JP3346732B2 - 高周波測定用基板 - Google Patents

高周波測定用基板

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JP3346732B2 JP32148897A JP32148897A JP3346732B2 JP 3346732 B2 JP3346732 B2 JP 3346732B2 JP 32148897 A JP32148897 A JP 32148897A JP 32148897 A JP32148897 A JP 32148897A JP 3346732 B2 JP3346732 B2 JP 3346732B2
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P5/00Coupling devices of the waveguide type
    • H01P5/08Coupling devices of the waveguide type for linking dissimilar lines or devices

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマイクロストリップ
線路を用いた半導体素子や半導体素子収納用パッケージ
・回路基板のマイクロ波帯あるいはミリ波帯といった高
周波における電気的特性の測定に使用される高周波測定
用基板に関し、特に測定可能な周波数帯域を改善した広
帯域低損失な高周波測定用基板に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波帯あるいはミリ波帯といった
高周波帯域における半導体素子や半導体素子収納用パッ
ケージ・回路基板の電気的特性の測定評価においては、
測定器側には、コプレーナ線路との接触により高確度測
定を可能としたウェハプローブが用いられる。一方、高
周波信号を用いる無線通信機器用等の高速ディジタル回
路や高周波回路もしくは高周波用半導体素子やそれを収
容する高周波用半導体素子収納用パッケージ等の被測定
物側の入出力部分の伝送線路はマイクロストリップ線路
が一般的である。このために、ウェハプローブを用いた
高周波における電気的特性の測定にはウェハプローブの
コプレーナ線路と被測定物のマイクロストリップ線路と
の接続を行なう線路変換部を設ける必要があり、この線
路変換部には被測定物の特性を高確度に抽出するために
低損失に高周波信号の伝送を行なうことが要求される。
【0003】従来、この線路変換部の構造としては、一
般にはコプレーナ線路部の信号導体幅ならびにグランド
導体幅はウェハプローブのヘッドが要求する寸法に対応
するように適切に設計され、その一端とマイクロストリ
ップ線路の一端とを相互の信号導体幅が滑らかに変化す
るように接続しており、コプレーナ線路の接地(グラン
ド)導体はマイクロストリップ線路の裏面の接地導体と
スルーホールあるいはビアホールといった貫通導体を介
して接続する構成であった。
【0004】例えば、図7に従来の線路変換部の構造の
例を平面図で示すように、比誘電率9.6 の誘電体基板1
の裏面のほぼ全面に導体膜を被着形成して接地導体と
し、マイクロストリップ線路部の信号導体2の幅を190
μm、コプレーナ線路部の信号導体3の幅を160 μm、
コプレーナ線路部の信号導体3と接地導体4および4’
との間隔を135 μmとし、コプレーナ線路部の接地導体
4・4’を貫通導体である各々直径150 μmのスルーホ
ール5および5’を介して裏面の接地導体と電気的に接
続した構造のものが用いられる。そして、このようにス
ルーホールパッド構造としたコプレーナ線路部の接地導
体を全く同一形状でマイクロストリップ線路部を介して
鏡像対称に対向させたものの電気的特性を測定により抽
出すると、図8に線図で示すような周波数特性が得られ
る。
【0005】図8において、横軸は周波数(単位:GH
z)、縦軸は入力した信号の内の伝送された量の評価指
標としての透過係数(単位:dB)を示しており、特性
曲線は透過係数の周波数特性を示している。この結果か
ら、周波数が高くなるに従って透過係数が小さくなり、
信号の透過量が減少することが分かる。
【0006】また、上記のようにスルーホールあるいは
ビアホールといった貫通導体を介さずにコプレーナ線路
とマイクロストリップ線路を線路変換して高周波測定用
基板として構成したものに、実用新案登録第2507797 号
「マイクロストリップライン回路測定治具」がある。同
号公報によれば、図9に平面図で示すように、その測定
治具(測定用基板)10は、裏面に地導体を有する誘電体
基板11上のマイクロストリップ線路12の先端をステップ
状またはテーパ状に形成してその幅をプローブヘッド13
の中心導体幅に一致させて接続し、また、その先端近傍
に半円状または半円に近い扇形のラジアルスタブ14によ
る等価的グランドを形成してプローブヘッド13の2つの
グランドラインの導体に対応させ、かつラジアルスタブ
14のスタブ半径を測定周波数の下限の約1/2波長の実
効長とする構成であった。
【0007】そして、このような構成によれば、プロー
ブヘッド13と測定治具10の結合にリボンボンディングや
上記の貫通導体のように変動する要素での接地導体間の
接続手段が介在しないので、測定データの良好な再現性
が得られるというものである。
【0008】この半円状または扇形のラジアルスタブ14
による等価的グランドの原理は、高周波回路における一
般的なラジアルスタブの現象と等価であるといえる。
【0009】すなわち、この内容はIEEE TRANSACTIONS
ON MICROWAVE THEORY AND TECHNIQUES, VOL.36, NO.7,
JULY 1988 " A Coplanar Probe to Microstrip Transit
ion" に基づくと、図10に平面図で示したような形状の
ラジアルスタブ15のリアクタンス値Xは、このラジアル
スタブ15が形成されている基板の厚みhとラジアルスタ
ブ15の内径r1 と外径r2 ・ラジアルの中心角θ・ラジ
アルを径方向へ伝搬する場合の実効比誘電率εre・自由
空間波長λ0 として次式で表される。
【0010】
【数1】
【0011】
【数2】
【0012】
【数3】
【0013】
【数4】
【0014】
【数5】
【0015】ここで、Ji (x)およびNi (x)はi
次のベッセル関数である。
【0016】このような原理でラジアルスタブは高周波
における動作が完全反射状態に近くなって等価的なグラ
ンドとみなせるという効果があることから、高周波測定
用基板における等価的グランドとしての応用が可能であ
り、実用新案登録第2507797号のラジアルスタブ14はそ
のような効果を用いているものである。
【0017】次に、このようなラジアルスタブによる高
周波測定用基板の特性を抽出する。
【0018】図4はラジアルスタブを用いた従来の高周
波測定用基板の例を示す平面図であり、比誘電率9.6 の
誘電体基板21の裏面のほぼ全面に接地導体としての金属
膜を被着形成し、表面にマイクロストリップ線路の信号
導体22・コプレーナ線路の信号導体23および23’を形成
し、コプレーナ線路の接地導体24および24’を信号導体
23・23’から135 μmの間隔を設けて設置し、接地導体
24および24’はそれぞれ内径215 μm・外径580 μm・
中心角230 °の扇形のラジアルスタブとして形成してい
る。この高周波用基板の電気的特性を測定により抽出す
ると、図5および図6にそれぞれ線図で示す結果が得ら
れた。
【0019】図5において、横軸は周波数(単位:GH
z)、縦軸は入力した信号の内の反射された量の評価指
標としての反射係数(単位:dB)を示しており、特性
曲線の内のSはシミュレーションの結果を、Mは実測値
をそれぞれ示している。また、図6において、横軸は周
波数(単位:GHz)、縦軸は入力した信号の内の伝送
された量の評価指標としての透過係数(単位:dB)を
示しており、特性曲線の内のSはシミュレーションの結
果を、Mは実測値をそれぞれ示している。これらの結果
から、ラジアルスタブを等価的なグランドとして用いる
ことにより低損失な透過周波数帯域特性を有する高周波
測定用基板が得られることが分かる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の高周波測定用基板においては、図7に示し
たようなスルーホールやビアホール等の貫通導体を用い
たものの場合には、マイクロ波帯さらにはミリ波帯とい
う高い周波数帯域において貫通導体のインダクタンス成
分によりグランドが不安定となってしまう結果、特性イ
ンピーダンスの不連続が生じ、入射信号に対して反射が
増大し、高周波信号の透過量が減少するという問題点が
あった。また、貫通導体の加工工程が必要であるために
高周波測定用基板の高精度な製造が困難であるという問
題点もあった。
【0021】また、図9や図4に示したように半円状ま
たは扇形のラジアルスタブによる等価的グランドを用い
た場合には、誘電体基板の基板厚みが適切に設定されて
いない場合には、等価的グランドとしての効果が得られ
る周波数においても効果が不十分であったり、高次モー
ドの影響が生じてしまう結果、高周波信号の透過量が減
少してしまうという問題点があった。
【0022】本発明は上記従来技術における問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的は、ラジアルスタブ
を等価的なグランドとして用いた高周波測定用基板にお
いて、製造上の困難を伴わずに、等価的なグランドを安
定させて高次モードの影響による伝搬損失の増加を抑制
することができ、それにより低損失透過周波数帯域を広
帯域化した高周波測定用基板を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の高周波測定用基
板は、誘電体材料から成る基板の下面の略全面に接地導
体が形成され、上面にマイクロストリップ線路の信号導
体とこの信号導体の先端近傍に設けた半円形または扇形
のラジアルスタブ形状の等価的接地導体とが形成されて
成り、前記信号導体と等価的接地導体とにそれぞれコプ
レーナ線路構造のウェハプローブの信号導体と接地導体
とを電気的に接続させる高周波測定用基板であって、前
記基板の厚みhと前記誘電体材料の比誘電率εr の平方
根との積h√εr を測定上限周波数の真空波長λmax
1/12以上1/5以下(λmax /12≦h√εr ≦λmax
/5)としたことを特徴とするものである。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明者は、従来の高周波測定用
基板の上記問題点に対し、特に誘電体基板すなわち誘電
体材料から成る基板の厚みhとその誘電体材料の比誘電
率εr と測定周波数の真空波長λとの関係に注目して様
々な実験・検討を行なった結果、誘電体材料から成る基
板、すなわち誘電体基板の下面の略全面に接地導体が形
成され、上面にマイクロストリップ線路の信号導体とこ
の信号導体の先端近傍に設けた半円形または扇形のラジ
アルスタブ形状の等価的接地導体とが形成されて成り、
信号導体と等価的接地導体とにそれぞれコプレーナ線路
構造のウェハプローブの信号導体と接地導体とを電気的
に接続させる高周波測定用基板において、誘電体基板の
厚みhとその誘電体材料の比誘電率εr の平方根√εr
との積h√εr を測定上限周波数の真空波長λmax の1
/12以上かつ1/5以下(λmax /12≦h√εr ≦λ
max /5)とすることにより、前記数1より厚みhが小
さくなるのに比例してリアクタンス値の絶対値|X|も
小さくなる(しかし、hが小さすぎると製造が困難とな
る。)ことから、ラジアルスタブ形状の等価的接地導体
におけるリアクタンス値が小さくなるために低損失透過
周波数帯域を広帯域化できることを知見し、しかも基板
の厚みhを比誘電率εr と測定上限周波数の真空波長λ
max に対して上記の関係とすることにより、製造上の困
難を伴わずに広帯域化を実現することができることも確
認し、それにより本発明を完成するに至ったものであ
る。
【0025】すなわち、誘電体基板上に形成されたラジ
アルスタブ形状の等価的接地導体において誘電体基板の
基板厚みhと誘電体基板の誘電体材料の比誘電率εr
平方根h√εr との積h√εr が測定上限周波数の真空
波長λmax の1/5より大きい場合(h√εr >λmax
/5)においては高次モードによる伝搬損失の増加に伴
う低損失な透過周波数帯域の狭帯域化が顕著となってい
たのに対し、本発明の高周波測定用基板によれば、h√
εr ≦λmax /5としたことによりそのような狭帯域化
の問題点を解決することができた。
【0026】また、誘電体基板の基板厚みhと誘電体基
板の誘電体材料の比誘電率εr の平方根との積h√εr
が測定上限周波数の真空波長λmax の1/12より小さい
場合(h√εr <λmax /12)においては基板厚みが薄
くなり過ぎるために製造上の困難が生じていたのに対
し、本発明の高周波測定用基板によれば、λmax /12≦
h√εr としたことによりそのような製造上の困難性の
問題点を解決することができた。
【0027】その結果、本発明によれば、製造上の困難
を伴わずに、等価的なグランドを安定させて高次モード
伝搬を抑圧することにより、伝搬損失を極力低減するこ
とができ、それにより低損失な透過周波数帯域を広く確
保することができて、広帯域に低損失な特性を有する高
周波測定用基板を提供することができる。
【0028】以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明
する。図1は本発明の高周波測定用基板の実施の形態の
一例を示す平面図である。図1において、31は裏面(下
面)の略全面に接地導体を被着形成した誘電体材料から
成る基板、すなわち誘電体基板である。ここで、本発明
の高周波測定用基板においては、この誘電体基板31の厚
みhとその誘電体材料の比誘電率εr の平方根との積h
√εr が、測定上限周波数の真空波長λmax の1/12以
上かつ1/5以下(λmax /12≦h√εr ≦λmax
5)の範囲となるように設定する。
【0029】32は誘電体基板31の表面(上面)に形成さ
れたマイクロストリップ線路の信号導体である。33はコ
プレーナ線路部の信号導体であり、マイクロストリップ
線路の信号導体32とは電気的に接続されて信号導体32の
先端となっていて、コプレーナ線路構造のウェハプロー
ブ(図示せず)の信号導体をマイクロストリップ線路の
信号導体32に接触させて電気的に接続させる部分に相当
する。
【0030】34はマイクロストリップ線路の信号導体32
の先端近傍に設けた等価的接地導体であり、半円形また
は扇形のラジアルスタブ形状の導体パターンにより形成
されている。この等価的接地導体34の形状・寸法・位置
等は従来のラジアルスタブと同様に設定され、所望の高
周波的な特性を満たすようにマイクロストリップ線路の
信号導体32の先端形状に合わせて両端部を延長する等し
て適宜設定される。
【0031】そして、35および35’は等価的接地導体34
の一部に径方向に沿って設けられた導体非形成領域であ
る。ここでは、導体非形成領域35・35’はそれぞれラジ
アルスタブ形状の等価的接地導体34の内周にその径方向
の一端を開放して設け、周方向には等価的接地導体34の
中心角の略1/4および略3/4の位置に配設した例を
示している。
【0032】なお、等価的接地導体34における導体非形
成領域35・35’の寸法や形状・位置等は、高周波的に悪
影響を与えずかつ透過周波数帯域よりも低周波側の周波
数で定在的な電荷密度分布が生じるように適宜設定すれ
ばよく、それにより、ラジアルスタブ上の電荷密度分布
が定在分布となる周波数を低周波側へ移動させることが
でき、低損失な透過周波数帯域を広げることができる。
例えば、等価的接地導体34はその裏面の接地導体との高
周波的な結合を極力強く(多く)することによって低損
失透過周波数帯域幅が広くなるため、そのような結合を
強くするにはラジアル角を大きくとることが有利である
ことから、導体非形成領域35・35’はその幅を径方向の
長さよりも短くして径方向に沿った形状となるようにす
ると好ましいものとなる。
【0033】
【実施例】次に、本発明の高周波測定用基板について具
体例を説明する。
【0034】図1に示すような、比誘電率9.6 のアルミ
ナセラミックスから成る誘電体基板31に対して、裏面の
ほぼ全面に金属膜を被着形成した。また、誘電体基板31
の上面に同様の金属膜によりマイクロストリップ線路の
信号導体32を形成し、その先端にコプレーナ線路部33を
信号導体の中心から接地導体までの距離を105 μmとし
て形成し、マイクロストリップ線路の信号導体32の先端
と電気的に接続した。
【0035】さらに、コプレーナ線路部の信号導体33
(マイクロストリップ線路の信号導体32の先端)の近傍
に信号導体の幅方向の中点を中心として、内径105 μm
・外径400 μm・中心角260 °の扇形のラジアルスタブ
を等価的接地導体34として形成し、扇形のラジアルスタ
ブ形状の等価的接地導体34の一部に、中心角の略1/4
および3/4の周方向位置に30μmの幅を有する径方向
に沿った切り欠き状の導体非形成領域35および35’を最
内周部の30μmの導体部分を残して形成することによ
り、高周波測定用基板の試料を作製した。
【0036】そして、基板の厚みhが異なることによる
特性の比較を行なうために、厚みhに対してマイクロス
トリップ線路(MSL)の信号線幅とコプレナ線路(C
PW)の信号線幅を表1に示す通りとして、本発明の実
施例としての試料B,C,D,E,Fおよび比較例とし
ての試料A,Gを作製した。
【0037】なお、表1には、各試料A〜Gのh√εr
についても併記した。
【0038】
【表1】
【0039】そして、これら試料A〜Gについて、電磁
界シミュレーションによりマイクロストリップ線路のコ
プレーナ線路に接続しない端部から、コプレーナ線路の
マイクロストリップ線路に接続しない端部への周波数に
応じた特性を抽出し、抽出した特性から、入力した信号
の内の伝送された量の評価指標として反射係数S11なら
びに透過係数S21を周波数特性として求めた。
【0040】このようにして得た試料A〜Gの伝送特性
の比較として、図2に各々の反射係数S11の周波数特性
を線図で示す。なお、図2において横軸は周波数(単
位:GHz)、縦軸は反射量(単位:dB)を表してお
り、特性曲線A〜Gは各試料A〜Gの周波数特性を示し
ている。
【0041】また、同様に試料A〜Gの伝送特性の比較
として、図3に各々の透過係数S21の周波数特性を線図
で示す。なお、図3において横軸は周波数(単位:GH
z)、縦軸は透過量(単位:dB)を表しており、特性
曲線A〜Gは各試料A〜Gの周波数特性を示している。
【0042】これらの比較の結果より分かるように、本
発明の高周波測定用基板である試料B〜Fは、誘電体基
板の下面の略全面に接地導体が形成され、上面にマイク
ロストリップ線路の信号導体とこの信号導体の先端近傍
に設けた半円形または扇形のラジアルスタブ形状の等価
的接地導体とが形成されて成り、信号導体と等価的接地
導体とにそれぞれコプレーナ線路構造のウェハプローブ
の信号導体と接地導体とを電気的に接続させる高周波測
定用基板であって、その誘電体基板の厚みhと誘電体材
料の比誘電率εr の平方根との積h√εr を測定上限周
波数の真空波長λmax の1/12以上1/5以下(λmax
/12≦h√εr ≦λmax /5)と、すなわち本実施例に
おいては測定上限周波数110 GHzの真空波長λ110GHz
(約2.72mm)の1/12(約227 μm)以上1/5(約
545 μm)以下としたことにより、ラジアルスタブ形状
の等価的接地導体におけるリアクタンス値が小さくなる
ために、等価的なグランドを安定させて高次モード伝搬
を抑圧することにより伝搬損失を極力低減することがで
き、それにより低損失透過周波数帯域を広帯域化できて
いる。
【0043】なお、誘電体基板上に形成されたラジアル
スタブ形状の等価的接地導体において基板の厚みhと比
誘電率εr の平方根との積h√εr が測定上限周波数の
真空波長λmax の1/5より大きい場合(h√εr >λ
max /5)である試料Gは、高次モードによる伝搬損失
の増加に伴う低損失な透過周波数帯域の狭帯域化という
問題点を有していることが分かる。また、h√εr がλ
max の1/12より小さい場合(h√εr <λmax /12)
である試料Aは、試料Bと同程度の性能であるが、基板
の厚みが薄すぎるために製造上困難であり、安定して試
料を得ることが困難であった。
【0044】なお、これらの試料の内では、リアクタン
ス値が小さく、かつ基板の厚みが薄すぎず製造上の困難
がないことから、試料Bが最も良いものであった。
【0045】これらの結果より、本発明の高周波測定用
基板によれば、誘電体基板の厚みhと誘電体材料の比誘
電率εr の平方根との積h√εr を測定上限周波数の真
空波長λmax の1/12以上かつ1/5以下(λmax /12
≦h√εr ≦λmax /5)としたことにより、ラジアル
スタブ形状の等価的接地導体におけるリアクタンス値が
小さくなる結果、低損失な透過周波数帯域を広く確保す
ることができ、広帯域に低損失な特性を有する高周波測
定用基板とすることができることが確認できた。
【0046】なお、以上はあくまで本発明の実施の形態
の例示であって、本発明はこれらに限定されるものでは
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や改
良を加えることは何ら差し支えない。例えば、複数の異
なる誘電体層から成る積層基板を用いた場合において
も、実効的な誘電率εr,eff を本発明の比誘電率とみな
すことによって、本発明が実施可能である。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明の高周波測定用基
板によれば、誘電体材料から成る基板の下面の略全面に
接地導体が形成され、上面にマイクロストリップ線路の
信号導体とこの信号導体の先端近傍に設けた半円形また
は扇形のラジアルスタブ形状の等価的接地導体とが形成
されて成り、前記信号導体と等価的接地導体とにそれぞ
れコプレーナ線路構造のウェハプローブの信号導体と接
地導体とを電気的に接続させる高周波測定用基板であっ
て、基板の厚みhと誘電体材料の比誘電率εr の平方根
との積h√εr を測定上限周波数の真空波長λmax の1
/12以上かつ1/5以下(λmax /12≦h√εr ≦λ
max /5)としたことにより、ラジアルスタブ形状の等
価的接地導体におけるリアクタンス値が小さくすること
ができ、その結果、ラジアルスタブを等価的なグランド
として用いた高周波測定用基板において、製造上の困難
を伴わずに、等価的なグランドを安定させて高次モード
伝搬を抑圧することにより伝搬損失を極力抑制すること
ができ、それにより低損失な透過周波数帯域を広く確保
することができて、広帯域に低損失な特性を有する高周
波測定用基板を提供することができた。
【0048】また、本発明の高周波測定用基板によれ
ば、スルーホールやビアホール等の貫通導体を用いた従
来の高周波測定用基板の場合のように高精度な基板加工
工程を必要としないために、高精度な測定が可能な高周
波測定用基板を容易かつ安価に提供できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波測定用基板の実施の形態の一例
を示す平面図である。
【図2】高周波測定用基板における周波数に対する反射
特性を示す線図である。
【図3】高周波測定用基板における周波数に対する透過
特性を示す線図である。
【図4】従来の高周波測定用基板の例を示す平面図であ
る。
【図5】高周波測定用基板における周波数に対する反射
特性を示す線図である。
【図6】高周波測定用基板における周波数に対する透過
特性を示す線図である。
【図7】従来の高周波測定用基板の例を示す平面図であ
る。
【図8】高周波測定用基板における周波数に対する透過
特性を示す線図である。
【図9】従来の高周波測定用基板の例を示す平面図であ
る。
【図10】ラジアルスタブの例を示す平面図である。
【符号の説明】
31・・・・・・・基板(誘電体基板) 32・・・・・・・マイクロストリップ線路の信号導体 34・・・・・・・等価的接地導体 35、35’・・・・導体非形成領域
フロントページの続き (56)参考文献 実用新案登録2507797(JP,Y2) DYLAN F.WILLIAMS, TOM H.MIERS,A Copl anar Probe to Micr ostrip Transition, IEEE TRANSACTIONS ON MICROWAVE THEOR Y AND TECHNIQUES, 1988年,VOL.36,No.7,1219− 1223頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 1/06 - 1/073 G01R 31/26 H01P 1/00 H01P 1/24 H01P 5/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体材料から成る基板の下面の略全面
    に接地導体が形成され、上面にマイクロストリップ線路
    の信号導体と該信号導体の先端近傍に設けた半円形また
    は扇形のラジアルスタブ形状の等価的接地導体とが形成
    されて成り、前記信号導体と等価的接地導体とにそれぞ
    れコプレーナ線路構造のウェハプローブの信号導体と接
    地導体とを電気的に接続させる高周波測定用基板であっ
    て、前記基板の厚みhと前記誘電体材料の比誘電率εr
    の平方根との積h√εr を測定上限周波数の真空波長λ
    max の1/12以上1/5以下としたことを特徴とする
    高周波測定用基板。
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