JPH11351862A - 前方車両検出方法及び装置 - Google Patents

前方車両検出方法及び装置

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JPH11351862A
JPH11351862A JP10160953A JP16095398A JPH11351862A JP H11351862 A JPH11351862 A JP H11351862A JP 10160953 A JP10160953 A JP 10160953A JP 16095398 A JP16095398 A JP 16095398A JP H11351862 A JPH11351862 A JP H11351862A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自車両前方の車両を検出して前方車両との車
間距離を算出するに当たって、画像認識の計算量を少な
くした前方車両検出方法及び装置を提供する。 【解決手段】 左カメラ10aの左原画像と右カメラ1
0bの右原画像とを用いてステレオ式の画像処理を行い
前方車両を検出する。画像処理部30は、一方のカメラ
の原画像から作成したエッジ画像中のエッジ点の対応点
を他方のカメラの原画像から探索して視差値を輝度値と
して表した視差画像を作成する。視差画像から路面と同
じ高さにある物体を除去した後、その縦軸方向に視差値
の頻度を求め、縦軸を視差値として求めた頻度を輝度値
で表した第1の投影視差画像を、視差画像から路面より
上にある物体を除去した後、その縦軸方向に視差値の頻
度を求め、縦軸を視差値として求めた頻度を輝度値で表
した第2の投影視差画像を作成する。第1の投影視差画
像中から横軸に平行な線分を抽出して検出した車両が、
第2の投影視差画像中から検出した白線に基づいて決定
した自車線領域内に存在するとき、検出車両までの距離
を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は前方車両検出方法及
び装置に係り、特に、左カメラを用いて収集した左画像
と右カメラを用いて収集した右画像とを用いてステレオ
式の画像処理を行い、前方を走行している車両を検出し
て自車両との距離を測定し、例えば危険な場合に警報を
発生するなどのために適用される前方車両検出方法及び
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自車両前方の視界の画像をCCD
撮像素子により取得し、その前方視界の画像から自車線
内前方を走行する車両を検出して前方車両との車両距離
を算出する方法として、水平方向に並べた2つのカメラ
(ステレオカメラ)によって得た左右2枚の画像から物
体の視差を求めて3次元位置を算出し、自車両の走行車
線と検出物体との位置関係から自車線内の車両を検出し
て自車両との車間距離を求める方法がある。
【0003】具体的には、図4の処理フローに示すよう
に、先ず右カメラの画像及び左カメラの画像を同期して
取り込み、右カメラの画像については所定のオペレータ
を用いて微分画像を求め(S101)、所定のしきい値
で2値化してエッジ抽出を行い、エッジ画像を作成する
(S102)。次に、作成したエッジ画像のエッジ点を
Hough変換することにより左右車線候補を抽出し、これ
らの左右車線候補の組み合わせから所定の条件に最も近
いものを左右車線として決定する(S103)。左右車
線の判定条件としては、右車線と左車線の間隔(道路
幅)や、右車線と左車線の交差する角度などが挙げられ
る。次に、上述のようにして求めたエッジ画像に対し上
述のようにして求めた左右車線の各々を中心とした特定
領域を定め(図5の車線部分)、特定領域内のエッジ点
と特定領域外のエッジ点とに分ける(S104)。
【0004】特定領域内の各エッジ点について右カメラ
の画像の対応点探索を行い視差を求め、カメラの設置パ
ラメータなどから決まる所定の計算式及び求めた視差か
ら左右車線の3次元位置を算出する(S105)。一
方、特定領域外の各エッジ点について右カメラの画像の
対応点探索を行い視差を求め、カメラ設置パラメータな
どから決まる所定の計算式及び求めた視差から車線以外
の物体の3次元位置を算出する(ステップS106)。
以上により求めた左右車線の3次元位置と物体の3次元
位置から、自車線内の物体(前方車両)の存在や、物体
(前方車両)までの車間距離を検出する(S107)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した従来技術
においては、初めに車線及び物体の3次元位置を求め、
自車線内にある物体を検出して車間距離を求めるもので
ある。すなわち、ステップS105びS106におい
て、全エッジ点について3次元位置の計算を行っている
ので、非常に計算量が多く、処理時間の低下やコストア
ップにつながるという問題があった。
【0006】よって、本発明は、上述した従来技術の問
題点を解消し、自車両前方の車両の検出或いは検出した
前方車両との車間距離の算出に当たって、画像認識の計
算量を少なくした前方車両検出方法及び装置を提供する
ことを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
なされた請求項1記載の発明は、左カメラを用いて収集
した左原画像と右カメラを用いて収集した右原画像とを
用いてステレオ式の画像処理を行い前方を走行している
車両を検出し、該検出した車両までの距離を測定する前
方車両検出方法において、前記左右カメラの一方により
収集した原画像を処理してエッジ画像を作成し、該エッ
ジ画像中のエッジ点の対応点を前記他方のカメラにより
収集した原画像から探索して視差値を輝度値として表し
た視差画像を作成し、該視差画像から路面と同じ高さに
ある物体を除去した後、前記視差画像の縦軸方向に視差
値の頻度を求め、縦軸を視差値として前記求めた頻度を
輝度値で表した第1の投影視差画像を作成し、該第1の
投影視差画像中から横軸に平行な線分を抽出して車両を
検出し、前記視差画像から路面より上にある物体を除去
した後、前記視差画像の縦軸方向に視差値の頻度を求
め、縦軸を視差値として前記求めた頻度を輝度値で表し
た第2の投影視差画像を作成し、該第2の投影視差画像
中から検出した白線に基づいて自車線領域を決定し、該
自車線領域内に前記検出した車両が存在するとき、該検
出した車両までの距離を測定することを特徴とする前方
車両検出方法に存する。
【0008】請求項1記載の手順によれば、前方を走行
している車両を検出して車両までの距離を測定するに当
たって、一方のカメラにより収集した原画像を処理して
作成したエッジ画像中のエッジ点の対応点を他方のカメ
ラにより収集した原画像から探索して視差値を輝度値と
して表した視差画像を作成し、この作成した視差画像か
ら路面と同じ高さにある物体を除去した後、視差画像の
縦軸方向に視差値の頻度を求め、縦軸を視差値として求
めた頻度を輝度値で表した第1の投影視差画像を作成
し、この第1の投影視差画像中から横軸に平行な線分を
抽出して車両を検出し、視差画像から路面より上にある
物体を除去した後、視差画像の縦軸方向に視差値の頻度
を求め、縦軸を視差値として前記求めた頻度を輝度値で
表した第2の投影視差画像を作成し、第2の投影視差画
像中から検出した白線に基づいて自車線領域を決定し、
この自車線領域内に検出した車両が存在するとき、この
検出した車両までの距離を測定しているので、車両まで
の距離を測定するとき以外、一切、物体の3次元位置を
求める画像処理が不要となっている。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の前
方車両検出方法において、路面と同じ高さにある物体を
除去した後の前記視差画像中に左右に同じ輝度値を有す
る画素があるとき、当該左右画素間の画素に前記輝度値
を代入して補間視差画像を作成し、該補間視差画像に基
づいて前記第1の投影視差画像を作成することを特徴と
する前方車両検出方法に存する。
【0010】請求項2記載の手順によれば、視差画像中
に左右に同じ輝度値を有する画素があるとき、当該左右
画素間の画素に輝度値を代入して補間視差画像を作成
し、この補間視差画像に基づいて第1の投影視差画像を
作成しているので、前方車両が背面構造のほとんどない
車両であって車両の両側にしかエッジが検出されないも
のであっても、補間視差画像を使用して投影視差画像を
作成することによって、投影視差画像中から横軸に平行
な線分を抽出して車両を検出することができる。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の前方車両検出方法において、前記路面を距離に応じ
た複数のゾーンに分割し、該分割したゾーン毎に前記第
2の投影視差画像中から前記白線の検出を行うことを特
徴とする前方車両検出方法に存する。
【0012】請求項3記載の手順によれば、路面を距離
に応じた複数のゾーンに分割し、この分割したゾーン毎
に第2の投影視差画像中から白線の検出を行うので、検
出した車両位置に応じた白線を認識すればよく、またカ
ーブしている白線でもゾーン毎に直線近似することがで
きる。
【0013】請求項4記載の発明は、左カメラを用いて
収集した左原画像と右カメラを用いて収集した右原画像
とを用いてステレオ式の画像処理を行い前方を走行して
いる車両を検出する前方車両検出装置において、前記左
右カメラの一方により収集した原画像を処理してエッジ
画像を作成し、該エッジ画像中のエッジ点の対応点を前
記他方のカメラにより収集した原画像から探索して視差
値を輝度値として表した視差画像を作成し、該視差画像
から路面と同じ高さにある物体を除去した後、前記視差
画像の縦軸方向に視差値の頻度を求め、縦軸を視差値と
して前記求めた頻度を輝度値で表した第1の投影視差画
像を作成し、前記視差画像から路面より上にある物体を
除去した後、前記視差画像の縦軸方向に視差値の頻度を
求め、縦軸を視差値として前記求めた頻度を輝度値で表
した第2の投影視差画像を作成し、前記第1の投影視差
画像中から横軸に平行な線分を抽出して車両を検出し、
前記第2の投影視差画像中から検出した白線に基づいて
自車線領域を決定する画像処理手段を備え、該自車線領
域内に前記検出した車両が存在するとき、該検出した車
両までの距離を測定することを特徴とする前方車両検出
装置に存する。
【0014】請求項4記載の構成によれば、前方を走行
している車両を検出するに当たって、画像処理手段は、
一方のカメラにより収集した原画像を処理して作成した
エッジ画像中のエッジ点の対応点を他方のカメラにより
収集した原画像から探索して視差値を輝度値として表し
た視差画像を作成し、この作成した視差画像から路面と
同じ高さにある物体を除去した後、視差画像の縦軸方向
に視差値の頻度を求め、縦軸を視差値として求めた頻度
を輝度値で表した第1の投影視差画像を作成し、この第
1の投影視差画像中から横軸に平行な線分を抽出して車
両を検出し、視差画像から路面より上にある物体を除去
した後、視差画像の縦軸方向に視差値の頻度を求め、縦
軸を視差値として前記求めた頻度を輝度値で表した第2
の投影視差画像を作成し、第2の投影視差画像中から検
出した白線に基づいて自車線領域を決定し、この自車線
領域内に検出した車両が存在するとき、この検出した車
両までの距離を測定しているので、画像処理手段は車両
までの距離を測定するとき以外、一切、物体の3次元位
置を求める画像処理が不要となっている。
【0015】請求項5記載の発明は、左カメラを用いて
収集した左原画像と右カメラを用いて収集した右原画像
とを用いてステレオ式の画像処理を行い前方を走行して
いる車両を検出する前方車両検出装置において、前記左
右カメラの一方により収集した原画像を処理してエッジ
画像を作成し、該作成したエッジ画像中のエッジ点の対
応点を前記他方のカメラにより収集した原画像から探索
して視差値を輝度値として表した視差画像を作成し、該
作成した視差画像において縦軸方向に視差値の頻度を求
め、縦軸を視差値として前記求めた頻度を輝度値で表し
た投影視差画像を作成する画像処理手段を備え、該画像
処理手段が作成した投影視差画像中から横軸に平行な線
分を抽出して車両を検出することを特徴とする前方車両
検出装置に存する。
【0016】請求項5記載の構成によれば、前方を走行
している車両を検出するに当たって、画像処理手段が、
一方のカメラにより収集した原画像を処理して作成した
エッジ画像中のエッジ点の対応点を他方のカメラにより
収集した原画像から探索して視差値を輝度値として表し
た視差画像を作成し、この作成した視差画像において縦
軸方向に視差値の頻度を求め、縦軸を視差値として前記
求めた頻度を輝度値で表した投影視差画像を作成してい
て、この作成した投影視差画像中から横軸に平行な線分
を抽出しているだけであるので、画像処理手段は物体の
3次元位置を求める画像処理を行うことが不要となって
いる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1は本発明に係る前方車両検
出方法及び装置を適用した前方車両監視装置の実施の形
態を示し、同図において、10は各々が電荷結合素子を
用いて構成されたCCDカメラ、左カメラ10a及び右
カメラ10bを有し車両前方の設定範囲内を対象として
撮像するステレオ光学系であり、これらは例えば車室内
の天井前方に一定の間隔をもって取り付けられる。20
a及び20bはステレオ光学系10の左カメラ10a及
び右カメラ10bでそれぞれ撮像して得た左原画像及び
右原画像をそれぞれ一時的に記憶する画像メモリ、30
は前方車両を検出して前方車両との車間距離を算出する
ため画像メモリ20a及び20bに記憶した原画像を処
理する画像処理部、40は画像処理部30での処理の結
果により危険ありと判断したとき警報を発する警報部で
ある。
【0018】上記画像処理部30が前方車両を検出して
前方車両との車間距離、すなわち検出した車両からの距
離を算出するため行う処理を、図2の処理フローを参照
して以下詳細に説明する。画像処理部30はまず、同期
して取り込まれ画像メモリ20a及び20bに記憶され
た左カメラの左原画像及び右カメラの右原画像のうちの
一方、例えば右カメラの原画像に基づいて、所定のオペ
レータを用いて微分画像を求め(ステップ201)、エ
ッジ点を抽出する。例えば、下式(1)に示すような1
次元オペレータを用いて1ライン上の画素を順次処理し
てエッジを検出する。 F=[−1,−1,−1,0,1,1,1] …(1)
【0019】また、上記オペレータを用い画像(Imag
e)中の各画素について、下式(2)によりエッジ度
(E)を計算する。
【0020】なお、式(1)及び式(2)の関係を若干
説明すると、式(2)の右辺中F(i+3)は、式
(1)の右辺中の配列の左から(i+3)番目の数値を
示したもので、例えば、i=−3のときにはF(i+
3)はF(0)となり、式(1)の配列の左から0番
目、すなわち−1を示している。このときF(i+3)
=−1となる。また、i=2のときはF(i+3)はF
(5)で、式(1)の配列の左から5番目、すなわち1
を意味する。このときF(i+3)=1となる。従っ
て、式(2)は展開すると、以下のようになる。 E=|−Image(x−3,y)−Image(x−2,y)−
Image(x−1,y)+Image(x+1,y)+Image
(x+2,y)+Image(x+3,y)|
【0021】上式(2)では、参照画素の両側の輝度差
が大きいほどEの値が大きくなる。そして、このように
して求めたエッジ度に関して、x軸方向に関する最大値
処理及びしきい値処理によりエッジを決定する。右カメ
ラ原画像中の全画素について同様の処理を行うことによ
り例えば図3(a)に示すようなエッジ画像を作成する
(S202)。
【0022】次に、作成したエッジ画像の対応点を探索
する(S203)。対応点探索には、例えばSSD(Su
m of Squared Difference)法が適用できる。エッジ間
の類似度Rをエッジと同一位置の原画像周辺の輝度の2
乗誤差により求める。
【0023】なお、上式(3)中のWは参照領域の大き
さ、Imagerは右原画像、Imagel は左原画像、dr は右
原画像中の各画素の左原画像に対する移動量を表す。R
(d r)が最も小さくなるdr を視差とする。すなわ
ち、視差d=min[ R(dr)]となる。この操作を右
原画像中の全てのエッジ点に対して行い、例えば図3
(b)に示すような視差画像を作成する(S204)。
視差画像とは、x−y座標系で表現されているエッジ画
像において視差値を輝度値として表したもので、図には
現れていないが、一般に、手前の物体に相当する下部が
明るく、後方の物体に相当する上部が暗くなる。
【0024】作成した視差画像には白線などの前方車両
ではない情報が多く含まれており、そのような余分な情
報を視差画像から除去する(S205)。原画像中に撮
像されている路面までの距離(視差)は下式(4)で表
される。 d=A・y+B・x+C …(4) 上式(4)の路面パラメータA,B,Cは、路面に対す
るカメラの設置パラメータから定まるものである。この
路面パラメータを基に視差画像から路面と同じ高さにあ
る物体を除去する。このことによって、例えば図3
(c)に示すような視差画像が得られる。
【0025】次に、作成した視差画像を用い、補間視差
画像を作成する(S206)。車両によっては、検出さ
れるエッジが非常に少ない場合がある。特に、背面構造
のほとんどない車両からは車両の両側にしかエッジが検
出されない。そこで、作成した視差画像中の車両領域を
補間する。まず、視差画像中の値を持っていない画素、
すなわち、図3(c)の視差画像の輪郭線内側の画素に
ついて、左右に同じ値を持っている画素を探索する。探
索した結果、左右に同じ値を持っている画素が検出され
た場合、参照画素に検出した画素の視差値を代入する。
左右に異なった値を持つ画素が検出された場合は値を代
入しない。これは、車両が視差画像中では同じ値を持つ
物体点の集合であると考えられるからである。この処理
を視差画像中の値を持っていない画素全てに行う。この
ようにして作成した画像を補間視差画像(図示せず)と
呼ぶことにする。
【0026】次に、補間視差画像から投影視差画像を作
成する(S207)。これは、x−y座標系で表現され
ている補間視差画像をy軸に関して投影し、x−d座標
系に変換することで行う。具体的には、まず、各xにつ
いてy軸方向に視差値dの頻度を求める。例えば、座標
(x1 ,y1 )、(x1 ,y1+1)、(x1 ,y1
2)…(x1 ,y1+n)の各々の視差値の頻度を求め
る。次に、横軸をx座標、縦軸を視差値dとして、求め
た視差値の頻度を輝度値で表した投影視差画像を作成す
る。なお、この時のd軸は視差の大きさを表す軸であ
る。このように画像を変換することにより、ステレオ画
像処理によって得られた3次元空間を上部から投影する
ことができる。このようにして変換した画像を以降、投
影視差画像と呼ぶ。
【0027】この処理を画像中に車両が撮像されている
画像に適用した場合、図3(d)のように変換される。
車両の距離(視差)は画像中では同じ値を持つので、こ
の変換により車両から発生した視差はx軸に平行な線分
上に変換される。また、白線や路側の壁などからのエッ
ジの視差は、ある傾きを持った直線(曲線)に変換され
る。したがって、x軸に平行な線分を抽出することによ
り車両を検出することができる。また、抽出した線分の
d座標により、車両までの距離を測定することができ
る。
【0028】次に、自車線領域を決定する(S20
8)。距離測定を行わなければならないのは自車線前方
の車両のみであり、自車両に対して近距離に前方車両が
ある場合、遠方まで車線認識を行う必要はない。逆に、
遠方に前方車両がある場合、遠方までの車線認識を行う
必要がある。本手法では、車線を求める際に、路面を距
離に応じたゾーンに分けて処理を行う。そこで、路面を
距離に応じた分割ゾーンを形成し、各ゾーンで直線近似
することにより白線を検出する。
【0029】まず、カメラの設置パラメータなどから求
まる路面パラメータを用いた上式(3)を用い、図3
(b)の視差画像から路面より上にあるエッジを消去す
ることにより、図3(e)に示すような路面表示による
エッジのみを取得する。次に、Hough変換により直線近
似を行う。しかし、路面には白線以外にも影や汚れ、ま
た行き先表示等がある。そこで、Hough変換による直線
検出法を用いる場合、そのような構造物から発生するエ
ッジからも直線を抽出してしまう。そこで、Hough変換
により1本の直線を抽出するのではなく、図5について
上述した従来例と同様に、左右の白線についてそれぞれ
複数の直線を白線の候補として抽出しておく。
【0030】次に、抽出した左右白線の候補から最適な
組み合わせを探す。組み合わせの決定には、例えば白線
間隔を用いる。画面上に投影されている白線間の幅は路
面までの距離と路面パラメータから求めることができ
る。白線の組み合わせのうち、最適値に最も近い幅をも
つ直線の組み合わせを白線として決定する。
【0031】なお、車線前方がカーブしている場合、白
線を1本の直線として近似することはできないが、曲線
を短い直線集合と考えれば、短い区間ではカーブしてい
る白線も直線として近似できる。
【0032】ゾーン内で白線認識を行った後、x−y座
標系で表現されている白線をx−d座標系に変換する。
次に、上記変換の結果得られる図3(f)のような投影
視差画像上での自車線領域を白線を基に決定し、その領
域内で車両の検出処理を行う。すなわち、図3(g)に
示すように投影視差画像上に投影した左右白線内側に、
車両と思われるx軸、すなわち横軸に平行な線分が存在
するか否かを判定する。そして、そのゾーン内で車両が
発見されない場合は次のゾーンの白線認識を行い、その
ゾーン内で車両検出処理を行う(S209)。この処理
を車両が発見されるか、もしくは最長探索距離になるま
で繰り返す(S210)。
【0033】本発明では、投影視差画像を作成すること
により、3次元計算を行わずに自車線内の物体を検出
し、その物体についてのみ3次元計算を行って自車線内
前方車両との車間距離を求めるので、計算量が非常に少
なくてすむので、処理の高速化やコストダウンにつなが
る。
【0034】なお、上述の実施の形態では、補間視差画
像を作成してから投影視差画像を作成するようにしてい
るが、十分に太いエッジによって形成されたエッジ画像
が作成されるようになっていれば、この補間視差画像を
作成せず、視差画像から直接投影視差画像を作成するよ
うにすることもできる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、前方を走行している車両を検出して車両まで
の距離を測定するに当たって、車両までの距離を測定す
るとき以外、一切、物体の3次元位置を求める画像処理
が不要となっているので、画像認識の計算量を少なくて
済み、処理の高速化やコストダウンできる前方車両検出
方法を得ることができる。
【0036】また、請求項2記載の発明によれば、前方
車両が背面構造のほとんどない車両であって車両の両側
にしかエッジが検出されないものであっても、補間視差
画像を使用して第1の投影視差画像を作成することによ
って、第1の投影視差画像中から横軸に平行な線分を抽
出して車両を検出することができるようになるので、処
理の高速化やコストダウンできる前方車両検出方法を得
ることができる。
【0037】また、請求項3記載の発明によれば、路面
を距離に応じた複数のゾーンに分割し、この分割したゾ
ーン毎に白線の検出を行うので、検出した車両位置に応
じた白線を認識すればよく、またカーブしている白線で
もゾーン毎に直線近似することができる前方車両検出方
法を得ることができる。
【0038】また、請求項4記載の発明によれば、前方
を走行している車両を検出して車両までの距離を測定す
るに当たって、車両までの距離を測定するとき以外、一
切、物体の3次元位置を求める画像処理が不要となって
いるので、画像認識の計算量を少なくて済み、処理の高
速化やコストダウンできる前方車両検出装置を得ること
ができる。
【0039】更に、請求項5記載の発明によれば、前方
を走行している車両を検出するに当たって、物体の3次
元位置を求める画像処理が不要となっているので、画像
認識の計算量を少なくて済み、処理の高速化やコストダ
ウンできる前方車両検出装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る前方車両検出方法及び装置を適用
した前方車両監視装置の一実施の形態を示す図である。
【図2】図1中の画像処理部が行う処理を示す処理フロ
ーを示す図である。
【図3】図1中の画像処理部による処理によって作成さ
れる各種の画像を示す図である。
【図4】従来の画像処理フローを示す図である。
【図5】従来の車線の求め方を説明するための説明図で
ある。
【符号の説明】
10a 左カメラ 10b 右カメラ 30 画像処理手段(画像処理部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G08G 1/16 G06F 15/70 350J

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左カメラを用いて収集した左原画像と右
    カメラを用いて収集した右原画像とを用いてステレオ式
    の画像処理を行い前方を走行している車両を検出し、該
    検出した車両までの距離を測定する前方車両検出方法に
    おいて、 前記左右カメラの一方により収集した原画像を処理して
    エッジ画像を作成し、 該エッジ画像中のエッジ点の対応点を前記他方のカメラ
    により収集した原画像から探索して視差値を輝度値とし
    て表した視差画像を作成し、 該視差画像から路面と同じ高さにある物体を除去した
    後、前記視差画像の縦軸方向に視差値の頻度を求め、縦
    軸を視差値として前記求めた頻度を輝度値で表した第1
    の投影視差画像を作成し、 該第1の投影視差画像中から横軸に平行な線分を抽出し
    て車両を検出し、 前記視差画像から路面より上にある物体を除去した後、
    前記視差画像の縦軸方向に視差値の頻度を求め、縦軸を
    視差値として前記求めた頻度を輝度値で表した第2の投
    影視差画像を作成し、 該第2の投影視差画像中から検出した白線に基づいて自
    車線領域を決定し、 該自車線領域内に前記検出した車両が存在するとき、該
    検出した車両までの距離を測定することを特徴とする前
    方車両検出方法。
  2. 【請求項2】 路面と同じ高さにある物体を除去した後
    の前記視差画像中に左右に同じ輝度値を有する画素があ
    るとき、当該左右画素間の画素に前記輝度値を代入して
    補間視差画像を作成し、 該補間視差画像に基づいて前記第1の投影視差画像を作
    成することを特徴とする請求項1記載の前方車両検出方
    法。
  3. 【請求項3】 前記路面を距離に応じた複数のゾーンに
    分割し、該分割したゾーン毎に前記第2の投影視差画像
    中から前記白線の検出を行うことを特徴とする請求項1
    又は2項記載の前方車両検出方法。
  4. 【請求項4】 左カメラを用いて収集した左原画像と右
    カメラを用いて収集した右原画像とを用いてステレオ式
    の画像処理を行い前方を走行している車両を検出する前
    方車両検出装置において、 前記左右カメラの一方により収集した原画像を処理して
    エッジ画像を作成し、該エッジ画像中のエッジ点の対応
    点を前記他方のカメラにより収集した原画像から探索し
    て視差値を輝度値として表した視差画像を作成し、該視
    差画像から路面と同じ高さにある物体を除去した後、前
    記視差画像の縦軸方向に視差値の頻度を求め、縦軸を視
    差値として前記求めた頻度を輝度値で表した第1の投影
    視差画像を作成し、前記視差画像から路面より上にある
    物体を除去した後、前記視差画像の縦軸方向に視差値の
    頻度を求め、縦軸を視差値として前記求めた頻度を輝度
    値で表した第2の投影視差画像を作成し、前記第1の投
    影視差画像中から横軸に平行な線分を抽出して車両を検
    出し、前記第2の投影視差画像中から検出した白線に基
    づいて自車線領域を決定する画像処理手段を備え、該自
    車線領域内に前記検出した車両が存在するとき、該検出
    した車両までの距離を測定することを特徴とする前方車
    両検出装置。
  5. 【請求項5】 左カメラを用いて収集した左原画像と右
    カメラを用いて収集した右原画像とを用いてステレオ式
    の画像処理を行い前方を走行している車両を検出する前
    方車両検出装置において、 前記左右カメラの一方により収集した原画像を処理して
    エッジ画像を作成し、該作成したエッジ画像中のエッジ
    点の対応点を前記他方のカメラにより収集した原画像か
    ら探索して視差値を輝度値として表した視差画像を作成
    し、該作成した視差画像において縦軸方向に視差値の頻
    度を求め、縦軸を視差値として前記求めた頻度を輝度値
    で表した投影視差画像を作成する画像処理手段を備え、 該画像処理手段が作成した投影視差画像中から横軸に平
    行な線分を抽出して車両を検出することを特徴とする前
    方車両検出装置。
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