JP3404238B2 - 高周波測定の校正標準器および校正法ならびに高周波用伝送線路の伝送損失の測定方法 - Google Patents
高周波測定の校正標準器および校正法ならびに高周波用伝送線路の伝送損失の測定方法Info
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- JP3404238B2 JP3404238B2 JP00255197A JP255197A JP3404238B2 JP 3404238 B2 JP3404238 B2 JP 3404238B2 JP 00255197 A JP00255197 A JP 00255197A JP 255197 A JP255197 A JP 255197A JP 3404238 B2 JP3404238 B2 JP 3404238B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高周波用伝送線路の
伝送損失について高精度な高周波測定を行なうための高
精度かつ高確度な校正標準器および校正法ならびに高周
波用伝送線路の伝送損失の測定方法に関する。
伝送損失について高精度な高周波測定を行なうための高
精度かつ高確度な校正標準器および校正法ならびに高周
波用伝送線路の伝送損失の測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、高周波測定として高周波回路
に用いられる高周波用伝送線路の線路長が適当であるか
どうかを評価するために伝送線路の伝送損失を測定する
ことが行なわれており、そのような高周波測定のための
校正法にTRL(Trough-Reflect-Line )校正法があ
る。
に用いられる高周波用伝送線路の線路長が適当であるか
どうかを評価するために伝送線路の伝送損失を測定する
ことが行なわれており、そのような高周波測定のための
校正法にTRL(Trough-Reflect-Line )校正法があ
る。
【0003】このTRL校正法の原理は、例えばDavid
Rubin 著"De-Embedding mm-Wave MICs with TRL"(MICR
OWAVE JOURNAL 1990年6月号,141-150頁)に記載されて
いるように、測定基準面間を直接接続した状態での測定
値と、測定基準面での短絡あるいは開放状態での測定値
と、測定基準面間を遅延線路を介して接続した状態での
測定値とを用いる校正法である。具体的には、所定の測
定基準面間に相当する2つの端子間を接続する図3
(a)〜(d)に平面図で示すような4つの構造、すな
わち(a)端子1および端子2の間を測定対象の高周波
用伝送線路と同じ電気長の伝送線路3で直結した基本直
結構造、(b)端子4および端子5のそれぞれに開放端
を有する伝送線路6・6’を接続した反射測定構造、
(c)端子7および端子8を(a)の伝送線路3より長
い伝送線路(例えば遅延線路)9で直結した電気長測定
構造、(d)端子10および端子11を(a)の伝送線路3
と同じ長さの伝送線路12で接続し、中央部に所定の被試
験デバイス(DUT:Device Under Test )13を配置し
たデバイス構造のそれぞれにおける散乱パラメータ(S
パラメータ)の測定データ4種の組から所定の計算によ
り高周波測定における誤差除去を行なう校正法であり、
また、例えば(a)と(c)との構造における測定デー
タから測定対象の高周波用伝送線路についての減衰定数
αや位相係数βを抽出することにより、高周波用伝送線
路の伝送損失を求めることができるというものである。
Rubin 著"De-Embedding mm-Wave MICs with TRL"(MICR
OWAVE JOURNAL 1990年6月号,141-150頁)に記載されて
いるように、測定基準面間を直接接続した状態での測定
値と、測定基準面での短絡あるいは開放状態での測定値
と、測定基準面間を遅延線路を介して接続した状態での
測定値とを用いる校正法である。具体的には、所定の測
定基準面間に相当する2つの端子間を接続する図3
(a)〜(d)に平面図で示すような4つの構造、すな
わち(a)端子1および端子2の間を測定対象の高周波
用伝送線路と同じ電気長の伝送線路3で直結した基本直
結構造、(b)端子4および端子5のそれぞれに開放端
を有する伝送線路6・6’を接続した反射測定構造、
(c)端子7および端子8を(a)の伝送線路3より長
い伝送線路(例えば遅延線路)9で直結した電気長測定
構造、(d)端子10および端子11を(a)の伝送線路3
と同じ長さの伝送線路12で接続し、中央部に所定の被試
験デバイス(DUT:Device Under Test )13を配置し
たデバイス構造のそれぞれにおける散乱パラメータ(S
パラメータ)の測定データ4種の組から所定の計算によ
り高周波測定における誤差除去を行なう校正法であり、
また、例えば(a)と(c)との構造における測定デー
タから測定対象の高周波用伝送線路についての減衰定数
αや位相係数βを抽出することにより、高周波用伝送線
路の伝送損失を求めることができるというものである。
【0004】上記TRL校正法による実際の測定におい
て使用する測定周波数帯域としては、測定基準面(端子
1・2)間を高周波用伝送線路3で直結した状態(図3
(a)の構造)と測定基準面(端子7・8)間を遅延線
路9を介して接続した状態(図3(c)の構造)との測
定において求められる方向性による誤差やポートマッチ
と反射トラッキング誤差との比、遅延線路の遅延部の伝
搬定数の解の符号の選択等の必要条件から、遅延線路の
遅延部の電気長が測定する最低周波数の真空波長の1/
18以上かつ測定する最高周波数の真空波長の4/9以下
となるような、すなわち遅延線路の遅延部を伝搬する間
に回転する位相が20°〜160 °の範囲(位相マージンが
20°マージン)となるような周波数帯域が用いられる。
例えば、比誘電率が9.5 の基板上に形成したマイクロス
トリップ線路でのTRL校正法において図3(c)の構
造として線路中に物理長が3mmの遅延部を設けた場合
には、実効比誘電率が約6.5 であるので、遅延部を伝搬
する間の位相回転が20°〜160 °の範囲となる周波数帯
域は2.2 〜17.4GHzとなる。
て使用する測定周波数帯域としては、測定基準面(端子
1・2)間を高周波用伝送線路3で直結した状態(図3
(a)の構造)と測定基準面(端子7・8)間を遅延線
路9を介して接続した状態(図3(c)の構造)との測
定において求められる方向性による誤差やポートマッチ
と反射トラッキング誤差との比、遅延線路の遅延部の伝
搬定数の解の符号の選択等の必要条件から、遅延線路の
遅延部の電気長が測定する最低周波数の真空波長の1/
18以上かつ測定する最高周波数の真空波長の4/9以下
となるような、すなわち遅延線路の遅延部を伝搬する間
に回転する位相が20°〜160 °の範囲(位相マージンが
20°マージン)となるような周波数帯域が用いられる。
例えば、比誘電率が9.5 の基板上に形成したマイクロス
トリップ線路でのTRL校正法において図3(c)の構
造として線路中に物理長が3mmの遅延部を設けた場合
には、実効比誘電率が約6.5 であるので、遅延部を伝搬
する間の位相回転が20°〜160 °の範囲となる周波数帯
域は2.2 〜17.4GHzとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この場
合にTRL校正法により抽出される伝搬定数は、図4に
その伝搬定数の周波数特性を線図で示すようなものとな
り、周波数が高くなるにつれて得られる伝搬定数の変動
が大きくなってその精度が低下することとなる。ここ
で、図4において横軸は周波数f(GHz)を、縦軸は
伝搬定数のうちの減衰定数α(dB/m)を表わしてお
り、曲線Aは上記の条件下でTRL校正法により抽出さ
れた伝送線路の単位長さ当たりの減衰定数αの周波数特
性曲線を示している。
合にTRL校正法により抽出される伝搬定数は、図4に
その伝搬定数の周波数特性を線図で示すようなものとな
り、周波数が高くなるにつれて得られる伝搬定数の変動
が大きくなってその精度が低下することとなる。ここ
で、図4において横軸は周波数f(GHz)を、縦軸は
伝搬定数のうちの減衰定数α(dB/m)を表わしてお
り、曲線Aは上記の条件下でTRL校正法により抽出さ
れた伝送線路の単位長さ当たりの減衰定数αの周波数特
性曲線を示している。
【0006】従って、例えば上記周波数帯域よりさらに
高い周波数範囲での測定を行なうためには上記よりさら
に物理長の短い遅延部を有する遅延線路を用いる必要が
あるが、この場合、遅延部の物理量を極端に短くすると
伝搬損失量が測定誤差に埋もれる程のレベルとなること
から得られる伝搬定数の精度の低下がさらに大きくなる
という問題点があった。
高い周波数範囲での測定を行なうためには上記よりさら
に物理長の短い遅延部を有する遅延線路を用いる必要が
あるが、この場合、遅延部の物理量を極端に短くすると
伝搬損失量が測定誤差に埋もれる程のレベルとなること
から得られる伝搬定数の精度の低下がさらに大きくなる
という問題点があった。
【0007】また、従来のTRL校正法では、周波数帯
域として上記のように遅延線路の遅延部の電気長が20°
マージンとなる周波数帯域を使用することから、広帯域
の周波数に対して測定を行なうためには、複数本の遅延
線路についてその遅延部の電気長がカバーする周波数帯
域をそれぞれ求めてそれら複数本の遅延線路を用いる必
要があり、そのうえミリ波帯等の高周波に対してはそれ
ら複数本の遅延線路の遅延部に相当する物理長が極端に
短くなるために精度の低下が大きく、正確な遅延を得て
校正を行なうことが困難であるという問題点もあった。
域として上記のように遅延線路の遅延部の電気長が20°
マージンとなる周波数帯域を使用することから、広帯域
の周波数に対して測定を行なうためには、複数本の遅延
線路についてその遅延部の電気長がカバーする周波数帯
域をそれぞれ求めてそれら複数本の遅延線路を用いる必
要があり、そのうえミリ波帯等の高周波に対してはそれ
ら複数本の遅延線路の遅延部に相当する物理長が極端に
短くなるために精度の低下が大きく、正確な遅延を得て
校正を行なうことが困難であるという問題点もあった。
【0008】さらに、物理長が短い遅延部の遅延線路を
用いて抽出された伝搬定数は、遅延部が短いために伝送
損失量が測定誤差に埋もれる程のレベルとなってしまう
ことから伝送損失の正確な抽出が困難となり、不正確な
ものとなってしまうという問題点もあった。
用いて抽出された伝搬定数は、遅延部が短いために伝送
損失量が測定誤差に埋もれる程のレベルとなってしまう
ことから伝送損失の正確な抽出が困難となり、不正確な
ものとなってしまうという問題点もあった。
【0009】本発明は上記従来技術における問題点に鑑
みて本発明者が鋭意研究に努めた結果完成されたもので
あり、その目的は、高周波測定における校正法として用
いられるTRL校正法、すなわち測定基準面間を直接接
続した状態での測定値と、測定基準面での短絡あるいは
開放状態での測定値と、測定基準面間を遅延線路を介し
て接続した状態での測定値を用いる校正法について、ミ
リ波帯等の高周波に対しても、精度の低下が小さく、正
確な遅延を得ることができ、高精度かつ高確度の校正を
行なうことができる高周波測定の校正標準器および高周
波測定の校正法を提供することにある。
みて本発明者が鋭意研究に努めた結果完成されたもので
あり、その目的は、高周波測定における校正法として用
いられるTRL校正法、すなわち測定基準面間を直接接
続した状態での測定値と、測定基準面での短絡あるいは
開放状態での測定値と、測定基準面間を遅延線路を介し
て接続した状態での測定値を用いる校正法について、ミ
リ波帯等の高周波に対しても、精度の低下が小さく、正
確な遅延を得ることができ、高精度かつ高確度の校正を
行なうことができる高周波測定の校正標準器および高周
波測定の校正法を提供することにある。
【0010】また、本発明の目的は、ミリ波帯等の高周
波に対してもTRL校正法によって伝搬定数を高精度で
正確に抽出することができ、伝送損失を正確に抽出する
ことができる高周波用伝送線路の伝送損失の測定方法を
提供することにある。
波に対してもTRL校正法によって伝搬定数を高精度で
正確に抽出することができ、伝送損失を正確に抽出する
ことができる高周波用伝送線路の伝送損失の測定方法を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の高周波測定の校
正標準器は、測定基準面間を高周波用伝送線路で直接接
続した状態での散乱パラメータ測定値と、測定基準面間
を遅延線路を介して接続した状態での散乱パラメータ測
定値とを用いるTRL校正法に使用される、高周波用伝
送線路の伝送特性に関する高周波測定の校正のための高
周波測定の校正標準器であって、前記遅延線路は、誘電
体基板上に線路導体が形成されて成り、かつ遅延部の電
気長が被測定周波数の真空波長の半分よりも長い、異な
る電気長を有する複数本であることを特徴とするもので
ある。
正標準器は、測定基準面間を高周波用伝送線路で直接接
続した状態での散乱パラメータ測定値と、測定基準面間
を遅延線路を介して接続した状態での散乱パラメータ測
定値とを用いるTRL校正法に使用される、高周波用伝
送線路の伝送特性に関する高周波測定の校正のための高
周波測定の校正標準器であって、前記遅延線路は、誘電
体基板上に線路導体が形成されて成り、かつ遅延部の電
気長が被測定周波数の真空波長の半分よりも長い、異な
る電気長を有する複数本であることを特徴とするもので
ある。
【0012】また、本発明の高周波測定の校正法は、測
定基準面間を高周波用伝送線路で直接接続した状態での
散乱パラメータ測定値と、測定基準面間を遅延線路を介
して接続した状態での散乱パラメータ測定値とを用いる
TRL校正法による、高周波用伝送線路の伝送特性に関
する高周波測定の校正法において、前記遅延線路とし
て、誘電体基板上に線路導体が形成されて成る、遅延部
の電気長が被測定周波数の真空波長の半分よりも長い、
異なる電気長を有する複数本の遅延線路を用いることを
特徴とするものである。
定基準面間を高周波用伝送線路で直接接続した状態での
散乱パラメータ測定値と、測定基準面間を遅延線路を介
して接続した状態での散乱パラメータ測定値とを用いる
TRL校正法による、高周波用伝送線路の伝送特性に関
する高周波測定の校正法において、前記遅延線路とし
て、誘電体基板上に線路導体が形成されて成る、遅延部
の電気長が被測定周波数の真空波長の半分よりも長い、
異なる電気長を有する複数本の遅延線路を用いることを
特徴とするものである。
【0013】また、本発明の高周波用伝送線路の伝送損
失の測定方法は、高周波用伝送線路の伝送損失を、測定
基準面間を前記高周波用伝送線路で直接接続した状態で
の散乱パラメータ測定値と、測定基準面間を遅延線路を
介して接続した状態での散乱パラメータ測定値とを用い
てTRL校正法により求める測定方法であって、前記遅
延線路として、誘電体基板上に線路導体が形成されて成
る、遅延部の電気長が被測定周波数の真空波長の半分よ
りも長い、異なる電気長を有する複数本の遅延線路を用
いることを特徴とするものである。
失の測定方法は、高周波用伝送線路の伝送損失を、測定
基準面間を前記高周波用伝送線路で直接接続した状態で
の散乱パラメータ測定値と、測定基準面間を遅延線路を
介して接続した状態での散乱パラメータ測定値とを用い
てTRL校正法により求める測定方法であって、前記遅
延線路として、誘電体基板上に線路導体が形成されて成
る、遅延部の電気長が被測定周波数の真空波長の半分よ
りも長い、異なる電気長を有する複数本の遅延線路を用
いることを特徴とするものである。
【0014】本発明の高周波測定の校正標準器によれ
ば、TRL校正法で用いる校正標準器である測定基準面
間を接続する遅延線路が、誘電体基板上に線路導体が形
成されて成り、かつその遅延部の電気長が被測定周波数
の真空波長すなわち真空中の波長の半分よりも長い、異
なる電気長を有する複数本であることから、ミリ波帯等
の高周波に対しても、遅延線路の遅延部の物理的長さが
測定の確度に対して十分に長いものとなって、高い精度
で正確な遅延を得ることができるものとなり、より高精
度で正確な校正を行なうことができるものとなる。ま
た、この遅延線路の遅延部から抽出された伝搬定数が高
精度で正確なものとなり、従って正確な伝送損失を抽出
して求めることができるものとなる。
ば、TRL校正法で用いる校正標準器である測定基準面
間を接続する遅延線路が、誘電体基板上に線路導体が形
成されて成り、かつその遅延部の電気長が被測定周波数
の真空波長すなわち真空中の波長の半分よりも長い、異
なる電気長を有する複数本であることから、ミリ波帯等
の高周波に対しても、遅延線路の遅延部の物理的長さが
測定の確度に対して十分に長いものとなって、高い精度
で正確な遅延を得ることができるものとなり、より高精
度で正確な校正を行なうことができるものとなる。ま
た、この遅延線路の遅延部から抽出された伝搬定数が高
精度で正確なものとなり、従って正確な伝送損失を抽出
して求めることができるものとなる。
【0015】なお、従来のTRL校正法において使用さ
れる校正標準器としては、測定周波数帯域が広くて1本
の遅延線路ではその帯域全体をカバーできない場合に
は、所定の精度を維持するために測定周波数帯域を複数
に分割し、それぞれの帯域に応じた電気長を有する複数
本の遅延線路を使用することが一般に行なわれている
が、本発明の校正標準器についても同様に複数本の遅延
線路を使用してよいことは言うまでもない。
れる校正標準器としては、測定周波数帯域が広くて1本
の遅延線路ではその帯域全体をカバーできない場合に
は、所定の精度を維持するために測定周波数帯域を複数
に分割し、それぞれの帯域に応じた電気長を有する複数
本の遅延線路を使用することが一般に行なわれている
が、本発明の校正標準器についても同様に複数本の遅延
線路を使用してよいことは言うまでもない。
【0016】また、本発明の高周波測定の校正法によれ
ば、TRL校正法で用いる測定基準面間を接続する遅延
線路として、誘電体基板上に線路導体が形成されて成
る、遅延部の電気長が被測定周波数の真空波長の半分よ
りも長い、異なる電気長を有する複数本の遅延線路を用
いることから、ミリ波帯等の高周波に対しても、遅延線
路の遅延部の物理的長さが測定の確度に対して十分に長
いものとなって、高い精度で正確な遅延を得ることがで
きるものとなり、より高精度で正確な校正ができるもの
となる。また、この校正法によっても、この遅延線路の
遅延部から抽出された伝搬定数が高精度で正確なものと
なり、従って正確な伝送損失を抽出して求めることがで
きるものとなる。
ば、TRL校正法で用いる測定基準面間を接続する遅延
線路として、誘電体基板上に線路導体が形成されて成
る、遅延部の電気長が被測定周波数の真空波長の半分よ
りも長い、異なる電気長を有する複数本の遅延線路を用
いることから、ミリ波帯等の高周波に対しても、遅延線
路の遅延部の物理的長さが測定の確度に対して十分に長
いものとなって、高い精度で正確な遅延を得ることがで
きるものとなり、より高精度で正確な校正ができるもの
となる。また、この校正法によっても、この遅延線路の
遅延部から抽出された伝搬定数が高精度で正確なものと
なり、従って正確な伝送損失を抽出して求めることがで
きるものとなる。
【0017】なお、従来のTRL校正法においては、測
定周波数帯域が広くて1本の遅延線路ではその帯域全体
をカバーできない場合には、所定の精度を維持するため
に測定周波数帯域を複数に分割し、それぞれの帯域に応
じた電気長を有する複数本の遅延線路を使用することが
一般に行なわれているが、本発明の校正法についても同
様に複数本の遅延線路を使用してよいことは言うまでも
ない。
定周波数帯域が広くて1本の遅延線路ではその帯域全体
をカバーできない場合には、所定の精度を維持するため
に測定周波数帯域を複数に分割し、それぞれの帯域に応
じた電気長を有する複数本の遅延線路を使用することが
一般に行なわれているが、本発明の校正法についても同
様に複数本の遅延線路を使用してよいことは言うまでも
ない。
【0018】また、本発明の高周波用伝送線路の伝送損
失の測定方法によれば、測定基準面間を測定対象の高周
波用伝送線路と同じ電気長の伝送線路で直接接続した状
態での散乱パラメータ測定値と、測定基準面間を遅延線
路を介して接続した状態での散乱パラメータ測定値とを
用いてTRL校正法により高周波用伝送線路の伝送損失
を求めるのに際して、遅延線路として、誘電体基板上に
線路導体が形成されて成る、遅延部の電気長が被測定周
波数の真空波長の半分よりも長い、異なる電気長を有す
る複数本の遅延線路を用いることから、ミリ波帯等の高
周波に対しても、遅延線路の遅延部の物理的長さが測定
の確度に対して十分に長いものとなって、高い精度で正
確な遅延を得ることができて正確な伝搬定数を得ること
ができるものとなり、より高精度で正確な伝送損失の測
定が行なえるものとなる。
失の測定方法によれば、測定基準面間を測定対象の高周
波用伝送線路と同じ電気長の伝送線路で直接接続した状
態での散乱パラメータ測定値と、測定基準面間を遅延線
路を介して接続した状態での散乱パラメータ測定値とを
用いてTRL校正法により高周波用伝送線路の伝送損失
を求めるのに際して、遅延線路として、誘電体基板上に
線路導体が形成されて成る、遅延部の電気長が被測定周
波数の真空波長の半分よりも長い、異なる電気長を有す
る複数本の遅延線路を用いることから、ミリ波帯等の高
周波に対しても、遅延線路の遅延部の物理的長さが測定
の確度に対して十分に長いものとなって、高い精度で正
確な遅延を得ることができて正確な伝搬定数を得ること
ができるものとなり、より高精度で正確な伝送損失の測
定が行なえるものとなる。
【0019】なお、本発明の高周波用伝送線路の伝送損
失の測定方法においても、上記のTRL校正法における
のと同様に、異なる電気長を有する複数本の遅延線路を
使用してよいことは言うまでもない。
失の測定方法においても、上記のTRL校正法における
のと同様に、異なる電気長を有する複数本の遅延線路を
使用してよいことは言うまでもない。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の高周波測定の校正
標準器および校正法ならびに高周波用伝送線路の伝送損
失の測定方法について、これらの実施の形態として、測
定基準面間すなわち校正面間を測定対象の高周波用伝送
線路と同じ電気長の伝送線路で直結(Thru接続:直接接
続)した状態の散乱パラメータ測定値と、測定基準面間
を遅延線路を介して接続した状態の散乱パラメータ測定
値とを用いて、TRL校正法により、遅延線路の遅延部
を伝搬する高周波の信号波の伝搬定数を単位長さ当たり
の損失量として算出し抽出した場合を例にとって説明す
る。
標準器および校正法ならびに高周波用伝送線路の伝送損
失の測定方法について、これらの実施の形態として、測
定基準面間すなわち校正面間を測定対象の高周波用伝送
線路と同じ電気長の伝送線路で直結(Thru接続:直接接
続)した状態の散乱パラメータ測定値と、測定基準面間
を遅延線路を介して接続した状態の散乱パラメータ測定
値とを用いて、TRL校正法により、遅延線路の遅延部
を伝搬する高周波の信号波の伝搬定数を単位長さ当たり
の損失量として算出し抽出した場合を例にとって説明す
る。
【0021】従来、遅延線路の遅延部の電気長は、被測
定最低周波数すなわち測定する最低周波数の真空波長の
1/18以上でかつ被測定最高周波数すなわち測定する最
高周波数の真空波長の4/9以下の長さとするために、
すなわち測定する高周波信号がその遅延線路の遅延部を
伝搬する間に回転する位相が20°〜160 °の範囲となる
周波数を測定周波数帯域として用いることができるもの
とするために、例えば5GHz〜40GHzの周波数範囲
での測定を行なう場合には、比誘電率が9.5 の基板上に
形成したマイクロストリップ線路では、遅延線路として
物理長で約1.3mmの遅延部を有する線路を用いること
となる。
定最低周波数すなわち測定する最低周波数の真空波長の
1/18以上でかつ被測定最高周波数すなわち測定する最
高周波数の真空波長の4/9以下の長さとするために、
すなわち測定する高周波信号がその遅延線路の遅延部を
伝搬する間に回転する位相が20°〜160 °の範囲となる
周波数を測定周波数帯域として用いることができるもの
とするために、例えば5GHz〜40GHzの周波数範囲
での測定を行なう場合には、比誘電率が9.5 の基板上に
形成したマイクロストリップ線路では、遅延線路として
物理長で約1.3mmの遅延部を有する線路を用いること
となる。
【0022】しかし、このような短い遅延部では伝送損
失が少ないため、測定機(ベクトルネットワークアナラ
イザ等)の精度が不十分となり、その伝送損失の抽出が
困難となる。つまり、伝送方向の測定機の精度が通常±
0.02dB程度であるのに対して物理長が約1.3 mmのマ
イクロストリップ線路の伝送損失は一般的なもので40
GHz付近で0.05dBとなるので、測定機の精度に
よる測定誤差が大きくなり、損失量の抽出量がその誤差
に大きな影響を受けることとなる。
失が少ないため、測定機(ベクトルネットワークアナラ
イザ等)の精度が不十分となり、その伝送損失の抽出が
困難となる。つまり、伝送方向の測定機の精度が通常±
0.02dB程度であるのに対して物理長が約1.3 mmのマ
イクロストリップ線路の伝送損失は一般的なもので40
GHz付近で0.05dBとなるので、測定機の精度に
よる測定誤差が大きくなり、損失量の抽出量がその誤差
に大きな影響を受けることとなる。
【0023】これに対し、本発明の高周波測定の校正標
準器においては、図1にその一例を平面図で示すよう
に、遅延線路は誘電体基板上に線路導体が形成されて成
り、かつ遅延部の電気長が被測定周波数すなわち測定す
る周波数の真空波長の半分よりも長いものであり、本発
明の高周波測定の校正法においては、この遅延線路を測
定基準面間を接続する遅延線路として用いるものであ
る。
準器においては、図1にその一例を平面図で示すよう
に、遅延線路は誘電体基板上に線路導体が形成されて成
り、かつ遅延部の電気長が被測定周波数すなわち測定す
る周波数の真空波長の半分よりも長いものであり、本発
明の高周波測定の校正法においては、この遅延線路を測
定基準面間を接続する遅延線路として用いるものであ
る。
【0024】この図1において、(a)は誘電体基板14
上に測定対象の高周波用伝送線路と同じ電気長のThru接
続の伝送線路(線路導体)15が形成された基本直結構
造、(b)は誘電体基板16上にLine(Delay Line)接続
の伝送線路17が形成された遅延線路である電気長測定構
造、(c)は誘電体基板18上にReflect (Open)状態の
伝送線路19・19’が形成された反射測定構造、(d)は
誘電体基板20上に形成されたThru接続の伝送線路21の中
心(校正面)にDUT22(一点鎖線で区画した部分)を
接続した状態のデバイス構造を示している。なお、この
図1(d)はDUT22としてバンドパスフィルタを用い
た例である。
上に測定対象の高周波用伝送線路と同じ電気長のThru接
続の伝送線路(線路導体)15が形成された基本直結構
造、(b)は誘電体基板16上にLine(Delay Line)接続
の伝送線路17が形成された遅延線路である電気長測定構
造、(c)は誘電体基板18上にReflect (Open)状態の
伝送線路19・19’が形成された反射測定構造、(d)は
誘電体基板20上に形成されたThru接続の伝送線路21の中
心(校正面)にDUT22(一点鎖線で区画した部分)を
接続した状態のデバイス構造を示している。なお、この
図1(d)はDUT22としてバンドパスフィルタを用い
た例である。
【0025】また、本発明にとっては(c)と(d)は
特に必要ではなく、本発明にかかるTRL校正法を基本
として他のパラメータ測定を行なう場合に必要とされる
ものである。
特に必要ではなく、本発明にかかるTRL校正法を基本
として他のパラメータ測定を行なう場合に必要とされる
ものである。
【0026】上記誘電体基板14・16・18・20としては、
アルミナ系材料や窒化アルミ系材料等の各種の絶縁性セ
ラミックスやテフロン(PTFE)・ガラスエポキシ・
ポリイミド等の絶縁性樹脂系の材料等の誘電体材料から
成る基板が用いられる。
アルミナ系材料や窒化アルミ系材料等の各種の絶縁性セ
ラミックスやテフロン(PTFE)・ガラスエポキシ・
ポリイミド等の絶縁性樹脂系の材料等の誘電体材料から
成る基板が用いられる。
【0027】また、上記伝送線路15・17・18・19・19’
・21として被着形成される線路導体は、誘電体基板上に
線路状に被着形成されたタングステンやクロム・モリブ
デン・銅・銀・金等あるいはこれらの合金等の材料から
成る高周波信号伝送用の導体層であり、誘電体基板の材
料に応じてその上に被着形成可能な導体材料が用いられ
る。マイクロ波帯域やミリ波帯域の高周波信号に対して
は、例えばアルミナ系材料の誘電体基板とクロム−銅−
ニッケル−金から成る線路導体との組合せ等を用いれば
よい。
・21として被着形成される線路導体は、誘電体基板上に
線路状に被着形成されたタングステンやクロム・モリブ
デン・銅・銀・金等あるいはこれらの合金等の材料から
成る高周波信号伝送用の導体層であり、誘電体基板の材
料に応じてその上に被着形成可能な導体材料が用いられ
る。マイクロ波帯域やミリ波帯域の高周波信号に対して
は、例えばアルミナ系材料の誘電体基板とクロム−銅−
ニッケル−金から成る線路導体との組合せ等を用いれば
よい。
【0028】本発明の高周波測定の校正標準器および校
正法によれば、上記の比誘電率が9.5 の基板上に形成し
たマイクロストリップ線路での測定系においては、例え
ば物理長で8.0 mmの遅延部を有する遅延線路を用い、
さらに物理長で6.4 mmおよび5.1 mmの遅延部を有す
る遅延線路も用いる。このとき、比誘電率が9.5 のマイ
クロストリップ線路の実効比誘電率は約6.5 であり、前
記遅延部の電気長は各々20.4mm、16.3mmおよび13.0
mmとなる。
正法によれば、上記の比誘電率が9.5 の基板上に形成し
たマイクロストリップ線路での測定系においては、例え
ば物理長で8.0 mmの遅延部を有する遅延線路を用い、
さらに物理長で6.4 mmおよび5.1 mmの遅延部を有す
る遅延線路も用いる。このとき、比誘電率が9.5 のマイ
クロストリップ線路の実効比誘電率は約6.5 であり、前
記遅延部の電気長は各々20.4mm、16.3mmおよび13.0
mmとなる。
【0029】ここで、TRL校正法の要求から伝搬定数
の抽出において精度が低下する周波数範囲は、実効比誘
電率をεreff、遅延線路の遅延部の物理長をlとする
と、次の範囲となる。
の抽出において精度が低下する周波数範囲は、実効比誘
電率をεreff、遅延線路の遅延部の物理長をlとする
と、次の範囲となる。
【0030】{(180n−20)/360 }×{1/(l×√
εreff)}×300〜 {(180n+20)/360 }×{1/
(l×√εreff)}×300 但し、nは整数であり、単位はGHzである。
εreff)}×300〜 {(180n+20)/360 }×{1/
(l×√εreff)}×300 但し、nは整数であり、単位はGHzである。
【0031】すなわち、40GHz以下の周波数帯域での
測定においては、遅延部の電気長が20.4mmの遅延線路
を用いる場合は、0〜0.82GHz・6.5 〜8.2 GHz・
13.8〜15.5GHz・21.2〜22.9GHz・28.6〜30.2GH
z・36.0〜37.6GHzのそれぞれの周波数範囲で伝搬定
数の抽出の精度が低下する。また遅延部の電気長が16.3
mmの遅延線路を用いる場合は、0〜1.0 GHz・8.2
〜10.2GHz・17.4〜19.4GHz・26.6〜28.6GHz・
35.8〜37.8GHzのそれぞれの周波数範囲で、さらに遅
延部の電気長が13.0mmの遅延線路を用いる場合は、0
〜1.3 GHz・10.3〜12.8GHz・21.8〜24.3GHz・
33.32 〜35.9GHzのそれぞれの周波数範囲で伝搬定数
の抽出の精度が低下する。
測定においては、遅延部の電気長が20.4mmの遅延線路
を用いる場合は、0〜0.82GHz・6.5 〜8.2 GHz・
13.8〜15.5GHz・21.2〜22.9GHz・28.6〜30.2GH
z・36.0〜37.6GHzのそれぞれの周波数範囲で伝搬定
数の抽出の精度が低下する。また遅延部の電気長が16.3
mmの遅延線路を用いる場合は、0〜1.0 GHz・8.2
〜10.2GHz・17.4〜19.4GHz・26.6〜28.6GHz・
35.8〜37.8GHzのそれぞれの周波数範囲で、さらに遅
延部の電気長が13.0mmの遅延線路を用いる場合は、0
〜1.3 GHz・10.3〜12.8GHz・21.8〜24.3GHz・
33.32 〜35.9GHzのそれぞれの周波数範囲で伝搬定数
の抽出の精度が低下する。
【0032】従って、これら3種類の遅延線路を用いて
伝搬定数を抽出する場合には、遅延部の電気長が20.4m
mの遅延線路での伝搬定数の抽出精度の低下する周波数
範囲を遅延部の電気長が16.3mmの遅延線路での抽出に
切り替え、さらに遅延部の電気長が20.4mmの遅延線路
と16.3mmの遅延線路での伝搬定数の抽出精度の低下す
る周波数範囲を遅延部の電気長が13.0mmの遅延線路で
の抽出に切り替えることによって、高精度に高周波測定
が行なえる周波数範囲として0.82〜40.0GHzの測定周
波数帯域を得ることができる。
伝搬定数を抽出する場合には、遅延部の電気長が20.4m
mの遅延線路での伝搬定数の抽出精度の低下する周波数
範囲を遅延部の電気長が16.3mmの遅延線路での抽出に
切り替え、さらに遅延部の電気長が20.4mmの遅延線路
と16.3mmの遅延線路での伝搬定数の抽出精度の低下す
る周波数範囲を遅延部の電気長が13.0mmの遅延線路で
の抽出に切り替えることによって、高精度に高周波測定
が行なえる周波数範囲として0.82〜40.0GHzの測定周
波数帯域を得ることができる。
【0033】このような遅延線路および測定周波数帯域
の組合せを用いて高周波用伝送線路(上記マイクロスト
リップ線路)の単位長さ当たりの伝送損失として伝搬定
数αを抽出して求めた結果を、図2に図4と同様の周波
数特性の線図として示す。図2においても横軸は周波数
f(GHz)を、縦軸は伝搬定数のうちの減衰定数α
(dB/m)を表わしており、曲線Bは上記の条件下で
TRL校正法により抽出された高周波用伝送線路の単位
長さ当たりの減衰定数αの周波数特性曲線を示してい
る。
の組合せを用いて高周波用伝送線路(上記マイクロスト
リップ線路)の単位長さ当たりの伝送損失として伝搬定
数αを抽出して求めた結果を、図2に図4と同様の周波
数特性の線図として示す。図2においても横軸は周波数
f(GHz)を、縦軸は伝搬定数のうちの減衰定数α
(dB/m)を表わしており、曲線Bは上記の条件下で
TRL校正法により抽出された高周波用伝送線路の単位
長さ当たりの減衰定数αの周波数特性曲線を示してい
る。
【0034】図2により分かるように、本発明の高周波
測定の校正標準器を用い、本発明の校正法によって校正
するとともに測定周波数帯域を得て、本発明の高周波用
伝送線路の伝送損失の測定方法によって伝送損失例えば
伝搬定数を求めることにより、得られた周波数帯域にお
いては周波数が高くなっても従来のように得られる伝搬
定数の変動が大きくなってその精度が低下することがな
くなり、高精度かつ正確に伝搬定数αが抽出でき、従っ
て正確な伝送損失を求めることができる。
測定の校正標準器を用い、本発明の校正法によって校正
するとともに測定周波数帯域を得て、本発明の高周波用
伝送線路の伝送損失の測定方法によって伝送損失例えば
伝搬定数を求めることにより、得られた周波数帯域にお
いては周波数が高くなっても従来のように得られる伝搬
定数の変動が大きくなってその精度が低下することがな
くなり、高精度かつ正確に伝搬定数αが抽出でき、従っ
て正確な伝送損失を求めることができる。
【0035】なお、本発明は上記の例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更
・改良を施すことは何ら差し支えない。例えば、本発明
によれば伝搬定数のうちの位相定数βについても高精度
かつ正確に抽出でき、さらにその結果に基づいて実効比
誘電率εreffを求めることもできる。
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更
・改良を施すことは何ら差し支えない。例えば、本発明
によれば伝搬定数のうちの位相定数βについても高精度
かつ正確に抽出でき、さらにその結果に基づいて実効比
誘電率εreffを求めることもできる。
【0036】
【発明の効果】本発明の高周波測定の校正標準器によれ
ば、TRL校正法で用いる校正標準器である測定基準面
間を接続する遅延線路が、誘電体基板上に線路導体が形
成されて成り、かつその遅延部の電気長が被測定周波数
の真空波長すなわち真空中の波長の半分よりも長い、異
なる電気長を有する複数本であることから、ミリ波帯等
の高周波に対しても、遅延線路の遅延部の物理的長さが
測定の確度に対して十分に長いものとなって、高い精度
で正確な遅延を得ることができるものとなり、より高精
度で正確な校正を行なうことができるものとなる。ま
た、これらの遅延線路の遅延部から抽出された伝搬定数
が高精度で正確なものとなり、従って正確な伝送損失を
抽出して求めることができるものとなる。
ば、TRL校正法で用いる校正標準器である測定基準面
間を接続する遅延線路が、誘電体基板上に線路導体が形
成されて成り、かつその遅延部の電気長が被測定周波数
の真空波長すなわち真空中の波長の半分よりも長い、異
なる電気長を有する複数本であることから、ミリ波帯等
の高周波に対しても、遅延線路の遅延部の物理的長さが
測定の確度に対して十分に長いものとなって、高い精度
で正確な遅延を得ることができるものとなり、より高精
度で正確な校正を行なうことができるものとなる。ま
た、これらの遅延線路の遅延部から抽出された伝搬定数
が高精度で正確なものとなり、従って正確な伝送損失を
抽出して求めることができるものとなる。
【0037】また、本発明の高周波測定の校正法によれ
ば、TRL校正法で用いる測定基準面間を接続する遅延
線路として、誘電体基板上に線路導体が形成されて成
る、遅延部の電気長が被測定周波数の真空波長の半分よ
りも長い、異なる電気長を有する複数本の遅延線路を用
いることから、ミリ波帯等の高周波に対しても、遅延線
路の遅延部の物理的長さが測定の確度に対して十分に長
いものとなって、高い精度で正確な遅延を得ることがで
きるものとなり、より高精度で正確な校正ができるもの
となる。また、この校正法によっても、これらの遅延線
路の遅延部から抽出された伝搬定数が高精度で正確なも
のとなり、従って正確な伝送損失を抽出して求めること
ができるものとなる。
ば、TRL校正法で用いる測定基準面間を接続する遅延
線路として、誘電体基板上に線路導体が形成されて成
る、遅延部の電気長が被測定周波数の真空波長の半分よ
りも長い、異なる電気長を有する複数本の遅延線路を用
いることから、ミリ波帯等の高周波に対しても、遅延線
路の遅延部の物理的長さが測定の確度に対して十分に長
いものとなって、高い精度で正確な遅延を得ることがで
きるものとなり、より高精度で正確な校正ができるもの
となる。また、この校正法によっても、これらの遅延線
路の遅延部から抽出された伝搬定数が高精度で正確なも
のとなり、従って正確な伝送損失を抽出して求めること
ができるものとなる。
【0038】また、本発明の高周波用伝送線路の伝送損
失の測定方法によれば、測定基準面間を測定対象の高周
波用伝送線路と同じ電気長の伝送線路で直接接続した状
態での散乱パラメータ測定値と、測定基準面間を遅延線
路を介して接続した状態での散乱パラメータ測定値とを
用いてTRL校正法により高周波用伝送線路の伝送損失
を求めるのに際して、遅延線路として、誘電体基板上に
線路導体が形成されて成る、遅延部の電気長が被測定周
波数の真空波長の半分よりも長い、異なる電気長を有す
る複数本の遅延線路を用いることから、ミリ波帯等の高
周波に対しても、遅延線路の遅延部の物理的長さが測定
の確度に対して十分に長いものとなって、高い精度で正
確な遅延を得ることができて正確な伝搬定数を得ること
ができるものとなり、より高精度で正確な伝送損失の測
定が行なえるものとなる。
失の測定方法によれば、測定基準面間を測定対象の高周
波用伝送線路と同じ電気長の伝送線路で直接接続した状
態での散乱パラメータ測定値と、測定基準面間を遅延線
路を介して接続した状態での散乱パラメータ測定値とを
用いてTRL校正法により高周波用伝送線路の伝送損失
を求めるのに際して、遅延線路として、誘電体基板上に
線路導体が形成されて成る、遅延部の電気長が被測定周
波数の真空波長の半分よりも長い、異なる電気長を有す
る複数本の遅延線路を用いることから、ミリ波帯等の高
周波に対しても、遅延線路の遅延部の物理的長さが測定
の確度に対して十分に長いものとなって、高い精度で正
確な遅延を得ることができて正確な伝搬定数を得ること
ができるものとなり、より高精度で正確な伝送損失の測
定が行なえるものとなる。
【0039】以上により、本発明によれば、高周波測定
における校正法として用いられるTRL校正法、すなわ
ち測定基準面間を測定対象の高周波用伝送線路と同じ電
気長の伝送線路で直接接続した状態での測定値と、測定
基準面間を遅延線路を介して接続した状態での測定値を
用いる校正法について、ミリ波帯等の高周波に対して
も、精度の低下が小さく、正確な遅延を得ることがで
き、高精度かつ高確度の校正を行なうことができる高周
波測定の校正標準器および高周波測定の校正法を提供す
ることができた。
における校正法として用いられるTRL校正法、すなわ
ち測定基準面間を測定対象の高周波用伝送線路と同じ電
気長の伝送線路で直接接続した状態での測定値と、測定
基準面間を遅延線路を介して接続した状態での測定値を
用いる校正法について、ミリ波帯等の高周波に対して
も、精度の低下が小さく、正確な遅延を得ることがで
き、高精度かつ高確度の校正を行なうことができる高周
波測定の校正標準器および高周波測定の校正法を提供す
ることができた。
【0040】また、本発明によれば、ミリ波帯等の高周
波に対してもTRL校正法によって伝搬定数を高精度で
正確に抽出することができ、伝送損失を正確に抽出する
ことができる高周波用伝送線路の伝送損失の測定方法を
提供することができた。
波に対してもTRL校正法によって伝搬定数を高精度で
正確に抽出することができ、伝送損失を正確に抽出する
ことができる高周波用伝送線路の伝送損失の測定方法を
提供することができた。
【図1】(a)〜(d)はそれぞれ本発明の高周波測定
の校正標準器の例を示す平面図である。
の校正標準器の例を示す平面図である。
【図2】本発明の校正法ならびに測定方法により抽出さ
れた減衰定数αの周波数特性曲線の例を示す線図であ
る。
れた減衰定数αの周波数特性曲線の例を示す線図であ
る。
【図3】(a)〜(d)はそれぞれ本発明にかかるTR
L校正法における2つの端子間(測定基準面間)を接続
する構造の例を示す平面図である。
L校正法における2つの端子間(測定基準面間)を接続
する構造の例を示す平面図である。
【図4】従来のTRL校正法により抽出された減衰定数
αの周波数特性曲線の例を示す線図である。
αの周波数特性曲線の例を示す線図である。
【符号の説明】
1、2、4、5、7、8、10、11・・・端子(測定基準
面) 3、9、12、15、17、21・・・・・・・伝送線路(線路
導体) 14、16、18、20・・・・・・・・・・・誘電体基板
面) 3、9、12、15、17、21・・・・・・・伝送線路(線路
導体) 14、16、18、20・・・・・・・・・・・誘電体基板
Claims (3)
- 【請求項1】 測定基準面間を高周波用伝送線路で直接
接続した状態での散乱パラメータ測定値と、測定基準面
間を遅延線路を介して接続した状態での散乱パラメータ
測定値とを用いるTRL校正法に使用される、高周波用
伝送線路の伝送特性に関する高周波測定の校正のための
高周波測定の校正標準器であって、前記遅延線路は、誘
電体基板上に線路導体が形成されて成り、かつ遅延部の
電気長が被測定周波数の真空波長の半分よりも長い、異
なる電気長を有する複数本であることを特徴とする高周
波測定の校正標準器。 - 【請求項2】 測定基準面間を高周波用伝送線路で直接
接続した状態での散乱パラメータ測定値と、測定基準面
間を遅延線路を介して接続した状態での散乱パラメータ
測定値とを用いるTRL校正法による、高周波用伝送線
路の伝送特性に関する高周波測定の校正法において、前
記遅延線路として、誘電体基板上に線路導体が形成され
て成る、遅延部の電気長が被測定周波数の真空波長の半
分よりも長い、異なる電気長を有する複数本の遅延線路
を用いることを特徴とする高周波測定の校正法。 - 【請求項3】 高周波用伝送線路の伝送損失を、測定基
準面間を前記高周波用伝送線路で直接接続した状態での
散乱パラメータ測定値と、測定基準面間を遅延線路を介
して接続した状態での散乱パラメータ測定値とを用いて
TRL校正法により求める測定方法であって、前記遅延
線路として、誘電体基板上に線路導体が形成されて成
る、遅延部の電気長が被測定周波数の真空波長の半分よ
りも長い、異なる電気長を有する複数本の遅延線路を用
いることを特徴とする高周波用伝送線路の伝送損失の測
定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00255197A JP3404238B2 (ja) | 1997-01-10 | 1997-01-10 | 高周波測定の校正標準器および校正法ならびに高周波用伝送線路の伝送損失の測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00255197A JP3404238B2 (ja) | 1997-01-10 | 1997-01-10 | 高周波測定の校正標準器および校正法ならびに高周波用伝送線路の伝送損失の測定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10197577A JPH10197577A (ja) | 1998-07-31 |
JP3404238B2 true JP3404238B2 (ja) | 2003-05-06 |
Family
ID=11532531
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00255197A Expired - Fee Related JP3404238B2 (ja) | 1997-01-10 | 1997-01-10 | 高周波測定の校正標準器および校正法ならびに高周波用伝送線路の伝送損失の測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3404238B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106772172A (zh) * | 2016-10-25 | 2017-05-31 | 中国电子科技集团公司第十三研究所 | 在片高低温s参数trl校准件的设计方法 |
Families Citing this family (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20010077106A (ko) * | 2000-01-31 | 2001-08-17 | 김용권 | 코플래나 웨이브 가이드 |
JP2002005972A (ja) * | 2000-06-22 | 2002-01-09 | Hitachi Chem Co Ltd | 伝送線路の伝送損失を解析する方法及びその方法に用いる測定治具 |
JP4274462B2 (ja) | 2003-09-18 | 2009-06-10 | 株式会社アドバンテスト | 誤差要因取得用装置、方法、プログラムおよび記録媒体 |
WO2005101036A1 (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-27 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | 電子部品の高周波電気特性測定方法および装置 |
US7405576B2 (en) | 2004-03-31 | 2008-07-29 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Method and apparatus for measuring high-frequency electrical characteristics of electronic device, and method for calibrating apparatus for measuring high-frequency electrical characteristics |
US7375534B2 (en) | 2004-04-02 | 2008-05-20 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Method and apparatus for measuring high-frequency electrical characteristics of electronic device, and method for calibrating apparatus for measuring high-frequency electrical characteristics |
WO2005101037A1 (ja) * | 2004-04-02 | 2005-10-27 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | 電子部品の高周波電気特性測定方法および装置 |
US7439748B2 (en) | 2004-04-02 | 2008-10-21 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Method and apparatus for measuring high-frequency electrical characteristics of electronic device, and method for calibrating apparatus for measuring high-frequency electrical characteristics |
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