JPH11352693A - レジスト組成物およびレジストパターンの形成方法 - Google Patents

レジスト組成物およびレジストパターンの形成方法

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JPH11352693A
JPH11352693A JP10159267A JP15926798A JPH11352693A JP H11352693 A JPH11352693 A JP H11352693A JP 10159267 A JP10159267 A JP 10159267A JP 15926798 A JP15926798 A JP 15926798A JP H11352693 A JPH11352693 A JP H11352693A
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JP
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group
resist
acid
resist composition
skeleton
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Application number
JP10159267A
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English (en)
Inventor
Atsushi Sone
篤 曽根
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ArFエキシマレーザーに対して高い透明性
を有し、かつ耐ドライエッチング耐性に優れ、安定して
優れたパターン形状を与えるレジスト組成物を提供す
る。 【解決手段】 酸発生剤と、この酸発生剤によって脱離
する基として脂環式炭化水素基およびラクトン構造を有
する基を有する構造単位ならびに少なくとも1個の酸素
原子、窒素原子またはイオウ原子を含む酸に安定な官能
基を有する構造単位を含む3元共重合体とを含有するレ
ジスト組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は3元共重合体を含む
新規なレジスト組成物および当該レジスト組成物を使用
したパターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の製造には、シリコンウエハ
表面にレジストを塗布して感光膜を形成する工程、光を
照射して潜像を形成する工程、次いでそれを現像してネ
ガまたはポジの画像を形成するリソグラフィー技術によ
って画像を得る工程が含まれる。ところで、IC、LS
I、更にVLSIへの半導体の高集積化、高密度化、小
型化、高速化が進むにつれ素子の微細加工に対する要求
は高まり、現在では0.5μm以下の微細パターンを形
成する技術が要求されている。しかしながら、近紫外線
や可視光線を用いる従来のリソグラフィーではこのよう
な微細パターンの形成がきわめて困難であり、歩留りの
低下も著しい。このため、波長350−450nmの近
紫外線光を利用する従来のリソグラフィーに代えて、露
光の解像度を高めるために、波長の短い遠紫外線(短波
長紫外線)、波長248nmのKrFエキシマレーザ、
波長193nmのArFエキシマレーザなどを用いるリ
ソグラフィー技術が研究されている。従来の近紫外線光
を利用するリソグラフィーでは、基体高分子としてノボ
ラック樹脂などのアルカリ可溶性フェノール樹脂が使用
されている。この樹脂は波長350−450nmの近紫
外線光に対する透過性は良好なものの、それより短波長
の遠紫外線光、真空紫外線光に対しては光を吸収するた
めに透過性が悪化し、またArFエキシマレーザーなど
更に短波長の光に対してはベンゼン環が光を吸収するた
めに透過率が極端に悪化し、十分な感度が得られない、
パターン形状が悪いといった問題点が知られている。し
たがって、短波長での透明性に優れた樹脂が求められて
おり、ベンゼン環を持たないメタクリル酸エステル系共
重合樹脂を用いることが検討されている。しかし、ベン
ゼン環を樹脂中に含まないとドライエッチング耐性が著
しく低下するという問題がある。この問題を解決するた
めに、エステル部分にアダマンタン骨格やノルボルナン
骨格を有する重合体が検討されている(特開平4−39
665号公報、特開平5−257284号公報、特開平
5−265212号公報、特開平7−234511号公
報)。また、エステル部分にアダマンタン骨格とラクト
ン骨格を有する共重合体も検討されている(特開平9−
90637号公報)。エステル部分にラクトン骨格を導
入するとレジスト特性が改良されるが、エステル部分に
ラクトン骨格を有するモノマーはその合成経路が複雑で
あり高価であることから、その導入量を軽減しつつ、同
等またはそれ以上のレジスト特性を維持できるレジスト
組成物を提供することが望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来技術のも
と、発明者らは、エステル部分に脂環式炭化水素基を有
するモノマーおよびラクトン骨格を有するモノマーに加
えて、酸に安定な官能基を含有するモノマーを使用して
3元共重合体とすることによって、エステル部分にラク
トン骨格を有するモノマーの添加量を軽減しても、感
度、ドライエッチング耐性、基板との密着性などのレジ
スト特性に優れたレジスト組成物が得られることを見い
だし、本願発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下式
(1)
【0005】
【化2】 (式中、M1、M2およびM3は三価の有機基であり;
B1、B2およびB3は単結合または炭素数1−10の
二価の有機基であり;A1およびA2は酸と反応して開
裂する結合を有する二価の有機基であり;Zは記載のC
と共に脂環式炭化水素基を完成するのに必要な複数個の
原子を表し;R1 は炭素数1−6の置換されていてもよ
いアルキル基であり;R2 は炭素数1−4の置換されて
いてもよいアルキル基であり;Qは少なくとも1個の酸
素原子、窒素原子またはイオウ原子を含む酸に安定な官
能基であり;2≦(m+n)≦4であり;p、qおよび
rは1〜10000である)で示される3元共重合体と
酸発生剤とを含有するレジスト組成物;および当該レジ
スト組成物を基板上に塗布する工程と波長180−25
0nmの光源を用いて露光する工程を含むことを特徴と
するパターン形成方法が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】(3元共重合体)本発明のレジス
ト組成物は式(1)で示される構造単位[I]、[I
I]および[III]を含む3元共重合体を含有する。
本発明によれば、構造単位[III]を導入することに
よって、合成経路が複雑であり高価であるラクトン骨格
を有する構造単位[II]の添加量を軽減することがで
き、かつ同等またはそれ以上のレジスト特性を得ること
ができる。
【0007】以下、式(1)の3元共重合体の各構造単
位について説明する。構造単位[I] M1 M1は3元共重合体の主鎖の一部を形成する単位である
三価の有機基であり、好ましくは下式(2)または
(3)で示され、さらに好ましくは下式(2)で示され
る。
【0008】
【化3】 (式中、R3 およびR4 は同一もしくは異なって水素原
子;置換されていてもよい低級アルキル基または−CO
6 で示される基(R6 は置換されていてもよい低級ア
ルコキシ基または例えばフェノキシ基、ベンジルオキシ
基などのアリールオキシ基である)、R5 は水素原子;
ハロゲン原子または置換されていてもよい低級アルキル
基)
【0009】R3 、R4 およびR5 は、好ましくは水素
原子または置換されていてもよい炭素数1−4のアルキ
ル基であり、さらに好ましくは水素原子またはメチル基
である。R6 は、好ましくは置換されていてもよい炭素
数1−4のアルコキシ基である。R3 、R4 、R5 およ
びR6 の置換基は特に限定されず、 適当な置換基として
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハ
ロゲン原子;メチル基、エチル基、イソプロピル基、t
−ブチル基などの炭素数1−4のアルキル基;メトキシ
基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、t−ブチルオ
キシ基などの炭素数1−4のアルコキシ基が挙げられ
る。
【0010】
【化4】 (式中、R5 は前記と同様である)
【0011】好ましい式(2)の具体例としては、下式
(4)や(5)で示される基が挙げられ、特に合成しや
すく透過性が良好である式(4)で示される基が好まし
い。なお、式中、R5 およびR6 は前記と同様である。
【0012】
【化5】
【0013】
【化6】
【0014】B1 B1は単結合または炭素数1−10の二価の有機基であ
る。二価の有機基の具体例としては、メチレン、エチレ
ン、プロパン−1,3−ジイル、プロパン−1,2−ジ
イル、ブタン−1,4−ジイル、ブタン−2,2−ジイ
ル、ペンタン−1,5−ジイル、へキサン−1,6−ジ
イル、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、2−メチ
ルシクロヘキシレンなどの鎖状または環状の置換されて
いてもよいアルキレン;ビニレン、プロペニレン、ブチ
ニレン、へキシニレン、2−クロロペンチニレン、3−
エチルヘキセニレン、シクロヘキセニレン、2−クロロ
シクロヘキセニレン、−CH=CH−CH=CH−、−
CH2 C=CHCH2 CH=CH−、−CCl=CH−
CH=CCl−などの鎖状または環状の置換されていて
もよいアルケニレン;置換されていてもよいフェニレ
ン;およびこれらが組合わされた二価の有機基が挙げら
れる。ただし、ベンゼン環を含む有機基はレジストの透
明性に悪影響を与えない範囲で存在することができる。
B1としては単結合、アルキレン、アルキニレンが好ま
しく、特に単結合が好ましい。置換基はR3 の置換基と
して挙げたものと同様である。
【0015】A1 A1は、酸と反応して開裂する結合を有する二価の有機
基である。酸はポリマー100重量部に対して、光酸発
生剤0.01−50重量部、好ましくは0.2−30重
量部、さらに好ましくは0.5−5重量部を含む化学増
幅型レジスト組成物において、エキシマレーザ光による
露光によって生じる酸である。好ましい光酸発生剤とし
てはトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスル
ホナートが挙げられ、また、好ましいエキシマレーザ光
はKrFエキシマレーザまたはArFエキシマレーザ、
より好ましくはArFエキシマレーザである。具体例と
しては、カルボニルオキシ基、オキシカルボニルオキシ
基、スルホニル基、アミド基、フェノキシ基が挙げら
れ、好ましくはカルボニルオキシ基、オキシカルボニル
オキシ基である。
【0016】脂環式炭化水素基 構造単位[I]は、下式に示した酸と反応して脱離する
脂環式炭化水素基を有する。
【0017】
【化7】
【0018】1 式(6)中、R1 は炭素数1−6の置換されていてもよ
いアルキル基、好ましくは、脱離後の基を安定化させる
効果を有する基であり、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、n−ブチル基などであり、さらに好ましくはメ
チル基またはエチル基である。置換基はR3 の置換基と
して挙げたものと同様であり、露光波長でのレジスト材
料としての透明性および重合体製造に用いるモノマーの
製造上の便利さから置換されていないものが好ましい。
【0019】CとZで構成される環構造 式(6)中、CとZで構成される環構造の基本骨格とし
ては、具体的には、単環式炭化水素骨格、縮合多環式炭
化水素骨格、架橋環式炭化水素骨格、スピロ炭化水素骨
格およびこれらの環系が集合した環集合炭化水素骨格が
挙げられる。
【0020】単環式炭化水素骨格としては、環を構成す
る炭素原子の数が3−15、好ましくは3−8、より好
ましくは5−6の飽和または不飽和の炭化水素骨格が挙
げられる。好ましくは、シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、シクロペンテンまたはシクロヘキセン骨格、より好
ましくはシクロペンタンまたはシクロヘキサン骨格を有
するものである。
【0021】縮合多環式炭化水素骨格としては、環を構
成する炭素原子の数が8−22、好ましくは8−18、
より好ましくは5−14の飽和または不飽和の炭化水素
基が挙げられる。環はオルソ縮合であってもオルソアン
ドペリ縮合であってもよい。好ましくは、パーヒドロペ
ンタレン、パーヒドロインデン、パーヒドロナフタレ
ン、パーヒドロアズレン、パーヒドロインダセン、パー
ヒドロアセナフチレン、パーヒドロフルオレン、パーヒ
ドロフェナレン、パーヒドロフェナンスレンまたはパー
ヒドロアントラセン骨格、より好ましくはパーヒドロペ
ンタレン、パーヒドロインデン、パーヒドロナフタレン
またはパーヒドロアントラセン骨格、さらに好ましくは
パーヒドロナフタレンまたはパーヒドロアントラセン骨
格を有するものである。
【0022】架橋環式炭化水素骨格は、2環系または多
環系のいずれであってもよく、さらに5員または6員の
単環式炭化水素骨格を有していてもよく、さらに飽和ま
たは不飽和のいずれであってもよい。架橋環を構成する
炭素原子の数は7−27、好ましくは7−22、より好
ましくは7−19である。好ましくは、アダマンタン骨
格または1個以上、好ましくは1−3個、より好ましく
は1−2個のノルボルナン骨格を有するものが挙げられ
る。
【0023】スピロ炭化水素骨格としては、環を構成す
る炭素原子の数が8−30、好ましくは8−20、より
好ましくは9−11の飽和または不飽和の炭化水素骨格
が挙げられる。スピロ原子の数は1−2個、好ましくは
1個である。スピロ[4.4]ノナン、スピロ[4.
5]デカンまたはスピロ[5.5]ウンデカン骨格を有
するものが好ましい。
【0024】環集合炭化水素骨格としては、上記した単
環式炭化水素骨格、縮合多環式炭化水素骨格、架橋環式
炭化水素骨格およびスピロ炭化水素骨格から選ばれた2
以上の環系が1重結合または2重結合、好ましくは1重
結合で直結したものが挙げられる。
【0025】上記の中でも、優れたドライエッチング耐
性を付与することから、架橋環式炭化水素骨格が好まし
い。
【0026】好ましい基本骨格の一例は下記に示すよう
なものである。
【0027】
【化8】
【0028】CとZで構成される環構造には置換基が結
合してもよく、その置換基はR3 の置換基として挙げた
ものと同様である。
【0029】構造単位[II] M2、B2、A2 構造単位[II]中、M2、B2、A2はそれぞれ前記
したM1、B1、A1と同様である。ラクトン骨格を有する基 構造単位[II]は、下式に示した酸と反応して脱離す
るラクトン骨格を有する基を含む。
【0030】
【化9】
【0031】2 、m、n 式(7)中、R2 は、炭素数1−4の置換されていても
よいアルキル基であり、好ましくはメチル基、エチル
基、n−プロピル基、n−ブチル基である。置換基はR
3 の置換基として挙げたものと同様であり、露光波長で
のレジスト材料としての透明性および重合体製造に用い
るモノマーの製造上の便利さから置換されていないもの
が好ましい。m、nは、2≦m+n≦4を満たす整数で
あり、好ましくはm+n=3である。ラクトン骨格には
2 以外の置換基が結合してもよく、その置換基はR3
の置換基として挙げたものと同様である。
【0032】構造単位[III] M3、B3 構造単位[III]中、M3、B3はそれぞれ前記した
M1、B1と同様である。 構造単位[III]は、少なくとも1個の酸素原子、窒
素原子またはイオウ原子を含む酸に安定な官能基を含
み、好ましくは、水酸基;カルボキシル基;シアノ基;
−CONH2 基;ホルミル基;これらのいずれかを有す
る置換されていてもよいアルキル基;およびオキシ基、
カルボニルオキシ基、オキシカルボニルオキシ基、カル
ボニルオキシカルボニル基のいずれかとアルキレンとか
らなる環状基からなる群から選択される基である。な
お、ここでいう酸はA1に関連して述べたものと同様で
あり、置換基はR3の置換基として挙げたものと同様で
ある。
【0033】その他の構造単位 3元共重合体には、本発明の目的を害さない範囲でレジ
ストの感度や解像度を高めるために上記した[I]およ
び[II]の酸に不安定な構造単位以外の下式(8)で
示される酸に不安定な構造単位を含めてもよい。
【0034】
【化10】
【0035】M4、B4、A4 式(8)中、M4、B4、A4はそれぞれ前記したM
1、B1、A1と同様である。
【0036】P* P*は、前記した脂環式炭化水素基およびラクトン構造
を有する基以外の基であって、酸と反応して脱離する基
である。具体的には、特公平2−27660号公報、特
公平5−69420号公報記載の3級アルキル基などが
挙げられる。より具体的には、t−ブチル基、t−アミ
ル基などの3級アルキル基;下式(9)で示される基な
どの置換アリル基;3−メチルピラニル基などのピラニ
ル基;テトラヒドロピラニル基などの環状エーテル基;
オキソシクロヘキシル基などの環状ケトン構造を有する
基が挙げられる。
【0037】
【化11】 (式中、R7 はそれぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原
子;ニトロ基;シアノ基;炭素数1−12の置換されて
いてもよいアルキル基、アルケニル基またはアルカジエ
ニル基である) アルキル基としては、好ましくはメチル基、エチル基、
イソプロピル基、t−ブチル基などが挙げられ;アルケ
ニル基としては、好ましくはビニル基、1−プロペニル
基、アリル基、1−ブテニル基、3−ブテニル基、1−
ペンテニル基、2−ペンテニル基、4−ペンテニル基、
ヘキセニル基などが挙げられ;アルカジエニル基として
は、好ましくは1,2−プロパジエニル基、1,3−ブ
タジエニル基、2,3−ブタジエニル基、1,3−ペン
タジエニル基、2,3−ペンタジエニル基、2,4−ペ
ンタジエニル基などが挙げられる。置換基はR3 の置換
基として挙げたものと同様である。
【0038】各構造単位のモル比 [I]、[II]および[III]で示される各構造単
位のモル比[I]/([II]+[III])は8/2
〜2/8であり、好ましくは6/4〜3/7である。ま
た、[II]および[III]で示される各構造単位の
モル比[II]/[III]は9.5/0.5〜3/
7、好ましくは9/1〜4/6である。さらに、[I]
/全酸不安定基は2/10〜9/10、好ましくは4/
10〜6/10である。構造単位[II]は基板との密
着性を付与するなどレジスト特性を高める機能を果たす
が、一方で合成工程が多く高コストであり、また、構造
中の酸素原子の比率が高いためにドライエッチング耐性
に関して悪影響を及ぼす場合がある。そこで、本発明で
は、短波長の露光光において透明性が高く、かつドライ
エッチング耐性も高い構造単位[I]に対して、構造単
位[II]に加えて同じく密着性付与効果を有する構造
単位[III]を上記のモル比で存在させて3元共重合
体とすることによって、構造単位[II]の添加量を軽
減して低コスト化を図ると共に、感度、耐ドライエッチ
ング耐性、基板との密着性などのレジスト特性に優れた
レジスト組成物を提供するものである。
【0039】重量平均分子量(Mw;以下、分子量とい
う)は、通常、2,000−30,000、好ましくは
3,000−25,000である。分散度(Mw/M
n)は、5.0以下、好ましくは4.0以下である。重
量平均分子量(Mw)及び分散度(Mw/Mn)が大き
すぎるとポリマーのレジスト溶媒への溶解性が低下し、
レジスト塗布時にレジスト膜が白濁したり、あるいは感
度や解像度などのレジスト特性が低下する傾向を示す。
重量平均分子量(MW)が小さすぎると、レジスト膜が
もろくなったり耐熱性が低下する傾向をしめす。なお、
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)は、屈
折計(RI)を用いたテトラヒドロフラン溶媒でのゲル
パーミエーションクロマトグラフィーにより測定された
ポリスチレン換算重量平均分子量およびポリスチレン換
算数平均分子量である。
【0040】3元共重合体の製造に使用するモノマー
は、上述した各構造単位のうち任意の必要な単位を与え
るモノマーであり、いずれも純度95%以上の高純度の
ものであることが好ましく、さらに好ましくは97%以
上である。モノマーの純度が低すぎると、生成する共重
合体の重量平均分子量(Mw)及び分散度(Mw/M
n)が大きくなり、感度や解像度などのレジスト特性が
低下する。モノマーを精製する方法は、特に限定され
ず、例えば、分別蒸留、分別沈殿、分別結晶、溶媒抽
出、吸着クロマトグラフィーなど各種の方法を挙げるこ
とができる。好ましいモノマーの一成分として本発明の
アクリルモノマーが挙げられる。
【0041】3元共重合体は、上記のモノマー成分を有
機溶媒中に溶解させ、重合開始剤の存在下、重合温度4
0−150℃、好ましくは60−90℃で、重合時間1
−24時間、好ましくは3−15時間反応させることに
より得ることができる。有機溶媒としては、例えば、テ
トラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;ベン
ゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類;アセトン、メ
チルエチルケトンなどのケトン類;四塩化炭素、クロロ
ホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化メチル類;ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどを挙げる
ことかできる。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で、
あるいは2種以上を組み合わせて使用することができ
る。これらの中でも、エーテル類が特に好ましい。
【0042】重合開始剤としては、例えば、過酸化ベン
ゾイル、t−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ジt−
ブチル、クメンヒドロペルオキシドなどの過酸化物;過
硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩;塩
化アルミニウム、塩化第二スズ、四塩化チタンなどの塩
化物;n−ブチルリチウム、ナフタリンナトリウムなど
のアルカリ金属塩;2,2’−アゾビスイソブチロニト
リル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4
−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−ア
ゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス(4−シア
ノペンタノイック酸)、アゾビスシクロへキサンカルボ
ニトリルなどのアゾ化合物;2,2’−アゾビス(2−
アミノジプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−ア
ゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)ジ
ヒドロクロライドなどのアミジン化合物;三フッ化ホウ
素ジエチルエーテラートなどが挙げられる。これらの中
でも、アゾ化合物が好ましい。
【0043】本発明では、不活性ガス雰囲気下または真
空下で、上記のモノマー成分と重合開始剤とを含有する
有機溶媒溶液を撹拌しながら重合反応させることが好ま
しく、重合反応を開始するに当たり、各成分を含む溶液
及び反応容器内から酸素を実質的に完全に除去すること
が好ましい。
【0044】重合開始剤は、市販品をそのまま使用する
のではなく、精製してから使用することが望ましい。精
製法としては、特に限定されないが、例えば、再結晶法
を挙げることかできる。例えば、アゾビスイソブチロニ
トリルなどのアゾ化合物を再結晶すると、99%以上の
高純度とすることができる。
【0045】不活性ガス雰囲気下、精製した重合開始剤
を使用すると、得られたポリマーの分子量が大きくなり
すぎず、分散も小さくできるため、レジスト用溶剤に対
する溶解性が適当であり、均一なレジスト溶液を調製す
ることが容易であり、また、感度や解像度などのレジス
ト特性が良好になる。
【0046】本発明は、上記した3元共重合体と酸発生
剤(酸発生化合物;PAG)を含有することを特徴とす
るレジスト組成物に関する。
【0047】酸発生剤 酸発生剤は特に限定されないが、例えばレジスト分野に
おいて通常使用される紫外線、KrFエキシマレーザや
ArFエキシマレーザによる遠紫外線、真空紫外線、電
子線、X線、レーザ光などの放射線の照射によりブレン
ステッド酸またはルイス酸を発生する光酸発生剤が挙げ
られ、例えば、オニウム塩、ハロゲン化有機化合物、キ
ノンジアジド化合物、α,α’−ビス(スルホニル)ジ
アゾメタン系化合物、α−カルボニル−α’−スルホニ
ルジアゾメタン系化合物、スルホン化合物、有機酸エス
テル化合物、有機酸アミド化合物、有機酸イミド化合物
などを使用することができる。
【0048】オニウム塩としては、ジアゾニウム塩、ア
ンモニウム塩、ジフェニルヨードニウムトリフレートな
どのヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウムトリフ
レートなどのスルホニウム塩、ホスホニウム塩、アルソ
ニウム塩、オキソニウム塩などが挙げられる。
【0049】ハロゲン化有機化合物としては、ハロゲン
含有オキサジアゾール系化合物、ハロゲン含有トリアジ
ン系化合物、ハロゲン含有アセトフェノン系化合物、ハ
ロゲン含有ベンゾフェノン系化合物、ハロゲン含有スル
ホキサイド系化合物、ハロゲン含有スルホン系化合物、
ハロゲン含有チアゾール系化合物、ハロゲン含有オキサ
ゾール系化合物、ハロゲン含有トリアゾール化合物、ハ
ロゲン含有2−ピロン系化合物、その他ハロゲン含有へ
テロ環状化合物、ハロゲン含有脂肪族炭化水素化合物、
ハロゲン含有芳香族炭化水素化合物、スルフェニルハラ
イド化合物などが挙げられる。より具体的には、トリス
(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス
(2,3−ジブロモ−3−クロロプロピル)ホスフェー
ト、テトラブロモクロロブタン、へキサクロロベンゼ
ン、へキサブロモベンゼン、へキサブロモシクロドデカ
ン、へキサブロモシクロドデセン、へキサブロモビフェ
ニル、アリルトリブロモフェニルエーテル、テトラクロ
ロビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、
テトラクロロビスフェノールAのビス(クロロエチル)
エーテル、テトラブロモビスフェノールAのビス(ブロ
モエチル)エーテル、ビスフェノールAのビス(2,3
−ジクロロプロピル)エーテル、ビスフェノールAのビ
ス(2,3−ジブロモプロピル)エーテル、テトラクロ
ロビスフェノールAのビス(2,3−ジクロロプロピ
ル)エーテル、テトラブロモビスフェノールAのビス
(2,3−ジブロモプロピル)エーテル、テトラクロロ
ビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールS、テ
トラクロロビスフェノールSのビス(クロロエチル)エ
ーテル、テトラブロモビスフェノールSのビス(ブロモ
エチル)エーテル、ビスフェノールSのビス(2,3−
ジクロロプロピル)エーテル、ビスフェノールSのビス
(2,3−ジブロモプロピル)エーテル、トリス(2,
3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)
−3,5−ジブロモフェニル)プロパンなどのハロゲン
系難然剤やジクロロジフェニルトリクロロエタン、ペン
タクロロフェノール、2,4,6−トリクロロフェニル
4−ニトロフェニルエーテル、2,4−ジクロロフェ
ニル 3’−メトキシ−4’−ニトロフェニルエーテ
ル、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、4,5,6,7
−テトラクロロフタリド、1,1−ビス(4−クロロフ
ェニル)エタノール、1,1−ビス(4−クロロフェニ
ル)−2,2,2−トリクロロエタノール、2,4,
4’,5−テトラクロロジフェニルスルフィド、2,
4,4’,5−テトラクロロジフェニルスルホンなどの
有機クロロ系農薬などが例示される。
【0050】キノンジアジド化合物の具体例としては、
1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸エステ
ル、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エ
ステル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン
酸エステル、2,1−ナフトキノンジアジド−4−スル
ホン酸エステル、2,1−ベンゾキノンジアジド−5−
スルホン酸エステルのようなキノンジアジド誘導体のス
ルホン酸エステルや1,2−ベンゾキノン−2−ジアジ
ド−4−スルホン酸クロライド、1,2−ナフトキノン
−2−ジアジド−4−スルホン酸クロライド、1,2−
ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸クロライ
ド、1,2−ナフトキノン−1−ジアジド−6−スルホ
ン酸クロライド、1,2ベンゾキノン−1−ジアジド−
5−スルホン酸クロライド等のキノンジアジド誘導体の
スルホン酸クロライドなどが挙げられる。
【0051】α,α’−ビス(スルホニル)ジアゾメタ
ン系化合物としては、未置換、対称的にまたは非対称的
に置換されたアルキル基、アルケニル基、アラルキル
基、芳香族基、またはへテロ環状基を有するα,α’−
ビス(スルホニル)ジアゾメタンなどが挙げられる。α
−カルボニル−α−スルホニルジアゾメタン系化合物の
具体例としては、未置換、対称的にまたは非対称的に置
換されたアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、芳
香族基、またはへテロ環状基を有するα−カルボニル−
α−スルホニルジアゾメタンなどが挙げられる。スルホ
ン化合物の具体例としては、未置換、対称的にまたは非
対称的に置換されたアルキル基、アルケニル基、アラル
キル基、芳香族基、またはへテロ環状基を有するスルホ
ン化合物、ジスルホン化合物などが挙げられる。有機酸
エステルとしては、カルボン酸エステル、スルホン酸エ
ステル、リン酸エステルなどが挙げられ、有機酸アミド
としては、カルボン酸アミド、スルホン酸アミド、リン
酸アミドなどが挙げられ、有機酸イミドとしては、カル
ボン酸イミド、スルホン酸イミド、リン酸イミドなどか
挙げられる。
【0052】上述したような光酸発生剤は、KrFエキ
シマレーザ用レジストにも用いられるものである。これ
らの中でも、ArFエキシマレーザの波長付近(18
5.5−220nm)の光吸収が少ないもの、例えば、
特開平7−199467号公報の第9−10欄に一般式
(II)または(III)で記載されたような化合物や
その具体例、すなわち、シクロヘキシルメチル(2−オ
キソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタン
スルホナート、ジシクロヘキシル(2−オキソシクロヘ
キシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナー
ト、2−オキソシクロヘキシル(2−ノルボルニル)ス
ルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、2−シク
ロヘキシルスルホニルシクロヘキサノン、ジメチル(2
−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメ
タンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフル
オロメタンスルホナート、ジフェニルヨードニウムトリ
フルオロメタンスルホナート、N−ヒドロキシスクシイ
ミドトリフルオロメタンスルホナート、フェニルパラト
ルエンスルホナート、次式(10)−(19)で示され
る化合物等が挙げられる。
【0053】
【化12】
【0054】
【化13】
【0055】
【化14】
【0056】
【化15】
【0057】
【化16】
【0058】
【化17】
【0059】
【化18】
【0060】
【化19】
【0061】
【化20】
【0062】
【化21】
【0063】これらの光酸発生剤は、それぞれ単独で、
あるいは2種類以上を組み合わせて用いることができ
る。光酸発生剤の配合割合は、3元共重合体100重量
部に対して、通常0.01−50重量部、好ましくは
0.2−30重量部、特に好ましくは0.5−5重量部
である。この範囲にあるときに良好なパターンが得ら
れ、好ましい。これらの光酸発生剤のうち、ベンゼン環
を含有する化合物は、多量に使用するとArFエキシマ
レーザ光の吸収が大きくなる傾向を示すので、それぞれ
単独で、あるいは他の光酸発生剤と併用する場合、その
配合割合を、3元共重合体100重量部に対して、0.
5−5重量部とすることが望ましい。
【0064】その他の添加剤 本発明のレジスト組成物には前記のポリマーおよび酸発
生剤に加えて、必要に応じてその他の添加剤を加えても
よく、たとえばアミン類を加えてもよい。アミン類を併
用すると、ArFエキシマレーザなどの短波長の活性光
線を露光源として用いた場合であっても、解像度、パタ
ーン形状、マスクリニアリティなどのレジスト特性を向
上させることができる。レジスト膜を高温でベークする
工程があることを考慮すると、アミン類は高沸点化合物
であることが好ましい。アミン類としては、分子量が1
00−240、好ましくは120−220、より好まし
くは140−200で、760mmHgでの沸点が20
0−350℃、好ましくは210−330℃のものであ
ることが望ましい。分子量が大きすぎると、一般に融点
が高くなる傾向にあり、保存時やアルカリ現像液による
現像時にアミン類が析出する可能性がある。逆に、小さ
すぎると、沸点が低くなってしまう。また、沸点が高す
ぎると、通常、分子量も大きく、形状がかさばるため膜
中での拡散が不十分となり、レジスト膜表面の難溶化層
の影響を受けて形状が低下するという問題があり、逆
に、沸点が低すぎると、パターン形成時のべーク温度で
揮発してしまい、十分な効果が得られない。
【0065】アミン類としては、具体的には、ノニルア
ミン、デシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシル
アミン、ペンタデシルアミンなどの脂肪族第一アミン
類;ジアミルアミンなどの脂肪族第二アミン類;トリブ
チルアミン、トリアミルアミンなどの脂肪族第三アミン
類;ジ(4−メチルベンジル)アミン、ジフェニルアミ
ン、トリベンジルアミンなどの芳香族アミン類;へキサ
メチレンテトラミンなどの環状脂肪族アミン類;などが
挙げられ、これらの中でも、ジフェニルアミンなどの芳
香族アミン類と、へキサメチレンテトラミンなどの環状
脂肪族アミン類が好ましい。
【0066】レジスト溶媒 前記ポリマーおよび酸発生剤を含有するレジスト組成物
は、溶媒に均一に溶解させて、レジスト溶液として用い
る。溶媒は、一般にレジスト組成物用の溶媒として使用
されているものを用いることができる。その具体例とし
ては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノ
ン、シクロへキサノンなどのケトン類;n−プロパノー
ル、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノー
ル、t−ブタノール、シクロヘキサノールなどのアルコ
ール類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレ
ングリコールジエチルエーテル、ジオキサンなどのエー
テル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチ
ルエーテルなどのアルコールエーテル類;ギ酸プロピ
ル、ギ酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオ
ン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エ
チルなどのエステル類;2−オキシプロピオン酸メチ
ル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロ
ピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチルなど
のオキシカルボン酸エステル類;セロソルブアセテー
ト、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブア
セテート、プロピルセロソルブアセテート、ブチルセロ
ソルブアセテートなどのセロソルブエステル類;プロピ
レングリコール、プロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエー
テルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエー
テルなどのプロピレングリコール類;ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのジエ
チレングリコール類;トリクロロエチレンなどのハロゲ
ン化炭化水素類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化
水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチ
ルピロリドンなどの極性溶媒などが例示される。これら
の溶媒は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合
わせて使用することができる。溶媒は、各成分を均一に
溶解するに足る量を使用する。また、レジスト組成物に
は、必要に応じて、保存安定剤、増感剤、界面活性剤な
どのストライエーション防止剤などの相溶性のある添加
剤を含有させることができる。
【0067】このレジスト組成物からなるレジスト膜に
放射線を照射(露光)すると、酸発生剤が酸を生成し、
その酸の作用を受けて、ポリマーの構造単位IおよびI
Iにおいて各保護基が脱離してカルボン酸などの極性基
を形成する。この結果、被照射部分(露光領域)の溶解
度が変化し、アルカリ水溶液や極性溶媒に対して可溶性
となる。したがって、このレジスト組成物はポジ型レジ
ストとして作用する。また、ポリマーの構造単位III
は上記酸の作用によっても脱離せず基板との密着性を維
持する。
【0068】現像液 現像液としては、通常、アルカリ水溶液を用いるが、そ
の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、ケイ酸ナトリウム、アンモニアなどの無機アルカリ
の水溶液;エチルアミン、プロピルアミンなどの第一ア
ミン類の水溶液;ジエチルアミン、ジプロピルアミンな
どの第二アミンの水溶液;トリメチルアミン、トリエタ
ノールアミンなどのアルコールアミン類の水溶液;テト
ラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアン
モニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒド
ロキシド、トリメチルヒドロキシメチルアンモニウムヒ
ドロキシド、トリエチルヒドロキシメチルアンモニウム
ヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウ
ムヒドロキシドなどの第四級アンモニウムヒドロキシド
の水溶液などが挙げられる。また、必要に応じて、上記
アルカリ水溶液に通常、メタノール、エタノール、プロ
パノール、エチレングリコールなど、好ましくはイソプ
ロパノールなどの水溶性有機溶媒、界面活性剤、樹脂の
溶解抑止剤などを添加することができる。
【0069】パターン形成方法 このレジスト組成物を用いてパターンを形成するには、
レジスト溶液を基板上に回転塗布などの方法で塗布し、
任意の膜厚(通常、乾燥膜厚で0.01μm−2μm程
度)の膜を形成させ、これを紫外線、KrFエキシマレ
ーザやArFエキシマレーザによる遠紫外線、真空紫外
線、電子線、X線、レーザ光などの放射線を光源として
用いて露光する。レジスト膜を形成した後、露光前にレ
ジストが熱により劣化しない範囲の温度、通常80−1
90℃、好ましくは100−170℃でベークすること
が好ましい。べーク温度が低すぎると、露光後のレジス
ト表面に難溶解層が発生し、逆に、高すぎると、レジス
ト膜の熱硬化や熱分解が起こるおそれがある。露光光源
として、マスクを介して露光できる180−250nm
の短波長領域の光源、特にArFエキシマレーザ光を用
いるとき、とりわけ良好な結果を得ることができる。さ
らに、露光後のベークを行うのが普通であるが、この露
光後ベークは、通常70−180℃程度である。現像
は、上述した現像液を用いればよい。
【0070】
【実施例】以下に本発明を実施例を参照して説明する。
なお、本願発明は下記の実施例によって限定されるもの
ではない。なお文中の部は特に断わりのない限り全て重
量基準である。
【0071】
【実施例1】耐圧サイダーびんに、2−メチル−2−ア
ダマンチルメタクリレート63.7部、メバロニックラ
クトンメタクリレート63.4部、イタコン酸無水物2
3.3部、及びメタノールで再結晶した精製2,2′−
アゾビスイソブチロニトリル19.7部を入れ、次い
で、1,4−ジオキサン267部を加え、テフロンバー
を入れて王冠せんで密栓し、その各成分をテフロンバー
で攪拌し、完全に溶解させて溶液とした。この溶液に窒
素ガスを10分間吹き込み(バブリング)、溶液内を含
む系内から酸素を完全に除去した。その後、耐圧サイダ
ーびんを80℃のオイルバスに浸漬して、重合反応を開
始した。溶液をテフロンバーで激しく攪拌しながら、8
0℃のオイルバスに8時間浸漬した。その後、室温に戻
し、圧抜きを行った後、脱栓した。得られた反応混合物
を攪拌された30000部のメタノール中に注ぎ、その
まま1時間攪拌し続け、その後攪拌を止め、放置した。
重合反応生成物がメタノール中で沈澱した。沈殿物をろ
紙で減圧ろ過した後、40℃の減圧乾燥機中で1晩乾燥
した。乾燥した重合反応生成物をテトラヒドロフラン5
00部に溶解し、次いで、その溶液を30000部のメ
タノール中に注いで、先と同じ様に処理して、ろ過、乾
燥した。このようにして、目的の3元共重合体を85.
7部得た。ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)
=9,153、分散度(Mw/Mn)=2.28であっ
た。この時の組成比は 1H−NMRの積分比から2−メ
チル−2−アダマンチルメタクリレート/メバロニック
ラクトンメタクリレート/イタコン酸無水物=48/4
1/11(モル比)であった。
【0072】
【実施例2】耐圧サイダーびんに、2−メチル−2−ア
ダマンチルメタクリレート93.7部、メバロニックラ
クトメタクリレート63.4部、メタクリロニトリル
5.4部、及びメタノールで再結晶した精製2,2′−
アゾビスイソブチロニトリル19.7部を入れ、次い
で、1,4−ジオキサン267部を加え、テフロンバー
を入れて王冠せんで密栓し、その各成分をテフロンバー
で攪拌し、完全に溶解させて溶液とした。以後の操作は
実施例1と同様にして、目的のポリマーを113.8部
(収率70%)得た。ポリスチレン換算の重量平均分子
量(Mw)=4,675、分散度(Mw/Mn)=1.
81であった。この時の組成比は 1H−NMRの積分比
から2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート/メ
バロニックラクトンメタクリレート/メタクリロニトリ
ル=51/40/9(モル比)であった。
【0073】
【実施例3】以下の実験は、イエローランプ下にておこ
なった。3元共重合体(実施例1)100重量部、トリ
フェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート
(光酸発生剤)2重量部、シリコン系界面活性剤50p
pm、ジフェニルアミン0.15重量部をプロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させ、孔
径0.1μmのテトラフルオロエチレン製フィルター
(ミリポア社製)でろ過して、レジスト溶液を調製した
(固形分13%)。得られたレジスト溶液を、ヘキサメ
チルジシラザンで前処理したシリコン基板上にスピンコ
ートし、140℃で60秒間プリベークして、膜厚0.
43μmのレジスト膜を形成した。このレジスト膜をA
rFエキシマレーザ露光装置(ニコン社製、NA=0.
55)で露光した後、120℃で60秒間ベークした。
次いで、2.38重量%テトラメチルアンモニウムハイ
ドロオキシド水溶液で60秒間現像した後、超純水でリ
ンスした。30mJ/cm2 の露光量により0.17μ
mのL&S(ライン&スペース)が解像できた。
【0074】
【実施例4】以下の実験は、イエローランプ下にておこ
なった。3元共重合体として実施例2で得たものを用い
たこと以外は実施例3と同様にしてレジスト膜を形成し
た。このレジスト膜をArFエキシマレーザ露光装置
(ニコン社製、NA=0.55)で露光した後、120
℃で60秒間ベークした。次いで、2.38重量%テト
ラメチルアンモニウムハイドロオキシド水溶液で60秒
間現像した後、超純水でリンスした。25mJ/cm2
の露光量により0.17μmのL&S(ライン&スペー
ス)が解像できた。
【0075】
【比較例1】以下の実験は、イエローランプ下にておこ
なった。実施例1で得た3元共重合体の代わりに2−メ
チル−2−アダマンチルメタクリレートとメバロニック
ラクトンメタクリレート共重合体(Mw=8,301,
Mw/Mn=1.90、2−メチル−2−アダマンチル
メタクリレート/メバロニックラクトンメタクリレート
=54/46(モル比))を用いたこと以外は実施例1
と同様にしてレジスト膜を形成した。このレジスト膜を
ArFエキシマレーザ露光装置(ニコン社製、NA=
0.55)で露光した後、120℃で60秒間ベークし
た。次いで、2.38重量%テトラメチルアンモニウム
ハイドロオキシド水溶液で60秒間現像した後、超純水
でリンスした。30mJ/cm2 の露光量で、ようやく
0.18μmのL&S(ライン&スペース)が解像でき
た。
【0076】
【発明の効果】本発明のレジスト組成物は、微細加工に
適したArFエキシマレーザによる露光が可能である。
しかも安定して優れたパターン形状が得られ、またエッ
チング耐性にも優れているため、高性能半導体の製造に
有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下式(1)で示される3元共重合体と酸
    発生剤を含有することを特徴とするレジスト組成物。 【化1】 (式中、M1、M2およびM3は三価の有機基であり;
    B1、B2およびB3は単結合または炭素数1−10の
    二価の有機基であり;A1およびA2は酸と反応して開
    裂する結合を有する二価の有機基であり;Zは記載のC
    と共に脂環式炭化水素基を完成するのに必要な複数個の
    原子を表し;R1 は炭素数1−6の置換されていてもよ
    いアルキル基であり;R2 は炭素数1−4の置換されて
    いてもよいアルキル基であり;Qは少なくとも1個の酸
    素原子、窒素原子またはイオウ原子を含む酸に安定な官
    能基であり;2≦(m+n)≦4であり;p、qおよび
    rは1〜10000である)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のレジスト組成物を基板上
    に塗布する工程と波長180−250nmの光源を用い
    て露光する工程を含むことを特徴とするパターン形成方
    法。
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