処理の効果が失なわれてしまうとい
う問題がある。
【0004】本発明は、かかる問題点を解決するべくな
されたものであり、フラックスガイド膜を有する磁気ヘ
ッドにおいて、全ての工程を経てもスピンバルブGMR
膜のフリー層の一軸異方性およびフリー層とフラックス
ガイド膜の磁気的交換結合を維持できる磁気ヘッドおよ
びその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明において、フラッ
クスガイド膜とスピンバルブGMR膜を構成する多層膜
を形成する際に、スピンバルブGMR膜のフリー層とな
る軟磁性膜の一部をエッチングしたのちフリー層と、フ
リー層上に接続する膜層部分の処理条件およびその厚さ
を最適化し、かつ、構成部材の熱処理条件を選択する。
【0006】本発明の請求項1にかかわる磁気ヘッドの
製造方法は、多層膜からなるスピンバルブGMR膜およ
びフラックスガイド膜を少なくとも有する磁気ヘッドの
製造方法であって、前記フラックスガイド膜を形成した
のち前記スピンバルブGMR膜のうちの一層であるフリ
ー層となる軟磁性膜を成膜してから所定の熱処理温度で
磁界中真空熱処理により前記フラックスガイド膜および
フリー層となる軟磁性膜に所定の一軸異方性を付与し、
前記フリー層となる軟磁性膜の一部をエッチング除去し
たのち前記スピンバルブGMR膜の残りの膜層部分を形
成し前記スピンバルブGMR膜を形成する際、Tは前記
熱処理温度、Tiは前記フラックスガイド膜およびスピ
ンバルブGMR膜を形成したのちのプロセス最高温度、
Txは前記フラックスガイド膜に用いる軟磁性膜の耐熱
温度、Tafは前記スピンバルブGMR膜のうちの一層
である反強磁性膜の熱処理温度、Tfは前記フリー層と
なる軟磁性膜の耐熱温度、L1は前記フリー層となる軟
磁性膜のエッチング除去厚さ、dは前記フリー層となる
軟磁性膜の一部のエッチング除去後に残る膜厚、およ
び、Dは最終的に形成される前記フリー層の膜厚をそれ
ぞれ表すとすると、Tがつぎの関係式(1)および
(2)を同時に満たし、かつ、L1およびdが関係式
(3)および(4)を満たしている。 Taf<T<Tx 単位℃ (1) Ti<T<Tf 単位℃ (2) 2<L1 単位nm (3) 0<d<0.6D 単位nm (4)
【0007】本発明の請求項2にかかわる磁気ヘッドの
製造方法は、前記熱処理温度Tが、 260≦T≦380 単位℃ (5) である。
【0008】本発明の請求項3にかかわる磁気ヘッドの
製造方法は、多層膜からなるスピンバルブGMR膜およ
びフラックスガイド膜を少なくとも有する磁気ヘッドの
製造方法であって、前記フラックスガイド膜と、前記ス
ピンバルブGMR膜のうちの一層であるフリー層となる
軟磁性膜とをこの順で成膜したうえに酸化防止膜を形成
したのち、所定の熱処理温度で磁界中真空熱処理により
前記フリー層となる軟磁性膜に所定の一軸異方性を付与
し、前記酸化防止膜と前記フリー層となる軟磁性膜の一
部とを除去したのち前記スピンバルブGMR膜の残りの
膜層部分を形成し前記スピンバルブGMR膜を形成する
際、Tは前記熱処理温度、Tiは前記フラックスガイド
膜およびスピンバルブGMR膜を形成したのちのプロセ
ス最高温度、Txは前記フラックスガイド膜に用いる軟
磁性膜の耐熱温度、Tafは前記スピンバルブGMR膜
のうちの一層である反強磁性膜の熱処理温度、Tfは前
記フリー層となる軟磁性膜の耐熱温度、dは前記フリー
層となる軟磁性膜の一部のエッチング除去後に残る膜
厚、Dは最終的に形成される前記フリー層の膜厚、およ
び、L2は前記フリー層となる軟磁性膜の除去厚さをそ
れぞれ表すとすると、Tがつぎの関係式(1)および
(2)を同時に満たし、かつ、L2およびdが関係式
(4)および(6)を満たしている。 Taf<T<Tx 単位℃ (1) Ti<T<Tf 単位℃ (2) 0<d<0.6D 単位nm (4) 1.5<L2 単位nm (6)
【0009】本発明の請求項4にかかわる磁気ヘッドの
製造方法は、前記酸化防止膜が、Cu、Ta、Ti、Z
r、CrおよびWのうちのいずれか1つからなる。
【0010】本発明の請求項5にかかわる磁気ヘッドの
製造方法は、前記熱処理温度Tが、 260≦T≦380 単位℃ (5) である。
【0011】本発明の請求項6にかかわる磁気ヘッド
は、少なくとも第1のシールド膜および第1のギャップ
膜がこの順で基板上に設けられ、請求項1記載の磁気ヘ
ッドの製造方法にしたがって前記第1のギャップ膜上に
少なくとも前記フラックスガイド膜および前記スピンバ
ルブGMR膜がこの順で設けられ、さらに該スピンバル
ブGMR膜の少なくとも一部を覆って第2のギャップ膜
および第2のシールド膜がこの順で設けられかつ前記ス
ピンバルブGMR膜に接続するリード線が設けられてい
る。
【0012】本発明の請求項7にかかわる磁気ヘッド
は、少なくとも第1のシールド膜および第1のギャップ
膜がこの順で基板上に設けられ、請求項3記載の磁気ヘ
ッドの製造方法にしたがって前記第1のギャップ膜上に
少なくとも前記フラックスガイド膜および前記スピンバ
ルブGMR膜がこの順で設けられ、さらに該スピンバル
ブGMR膜の少なくとも一部を覆って第2のギャップ膜
および第2のシールド膜がこの順で設けられかつ前記ス
ピンバルブGMR膜に接続するリード線が設けられてい
る。
【0013】フラックスガイド膜とスピンバルブGMR
膜のフリー層の磁気的交換結合作用が効率よく働くとと
もに大きな磁気抵抗効果も得られるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ、本
発明の実施の形態についてさらに詳細に説明する。
【0015】実施の形態1 図1および図2は、磁気ヘッドの製造工程のうち本発明
の実施の形態1にかかわるフラックスガイド膜とスピン
バルブGMR膜の製造工程を概略的に工程順に示す説明
図である。図1および図2において、1は基板であり、
2は第1の保護膜であり、3は下地膜であり、4はフラ
ックスガイド膜であり、5および7はフリー層であり、
8は中間膜であり、9は導体膜であり、10はピンド層
であり、11は反強磁性膜であり、12は第2の保護膜
である。本実施の形態では、図1および図2に示すよう
に、下地膜3、フラックスガイド膜4およびスピンバル
ブGMR膜のフリー層5の形成工程(図1の(a))、
熱処理工程(図1の(b))ならびにスピンバルブGM
R膜のうち、フリー層5以外の膜層である7〜12の形
成工程(図2の(a)および(b))からなる製造方法
を説明する。まず、フラックスガイド膜とスピンバルブ
GMR膜に関する標準的なプロセスについて図1を参照
して順に説明する。
【0016】アルミナ・チタンカーバイトからなる基板
1上に成膜し研磨したアルミナからなる第1の保護膜2
の上に下地膜3としてTaを厚さ5nm、フラックスガ
イド膜4としてCo−Zr系非晶質合金に添加元素とし
てNbを含み、その組成がCo88.0wt% Zr
3.1wt% Nb8.9wt%の軟磁性膜を18n
m、フラックスガイド膜上にさらにスピンバルブGMR
膜のフリー層5としてNi80wt% Fe20wt%
を厚さ10nmイオンビームスパッタリング法により一
軸異方性磁界H1中で連続的に形成した。ここで、フラ
ックスガイドに用いる軟磁性膜の材料としては、前述の
Co88.0wt% Zr3.1wt% Nb8.9w
t%の組成の他、xおよびyを重量%とし、RをCr、
Nb、Mo、HfおよびTaの群から選ばれる少なくと
も1種類の元素とするとき、CoxZry1-x-y(ただ
し、0.65≦x≦0.93、0≦y±0.20、x+
y<1)を用いることができる。ここでは、イオンビー
ムスパッタリング法により磁界中で形成したが、RFス
パッタリング、RFマグネトロンスパッタリング、DC
マグネトロンスパッタリング等の他の各種のスパッタリ
ング法でも形成でき、さらに、蒸着法やめっき法などで
も良い。また、下地膜は、Ta、Ti、Zr、Crおよ
びWなどのうちから少なくとも1種類の材料を選んで用
いても良い。
【0017】つぎに、図1(b)において、ヘルムホル
ツコイルを用いて約100 Oeの強さの直流磁界H2
を成膜時の磁界方向H1に面内直交する方向に試料に与
え、5×10-6Torr以下の真空中で温度300℃、
昇温時間60分、保持時間60分、自然冷却の条件で熱
処理を行った。なお、熱処理時間は30分以上あれば良
い。熱処理温度は以下の制約から決定した。まず、熱処
理温度Tはフラックスガイド膜4に用いた磁性膜の軟磁
気特性を損なわないようにその結晶化温度Tx:390
℃より低くなくてはならず、かつ、フリー層5の軟磁性
膜の耐熱温度Tf(400℃)より低くなくてはならな
い。また、のちに形成するスピンバルブGMR膜を構成
する反強磁性膜の一軸異方性を制御するためにTaf
(200℃)の磁界中熱処理を行うので、これによって
も、フラックスガイド膜の一軸異方性が保持されなくて
はならない。
【0018】図3は、熱処理温度と反強磁性膜11/ピ
ンド層10間の交換結合力の関係を示す説明図である。
図3において、ピンド層(NiFe)と反強磁性膜(I
rMn)との交換結合力を正方形のプロットで示し、ピ
ンド層(Co)と反強磁性膜(IrMn)との交換結合
力を円形のプロットで示した。また、日経エレクトロニ
クス、No.671、1996.9.23、日経BP
社、「小型ハードディスク装置80Gバイトに手がとど
く」、P.89に記載のように、記録用のインダクティ
ブヘッドを形成する際にフォトレジストからなるコイル
の層間絶縁層をTi:250℃で3時間の熱処理をする
ため、この場合にもフラックスガイド膜の一軸異方性が
保持されなくてはならない。以上より、熱処理温度Tは
つぎの2式を満たすようにする必要がある。 Taf=200℃<T<Tx=390℃ Ti=250℃<T<Tf=400℃
【0019】したがって、実際の熱処理温度のばらつき
が約10℃生じるものとして熱処理温度Tは260℃か
ら380℃の範囲にあることが好ましいことがわかり、
この範囲にあれば何℃でも良いが、本実施の形態では、
熱処理温度Tを300℃として実施した。
【0020】図2(a)においては、フリー層5となる
軟磁性膜が形成されたのち、この軟磁性膜に対する逆ス
パッタエッチング(RF Power 0.23W/c
2、基板回転 50rpm、逆スパッタリング時間
30s、アルゴン分圧 2.3mTorr)により厚さ
3.2nmが除去された残りによってフリー層5とされ
た状態が示されているが、フラックスガイド、フリー層
成膜後大気にさらされたり、熱処理されることによりフ
リー層表面が酸化される。図4は、フリー層5の表面か
ら深さ方向の元素分布を示すオージェ電子分光分析結果
であり、図において正方形のプロットは酸素(O)、菱
形のプロットはニッケル(Ni)をそれぞれ示してい
る。図4に示すようにフリー層表面が約2nm酸化して
いることがわかる。そのため、軟磁性膜の除去厚さL1
はL1>2(単位nm)とした。このため、スピンバル
ブGMR膜を形成する際に、逆スパッタエッチング(R
FPower 0.23W/cm2、基板回転 50r
pm、逆スパッタリング時間 30s、アルゴン分圧
2.3mTorr)によりスピンバルブGMR膜のフリ
ー層5の軟磁性膜表面を一部除去したのちにフリー層7
から順にDCマグネトロンスパッタリング法により磁界
中成膜した。なお、磁界方向は熱処理によりつけた一軸
異方性に面内で直交する方向である。また、図5はフラ
ックスガイド膜の膜厚と多層膜の磁気特性を磁化困難軸
方向の保磁力(Oe)によって示したものであり、正方
形のプロットはCoZrNbの単層膜を示し、菱形のプ
ロットは、NiFeの厚さを6nmで一定としたCoZ
rNb/NiFeの複合膜を示している。図5に示した
ようにフラックスガイド単膜ではその厚さが10nmで
あるため磁化困難軸方向のHcが1 Oe以下となる
が、実際に、スピンバルブGMR膜として積層させると
最低18nm以上の膜厚が必要である。本実施の形態で
はフリー層のNiFe膜の成膜厚さを10nmとし、逆
スパッタエッチングによるフラックスガイド膜の除去厚
さを8.2nmとした。フリー層5のNiFeを8.2
nm除去する逆スパッタエッチングを行なったのち、フ
リー層7となるNi80wt% Fe20wt%を4.
2nm形成し、残ったフリー層5の1.8nmと合わせ
て6nmのフリー層とし、さらに、中間膜8のCo
(0.8nm)、導体膜9のCu(3nm)、ピンド層
10のCo(3.5nm)、反強磁性膜11のIr78
at% Mn22at%(10nm)、第2の保護膜1
2(3nm)の順に成膜してスピンバルブGMR膜を形
成した。のちに図9に示すように、本実施の形態に示し
た構成においてフリー層5の膜厚dとフリー層7の膜厚
の配分が、両層の合計膜厚Dの関係が以下の関係式を満
たすことが好ましい。 O<d<0.6D 単位nm (4)
【0021】このように限定する理由は、dがこの範囲
内であれば、フリー層を分割しないで熱処理後フリー層
を一度に成膜するよりも高いMR比が得られるためであ
る。以上に示した製造方法により作製したフラックスガ
イド付きスピンバルブGMR膜で外部磁界による磁気抵
抗変化を測定し、3.2%という優れた磁気抵抗効果を
得た。
【0022】実施の形態2 図6および図7は、磁気ヘッドの製造工程のうち本発明
の実施の形態2にかかわるフラックスガイド膜とスピン
バルブGMR膜の製造工程を概略的に工程順に示す説明
図である。図において、図1に示した各要素と同一の要
素にはそれぞれ同一の符号を付して示したほか、15お
よび17はフリー層であり、16は酸化防止膜である。
本実施の形態では、図6および図7に示すように、下地
膜3、フラックスガイド膜4、スピンバルブGMR膜の
フリー層15と酸化防止膜16の形成工程(図6の
(a))、熱処理工程(図6の(b))、スピンバルブ
GMR膜7〜12の形成工程(図7の(a)および
(b))から成る製造方法を説明する。以下に説明する
点以外は、実施の形態1と同様である。フラックスガイ
ド膜とスピンバルブGMR膜に関する標準的なプロセス
について図6および図7を参照して順に説明する。
【0023】基板1上に成膜し研磨したアルミナからな
る第1の保護膜2の上に下地膜3としてTaを5nm成
膜し、Co−Zr系非晶質合金に添加元素としてNbを
含み、その組成がCo88.0wt% Zr3.1wt
% Nb8.9wt%の軟磁性膜をフラックスガイド膜
4として18nm成膜し、フラックスガイド膜上に、N
i80wt% Fe20wt%をイオンビームスパッタ
リング法によりスピンバルブGMR膜のフリー層5とし
て厚さ5nm、Taを酸化防止膜16として厚さ5nm
にして一軸異方性磁界H1中で形成した。ここで、フラ
ックスガイドに用いる軟磁性膜の材料として実施の形態
1と同様にCoxZry1-x-y(ただし、0.65≦x
≦0.93、0≦y±0.20、x+y<1、RはC
r、Nb、Mo、HfおよびTaの群から選ばれる少な
くとも1種類の元素)を用いる。また、下地膜は、T
a、Ti、Zr、Cr、Wなどのうちから少なくとも1
種類の材料を用いても良い。NiFe膜の表面酸化防止
膜は、Cu、Ta、Ti、Zr、Cr、Wなどの内から
少なくとも酸化物、窒化物でない1種類の材料を用いて
も良い。
【0024】熱処理温度については実施の形態1と同様
で、熱処理温度Tは260℃から380℃の範囲にあれ
ば何℃でも良いが、本実施の形態では、熱処理温度Tを
300℃とした。
【0025】図7(a)においては、フリー層15とな
る軟磁性膜が形成されたのち、この軟磁性膜に対するエ
ッチング(RF Power 0.23W/cm2、基
板回転 50rpm、逆スパッタリング時間 95s、
アルゴン分圧 2.3mTorr)により厚さ8.2μ
mが除去された残りによってフリー層15とされた状態
が示されているが、フラックスガイド、フリー層の一部
を成膜後大気にさらされたり、熱処理を施すことによっ
てCoZrNb、NiFe両膜とも表面酸化していな
い。図8は、フリー層15の表面から深さ方向の元素分
布を示すオージェ電子分光分析結果であり、図において
正方形のプロットは酸素(O)、菱形のプロットはニッ
ケル(Ni)、円形のプロットはタンタル(Ta)をそ
れぞれ示している。図8に示すように、NiFe膜は表
面酸化していないが、Ta/NiFe界面が1.5nm
程度拡散しており、最低でもNiFeを1.5nmエッ
チングする必要がある。そこで、軟磁性膜の除去厚さ
(L2)はL2>1.5(nm)とした。本実施の形態
ではスピンバルブGMR膜を形成する際に、逆スパッタ
リング(RF Power 0.23W/cm2、基板
回転 50rpm、逆スパッタリング時間 95s、ア
ルゴン分圧 2.3mTorr)により酸化防止膜16
とスピンバルブGMR膜のフリー層15の軟磁性膜を
3.2nm除去したのちにフリー層17から順にDCマ
グネトロンスパッタリング法により磁界中成膜した。な
お、磁界方向は熱処理によりつけた一軸異方性に面内で
直交する方向である。
【0026】また、実施の形態1と同様に、図5に示し
たようにフラックスガイド単膜ではその厚さが10nm
であるため磁化困難軸方向のHcが1 Oe以下となる
が、実際に、スピンバルブGMR膜と積層させると最低
18nm以上の膜厚が必要である。本実施の形態ではフ
リー層のNiFe膜の成膜厚さを5nmとし、エッチン
グによるNiFe膜の除去厚さを3.2nmとした。エ
ッチング後、フリー層7となるNiFe4.2nm(フ
リー層15の残り1.8nmと合わせて6nm)、中間
膜8のCo(0.8nm)、導体膜9のCu(3n
m)、ピンド層10のCo(3.5nm)、反強磁性膜
11のIr78at% Mn22at%(10nm)、
第2の保護膜12(3nm)の順に成膜してスピンバル
ブGMR膜を形成した。以上に説明した製造方法により
作製したフラックスガイド付きスピンバルブGMR膜で
外部磁界による磁気抵抗変化を測定し、3.2%の磁気
抵抗効果を得た。
【0027】図9は、本実施の形態に示した構成で、フ
リー層15とフリー層17の配分を変えた場合の磁気抵
抗変化量を示した。
【0028】図9において、縦軸は磁気抵抗効果を表わ
し、横軸はフリー層の分割比率を表わしている。なお、
分割比率は分割比率=(熱処理後に成膜する膜厚)/
(全体の膜厚)である。図9に示したプロットのうち、
縦軸上のプロットP1(分割比率=0)は、分割せず熱
処理前にフリー層を成膜したデータを表わし、分割比率
=100となる最も右側のプロットP2は、分割せず熱
処理後にフリー層を成膜したデータを表わす。これよ
り、エッチングで除去したのちに残ったフリー層15の
膜厚d、フリー層15とフリー層17の合計膜厚Dの関
係が以下の関係式を満たすとき、抵抗変化量が、フリー
層15を成膜しない場合より大きくなることがわかる。 O<d<0.6D 単位nm (4)
【0029】このように限定する理由は、dがこの範囲
内であれば、フリー層を分割しないで熱処理後フリー層
を一度に成膜するよりも高いMR比が得られるためであ
る。
【0030】なお、ここでは、イオンビームスパッタリ
ング法とDCマグネトロンスパッタリング法により磁界
中で形成したが、成膜方法はRFスパッタリング、RF
マグネトロンスパッタリング、DCスパッタリングなど
の他の各種のスパッタリング法でも形成でき、蒸着法や
めっき法などでも良い。
【0031】実施の形態3 本発明の実施の形態1または2の製造方法によるフラッ
クスガイド膜とスピンバルブGMR膜を用いて磁気ヘッ
ドの一種である再生ヘッドを作成した例について説明す
る。図10は、かかる磁気ヘッドの構成を示した断面説
明図である。図10において、21は上シールド膜(第
2のシールド膜)であり、22は上ギャップ膜(第2の
ギャップ膜)であり、23は下ギャップ膜(第1のギャ
ップ膜)であり、24は下シールド膜(第1のシールド
膜)であり、25はリード線であり、その他、図1、
2、6および7に示した各要素と同一の要素にはそれぞ
れ同一の符号を付して示した。上シールド膜21および
下シールド膜24はいずれもCoZrNbを用いてそれ
ぞれ厚さ約1μmで形成されている。また、上ギャップ
膜22および下ギャップ膜23はいずれもAl23を用
いてそれぞれ厚さ約0.1μmで形成されている。さら
に、リード線はCuを用いて厚さ約0.2μmで形成さ
れている。
【0032】つぎに、図11は、図10に示した磁気ヘ
ッドからフラックスガイド膜4、フリー層5およびピン
ド層10を抜き出して表示し、それぞれの磁化方向の異
方性を概略的に示した斜視説明図である。矢印H1およ
びH2は、それぞれ互いに垂直な磁化方向を示してい
る。フラックスガイド膜4とフリー層5は、ピンド層1
0の磁化方向H1と同じ方向に一軸異方性がつくように
成膜したのち、熱処理により、磁化方向H2となるよう
に90°反転させられたものである。このようにして形
成した方が一軸異方性の分散が小さくなるので好まし
い。また、ピンド層10は、ピンド層10上の反強磁性
膜(図示せず)により固定されている。ピンド層10は
熱処理後に磁化方向H1に一軸異方性がつくように成膜
される。図11に示すようにシールド膜に付けられる一
軸異方性の向きは前記フラックスガイド膜とスピンバル
ブGMR膜のフリー層の一軸異方性の向きと同じにな
る。さらに、図11は、磁気ヘッドを作製する場合にフ
ラックスガイド膜4、フリー層7およびピンド層10が
上シールド膜21および下シールド膜24にはさまれて
いることを示すため、磁気ヘッドの構成のうち、これら
の膜を抜き出して表示し、磁化方向の異方性を概略的に
示した斜視説明図である。図11に示したように、上シ
ールド膜21および下シールド膜24の異方性の向き
は、いずれもフラックスガイド膜およびフリー層のそれ
と同じ向きである。
【0033】ここで、上下シールド膜の材料に前記スピ
ンバルブGMR膜を構成するNiFeや前記フラックス
ガイド膜のCoZrNbを用いる場合は磁気ヘッド製造
工程のうちウェハー工程の終了後、前記熱処理温度Tで
同様に再熱処理すればよい。実際には前記フラックスガ
イド膜とスピンバルブGMR膜のフリー層の一部を熱処
理する段階で下シールド膜の一軸異方性が付与されてい
るが、なんら問題はない。
【0034】一方、センダストや高Bs材のFeZr
N、FeTaNなどを下シールド膜に適用する場合は軟
磁気特性を出すための熱処理温度が500〜550℃と
高く、前記フラックスガイド膜とスピンバルブGMR膜
の構成材料の耐熱温度をはるかに超えている。このた
め、前記フラックスガイド膜とスピンバルブGMR膜を
形成する前に下シールド膜の熱処理を施す必要がある。
また、上シールド膜に前記スピンバルブGMR膜を構成
するNiFe(組成はNi80wt%、Fe20wt
%)や前記フラックスガイド膜のCoZrNbを用いれ
ば、前記フラックスガイド膜とスピンバルブGMR膜の
製造方法になんら影響しない。
【0035】ここで、下シールド膜に用いられる材料
は、たとえば組成がAl;5.4wt%、Si;9.6
wt%、残りはFeからなるセンダスト、組成がZr;
8.5wt%、N;12.5wt%、残りはFeからな
るFeZrN、組成がTa;7wt%、N;21wt
%、残りはFeからなるFeTaNである。これらの膜
は磁界中で形成するが、成膜方法はRFスパッタ、RF
マグネトロンスパッタ、DCスパッタ、イオンビームス
パッタなどなんでもよい。以上に説明した点以外は実施
の形態1または2にしたがって本発明のフラックスガイ
ド膜とスピンバルブGMR膜を用いてすぐれた磁気抵抗
効果を有する磁気ヘッドが得られた。
【0036】
【発明の効果】本発明による製造方法を用いれば、フラ
ックスガイド膜とスピンバルブGMR膜のフリー層間の
磁気的交換力を効率よく作用させ、媒体からの漏洩磁束
を感度良くスピンバルブGMR膜のフリー層の磁化回転
に交換することができるようになり、従って、フラック
スガイド膜を用いたGMRヘッドを実現できるようにな
る。
【0037】請求項1記載の磁気ヘッドの製造方法によ
れば、多層膜からなるスピンバルブGMR膜およびフラ
ックスガイド膜を少なくとも有する磁気ヘッドの製造方
法であって、前記フラックスガイド膜を形成したのち前
記スピンバルブGMR膜のうちの一層であるフリー層と
なる軟磁性膜を成膜してから所定の熱処理温度で磁界中
真空熱処理により前記フリー層となる軟磁性膜に所定の
一軸異方性を付与し、前記フリー層となる軟磁性膜の一
部をエッチング除去したのち前記スピンバルブGMR膜
の残りの膜層部分を形成し前記スピンバルブGMR膜を
形成する際、Tは前記熱処理温度、Tiは前記フラック
スガイド膜およびスピンバルブGMR膜を形成したのち
のプロセス最高温度、Txは前記フラックスガイド膜に
用いる軟磁性膜の耐熱温度、Tafは前記スピンバルブ
GMR膜のうちの一層である反強磁性膜の熱処理温度、
Tfは前記フリー層となる軟磁性膜の耐熱温度、L1は
前記フリー層となる軟磁性膜のエッチング除去厚さ、d
は前記フリー層となる軟磁性膜の一部のエッチング除去
後に残る膜厚、および、Dは最終的に形成される前記フ
リー層の膜厚をそれぞれ表すとすると、 Taf<T<Tx 単位℃ (1) Ti<T<Tf 単位℃ (2) 2<L1 単位nm (3) 0<d<0.6D 単位nm (4) Tが関係式(1)および(2)を同時に満たし、かつ、
L1およびdが関係式(3)および(4)を満たしてい
るので、フラックスガイド膜とGMRのフリー層の磁気
的交換結合作用が効率よく働くとともに大きな磁気抵抗
効果を得られる磁気ヘッドを得るという効果を得る。
【0038】請求項2記載の磁気ヘッドの製造方法によ
れば、前記熱処理温度Tが、 260≦T≦380 単位℃ (5) であるので、本発明の磁気ヘッドの製造中、フラックス
ガイド膜の一軸異方性を保持し得るという効果を得る。
【0039】請求項3記載の磁気ヘッドの製造方法によ
れば、多層膜からなるスピンバルブGMR膜およびフラ
ックスガイド膜を少なくとも有する磁気ヘッドの製造方
法であって、前記フラックスガイド膜と、前記スピンバ
ルブGMR膜のうちの一層であるフリー層となる軟磁性
膜とをこの順で成膜したうえに酸化防止膜を形成したの
ち、所定の熱処理温度で磁界中真空熱処理により前記フ
リー層となる軟磁性膜に所定の一軸異方性を付与し、前
記酸化防止膜と前記フリー層となる軟磁性膜の一部とを
除去したのち前記スピンバルブGMR膜の残りの膜層部
分を形成し前記スピンバルブGMR膜を形成する際、T
は前記熱処理温度、Tiは前記フラックスガイド膜およ
びスピンバルブGMR膜を形成したのちのプロセス最高
温度、Txは前記フラックスガイド膜に用いる軟磁性膜
の耐熱温度、Tafは前記スピンバルブGMR膜のうち
の一層である反強磁性膜の熱処理温度、Tfは前記フリ
ー層となる軟磁性膜の耐熱温度、dは前記フリー層とな
る軟磁性膜の一部のエッチング除去後に残る膜厚、Dは
最終的に形成される前記フリー層の膜厚、および、L2
は前記フリー層となる軟磁性膜の除去厚さをそれぞれ表
すとすると、 Taf<T<Tx 単位℃ (1) Ti<T<Tf 単位℃ (2) 0<d<0.6D 単位nm (4) 1.5<L2 単位nm (6) Tが関係式(1)および(2)を同時に満たし、かつ、
L2およびdが関係式(4)および(6)を満たしてい
るので、フラックスガイド膜とGMRのフリー層の磁気
的交換結合作用が効率よく働くとともに大きな磁気抵抗
効果を得られる磁気ヘッドを得るという効果を得る。
【0040】請求項4記載の磁気ヘッドの製造方法によ
れば、前記酸化防止膜が、Cu、Ta、Ti、Zr、C
rおよびWのうちのいずれか1つからなるので、NiF
e膜の表面酸化を防止し得るという効果を得る。
【0041】請求項5記載の磁気ヘッドの製造方法によ
れば、前記熱処理温度Tが、 260≦T≦380 単位℃ (5) であるので、本発明の磁気ヘッドの製造中、フラックス
ガイド膜の一軸異方性を保持し得るという効果を得る。
【0042】本発明の請求項6にかかわる磁気ヘッド
は、少なくとも第1のシールド膜および第1のギャップ
膜がこの順で基板上に設けられ、請求項1記載の磁気ヘ
ッドの製造方法にしたがって前記第1のギャップ膜上に
少なくとも前記フラックスガイド膜および前記スピンバ
ルブGMR膜がこの順で設けられ、さらに該スピンバル
ブGMR膜の少なくとも一部を覆って第2のギャップ膜
および第2のシールド膜がこの順で設けられかつ前記ス
ピンバルブGMR膜に接続するリード線が設けられてい
るので、フラックスガイド膜とスピンバルブGMR膜の
フリー層間の磁気的交換力を効率よく作用させ、媒体か
らの漏洩磁束を感度良くスピンバルブGMR膜のフリー
層の磁化回転に交換することができる磁気ヘッドを得る
という効果を得る。
【0043】本発明の請求項7にかかわる磁気ヘッド
は、少なくとも第1のシールド膜および第1のギャップ
膜がこの順で基準上に設けられ、請求項3記載の磁気ヘ
ッドの製造方法にしたがって前記第1のギャップ膜上に
少なくとも前記フラックスガイド膜および前記スピンバ
ルブGMR膜がこの順で設けられ、さらに該スピンバル
ブGMR膜の少なくとも一部を覆って第2のギャップ膜
および第2のシールド膜がこの順で設けられかつ前記ス
ピンバルブGMR膜に接続するリード線が設けられてい
るので、フラックスガイド膜とスピンバルブGMR膜の
フリー層間の磁気的交換力を効率よく作用させ、媒体か
らの漏洩磁束を感度良くスピンバルブGMR膜のフリー
層の磁化回転に交換することができる磁気ヘッドを得る
という効果を得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係わる磁気ヘッドの
製造方法の工程を表す説明図である。
【図2】 本発明の実施の形態1に係わる磁気ヘッドの
製造方法の工程を表す説明図である。
【図3】 本発明の実施の形態1、2に係わる熱処理温
度とフラックスガイド膜とスピンバルブGMR膜のフリ
ー層との交換結合力の関係を表す説明図である。
【図4】 本発明の実施の形態1に係わる表面酸化を示
す説明図である。
【図5】 本発明の実施の形態1、2に係わるフラック
スガイド膜およびフリー層の複合膜の磁気特性を示す説
明図である。
【図6】 本発明の実施の形態2に係わる磁気ヘッドの
製造方法の工程を表す説明図である。
【図7】 本発明の実施の形態2に係わる磁気ヘッドの
製造方法の工程を表す説明図である。
【図8】 本発明の実施の形態2に係わる表面酸化を示
す説明図である。
【図9】 本発明の実施の形態1、2に係わるフリー層
分割比率とフラックスガイド型スピンバルブGMR膜の
磁気抵抗効果との関係を示す説明図である。
【図10】 本発明の実施の形態3に係わる磁気ヘッド
の構成を示す説明図である。
【図11】 本発明の実施の形態3に係わる磁気ヘッド
の構成の一部を示す説明図である。
【図12】 本発明の実施の形態3に係わる磁気ヘッド
の構成の一部を示す説明図である。
【符号の説明】
1 基板、2 第1の保護膜、3 下地膜、4 フラッ
クスガイド膜、5,7,15,17 フリー層、8 中
間膜、9 導体膜、10 ピンド層、11 反強磁性
膜、12 第2の保護膜。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多層膜からなるスピンバルブGMR膜お
    よびフラックスガイド膜を少なくとも有する磁気ヘッド
    の製造方法であって、前記フラックスガイド膜を形成し
    たのち前記スピンバルブGMR膜のうちの一層であるフ
    リー層となる軟磁性膜を成膜してから所定の熱処理温度
    で磁界中真空熱処理により前記フリー層となる軟磁性膜
    に所定の一軸異方性を付与し、前記フリー層となる軟磁
    性膜の一部をエッチング除去したのち前記スピンバルブ
    GMR膜の残りの膜層部分を形成し前記スピンバルブG
    MR膜を形成する際、Tは前記熱処理温度、Tiは前記
    フラックスガイド膜およびスピンバルブGMR膜を形成
    したのちのプロセス最高温度、Txは前記フラックスガ
    イド膜に用いる軟磁性膜の耐熱温度、Tafは前記スピ
    ンバルブGMR膜のうちの一層である反強磁性膜の熱処
    理温度、Tfは前記フリー層となる軟磁性膜の耐熱温
    度、L1は前記フリー層となる軟磁性膜のエッチング除
    去厚さ、dは前記フリー層となる軟磁性膜の一部のエッ
    チング除去後に残る膜厚、および、Dは最終的に形成さ
    れる前記フリー層の膜厚をそれぞれ表すとすると、Tが
    つぎの関係式(1)および(2)を同時に満たし、か
    つ、L1およびdが関係式(3)および(4)を満たし
    てなる磁気ヘッドの製造方法。 Taf<T<Tx 単位℃ (1) Ti<T<Tf 単位℃ (2) 2<L1 単位nm (3) 0<d<0.6D 単位nm (4)
  2. 【請求項2】 前記熱処理温度Tが、 260≦T≦380 単位℃ (5) である請求項1記載の磁気ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 多層膜からなるスピンバルブGMR膜お
    よびフラックスガイド膜を少なくとも有する磁気ヘッド
    の製造方法であって、前記フラックスガイド膜と、前記
    スピンバルブGMR膜のうちの一層であるフリー層とな
    る軟磁性膜とをこの順で成膜したうえに酸化防止膜を形
    成したのち、所定の熱処理温度で磁界中真空熱処理によ
    り前記フリー層となる軟磁性膜に所定の一軸異方性を付
    与し、前記酸化防止膜と前記フリー層となる軟磁性膜の
    一部とを除去したのち前記スピンバルブGMR膜の残り
    の膜層部分を形成し前記スピンバルブGMR膜を形成す
    る際、Tは前記熱処理温度、Tiは前記フラックスガイ
    ド膜およびスピンバルブGMR膜を形成したのちのプロ
    セス最高温度、Txは前記フラックスガイド膜に用いる
    軟磁性膜の耐熱温度、Tafは前記スピンバルブGMR
    膜のうちの一層である反強磁性膜の熱処理温度、Tfは
    前記フリー層となる軟磁性膜の耐熱温度、dは前記フリ
    ー層となる軟磁性膜の一部のエッチング除去後に残る膜
    厚、Dは最終的に形成される前記フリー層の膜厚、およ
    び、L2は前記フリー層となる軟磁性膜の除去厚さをそ
    れぞれ表すとすると、Tがつぎの関係式(1)および
    (2)を同時に満たし、かつ、L2およびdが関係式
    (4)および(6)を満たしてなる磁気ヘッドの製造方
    法。 Taf<T<Tx 単位℃ (1) Ti<T<Tf 単位℃ (2) 0<d<0.6D 単位nm (4) 1.5<L2 単位nm (6)
  4. 【請求項4】 前記酸化防止膜が、Cu、Ta、Ti、
    Zr、CrおよびWのうちのいずれか1つからなる請求
    項3記載の磁気ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記熱処理温度Tが、 260≦T≦380 単位℃ (5) である請求項4記載の磁気ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも第1のシールド膜および第1
    のギャップ膜がこの順で基板上に設けられ、請求項1記
    載の磁気ヘッドの製造方法にしたがって前記第1のギャ
    ップ膜上に少なくとも前記フラックスガイド膜および前
    記スピンバルブGMR膜がこの順で設けられ、さらに該
    スピンバルブGMR膜の少なくとも一部を覆って第2の
    ギャップ膜および第2のシールド膜がこの順で設けられ
    かつ前記スピンバルブGMR膜に接続するリード線が設
    けられてなる磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 少なくとも第1のシールド膜および第1
    のギャップ膜がこの順で基板上に設けられ、請求項3記
    載の磁気ヘッドの製造方法にしたがって前記第1のギャ
    ップ膜上に少なくとも前記フラックスガイド膜および前
    記スピンバルブGMR膜がこの順で設けられ、さらに該
    スピンバルブGMR膜の少なくとも一部を覆って第2の
    ギャップ膜および第2のシールド膜がこの順で設けられ
    かつ前記スピンバルブGMR膜に接続するリード線が設
    けられてなる磁気ヘッド。
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