JPH11352899A - 防眩性ハードコートフィルム及びその製造方法 - Google Patents

防眩性ハードコートフィルム及びその製造方法

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JPH11352899A
JPH11352899A JP10162629A JP16262998A JPH11352899A JP H11352899 A JPH11352899 A JP H11352899A JP 10162629 A JP10162629 A JP 10162629A JP 16262998 A JP16262998 A JP 16262998A JP H11352899 A JPH11352899 A JP H11352899A
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hard coat
light
coat film
film
antiglare
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JP10162629A
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English (en)
Inventor
Miki Ueda
美希 植田
Yoshimi Inaba
喜己 稲葉
Hideo Nishino
秀郎 西野
Norihito Fukugami
典仁 福上
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フィルム若しくはシートに入射された平行光の
透過光の散乱特性が制御され、ギラツキ感が改良された
防眩性ハードコートフィルムとその製造方法を提供す
る。 【解決手段】透明プラスチック基材の片面に、微細な凹
凸構造を備えている防眩性ハードコートフィルムであ
り、防眩性ハードコートフィルムを透過した光の散乱特
性は、いずれか一方の面より平行光を入射した場合の透
過光の光軸の中心点からの光量分布が、 G(z)=k0 +k1 exp{〔−(z−k2 )/
3 2 } ‥‥〔式a〕 (但し、k0 , k1 ,k2 及びk3 は近似係数。半値幅
は1.66k3 。)に示すガウス曲線G(z)で近似さ
れた際の近似係数を用いて求められる半値幅に対して、
JIS(K7105)において定義されるヘーズ値の2
5倍以下なることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は各種の表示装置(本
明細書では表示装置のことをディスプレィとも記述す
る)、特にはLCD、CRT、PDP、ECD、EL
D、FEDあるいはLEDなどに代表されるような表示
装置の画面上に設けることにより防眩性を発揮させるの
に好適な防眩性ハードコートフィルムとその製造方法に
関する。
【0002】なお、本発明の防眩性ハードコートフィル
ムでいう「フィルム」とは、所謂フィルム状をなすもの
と所謂シート状をなすもの、これらいずれの場合をも意
味するものとする。
【0003】
【従来の技術】LCDあるいはCRTを始めとする前記
のような各種のディスプレイにおいて、画面に外部から
光が入射し、この光が画面表面に写り込み、表示画像を
見づらくするという欠点があった。これらの不具合を防
止すること(本明細書ではこれを単に「防眩」と記述す
る。)が、特に近年フラットパネルディスプレイの急速
な普及と大型化に伴い益々重要な課題となってきてい
る。この課題の解決は特に液晶表示体はそれ自信発光せ
ず、バックライトを内蔵しない限り、外光を利用して画
像表示を行わざるを得ないために、特に防眩を施すこと
は重要となってくる。
【0004】従来より、防眩性を付与する手段として
は、サンドブラスト加工法、エンボス加工法、あるいは
無機および有機の微粒子を配合してやる等の種々の方式
によってその表面に凹凸構造が形成されたフィルムもし
くはシート等からなる防眩層を表示装置に設ける試みが
提案されている。そして、ディスプレイの画面の見た目
のキメの細かさ感の付与や、画面を触った際のざらつき
感の解消のみならず、ディスプレイの高精細化に伴うギ
ラツキ感防止の為にも、画面の表面の凹凸構造のよりい
っそうの微細化の要求が高まっている(表面のこの微細
な凹凸構造のことを、本明細書では単に微細凹凸構造と
記述する)。即ち、防眩性ハードコートフィルムの表面
に形成された微細凹凸構造により防ごうとしても程度の
高低の差こそあれ発生してしまう画面のギラツキ感は、
例えばバックライト付きのLCDの場合、ディスプレイ
のバックライト光源からの光が、高精細化が進み以前よ
りもいっそう細かいピッチを持つカラーフィルターを透
過し、微細凹凸構造を備えた防眩性ハードコートフィル
ムを透過する際の屈折及び散乱に基づくものであり、そ
のギラツキ感の程度は、微細凹凸構造面の微細化の程度
のみならず、微細凹凸構造を形成する材料の形状や樹脂
との間の屈折率差等によって影響を及ぼされる。
【0005】しかしながら、そのギラツキ感の評価方法
といえば、ディスプレイ表面に防眩性ハードコートフィ
ルムを貼り付けた際に目視評価するといった官能評価が
一般的である。おおむね、ハードコートフィルム上に備
えられた微細凹凸構造の微細化の程度が低い程、即ち、
見た目のキメ細かさが粗いほどに、また、防眩性ハード
コートフィルムを構成する樹脂材料と微細凹凸構造を形
成する材料との間の屈折率差が大きくなるほど、光源か
らの光が微細凹凸構造を備えたハードコートフィルムを
透過した際の散乱の程度も高くなり、ギラツキ感は増大
することが知られている。そこで、ディスプレイの高精
細化に対応し、光源からの光の散乱が制御され、ギラツ
キ感が改良された防眩性ハードコートフィルムが求めら
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な従来の技術が抱えるフィルム若しくはシートに要求さ
れる課題を解決するためになされたものであり、フィル
ム若しくはシートに入射された平行光の透過光の散乱特
性が制御され、ギラツキ感が改良された防眩性ハードコ
ートフィルムとその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明が提供する手段は、まず請求項1に示す発明で
あり、透明プラスチックからなる基材の少なくとも片面
に、微細な凹凸構造を備えている防眩性ハードコートフ
ィルムにおいて、該防眩性ハードコートフィルムを透過
した光の散乱特性は、そのいずれか一方の面より平行光
を入射した場合の透過光の光軸の中心点からの光量分布
が、以下の〔式a〕に示すガウス曲線G(z)で近似さ
れた際の近似係数を用いて求められる半値幅に対して、
JIS(K7105)において定義されるヘーズ値の2
5倍以下なることを特徴とする防眩性ハードコートフィ
ルムである。 G(z)=k0 +k1 exp{〔−(z−k2 )/k3 2 } ‥‥〔式a〕 尚、ここでk0 , k1 ,k2 及びk3 はそれぞれ近似係
数であり、それから求められる半値幅は1.66k3
ある。
【0008】これによると、透明プラスチックからなる
基材の少なくとも片面に、微細な凹凸構造を備えている
防眩性ハードコートフィルムにおいて、フィルムを透過
した光の散乱特性を、平行光を微細凹凸が備えられた透
明プラスチックからなる基材の背面より入射し、透過光
の中心点からの光量分布が上記ガウス曲線G(z)で近
似された際の近似係数より求められる半値幅とJIS
(K7105) において定義されるヘーズ値との相関か
ら評価している。ここで、平行光を微細凹凸が備えられ
た透明プラスチックからなる基材の背面より入射し、透
過光の中心点からの光量分布が上記のガウス曲線G
(z)で近似された際の近似係数より求められる半値幅
が、JIS(K7105)において定義されるヘーズ値
の25倍をもしも超えると、光源からの光が微細凹凸構
造及び、または、微細凹凸構造材料による散乱の影響が
大きくなり、ギラツキ感を増大させ好ましくない。
【0009】より好ましくは、請求項2に示す発明であ
り、請求項1に記載の防眩性ハードコートフィルムを基
本構成として、前記防眩性ハードコートフィルムの材料
を成す樹脂組成物の少なくとも一成分が、紫外線硬化型
ポリマー、紫外線硬化型オリゴマー、もしくは紫外線硬
化型モノマーのうちのいずれかであることを特徴とする
ことで、ディスプレイ表面等に使用されるハードコート
フィルムに要求される硬度、耐擦傷性、耐薬品性等の特
性を得ることができる。
【0010】また、請求項3に示す発明によれば、請求
項1に記載の防眩性ハードコートフィルムを基本構成と
して、前記防眩性ハードコートフィルムの材料を成す樹
脂組成物の少なくとも一成分が、電子線硬化型ポリマ
ー、電子線硬化型オリゴマー、もしくは電子線硬化型モ
ノマーのうちのいずれかであることを特徴とすること
で、請求項2に示す発明と同様、ディスプレイ表面等に
使用されるハードコートフィルムに要求される、硬度、
耐擦傷性、耐薬品性等の特性を得ることができる。
【0011】また、請求項4に示す発明によると、請求
項1乃至3のいずれかに記載の防眩性ハードコートフィ
ルムを基本構成として、前記微細な凹凸構造が、少なく
とも有機か又は無機のいずれかの微粒子を用いて形成さ
れていることを特徴とする。
【0012】それから、請求項5に示すように、請求項
1乃至3のいずれかに記載の防眩性ハードコートフィル
ムを製造する方法であって、透明プラスチックからなる
基材の少なくとも片面に活性エネルギー線硬化型樹脂を
塗布し、これに活性エネルギー線を照射して活性エネル
ギー線硬化型樹脂を硬化させて活性エネルギー線硬化型
樹脂被膜層を形成し、しかる後に、該活性エネルギー線
硬化型樹脂被膜層に対してサンドブラスト加工法か又は
エンボス加工法のいずれかを施すことを特徴とする防眩
性ハードコートフィルムの製造方法である。サンドブラ
スト加工法やエンボス加工については、公知の技術を応
用できる。
【0013】さらに、請求項6に示すように、請求項1
乃至4のいずれかに記載の防眩性ハードコートフィルム
を製造する方法であって、活性エネルギー線硬化型樹脂
からなる微粒子が分散媒中に分散されてなる塗液を、透
明プラスチックからなる基材の少なくとも片面に塗布
し、しかる後に、該塗液が塗布された面に活性エネルギ
ー線を照射することにより硬化させることで活性エネル
ギー線硬化型樹脂被膜層を形成することを特徴とする。
【0014】概ね、微粒子としては、無機又は有機の微
粒子を好適に使用でき、活性エネルギー線硬化型樹脂を
(場合により前記の微粒子を分散させて)塗液化したも
のを塗布して被膜層を形成する際には、公知のコーティ
ング技術を好適に使用できる。
【0015】
【発明実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。ま
ず、防眩性ハードコートフィルム(もしくはシート)の
構成材料についてを、そして防眩性ハードコートフィル
ム(もしくはシート)製造方法についてを、順に述べ
る。
【0016】<防眩性ハードコートフィルムの構成材料
>図1に本発明に係わる防眩性ハードコートフィルムの
概要を示す。基材1としては透明プラスチックフィルム
もしくはシートの材料は特に限定されるものではなく、
適当な機械的剛性を持つ公知の透明プラスチックフィル
ムもしくはシートの中から適宜選択して用いることがで
きる。具体例としては、ポリエステル、ポリエチレン、
ポリプロピレン、セロファン、トリアセチルセルロー
ス、ジアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレ
ート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニ
ルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリスチレ
ン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリスル
フォン、ポリエーテルケトン、アクリル、ナイロン、フ
ッ素樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエー
テルスルフォン等のフィルムを挙げることができるが、
本発明に於いては、現在のところ特にトリアセチルセル
ロースフィルム、及び一軸延伸ポリエステルが透明性に
優れることに加えて、光学的に異方性がない点で好まし
い。
【0017】ハードコート層2を形成する活性エネルギ
ー線硬化型樹脂には特に制限はなく、活性エネルギー線
については紫外線や電子線硬化によりJIS(K540
0)において定義される鉛筆硬度H以上の塗膜を与える
樹脂であれば任意に使用することができる。このような
紫外線硬化型樹脂としては、例えば、多価アルコールの
アクリル酸又はメタクリル酸エステルのような多官能性
のアクリレート樹脂、ジイソシアネート、多価アルコー
ル及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエス
テル等から合成されるような多官能のウレタンアクリレ
ート樹脂などを挙げることができる。またこれらの他に
も、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹
脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹
脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリ
チオールポリエン樹脂等も必要に応じて好適に使用する
ことができる。
【0018】また、これらの樹脂の反応希釈剤として
は、比較的低粘度である1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等
の2官能以上のモノマー及びオリゴマー並びに単官能モ
ノマー、例えばN−ビニルピロリドン、エチルアクリレ
ート及びプロピルアクリレート等のアクリル酸エステル
類、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、
イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、
ヘキシルメタクリレート、イソオクチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、シクロヘキ
シルメタクリレート、ノニルフェニルメタクリレート等
のメタクリル酸エステル類、テトラヒドロフルフリルメ
タクリレート、及びそのカプロラクトン変成物などの誘
導体、スチレン、α−メチルスチレン、アクリル酸等及
びそれらの混合物、などを使用することができる。
【0019】本発明に於いて、活性エネルギー線が紫外
線である場合には、光増感剤(ラジカル重合開始剤)を
添加する必要があり、ベンゾイン、ベンゾインメチルエ
ーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプ
ロピルエーテル、ベンジルメチルケタールなどのベンゾ
インとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,
2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのアセトフ
ェノン類;メチルアントラキノン、2−エチルアントラ
キノン、2−アミノアントラキノンなどのアントラキノ
ン類;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサント
ン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオ
キサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベン
ジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノ
ン、4,4−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベ
ンゾフェノン類及びアゾ化合物などがある。
【0020】これらは単独または2種以上の混合物とし
て使用でき、更にはトリエタノールアミン、メタジエタ
ノールアミン等の第3級アミン;2−ジメチルアミノエ
チル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルなど
の安息香酸誘導体等の光開始助剤などと組み合わせて使
用することができる。有機過酸化物や光重合開始剤の使
用量は、前記樹脂組成物の重合成分100重量部に対し
て0.5〜20重量部、好ましくは1〜15重量部であ
る。
【0021】ハードコートフィルム表面上の微細凹凸構
造3は、例えばサンドブラスト加工、エンボス加工、あ
るいは無機又は有機微粒子の配合を調整する等の、種々
の方式により形成することができる。無機もしくは有機
の微粒子としては活性エネルギー線硬化型樹脂中で良好
な透明性を保持する微粒子であれば任意に使用すること
ができる。
【0022】無機微粒子として一般的には、シリカ、ア
ルミナ、チタニア、ジルコニアなどからなる微粒子が用
いられ、その中で防眩性や解像性、ハードコート性等の
点よりシリカ粒子、特に合成シリカ粒子が好ましい。定
型及び無定型シリカのいずれも使用することができる。
尚、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化ア
ンチモン等の導電性の透明微粒子も帯電性の付与に係わ
らず用いることができる。
【0023】また、有機微粒子としては粒子内部に適度
な架橋構造を有しており、活性エネルギー線硬化型樹脂
やモノマー、溶剤等による膨潤がない硬質な微粒子を用
いることができる。例えば、粒子内部架橋タイプのスチ
レン系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、アクリ
ル系樹脂、ジビニルベンゼン樹脂、シリコーン系樹脂、
ウレタン系樹脂、メラミン樹脂、スチレン−イソプレン
系樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、その他反応性ミクロゲ
ル等を使用することができる。透明微粒子の配合量は、
活性エネルギー線硬化型樹脂重量部あたり0.5〜20
重量部、好ましくは1〜15重量部である。
【0024】また必要に応じて公知の一般的な塗料添加
剤を配合することができる。例えば、レベリング、表面
スリップ性等を付与するシリコーン系、フッ素系の添加
剤は硬化膜表面の傷つき防止性に効果があることに加え
て、活性エネルギー線として紫外線を利用する場合は前
記の添加剤の空気界面へのブリードによって、酸素によ
る樹脂の硬化阻害を低下させることができ、低照射強度
条件下に於いても有効な硬化度合を得ることができる。
これらの添加量は活性エネルギー線硬化型樹脂100重
量部に対し0.01〜0.5部が適当である。
【0025】<防眩性ハードコートフィルムの製造方法
>ハードコート層の塗工方法は任意であるが、生産段階
ではロールコーター、リバースロールコーター、グラビ
アコーター、ナイフコーター、バーコーター等によるの
が一般的である。
【0026】活性エネルギー線源として紫外線を使用す
る場合は、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メ
タルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク
等の光源が利用できる。フィラーを含む場合や厚膜の硬
化にはメタルハライドランプが一般的に使用される。
【0027】また、電子線を利用して硬化する場合には
コックロフトワルト型、バンデクラフ型、共振変圧型、
絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波
型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000
keV、好ましくは100〜300keVのエネルギー
を有する電子線が利用できる。
【0028】本発明の防眩性ハードコートフィルムは、
前記透明プラスチック基材、ハードコート層の2層から
なる構造を有する。ハードコート層の樹脂には無機もし
くは有機微粒子を必要量、ディスパーミキサー、サンド
ミル等の公知の分散方法によって配合し、硬化後の膜厚
が0.5μm以上で、好ましくは10μm以下となるよ
うに塗工した後、活性エネルギー線照射によって硬化さ
せる。
【0029】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明につ
いて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。尚、「部」および「%」の表記
は特に断わりのない限りいずれも重量基準である。
【0030】<ハードコート層>以下の処方に示す電子
線硬化型の塗料組成物を、以下に述べる手順によって調
整した。まずトルエン/2―ブタノン=1/1の混合溶
媒に、平均粒径がそれぞれ1.9μm、2.5μm、
3.5μm、4.5μm及び5.0μmの5種類である
シリカ粒子を、それぞれディスパーミキサーを用いて高
速攪拌を行うことによってシリカ分散液を調整し実施例
1〜5の場合の各塗液サンプルを用意した。次いで、6
官能ウレタンアクリレートオリゴマーとトリメチロール
プロパントリアクリレートの混合溶液に前記各シリカ分
散液を攪拌しながら徐々に添加することによって調整し
た。
【0031】 6官能ウレタンアクリレートオリゴマー 40部 (商品名:U−6HA、新中村化学工業社製) トリメチロールプロパントリアクリレート 60部 (商品名:アロニックスM−309,東亜合成(株)製) トルエン 50部 2−ブタノン 50部 シリカ 5部 (実施例1/ 商品名:Sylysia530,粒径1.9μm、 実施例2/ 商品名:Sylysia436,粒径2.5μm、 実施例3/ 商品名:Sylysia445,粒径3.5μm、 実施例4/ 商品名:Sylysia446,粒径4.5μm、 実施例5/ 商品名:Sylysia456,粒径5.5μm、 いずれも富士シリシア社製)
【0032】次に厚さ80μmのトリアセチルセルロー
スフィルムの片面に、前記、電子線硬化型の塗料組成物
をワイヤーバーにて塗布し溶剤分を蒸発させて厚さ約
2.5μmの塗布層を形成した後、塗膜側より加速電圧
200keVの電子線を吸収線量3Mradの条件で硬
化処理することにより、ハードコート層を作成した。
【0033】<評価方法>得られた防眩性ハードコート
フィルムについて、前記各粒径のシリカが配合されたハ
ードコートフィルムのヘーズ値を測定した。尚、測定装
置は日本電色社製ヘーズメーター、SZ−Σ90。これ
らの防眩性ハードコートフィルムについて、以下の光学
系にて、He−Neレーザーがフィルムを透過した際の
透過光の散乱特性を評価した。図1にはその際の様子を
概略の概念図で示す。暗室にてHe−Neレーザー(M
ELLES GRAOT社製、波長543.5nm)
を、焦点距離;90mmの平凹レンズと、焦点距離50
0mm平凸レンズとで、光径5mmφの平行光とした。
そして、このとき2つのレンズ間にNDフィルターを入
れ、光量を全光の40%とした。このような入射光を上
記防眩性ハードコートフィルムの背面から入射し、フィ
ルムの位置から72cmの距離に離れた黒色板上に映し
出された透過光の散乱状態をCCDカメラで撮影した。
取り込まれた画像をデジタル化し、中心軸上の光量分布
を抽出、前記の〔式a〕に示すガウス曲線G(z)で近
似した際の近似係数より求められる半値幅を算出した。
【0034】ここで、もしHe−Neレーザーの光量が
40%を超えると、透過光の入射光径に相当する中心点
付近の光量が著しく大きくなり、散乱光の光量分布を評
価しにくくなった。また、逆にHe−Neレーザーの光
量が40%より小さいと、黒色板に映し出される散乱光
の強度が弱くなり、光量分布の信頼性が低下する可能性
があった。なお、入射光径としては、入射光が通過する
面積が極端に小さいと、微細凹凸構造の集合体であるフ
ィルムの散乱特性を得にくくなることから、5mmとし
た。また、実際に各粒径のシリカが配合されたハードコ
ートフィルムを10.4インチ, カラーフィルターのド
ットピッチが0.33のディスプレイ表面に張り合わ
せ、ギラツキ感を目視で確認した。
【0035】<評価の結果>各粒径のシリカが配合され
たハードコートフィルムのヘーズ値は、いずれも10%
付近の値であった。これらの各フィルムに背面からHe
−Neレーザーを入射した際の透過光の光量分布の半値
幅はそれぞれ、平均粒径1.9μmのシリカでは15
2、平均粒径2.5μmのシリカでは223、平均粒径
3.5μmのシリカでは254、平均粒径4.5μmの
シリカでは280、そして平均粒径5.5μmのシリカ
では312であった。平均粒径1.9μmのシリカを配
合したフィルムにおいては、He−Neレーザーの光量
が全光の40%であっても、散乱が小さく、入射光径に
相当する中心点付近の光量がその周辺の散乱光量に比較
し、著しく大きくなった。この為、中心点での光量を1
00とし、ガウス曲線G(z)で近似された際の近似係
数より求められる半値幅を用いて評価した。この半値幅
の値をヘーズ値で割った値、及び、実際にディスプレイ
表面に上記ハードコートフィルムを張りあわせた際のギ
ラツキ感を平均粒径5.5μmのシリカが配合されたフ
ィルムのギラツキ感を10とし、ギラツキ感の減少と共
に減点して評価した結果を(表1)に示す。
【0036】
【表1】
【0037】これより、シリカの平均粒径の増大と共に
半値幅は大きくなり、その値をヘーズ値で割った値が2
5以下となる平均粒径1.9μm及び2.5μmのシリ
カを配合したハードコートフィルムをディスプレイ表面
に張り合わせた際のギラツキ感が大きく改善されること
が解った。
【0038】
【発明の効果】上述の実施例の説明からも明らかなよう
に、本発明による透明プラスチック基材の少なくとも一
方の面に活性エネルギー線硬化型樹脂被膜層を設けたハ
ードコートフィルムであって、フィルム若しくはシート
に入射された平行光の透過光の散乱特性が制御され、ギ
ラツキ感が改良された防眩性ハードコートフィルムもし
くはシートを提供することができた。特にディスプレイ
表面に使用する場合には、微細凹凸構造により外光の映
り込みを防止すると共に、ディスプレイのバックライト
光源からの光がより高精細化が進むカラーフィルターの
細かいピッチを透過し、微細凹凸構造を備えたフィルム
を透過する際の屈折及び散乱に基づくギラツキ感を、入
射された平行光の散乱特性を制御することで改良が可能
となる。
【0039】総じて、本発明によると、表面に微細凹凸
構造を備え、入射された平行光の透過光の散乱特性が制
御され、ギラツキ感が改良された防眩性ハードコートフ
ィルムとその製造方法を提供することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に用いた、光学系の略図を示す。
【符号の説明】
1・・・He−Ne光源 2・・・平凹レンズ 3・・・フィルター 4・・・平凸レンズ 5・・・ハードコートフィルム 6・・・黒色板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福上 典仁 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明プラスチックからなる基材の少なくと
    も片面に、微細な凹凸構造を備えている防眩性ハードコ
    ートフィルムにおいて、 該防眩性ハードコートフィルムを透過した光の散乱特性
    は、そのいづれか一方の面より平行光を入射した場合の
    透過光の光軸の中心点からの光量分布が、以下の〔式
    a〕に示すガウス曲線G(z)で近似された際の近似係
    数を用いて求められる半値幅に対して、JIS(K71
    05)において定義されるヘーズ値の25倍以下なるこ
    とを特徴とする防眩性ハードコートフィルム。 G(z)=k0 +k1 exp{〔−(z−k2 )/k3 2 } ‥‥〔式a〕 尚、ここでk0 , k1 ,k2 及びk3 はそれぞれ近似係
    数であり、それから求められる半値幅は1.66k3
    ある。
  2. 【請求項2】前記防眩性ハードコートフィルムの材料を
    成す樹脂組成物の少なくとも一成分が、紫外線硬化型ポ
    リマー、紫外線硬化型オリゴマー、もしくは紫外線硬化
    型モノマーのうちのいずれかであることを特徴とする請
    求項1に記載の防眩性ハードコートフィルム。
  3. 【請求項3】前記防眩性ハードコートフィルムの材料を
    成す樹脂組成物の少なくとも一成分が、電子線硬化型ポ
    リマー、電子線硬化型オリゴマー、もしくは電子線硬化
    型モノマーのうちのいずれかであることを特徴とする請
    求項1に記載の防眩性ハードコートフィルム。
  4. 【請求項4】前記微細な凹凸構造が、少なくとも有機か
    又は無機のいずれかの微粒子を用いて形成されているこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の防眩
    性ハードコートフィルム。
  5. 【請求項5】透明プラスチックからなる基材の少なくと
    も片面に活性エネルギー線硬化型樹脂を塗布し、 これに活性エネルギー線を照射して活性エネルギー線硬
    化型樹脂を硬化させて活性エネルギー線硬化型樹脂被膜
    層を形成し、 しかる後に、該活性エネルギー線硬化型樹脂被膜層に対
    してサンドブラスト加工法か又はエンボス加工法のいず
    れかを施すことにより、請求項1乃至3のいずれかに記
    載の防眩性ハードコートフィルムを製造することを特徴
    とする防眩性ハードコートフィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】活性エネルギー線硬化型樹脂からなる微粒
    子が分散媒中に分散されてなる塗液を、透明プラスチッ
    クからなる基材の少なくとも片面に塗布し、 しかる後に、該塗液が塗布された面に活性エネルギー線
    を照射することにより硬化させることで活性エネルギー
    線硬化型樹脂被膜層を形成することにより、請求項1乃
    至4のいずれかに記載の防眩性ハードコートフィルムを
    製造することを特徴とする防眩性ハードコートフィルム
    の製造方法。
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JP2003066205A (ja) * 2001-08-28 2003-03-05 Nitto Denko Corp 光拡散層、光拡散性シート、光学素子および表示装置
KR20050101510A (ko) * 2004-04-19 2005-10-24 한장민 자외선 및 가시광선 투과율 조절용 기능성 고분자 필름제조 방법

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