JPH11350062A - 加工用高張力鋼板およびその製造方法 - Google Patents

加工用高張力鋼板およびその製造方法

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JPH11350062A
JPH11350062A JP15643298A JP15643298A JPH11350062A JP H11350062 A JPH11350062 A JP H11350062A JP 15643298 A JP15643298 A JP 15643298A JP 15643298 A JP15643298 A JP 15643298A JP H11350062 A JPH11350062 A JP H11350062A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高延性と200GPa以下のヤング率を有し、かつ
プレス成形後の降伏応力が380MPa以上である加工用高張
力鋼板およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.20%以下、Si:0.005
〜1.5 %、Mn:0.05〜3.5 %、P:0.005 〜0.15%、A
l:0.005 〜0.2 %、N:0.020 %以下を含有する鋼素
材に、Ar3変態点〜(Ar3変態点−100 ℃)の温度範囲
における圧下率が50%以上、最終パスの圧下率が15%以
下で、好ましくは最終パスを除くパスの圧下率が30%/
パス以下、圧延パス数が5パス以上で、かつ仕上げ圧延
温度が(Ar3変態点−100 ℃)以上とする熱間圧延を施
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主にプレス成形な
どの加工を施して自動車車体などに用いて好適な鋼板に
係り、とくに低ヤング率を有する高張力鋼板およびその
製造方法に関する。なお、本発明における鋼板とは、鋼
帯をも含むものとする。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境保全の観点から、炭酸ガ
スの排出を規制する動きが活発となっており、自動車の
軽量化による燃費改善が注目されている。自動車の軽量
化を進めるうえでは、自動車車体で多くの割合を占める
鋼板を薄肉化するのが有効な手段であり、使用される鋼
板が薄肉化される傾向にある。鋼板の薄肉化を目的とし
て、最近では、340MPa以上の引張強さを有する高張力鋼
板が開発され、広く使用ている。しかし、このように鋼
板が高強度化され使用する鋼板が薄肉化されると、一般
的に、車体の剛性が低下することは避けられず、薄肉化
における技術的壁となっていた。
【0003】このため、最近になって、車体の設計にあ
たり、部品によっては弾性範囲内である程度の歪を生じ
ることを許容することが検討されている。このような設
計指針のもとでは、同じ降伏応力を有する鋼板であれ
ば、塑性変形が生じるまでの歪が大きいこと、すなわち
ヤング率が小さい鋼板であることが望ましい。また、使
用する鋼板が高強度化され薄肉化されると、部材をプレ
ス成形後、組立てまでの搬送工程中に衝撃等の負荷によ
り、容易に部材の塑性変形が発生しデントなどの欠陥が
生じるという問題があった。また、組立て時にスポット
溶接などで接合されるフランジ部なども衝撃等による変
形が大きくなる傾向があり、組立工程で不良が発生する
という問題があった。低ヤング率でかつ高降伏応力であ
る鋼板であれば、このような衝撃等による負荷を弾性変
形内で吸収し塑性変形を防止することが可能となる。
【0004】しかしながら、鋼板のヤング率を低下させ
る方法については、現在までほとんど知られていない。
鋼板のヤング率に関する従来の知見は、例えば、特開平
4-143216号公報に開示されているように、高ヤング率を
得ようするものばかりであり、ヤング率を低下させよう
とするものは皆無である。なお、ヤング率が低い鉄系材
料として鋳鉄が知られているが、板形状に製造すること
が工業的に困難であり、また安定して低ヤング率を得る
ことが難しいといった問題があった。
【0005】また、例えば、特開昭56-139619 号公報に
開示されているように、鉄単結晶では<100 >方向のヤ
ング率が低いことが知られており、また、特開昭62-284
016号公報には、ND//<100 >(圧延面法線方向に<100
>方向が平行である結晶方位)集合組織を発達させる
ためにAr3変態点以下で仕上げ圧延を行うことが提案さ
れている。しかしながら、実際には、単にAr3変態点以
下で仕上げ圧延を行っても、低ヤング率鋼板の熱延条件
の適正化についてはまだよく知られておらず、低ヤング
率鋼板を安定して製造することは困難であるのが現状で
ある。
【0006】また、Siなどの合金元素を添加してND//<
100 >集合組織を発達させる方法も考えられるが、Siな
どの合金元素を多量に添加する必要があり、加工性が劣
化し加工用鋼板として十分な成形性を具備させることが
困難となる。加工用鋼板としては、30%以上、強度にも
よるが好ましくは40%以上の伸びを保持することが要求
されるが、従来、このような高延性と低ヤング率を共に
具備する高張力鋼板を安定して製造することができなか
った。
【0007】なお、主相をオーステナイト相とする、た
とえばオーステナイト系ステンレス鋼はヤング率は低め
であるが、加工用鋼板としては、コスト高となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、最近の設計
指針に適応した、高延性と低ヤング率を有し、かつプレ
ス成形後の降伏応力が380MPa以上である加工用高張力鋼
板およびその製造方法を提供することを目的とする。低
ヤング率を有し、かつプレス成形後の降伏応力が380MPa
以上となる高張力鋼板であれば、プレス成形後成形部材
組立てまでの搬送工程で受ける衝撃等を弾性変形で吸収
し塑性変形を防止でき、組立て時の欠陥発生を防止でき
る。低ヤング率とは、具体的には、ヤング率Eが室温で
200GPa以下を目標とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
課題を達成するため、鋭意実験、検討を行った。その結
果、固溶強化元素、および/または析出強化元素を添加
した鋼板組成とし、さらに、Ar3変態点〜(Ar3変態点
−100 ℃)の温度範囲で、圧延時の歪蓄積を回避しつ
つ、所定量以上の圧下を加える熱間圧延を施すことによ
り、高延性と低ヤング率を有し、かつプレス成形後の降
伏応力が380MPa以上となる高張力鋼板を得ることができ
ることを知見した。
【0010】まず、本発明者らの行った基礎的実験結果
を説明する。0.002wt %C−0.30wt%Si−0.5wt %Mn−
0.002 %P−0.01%S−0.05wt%Al−0.003wt %N−0.
01wt%Ti−0.0003wt%B組成の鋼素材を、実験室で1080
℃に加熱し、粗圧延し、さらに仕上げ圧延として、3パ
スで全圧下率40、50、60%もしくは5パスで全圧下率50
%の圧延を650 〜950 ℃の各温度で行った。仕上げ圧延
中は適宜炉内で保温し、各パスにおける圧延温度を一定
に保った。各パスの圧下率は、全圧下率40%の場合は20
-15-10%、全圧下率50%の場合は30-20-10%、全圧下率
60%の場合は30-30-15%、全圧下率50%(5パス)の場
合は15-15-15-10-10%、とした。
【0011】得られた熱延板について、縦振動の共振法
によりヤング率を測定した(室温:18℃)。ヤング率E
は、次(1) 式 E=(E0 +2E45+E90)/4 …………(1) ただし、E0 、E45、E90はそれぞれ圧延方向、圧延方
向に45°、圧延方向に90°の方向のヤング率(GPa )。
で定義される平均のヤング率を用いている。その結果を
図1に示す。
【0012】図1から、Ar3変態点以下好ましくはAr3
変態点〜(Ar3変態点−100 ℃)の温度範囲で50%以上
の圧下率で熱間圧延することにより、ヤング率Eが急激
に低下することがわかる。同じ圧下率ではパス数が多い
5パス圧延のほうが、圧延温度の広い範囲で安定してヤ
ング率が低下している。本発明は、上記した知見に基づ
いて完成されたものである。
【0013】すなわち、本発明は、フェライト相を母相
とし、かつ次(1)式 E=(E0 +2E45+E90)/4 …………(1) (ただし、E0 、E45、E90はそれぞれ圧延方向、圧延
方向に45°、圧延方向に90°の方向のヤング率(GPa
))で定義されるヤング率Eが200GPa以下であり、プ
レス成形後の降伏応力が380MPa以上であることを特徴と
する加工用高張力鋼板である。また、本発明では、次
(2)式 YR=(YS0 +2YS45+YS90)/(TS0 +2TS45 +TS90)…(2) (ただし、YS0 、YS45、YS90はそれぞれ圧延方向、圧延
方向に45°、圧延方向に90°の方向の降伏応力(MPa )
で、TS0 、TS45、TS90はそれぞれ圧延方向、圧延方向に
45°、圧延方向に90°の方向の引張強さ(MPa )であ
る。)で定義されるYRが0.8 以上であるのが好ましい。
【0014】また、本発明は、重量%で、 C:0.20%
以下、Si:0.005 〜1.5 %、Mn:0.05〜3.5 %、P:0.
005 〜0.15%、S:0.02%以下、Al:0.005 〜0.2 %、
N:0.020 %以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物
からなる組成を有し、フェライト相を母相とし、かつ次
(1)式 E=(E0 +2E45+E90)/4 …………(1) (ただし、E0 、E45、E90はそれぞれ圧延方向、圧延
方向に45°、圧延方向に90°の方向のヤング率(GPa
))で定義されるヤング率Eが200GPa以下であり、プ
レス成形後の降伏応力が380MPa以上であることを特徴と
する加工用高張力鋼板であり、前記組成に加えて、さら
にB:0.0005〜0.005 %を含有してもよい。また、本発
明では、次(2)式 YR=(YS0 +2YS45+YS90)/(TS0 +2TS45 +TS90)…(2) (ただし、YS0 、YS45、YS90はそれぞれ圧延方向、圧延
方向に45°、圧延方向に90°の方向の降伏応力(MPa )
で、TS0 、TS45、TS90はそれぞれ圧延方向、圧延方向に
45°、圧延方向に90°の方向の引張強さ(MPa )であ
る。)で定義されるYRが0.8 以上であるのが好ましい。
【0015】また、本発明は、重量%で、C:0.20%以
下、Si:0.005 〜1.5 %、Mn:0.05〜3.5 %、P:0.00
5 〜0.15%、S:0.02%以下、Al:0.005 〜0.2 %、
N:0.020 %以下を含み、さらに、Nb:0.003 〜0.20
%、Ti:0.003 〜0.20%、V:0.003 〜0.20%のうちか
ら選ばれた1種または2種以上を含有し、残部Feおよび
不可避的不純物からなる組成を有し、フェライト相を母
相とし、かつ前記(1)式で定義されるヤング率Eが20
0GPa以下であり、プレス成形後の降伏応力が380MPa以上
であることを特徴とする加工用高張力鋼板であり、前記
組成に加えて、さらにB:0.0005〜0.005 %を含有して
もよい。また、本発明では、前記(2)式で定義される
YRが0.8 以上であるのが好ましい。
【0016】また、本発明は、重量%で、C:0.20%以
下、Si:0.005 〜1.5 %、Mn:0.05〜3.5 %、P:0.00
5 〜0.15%、S:0.02%以下、Al:0.005 〜0.2 %、
N:0.020 %以下を含み、さらに、Cu:0.005 〜0.20
%、Ni:0.005 〜0.20%、Cr:0.005 〜0.20%、Mo:0.
005 〜0.20%のうちから選ばれた1種または2種以上を
含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有
し、フェライト相を母相とし、かつ前記(1)式で定義
されるヤング率Eが200GPa以下であり、プレス成形後の
降伏応力が380MPa以上であることを特徴とする加工用高
張力鋼板であり、前記組成に加えて、さらにB:0.0005
〜0.005 %を含有してもよい。また、本発明では、前記
(2)式で定義されるYRが0.8 以上であるのが好まし
い。
【0017】また、本発明は、重量%で、C:0.20%以
下、Si:0.005 〜1.5 %、Mn:0.05〜3.5 %、P:0.00
5 〜0.15%、S:0.02%以下、Al:0.005 〜0.2 %、
N:0.020 %以下を含み、さらに、Nb:0.003 〜0.20
%、Ti:0.003 〜0.20%、V:0.003 〜0.20%のうちか
ら選ばれた1種または2種以上およびCu:0.005 〜0.20
%、Ni:0.005 〜0.20%、Cr:0.005 〜0.20%、Mo:0.
005 〜0.20%のうちから選ばれた1種または2種以上を
含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有
し、フェライト相を母相とし、かつ前記(1)式で定義
されるヤング率Eが200GPa以下であり、プレス成形後の
降伏応力が380MPa以上であることを特徴とする加工用高
張力鋼板であり、前記組成に加えて、さらにB:0.0005
〜0.005 %を含有してもよい。また、本発明では、前記
(2)式で定義されるYRが0.8 以上であるのが好まし
い。
【0018】なお、ここで、ヤング率E0 、E45、E90
は室温における値とする。室温とは、0〜30℃を意味
し、ヤング率の測定温度としては、10〜25℃が好適であ
る。また、本発明は、重量%で、C:0.20%以下、Si:
0.005 〜1.5 %、Mn:0.05〜3.5 %、P:0.005 〜0.15
%、S:0.02%以下、Al:0.005 〜0.2 %、N:0.020
%以下を含有する組成の鋼素材に、Ar3変態点〜(Ar3
変態点−100 ℃)の温度範囲における圧下率が50%以
上、最終パスの圧下率が15%以下で、かつ仕上げ圧延温
度が(Ar3変態点−100 ℃)以上とする熱間圧延を施す
ことを特徴とする加工用高張力熱延鋼板の製造方法であ
り、前記熱間圧延を、Ar3変態点以下での、最終パスを
除くパスの圧下率が30%/パス以下、圧延パス数が5パ
ス以上となる熱間圧延とするのが好ましい。また、本発
明では、前記組成に加えて、さらにNb:0.003 〜0.20
%、Ti:0.003 〜0.20%、V:0.003 〜0.20%のうちか
ら選ばれた1種または2種以上、またはCu:0.005 〜0.
20%、Ni:0.005 〜0.20%、Cr:0.005 〜0.20%、Mo:
0.005 〜0.20%のうちから選ばれた1種または2種以
上、あるいはそれらを複合して含有するのが好ましく、
またさらにこれらに加えてB:0.0005〜0.005 %を複合
して含有してもよく、あるいは前記組成に加えてB:0.
0005〜0.005 %を含有してもよい。
【0019】また、本発明は、重量%で、C:0.20%以
下、Si:0.005 〜1.5 %、Mn:0.05〜3.5 %、P:0.00
5 〜0.15%、S:0.02%以下、Al:0.005 〜0.2 %、
N:0.020 %以下を含有する組成の鋼素材に、Ar3変態
点〜(Ar3変態点−100 ℃)の温度範囲における圧下率
が50%以上、最終パスの圧下率が15%以下で、かつ仕上
げ圧延温度が(Ar3変態点−100 ℃)以上とする熱間圧
延を施したのち、冷間圧延、再結晶焼鈍を施すことを特
徴とする加工用高張力冷延鋼板の製造方法であり、前記
熱間圧延を、Ar3変態点以下での、最終パスを除くパス
の圧下率が30%/パス以下、圧延パス数が5パス以上と
なる熱間圧延とするのが好ましい。前記組成に加えて、
さらにB:0.0005〜0.005 %を含有してもよい。また、
本発明では、前記組成に加えて、さらにCu:0.005 〜0.
20%、Ni:0.005 〜0.20%、Cr:0.005 〜0.20%、Mo:
0.005 〜0.20%のうちから選ばれた1種または2種以
上、またはCu:0.005 〜0.20%、Ni:0.005 〜0.20%、
Cr:0.005 〜0.20%、Mo:0.005 〜0.20%のうちから選
ばれた1種または2種以上、あるいはそれらを複合して
含有するのが好ましい。
【0020】本発明においては、熱間圧延後の軟質化・
加工性向上を目的とした熱延板焼鈍を施してもよいこと
は言うまでもない。また、得られた鋼板の表面調整とし
て、通常の調質圧延を行うこと、およびYRの向上を目的
として10%までの調質圧延を施すことは、なんら本発明
の趣旨を損なうものではない。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の鋼板には、熱延鋼板、冷
延鋼板、およびこれらの冷延鋼板を原板とした表面処理
鋼板を含む。熱延鋼板は、熱間圧延後焼鈍を施された熱
延焼鈍鋼板を含み、冷延鋼板は、冷間圧延後焼鈍を施さ
れた冷延焼鈍鋼板、さらに冷延焼鈍後調質圧延を施され
た冷延焼鈍調質鋼板が含まれる。また、熱延鋼板につい
ても、熱延焼鈍後に調質圧延を施したものも含まれる。
さらに、本発明の鋼板においては、表面の酸化スケール
層の有無は問わない。
【0022】本発明の鋼板は、優れた加工性を具備させ
るために、フェライト相を母相とする。フェライト以外
の組織を母相とすると、均一伸びが30%以上という高延
性を容易に確保することは困難である。第2相として
は、パーライト、ベイナイト、マルテンサイトを面積率
で10%以下含有させてもよい。第2相が10%を超える
と、延性が顕著に劣化する。なお、マルテンサイトが多
くなるとYRが低くなる傾向にあるので、マルテンサイト
は全体の5%未満とする。なお、組織の面積率は、断面
観察により求めるものとする。
【0023】また、本発明の鋼板は、次(1)式 E=(E0 +2E45+E90)/4 …………(1) (ただし、E0 、E45、E90はそれぞれ圧延方向、圧延
方向に45°、圧延方向に90°の方向のヤング率(GPa
))で定義されるEが室温で200GPa以下である。ここ
で、室温とは、0〜30℃を意味し、ヤング率の測定温度
としては、10〜25℃が好適である。
【0024】ヤング率の平均を表す(1)式で定義され
るEが200GPaを超えると、組立て完了までに加えられた
衝撃等を弾性変形で吸収することが困難となり、部材に
塑性変形を生じる。なお、Eは好ましくは180GPa以下で
ある。 ヤング率が低くなると、鋼板としての共振周波
数が低下し、車体としての防振範囲が広がる。なお、本
発明の鋼板は、次(2)式 YR=(YS0 +2YS45+YS90)/(TS0 +2TS45 +TS90)…(2) (ただし、YS0 、YS45、YS90はそれぞれ圧延方向、圧延
方向に45°、圧延方向に90°の方向の降伏応力(MPa )
で、TS0 、TS45、TS90はそれぞれ圧延方向、圧延方向に
45°、圧延方向に90°の方向の引張強さ(MPa )であ
る。)で定義されるYRが0.8 以上を有することが好まし
い。
【0025】YRが0.8 以上とすることにより、成形後の
パネルの搬送時に変形を生じる危険性を格段に小さくで
きるという効果がある。YRを高くするには、マルテンサ
イトの発生を抑えるほかに、固溶C、固溶N、固溶強化
元素であるP、Si、Mn等を添加する、あるいは炭化物、
窒化物などを微細析出させることが有効である。また、
調質圧延をほどこしてもよい。
【0026】本発明の鋼板は、プレス成形後の降伏応力
を380MPa以上となる降伏応力を有する。ここに、プレス
成形後とは概ね歪が10%以上となる加工をいうが、加工
前の降伏応力は概ね250MPa以上とするのが好ましい。塑
性変形が生じるまでの弾性変形エネルギーは(降伏応
力)2/(2E)で表される。このことから、弾性変形で吸収
できるエネルギーを大きくするためには、Eを低くする
か、降伏応力を高めることが有効であり、プレス成形後
の降伏応力を380MPa以上と高めることにより、プレス成
形後組立てまでの搬送工程で受ける衝撃等の負荷による
塑性変形を防止することができる。さらに、自動車外板
として使用された場合には、このようなヤング率が低
く、降伏応力が高く、YRが高い鋼板は、小石が衝突して
もその外力を弾性変形のみで吸収でき、凹み等の疵を残
さないという大きな利点がある。
【0027】また、プレス成形後、すなわち、10%以上
の歪を生じる加工を施したのちの降伏応力が380MPa未満
では、部品の単体での強度が不足する。なお、上記効果
をより発揮するためには、加工後のYSが400MPa以上であ
ることが好ましい。つぎに、上記した特性を有する鋼板
の組成限定について説明する。 C:0.20%以下 Cは、鋼板の強度を確保するうえで重要な元素である。
C量が0.20%を超えると溶接性、延性が劣化し、成形性
が劣化する。このため、Cは0.20%以下に限定した。な
お、延性、溶接性の観点から好ましくは0.004 〜0.10%
%である。
【0028】Si:0.005 〜1.5 % Siは、鋼板の延性低下を最小限に抑えて鋼板を強化する
ために有効な元素である。この効果は0.005 %以上の添
加で認められる。しかし、1.5 %を超える添加は、鋼板
の強度を著しく増加させるため、例えば熱間変形抵抗の
増加等の鋼板製造工程における負荷が大きく製造にあた
り障害となる。このため、Siは0.005 〜1.5 %の範囲に
限定した。なお、高強度化の観点からは0.10%以上とす
るのが好ましく、主としてSi量増加により高強度化を達
成するためには0.5 %以上とするのがより好ましい。
【0029】Mn:0.05〜3.5 % Mnは、鋼板の強度を増加させる有効な元素であり、鋼板
組織の微細化および低温変態組織の形成に有効がある。
このような効果は0.05%以上の添加で認められるが、3.
5 %を超えて添加するとAr3変態点が低くなりすぎ、さ
らに圧延荷重の増大のためフェライト域での圧延が困難
となる。このため、Mnは0.05〜3.5 %に限定した。な
お、Mnによる強化を主体として、延性の低下を最小限と
し、強度をプレス成形後の降伏応力が380MPa以上となる
高強度とするためには、Mnは0.5 %以上、好ましくは
0.8%以上添加するのが望ましい。
【0030】P:0.005 〜0.15% Pは、鋼板を固溶強化するために有効な元素であるが、
この効果が認められるためには0.005 %以上の添加が必
要である。一方、0.15%を超えて添加した場合には鋼板
の延性が著しく低下する。このため、Pは0.005 〜0.15
%の範囲に限定した。なお、Pによる強化を主体とし
て、延性の低下を最小限とし、強度をプレス成形後の降
伏応力が380MPa以上となる高強度とするためには、Pは
0.02%以上、さらに望ましくは0.04%以上とするのが好
ましい。
【0031】S:0.02%以下 Sは、鋼板の延性を低下させるため、できるだけ低減す
るのが好ましい。延性確保の観点からは、0.02%まで許
容できる。とくに高い延性が要求される場合には、0.00
8 %以下とするのが好ましい。 Al:0.005 〜0.2 % Alは、脱酸元素として作用し、0.005 %以上の添加で鋼
中の酸化物量を十分低減できる。0.2 %を超える添加
は、アルミナクラスターを形成し表面欠陥が多発すると
ともに、熱間延性が低下する。このため、Alは0.005 〜
0.2 %の範囲に限定した。なお、表面性状の観点からは
0.005 〜0.15%の範囲とするのが好ましい。なお、Ti、
Ca等の他の脱酸元素を用いてAlを実質的に無添加として
もよい。また、固溶Nによる強化を主体とする場合に
は、固溶NがAlN として固定される量を減らすために、
Al量を0.02%以下とするのが好ましい。
【0032】N:0.02%以下 Nは、鋼中に固溶して鋼板の強度を増加する元素である
が、耐時効性を劣化させるため、耐時効性を劣化させな
い範囲で添加し高強度化を図ることができる。しかし、
過剰な添加は、鋼板表面にブローホールを発生させるた
め、Nは0.02%以下に限定する。延性が要求される用途
の場合には、Nは0.007 %以下とするのが好ましい。ま
た、固溶Nによる強化を主体とする場合には、Nは 0.0
05%以上とするのが好ましい。
【0033】Nb:0.003 〜0.20%、Ti:0.003 〜0.20
%、V:0.003 〜0.20%のうちから選ばれた1種または
2種以上 Nb、Ti、Vは、いずれも炭化物あるいは窒化物を形成し
基地中に微細析出して鋼板の強度を増加させるととも
に、鋼板組織を均一かつ微細化する有効な元素であり、
Nb、Ti、Vのうちから選ばれた1種または2種以上を必
要に応じ添加できる。Nb、Ti、Vは、いずれも0.003 %
以上添加することにより効果が認められるが、いずれの
元素も、それぞれ0.20%を超えて添加すると効果が飽和
し、添加量に見合う効果が期待できない。そのため、N
b、Ti、Vはそれぞれ0.003 〜0.20%の範囲に限定し
た。複合して添加する場合には、Nb、Ti、Vの合計量が
0.20%以下に限定するのが好ましい。Nb、Ti、Vの合計
量が、0.20%を超えると効果が飽和する傾向を示し好ま
しくない。
【0034】Cu:0.005 〜0.20%、Ni:0.005 〜0.20
%、Cr:0.005 〜0.20%、Mo:0.005〜0.20%のうちか
ら選ばれた1種または2種以上 Cu、Ni、Cr、Moは、固溶強化で鋼板の強度(降伏応力)
を増加させる元素であり、必要に応じ、これら元素のう
ちから1種または2種以上添加できる。Cu、Ni、Cr、Mo
はそれぞれ0.005 %以上の添加で効果が認められるが、
0.20%を超える添加は鋼板を顕著に硬質化し、成形性を
劣化させる。このため、Cu、Ni、Cr、Moはそれぞれ0.00
5 〜0.20%の範囲とするのが好ましい。また、複合して
添加する場合は、合計量で0.20%を超える添加は、延性
を著しく低下させ、成形性を劣化させる。このため各元
素の合計量を0.20%以下に限定するのが好ましい。
【0035】B:0.0005〜0.01% Bは、固溶C量が顕著に低下する場合には、2次加工脆
性を改善するため、必要に応じ添加できる。Bが0.0005
%未満では、上記した効果が期待できない。一方、0.01
%を超える添加では、加工性が劣化する。このため、B
は0.0005〜0.01%の範囲とするのが好ましい。なお、鋼
の表面性状改善の観点からより好ましくは0.0005〜0.00
5 %である。
【0036】残部は、Feおよび不可避的不純物である。
不可避的不純物としては、例えば、主としてスクラップ
より混入するSnについては0.01%以下が許容できる。上
記したように、C、N以外のSi、Mn、Pの固溶強化で鋼
板の強度を増加させるためには、Si:0.1 %以上、Mn:
0.5 %以上、P:0.02%以上のうち少なくとも2つ以上
を満足する組成とするか、あるいはSi:0.5 %以上、M
n:0.8 %以上、P:0.04%以上のうち1つ以上を満足
する組成とするのが好ましい。
【0037】上記した組成とすることにより、プレス成
形後の降伏応力が380MPa以上となる高張力鋼板となる。
つぎに、上記した特性を有する鋼板の製造方法について
説明する。上記した組成範囲の鋼素材に熱間圧延を施し
熱延鋼板とする。本発明における熱間圧延は、フェライ
ト域圧延とし、フェライト相の圧延集合組織として、ヤ
ング率の低減に有効なND//<100 >集合組織を優先的に
形成させる。このためには、Ar3変態点〜(Ar3変態点
−100 ℃)の温度範囲で50%以上の圧下率で、最終パス
の圧下率を15%以下とし圧延終了温度を(Ar3変態点−
100 ℃)以上とする圧延とするのが望ましい。フェライ
ト域圧延により、圧延集合組織として、ND//<100 >、
ND//<211 >、ND//<111 >が発達するが、この圧延条
件では、いずれの集合組織も再結晶を生じるほど歪が蓄
積しないため、結晶の回転が速いND//<100 >が他の集
合組織の結晶粒を侵食し、ND//<100 >集合組織を優先
的に形成されるものと考えられる。上記した範囲の圧延
条件を外れ、歪の蓄積が多くなると再結晶の進行によ
り、ND//<111 >集合組織の形成が促進され、また蓄積
された歪により結晶の回転が阻害される。そのためND//
<100 >集合組織の形成が弱められ、低ヤング率が達成
されない。
【0038】圧下率を規制する温度範囲が、Ar3変態点
を超えると、フェライト域圧延とならないため、変態に
より組織がランダム化するなどして、ND//<100 >集合
組織が形成されない。一方、(Ar3変態点−100 ℃)未
満で圧延すると歪が蓄積し、その結果、とくに歪が蓄積
しやすいND//<111 >が優先的に再結晶、成長する。な
お、Ar3変態点以下の圧延パス数は3パス以上とするの
が望ましい。また、この温度範囲での圧下率が50%未満
では、結晶の回転が少なくND//<100 >集合組織が形成
されない。最終パスは、最終的に蓄積される歪にもっと
も影響するため、このパスの圧下量を規制する。最終パ
スの圧下率が15%超えでは、歪の蓄積量が多くなる。ま
た、圧延終了温度が(Ar3変態点−100 ℃)未満では、
ND//<111 >方位の結晶粒が再結晶・成長しやすくな
り、ND//<100 >集合組織の形成が促進されない。
【0039】Ar3変態点以下の圧延において、最終パス
を除くパスの圧下率が30%/パス以下、圧延パス数が5
パス以上となる熱間圧延とするのが好ましい。これによ
り、ヤング率Eは180GPa以下となる。この条件を外れる
と、歪蓄積が増し、ND//<111 >集合組織の形成が促進
され、ND//<100 >集合組織の形成が弱められる。上記
した熱間圧延条件とすることにより、低ヤング率化に有
効な集合組織を効果的に形成できるようになる。なお、
Ti、Nb、Vの炭化物を析出させるためには、熱間圧延後
の冷却パターンを制御するのが好ましい。具体的には、
鋼組成および目的とする材質(強度・延性等)により異
なるが、圧延後速やかに600 〜750℃まで30℃/s以上の
冷却速度で急冷し(前段冷却)、その後好ましくは3〜
20sec 間綾冷(例えば空冷)することが好適である。綾
冷後巻取りまでの冷却速度は限定する必要はないが20〜
80℃/s程度の急冷とするのが好ましい。
【0040】つぎに、熱間圧延のままでND//<100 >集
合組織が十分に発達すれば、その後この熱延鋼板を焼鈍
しても、ND//<100 >集合組織が維持されることを確認
した。その後、冷間圧延−焼鈍、熱延板焼鈍−冷間圧延
−再結晶焼鈍工程を経ても、ND//<100 >集合組織が維
持され、鋼板は低ヤング率のままである。さらに、調質
圧延はヤング率にはほとんど影響しないため、鋼板に調
質圧延を施すことにより、低ヤング率のままで、鋼板の
降伏応力を高めることができる。
【0041】なお、熱延板焼鈍は、箱型焼鈍炉、あるい
は連続焼鈍炉で、Ac1変態点以下、好ましくは、400 〜
750℃(箱型焼鈍)、400 〜 850℃(連続焼鈍)の温度
で、必要に応じ行うことができる。また、冷間圧延は、
40〜95%の圧下率で行うのが低ヤング率の観点から望ま
しい。圧下率が40%未満では、組織が顕著に粗大化し、
肌荒れを起こす危険があり、95%を超えると冷間圧延が
極めて困難となる。
【0042】また、冷延後の焼鈍は、箱型焼鈍炉、ある
いは連続焼鈍炉で、Ac1変態点以下、好ましくは、650
〜750 ℃(箱型焼鈍)、400 〜850 ℃(連続焼鈍)の温
度で行うことができる。なお、冷延焼鈍板に、圧下率10
%以下の調質圧延を施してもよい。これにより、鋼板の
降伏応力が増加し、YRが高くなる。
【0043】
【実施例】表1に示す化学組成の溶鋼を、転炉で溶製
し、連続鋳造法でスラブに鋳造した。これらスラブを12
00℃に加熱したのち、表2に示す熱間圧延条件で板厚1.
4 mmの熱延鋼板とした。得られた熱延鋼板から、試験片
を採取し、ヤング率を測定した。ヤング率の測定方法
は、圧延方向、圧延方向と45°、圧延方向と90°の各方
向について縦振動の共振法により測定し前記(1)式で
定義される平均Eを求めた。測定時室温は20℃であっ
た。
【0044】さらに、得られた熱延鋼板は、 700℃× 4hの熱延板焼鈍、 冷間圧延(圧下率50%)−750 ℃×30sec の再結晶焼
鈍、 450 ℃×4 hの熱延板焼鈍−冷間圧延(圧下率50%)
−750 ℃×30sec の再結晶焼鈍−調質圧延 の各工程を施された。とでは、材質上の差異はほと
んどないが冷間圧延の負荷が大幅に軽減された。これら
各工程を経た鋼板について、試験片を採取し、ヤング率
を熱延板と同様に測定した。また、各鋼板の組織観察を
行った。
【0045】さらに、これら鋼板から試験片を採取し、
引張特性(降伏応力、引張強さ、伸び)を測定した。さ
らに、10%の歪を与える引張変形を行い、変形後の降伏
応力を測定した。また、各鋼板について、鋼板を300mm
φの円筒状に拘束して、数水準の重さを衝突させた際に
生ずる衝撃変形量(凹量)を測定した。鋼板No.1の熱延
板の衝撃変形量(凹量)を1.0 とし、鋼板No.1の熱延板
の衝撃変形量(凹量)に対する各鋼板の衝撃変形量(凹
量)比を比較した。
【0046】これらの結果を、表2〜表5に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】各鋼板とも、組織はフェライトを母相とす
る組織を有していた。母相の面積比は90%以上であっ
た。なお第2相はパーライト、ベイナイト、およびマル
テンサイトであった。本発明例は、いずれもヤング率E
が200 GPa 以下の低ヤング率を有し、10%の変形後の降
伏応力が380MPa以上の高張力鋼板である。さらに、本発
明例は、いずれも同一YS、YRの比較例とくらべ衝撃負荷
に対して、塑性変形を生じにくい特性を有していること
がわかる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
低ヤング率で、プレス成形後の降伏応力も高く、塑性変
形が生じるまでの弾性変形エネルギーが大きい高張力鋼
板が製造でき、しかも、自動車車体向けとして有用な加
工用高張力鋼板を安価に提供でき、産業上格段の効果を
奏する。さらに、本発明の低ヤング率高張力鋼板は、小
石が衝突した場合でも、その外力を塑性変形なしに吸収
できるという効果もある。また、さらにヤング率が低下
することにより、共振周波数が低下し、防振範囲が広が
るという効果も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱延板のヤング率におよぼす熱間仕上げ圧延の
圧延温度と圧下率の影響を示すグラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェライト相を母相とし、かつ下記
    (1)式で定義されるEが200GPa以下であり、プレス成
    形後の降伏応力が380MPa以上であることを特徴とする加
    工用高張力鋼板。 記 E=(E0 +2E45+E90)/4 …………(1) ただし、E0 、E45、E90はそれぞれ圧延方向、圧延方
    向に45°、圧延方向に90°の方向のヤング率(GPa )。
  2. 【請求項2】 重量%で、 C:0.20%以下、 Si:0.005 〜1.5 %、 Mn:0.05〜3.5 %、 P:0.005 〜0.15%、 S:0.02%以下、 Al:0.005 〜0.2 %、 N:0.020 %以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物
    からなる組成を有し、フェライト相を母相とし、かつ下
    記(1)式で定義されるEが200GPa以下であり、プレス
    成形後の降伏応力が380MPa以上であることを特徴とする
    加工用高張力鋼板。 記 E=(E0 +2E45+E90)/4 …………(1) ただし、E0 、E45、E90はそれぞれ圧延方向、圧延方
    向に45°、圧延方向に90°の方向のヤング率(GPa )。
  3. 【請求項3】 前記組成に加え、さらに重量%で、Nb:
    0.003 〜0.20%、Ti:0.003 〜0.20%、V:0.003 〜0.
    20%のうちから選ばれた1種または2種以上、またはC
    u:0.005 〜0.20%、Ni:0.005 〜0.20%、Cr:0.005
    〜0.20%、Mo:0.005 〜0.20%のうちから選ばれた1種
    または2種以上、あるいはNb:0.003 〜0.20%、Ti:0.
    003 〜0.20%、V:0.003 〜0.20%のうちから選ばれた
    1種または2種以上およびCu:0.005 〜0.20%、Ni:0.
    005 〜0.20%、Cr:0.005 〜0.20%、Mo:0.005 〜0.20
    %のうちから選ばれた1種または2種以上、を含有する
    ことを特徴とする請求項2に記載の加工用高張力鋼板。
  4. 【請求項4】 前記組成に加えて、さらにB:0.0005〜
    0.005 %を含有することを特徴とする請求項2または3
    に記載の加工用高張力鋼板。
  5. 【請求項5】 重量%で、 C:0.20%以下、 Si:0.005 〜1.5 %、 Mn:0.05〜3.5 %、 P:0.005 〜0.15%、 S:0.02%以下、 Al:0.005 〜0.2 %、 N:0.020 %以下を含有する組成の鋼素材に、Ar3変態
    点〜(Ar3変態点−100 ℃)の温度範囲における圧下率
    が50%以上、最終パスの圧下率が15%以下で、かつ仕上
    げ圧延温度が(Ar3変態点−100 ℃)以上とする熱間圧
    延を施すことを特徴とする加工用高張力熱延鋼板の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 重量%で、 C:0.20%以下、 Si:0.005 〜1.5 %、 Mn:0.05〜3.5 %、 P:0.005 〜0.15%、 S:0.02%以下、 Al:0.005 〜0.2 %、 N:0.020 %以下を含有する組成の鋼素材に、Ar3変態
    点〜(Ar3変態点−100 ℃)の温度範囲における圧下率
    が50%以上、最終パスの圧下率が15%以下で、かつ仕上
    げ圧延温度が(Ar3変態点−100 ℃)以上とする熱間圧
    延を施したのち、冷間圧延、再結晶焼鈍を施すことを特
    徴とする加工用高張力冷延鋼板の製造方法。
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