JP2666668B2 - 磁気抵抗効果型ヘッド - Google Patents

磁気抵抗効果型ヘッド

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JP2666668B2 JP4341744A JP34174492A JP2666668B2 JP 2666668 B2 JP2666668 B2 JP 2666668B2 JP 4341744 A JP4341744 A JP 4341744A JP 34174492 A JP34174492 A JP 34174492A JP 2666668 B2 JP2666668 B2 JP 2666668B2
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    • HELECTRICITY
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    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
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    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F10/324Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
    • H01F10/3268Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the exchange coupling being asymmetric, e.g. by use of additional pinning, by using antiferromagnetic or ferromagnetic coupling interface, i.e. so-called spin-valve [SV] structure, e.g. NiFe/Cu/NiFe/FeMn

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体から情報
を読み取る為の磁気ヘッドに関し、特に、磁気抵抗(以
下MRと称す)効果により情報を読み取る磁気ヘッドに
関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体からの情報を高い感度で読
み取ることのできる磁気抵抗(MR)効果を用いた磁気
ヘッドは、MR素子にバルクハウゼン雑音が生じること
により実用性が制限されている。この雑音は、MR素子
中の磁気抵抗効果を生じる部分(MR層)に複数の磁区
が生じ、ランダムな変化をすることによる。
【0003】この問題の解決策は米国特許番号4663
685の“Magnetoresistive HeadTransducer Having P
atterned Longitudinal Bias ”に記載されている。こ
れはMR層の端部領域のみに反強磁性膜による一方向交
換結合バイアス磁界を発生させ、これによってMR層の
端部領域を単磁区化し、この単磁区状態によって読取り
を行う中央領域での単磁区状態を誘導する。磁区発生が
抑制されるために、バルクハウゼン雑音は消滅する。
【0004】この従来例では、反強磁性膜としてFeMn合
金膜を使用している。MR層の単磁区化に対して適当な
FeMn合金膜としては、米国特許4103315や478
2413や5014147などに記載されている。これ
らはFeMn膜の組成、膜厚、結晶相について規定してい
る。しかし、平均結晶粒径については規定していない。
尚、この結晶粒径が厳密に全く均一ということは実際に
は不可能なので、ここでは、X線回折から求めることが
できる結晶粒径として、平均的な結晶粒径、すなわち、
平均結晶粒径とする。
【0005】次に、従来のMRヘッドについて図面を参
照して説明する。
【0006】図8はMRヘッドに用いられるMR素子の
構造を示す断面図、図8(a),図8(b)はMRヘッ
ドに用いられるMR素子の構造の各例を示す断面図、図
9はMRヘッドの構造を示す断面図、図10は従来例の
MRヘッドに用いられるMR素子の構造を示す断面図、
図11は従来例のMRヘッドの構造を示す断面図であ
る。
【0007】従来例のMRヘッドは、一例として図8
(a)に示す軟磁性膜21,非磁性膜22,MR膜2
3,反強磁性膜24の積層構造からなるMR素子のMR
膜23をNiFe膜33,反強磁性膜24をFeMn膜34と
し、図10に示す従来のMR素子を作製し、図9に示
すMRヘッドに適用している。その従来例のMRヘッド
の一例を図11に示す。
【0008】また、磁気抵抗効果型ヘッド(MRヘッ
ド)において、読取り時のノイズを低減するために施さ
れる中央領域を単磁区化するための方法は、特開昭62
−40610号公報に開示さいれている。この方法は、
MR膜にFeMnなどの反強磁性体膜を積層することによっ
て両膜の界面に発生する交換結合による一方向性の磁界
によって、中央領域にバイアス磁界を印加しこれを単磁
区化する、というものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のMRヘ
ッドでは、図8(a)に示すMR膜23をNiFe膜33、
反強磁性膜24をFeMn膜34とした場合、交換結合バイ
アス磁界(Hb )が250℃程度の熱処理により大幅に減
少するという問題が生じている。また、MRヘッドの製
造工程においては250 ℃程度の加熱工程(熱処理)が存
在するため、この工程によるHb の大幅な減少は、MR
膜の単磁区化を不安定にする。よって、バルクハウゼン
雑音発生をもたらす。
【0010】また、公知の特開昭62−40610号公
報のものに対して、我々が検討した結果、FeMn系の材料
を用いる場合、FeMn系膜を制御することなしにMR膜を
積層すると、特に、MRヘッドの製造において膜の歪を
除去しヘッドの効率を高めるために必要な熱処理(アニ
ール,anneal)を施すと、上記の交換結合磁界が
大幅に減少し、単磁区化出来なくなることが明らかとな
った。すなわち、特開昭62−40610号公報の方法
を用いても、読み取り時のノイズを低減することが出来
ない場合が多発することが判明した。そこで、さらなる
検討の結果、FeMn系の材料を用いる場合、上記交換結合
磁界はFeMn系膜の結晶粒径と密接に関連しており、熱処
理しても大きい交換結合磁界が得られるるためには、Fe
Mn系膜の結晶粒径が20nm以下であることが明らかとなっ
た。すなわち、FeMn系の薄膜を用いてMRヘッドのノイ
ズを低減するためには、その結晶粒径が20nm以下でなけ
ればならない。
【0011】この熱処理を介した交換結合磁界と結晶粒
径との関係は、従来は全く考えられていなかった概念で
あり、さらに、その相互間系は非常大きいことが判明し
た。そして、この交換結合磁界を安定化するために結晶
粒径を規定する本発明の磁気抵抗効果型ヘッドは、MR
ヘッドの特性の安定化,製造歩留まりの向上といった、
実質上、多大な利益をもたらす。
【0012】尚、熱処理とは、MRヘッドの製造におい
て、ヘッドの効率を向上させるために施す工程で、一般
に薄膜を用いた磁気ヘッドの製造工程で用いられる工程
であり、アニール(anneal)とも称する。
【0013】
【課題を解決するための手段】(1) 本発明の磁気抵抗効
果型ヘッドは、軟磁性膜と非磁性膜と磁気抵抗性膜と反
強磁性膜とからなり、基板上に軟磁性膜,非磁性膜,磁
気抵抗性膜,反強磁性膜の順に積層され、反強磁性膜が
素子の端部に存在するようにパタン化された磁気抵抗効
果素子を有する磁気抵抗効果型ヘッドにおいて、反強磁
性膜がFeMn合金であり、FeMn合金の平均結晶粒径が20nm
以下であることを特徴としている。 (2) 本発明の磁気抵抗効果型ヘッドは、磁気抵抗性膜と
非磁性膜と軟磁性膜と反強磁性膜とからなり、基板上に
磁気抵抗性膜,非磁性膜,軟磁性膜,反強磁性膜の順に
積層され、非磁性膜が素子の中央に、反強磁性膜が素子
の端部に存在するようにおのおのパタン化された磁気抵
抗効果素子を有する磁気抵抗効果型ヘッドにおいて、前
記反強磁性膜がFeMn合金であり、FeMn合金の平均結晶粒
径が20nm以下であることを特徴としている。 (3) 本発明の磁気抵抗効果型ヘッドは、上記(1) ,(2)
の反強磁性膜が、FeMn合金にTi,Cr,Ni,Zr,Nb,Mo,
Ru,Rh,Hf,Ta,W ,Re,Osの内から選択される少なく
とも一種類の元素を添加した合金であることを特徴とし
ている。
【0014】
【作用】本発明の磁気抵抗効果型ヘッドは、反強磁性膜
がFeMn合金、或は、FeMnにTi,Cr,Ni,Zr,Nb,Mo,R
u,Rh,Hf,Ta,W ,Re,Osの内から選択される少なく
とも一種類の元素を添加した合金であり、かつ、FeMn合
金、或は、FeMnにTi,Cr,Ni,Zr,Nb,Mo,Ru,Rh,H
f,Ta,W ,Re,Osの内から選択される少なくとも一種
類の元素を添加した合金の平均結晶粒径が20nm以下とな
っており、FeMn膜をNiFe膜上に形成する場合、FeMn膜は
NiFe膜にエピタキシャル成長するため、FeMn膜の結晶粒
を小さくするためにはNiFe膜の結晶粒を小さくする必要
がある。NiFe膜の結晶粒を小さくするためには、NiFe膜
が成長を開始する面をアモルファス構造とし、NiFe膜が
エピタキシャル成長しないようにすることが必要であ
る。即ち、図8(a)に示す構造のMR素子において
は、非磁性膜の表面をアモルファス構造とする。また、
図8(b)に示す構造のMR素子においては、非磁性膜
の表面をアモルファスとするとともに、MR膜であるNi
Fe膜の成長を開始する面(MR素子の下地表面)をもア
モルファスとする。また、図8(b)のとき軟磁性膜と
してはNiFeM 膜(M としては、Rh,Zr,Nb,Hf,Ta,Mo
の元素から選択される少なくとも一種類の元素)とす
る。図8(a)では軟磁性膜としてはCo系アモルファス
膜,NiFeM 膜などでよい。
【0015】以上の方法によって熱処理後のHb の減少
を抑制することが出来る。
【0016】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0017】図1は本発明の第一の実施例のMRヘッド
に用いられるMR素子の構造の一例を示す断面図、図2
はは本発明の第二の実施例のMRヘッドに用いられるM
R素子の構造の一例を示す断面図、図3は本発明の第三
の実施例のMRヘッドに用いられるMR素子の構造の一
例を示す断面図、図4は本発明の第一から第三の実施例
のMRヘッドの構造を示す断面図、図5は本実施例のM
Rヘッドに用いられるMR素子のFeMn膜の結晶粒径と交
換結合バイアス磁界の関係を示す図、図6は本実施例の
MRヘッドに用いられるMR素子のX線回折パタンを示
す図、図6(a)は試料1のMR素子のX線回折パタン
を示す図、図6(b)は試料2のMR素子のX線回折パ
タンを示す図、図6(c)は試料3のMR素子のX線回
折パタンを示す図、図6(d)は試料4のMR素子のX
線回折パタンを示す図、図7は本実施例のMRヘッドに
用いられるMR素子のNiFe膜の結晶粒径とFeMn膜の結晶
粒径との関係を示す図である。
【0018】ここで、図8(a),図8(b)に示すM
Rヘッドに用いられるMR素子は、従来技術の項で説明
したように、軟磁性膜21と、非磁性膜22と、MR膜
23と、反強磁性膜24とから構成されている。
【0019】まず、第一の実施例のMRヘッドについて
図面を参照して説明する。
【0020】図1において、この実施例のMRヘッドに
用いられるMR素子は、図8に示す軟磁性膜21がCoZr
Mo膜1a(以下、CoZrMo膜と称す)、非磁性膜22がTa
膜2(以下、Ta膜と称す)、MR膜23がNiFe膜3(以
下、NiFe膜と称す)、反強磁性膜24がFeMn膜4a(以
下、FeMn膜と称す)で構成されている。
【0021】ここで、軟磁性膜21をCoZrMo膜、非磁性
膜22をTa膜としたときの250 ℃での熱処理前後のHb
およびFeMn膜の平均結晶粒径を表1に示す。表1には更
に、Ta/NiFe/FeMn三層膜、NiFe/FeMn 二層膜の場合につ
いても示した。ここで、CoZrMo膜の膜厚は40nm、Ta膜厚
は10nm、NiFe膜厚は30nm、FeMn膜厚は50nmである。CoZr
Mo/Ta/NiFe/FeMn 四層膜は四層を連続成膜したものと、
Ta成膜後に250 ℃の熱処理(アニール,anneal)
を施した後にNiFe膜、FeMn膜を順次成膜したものとを作
製した。三層膜、二層膜はいずれも連続成膜した。
【0022】
【表1】
【0023】表1より、CoZrMo/Ta/NiFe/FeMn 四層膜を
連続成膜した素子(試料1)では、熱処理によりHb は
大幅に減少した。それに対して、Ta膜を成膜した後に熱
処理を施した素子(試料4)ではHb の減少はみとめら
れなかった。また、Ta/NiFe/FeMn三層膜(試料2)では
四層膜を連続成膜した素子同様Hb が大幅に減少し、Ni
Fe/FeMn 二層膜(試料3)ではHb の減少は認められな
かった。
【0024】このときのFeMn膜の平均結晶粒径は、熱処
理(アニール,anneal)によってHb が減少した
膜では20nm以上と大きく、Hb の減少のない膜では20nm
以下と小さかった。図5は熱処理前後のHb のFeMn膜の
平均結晶粒径依存性を示す。熱処理前のHb は結晶粒径
に依存せずに30Oe以上で一定である。それに対し、熱処
理後のHb は粒径に依存し、粒径が20nm以下の素子では
Hb の減少は見られないが、20nm以上では大幅に減少す
る。交換換結合磁界が30Oe未満となるとヘッドノイズ
(バルクハウゼンノイズ)が増大するので、図5から、
交換結合磁界を熱処理後も30Oe以上とする結晶粒径は20
nm以下にする必要がある。
【0025】図6(a)〜図6(d)に表1の試料1,
2,3,4の熱処理後のX線回折パタンを示す。熱処理
後のHb の減少が顕著であった試料1,2ではNiFe膜と
FeMn膜からの回折強度が非常に強く、結晶粒も大きい。
それに対してHb の減少がない3,4の試料では回折強
度が弱く、結晶粒は試料1,2に比べて小さい。熱処理
に対して安定なHb を得るためには、FeMn膜においては
試料3,4の結晶性が求められる。
【0026】図6のX線回折パタンから分かるように、
FeMn膜はNiFe膜上にエピタキシャル成長する。よって、
FeMn膜の結晶粒を小さくするためにはFeMn膜が成長する
下地であるNiFe膜の結晶粒を小さくする必要がある。Ni
Fe膜の結晶粒を小さくするためには、NiFe膜がエピタキ
シャル成長しないようにすることが必要である。CoZrMo
/Ta/NiFe/FeMn 四層連続膜、Ta/NiFe/FeMn三層連続膜で
図6に示したようにNiFe膜の結晶性が良好となったの
は、NiFe膜がTa膜上にエピタキシャル成長したためであ
ることが、断面の透過型電子顕微鏡写真によって確認さ
れている。それに対し、CoZrMo/Ta/NiFe/FeMn 四層膜で
もTa成膜後に熱処理を施した膜では、Ta表面にアモルフ
ァス構造の酸化物層が形成されたことによって、NiFe膜
がTa膜上にエピタキシャル成長出来なかったために結晶
粒の小さい膜となった。また、NiFe/FeMn 膜でもNiFe膜
が直接基板上にはエピタキシャル成長出来ないために、
結晶粒の小さい膜となった。
【0027】図7にFeMn膜とNiFe膜の平均結晶粒径の関
係を示す。NiFe膜の結晶粒を小さくすることによってFe
Mn膜の結晶粒を細かくすることができることが明かであ
る。
【0028】表1中の試料1および4のMR素子を図
9に示す構造のMRヘッドに適用して、図4に示すMR
ヘッドを作製した。基板25はAl2O3-TiC 材であり、基
板25上に約30μm 厚のアルミナ膜26を形成した。
MR素子への不要な磁界の進入を阻止するためのシー
ルド膜はNiFe膜であり、下シールド27の厚さは1μm
、上シールド30の厚さは1μm 、絶縁層28はアル
ミナ膜であり膜厚は0.1μm 、電極29は金膜であり膜
厚は0.2 μm である。トラック幅は3μm とした。
【0029】保磁力1800Oeの薄膜媒体に通常の薄膜イン
ダクティブヘッドにてトラック幅5μm で記録し、各々
のヘッドにより再生した。その結果、表1中の試料1の
MR素子によるMR再生信号にはバルクハウゼン雑音
が観測された。それに対して試料4のMR素子による
MR再生信号にはバルクハウゼン雑音は観測されず良好
な再生特性を示した。
【0030】FeMn膜の結晶粒の微細化によるHb 低減抑
制効果はMRヘッドのバルクハウゼン雑音の抑制に効果
的である。
【0031】また、非磁性膜22として、Ta膜以外のTi
膜やCr膜などの金属膜を用いた場合もTa膜と同様に、金
属膜成膜後に熱処理を施し金属膜表面にアモルファス構
造の酸化物層を形成することによって、FeMn膜の結晶粒
を微細化できる。また、金属膜の他に、アルミナ膜やシ
リカ膜などのアモルファス膜を用いた場合も同様の効果
が得られる。
【0032】次に、第二の実施例のMRヘッドについて
図面を参照して説明する。
【0033】図2において、この実施例のMRヘッドに
用いられるMR素子は、図8に示す軟磁性膜21がNiFe
Rh膜1b(以下、NiFeRh膜と称す)、非磁性膜22がTa
膜2(以下、Ta膜と称す)、MR膜23がNiFe膜3(以
下、NiFe膜と称す)、反強磁性膜24がFeMn膜4a(以
下、FeMn膜と称す)で構成されている。
【0034】ここで、軟磁性膜21がNiFeRh膜、非磁性
膜22がTa膜のときの、250 ℃での熱処理前後のHb お
よびFeMn膜の平均結晶粒径を表2に示す。表2において
試料5のMR素子はMR膜23であるNiFe膜の下地膜は
アルミナ膜であり、NiFe膜と接する面はアモルファスで
ある。一方、試料6の下地膜はTi膜でありNiFe膜と接す
る面は結晶である。試料5,6ともにNiFe膜厚は30nm、
Ta膜厚は20nm、NiFeRh膜厚は20nm、FeMn膜厚は50nmであ
る。下地膜表面がアモルファスである試料5ではFeMn膜
の結晶粒径が15nm前後と小さく、Hb の熱処理による変
化はほとんどない。それに対し、試料6ではFeMn膜の結
晶粒径が25nm前後と大きく、Hb の熱処理による減少が
著しい。
【0035】
【表2】
【0036】試料5および試料6のMR素子を図9に
示す構造のMRヘッドに適用して、図4に示すMRヘッ
ドを作製した。基板25はAl2O3-TiC 材であり、基板2
5上に約30μm 厚のアルミナ膜26を形成した。MR
素子への不要な磁界の進入を阻止するためのシールド
膜はNiFe膜であり、下シールド27の厚さは1μm 、上
シールド30の厚さは1μm 、絶縁層28はアルミナ膜
であり膜厚は0.1 μm、電極29は金膜であり膜厚は0.2
μm である。ただし、試料6のMR素子の場合は絶
縁層のアルミナ膜の表面にTi層を50nm形成した。トラッ
ク幅は3μm とした。
【0037】保磁力1800Oeの薄膜媒体に通常の薄膜イン
ダクティブヘッドにてトラック幅5μm で記録し、各々
のヘッドにより再生した。その結果、試料6のMR素子
によるMR再生信号にはバルクハウゼン雑音が観測さ
れた。それに対して試料5のMR素子によるMR再生
信号にはバルクハウゼン雑音は観測されず良好な再生特
性を示した。
【0038】続いて、第三の実施例のMRヘッドについ
て図面を参照して説明する。
【0039】図3において、この実施例のMRヘッドに
用いられるMR素子は、図8に示す軟磁性膜21がCoZr
Mo膜1a(以下、CoZrMo膜と称す)、非磁性膜22がTa
膜2(以下、Ta膜と称す)、MR膜23がNiFe膜3(以
下、NiFe膜と称す)、反強磁性膜24がFeMnCr膜4b
(以下、FeMnCr膜と称す)で構成されている。
【0040】ここで、軟磁性膜21がCoZrMo膜、非磁性
膜22がTa膜、反強磁性膜24がFeMnCr膜のときの、25
0 ℃での熱処理前後のHb およびFeMn膜の平均結晶粒径
を表3に示す。表3において試料7のMR素子はCoZrMo
膜、Ta膜、NiFe膜、FeMnCr膜を連続成膜し、試料8では
Ta成膜後に熱処理を施しTa表面にアモルファス構造の酸
化物を生成した後NiFe膜を成膜した。試料7,8ともに
NiFe膜厚は30nm、Ta膜厚は20nm、CoZrMo膜厚は30nm、Fe
MnCr膜厚は50nmである。試料8ではFeMnCr膜の結晶粒径
が15nm前後と小さく、Hb の熱処理による変化はほとん
どない。それに対し、試料7ではFeMnCr膜の結晶粒径が
23nm前後と大きく、Hb の熱処理による減少が著しい。
【0041】
【表3】
【0042】試料7および試料8のMR素子を図9に
示すMRヘッドに適用して、図4に示すMRヘッドを作
製した。基板25はAl2O3-TiC 材であり、基板25上に
約30μm 厚のアルミナ膜26を形成した。MR素子
への不要な磁界の進入を阻止するためのシールド膜はNi
Fe膜であり、下シールド27の厚さは1μm 、上シール
ド30の厚さは1μm 、絶縁層28はアルミナ膜であり
膜厚は0.1 μm 、電極29は金膜であり膜厚は0.2 μm
である。トラック幅は3μm とした。
【0043】保磁力1800Oeの薄膜媒体に通常の薄膜イン
ダクティブヘッドにてトラック幅5μm で記録し、各々
のヘッドにより再生した。その結果、試料7のMR素子
によるMR再生信号にはバルクハウゼン雑音が観測さ
れた。それに対して試料8のMR素子によるMR再生
信号にはバルクハウゼン雑音は観測されず良好な再生特
性を示した。
【0044】以上の結果は、FeMn膜にCr以外の元素とし
てTi,Ni,Zr,Nb,Mo,Ru,Rh,Hf,Ta,W ,Re,Osの
内から選択される少なくとも一種類の元素を添加した反
強磁性膜24の場合でも同様の効果が得られる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気抵抗
効果型ヘッドは、軟磁性膜と非磁性膜と磁気抵抗性膜と
反強磁性膜とからなり、基板上に軟磁性膜,非磁性膜,
磁気抵抗性膜,反強磁性膜の順に積層され、反強磁性膜
が素子の端部に存在するようにパタン化された磁気抵抗
効果素子を有する磁気抵抗効果型ヘッドにおいて、反強
磁性膜がFeMn合金であり、FeMn合金の平均結晶粒径を20
nm以下とすることにより、また、磁気抵抗性膜と非磁性
膜と軟磁性膜と反強磁性膜とからなり、基板上に磁気抵
抗性膜,非磁性膜,軟磁性膜,反強磁性膜の順に積層さ
れ、非磁性膜が素子の中央部に、反強磁性膜が素子の端
部に存在するようにおのおのパタン化された磁気抵抗効
果素子を有する磁気抵抗効果型ヘッドにおいて、反強磁
性膜がFeMn合金であり、FeMn合金の平均結晶粒径を20nm
以下にすることにより、反強磁性膜による磁気抵抗効果
膜へのバイアス磁界の熱処理による減少が抑制されるた
め、磁気抵抗効果型ヘッドのバルクハウゼン雑音が抑制
され、磁気抵抗効果型ヘッドの特性が安定化するという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例のMRヘッドに用いられ
るMR素子の構造の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の第二の実施例のMRヘッドに用いられ
るMR素子の構造の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の第三の実施例のMRヘッドに用いられ
るMR素子の構造の一例を示す断面図である。
【図4】本発明の第一から第三の実施例のMRヘッドの
構造を示す断面図である。
【図5】本実施例のMRヘッドに用いられるMR素子の
FeMn膜の結晶粒径と交換結合バイアス磁界の関係を示す
図である。
【図6】本実施例のMRヘッドに用いられるMR素子の
X線回折パタンを示す図である。 図6(a)は試料1のMR素子のX線回折パタンを示す
図である。 図6(b)は試料2のMR素子のX線回折パタンを示す
図である。 図6(c)は試料3のMR素子のX線回折パタンを示す
図である。 図6(d)は試料4のMR素子のX線回折パタンを示す
図である。
【図7】本実施例のMRヘッドに用いられるMR素子の
NiFe膜の結晶粒径とFeMn膜の結晶粒径との関係を示す図
である。
【図8】MRヘッドに用いられるMR素子の構造を示す
断面図である。図8(a),図8(b)はMRヘッドに
用いられるMR素子の構造の各例を示す断面図である。
【図9】MRヘッドの構造を示す断面図である。
【図10】従来例のMRヘッドに用いられるMR素子の
構造を示す断面図である。
【図11】従来例のMRヘッドの構造を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1a CoZrMo膜 1b NiFeRh膜 2 Ta膜 3 NiFe膜 4a FeMn膜 4b FeMnCr膜 21 軟磁性体 22 非磁性膜 23 MR膜 24 反強磁性膜 25 基板 26 アルミナ膜 27 下シールド 28 絶縁層 29 電極 30 上シールド 33 NiFe膜 34 FeMn膜 MR素子 従来のMR素子

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟磁性膜と非磁性膜と磁気抵抗性膜と反
    強磁性膜とからなり、基板上に軟磁性膜,非磁性膜,磁
    気抵抗性膜,反強磁性膜の順に積層され、反強磁性膜が
    素子の端部に存在するようにパタン化された磁気抵抗効
    果素子を有する磁気抵抗効果型ヘッドにおいて、前記反
    強磁性膜がFeMn合金であり、前記FeMn合金の平均結晶粒
    径が20nm以下であることを特徴とする磁気抵抗効果型ヘ
    ッド。
  2. 【請求項2】 磁気抵抗性膜と非磁性膜と軟磁性膜と反
    強磁性膜とからなり、基板上に磁気抵抗性膜,非磁性
    膜,軟磁性膜,反強磁性膜の順に積層され、非磁性膜が
    素子の中央に、反強磁性膜が素子の端部に存在するよう
    におのおのパタン化された磁気抵抗効果素子を有する磁
    気抵抗効果型ヘッドにおいて、前記反強磁性膜がFeMn合
    金であり、前記FeMn合金の平均結晶粒径が20nm以下であ
    ることを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記反強磁性膜が、FeMn合金にTi,Cr,
    Ni,Zr,Nb,Mo,Ru,Rh,Hf,Ta,W ,Re,Osの内から
    選択される少なくとも一種類の元素を添加した合金であ
    ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の磁気
    抵抗効果型ヘッド。
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