JPH11352085A - Coガスセンサ及びその製造方法、coガスの検知方法 - Google Patents
Coガスセンサ及びその製造方法、coガスの検知方法Info
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- JPH11352085A JPH11352085A JP15611698A JP15611698A JPH11352085A JP H11352085 A JPH11352085 A JP H11352085A JP 15611698 A JP15611698 A JP 15611698A JP 15611698 A JP15611698 A JP 15611698A JP H11352085 A JPH11352085 A JP H11352085A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 装置構成が単純で、比較的高温状態において
もCOガスを選択性よく検知でき、水蒸気濃度依存性を
有さず、排ガス中等の高温雰囲気中で長時間にわたって
使用されても、性能劣化等の発生しないCOガスセンサ
を得る。 【解決手段】 COガスセンサを構成するに、組成式A
x−By−Cu−Ozで表され、Aは周期表2族元素、
Bは3価以上の価数を取りえる元素で、Cuに対してx
は0.001〜0.1、yは0.001〜0.5である
組成物を検知素材とするガス検知部1を備えるととも
に、ガス検知部1の電気的抵抗値を測定可能な電極3を
備えた構成とする。
もCOガスを選択性よく検知でき、水蒸気濃度依存性を
有さず、排ガス中等の高温雰囲気中で長時間にわたって
使用されても、性能劣化等の発生しないCOガスセンサ
を得る。 【解決手段】 COガスセンサを構成するに、組成式A
x−By−Cu−Ozで表され、Aは周期表2族元素、
Bは3価以上の価数を取りえる元素で、Cuに対してx
は0.001〜0.1、yは0.001〜0.5である
組成物を検知素材とするガス検知部1を備えるととも
に、ガス検知部1の電気的抵抗値を測定可能な電極3を
備えた構成とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、COガス(一酸化
炭素)を検知を行うCOガスセンサ(一酸化炭素セン
サ)に関する。
炭素)を検知を行うCOガスセンサ(一酸化炭素セン
サ)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のCOガスの検出をおこな
うセンサとしては、酸化スズベースの半導体式ガスセン
サ、銅系ペロブスカイト化合物(Bi−Sr−Ca−C
uO)等を利用するものが知られている。ここで、酸化
スズベースのものにあっては、センサ素子温度を低温状
態と高温状態とに交互に設定し、低温状態においてCO
ガスを検出する。一方、銅系ペロブスカイト化合物を使
用する場合に、この材料相に発生する抵抗値の変化を、
検知温度一定のまま検出する。
うセンサとしては、酸化スズベースの半導体式ガスセン
サ、銅系ペロブスカイト化合物(Bi−Sr−Ca−C
uO)等を利用するものが知られている。ここで、酸化
スズベースのものにあっては、センサ素子温度を低温状
態と高温状態とに交互に設定し、低温状態においてCO
ガスを検出する。一方、銅系ペロブスカイト化合物を使
用する場合に、この材料相に発生する抵抗値の変化を、
検知温度一定のまま検出する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、酸化ス
ズベースのものにあっては、素子を交互に、COガス検
知動作をおこなう低温状態と、この低温状態に対して高
温である高温状態(300℃程度)とに切り換える必要
があるため、素子に付属の検出回路が複雑になる。ま
た、この低温状態とは、ほぼ100℃に近い状態である
ため、例えば、この温度より高い排ガス中のCOガス濃
度を検出することはできない。このような高温状態にあ
っては、H2ガスに関する感度がCOガスに対する感度
より高くなり、COガスを選択検知できないためであ
る。一方、銅系ペロブスカイト化合物を使用するもの
は、COガスとの接触による検知素材の抵抗値の変化を
捕らえればいいため、検出回路の構造は比較的簡便とす
ることができる。さらに、100℃より高い温度域でも
検出動作可能であるが、加湿条件下で加熱されると、ア
ルカリ土類成分が結晶外へ取り出され、多量に形成され
る。このような現象が発生すると、ガスに対する応答が
遅くなり、感度再現性が著しく低下する。さらに、本発
明者らは、検知素材の抵抗値を計るだけの比較的簡単な
構造で、比較的高温状態にあっても、COガスをH2ガ
スに対して選択的に検出することができるCOガスセン
サとして、銅酸化物と周期表2族元素とを組み合わせた
検知素材よりなる素子を、COガス検出に使用すること
を提案している(特願平8−262683)。また、同
様な機械的構成で、COガスを水蒸気濃度依存性(湿度
依存性)の無い状態で検出することを目的として、銅と
Biとを組み合わせた材料よりなる素子を、COガス検
出に使用することを提案している(特願平9−8909
0)。しかしながら、H2ガスに対する選択性を保つと
ともに、水蒸気濃度依存性を無くするという点、さらに
は、高温雰囲気下において長時間使用された場合にあっ
ても、応答時間が適切な時間内に維持され、感度再現性
が維持されるとともに、その素子抵抗値が適切な範囲に
収まるといった、様々な観点から、COガスセンサに要
求される要求性能を考えると、さらに改良の余地がある
ことが判明した。従って、本発明の目的は、装置構成が
単純で、比較的高温状態においてもCOガスを選択性よ
く検知でき、水蒸気濃度依存性を有さず、排ガス中等の
高温雰囲気中で長時間にわたって使用されても、性能劣
化等の発生しないCOガスセンサを得ることにある。
ズベースのものにあっては、素子を交互に、COガス検
知動作をおこなう低温状態と、この低温状態に対して高
温である高温状態(300℃程度)とに切り換える必要
があるため、素子に付属の検出回路が複雑になる。ま
た、この低温状態とは、ほぼ100℃に近い状態である
ため、例えば、この温度より高い排ガス中のCOガス濃
度を検出することはできない。このような高温状態にあ
っては、H2ガスに関する感度がCOガスに対する感度
より高くなり、COガスを選択検知できないためであ
る。一方、銅系ペロブスカイト化合物を使用するもの
は、COガスとの接触による検知素材の抵抗値の変化を
捕らえればいいため、検出回路の構造は比較的簡便とす
ることができる。さらに、100℃より高い温度域でも
検出動作可能であるが、加湿条件下で加熱されると、ア
ルカリ土類成分が結晶外へ取り出され、多量に形成され
る。このような現象が発生すると、ガスに対する応答が
遅くなり、感度再現性が著しく低下する。さらに、本発
明者らは、検知素材の抵抗値を計るだけの比較的簡単な
構造で、比較的高温状態にあっても、COガスをH2ガ
スに対して選択的に検出することができるCOガスセン
サとして、銅酸化物と周期表2族元素とを組み合わせた
検知素材よりなる素子を、COガス検出に使用すること
を提案している(特願平8−262683)。また、同
様な機械的構成で、COガスを水蒸気濃度依存性(湿度
依存性)の無い状態で検出することを目的として、銅と
Biとを組み合わせた材料よりなる素子を、COガス検
出に使用することを提案している(特願平9−8909
0)。しかしながら、H2ガスに対する選択性を保つと
ともに、水蒸気濃度依存性を無くするという点、さらに
は、高温雰囲気下において長時間使用された場合にあっ
ても、応答時間が適切な時間内に維持され、感度再現性
が維持されるとともに、その素子抵抗値が適切な範囲に
収まるといった、様々な観点から、COガスセンサに要
求される要求性能を考えると、さらに改良の余地がある
ことが判明した。従って、本発明の目的は、装置構成が
単純で、比較的高温状態においてもCOガスを選択性よ
く検知でき、水蒸気濃度依存性を有さず、排ガス中等の
高温雰囲気中で長時間にわたって使用されても、性能劣
化等の発生しないCOガスセンサを得ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明によるCOガスセンサの特徴構成は、組成式A
x−By−Cu−Ozで表され、Aは周期表2族元素、
Bは3価以上の価数を取りえる元素で、Cuに対してx
は0.001〜0.1、yは0.001〜0.5である
組成物を検知素材として用いたガス検知部を備えるとと
もに、このガス検知部の電気抵抗値を測定可能な電極を
備えることにある。このガスセンサは、ガス検知部に検
知対象のガスであるCOガスが接触して、その抵抗値が
変化する。この変化を、電極を介して検知することで、
ガスをセンシングすることができる。以下、このような
組成物を検知素材として使用することの意味を、無添加
の酸化銅との関連から順次説明する。説明にあたって
は、適宜、図面に基づいて説明をおこなうが、先ず、図
2〜11に示す図面の記載様式、本願のような抵抗値に
基づきガスを検知する場合の感度の評価方式に関して説
明する。図2〜11は、それぞれ、検知素材を異にする
ガス検知部(これは焼結体素子からなる)に備えられる
一対の電極間の電気抵抗値を、被検ガスCO、H2との
接触状態で調べたものであり、横軸に水蒸気濃度を取る
とともに、縦軸に計測される抵抗値を取って示してい
る。COガス、H2ガスを含有しない模擬排ガスにおい
て、水蒸気濃度をVol%で0.5〜15まで変動さ
せ、酸素分圧20%とした(これを、ベースガスと呼
ぶ)。さらに、これに、COガスが1000ppm、H
2ガスが1000ppm、夫々、個別にベースガスが添
加されたときの、抵抗値の変動を調べた。図中、COガ
ス1000ppmに対する抵抗値を白□二点鎖線で、H
2ガス1000ppmに対する抵抗値を白三角破線で、
ベースガスのみに対する抵抗値を黒丸実線で示してい
る。
の本発明によるCOガスセンサの特徴構成は、組成式A
x−By−Cu−Ozで表され、Aは周期表2族元素、
Bは3価以上の価数を取りえる元素で、Cuに対してx
は0.001〜0.1、yは0.001〜0.5である
組成物を検知素材として用いたガス検知部を備えるとと
もに、このガス検知部の電気抵抗値を測定可能な電極を
備えることにある。このガスセンサは、ガス検知部に検
知対象のガスであるCOガスが接触して、その抵抗値が
変化する。この変化を、電極を介して検知することで、
ガスをセンシングすることができる。以下、このような
組成物を検知素材として使用することの意味を、無添加
の酸化銅との関連から順次説明する。説明にあたって
は、適宜、図面に基づいて説明をおこなうが、先ず、図
2〜11に示す図面の記載様式、本願のような抵抗値に
基づきガスを検知する場合の感度の評価方式に関して説
明する。図2〜11は、それぞれ、検知素材を異にする
ガス検知部(これは焼結体素子からなる)に備えられる
一対の電極間の電気抵抗値を、被検ガスCO、H2との
接触状態で調べたものであり、横軸に水蒸気濃度を取る
とともに、縦軸に計測される抵抗値を取って示してい
る。COガス、H2ガスを含有しない模擬排ガスにおい
て、水蒸気濃度をVol%で0.5〜15まで変動さ
せ、酸素分圧20%とした(これを、ベースガスと呼
ぶ)。さらに、これに、COガスが1000ppm、H
2ガスが1000ppm、夫々、個別にベースガスが添
加されたときの、抵抗値の変動を調べた。図中、COガ
ス1000ppmに対する抵抗値を白□二点鎖線で、H
2ガス1000ppmに対する抵抗値を白三角破線で、
ベースガスのみに対する抵抗値を黒丸実線で示してい
る。
【0005】さて、このような抵抗値の測定に基づいて
ガスの検出をおこなうセンサにあっては、ガスに対する
感応は、ベースガス中の抵抗値と、被検ガス導入時の抵
抗値との隔たりによって認識され、感度=被検ガス中の
抵抗値/ベースガス中の抵抗値と定義することができ
る。従って、この隔たりが大きいほうが好ましく、CO
ガスのH2ガスに対する選択性を論じる場合は、COガ
ス側の隔たりが、H2ガス側の隔たりより大きいことが
必要である。さらに、水蒸気濃度依存性を議論する場合
は、水蒸気濃度の変化に対して、この隔たりが変化しな
いことが好ましい。以上のような基準に基づいて、以
下、説明していく。
ガスの検出をおこなうセンサにあっては、ガスに対する
感応は、ベースガス中の抵抗値と、被検ガス導入時の抵
抗値との隔たりによって認識され、感度=被検ガス中の
抵抗値/ベースガス中の抵抗値と定義することができ
る。従って、この隔たりが大きいほうが好ましく、CO
ガスのH2ガスに対する選択性を論じる場合は、COガ
ス側の隔たりが、H2ガス側の隔たりより大きいことが
必要である。さらに、水蒸気濃度依存性を議論する場合
は、水蒸気濃度の変化に対して、この隔たりが変化しな
いことが好ましい。以上のような基準に基づいて、以
下、説明していく。
【0006】A) 無添加の酸化銅(CuO) 無添加の酸化銅(CuO)は、図8に示すように、CO
ガス感度より、H2ガス感度の方が大きく、COガス感
度は水蒸気濃度の増大とともに大きくなる。即ち、水蒸
気濃度依存性が出る。この原因は、COガス感度が水蒸
気濃度とともに、大きくなる現象は、化学吸着水(表面
水酸基)とCOガスが相互作用をするためである。この
現象は、多くの一般半導体材料で見られる現象である
が、COガスセンサとして、水蒸気濃度が変動する環境
で用いる場合は、大きな誤差要因となり、本願のような
組成物を検知素材として使用することが必要となる。
ガス感度より、H2ガス感度の方が大きく、COガス感
度は水蒸気濃度の増大とともに大きくなる。即ち、水蒸
気濃度依存性が出る。この原因は、COガス感度が水蒸
気濃度とともに、大きくなる現象は、化学吸着水(表面
水酸基)とCOガスが相互作用をするためである。この
現象は、多くの一般半導体材料で見られる現象である
が、COガスセンサとして、水蒸気濃度が変動する環境
で用いる場合は、大きな誤差要因となり、本願のような
組成物を検知素材として使用することが必要となる。
【0007】B) 2族の元素Aの添加 2族の添加については、H2ガス感度を抑制することが
効果があり、COガスに対する増感効果は無く、例え
ば、図8と図11を比較することによってこのことが判
る。ここで、図11は、Baを所定量添加したものであ
る。しかしながら、2族の添加が、x=0.001未満
では、H2ガス感度の抑制効果を充分に得ることができ
ない。一方、x=0.1より大きくなると、H2ガス感
度抑制効果が大きいが、COガス感度も低下する傾向を
示すようになり、ガスに対する応答性が低下する。ま
た、感度再現性が低下する。従って、H2ガス感度抑
制、およびCOガス感度の絶対値、応答速度や感度再現
性の維持の点では、2族の元素A/Cu比は、0.1/
100〜10/100でCOガスセンサとして比較的良
好に機能し得るが、COガス感度の大きさの点(抵抗値
を好ましい範囲内に収める)で、1/100〜5/10
0が好ましい。
効果があり、COガスに対する増感効果は無く、例え
ば、図8と図11を比較することによってこのことが判
る。ここで、図11は、Baを所定量添加したものであ
る。しかしながら、2族の添加が、x=0.001未満
では、H2ガス感度の抑制効果を充分に得ることができ
ない。一方、x=0.1より大きくなると、H2ガス感
度抑制効果が大きいが、COガス感度も低下する傾向を
示すようになり、ガスに対する応答性が低下する。ま
た、感度再現性が低下する。従って、H2ガス感度抑
制、およびCOガス感度の絶対値、応答速度や感度再現
性の維持の点では、2族の元素A/Cu比は、0.1/
100〜10/100でCOガスセンサとして比較的良
好に機能し得るが、COガス感度の大きさの点(抵抗値
を好ましい範囲内に収める)で、1/100〜5/10
0が好ましい。
【0008】さて、このような2族の元素Aに関して、
発明者らは、以下の現象が2族と酸化銅との関係で発生
しやすいことを確認している。即ち、2族は、熱処理直
後に酸化銅中に固溶(あるいは、複合酸化物などの別の
結晶系を形成)していたとしても、加湿条件で、NO
x,SOx等と接触して加熱されると、徐々に結晶外に
取り出される。この析出した2族は、排ガスなどに暴露
されると、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩を形成する。このよ
うな、経時変化を避けるには、2族の原料として、炭酸
塩、硫酸塩、硝酸塩等を用い、比較的低い温度(800
℃以下)で焼結することにより、酸化銅粒子(あるいは
結晶)の回りに、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩がそのまま存
在する組成物を得ることができる。ここで、析出した
(あるいは元々結晶外に存在する)2族化合物は、導電
性粒子の酸化銅(CuO、Cu2O)を被覆し、H2ガス
感度を著しく抑制する効果を発揮する。しかしながら、
2族化合物の析出量が多くなるに従い(例えば、上記の
xが0.1より大きいと)、ガスに対する応答性が低下
し、また、抵抗値の再現性が低下する。抵抗値のばらつ
きも増加する。従って、xは0.1より小さいことが好
ましい。このような技術的知見は新知見であり、発明者
により、鋭意研究されて初めて確認されたことである。
発明者らは、以下の現象が2族と酸化銅との関係で発生
しやすいことを確認している。即ち、2族は、熱処理直
後に酸化銅中に固溶(あるいは、複合酸化物などの別の
結晶系を形成)していたとしても、加湿条件で、NO
x,SOx等と接触して加熱されると、徐々に結晶外に
取り出される。この析出した2族は、排ガスなどに暴露
されると、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩を形成する。このよ
うな、経時変化を避けるには、2族の原料として、炭酸
塩、硫酸塩、硝酸塩等を用い、比較的低い温度(800
℃以下)で焼結することにより、酸化銅粒子(あるいは
結晶)の回りに、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩がそのまま存
在する組成物を得ることができる。ここで、析出した
(あるいは元々結晶外に存在する)2族化合物は、導電
性粒子の酸化銅(CuO、Cu2O)を被覆し、H2ガス
感度を著しく抑制する効果を発揮する。しかしながら、
2族化合物の析出量が多くなるに従い(例えば、上記の
xが0.1より大きいと)、ガスに対する応答性が低下
し、また、抵抗値の再現性が低下する。抵抗値のばらつ
きも増加する。従って、xは0.1より小さいことが好
ましい。このような技術的知見は新知見であり、発明者
により、鋭意研究されて初めて確認されたことである。
【0009】このような2族の元素Aが、Ba、Sr、
Caより選ばれる1以上のアルカリ土類元素で、これら
が化合物として存在することが好ましい。これらの元素
は、化合物として存在することで、H2ガス感度抑制効
果を発揮できるためである。ここで、Baは、抑制効果
が強い点で有利である。さらに、先にも説明した原理か
ら、2族を、そのCuに対する量を制限し、単純酸化
物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩の少なくとも1
以上の相として、CuO相とは別に、存在する構造とす
ることが好ましい。このような形態で2族元素を化合物
として備える場合は、経時的に安定な特性を得ることが
できる。この点、2族元素が、他の元素、Cuと化合し
た(ペロブスカイト等の)結晶構造を取るものにあって
は、経時変化が発現しやすい。このような形態とするた
めには、2族の原料として、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩等
と用い、比較的低い温度(800℃以下)で焼結する。
ここで、炭酸塩、硫酸塩は、原料の入手、製造の点で好
ましい。しかし、このような形態を取ることによって、
H2ガス感度が抑制されたCOガス検知特性が得られる
が、水蒸気濃度(湿度)変動に対するCOガス感度の安
定性の点では、課題が残る。即ち、水蒸気濃度が3%以
上であれば、比較的安定な特性となるものの、1.5v
ol%以下の低域になると、無添加の酸化銅と同様に、
COガス感度が小さくなる。
Caより選ばれる1以上のアルカリ土類元素で、これら
が化合物として存在することが好ましい。これらの元素
は、化合物として存在することで、H2ガス感度抑制効
果を発揮できるためである。ここで、Baは、抑制効果
が強い点で有利である。さらに、先にも説明した原理か
ら、2族を、そのCuに対する量を制限し、単純酸化
物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩の少なくとも1
以上の相として、CuO相とは別に、存在する構造とす
ることが好ましい。このような形態で2族元素を化合物
として備える場合は、経時的に安定な特性を得ることが
できる。この点、2族元素が、他の元素、Cuと化合し
た(ペロブスカイト等の)結晶構造を取るものにあって
は、経時変化が発現しやすい。このような形態とするた
めには、2族の原料として、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩等
と用い、比較的低い温度(800℃以下)で焼結する。
ここで、炭酸塩、硫酸塩は、原料の入手、製造の点で好
ましい。しかし、このような形態を取ることによって、
H2ガス感度が抑制されたCOガス検知特性が得られる
が、水蒸気濃度(湿度)変動に対するCOガス感度の安
定性の点では、課題が残る。即ち、水蒸気濃度が3%以
上であれば、比較的安定な特性となるものの、1.5v
ol%以下の低域になると、無添加の酸化銅と同様に、
COガス感度が小さくなる。
【0010】C) 3価以上の価数を取りえる元素Bの
添加 3価以上の価数を取りえる元素Bは、CuOに固溶さ
れ、2価であるCuサイトに置換すると、以下の式に従
い、Cuの1価を生成するものと我々は考えている。C
u以外の元素をM(3価数)とすると、
添加 3価以上の価数を取りえる元素Bは、CuOに固溶さ
れ、2価であるCuサイトに置換すると、以下の式に従
い、Cuの1価を生成するものと我々は考えている。C
u以外の元素をM(3価数)とすると、
【0011】
【化1】 により、電子を放出し(周囲を還元して)、結果とし
て、Cuの1価を得る。このCuの1価は、COガス吸
着量を増大させる効果があるため、COガスの感度が増
大し、感度は水蒸気濃度に依存しにくくなる。このよう
な3価以上の原子価をとりえる元素Bは、H2ガス元素
の抑制効果に関しては、Biについては確認できるが、
アルカリ土類元素を添加したものほど顕著ではない。ま
た、それ以外の3価以上の価数を取り得る元素Bでは、
COガス感度の増感効果と水蒸気濃度安定性を付与する
ことはできても、H2ガス感度を抑制する効果は充分で
ない。また、水蒸気濃度が、1.5vol%以上では、
比較的、COガス感度が安定であるが、さらに低水蒸気
濃度(0.5〜1.5vol%)となると、COガス感
度が変動する点に、改善の余地がある。以上の結果を踏
まえ、発明者は、2族の元素Aと、3価以上の価数を取
り得る元素Bをともに、添加し、量的、存在状態の制御
を伴った状態の検討を鋭意検討し、COガス感度の絶対
値を維持し、H2ガス感度を抑制し、且つ、広域(水蒸
気濃度が0.5〜1.5vol%)の水蒸気濃度(湿
度)に亙って、COガス感度の安定性を得ることに成功
し、本発明を完成させた。以下、具体的に説明する。こ
のような元素Bとしては、Bi、Y、Ti、V、Al、
Si、Sb、Ce、In等が実用的である。上記のよう
な、原子価制御効果を発揮させるためには、添加した原
子は、均一に酸化銅粒子に原子レベルで分布されている
ことが望ましい形態であるが、熱力学上、そのような相
の形成が困難なものであっても、十分な熱処理を行うこ
とによって、添加原子が、酸化銅粒子の表面近傍に拡散
された相(偏析相)を形成し、その酸化銅粒子の最表面
において、同様の効果を得ることができると考えられ
る。A、B元素ともに備える場合は、この量としてはy
が、0.001未満では、水蒸気濃度依存性を抑制する
効果を得にくい。yが0.1以上になると、3価以上の
元素は、酸化銅粒子に固溶しきれなくなり析出するが、
H2ガス感度は比較的抑制され、かつ、COガス感度の
水蒸気濃度依存性も小さい。しかし、3価以上の価数を
取りえる元素B/Cu=yが0.5より大きいと、素子
抵抗値が大きくなり、これら分相の分布状態の違いに基
づく、検知素子間の抵抗値のばらつきが問題となり、実
用的でなくなる。従って、COガス感度の水蒸気濃度依
存性の抑制、H2ガス感度の抑制の点では、yは、0.
001〜0.5で、COガスセンサとして機能し得、好
ましいが、さらに、センサ素子の抵抗値の大きさ、再現
性の点で、1/100〜5/100が好ましい。このよ
うな技術的知見は新知見であり、発明者により鋭意研究
されて初めて確認されたことである。即ち、これまで説
明してきたように、前記3価以上の価数を取りえる元素
Bは、酸化銅粒子、もしくは、酸化銅結晶粒子に固溶さ
れていることが好ましい。結果、本発明では、先に目的
の項で説明した課題を適切に解決できる。
て、Cuの1価を得る。このCuの1価は、COガス吸
着量を増大させる効果があるため、COガスの感度が増
大し、感度は水蒸気濃度に依存しにくくなる。このよう
な3価以上の原子価をとりえる元素Bは、H2ガス元素
の抑制効果に関しては、Biについては確認できるが、
アルカリ土類元素を添加したものほど顕著ではない。ま
た、それ以外の3価以上の価数を取り得る元素Bでは、
COガス感度の増感効果と水蒸気濃度安定性を付与する
ことはできても、H2ガス感度を抑制する効果は充分で
ない。また、水蒸気濃度が、1.5vol%以上では、
比較的、COガス感度が安定であるが、さらに低水蒸気
濃度(0.5〜1.5vol%)となると、COガス感
度が変動する点に、改善の余地がある。以上の結果を踏
まえ、発明者は、2族の元素Aと、3価以上の価数を取
り得る元素Bをともに、添加し、量的、存在状態の制御
を伴った状態の検討を鋭意検討し、COガス感度の絶対
値を維持し、H2ガス感度を抑制し、且つ、広域(水蒸
気濃度が0.5〜1.5vol%)の水蒸気濃度(湿
度)に亙って、COガス感度の安定性を得ることに成功
し、本発明を完成させた。以下、具体的に説明する。こ
のような元素Bとしては、Bi、Y、Ti、V、Al、
Si、Sb、Ce、In等が実用的である。上記のよう
な、原子価制御効果を発揮させるためには、添加した原
子は、均一に酸化銅粒子に原子レベルで分布されている
ことが望ましい形態であるが、熱力学上、そのような相
の形成が困難なものであっても、十分な熱処理を行うこ
とによって、添加原子が、酸化銅粒子の表面近傍に拡散
された相(偏析相)を形成し、その酸化銅粒子の最表面
において、同様の効果を得ることができると考えられ
る。A、B元素ともに備える場合は、この量としてはy
が、0.001未満では、水蒸気濃度依存性を抑制する
効果を得にくい。yが0.1以上になると、3価以上の
元素は、酸化銅粒子に固溶しきれなくなり析出するが、
H2ガス感度は比較的抑制され、かつ、COガス感度の
水蒸気濃度依存性も小さい。しかし、3価以上の価数を
取りえる元素B/Cu=yが0.5より大きいと、素子
抵抗値が大きくなり、これら分相の分布状態の違いに基
づく、検知素子間の抵抗値のばらつきが問題となり、実
用的でなくなる。従って、COガス感度の水蒸気濃度依
存性の抑制、H2ガス感度の抑制の点では、yは、0.
001〜0.5で、COガスセンサとして機能し得、好
ましいが、さらに、センサ素子の抵抗値の大きさ、再現
性の点で、1/100〜5/100が好ましい。このよ
うな技術的知見は新知見であり、発明者により鋭意研究
されて初めて確認されたことである。即ち、これまで説
明してきたように、前記3価以上の価数を取りえる元素
Bは、酸化銅粒子、もしくは、酸化銅結晶粒子に固溶さ
れていることが好ましい。結果、本発明では、先に目的
の項で説明した課題を適切に解決できる。
【0012】さて、上述のような形態とするために、3
価以上の価数を取り得る元素Bを酸化銅中に充分に固溶
させるとともに、2族化合物を添加し、析出相を形成し
ておく場合は、以下のような手法を採ることが好まし
い。このような手法は、3価以上の価数を取り得る元素
Bと、2族化合物との組み合わせに従って、変える必要
がある。即ち、前者の元素の固溶温度が、後者の化合物
の固溶をも発生される可能性がある場合は、以下の手順
を経て検知素材を得ることにより、本願の目的に合致し
たものを得ることができる。即ち、酸化銅と3価以上の
価数を取りえる元素Bとの焼成を、3価以上の価数を取
りえる元素Aが、酸化銅粒子もしくは酸化銅結晶粒子に
固溶する第1段焼成温度(比較的高温である)でおこな
う第1段焼成を経て、予備焼成物を得、この第1段焼成
を経て得られる予備焼成物と、周期表2族元素の化合物
とを、周期表2族元素Aの化合物が、酸化銅粒子外もし
くは酸化銅結晶粒子外に残る第2段焼成温度(前記第1
段焼成温度より低温で、比較的低温である)でおこなう
第2段焼成を経て、検知素材を得る。
価以上の価数を取り得る元素Bを酸化銅中に充分に固溶
させるとともに、2族化合物を添加し、析出相を形成し
ておく場合は、以下のような手法を採ることが好まし
い。このような手法は、3価以上の価数を取り得る元素
Bと、2族化合物との組み合わせに従って、変える必要
がある。即ち、前者の元素の固溶温度が、後者の化合物
の固溶をも発生される可能性がある場合は、以下の手順
を経て検知素材を得ることにより、本願の目的に合致し
たものを得ることができる。即ち、酸化銅と3価以上の
価数を取りえる元素Bとの焼成を、3価以上の価数を取
りえる元素Aが、酸化銅粒子もしくは酸化銅結晶粒子に
固溶する第1段焼成温度(比較的高温である)でおこな
う第1段焼成を経て、予備焼成物を得、この第1段焼成
を経て得られる予備焼成物と、周期表2族元素の化合物
とを、周期表2族元素Aの化合物が、酸化銅粒子外もし
くは酸化銅結晶粒子外に残る第2段焼成温度(前記第1
段焼成温度より低温で、比較的低温である)でおこなう
第2段焼成を経て、検知素材を得る。
【0013】一方、前者の元素の固溶温度が比較的低温
で、後者の化合物の処理に問題を発生しない場合は、以
下の手順を経て検知素材を得ることにより、本願の目的
に合致したものを得ることができる。即ち、3価以上の
価数を取りえる元素Bが酸化銅に固溶する温度で、且
つ、周期表2族元素Aの化合物が酸化銅粒子外もしくは
酸化銅結晶粒子外に残る一段焼成温度で、酸化銅、3価
以上の価数を取りえる元素及び周期表2族元素の化合物
を、同時に焼成して検知素材を得る。
で、後者の化合物の処理に問題を発生しない場合は、以
下の手順を経て検知素材を得ることにより、本願の目的
に合致したものを得ることができる。即ち、3価以上の
価数を取りえる元素Bが酸化銅に固溶する温度で、且
つ、周期表2族元素Aの化合物が酸化銅粒子外もしくは
酸化銅結晶粒子外に残る一段焼成温度で、酸化銅、3価
以上の価数を取りえる元素及び周期表2族元素の化合物
を、同時に焼成して検知素材を得る。
【0014】以上説明してきたように、例えば、排ガス
等の200〜400℃内の温度状態にあり、水蒸気濃度
が、1.5〜15vol%の範囲で変動するガスに含有
されるCOガスを検知するに、これまで説明してきたC
Oガスセンサを使用して、電極を介して得られる検知素
材の電気的特性(例えば抵抗値)によりCOガスを検知
することで、比較的、高温環境にあり、水蒸気濃度が変
動する環境における、COガス濃度を、簡易な構成で、
感度の変動なく検知することができる。
等の200〜400℃内の温度状態にあり、水蒸気濃度
が、1.5〜15vol%の範囲で変動するガスに含有
されるCOガスを検知するに、これまで説明してきたC
Oガスセンサを使用して、電極を介して得られる検知素
材の電気的特性(例えば抵抗値)によりCOガスを検知
することで、比較的、高温環境にあり、水蒸気濃度が変
動する環境における、COガス濃度を、簡易な構成で、
感度の変動なく検知することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のセンサの構造を図1に示
した例に基づき説明する。図1のセンサは、ガス検知部
1を粉体焼結法(所謂焼成)により形成するものであ
る。
した例に基づき説明する。図1のセンサは、ガス検知部
1を粉体焼結法(所謂焼成)により形成するものであ
る。
【0016】ガス検知部1は基板4上に形成され、基板
4にはヒーターが内蔵される。またガス検知部1には一
対の検出電極3が設けられ、ガス種の有無を半導体表面
の電気抵抗値の変化によって検出する。素子の電気抵抗
値の測定は、一対の検出電極3のみの計測による2端子
法や、検出電極3の外側に設けられた加流電極2によっ
て一定の電流を印加したときの、検出電極3の間の電圧
を測定する4端子法であってもよい。
4にはヒーターが内蔵される。またガス検知部1には一
対の検出電極3が設けられ、ガス種の有無を半導体表面
の電気抵抗値の変化によって検出する。素子の電気抵抗
値の測定は、一対の検出電極3のみの計測による2端子
法や、検出電極3の外側に設けられた加流電極2によっ
て一定の電流を印加したときの、検出電極3の間の電圧
を測定する4端子法であってもよい。
【0017】粉末焼結をおこなうにあたっては、市販の
高純度酸化銅(CuO)粉末を使用し、これに周期表2
族元素化合物に関しては、好ましくはアルカリ土類金属
化合物、特に好ましくはCaCO3 、SrCO3 、Ba
CO3 の粉末を所定比率で添加し、3価以上の価数を取
りえる元素Bに関しては、好ましくはY、Bi、Ce、
Inの化合物、特に好ましくはY2O3 、Bi2O3 、C
eO2、In2O3 の粉末を所定比率で添加し、所定の温
度域で熱処理し、ガス検知部たる焼結体とする。この焼
成工程にあって、3価以上の価数を取りえる元素Bに関
しては、この元素が酸化銅中に固溶することを目的とす
るため、比較的高温の固溶を起こすことができる温度で
処理する。一方、2族元素Aに関しては、この元素の化
合物相と酸化銅相とが別個にあることが好ましいため、
この元素が固溶を起こさない比較的低温で行う。即ち、
3価以上の価数を取りえる元素Bと、2族元素Aとの組
み合わせにより、3価以上の価数を取りえる元素Bが酸
化銅に固溶を起こす温度で2族元素Aが酸化銅と別相と
なりうる場合は、同時に焼成をおこない(この焼成を一
段焼成という)、別相となりえない場合は、3価以上の
価数を取りえる元素の酸化銅に対する固溶処理を比較的
高い温度で行い(第1段焼成)、その生成物に対して2
族元素化合物を焼成するに、比較的低温の2族元素が固
溶を起こさない温度域で焼成をおこなう(第2段焼
成)。これを二段焼成と呼ぶ。このようにすることによ
り、本願、所望の組成物を得ることができる。
高純度酸化銅(CuO)粉末を使用し、これに周期表2
族元素化合物に関しては、好ましくはアルカリ土類金属
化合物、特に好ましくはCaCO3 、SrCO3 、Ba
CO3 の粉末を所定比率で添加し、3価以上の価数を取
りえる元素Bに関しては、好ましくはY、Bi、Ce、
Inの化合物、特に好ましくはY2O3 、Bi2O3 、C
eO2、In2O3 の粉末を所定比率で添加し、所定の温
度域で熱処理し、ガス検知部たる焼結体とする。この焼
成工程にあって、3価以上の価数を取りえる元素Bに関
しては、この元素が酸化銅中に固溶することを目的とす
るため、比較的高温の固溶を起こすことができる温度で
処理する。一方、2族元素Aに関しては、この元素の化
合物相と酸化銅相とが別個にあることが好ましいため、
この元素が固溶を起こさない比較的低温で行う。即ち、
3価以上の価数を取りえる元素Bと、2族元素Aとの組
み合わせにより、3価以上の価数を取りえる元素Bが酸
化銅に固溶を起こす温度で2族元素Aが酸化銅と別相と
なりうる場合は、同時に焼成をおこない(この焼成を一
段焼成という)、別相となりえない場合は、3価以上の
価数を取りえる元素の酸化銅に対する固溶処理を比較的
高い温度で行い(第1段焼成)、その生成物に対して2
族元素化合物を焼成するに、比較的低温の2族元素が固
溶を起こさない温度域で焼成をおこなう(第2段焼
成)。これを二段焼成と呼ぶ。このようにすることによ
り、本願、所望の組成物を得ることができる。
【0018】当該ガス検知部には、電気伝導性の変化を
検知するための少なくとも、一対以上の電極と、ガス検
知部表面の温度を一定に保持する加熱手段を形成でき
る。電極材料は金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)
等の貴金属の使用が好適である。加熱手段としては、加
熱手段を備えた基板4と、上記方法によって作成された
焼結体とが固着された構造か、もしくは、粉末を成形す
る段階で、ヒーター部を内部に埋設し、焼成すること
で、焼結体内部に設けられた構造を採用してもよい。
検知するための少なくとも、一対以上の電極と、ガス検
知部表面の温度を一定に保持する加熱手段を形成でき
る。電極材料は金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)
等の貴金属の使用が好適である。加熱手段としては、加
熱手段を備えた基板4と、上記方法によって作成された
焼結体とが固着された構造か、もしくは、粉末を成形す
る段階で、ヒーター部を内部に埋設し、焼成すること
で、焼結体内部に設けられた構造を採用してもよい。
【0019】ガス検知部を焼成により製造する際には、
バインダー材料を使用することができる。
バインダー材料を使用することができる。
【0020】また、ガス検知部の表面上に、COガス以
外の他のガスを除去するための触媒層を設ける場合は、
触媒としては、Pt、Pd、Rh、Au等の貴金属触媒
が使用可能であり、ガス検知部の表面に付着させてもよ
く、ガス検知部を粉体焼結法により製造する場合には、
原料粉末と混合して焼結することにより付着させてもよ
い。かかる触媒の使用により、COガスに対する感度を
向上させることができる。
外の他のガスを除去するための触媒層を設ける場合は、
触媒としては、Pt、Pd、Rh、Au等の貴金属触媒
が使用可能であり、ガス検知部の表面に付着させてもよ
く、ガス検知部を粉体焼結法により製造する場合には、
原料粉末と混合して焼結することにより付着させてもよ
い。かかる触媒の使用により、COガスに対する感度を
向上させることができる。
【0021】センサの動作温度については、本発明のガ
ス検知部のいずれについても高温になるほどCOガスに
対する感度が低下し、逆に200℃以下になると応答速
度が遅くなり好ましくない。最適な温度範囲は、250
〜350℃(実用的な温度は200〜400℃)であ
り、酸化スズの場合のように、低温と高温との別の温度
域に切り換え操作する必要はない。
ス検知部のいずれについても高温になるほどCOガスに
対する感度が低下し、逆に200℃以下になると応答速
度が遅くなり好ましくない。最適な温度範囲は、250
〜350℃(実用的な温度は200〜400℃)であ
り、酸化スズの場合のように、低温と高温との別の温度
域に切り換え操作する必要はない。
【0022】
【実施例】以下、感度評価方法、COガスセンサの製造
とその結果の順に、図2〜11を参照しながら説明す
る。ここで、図8、9、10、11は、本願の組成物の
優位性を説明するための比較例であり、図8の組成物は
酸化銅単独のもの、図9の結果は、酸化銅にYのみが固
溶したもの、図10は酸化銅にBiのみが固溶したも
の、図11は酸化銅にBaCO3を混合して比較的低温
で焼成したものの結果を、それぞれ示している。
とその結果の順に、図2〜11を参照しながら説明す
る。ここで、図8、9、10、11は、本願の組成物の
優位性を説明するための比較例であり、図8の組成物は
酸化銅単独のもの、図9の結果は、酸化銅にYのみが固
溶したもの、図10は酸化銅にBiのみが固溶したも
の、図11は酸化銅にBaCO3を混合して比較的低温
で焼成したものの結果を、それぞれ示している。
【0023】〔感度評価方法〕先にも説明したが、組成
物の評価にあたっては、作成された焼結体素子の一対の
電極間の電気抵抗値を、模擬排ガス中にさらされた状態
で調べた。水蒸気濃度として、体積Vol%で、0.5
〜15まで変動させ、酸素分圧20%とした(これを、
ベースガスと呼ぶ)。評価にあたっては、このベースガ
スにCOガスが1000ppm、H2ガスが1000p
pm、それぞれ単独で添加されたときの、抵抗値の変動
を調べた。以下、センサの製造及び検出結果について説
明する。
物の評価にあたっては、作成された焼結体素子の一対の
電極間の電気抵抗値を、模擬排ガス中にさらされた状態
で調べた。水蒸気濃度として、体積Vol%で、0.5
〜15まで変動させ、酸素分圧20%とした(これを、
ベースガスと呼ぶ)。評価にあたっては、このベースガ
スにCOガスが1000ppm、H2ガスが1000p
pm、それぞれ単独で添加されたときの、抵抗値の変動
を調べた。以下、センサの製造及び検出結果について説
明する。
【0024】〔COガスセンサの製造〕 1)Y−Ca−Cu−O系 1−1 2段焼成手法によるもの CuOとY2O3を原料粉末とし、所定の比率(Y2O3
/CuO=2/100)で混合、900〜960℃で、
1時間程度、第1段焼成を行い、Yが固溶したCuO粒
子を得る。この粉末を充分に粉砕し、所定の比率(Y2
O3 /CaCO3/CuO=2/3/100)でCaC
O3を添加し、成形を容易にするため、1wt%程度の
ポリビニルアルコール(PVA)を加え成形した後、第
2段焼成を700℃でおこなった。CaCO3のCuO
粒子への固溶をさけるため、第2段焼成を炭酸塩分解温
度よりも低い温度(700℃)でおこなった。この手法
で得た組成物の抵抗値測定結果を図2に示した。図2に
示すように、H2ガス感度の抑制効果が向上し、かつ、
COガス感度の水蒸気濃度に対する安定性も得られる。
この系においては、抵抗値の経時的な変化もほとんど発
生しなかった。 1−2 1段焼成手法によるもの CuO、CaCO3、Y2O3を原料粉末として、所定の
比率(Y2O3 /CaCO3/CuO=2/3/100)
で混合し、形成した後、950℃で3時間程度、本焼成
を行った。この手法で得た組成物の特性結果を図3に示
した。図3に示すように、COガス感度の水蒸気濃度依
存性が小さく、H2ガス感度も抑制され、COガス選択
的センサとして機能する。但し、先に示した2段焼成の
ものに対して、H2ガス感度の抑制効果には改善の余地
があり、また、素子の抵抗値は、加湿雰囲気価で徐々に
減少する傾向を示した。但し、この減少は、許容範囲内
に収まった。
/CuO=2/100)で混合、900〜960℃で、
1時間程度、第1段焼成を行い、Yが固溶したCuO粒
子を得る。この粉末を充分に粉砕し、所定の比率(Y2
O3 /CaCO3/CuO=2/3/100)でCaC
O3を添加し、成形を容易にするため、1wt%程度の
ポリビニルアルコール(PVA)を加え成形した後、第
2段焼成を700℃でおこなった。CaCO3のCuO
粒子への固溶をさけるため、第2段焼成を炭酸塩分解温
度よりも低い温度(700℃)でおこなった。この手法
で得た組成物の抵抗値測定結果を図2に示した。図2に
示すように、H2ガス感度の抑制効果が向上し、かつ、
COガス感度の水蒸気濃度に対する安定性も得られる。
この系においては、抵抗値の経時的な変化もほとんど発
生しなかった。 1−2 1段焼成手法によるもの CuO、CaCO3、Y2O3を原料粉末として、所定の
比率(Y2O3 /CaCO3/CuO=2/3/100)
で混合し、形成した後、950℃で3時間程度、本焼成
を行った。この手法で得た組成物の特性結果を図3に示
した。図3に示すように、COガス感度の水蒸気濃度依
存性が小さく、H2ガス感度も抑制され、COガス選択
的センサとして機能する。但し、先に示した2段焼成の
ものに対して、H2ガス感度の抑制効果には改善の余地
があり、また、素子の抵抗値は、加湿雰囲気価で徐々に
減少する傾向を示した。但し、この減少は、許容範囲内
に収まった。
【0025】この系に関して比較として、Ca=0のも
のを、図9に示した。水蒸気濃度に対して、COガス感
度は比較的安定であるものの、低水蒸気濃度域(0.5
〜1.5%)においてCOガス感度が変動している点
や、H2ガス感度が大きいと言った点に、改善の余地が
ある。これに、Ca/Cu=3/100加えられたもの
が、先に説明した図2に示すものであり、COガス感度
が低水蒸気濃度域(0.5〜1.5%)を含め全域にわ
たって安定化し、且つ、H2ガス感度が抑制されるた
め、COガスセンサとして優れた特性を持つことが判
る。
のを、図9に示した。水蒸気濃度に対して、COガス感
度は比較的安定であるものの、低水蒸気濃度域(0.5
〜1.5%)においてCOガス感度が変動している点
や、H2ガス感度が大きいと言った点に、改善の余地が
ある。これに、Ca/Cu=3/100加えられたもの
が、先に説明した図2に示すものであり、COガス感度
が低水蒸気濃度域(0.5〜1.5%)を含め全域にわ
たって安定化し、且つ、H2ガス感度が抑制されるた
め、COガスセンサとして優れた特性を持つことが判
る。
【0026】2)Bi−Ba−Cu−O系 2−1 2段焼成手法によるもの CuOとBi2O3を原料粉末とし、所定の比率(Bi2
O3/CuO=2/100)で秤量・混合し、700
℃、1時間、第1段焼成を行い、粉末にし、Biが固溶
したCuO粒子を得る。この粉末を充分に粉砕し、所定
の比率(Bi2O3/BaCO3/CuO=2/1/10
0)となるよう、さらに、成形を容易にするためポリビ
ニルアルコール(PVA)、1wt%を添加し成形した
後、第2段焼成を650℃でおこなった。この手法で得
た組成物の特性結果を図4に示した。 2−2 1段焼成手法によるもの 原料を、所定の比率(Bi2O3/BaCO3/CuO=
2/3/100)で秤量・混合し、加圧成形したものを
650℃で焼成した。この手法で得た組成物の特性結果
を図5に示した。この系においては、Biが比較的低い
温度で、CuO粒子に固溶するため、一度の焼成条件
で、所望の特性を発揮できる。図4、5から判明するよ
うに、Biは比較的低温でCuO中に固溶するため、1
段焼成、2段焼成のいずれの製造法をとった場合でも、
同等の特性が得られる。Baの添加がない図10と比較
しても、Baの添加効果より、H2ガス感度が抑制され
ていることが分かる。また、Biの添加がない図11と
比較して、COガス導入時の抵抗値は、水蒸気濃度の変
動に対して安定する。
O3/CuO=2/100)で秤量・混合し、700
℃、1時間、第1段焼成を行い、粉末にし、Biが固溶
したCuO粒子を得る。この粉末を充分に粉砕し、所定
の比率(Bi2O3/BaCO3/CuO=2/1/10
0)となるよう、さらに、成形を容易にするためポリビ
ニルアルコール(PVA)、1wt%を添加し成形した
後、第2段焼成を650℃でおこなった。この手法で得
た組成物の特性結果を図4に示した。 2−2 1段焼成手法によるもの 原料を、所定の比率(Bi2O3/BaCO3/CuO=
2/3/100)で秤量・混合し、加圧成形したものを
650℃で焼成した。この手法で得た組成物の特性結果
を図5に示した。この系においては、Biが比較的低い
温度で、CuO粒子に固溶するため、一度の焼成条件
で、所望の特性を発揮できる。図4、5から判明するよ
うに、Biは比較的低温でCuO中に固溶するため、1
段焼成、2段焼成のいずれの製造法をとった場合でも、
同等の特性が得られる。Baの添加がない図10と比較
しても、Baの添加効果より、H2ガス感度が抑制され
ていることが分かる。また、Biの添加がない図11と
比較して、COガス導入時の抵抗値は、水蒸気濃度の変
動に対して安定する。
【0027】3)Ce−Sr−Cu−O系 3−1 2段焼成手法によるもの CuOとCe2O3を原料粉末とし、所定の比率(CeO
3/CuO=4/100)で混合、850〜960℃
で、1時間程度、第1段焼成を行い、Ceが固溶したC
uO粒子を得る。 この粉末を充分に粉砕し、所定の比
率(CeO3/SrCO3/CuO=4/3/100)に
なるように、SrCO3を添加し、成形した後、SrC
O3のCuO粒子への固溶をさけるため第2段焼成を炭
酸塩分解温度よりも低い温度(700℃付近)でおこな
った。この手法で得た組成物の特性結果を図6に示し
た。結果、Ceの添加により、COガス感度、H2ガス
導入時の抵抗値が水蒸気濃度に対して安定であると同時
に、Srの添加により、H2ガス感度が抑制され、CO
ガスセンサとして優れた特性を持った。
3/CuO=4/100)で混合、850〜960℃
で、1時間程度、第1段焼成を行い、Ceが固溶したC
uO粒子を得る。 この粉末を充分に粉砕し、所定の比
率(CeO3/SrCO3/CuO=4/3/100)に
なるように、SrCO3を添加し、成形した後、SrC
O3のCuO粒子への固溶をさけるため第2段焼成を炭
酸塩分解温度よりも低い温度(700℃付近)でおこな
った。この手法で得た組成物の特性結果を図6に示し
た。結果、Ceの添加により、COガス感度、H2ガス
導入時の抵抗値が水蒸気濃度に対して安定であると同時
に、Srの添加により、H2ガス感度が抑制され、CO
ガスセンサとして優れた特性を持った。
【0028】4)In−Ca−Cu−O系 4−1 2段焼成手法によるもの CuOとIn2O3を原料粉末とし、所定の比率(In2
O3/CuO=1/100)で混合、700℃で、1時
間程度、第1段焼成を行い、Inが固溶したCuO粒子
を得る。 この粉末を充分に粉砕し、所定の比率(Ca
CO3/In2O 3/CuO=1/3/100)になるよ
うに、CaCO3を添加し、成形した後、CaCO3のC
uO粒子への固溶をさけるため第2段焼成を炭酸分解温
度よりも低い温度(650℃付近)で3時間おこなっ
た。この手法で得た組成物の特性結果を図7に示した。
結果、Inの添加により、COガス感度、H2ガス導入
時の抵抗値が水蒸気濃度に対して安定であると同時に、
Caの添加により、H2ガス感度が抑制され、COガス
センサとして優れた特性を持った。
O3/CuO=1/100)で混合、700℃で、1時
間程度、第1段焼成を行い、Inが固溶したCuO粒子
を得る。 この粉末を充分に粉砕し、所定の比率(Ca
CO3/In2O 3/CuO=1/3/100)になるよ
うに、CaCO3を添加し、成形した後、CaCO3のC
uO粒子への固溶をさけるため第2段焼成を炭酸分解温
度よりも低い温度(650℃付近)で3時間おこなっ
た。この手法で得た組成物の特性結果を図7に示した。
結果、Inの添加により、COガス感度、H2ガス導入
時の抵抗値が水蒸気濃度に対して安定であると同時に、
Caの添加により、H2ガス感度が抑制され、COガス
センサとして優れた特性を持った。
【0029】以上が、異なった元素の組み合わせに関す
る実施例の結果であるが、上記のBi−Ba−Cu−O
系に関して、Bi及びBaの添加比率を変化させた場合
の感度の変化状況とその評価に関して、表1、表2に基
づいて説明する。表1は、Bi/Cuの割り合いを4/
100としたものに関して、Baの量を変化させたもの
である。評価にあたっては、COガスは先の説明と同様
に1000ppmとし、H2ガスを1000ppmとし
た。さらに、水蒸気濃度は、0.5%、1.5%,10
%と変化させた。表2は、Ba/Cuの割り合いにあっ
て、1/100を基準とするとともに、5/100とし
たものに関して、Biの量を変化させたものである。こ
こで、1/100と5/100は効果的には大差がない
ため、同等に扱った。評価にあたっては、表1に条件と
同様とした。以下夫々の結果に関して説明する。
る実施例の結果であるが、上記のBi−Ba−Cu−O
系に関して、Bi及びBaの添加比率を変化させた場合
の感度の変化状況とその評価に関して、表1、表2に基
づいて説明する。表1は、Bi/Cuの割り合いを4/
100としたものに関して、Baの量を変化させたもの
である。評価にあたっては、COガスは先の説明と同様
に1000ppmとし、H2ガスを1000ppmとし
た。さらに、水蒸気濃度は、0.5%、1.5%,10
%と変化させた。表2は、Ba/Cuの割り合いにあっ
て、1/100を基準とするとともに、5/100とし
たものに関して、Biの量を変化させたものである。こ
こで、1/100と5/100は効果的には大差がない
ため、同等に扱った。評価にあたっては、表1に条件と
同様とした。以下夫々の結果に関して説明する。
【0030】
【表1】 ここで、感度は、本願において先に定義したものと同様
である。
である。
【0031】1) Ba添加量の上限、下限 Bi/Ba/Cu=4/0.05/100では、H2ガ
ス感度抑制効果が小さく、COガス感度の水蒸気濃度依
存性が大きい。Bi/Ba/Cu=4/0.1/100
では、H2ガス感度が抑制され、COガス感度の水蒸気
濃度依存性の抑制効果が顕著になる。Bi/Ba/Cu
=4/10/100では、H2ガス感度が抑制され、C
Oガス感度の水蒸気濃度依存性が保たれている。Bi/
Ba/Cu=4/20/100においては、H2ガス感
度抑制効果が大きいが、COガス感度は非常に小さくな
り、且つ、水蒸気濃度依存性がやや大きくなる。また、
ガスに対する応答性が低下し、水蒸気濃度依存系が大き
くなる。従って、COガス感度の水蒸気濃度依存性の抑
制、H2ガス感度抑制の点では、Ba/Cu比は、0.
1/100〜10/100でCOガスセンサとして機能
し得るが、COガス感度の大きさの点で、1/100〜
5/100が好ましい。この傾向は、2族の元素に関し
て踏襲されることを別途確認した。
ス感度抑制効果が小さく、COガス感度の水蒸気濃度依
存性が大きい。Bi/Ba/Cu=4/0.1/100
では、H2ガス感度が抑制され、COガス感度の水蒸気
濃度依存性の抑制効果が顕著になる。Bi/Ba/Cu
=4/10/100では、H2ガス感度が抑制され、C
Oガス感度の水蒸気濃度依存性が保たれている。Bi/
Ba/Cu=4/20/100においては、H2ガス感
度抑制効果が大きいが、COガス感度は非常に小さくな
り、且つ、水蒸気濃度依存性がやや大きくなる。また、
ガスに対する応答性が低下し、水蒸気濃度依存系が大き
くなる。従って、COガス感度の水蒸気濃度依存性の抑
制、H2ガス感度抑制の点では、Ba/Cu比は、0.
1/100〜10/100でCOガスセンサとして機能
し得るが、COガス感度の大きさの点で、1/100〜
5/100が好ましい。この傾向は、2族の元素に関し
て踏襲されることを別途確認した。
【0032】
【表2】 ここで、感度は、本願において先に定義したものと同様
である。
である。
【0033】2) Bi添加量の上限、下限 Bi/Ba/Cu=0.05/1/100では、COガ
ス感度の水蒸気濃度依存性が大きい。Bi/Ba/Cu
=0.1/1/100では、COガス感度の水蒸気濃度
依存性効果が顕著にある。Bi/Ba/Cu=10/5
/100では、H2ガス感度の抑制効果が大きく、CO
ガス感度の水蒸気濃度依存性が小さい。これ以上になる
と、Bi元素は、CuO粒子に固溶しきれなくなり、析
出するが、H2ガス感度は比較的抑制され、かつ、CO
ガス感度の水蒸気濃度依存性も小さい、しかし、Bi/
Cuが50/100以上では、素子抵抗値が大きくな
り、また、これら分相の分布状態の違いに基づく、抵抗
値のばらつきが問題となり、実用的でなくなる。従っ
て、COガス感度の水蒸気濃度依存性の抑制、H2ガス
感度の抑制の点では、Bi/Cu比は、0.1/100
〜50/100で、COガスセンサとして機能し得る
が、センサ素子の抵抗値の大きさ、再現性の点で、1/
100〜5/100が好ましい。 この傾向は、3価以
上の価数を取りえる元素に関して踏襲されることを別途
確認した。
ス感度の水蒸気濃度依存性が大きい。Bi/Ba/Cu
=0.1/1/100では、COガス感度の水蒸気濃度
依存性効果が顕著にある。Bi/Ba/Cu=10/5
/100では、H2ガス感度の抑制効果が大きく、CO
ガス感度の水蒸気濃度依存性が小さい。これ以上になる
と、Bi元素は、CuO粒子に固溶しきれなくなり、析
出するが、H2ガス感度は比較的抑制され、かつ、CO
ガス感度の水蒸気濃度依存性も小さい、しかし、Bi/
Cuが50/100以上では、素子抵抗値が大きくな
り、また、これら分相の分布状態の違いに基づく、抵抗
値のばらつきが問題となり、実用的でなくなる。従っ
て、COガス感度の水蒸気濃度依存性の抑制、H2ガス
感度の抑制の点では、Bi/Cu比は、0.1/100
〜50/100で、COガスセンサとして機能し得る
が、センサ素子の抵抗値の大きさ、再現性の点で、1/
100〜5/100が好ましい。 この傾向は、3価以
上の価数を取りえる元素に関して踏襲されることを別途
確認した。
【図1】COガスセンサの構造を示す図
【図2】2段焼成手法によるY−Ca−Cu−O系の抵
抗値特性を示す図
抗値特性を示す図
【図3】1段焼成手法によるY−Ca−Cu−O系の抵
抗値特性を示す図
抗値特性を示す図
【図4】2段焼成手法によるBi−Ba−Cu−O系の
抵抗値特性を示す図
抵抗値特性を示す図
【図5】1段焼成手法によるBi−Ba−Cu−O系の
抵抗値特性を示す図
抵抗値特性を示す図
【図6】2段焼成手法によるCe−Sr−Cu−O系の
抵抗値特性を示す図
抵抗値特性を示す図
【図7】2段焼成手法によるIn−Ca−Cu−O系の
抵抗値特性を示す図
抵抗値特性を示す図
【図8】無添加のCuOの抵抗値特性を示す図
【図9】図2、図3に対する比較例であるY−Cu−O
系の抵抗値特性を示す図
系の抵抗値特性を示す図
【図10】図4、図5に対する比較例であるBi−Cu
−O系の抵抗値特性を示す図
−O系の抵抗値特性を示す図
【図11】図4、図5に対する比較例であるBa−Cu
−O系の抵抗値特性を示す図
−O系の抵抗値特性を示す図
1 ガス検知部 2 加流電極 3 検出電極 4 基板
Claims (7)
- 【請求項1】 組成式Ax−By−Cu−Ozで表さ
れ、Aは周期表2族元素、Bは3価以上の価数を取りえ
る元素で、Cuに対してxは0.001〜0.1、yは
0.001〜0.5である組成物を検知素材とするガス
検知部を備えるとともに、前記ガス検知部の電気的抵抗
値を測定可能な電極を備えたCOガスセンサ。 - 【請求項2】 前記周期表2族元素Aは、Ba、Sr、
Caより選ばれる1以上のアルカリ土類元素で、化合物
として、組成物中に存在することを特徴とする請求項1
記載のCOガスセンサ。 - 【請求項3】 前記周期表2族元素の化合物は、単純酸
化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩の少なくとも
1以上の相として、酸化銅相とは別に、存在することを
特徴とする請求項1または2記載のCOガスセンサ。 - 【請求項4】 前記3価以上の価数を取りえる元素B
は、酸化銅粒子もしくは酸化銅結晶粒子に固溶されてい
る請求項1、2または3記載のCOガスセンサ。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のC
Oガスセンサを製造するに、酸化銅と前記3価以上の価
数を取りえる元素との焼成を、前記3価以上の価数を取
りえる元素が酸化銅粒子もしくは酸化銅結晶粒子に固溶
する第1段焼成温度でおこなう第1段焼成を経て、予備
焼成物を得、 前記第1段焼成を経て得られる予備焼成物と、前記周期
表2族元素の化合物とを、前記周期表2族元素の化合物
が、前記酸化銅粒子外に残る第2段焼成温度でおこなう
第2段焼成を経て、前記検知素材を得るCOガスセンサ
の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のC
Oガスセンサを製造するに、前記3価以上の価数を取り
える元素が酸化銅に固溶する温度で、且つ、前記周期表
2族元素の化合物が酸化銅粒子外に残る一段焼成温度
で、前記酸化銅、3価以上の価数を取りえる元素及び周
期表2族元素の化合物を、同時に焼成して前記検知素材
を得るCOガスセンサの製造方法。 - 【請求項7】 200〜400℃内の温度状態にあり、
水蒸気濃度が、1.5〜15vol%の範囲で変動する
ガスが含有されるCOガスを検知するに、請求項1〜4
のいずれか1項に記載のCOガスセンサを使用し、前記
電極を介して得られる前記検知素材の電気的特性により
COガスを検知するCOガスの検知方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15611698A JPH11352085A (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | Coガスセンサ及びその製造方法、coガスの検知方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15611698A JPH11352085A (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | Coガスセンサ及びその製造方法、coガスの検知方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11352085A true JPH11352085A (ja) | 1999-12-24 |
Family
ID=15620674
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15611698A Pending JPH11352085A (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | Coガスセンサ及びその製造方法、coガスの検知方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11352085A (ja) |
-
1998
- 1998-06-04 JP JP15611698A patent/JPH11352085A/ja active Pending
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