JPH11352955A

JPH11352955A - 鍵盤楽器の譜面立て装置

Info

Publication number: JPH11352955A
Application number: JP10160160A
Authority: JP
Inventors: Tetsuya Okano; 哲也岡野
Original assignee: Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Current assignee: Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Priority date: 1998-06-09
Filing date: 1998-06-09
Publication date: 1999-12-24

Abstract

(57)【要約】【課題】単純な構成で、譜面のセット角度を、演奏者
の体格、照明装置の位置や演奏者の好みなどに応じて、
最適に調整することができる鍵盤楽器の譜面立て装置を
提供する。【解決手段】譜面Ｍの下端を係止可能な譜面受け２
と、譜面Ｍの上端部を当接させるために、譜面受け２の
後方に立設された上前板６に、前方に突出して且つ上下
方向に移動設置可能に設けられた調整ストッパ３と、を
備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、鍵盤楽器の譜面立
て装置に関し、特にアップライトピアノなどに見られる
ような、譜面受けとその後方に立設された上前板との間
に譜面を立て掛けてセットするタイプの譜面立て装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】図６は、このタイプのアップライトピア
ノの譜面立て装置を示している。この譜面立て装置５１
では、鍵盤蓋５２の裏面に譜面受け５３が取り付けられ
ている。鍵盤蓋５２は、後端部を中心に回動式に開閉さ
れ、開放時には、その後方に立設された上前板５４に斜
めに立て掛けられる。譜面受け５３は、その後端部が鍵
盤蓋５２の裏面にヒンジ５５を介して回動自在に取り付
けられ、左右方向に延びており、鍵盤蓋５２の裏面に沿
って折りたたまれる非使用位置と、鍵盤蓋５２が開放さ
れた状態で手前側に倒され、ほぼ水平な角度に保持され
る使用位置との間で、折たたみ自在に構成されている。
また、譜面受け５３の先端部には、その使用位置におい
て上方に湾曲するような形状の受け部５３ａが形成され
ている。

【０００３】この譜面立て装置５１によれば、譜面Ｍを
見ながらピアノの演奏を行う場合には、同図に示すよう
に、鍵盤蓋５２を開放し、譜面受け５３を使用位置に回
動させるとともに、譜面Ｍの下端を譜面受け５３の受け
部５３ａに係止させ、譜面Ｍの上端を上前板５４の前面
に当接させることによって、譜面Ｍは、譜面受け５３と
上前板５４の間に斜めに立て掛けられた状態で支持さ
れ、セットされる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来の譜
面立て装置５１では、譜面Ｍの下端および上端を、譜面
受け５３の受け部５３ａおよび上前板５４にそれぞれ係
止、当接させることによって、譜面Ｍを支持するように
構成されているため、譜面Ｍをその高さに応じた一定の
角度でしかセットすることができない。このため、演奏
者の体格や照明装置の位置などによっては、譜面Ｍが見
にくくなるという問題がある。また、譜面Ｍのセット角
度に対する演奏者の好みにも、まったく対応することが
できない。

【０００５】本発明は、このような課題を解決するため
になされたものであり、単純な構成で、譜面のセット角
度を、演奏者の体格、照明装置の位置や演奏者の好みな
どに応じて、最適に調整することができる鍵盤楽器の譜
面立て装置を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の鍵盤楽器の譜面立て装置は、譜面の下端を
係止可能な譜面受けと、譜面の上端部を当接させるため
に、譜面受けの後方に立設された上前板に、前方に突出
して且つ上下方向に移動設置可能に設けられた調整スト
ッパと、を備えていることを特徴としている。

【０００７】この鍵盤楽器の譜面立て装置では、譜面の
下端を譜面受けに係止させ、譜面の上端部を上前板から
前方に突出する調整ストッパに当接させることによっ
て、譜面が譜面受けと調整ストッパの間に斜めに立て掛
けられた状態で支持され、セットされる。また、この調
整ストッパは、上下方向に移動設置可能に設けられてい
るので、調整ストッパの設置高さを変えることで、譜面
が調整ストッパに当接する高さを変えることができ、し
たがって、譜面のセット角度を所定の範囲内で調整する
ことができる。

【０００８】この場合、調整ストッパが、上前板に着脱
自在に取り付けられていることが好ましい。

【０００９】この構成によれば、ピアノを演奏しない場
合や、譜面を見ないで演奏する場合には、調整ストッパ
を上前板から取り外しておくことで、ピアノの外観を良
好に保つことができる。

【００１０】さらにこの場合、調整ストッパが、上前板
の上縁部に係合可能なフック部を上端部に有し、上下方
向に複数の係合部を並設した取付部材と、これら複数の
係合部に選択的に係合可能な係合部を有するストッパ本
体と、を備えていることが好ましい。

【００１１】この構成では、調整ストッパを、取付部材
とストッパ本体だけで、単純に構成できる。また、取付
部材のフック部を上前板の上縁部に引っ掛け、引き抜く
だけで、調整ストッパを上前板に簡単に着脱できるとと
もに、ストッパ本体の係合部を取付部材の複数の係合部
に選択的に係合させるだけで、その高さを簡単に調整す
ることができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を、図面を参照しながら、詳細に説明する。図１は、本
発明を適用したアップライトピアノの譜面立て装置を示
している。この譜面立て装置１は、譜面受け２と調整ス
トッパ３によって構成されている。

【００１３】この譜面受け２は、図６に示した譜面受け
５３と同様の構成のものであり、鍵盤蓋４の裏面に折た
たみ自在に取り付けられている。すなわち、鍵盤蓋４
は、左右の腕木５、５（右側のもののみ図示）間に配置
され、後端部を中心に回動式に開閉されるものであり、
開放時には上前板６に斜めに立て掛けられる。上前板６
は、腕木５の後ろ側に隣接し、その上端付近から立設さ
れていて、その上面は開閉自在の屋根前７で覆われてい
る。

【００１４】譜面受け２は、その後端部が鍵盤蓋４の裏
面にヒンジ８を介して回動自在に取り付けられ、左右方
向に延びており、鍵盤蓋４の裏面に沿って折りたたまれ
る非使用位置（図示せず）と、鍵盤蓋４が開放された状
態で手前側に倒され、ほぼ水平な角度に保持される使用
位置（図１に示す位置）との間で、折たたみ自在に構成
されている。また、譜面受け２の先端部には、その使用
位置において上方に湾曲するような形状の受け部２ａが
形成されている。ここまでの構成は、図６に示した従来
の構成と同様である。

【００１５】調整ストッパ３は、木製またはプラスチッ
ク製のものであり、これを上前板６に取り付けるための
取付部材９と、取付部材９に取り付けられたストッパ本
体１０とによって、構成されている。

【００１６】図２に示すように、取付部材９は、互いに
所定の間隔を隔てて、上下方向に延びる左右一対の脚部
１１、１１と、これらの上端間を連結する屋根部１２
と、屋根部１２の後端から下方に延びる左右一対のフッ
ク部１３、１３とで構成されており、フック部１３、１
３を上前板６の上縁部に引っ掛けることによって、調整
ストッパ３を上前板６に簡単に着脱できるようになって
いる（図１参照）。また、取付部材９の各脚部１１に
は、複数の丸い係合孔１４（係合部）が、上下方向に所
定の等間隔で並ぶように形成されている。

【００１７】一方、ストッパ本体１０は、ほぼ直角三角
形状の左右一対のストッパ板１５、１５と、これらの中
央部間を連結する連結ロッド１６で構成されている。図
３に示すように、各ストッパ板１５の背面には、上下の
ピン１７、１７（係合部）が所定の間隔を隔てて設けら
れており、各ストッパ板１５のピン１７を取付部材９の
両脚部１１の係合孔１４に差し込むことによって、スト
ッパ本体１０が取付部材９に取り付けられるとともに、
ピン１７を差し込む係合孔１４を変更することによっ
て、ストッパ本体１０の取付け高さを変えることができ
る。

【００１８】以上の構成の譜面立て装置１は、次のよう
にして使用される。すなわち、譜面Ｍを見ながらピアノ
の演奏を行う場合には、図１および図４に示すように、
調整ストッパ３のフック部１３を上前板６に引っ掛け
て、これを取り付けるとともに、鍵盤蓋４を開放し、譜
面受け２を使用位置に回動させる。次いで、譜面Ｍの下
端を譜面受け２の受け部２ａに係止させるとともに、譜
面Ｍの上端部を調整ストッパ３のストッパ板１５、１５
の斜めの当接面１５ａ、１５ａに当接させる。これによ
り、譜面Ｍは、譜面受け２と調整ストッパ３の間に斜め
に立て掛けられた状態で支持され、セットされる。

【００１９】また、この譜面立て装置１では、譜面Ｍの
セット角度αを、次のようにして簡単に調整することが
できる。すなわち、譜面Ｍのセット角度αを小さくした
い場合（譜面Ｍをより寝かせたい場合）には、ストッパ
本体１０のピン１７を取付部材９のより低い位置の係合
孔１４に係合させることによって、図４に実線で示すよ
うに、ストッパ本体１０の取付け高さを低くする。これ
により、譜面Ｍの上端部がストッパ板１５に当接する位
置が、より後ろ側且つ下側に移行するので、譜面Ｍのセ
ット角度αをより小さな角度に調整することができる。
逆に、譜面Ｍのセット角度αを大きくしたい場合（譜面
Ｍをより立てたい場合）には、ピン１７をより高い位置
の係合孔１４に係合させることで、同図に２点鎖線で示
すように、ストッパ本体１０の取付け高さを高くすれば
よい。

【００２０】また、ピアノを演奏しない場合や、譜面Ｍ
を見ないで演奏する場合には、フック部１３を上前板６
から引き抜くだけで、調整ストッパ３を簡単に取り外す
ことができ、それにより、ピアノの外観を良好に保つこ
とができる。

【００２１】図５は、本発明の第２実施形態を示してい
る。この実施形態は、上述した第１実施形態と比較し、
ストッパ本体の構成のみが異なるものである。具体的に
は、このストッパ本体２０は、１枚の板で構成されてお
り、その背面には、取付部材９の係合孔１４に係合可能
な左右一対のピン（図示せず）が設けられている。した
がって、この実施形態においても、第１実施形態と同
様、ピンを係合させる係合孔１４を変更することによっ
て、ストッパ本体２０の取付け高さを変え、譜面Ｍがス
トッパ本体２０に当接する高さを変えることができ、し
たがって、譜面Ｍのセット角度αを所定の範囲内で簡単
に調整することができる。

【００２２】なお、本発明は、説明した実施形態に限定
されることなく、種々の態様で実施することができる。
例えば、実施形態では、ストッパ本体１０に設けたピン
１７を取付部材９に形成した丸い係合孔１４に係合させ
ているが、これを凹凸逆にしてもよく、また、ピン１７
および丸い係合孔１４にそれぞれ代えて、フック状の爪
および縦長の矩形の係合孔を採用してもよい。さらに、
ストッパ本体の取付け高さを変更する手段として、上記
のような係合手段に代えて、ストッパ本体を取付部材に
対して上下方向にスライド自在に構成するとともに、そ
の任意の位置でストッパ本体をねじなどで固定するよう
にしてもよい。また、取付部材およびストッパ本体の形
状は、実施形態で例示したものに限らず、ストッパ本体
の取付け高さの変更に応じて譜面のセット角度を変えら
れるものであれば、任意である。

【００２３】また、実施形態では、調整ストッパを上前
板に着脱自在に取り付けているが、これを固定してもよ
い。さらに、実施形態は、本発明をアップライトピアノ
に適用した例であるが、本発明は、譜面受けと上前板の
間に譜面をセットするタイプの鍵盤楽器であれば適用可
能であり、例えば、アップライトピアノ型の電子ピアノ
にも勿論、適用することができる。その他、本発明の趣
旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能
である。

【００２４】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明の鍵盤楽器
の譜面立て装置は、単純な構成で、譜面のセット角度
を、演奏者の体格、照明装置の位置や演奏者の好みなど
に応じて、最適に調整することができるなどの効果を有
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施形態による譜面立て装置を備
えたアップライトピアノの部分側面図である。

【図２】図１の譜面立て装置の調整ストッパを示す斜視
図である。

【図３】図２の調整ストッパのストッパ本体を示す側面
図である。

【図４】図１の譜面立て装置による譜面のセット角度の
調整状況を説明するための側面図である。

【図５】本発明の第２実施形態による調整ストッパを示
す斜視図である。

【図６】従来の譜面立て装置を備えたアップライトピア
ノの部分側面図である。

【符号の説明】

１譜面立て装置２譜面受け２ａ受け部３調整ストッパ６上前板９取付部材１０ストッパ本体１３フック部１４係合孔１７ピン２０ストッパ本体Ｍ譜面

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】譜面の下端を係止可能な譜面受けと、前記譜面の上端部を当接させるために、前記譜面受けの
後方に立設された上前板に、前方に突出して且つ上下方
向に移動設置可能に設けられた調整ストッパと、を備えていることを特徴とする鍵盤楽器の譜面立て装
置。
【請求項２】前記調整ストッパが、前記上前板に着脱
自在に取り付けられていることを特徴とする、請求項１
に記載の鍵盤楽器の譜面立て装置。
【請求項３】前記調整ストッパが、前記上前板の上縁
部に係合可能なフック部を上端部に有し、上下方向に複
数の係合部を並設した取付部材と、これら複数の係合部
に選択的に係合可能な係合部を有するストッパ本体と、
を備えていることを特徴とする、請求項２に記載の鍵盤
楽器の譜面立て装置。