JPH11352172A - 高周波測定用基板 - Google Patents

高周波測定用基板

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JPH11352172A
JPH11352172A JP16216998A JP16216998A JPH11352172A JP H11352172 A JPH11352172 A JP H11352172A JP 16216998 A JP16216998 A JP 16216998A JP 16216998 A JP16216998 A JP 16216998A JP H11352172 A JPH11352172 A JP H11352172A
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signal conductor
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substrate
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武宏 奥道
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラジアルスタブによる等価的接地導体を用い
た従来の高周波測定用基板では、共振が生じるために測
定可能な周波数帯域が狭帯域化していた。 【解決手段】 下面の略全面に接地導体が形成された誘
電体基板31の上面に、マイクロストリップ線路の信号導
体32と、その先端近傍に設けた、信号導体32の中心線に
対して線対称な2つの略扇面形のラジアルスタブによる
等価的接地導体34・34’とが形成されて成り、等価的接
地導体34・34’の第1の側辺と信号導体32の中心線との
なす角度をθ1 、第2の側辺と信号導体32の中心線との
なす角度をθ2 としたとき、90°≦θ1 ≦180 °かつ3/
8 ≦θ2 /θ1 ≦5/8 とした高周波測定用基板である。
等価的接地導体34・34’におけるリアクタンス値を小さ
くできて低損失な透過周波数帯域を広く確保することが
でき、広帯域に低損失な特性を有する高周波測定用基板
とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマイクロストリップ
線路を用いた半導体素子や半導体素子収納用パッケージ
・回路基板のマイクロ波帯あるいはミリ波帯といった高
周波における電気的特性の測定に使用される高周波測定
用基板に関し、特に測定可能な周波数帯域を改善した広
帯域で低損失な高周波測定用基板に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波帯あるいはミリ波帯といった
高周波帯域における半導体素子や半導体素子収納用パッ
ケージ・回路基板の電気的特性の測定評価においては、
測定器側には、コプレーナ線路との接触により高確度測
定を可能としたウェハプローブが用いられる。一方、高
周波信号を用いる無線通信機器用等の高速ディジタル回
路や高周波回路もしくは高周波用半導体素子やそれを収
容する高周波用半導体素子収納用パッケージ等の被測定
物側の入出力部分の伝送線路はマイクロストリップ線路
が一般的である。このために、ウェハプローブを用いた
高周波における電気的特性の測定にはウェハプローブの
コプレーナ線路と被測定物のマイクロストリップ線路と
の接続を行なう線路変換部を設ける必要があり、この線
路変換部には被測定物の特性を高確度に抽出するために
低損失に高周波信号の伝送を行なうことが要求される。
【0003】従来、この線路変換部の構造としては、一
般にはコプレーナ線路部の信号導体幅ならびにグランド
導体幅はウェハプローブのヘッドが要求する寸法に対応
するように適切に設計され、その一端とマイクロストリ
ップ線路の一端とを相互の信号導体幅が滑らかに変化す
るように接続しており、コプレーナ線路の接地(グラン
ド)導体はマイクロストリップ線路の裏面の接地導体と
スルーホール導体あるいはビアホール導体といった貫通
導体を介して接続する構成であった。
【0004】例えば、図8に従来の線路変換部の構造の
例を平面図で示すように、比誘電率が9.6 の誘電体基板
1の裏面のほぼ全面に導体膜を被着形成して接地導体と
し、マイクロストリップ線路部の信号導体2の幅を190
μm、コプレーナ線路部の信号導体3の幅を160 μm、
コプレーナ線路部の信号導体3と接地導体4および4’
との間隔を135 μmとし、コプレーナ線路部の接地導体
4・4’を貫通導体である各々直径150 μmのスルーホ
ール導体5および5’を介して裏面の接地導体と電気的
に接続した構造のものが用いられる。そして、このよう
にスルーホールパッド構造としたコプレーナ線路部の接
地導体を全く同一形状でマイクロストリップ線路部を介
して鏡像対称に対向させたものの電気的特性を測定によ
り抽出すると、図9に線図で示すような周波数特性が得
られる。
【0005】図9において、横軸は周波数(単位:GH
z)、縦軸は入力した信号のうちの伝送された量の評価
指標としての透過係数(単位:dB)を示しており、特
性曲線は透過係数の周波数特性を示している。この結果
から、周波数が高くなるに従って透過係数が小さくな
り、信号の透過量が減少することが分かる。
【0006】また、上記のようにスルーホール導体ある
いはビアホール導体といった貫通導体を介さずにコプレ
ーナ線路とマイクロストリップ線路を線路変換して高周
波測定用基板として構成したものに、実用新案登録第25
07797 号「マイクロストリップライン回路測定治具」が
ある。同号公報によれば、図10に平面図で示すように、
その測定治具(測定用基板)10は、裏面に地導体を有す
る誘電体基板11上のマイクロストリップ線路12の先端を
ステップ状またはテーパ状に形成してその幅をプローブ
ヘッド13の中心導体幅に一致させて接続し、また、その
先端近傍に半円状または半円に近い扇形のラジアルスタ
ブ14による等価的グランドを形成してプローブヘッド13
の2つのグランドラインの導体に対応させ、かつラジア
ルスタブ14のスタブ半径を測定周波数の下限の約1/2
波長の実効長とする構成であった。
【0007】そして、このような構成によれば、プロー
ブヘッド13と測定治具10の結合にリボンボンディングや
上記の貫通導体のように変動する要素での接地導体間の
接続手段が介在しないので、測定データの良好な再現性
が得られるというものである。
【0008】この半円状または扇形のラジアルスタブ14
による等価的グランドの原理は、高周波回路における一
般的なラジアルスタブの現象と等価であるといえる。
【0009】すなわち、この内容はIEEE TRANSACTIONS
ON MICROWAVE THEORY AND TECHNIQUES, VOL.36, NO.7,
JULY 1988 " A Coplanar Probe to Microstrip Transit
ion" に基づくと、図11に平面図で示したような形状の
ラジアルスタブ15のリアクタンス値は、このラジアルス
タブ15が形成されている基板の厚みとラジアルスタブ15
の内径と外径・ラジアルの中心角・ラジアルを径方向へ
伝搬する場合の実効比誘電率・自由空間波長として次式
で表わされる。
【0010】
【数1】
【0011】
【数2】
【0012】
【数3】
【0013】
【数4】
【0014】
【数5】
【0015】ここで、Ji (x),Ni (x)はi次の
ベッセル関数である。
【0016】このような原理でラジアルスタブは高周波
における動作が完全反射状態に近くなって等価的なグラ
ンドとみなせるという効果があることから高周波測定用
基板における等価的グランドとしての応用が可能であ
り、実用新案登録第2507797 号のラジアルスタブ14はそ
のような効果を用いているものである。
【0017】次に、このようなラジアルスタブによる高
周波測定用基板の特性を抽出する。
【0018】図5はラジアルスタブを用いた従来の高周
波測定用基板の例を示す平面図であり、比誘電率が9.6
の誘電体基板21の裏面のほぼ全面に接地導体としての金
属膜を被着形成し、表面にマイクロストリップ線路の信
号導体22、コプレーナ線路の信号導体23および23’を形
成し、コプレーナ線路の接地導体24および24’を信号導
体23・23’から135 μmの間隔を設けて設置し、接地導
体24および24’はそれぞれ内径215 μm・外径580 μm
・中心角230 °の扇形のラジアルスタブとして形成して
いる。
【0019】この高周波用基板の電気的特性を測定によ
り抽出すると、図6および図7にそれぞれ線図で示す結
果が得られた。
【0020】図6において、横軸は周波数(単位:GH
z)、縦軸は入力した信号のうちの反射された量の評価
指標としての反射係数(単位:dB)を示しており、特
性曲線の内の実線はシミュレーションの結果を、破線は
実測値をそれぞれ示している。また、図7において、横
軸は周波数(単位:GHz)、縦軸は入力した信号のう
ちの伝送された量の評価指標としての透過係数(単位:
dB)を示しており、特性曲線の内の実線はシミュレー
ションの結果を、破線は実測値をそれぞれ示している。
これらの結果から、ラジアルスタブを等価的なグランド
として用いることにより、低損失な透過周波数帯域特性
を有する高周波測定用基板が得られることが分かる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の高周波測定用基板においては、図8に示し
たようなスルーホール導体やビアホール導体等の貫通導
体を用いたものの場合には、マイクロ波帯さらにはミリ
波帯という高い周波数帯域において貫通導体のインダク
タンス成分によりグランドが不安定となってしまう結
果、特性インピーダンスの不連続が生じ、入射信号に対
して反射が増大し、高周波信号の透過量が減少するとい
う問題点があった。
【0022】また、貫通導体の加工工程が必要であるた
めに高周波測定用基板の高精度な製造が困難であるとい
う問題点もあった。
【0023】また、図10や図5に示したように半円状ま
たは扇形のラジアルスタブによる等価的グランドを用い
た場合には、半円状または扇形の径方向の略中心位置の
周方向の長さが1波長の実効長に相当する周波数におい
て、周方向の電荷分布が半円状または扇形の周方向の端
部と中間部とで密度が高くなるという定在的分布となる
結果、共振が生じてしまうという問題点があった。この
ためにこの共振周波数近傍においては等価的グランドの
効果はほとんど生じなくなり、それによって特性インピ
ーダンスが不連続となる結果、入射信号に対して反射が
増大し、高周波信号の透過量が減少してしまうという問
題点があった。
【0024】さらに、この共振周波数が低損失の透過周
波数帯域内あるいはその近傍の周波数となる場合には、
測定可能な周波数帯域の狭帯域化という悪影響を及ぼす
という問題点もあった。
【0025】本発明は上記従来技術における問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的は、ラジアルスタブ
を等価的なグランドとして用いた高周波測定用基板にお
いて、ラジアルスタブの共振周波数を高周波側へいどう
させることにより低損失透過周波数帯域を広帯域化した
高周波測定用基板を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明の高周波測定用基
板は、誘電体基板の下面の略全面に接地導体が形成さ
れ、上面にマイクロストリップ線路の信号導体と、該信
号導体の先端近傍に設けた、信号導体の中心線に対して
線対称な2つの略扇面形のラジアルスタブによる等価的
接地導体とが形成されて成り、前記信号導体と等価的接
地導体とにそれぞれコプレーナ線路構造のウェハプロー
ブの信号導体と接地導体とを電気的に接続させる高周波
測定用基板であって、前記略扇面形の等価的接地導体
は、前記信号導体側の第1の側辺と前記信号導体の中心
線の延長方向とのなす角度をθ1 、他方側の第2の側辺
と前記信号導体の中心線の延長方向とのなす角度をθ2
としたとき、90°≦θ1 ≦180 °かつ3/8≦θ2 /θ
1 ≦5/8であることを特徴とするものである。
【0027】また、本発明の高周波測定用基板は、上記
構成において、前記2つの略扇面形の等価的接地導体の
中心点が同心であることを特徴とするものである。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の高周波測定用基板によれ
ば、コプレーナ線路構造のウェハプローブの接地導体と
接触させて電気的に接続させるために誘電体基板上面に
形成するラジアルスタブによる等価的接地導体を、信号
導体の中心線に対して線対称な2つの略扇面形の形状に
形成し、その略扇面形の等価的接地導体の2つの側辺に
ついて、信号導体側の元側の第1の側辺と信号導体の中
心線の先端側への延長方向とのなす角度をθ1 とし、他
方側すなわち信号導体の先端側の第2の側辺と信号導体
の中心線の延長方向とのなす角度をθ2 としたときに、
90°≦θ1 ≦180 °かつ3/8≦θ2 /θ1 ≦5/8と
したことにより、略扇面形の等価的接地導体における周
方向の定在的な電荷密度分布が、図5に示したような従
来の扇形のラジアルスタブによる等価的接地導体に比べ
て、より高周波側の周波数で生じることとなる。
【0029】そのため、従来のようなラジアルスタブに
よる等価的接地導体において半円形または扇形の径方向
の略中心位置の周方向の長さが1波長の実効長に相当す
る周波数が低損失な透過周波数帯域内の周波数となる場
合に周方向の電荷分布が半円形または扇形の周方向の端
部と中間部とで密度が高くなるという定在的分布となっ
て共振が生じてしまう場合と比較して、共振周波数を低
損失な透過周波数帯域の高周波側へ移動することができ
る。その結果、低損失な透過周波数帯域が広がることと
なるので、広帯域に低損失な特性を有する高周波測定用
基板となる。
【0030】また、誘電体基板上に形成された略扇面形
のラジアルスタブによる等価的接地導体において、前記
の角度θ1 およびθ2 の関係がθ2 /θ1 <3/8の場
合には、略扇面形においてその径方向の中央付近での周
方向の長さが1波長の実効長に相当する周波数が低損失
な透過周波数帯域内の周波数となる場合に、周方向の電
荷分布が略扇面形の周方向の端部と中間部とで密度が高
くなるという定在的分布となって生じる共振が低損失な
透過周波数帯域内に存在する問題がある。他方、θ2
θ1 >5/8の場合には、低損失な透過周波数帯域での
伝搬損失が増加するという問題がある。従って、3/8
≦θ2 /θ1 ≦5/8とすることによりこれらの問題を
なくすことができ、その結果、低損失な透過周波数帯域
を広く確保することとなるので、広帯域に低損失な特性
を有する高周波測定用基板となる。
【0031】なお、θ1 を90°≦θ1 ≦180 °とするの
は、2つのラジアルスタブの等価的接地導体間の容量的
結合(干渉)を極力抑えるためであり、また、ウェハプ
ローブの接触において支障のない構造とするためであ
る。
【0032】また、上記構成の本発明の高周波測定用基
板において、2つの略扇面形のラジアルスタブによる等
価的接地導体の中心、すなわち第1の側辺と第2の側辺
とを半径とし外周を円弧とする扇形の中心を同心とした
場合には、略扇面形の等価的接地導体における周方向の
定在的な電荷密度分布が、より高周波側の周波数で生じ
ることとなる。
【0033】そのため、従来のようなラジアルスタブに
よる等価的接地導体において半円形または扇形の径方向
の略中心位置の周方向の長さが1波長の実効長に相当す
る周波数が低損失な透過周波数帯域内の周波数となる場
合に周方向の電荷分布が半円形または扇形の周方向の端
部と中間部とで密度が高くなるという定在的分布となっ
て共振が生じてしまう場合と比較して、共振周波数を低
損失な透過周波数帯域の高周波側へ移動することができ
る。その結果、低損失な透過周波数帯域が広がることと
なるので、広帯域に低損失な特性を有する高周波測定用
基板となる。
【0034】以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明
する。
【0035】図1(a)〜(c)は、それぞれ本発明の
高周波測定用基板の実施の形態の例を示す平面図であ
る。これらの図において、31は裏面(下面)の略全面に
接地導体を被着形成した誘電体基板であり、32は誘電体
基板31の表面(上面)に形成されたマイクロストリップ
線路の信号導体である。33はコプレーナ線路部の信号導
体であり、マイクロストリップ線路の信号導体32とは電
気的に接続されて信号導体32の先端となっていて、コプ
レーナ線路構造のウェハプローブ(図示せず)の信号導
体をマイクロストリップ線路の信号導体32に接触させて
電気的に接続させる部分に相当する。
【0036】34および34’はマイクロストリップ線路の
信号導体32の先端近傍に設けた等価的接地導体であり、
信号導体32の中心線に対して線対称な2つの略扇面形と
したラジアルスタブ形状の導体パターンにより形成され
ている。この等価的接地導体34・34’の形状・寸法・位
置等は従来のラジアルスタブと同様に設定され、特に、
内周の形状については完全な扇面形をなす円弧状には限
らず、所望の高周波的な特性を満たすようにマイクロス
トリップ線路の信号導体32の先端形状やコプレーナ線路
部の信号導体33の形状に合わせて、両端部を延長する等
して適宜設定される。
【0037】ここで、図1(a)は、2つの等価的接地
導体34・34’をそれぞれの中心が信号導体32の先端であ
る信号導体33の両側に位置するように配置して形成した
例を、図1(b)は、図1(a)に対して2つの等価的
接地導体34・34’を信号導体32・33の先端側にずらせて
配置して形成した例を、図1(c)は、2つの等価的接
地導体34・34’の中心を同心とし、その中心が信号導体
33上に位置するように配置して形成した例を示してい
る。このように2つの等価的接地導体34・34’の配置に
ついては、図1(c)の2つの等価的接地導体34・34’
をその中心が信号導体33のさらに先の位置にくるように
配置するなど種々の位置関係に設定し得るものであり、
これら2つの等価的接地導体34・34’と信号導体33とに
電気的に接続させるコプレーナ線路構造のウェハプロー
ブとが接触できるような範囲において、測定の仕様等に
応じて適宜設定すればよい。
【0038】そして、これらの図に示すように、略扇面
形の等価的接地導体34の信号導体32側すなわち信号導体
32の元側の第1の側辺と信号導体32・33の中心線の延長
方向とのなす角度、すなわち信号導体32・33の中心線の
先端方向へ延長した側から見た第1の側辺までの角度を
θ1 とし、他方側すなわち信号導体32・33の先端側の第
2の側辺と信号導体32・33の中心線の延長方向とのなす
角度、すなわち信号導体32・33の中心線の先端方向へ延
長した側から見た第1の側辺までの角度をθ2としたと
きに、90°≦θ1 ≦180 °かつ3/8≦θ2 /θ1 ≦5
/8としたことが本発明の高周波測定用基板の特徴であ
り、これにより、前述のように広帯域に低損失な特性を
有する高周波測定用基板とすることができる。
【0039】なお、これらθ1 ・θ2 については等価的
接地導体34と線対称に形成されたもう一方の等価的接地
導体34’についても同様であることはいうまでもない。
【0040】また、等価的接地導体34・34' の寸法や形
状・位置等は、高周波的に悪影響を与えずかつ透過周波
数帯域よりも低周波側の周波数で定在的な電荷密度分布
が生じるように適宜設定すればよく、例えば、裏面の接
地導体との高周波的な結合を極力強く(多く)すること
によって広帯域となるために、ラジアル角を大きくとる
ことから、その幅は径方向の長さよりも短くして径方向
に沿った形状となるようにする。
【0041】
【実施例】次に、本発明の高周波測定用基板について具
体例を説明する。
【0042】まず、比誘電率が9.6 のアルミナセラミッ
クスから成る誘電体基板31に対して裏面のほぼ全面にわ
たる金属膜を被着形成した。また、誘電体基板31の上面
にマイクロストリップ線路の信号導体32を形成し、その
先端にコプレーナ線路部33を信号導体の中心から接地導
体までの距離を105 μmとして形成し、マイクロストリ
ップ線路の信号導体32の先端と電気的に接続した。さら
に、コプレーナ線路部の信号導体33(マイクロストリッ
プ線路の信号導体32の先端)の近傍に信号導体の幅方向
の中点を中心として、内径105 μm・外径400 μm・中
心角65°の扇形のラジアルスタブをθ2 が65°(θ1
130 °)となる様に等価的接地導体34および34' として
形成することにより、図1(c)に示すような、本発明
の高周波測定用基板の試料を作製した。ここで、等価的
接地導体34・34’の中心角が異なることによる特性の比
較を行なうために、θ1 を130 °で一定としてθ2 を以
下の通りに設定して、それぞれ試料A〜試料Jを作製し
た。
【0043】 試料名 θ2 A・・・45° B・・・50° C・・・55° D・・・60° E・・・65° F・・・70° G・・・75° H・・・80° I・・・85° J・・・90° そして、これら試料A〜試料Jについて、電磁界シミュ
レーションにより、マイクロストリップ線路のコプレー
ナ線路に接続しない端部からコプレーナ線路のマイクロ
ストリップ線路に接続しない端部への周波数に応じた特
性を抽出し、抽出した特性から、入力した信号のうちの
伝送された量の評価指標として透過係数(S21)を周波
数に対する伝送特性として求めた。
【0044】また、試料A〜試料Eの伝送特性の比較と
して、図2に各々の反射係数S21の周波数特性を線図で
示す。図2において横軸は周波数(単位:GHz)、縦
軸は透過量(単位:dB)を表わしている。
【0045】また、試料E〜試料Jの伝送特性の比較と
して、図3に各々の透過係数S21の周波数特性を線図で
示す。図3において横軸は周波数(単位:GHz)、縦
軸は透過量(単位:dB)を表わしている。
【0046】これらより分かるように、本発明の高周波
測定用基板である試料B〜試料Hは、誘電体基板の下面
の略全面に接地導体が形成され、上面にマイクロストリ
ップ線路の信号導体と、この信号導体の先端近傍に設け
た、信号導体の中心線に対して線対称な2つの略扇面形
のラジアルスタブによる等価的接地導体とが形成されて
成り、前記信号導体と等価的接地導体とにそれぞれコプ
レーナ線路構造のウェハプローブの信号導体と接地導体
とを電気的に接続させる高周波測定用基板であって、略
扇面形の等価的接地導体は、信号導体側の第1の側辺と
信号導体の中心線の延長方向とのなす角度をθ1 、他方
側の第2の側辺と信号導体の中心線の延長方向とのなす
角度をθ2 としたとき、90°≦θ1 ≦180 °かつ3/8
≦θ2 /θ1 ≦5/8であることにより、等価的接地導
体におけるリアクタンス値が小さくなるために、低損失
透過周波数帯域を広帯域化できている。
【0047】なお、θ2 /θ1 <3/8である試料A
は、略扇面形の径方向の略中心位置の周方向の長さが1
波長の実効長に相当する周波数が低損失な透過周波数帯
域内の周波数となる場合に周方向の電荷分布が半円形ま
たは扇形の周方向の端部と中間部とで密度が高くなると
いう定在的分布となって生じる共振が低損失な透過周波
数帯域内に存在することによる狭帯域化が問題として残
されている。また、θ2/θ1 >5/8である試料Iお
よび試料Jは、低損失な透過周波数帯域での伝搬損失が
増加するという問題が残されている。さらに、3/8≦
θ2 /θ1 ≦5/8の試料の内では試料Eが最も良い。
【0048】ここで、試料Eのみの伝送特性として、図
4に反射係数S11および透過係数S21の周波数特性を線
図で示す。図4において横軸は周波数(単位:GH
z)、縦軸は反射量(単位:dB)および透過量(単
位:dB)を表わしている。図4より、低損失な透過周
波数帯域を従来のラジアルスタブによる等価的接地導体
を用いたものと比較して大幅に広くすることができ、高
確度な測定系として応用することが可能であることが分
かる。
【0049】これにより、本発明の高周波測定用基板に
よれば、2つの略扇面形のラジアルスタブによる等価的
接地導体におけるリアクタンス値が小さくなる結果、低
損失な透過周波数帯域を広く確保することとなるので、
広帯域に低損失な特性を有する高周波測定用基板とする
ことができることが確認できた。
【0050】なお、以上はあくまで本発明の実施の形態
の例示であって、本発明はこれらに限定されるものでは
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や改
良を加えることは何ら差し支えない。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明の高周波測定用基
板によれば、コプレーナ線路構造のウェハプローブの接
地導体と接触させて電気的に接続させるために誘電体基
板上面に形成するラジアルスタブによる等価的接地導体
を、信号導体の中心線に対して線対称な2つの略扇面形
の形状に形成し、その略扇面形の等価的接地導体の2つ
の側辺について、信号導体側の元側の第1の側辺と信号
導体の中心線の先端側への延長方向とのなす角度をθ1
とし、他方側すなわち信号導体の先端側の第2の側辺と
信号導体の中心線の延長方向とのなす角度をθ2 とした
ときに、90°≦θ1 ≦180 °かつ3/8≦θ2 /θ1
5/8としたことにより、略扇面形の等価的接地導体に
おける周方向の定在的な電荷密度分布が従来の扇形のラ
ジアルスタブによる等価的接地導体に比べてより高周波
側の周波数で生じることとなる。そのため、従来のよう
なラジアルスタブによる等価的接地導体において半円形
または扇形の径方向の略中心位置の周方向の長さが1波
長の実効長に相当する周波数が低損失な透過周波数帯域
内の周波数となる場合に周方向の電荷分布が半円形また
は扇形の周方向の端部と中間部とで密度が高くなるとい
う定在的分布となって共振が生じてしまう場合と比較し
て、共振周波数を低損失な透過周波数帯域の高周波側へ
移動することができる。その結果、低損失な透過周波数
帯域が広がることとなるので、広帯域に低損失な特性を
有する高周波測定用基板とすることができた。
【0052】また、上記構成の本発明の高周波測定用基
板において、2つの略扇面形のラジアルスタブによる等
価的接地導体の中心、すなわち第1の側辺と第2の側辺
とを半径とし外周を円弧とする扇形の中心を同心とした
場合には、略扇面形の等価的接地導体における周方向の
定在的な電荷密度分布が、より高周波側の周波数で生じ
ることとなる。そのため、従来のようなラジアルスタブ
による等価的接地導体において半円形または扇形の径方
向の略中心位置の周方向の長さが1波長の実効長に相当
する周波数が低損失な透過周波数帯域内の周波数となる
場合に周方向の電荷分布が半円形または扇形の周方向の
端部と中間部とで密度が高くなるという定在的分布とな
って共振が生じてしまう場合と比較して、共振周波数を
より低損失な透過周波数帯域の高周波側へ移動すること
ができる。その結果、低損失な透過周波数帯域が広がる
こととなるので、広帯域に低損失な特性を有する高周波
測定用基板とすることができた。
【0053】また、本発明の高周波測定用基板によれ
ば、スルーホール導体やビアホール導体等の貫通導体を
用いた従来の高周波測定用基板の場合のように高精度な
基板加工工程を必要としないために、高精度な測定が可
能な高周波測定用基板を容易かつ安価に提供できるもの
となる。
【0054】以上により、本発明によれば、ラジアルス
タブを等価的なグランドとして用いた高周波測定用基板
において、誘電体基板の基板厚みを適切に設定すること
により低損失透過周波数帯域を広帯域化した高周波測定
用基板を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は、それぞれ本発明の高周波測
定用基板の実施の形態の例を示す平面図である。
【図2】高周波測定用基板における周波数に対する透過
特性を示す線図である。
【図3】高周波測定用基板における周波数に対する透過
特性を示す線図である。
【図4】高周波測定用基板における周波数に対する反射
特性および透過特性を示す線図である。
【図5】従来の高周波測定用基板の例を示す平面図であ
る。
【図6】高周波測定用基板における周波数に対する反射
特性を示す線図である。
【図7】高周波測定用基板における周波数に対する透過
特性を示す線図である。
【図8】従来の高周波測定用基板の例を示す平面図であ
る。
【図9】高周波測定用基板における周波数に対する透過
特性を示す線図である。
【図10】従来の高周波測定用基板の例を示す平面図で
ある。
【図11】ラジアルスタブの例を示す平面図である。
【符号の説明】
31・・・・・・・・・・誘電体基板 32・・・・・・・・・・マイクロストリップ線路信号導
体 33・・・・・・・・・・コプレーナ線路信号導体 34、34' ・・・・・・・等価的接地導体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体基板の下面の略全面に接地導体が
    形成され、上面にマイクロストリップ線路の信号導体
    と、該信号導体の先端近傍に設けた、信号導体の中心線
    に対して線対称な2つの略扇面形のラジアルスタブによ
    る等価的接地導体とが形成されて成り、前記信号導体と
    等価的接地導体とにそれぞれコプレーナ線路構造のウェ
    ハプローブの信号導体と接地導体とを電気的に接続させ
    る高周波測定用基板であって、前記略扇面形の等価的接
    地導体は、前記信号導体側の第1の側辺と前記信号導体
    の中心線の延長方向とのなす角度をθ1 、他方側の第2
    の側辺と前記信号導体の中心線の延長方向とのなす角度
    をθ2 としたとき、90°≦θ1 ≦180°かつ3/8
    ≦θ2 /θ1 ≦5/8であることを特徴とする高周波測
    定用基板。
  2. 【請求項2】 前記2つの略扇面形の等価的接地導体の
    中心点が同心であることを特徴とする請求項1記載の高
    周波測定用基板。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002334935A (ja) * 2001-05-08 2002-11-22 Mitsubishi Electric Corp 高周波回路チップとこのチップを有する高周波回路装置並びにその製造方法
JP2006129232A (ja) * 2004-10-29 2006-05-18 Tdk Corp 高周波回路基板
JP2010160106A (ja) * 2009-01-09 2010-07-22 Mitsubishi Electric Corp 高周波用コンタクタ
KR20150008765A (ko) * 2013-07-15 2015-01-23 엘지이노텍 주식회사 레이더 장치

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