JPH11351528A - ごみの燃焼による発電方法と装置 - Google Patents

ごみの燃焼による発電方法と装置

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JPH11351528A
JPH11351528A JP10159667A JP15966798A JPH11351528A JP H11351528 A JPH11351528 A JP H11351528A JP 10159667 A JP10159667 A JP 10159667A JP 15966798 A JP15966798 A JP 15966798A JP H11351528 A JPH11351528 A JP H11351528A
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JP
Japan
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char
gas
combustion
combustion furnace
furnace
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Application number
JP10159667A
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English (en)
Inventor
Wakako Shimodaira
和佳子 下平
Yutaka Takeda
豊 武田
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排ガス中のCl及びNa、Kを除去すること
により、過熱器における腐食を低減し、排ガス・排水処
理系の負担を軽減し、ごみ発電システムを提供するこ
と。 【解決手段】 ごみの部分燃焼により得られた生成ガ
ス、チャー及びタールをチャー分離器2で分離した後、
チャーを洗浄器9で、生成ガス及びタールをガス洗浄器
3でそれぞれ洗浄した後、生成ガス及びタールは燃焼・
溶融炉4に投入して過熱器6で熱回収を行い、かつ、湿
式洗浄したチャーの一部を用いて吸着濾過器31の充填
層あるいは移動層を形成し、このチャーを濾過材として
生成ガスを洗浄した排水を通過させ、排水中の有機物な
どを吸着除去すると同時に、微粉チャーも除去し、濾過
に使用した後の塩素(Cl)を含み、タールを吸着した
チャーを部分燃焼炉1に投入する。このようにClとタ
ールを吸着したチャーを燃焼炉4ではなく部分燃焼炉1
へ供給し、燃焼・溶融炉4には低塩分の可燃ガス及びチ
ャーのみを供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ごみ又は各種
産業廃棄物(以下、これらをごみと言う)のごみ燃焼処
理方法と装置に関し、特にごみの燃焼排ガスが有する熱
を回収して発電を行う方法及び装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題がクローズアップされて
いるが、ごみ焼却炉に関しても例外ではなく、排ガス、
焼却飛灰等、各種排出物の規制が厳しくなっている。一
方、都市ごみは近年発熱量が高くなってきており、ごみ
焼却によって発生する熱を利用したごみ発電は、エネル
ギーの有効利用の観点から注目されている。
【0003】しかし、ごみ焼却炉の燃焼温度900〜1
000℃では、ごみ中に多量に含まれるほとんどすべて
の塩素分は揮発し、排ガスには数百〜数千ppmという
多量のHClが含まれることになる。これは火力発電所
の石炭焚きボイラの排ガスの50ppm程度と比較する
と非常に高い値である。このように排ガス中のHCl濃
度の高い条件においては、金属の表面温度が320℃を
超えると高温腐食が発生するため、過熱器における蒸気
温度の上限は300℃程度、圧力の上限は30〜40k
g/cm にしなければならないという制限がある。
この蒸気条件は、石炭火力発電で得られる蒸気の温度約
500℃及び圧力250kg/cmと比べると非常に
低いものである。さらに、焼却排ガスの及び圧力に比べ
ると非常に低いものである。さらに排ガスノばい塵には
塩素(Cl)、硫黄(S)、カリウム(K)、ナトリウ
ム(Na)等が含まれており、これらは溶融塩を生成し
て腐食反応を促進するため、ごみ焼却による発電効率は
15〜20%と非常に低い。
【0004】このような単純なごみ焼却発電に対し、最
近はごみを部分燃焼ガス化させることによって改質し、
そのガス化生成物を燃焼あるいは溶融し、高効率で発電
を行うシステムが注目されている。
【0005】図2に、従来技術によるごみのガス化を応
用した発電システムのフローの一例を示す。ごみはまず
部分燃焼炉1に投入され、部分燃焼によりチャー、可燃
ガス及びタールが生成され、未酸化金属が排出される。
ごみの部分燃焼により生成したガス化生成物は、チャー
分離器2(例えばサイクロン)に導入され、チャーが分
離される。可燃ガスはガス洗浄塔3に導入され、そこ
で、水噴射によりHCl等の酸性成分、Na、K等のア
ルカリ成分、タール、チャー分離器で除去できなかった
微粉チャー、その他の有害物質が可燃ガスから除去され
る。
【0006】こうして得られた清浄な可燃ガスは、燃焼
炉4に導入されて高温で燃焼され、発生した高温燃焼排
ガスは、廃熱ボイラ5に導入されて水を蒸気に変換する
ことにより最初の熱回収が行われる。廃熱ボイラ5を出
た排ガスは過熱器6に導入され、廃熱ボイラ5で発生し
た蒸気をさらに過熱する。このとき、排ガス中のHCl
濃度が通常のごみ焼却により発生する排ガス中のHCl
濃度と比較して低いため、過熱器6の蒸気生成条件を高
温高圧化することが可能となる。過熱された蒸気は蒸気
タービン7に送られ、発電機8によって発電が行われ
る。
【0007】一方、チャー分離器2で回収されたチャー
はチャー洗浄器9において、水で洗浄され、可溶性のC
l(主にNaCl,KClとして存在)、Na、K 等
の無機物が除去される。このとき水洗除去される可溶性
Clは、元々水に溶ける状態で存在していたものと、部
分燃焼することによって溶ける状態になったものの2種
類がある。
【0008】チャー洗浄器9で洗浄した後のチャーは脱
水器10において脱水され、洗浄・脱水後のチャーは吸
着槽11に導入され、ガス洗浄塔3から排出する可燃ガ
スの洗浄排水と混合される。チャーは活性炭と類似した
多孔構造であるため、可燃ガス洗浄排水中に含まれるタ
ールなどの有機物や有害物質を吸着する。吸着後のチャ
ーは沈殿槽12により分離回収され、水は水処理装置1
3により最終処理される。
【0009】脱水器10から排出されるチャーの清浄排
水も水処理装置13で処理される。沈降槽11で回収さ
れたタールを吸着したチャーは焼却炉14において焼却
処理される。このチャーは前段の洗浄処理によって可溶
性のCl分が除去されているものの、チャーに吸着して
いるタールは、チャー洗浄塔9からの可燃ガス中のCl
分を溶解した洗浄排水を取り込んでいるため、焼却炉1
4での焼却によりHClが発生する。
【0010】このため、焼却炉14から排出する排ガス
は、廃熱ボイラ15及び過熱器6の腐食の起こりにくい
低温域に導入して低温で熱回収を行う。過熱器6を出た
排ガスは空気予熱器16に送られ、ブロア17により供
給される燃焼用空気を予熱した後、ガスクーラ18で1
70〜190℃程度にまで冷却される。排ガス中のHC
lを中和除去するために、煙道19において消石灰(C
a(OH))を吹き込み、バグフィルタ20で飛灰が
除去され、クリーンになった排ガスは誘引送風機21で
煙突22に送られ、系外に放出される。バグフィルタ2
0で補集された飛灰は、安定化処理される。
【0011】上記したごみ焼却処理に関連した発明に
は、特開昭53−102272号公報、特開昭59−1
40294号公報、特開平9−112871号公報記載
のものがある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述したごみのガス化
を応用した熱回収・発電方法は、単純に焼却する方法に
比べると、ある程度発電効率を高めることはできるもの
の、以下に示すような問題点がある。
【0013】ごみの部分燃焼で生成した可燃ガスに含ま
れるタールは、塩素分が溶解した水分を保持している。
この水分は油性のタールにコーティングされたような状
態であるため、含まれる塩素分は、水洗浄では簡単に除
去することができない。このため、可燃ガスの洗浄排水
の処理に使用したチャーに吸着されたタールは塩素分を
含んだ状態である。従ってタールを吸着させたチャーを
焼却炉4で燃焼するとHClが発生するため、焼却炉排
ガスでは高温で熱回収を行うことができない。このた
め、タールの持つエネルギーが無駄となっている。
【0014】排ガス処理に関しては、現在、排ガス中の
ダイオキシン類の低減が大きな課題となっている。ダイ
オキシン類は、酸素存在下で250〜400℃の温度域
において生成しやすく、その生成量は排ガス中の飛灰量
と塩素量の積にほぼ比例して増加する。よって、ダイオ
キシン類の発生を抑制するためには、発生源となるHC
lを除去しておくことが有効であるため、排ガス中のH
Cl濃度は極力下げるべきである。
【0015】排水処理に関しては、可燃ガス洗浄排水に
チャーを添加・攪拌し、沈降槽によってチャーを分離・
回収する方法では、チャーの分離に時間がかかる上、チ
ャーの微粉を完全に回収することが困難である。このた
め、最終的な排水処理設備において微粉チャーを除去し
なければならないことから、濾過操作が必要となる上、
微粉チャーの持つエネルギーも無駄となる。
【0016】本発明の課題は、上記従来のごみ発電シス
テムの課題に鑑み、排ガス中のCl及びNa、Kを除去
することにより、過熱器における腐食を低減しつつ、ご
みの持つエネルギーを無駄なく利用し、可能な限り高い
温度で熱回収を行って発電効率を向上させるとともに、
排ガス・排水処理系の負担を軽減し、さらにダイオキシ
ン類の発生を抑制できるごみの持つエネルギーを利用し
たごみ発電システムを提供することである。
【0017】また、本発明の課題は、ごみ焼却時に発生
する排ガス中のCl及びNa、Kを除去することによ
り、ごみの持つエネルギーを無駄なく利用し、排ガス・
排水処理系の負担を軽減したごみの焼却処理システムを
提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を達
成するために、ごみの部分燃焼により得られた生成ガス
及びチャーを湿式洗浄した後、生成ガス及びチャーを燃
焼炉あるいは灰の溶融炉に投入して高温で熱回収を行
い、かつ、湿式洗浄したチャーの一部を用いて充填層あ
るいは移動層を形成し、このチャーを濾過材として生成
ガスを洗浄した排水を通過させ、排水中の有機物などを
吸着除去すると同時に、微粉チャーも除去し、濾過材と
して使用した後の塩素(Cl)を含み、タールを吸着し
たチャーを部分燃焼炉に投入する。
【0019】このようにClとタールを吸着したチャー
を燃焼炉あるいは溶融炉ではなく部分燃焼炉へ供給し、
燃焼炉あるいは溶融炉には低塩分の可燃ガス及びチャー
のみを供給する点が、本発明の大きな特徴である。すな
わち、ごみに含まれるすべての可燃分は、洗浄によって
脱塩された後に高温の燃焼炉あるいは溶融炉に導入され
る。
【0020】このように洗浄済みの可燃ガス及びチャー
のみを燃焼炉あるいは溶融炉で燃焼することにより発生
した高温排ガスは、廃熱ボイラを経て、過熱器に導入さ
れて熱回収される。脱塩率が90〜95%であれば排ガ
ス中のHCl濃度を50〜100ppm程度にまで抑え
ることが可能であり、これは、従来技術と比較して非常
に低い値である。また、Na、Kも洗浄によってClと
同時に除去されるため、溶融塩腐食も少なくなる。こう
して腐食環境がかなり穏やかであり、過熱条件を500
℃、100kg/cm程度にまで高温高圧化すること
が可能となる。過熱された蒸気は蒸気タービンに送ら
れ、発電機によって発電が行われる。
【0021】このように本発明は、都市ごみ又は各種産
業廃棄物を部分燃焼炉で分解し、部分燃焼炉で得られた
分解生成物の中のガス成分とチャーを分離し、分離後の
ガス成分は水洗して、水に溶解するガス成分を除いて、
洗浄後のガスを燃焼炉又は灰溶融炉に投入して、燃焼さ
せ、また分離後のチャーを湿式洗浄してチャーに含まれ
る水溶性の塩素化合物を溶出して除き、低濃度の塩素含
有チャーとし、前記低濃度の塩素含有チャーの一部を濾
過材として前記ガス成分の洗浄排水及び/又はチャー洗
浄排水を通過させて、ガス洗浄排水中の微粉チャーを含
む固形分を濾過材であるチャーに吸着除去し、濾過材と
して使用したチャーは部分燃焼炉で再び部分燃焼させ、
前記低濃度の塩素含有チャーの残部を燃焼炉に投入し
て、燃焼させるごみの燃焼処理方法及び前記ごみの焼処
理方法における燃焼炉で得られる燃焼ガスにより蒸気を
発生させて発電に利用するごみ燃焼による発電方法であ
る。
【0022】また、本発明は都市ごみ又は各種産業廃棄
物を部分燃焼させる部分燃焼炉と、部分燃焼炉で得られ
た分解生成物の中のガス成分とチャーを分離するチャー
分離器と、チャー分離器で分離された後のガス成分を洗
浄するガス洗浄器と、洗浄後のガス成分を燃料とする燃
焼炉と、チャー分離器で分離されたチャーを湿式洗浄し
てチャーに含まれる水溶性の塩素化合物を溶出して除く
洗浄器と、洗浄器から排出する低濃度の塩素含有チャー
の一部を濾過材とし、ガス洗浄器で得られる洗浄排水を
導入する吸着濾過槽と、該吸着濾過槽で、ガス洗浄水中
の微粉チャーを含む固形分を吸着した濾過材を部分燃焼
炉に循環させる使用済みチャーの循環路と、洗浄器から
排出した低濃度の塩素含有チャーの残部を燃焼炉に導入
する導入路とを設けたごみの焼却処理装置又は前記ごみ
の燃焼処理装置における燃焼炉で得られる燃焼ガス流路
に蒸気発生用熱回収装置を設け、該熱回収装置で得られ
る蒸気を利用する発電機を設けたごみ燃焼による発電装
置である。
【0023】
【作用】ごみには多量の塩素化合物が含まれているが、
その形態はポリ塩化ビニルのような有機塩素化合物とN
aCl、KClといった無機塩素化合物である。有機塩
素化合物中の塩素は300℃以下でほとんど揮発し、無
機塩素化物中の塩素は900〜1000℃でほとんどが
揮発する。
【0024】従って、本発明では部分燃焼炉の運転温度
を800℃以下とすることにより、NaCl、KClの
多くをごみ中に残したまま、有機塩素化合物を気化させ
ることができる。気化した塩素はごみ中に含まれるCa
分と結合して無機塩素化合物CaClの固体を形成す
る。有機塩素化合物は水に溶解しにくいのに対し、無機
塩素化合物は水に非常に溶解しやすい。ただし、無機塩
素化合物であっても廚芥に含まれている場合は、そのま
まの状態では簡単には水に溶解しない。これは、例え
ば、塩浸けの食品等を水で洗っても、塩分はその組織内
に浸透しているため、簡単には溶かし出すことができな
いこと同じである。しかし、塩浸けの食品等を部分燃焼
することにより食品の組織が破壊され、内部の塩分を溶
出しやすい状態にすることができる。前記塩けの食品等
の場合と同じように、ごみを800℃以下で部分燃焼し
た場合、得られたチャーに保持される塩素分は、ほとん
どが水に溶解しやすい無機塩素化合物となるのである。
そこでチャーを水で洗浄することにより、低塩素分のチ
ャーが得られる。このとき同時にNa、Kも水に溶解し
て除去される。
【0025】一方、部分燃焼で生成した可燃ガスには、
チャーに保持しきれなかった塩素分とタール分が含まれ
ている。この可燃ガス中の塩素分は主に水に溶けやすい
HClの状態であるため、可燃ガスも水で洗浄すること
により、塩素分とタール分が除去される。この低塩素分
の可燃ガスを燃焼・溶融炉へ導入することにより、低塩
素分の燃焼排ガスを得ることができる。
【0026】さらに、部分燃焼炉で生成したチャーの一
部を濾過材として利用し、これにチャー及び可燃ガスを
洗浄した後の排水を通じると、チャーは活性炭と類似し
た多孔構造であるため、排水に含まれるタール分や有害
物質が吸着され、同時に微粉のチャーも除去されること
により、濾過排水はNaCl、KCl、CaCl等が
溶解した塩水となる。また、濾過材として使用した後の
チャーを部分燃焼炉に投入することにより、タールが熱
分解されて低分化、ガス化し、同時にタールが保持して
いた塩素分がHClとして放出させ、後流のガス洗浄で
除去される。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について以下
図面と共に説明する。図1は本発明のごみガス化発電シ
ステムのフローの一例を示す。ごみは部分燃焼炉1に投
入され、部分燃焼により生成したチャー、可燃ガス及び
タールはチャー分離器2(例えばサイクロン)によっ
て、チャーと可燃ガス及びタールに分離される。可燃ガ
ス及びタールはガス洗浄塔3において水噴射によ1りH
Cl等の酸性成分、Na、K等のアルカリ成分、ター
ル、チャー分離器2で除去できなかった微粉チャー、そ
の他の有害物質が可燃ガスから除去される。こうして得
られた清浄な可燃ガスは、燃焼・溶融炉4に導入されて
高温で燃焼される。
【0028】チャー分離器2で回収されたチャーは、洗
浄器9において水で洗浄され、可溶性のCl(主にNa
Cl、KClとして存在)、Na、K等の無機物が除去
され、脱水器10において脱水される。ここで得られた
低塩分チャーの多くは、燃焼・溶融炉4に導入されて、
清浄な可燃ガスと共に高温で燃焼される。
【0029】一方燃焼・溶融炉4に導入しなかった一部
の低塩分チャーは吸着濾過槽31に供給され、チャーの
移動層又は充填層を形成する。この吸着濾過槽31にガ
ス洗浄塔3から排出された可燃ガスの洗浄排水及び脱水
器10から排出されたチャー洗浄排水を通過させる。チ
ャーは活性炭と類似した多孔構造であるため、可燃ガス
洗浄排水中に含まれるタール分や有害物質を吸着する。
従って吸着濾過槽31から出てくる排水はNaCl、K
Cl、CaCl等の溶解した塩水となっている。
【0030】この排水は、水処理装置13へ送られて最
終処理されるが、有機物や微粉チャーを含んでいないた
め、特別な濾過操作を必要とせず、単純な無機塩水であ
るため、各種の公知技術(蒸発乾固、イオン交換等)で
簡単に塩分を除去することができる。
【0031】塩分を除去された水は、排ガス洗浄塔3及
び/又はチャーの洗浄装置9に循環して洗浄水として再
利用することもできる。吸着濾過槽31から回収された
タールを吸着したチャー及び微粉チャーは、部分焼却炉
1に供給される。このチャーに吸着しているタールは、
塩素分が溶解した水分をコーティングしたような状態で
保持している。部分燃焼炉1においてタールは分解が進
み、低分子化、ガス化する。同時にタールに保持されて
いたClは放出されHClガスとなり、チャー分離器2
を経てガス洗浄塔3へ導入され、水洗浄される。タール
は分解が進むほど低分子化し、Cl保持量が低下するた
め、部分燃焼炉1に戻されるたびにClの水洗浄除去率
が高くなる。
【0032】このようにClを含んだタール吸着したチ
ャーを燃焼・溶融炉4ではなく部分燃焼炉1へ供給し、
燃焼・溶融炉4には低塩分の可燃ガス及びチャーのみを
供給する点が、本発明の大きな特徴である。すなわち、
ごみに含まれるすべての可燃分は、洗浄によって脱塩さ
れた後に高温の燃焼・溶融炉4に導入されることにな
る。
【0033】このように洗浄済みの可燃ガス及びチャー
のみを燃焼・溶融炉4で燃焼することにより発生した高
温排ガスは、廃熱ボイラ5を経て、過熱器6に導入され
て熱回収される。脱塩率が90〜95%であれば前記燃
焼・熔融炉4で発生する排ガス中のHCl濃度を50〜
100ppm程度にまで抑えることが可能であり、これ
は、従来技術と比較して非常に低い値である。また、N
a、Kも洗浄によってClと同時に除去されるため、溶
融塩腐食も少なくなる。
【0034】こうして腐食環境がかなり穏やかであり、
過熱器6での過熱条件を500℃、100kg/cm
程度にまで高温高圧化することが可能となる。過熱され
た蒸気は蒸気タービン7に送られ、発電機8によって発
電が行われる。
【0035】過熱器6を出た排ガスは空気予熱器16に
送られ、ブロア17により供給される燃焼用空気を予熱
した後、ガスクーラ18で冷却され、バグフィルタ20
で飛灰が補集され、クリーンになった排ガスは誘引送風
機21で煙突22に送られ、系外に放出される。排ガス
中のHCl濃度が非常に低いため、この排ガス処理系に
おいては中和剤(消石灰、生石灰など)を吹き込む必要
はない。バグフィルタ20から抜き出された飛灰は、安
定化処理される。
【0036】このように本発明では、燃料となるチャー
及び可燃ガスの塩素分を予め除去しておき、かつClを
含んだタールを吸着したチャーを焼却した排ガスを熱回
収に用いないことにより、燃焼排ガス中のHCl濃度を
低く抑え、高効率発電を行うことができる。また、ター
ル及び微粉チャーを部分燃焼炉1で再分解することによ
り、タール及び微粉チャーのエネルギーも回収すること
ができ、処理用の焼却炉も不要となる。
【0037】燃焼排ガスのHCl濃度が低いことは排ガ
ス処理系にとってもメリットが多い。まず、排ガス処理
系で中和剤の消石灰を吹き込む必要がなくなる。結果と
してバグフィルタ11で捕集される飛灰量が減少するこ
とにより、バグフィルタ11をコンパクト化でき、最終
的に処理する灰の量が低減できる。また、排ガス中の塩
素分が少ないことにより、猛毒の塩素化合物であるダイ
オキシン類の生成も抑制できる。
【0038】本発明により得られた低塩素分のチャー及
び可燃ガスは燃焼・溶融炉4以外に直接溶融炉(図示せ
ず)に投入してもよい。この場合も、図1に示す例と同
様に排ガス中のHCl濃度を低く抑えることができるた
め、熔融炉の後段に設けられる過熱器を高温高圧化し、
高効率発電を行うことができる。また、ガス処理に消石
灰を使用する必要がなく、ダイオキシン類の発生も抑制
できる。
【0039】本発明においては、部分燃焼炉1で生成し
たチャーの一部を吸着・濾過剤として使用し、生成ガス
の洗浄排水中に含まれるCl分を保持したタールを吸着
させた後、Cl分を保持したタールを吸着したチャーを
部分燃焼炉1に戻して再分解し、燃焼・溶融炉には低塩
素分の燃料(チャー、ガス)のみを供給することによ
り、ごみの可燃分すべてが脱塩後に高温燃焼されること
になる。
【0040】こうして、最終的な高温燃焼排ガス中のH
Clを低減することができるため、腐食環境が緩和さ
れ、過熱器6を高温高圧化することができ、発電効率が
向上する。また、塩素を成分とするダイオキシン類の生
成を抑制できる。さらに、燃焼・溶融炉の4排ガス処理
系において脱塩剤を使用する必要がないため、バグフィ
ルタ20をコンパクト化でき、最終的に処分する飛灰の
量も低減できる。
【0041】従来技術ではタールを吸着させたチャー
を、そのまま焼却処分していたのに対し、本発明では部
分燃焼炉1に戻すことにより、タール及びチャーがさら
に熱分解されて、低分子化、ガス化が進む。チャー層に
よって回収された微粉チャーも一緒にガス化され、発生
した可燃ガスを洗浄して燃焼・溶融炉4で燃焼すること
により、タール及びチャーの持つエネルギーを有効に回
収することができる。
【0042】また、チャー処理用の焼却炉が不要とな
り、設備が簡略化でき、部分燃焼炉1においては、ター
ルの分解と同時にタールが保持していた塩素分がHCl
として放出され、ガス洗浄で除去することができるよう
になる。
【0043】さらに、チャー層による塩素分の吸着・濾
過により、洗浄排水中のタール、有害物質、微粉チャー
が除去される。この濾過排水は、水処理装置13で最終
処理されるが、有機物や微粉チャーを含んでいないた
め、特別な濾過操作を必要とせず、単純な無機塩水であ
るため、各種の公知技術(蒸発乾固、イオン交換等)で
塩分を除去することができ、水処理系にかかるコストを
低減できる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、最終的な高温燃焼排ガ
ス中のHClを低減することができるため、腐食環境が
緩和され、過熱器を利用する場合は、これを高温高圧化
することができ、発電効率が向上する。また、塩素を成
分とするダイオキシン類の生成を抑制できる。さらに、
燃焼炉の排ガス処理系において脱塩剤を使用する必要が
ないため、バグフィルタをコンパクト化でき、最終的に
処分する飛灰の量も低減でき、また水処理系にかかるコ
ストも低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるごみガス化発電システムであ
る。
【図2】 従来技術によるごみガス化発電システムであ
【符号の説明】
1 部分燃焼炉 2 チャー分離器 3 排ガス洗浄塔 4 燃焼・溶融炉 5 廃熱ボイラ 6 過熱器 7 蒸気タービン 8 発電機 9 洗浄装置 10 脱水器 11 バグフィルタ 12 沈殿槽 13 水処理装置 14 焼却炉 15 廃熱ボイラ 16 空気予熱器 17 ブロア 18 ガスクーラ 19 煙道 20 バグフィルタ 21 誘引送風機 22 煙突 31 吸着濾過槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F23J 15/00 F23J 15/00 Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 都市ごみ又は各種産業廃棄物を部分燃焼
    炉で分解し、部分燃焼炉で得られた分解生成物の中のガ
    ス成分とチャーを分離し、 分離後のガス成分は水洗して、水に溶解するガス成分を
    除いて、洗浄後のガスを燃焼炉に投入して、燃焼させ、 また、分離後のチャーを湿式洗浄してチャーに含まれる
    水溶性の塩素化合物を溶出して除き、低濃度の塩素含有
    チャーとし、 前記低濃度の塩素含有チャーの一部を濾過材として前記
    ガス成分の洗浄排水及び/又はチャーの洗浄排水を通過
    させて、ガス洗浄排水中の微粉チャーを含む固形分を濾
    過材であるチャーに吸着除去し、濾過材として使用した
    チャーは部分燃焼炉で再び部分燃焼させ、 前記低濃度の塩素含有チャーの残部を燃焼炉に投入し
    て、燃焼させることを特徴とするごみの燃焼処理方法。
  2. 【請求項2】 燃焼炉は部分燃焼炉で得られた灰分を溶
    融する灰溶融炉であることを特徴とする請求項1記載の
    ごみの燃焼処理方法。
  3. 【請求項3】 燃焼炉から排出する排ガス中の飛灰を集
    塵器で除き、大気中に排出することを特徴とする請求項
    1記載のごみの燃焼処理方法。
  4. 【請求項4】 低濃度の塩素含有チャーの一部を濾過材
    としてガス成分の洗浄排水及び/又はチャーの洗浄排水
    を通過させて得られる濾過排水を脱塩処理した後、部分
    燃焼炉で得られた分解生成物の中のガス成分の洗浄水と
    して再利用することを特徴とする請求項1記載のごみ燃
    焼処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のごみの燃焼処理方法にお
    ける燃焼炉で得られる燃焼ガスにより蒸気を発生させて
    発電に利用することを特徴とするごみ燃焼による発電方
    法。
  6. 【請求項6】 都市ごみ又は各種産業廃棄物を部分燃焼
    させる部分燃焼炉と、 部分燃焼炉で得られた分解生成物の中のガス成分とチャ
    ーを分離するチャー分離器と、 チャー分離器で分離された後のガス成分を洗浄するガス
    洗浄器と、 洗浄後のガス成分を燃料とする燃焼炉と、 チャー分離器で分離されたチャーを湿式洗浄してチャー
    に含まれる水溶性の塩素化合物を溶出して除くチャー洗
    浄器と、 チャー洗浄器から排出する低濃度の塩素含有チャーの一
    部を濾過材とし、ガス洗浄器及び/又はガス洗浄器から
    排出する洗浄排水を導入する吸着濾過槽と、 該吸着濾過槽で、ガス洗浄排水中の微粉チャーを含む固
    形分を吸着した濾過材を部分燃焼炉に循環させる使用済
    み濾過材の循環路と、 チャー洗浄器から排出した低濃度の塩素含有チャーの残
    部を燃焼炉に導入する導入路とを設けたことを特徴とす
    るごみの焼却処理装置。
  7. 【請求項7】 燃焼炉は部分燃焼炉で得られた灰分を溶
    融する灰溶融炉であることを特徴とする請求項6記載の
    ごみの燃焼処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載のごみの燃焼処理装置にお
    ける燃焼炉で得られる燃焼ガス流路に蒸気発生用の熱回
    収装置を設け、該熱回収装置で得られる蒸気を利用する
    発電機を設けたことを特徴とするごみ燃焼による発電装
    置。
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