JP3972467B2 - 加工用高張力鋼板 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主にプレス成形などの加工を施して自動車車体などに用いて好適な鋼板に係り、とくに低ヤング率を有する高張力鋼板に関する。なお、本発明における鋼板とは、鋼帯をも含むものとする。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境保全の観点から、炭酸ガスの排出を規制する動きが活発となっており、自動車の軽量化による燃費改善が注目されている。自動車の軽量化を進めるうえでは、自動車車体で多くの割合を占める鋼板を薄肉化するのが有効な手段であり、使用される鋼板が薄肉化される傾向にある。鋼板の薄肉化を目的として、最近では、340MPa以上の引張強さを有する高張力鋼板が開発され、広く使用ている。しかし、このように鋼板が高強度化され使用する鋼板が薄肉化されると、一般的に、車体の剛性が低下することは避けられず、薄肉化における技術的壁となっていた。
【0003】
このため、最近になって、車体の設計にあたり、部品によっては弾性範囲内である程度の歪を生じることを許容することが検討されている。このような設計指針のもとでは、同じ降伏応力を有する鋼板であれば、塑性変形が生じるまでの歪が大きいこと、すなわちヤング率が小さい鋼板であることが望ましい。
また、使用する鋼板が高強度化され薄肉化されると、部材をプレス成形後、組立てまでの搬送工程中に衝撃等の負荷により、容易に部材の塑性変形が発生しデントなどの欠陥が生じるという問題があった。また、組立て時にスポット溶接などで接合されるフランジ部なども衝撃等による変形が大きくなる傾向があり、組立工程で不良が発生するという問題があった。低ヤング率でかつ高降伏応力である鋼板であれば、このような衝撃等による負荷を弾性変形内で吸収し塑性変形を防止することが可能となる。
【0004】
しかしながら、鋼板のヤング率を低下させる方法については、現在までほとんど知られていない。鋼板のヤング率に関する従来の知見は、例えば、特開平4-143216号公報に開示されているように、高ヤング率を得ようするものばかりであり、ヤング率を低下させようとするものは皆無である。なお、ヤング率が低い鉄系材料として鋳鉄が知られているが、板形状に製造することが工業的に困難であり、また安定して低ヤング率を得ることが難しいといった問題があった。
【0005】
また、例えば、特開昭56-139619 号公報に開示されているように、鉄単結晶では<100 >方向のヤング率が低いことが知られており、また、特開昭62-284016 号公報には、ND//<100 >(圧延面法線方向に<100 >方向が平行である結晶方位)集合組織を発達させるためにAr3変態点以下で仕上げ圧延を行うことが提案されている。しかしながら、実際には、単にAr3変態点以下で仕上げ圧延を行っても、低ヤング率鋼板の熱延条件の適正化についてはまだよく知られておらず、低ヤング率鋼板を安定して製造することは困難であるのが現状である。
【0006】
また、Siなどの合金元素を添加してND//<100 >集合組織を発達させる方法も考えられるが、Siなどの合金元素を多量に添加する必要があり、加工性が劣化し加工用鋼板として十分な成形性を具備させることが困難となる。加工用鋼板としては、30%以上、強度にもよるが好ましくは40%以上の伸びを保持することが要求されるが、従来、このような高延性と低ヤング率を共に具備する高張力鋼板を安定して製造することができなかった。
【0007】
なお、主相をオーステナイト相とする、たとえばオーステナイト系ステンレス鋼はヤング率は低めであるが、加工用鋼板としては、コスト高となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、最近の設計指針に適応した、高延性と低ヤング率を有し、かつプレス成形後の降伏応力が380MPa以上である加工用高張力鋼板を提供することを目的とする。低ヤング率を有し、かつプレス成形後の降伏応力が380MPa以上となる高張力鋼板であれば、プレス成形後成形部材組立てまでの搬送工程で受ける衝撃等を弾性変形で吸収し塑性変形を防止でき、組立て時の欠陥発生を防止できる。低ヤング率とは、具体的には、ヤング率Eが室温で200GPa以下を目標とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した課題を達成するため、鋭意実験、検討を行った。その結果、固溶強化元素、および/または析出強化元素を添加した鋼板組成とし、さらに、Ar3変態点〜(Ar3変態点−100 ℃)の温度範囲で、圧延時の歪蓄積を回避しつつ、所定量以上の圧下を加える熱間圧延を施すことにより、高延性と低ヤング率を有し、かつプレス成形後の降伏応力が380MPa以上となる高張力鋼板を得ることができることを知見した。
【0010】
まず、本発明者らの行った基礎的実験結果を説明する。
質量%で、0.002 C−0.30 Si−0.5 Mn−0.002 %P−0.01%S−0.05 Al−0.003 N−0.01 Ti−0.0003 B組成の鋼素材を、実験室で1080℃に加熱し、粗圧延し、さらに仕上げ圧延として、3パスで全圧下率40、50、60%もしくは5パスで全圧下率50%の圧延を650 〜950 ℃の各温度で行った。仕上げ圧延中は適宜炉内で保温し、各パスにおける圧延温度を一定に保った。各パスの圧下率は、全圧下率40%の場合は20-15-10%、全圧下率50%の場合は30-20-10%、全圧下率60%の場合は30-30-15%、全圧下率50%(5パス)の場合は15-15-15-10-10%、とした。
【0011】
得られた熱延板について、縦振動の共振法によりヤング率を測定した(室温:18℃)。ヤング率Eは、次(1) 式
E=(E0 +2E45+E90)/4 …………(1)
ただし、E0 、E45、E90はそれぞれ圧延方向、圧延方向に45°、圧延方向に90°の方向のヤング率(GPa )。
で定義される平均のヤング率を用いている。その結果を図1に示す。
【0012】
図1から、Ar3変態点以下好ましくはAr3変態点〜(Ar3変態点−100 ℃)の温度範囲で50%以上の圧下率で熱間圧延することにより、ヤング率Eが急激に低下することがわかる。同じ圧下率ではパス数が多い5パス圧延のほうが、圧延温度の広い範囲で安定してヤング率が低下している。
本発明は、上記した知見に基づいて完成されたものである。
【0014】
すなわち、本発明は、質量%で、 C:0.20%以下、Si:0.005 〜1.5 %、Mn:0.05〜3.5 %、P:0.005 〜0.15%、S:0.02%以下、Al:0.005 〜0.2 %、N:0.020 %以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、フェライト相を母相とし、第2相としてマルテンサイト相を含有しないか含有しても面積率で5%未満である組織を有し、かつ次(1)式
E=(E0 +2E45+E90)/4 …………(1)
(ただし、E0 、E45、E90はそれぞれ圧延方向、圧延方向に45°、圧延方向に90°の方向のヤング率(GPa ))で定義されるヤング率Eが200GPa以下であり、プレス成形後の降伏応力が380MPa以上であることを特徴とする加工用高張力鋼板であり、前記組成に加えて、さらに質量%で、B:0.0005〜0.005 %を含有してもよい。また、本発明では、次(2)式
YR=(YS0 +2YS45+YS90)/(TS0 +2TS45 +TS90)…(2)
(ただし、YS0 、YS45、YS90はそれぞれ圧延方向、圧延方向に45°、圧延方向に90°の方向の降伏応力(MPa )で、TS0 、TS45、TS90はそれぞれ圧延方向、圧延方向に45°、圧延方向に90°の方向の引張強さ(MPa )である。)で定義されるYRが0.8 以上であるのが好ましい。
【0015】
また、本発明は、量%で、C:0.20%以下、Si:0.005 〜1.5 %、Mn:0.05〜3.5 %、P:0.005 〜0.15%、S:0.02%以下、Al:0.005 〜0.2 %、N:0.020 %以下を含み、さらに、Nb:0.003 〜0.20%、Ti:0.003 〜0.20%、V:0.003 〜0.20%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、フェライト相を母相とし、第2相としてマルテンサイト相を含有しないか含有しても面積率で5%未満である組織を有し、かつ前記(1)式で定義されるヤング率Eが200GPa以下であり、プレス成形後の降伏応力が380MPa以上であることを特徴とする加工用高張力鋼板であり、前記組成に加えて、さらに質量%で、B:0.0005〜0.005 %を含有してもよい。また、本発明では、前記(2)式で定義されるYRが0.8 以上であるのが好ましい。
【0016】
また、本発明は、量%で、C:0.20%以下、Si:0.005 〜1.5 %、Mn:0.05〜3.5 %、P:0.005 〜0.15%、S:0.02%以下、Al:0.005 〜0.2 %、N:0.020 %以下を含み、さらに、Cu:0.005 〜0.20%、Ni:0.005 〜0.20%、Cr:0.005 〜0.20%、Mo:0.005 〜0.20%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、フェライト相を母相とし、第2相としてマルテンサイト相を含有しないか含有しても面積率で5%未満である組織を有し、かつ前記(1)式で定義されるヤング率Eが200GPa以下であり、プレス成形後の降伏応力が380MPa以上であることを特徴とする加工用高張力鋼板であり、前記組成に加えて、さらに質量%で、B:0.0005〜0.005 %を含有してもよい。また、本発明では、前記(2)式で定義されるYRが0.8 以上であるのが好ましい。
【0017】
また、本発明は、量%で、C:0.20%以下、Si:0.005 〜1.5 %、Mn:0.05〜3.5 %、P:0.005 〜0.15%、S:0.02%以下、Al:0.005 〜0.2 %、N:0.020 %以下を含み、さらに、Nb:0.003 〜0.20%、Ti:0.003 〜0.20%、V:0.003 〜0.20%のうちから選ばれた1種または2種以上およびCu:0.005 〜0.20%、Ni:0.005 〜0.20%、Cr:0.005 〜0.20%、Mo:0.005 〜0.20%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、フェライト相を母相とし、第2相としてマルテンサイト相を含有しないか含有しても面積率で5%未満である組織を有し、かつ前記(1)式で定義されるヤング率Eが200GPa以下であり、プレス成形後の降伏応力が380MPa以上であることを特徴とする加工用高張力鋼板であり、前記組成に加えて、さらに質量%で、B:0.0005〜0.005 %を含有してもよい。また、本発明では、前記(2)式で定義されるYRが0.8 以上であるのが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の鋼板には、熱延鋼板、冷延鋼板、およびこれらの冷延鋼板を原板とした表面処理鋼板を含む。熱延鋼板は、熱間圧延後焼鈍を施された熱延焼鈍鋼板を含み、冷延鋼板は、冷間圧延後焼鈍を施された冷延焼鈍鋼板、さらに冷延焼鈍後調質圧延を施された冷延焼鈍調質鋼板が含まれる。また、熱延鋼板についても、熱延焼鈍後に調質圧延を施したものも含まれる。さらに、本発明の鋼板においては、表面の酸化スケール層の有無は問わない。
【0022】
本発明の鋼板は、優れた加工性を具備させるために、フェライト相を母相とする。フェライト以外の組織を母相とすると、均一伸びが30%以上という高延性を容易に確保することは困難である。第2相としては、パーライト、ベイナイト、マルテンサイトを面積率で10%以下含有させてもよい。第2相が10%を超えると、延性が顕著に劣化する。なお、マルテンサイトが多くなるとYRが低くなる傾向にあるので、マルテンサイトは全体の5%未満とする。なお、組織の面積率は、断面観察により求めるものとする。
【0023】
また、本発明の鋼板は、次(1)式
E=(E0 +2E45+E90)/4 …………(1)
(ただし、E0 、E45、E90はそれぞれ圧延方向、圧延方向に45°、圧延方向に90°の方向のヤング率(GPa ))で定義されるEが室温で200GPa以下である。ここで、室温とは、0〜30℃を意味し、ヤング率の測定温度としては、10〜25℃が好適である。
【0024】
ヤング率の平均を表す(1)式で定義されるEが200GPaを超えると、組立て完了までに加えられた衝撃等を弾性変形で吸収することが困難となり、部材に塑性変形を生じる。なお、Eは好ましくは180GPa以下である。 ヤング率が低くなると、鋼板としての共振周波数が低下し、車体としての防振範囲が広がる。
なお、本発明の鋼板は、次(2)式
YR=(YS0 +2YS45+YS90)/(TS0 +2TS45 +TS90)…(2)
(ただし、YS0 、YS45、YS90はそれぞれ圧延方向、圧延方向に45°、圧延方向に90°の方向の降伏応力(MPa )で、TS0 、TS45、TS90はそれぞれ圧延方向、圧延方向に45°、圧延方向に90°の方向の引張強さ(MPa )である。)で定義されるYRが0.8 以上を有することが好ましい。
【0025】
YRが0.8 以上とすることにより、成形後のパネルの搬送時に変形を生じる危険性を格段に小さくできるという効果がある。YRを高くするには、マルテンサイトの発生を抑えるほかに、固溶C、固溶N、固溶強化元素であるP、Si、Mn等を添加する、あるいは炭化物、窒化物などを微細析出させることが有効である。また、調質圧延をほどこしてもよい。
【0026】
本発明の鋼板は、プレス成形後の降伏応力を380MPa以上となる降伏応力を有する。ここに、プレス成形後とは概ね歪が10%以上となる加工をいうが、加工前の降伏応力は概ね250MPa以上とするのが好ましい。塑性変形が生じるまでの弾性変形エネルギーは(降伏応力)2/(2E)で表される。このことから、弾性変形で吸収できるエネルギーを大きくするためには、Eを低くするか、降伏応力を高めることが有効であり、プレス成形後の降伏応力を380MPa以上と高めることにより、プレス成形後組立てまでの搬送工程で受ける衝撃等の負荷による塑性変形を防止することができる。さらに、自動車外板として使用された場合には、このようなヤング率が低く、降伏応力が高く、YRが高い鋼板は、小石が衝突してもその外力を弾性変形のみで吸収でき、凹み等の疵を残さないという大きな利点がある。
【0027】
また、プレス成形後、すなわち、10%以上の歪を生じる加工を施したのちの降伏応力が380MPa未満では、部品の単体での強度が不足する。なお、上記効果をより発揮するためには、加工後のYSが400MPa以上であることが好ましい。
つぎに、上記した特性を有する鋼板の組成限定について説明する。
C:0.20%以下
Cは、鋼板の強度を確保するうえで重要な元素である。C量が0.20%を超えると溶接性、延性が劣化し、成形性が劣化する。このため、Cは0.20%以下に限定した。なお、延性、溶接性の観点から好ましくは0.004 〜0.10%である。
【0028】
Si:0.005 〜1.5 %
Siは、鋼板の延性低下を最小限に抑えて鋼板を強化するために有効な元素である。この効果は0.005 %以上の添加で認められる。しかし、1.5 %を超える添加は、鋼板の強度を著しく増加させるため、例えば熱間変形抵抗の増加等の鋼板製造工程における負荷が大きく製造にあたり障害となる。このため、Siは0.005 〜1.5 %の範囲に限定した。なお、高強度化の観点からは0.10%以上とするのが好ましく、主としてSi量増加により高強度化を達成するためには0.5 %以上とするのがより好ましい。
【0029】
Mn:0.05〜3.5 %
Mnは、鋼板の強度を増加させる有効な元素であり、鋼板組織の微細化および低温変態組織の形成に有効がある。このような効果は0.05%以上の添加で認められるが、3.5 %を超えて添加するとAr3変態点が低くなりすぎ、さらに圧延荷重の増大のためフェライト域での圧延が困難となる。このため、Mnは0.05〜3.5 %に限定した。なお、Mnによる強化を主体として、延性の低下を最小限とし、強度をプレス成形後の降伏応力が380MPa以上となる高強度とするためには、Mnは0.5 %以上、好ましくは 0.8%以上添加するのが望ましい。
【0030】
P:0.005 〜0.15%
Pは、鋼板を固溶強化するために有効な元素であるが、この効果が認められるためには0.005 %以上の添加が必要である。一方、0.15%を超えて添加した場合には鋼板の延性が著しく低下する。このため、Pは0.005 〜0.15%の範囲に限定した。なお、Pによる強化を主体として、延性の低下を最小限とし、強度をプレス成形後の降伏応力が380MPa以上となる高強度とするためには、Pは0.02%以上、さらに望ましくは0.04%以上とするのが好ましい。
【0031】
S:0.02%以下
Sは、鋼板の延性を低下させるため、できるだけ低減するのが好ましい。延性確保の観点からは、0.02%まで許容できる。とくに高い延性が要求される場合には、0.008 %以下とするのが好ましい。
Al:0.005 〜0.2 %
Alは、脱酸元素として作用し、0.005 %以上の添加で鋼中の酸化物量を十分低減できる。0.2 %を超える添加は、アルミナクラスターを形成し表面欠陥が多発するとともに、熱間延性が低下する。このため、Alは0.005 〜0.2 %の範囲に限定した。なお、表面性状の観点からは0.005 〜0.15%の範囲とするのが好ましい。なお、Ti、Ca等の他の脱酸元素を用いてAlを実質的に無添加としてもよい。また、固溶Nによる強化を主体とする場合には、固溶NがAlN として固定される量を減らすために、Al量を0.02%以下とするのが好ましい。
【0032】
N:0.02%以下
Nは、鋼中に固溶して鋼板の強度を増加する元素であるが、耐時効性を劣化させるため、耐時効性を劣化させない範囲で添加し高強度化を図ることができる。しかし、過剰な添加は、鋼板表面にブローホールを発生させるため、Nは0.02%以下に限定する。延性が要求される用途の場合には、Nは0.007 %以下とするのが好ましい。また、固溶Nによる強化を主体とする場合には、Nは 0.005%以上とするのが好ましい。
【0033】
Nb:0.003 〜0.20%、Ti:0.003 〜0.20%、V:0.003 〜0.20%のうちから選ばれた1種または2種以上
Nb、Ti、Vは、いずれも炭化物あるいは窒化物を形成し基地中に微細析出して鋼板の強度を増加させるとともに、鋼板組織を均一かつ微細化する有効な元素であり、Nb、Ti、Vのうちから選ばれた1種または2種以上を必要に応じ添加できる。Nb、Ti、Vは、いずれも0.003 %以上添加することにより効果が認められるが、いずれの元素も、それぞれ0.20%を超えて添加すると効果が飽和し、添加量に見合う効果が期待できない。そのため、Nb、Ti、Vはそれぞれ0.003 〜0.20%の範囲に限定した。複合して添加する場合には、Nb、Ti、Vの合計量が0.20%以下に限定するのが好ましい。Nb、Ti、Vの合計量が、0.20%を超えると効果が飽和する傾向を示し好ましくない。
【0034】
Cu:0.005 〜0.20%、Ni:0.005 〜0.20%、Cr:0.005 〜0.20%、Mo:0.005 〜0.20%のうちから選ばれた1種または2種以上
Cu、Ni、Cr、Moは、固溶強化で鋼板の強度(降伏応力)を増加させる元素であり、必要に応じ、これら元素のうちから1種または2種以上添加できる。Cu、Ni、Cr、Moはそれぞれ0.005 %以上の添加で効果が認められるが、0.20%を超える添加は鋼板を顕著に硬質化し、成形性を劣化させる。このため、Cu、Ni、Cr、Moはそれぞれ0.005 〜0.20%の範囲とするのが好ましい。また、複合して添加する場合は、合計量で0.20%を超える添加は、延性を著しく低下させ、成形性を劣化させる。このため各元素の合計量を0.20%以下に限定するのが好ましい。
【0035】
B:0.0005〜0.01%
Bは、固溶C量が顕著に低下する場合には、2次加工脆性を改善するため、必要に応じ添加できる。Bが0.0005%未満では、上記した効果が期待できない。一方、0.01%を超える添加では、加工性が劣化する。このため、Bは0.0005〜0.01%の範囲とするのが好ましい。なお、鋼の表面性状改善の観点からより好ましくは0.0005〜0.005 %である。
【0036】
残部は、Feおよび不可避的不純物である。不可避的不純物としては、例えば、主としてスクラップより混入するSnについては0.01%以下が許容できる。
上記したように、C、N以外のSi、Mn、Pの固溶強化で鋼板の強度を増加させるためには、Si:0.1 %以上、Mn:0.5 %以上、P:0.02%以上のうち少なくとも2つ以上を満足する組成とするか、あるいはSi:0.5 %以上、Mn:0.8 %以上、P:0.04%以上のうち1つ以上を満足する組成とするのが好ましい。
【0037】
上記した組成とすることにより、プレス成形後の降伏応力が380MPa以上となる高張力鋼板となる。
つぎに、上記した特性を有する鋼板の製造方法について説明する。
上記した組成範囲の鋼素材に熱間圧延を施し熱延鋼板とする。本発明における熱間圧延は、フェライト域圧延とし、フェライト相の圧延集合組織として、ヤング率の低減に有効なND//<100 >集合組織を優先的に形成させる。このためには、Ar3変態点〜(Ar3変態点−100 ℃)の温度範囲で50%以上の圧下率で、最終パスの圧下率を15%以下とし圧延終了温度を(Ar3変態点−100 ℃)以上とする圧延とするのが望ましい。フェライト域圧延により、圧延集合組織として、ND//<100 >、ND//<211 >、ND//<111 >が発達するが、この圧延条件では、いずれの集合組織も再結晶を生じるほど歪が蓄積しないため、結晶の回転が速いND//<100 >が他の集合組織の結晶粒を侵食し、ND//<100 >集合組織を優先的に形成されるものと考えられる。上記した範囲の圧延条件を外れ、歪の蓄積が多くなると再結晶の進行により、ND//<111 >集合組織の形成が促進され、また蓄積された歪により結晶の回転が阻害される。そのためND//<100 >集合組織の形成が弱められ、低ヤング率が達成されない。
【0038】
圧下率を規制する温度範囲が、Ar3変態点を超えると、フェライト域圧延とならないため、変態により組織がランダム化するなどして、ND//<100 >集合組織が形成されない。一方、(Ar3変態点−100 ℃)未満で圧延すると歪が蓄積し、その結果、とくに歪が蓄積しやすいND//<111 >が優先的に再結晶、成長する。なお、Ar3変態点以下の圧延パス数は3パス以上とするのが望ましい。
また、この温度範囲での圧下率が50%未満では、結晶の回転が少なくND//<100 >集合組織が形成されない。最終パスは、最終的に蓄積される歪にもっとも影響するため、このパスの圧下量を規制する。最終パスの圧下率が15%超えでは、歪の蓄積量が多くなる。また、圧延終了温度が(Ar3変態点−100 ℃)未満では、ND//<111 >方位の結晶粒が再結晶・成長しやすくなり、ND//<100 >集合組織の形成が促進されない。
【0039】
Ar3変態点以下の圧延において、最終パスを除くパスの圧下率が30%/パス以下、圧延パス数が5パス以上となる熱間圧延とするのが好ましい。これにより、ヤング率Eは180GPa以下となる。この条件を外れると、歪蓄積が増し、ND//<111 >集合組織の形成が促進され、ND//<100 >集合組織の形成が弱められる。
上記した熱間圧延条件とすることにより、低ヤング率化に有効な集合組織を効果的に形成できるようになる。なお、Ti、Nb、Vの炭化物を析出させるためには、熱間圧延後の冷却パターンを制御するのが好ましい。具体的には、鋼組成および目的とする材質(強度・延性等)により異なるが、圧延後速やかに600 〜750 ℃まで30℃/s以上の冷却速度で急冷し(前段冷却)、その後好ましくは3〜20sec 間綾冷(例えば空冷)することが好適である。綾冷後巻取りまでの冷却速度は限定する必要はないが20〜80℃/s程度の急冷とするのが好ましい。
【0040】
つぎに、熱間圧延のままでND//<100 >集合組織が十分に発達すれば、その後この熱延鋼板を焼鈍しても、ND//<100 >集合組織が維持されることを確認した。その後、冷間圧延−焼鈍、熱延板焼鈍−冷間圧延−再結晶焼鈍工程を経ても、ND//<100 >集合組織が維持され、鋼板は低ヤング率のままである。さらに、調質圧延はヤング率にはほとんど影響しないため、鋼板に調質圧延を施すことにより、低ヤング率のままで、鋼板の降伏応力を高めることができる。
【0041】
なお、熱延板焼鈍は、箱型焼鈍炉、あるいは連続焼鈍炉で、Ac1変態点以下、好ましくは、400 〜 750℃(箱型焼鈍)、400 〜 850℃(連続焼鈍)の温度で、必要に応じ行うことができる。
また、冷間圧延は、40〜95%の圧下率で行うのが低ヤング率の観点から望ましい。圧下率が40%未満では、組織が顕著に粗大化し、肌荒れを起こす危険があり、95%を超えると冷間圧延が極めて困難となる。
【0042】
また、冷延後の焼鈍は、箱型焼鈍炉、あるいは連続焼鈍炉で、Ac1変態点以下、好ましくは、650 〜750 ℃(箱型焼鈍)、400 〜850 ℃(連続焼鈍)の温度で行うことができる。
なお、冷延焼鈍板に、圧下率10%以下の調質圧延を施してもよい。これにより、鋼板の降伏応力が増加し、YRが高くなる。
【0043】
【実施例】
表1に示す化学組成の溶鋼を、転炉で溶製し、連続鋳造法でスラブに鋳造した。これらスラブを1200℃に加熱したのち、表2に示す熱間圧延条件で板厚1.4 mmの熱延鋼板とした。得られた熱延鋼板から、試験片を採取し、ヤング率を測定した。ヤング率の測定方法は、圧延方向、圧延方向と45°、圧延方向と90°の各方向について縦振動の共振法により測定し前記(1)式で定義される平均Eを求めた。測定時室温は20℃であった。
【0044】
さらに、得られた熱延鋼板は、
▲1▼ 700℃× 4hの熱延板焼鈍、
▲2▼冷間圧延(圧下率50%)−750 ℃×30sec の再結晶焼鈍、
▲3▼450 ℃×4 hの熱延板焼鈍−冷間圧延(圧下率50%)−750 ℃×30sec の再結晶焼鈍−調質圧延
の各工程を施された。▲2▼と▲3▼では、材質上の差異はほとんどないが冷間圧延の負荷が大幅に軽減された。これら各工程を経た鋼板について、試験片を採取し、ヤング率を熱延板と同様に測定した。また、各鋼板の組織観察を行った。
【0045】
さらに、これら鋼板から試験片を採取し、引張特性(降伏応力、引張強さ、伸び)を測定した。さらに、10%の歪を与える引張変形を行い、変形後の降伏応力を測定した。また、各鋼板について、鋼板を300mm φの円筒状に拘束して、数水準の重さを衝突させた際に生ずる衝撃変形量(凹量)を測定した。鋼板No.1の熱延板の衝撃変形量(凹量)を1.0 とし、鋼板No.1の熱延板の衝撃変形量(凹量)に対する各鋼板の衝撃変形量(凹量)比を比較した。
【0046】
これらの結果を、表2〜表5に示す。
【0047】
【表1】
Figure 0003972467
【0048】
【表2】
Figure 0003972467
【0049】
【表3】
Figure 0003972467
【0050】
【表4】
Figure 0003972467
【0051】
【表5】
Figure 0003972467
【0052】
各鋼板とも、組織はフェライトを母相とする組織を有していた。母相の面積比は90%以上であった。なお第2相はパーライト、ベイナイト、およびマルテンサイトであった。
本発明例は、いずれもヤング率Eが200 GPa 以下の低ヤング率を有し、10%の変形後の降伏応力が380MPa以上の高張力鋼板である。さらに、本発明例は、いずれも同一YS、YRの比較例とくらべ衝撃負荷に対して、塑性変形を生じにくい特性を有していることがわかる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、低ヤング率で、プレス成形後の降伏応力も高く、塑性変形が生じるまでの弾性変形エネルギーが大きい高張力鋼板が製造でき、しかも、自動車車体向けとして有用な加工用高張力鋼板を安価に提供でき、産業上格段の効果を奏する。さらに、本発明の低ヤング率高張力鋼板は、小石が衝突した場合でも、その外力を塑性変形なしに吸収できるという効果もある。また、さらにヤング率が低下することにより、共振周波数が低下し、防振範囲が広がるという効果も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱延板のヤング率におよぼす熱間仕上げ圧延の圧延温度と圧下率の影響を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 質量%で、
    C:0.20%以下、 Si:0.005 〜1.5 %、
    Mn:0.05〜3.5 %、 P:0.005 〜0.15%、
    S:0.02%以下、 Al:0.005 〜0.2 %、
    N:0.020 %以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、フェライト相を母相とし、第2相としてマルテンサイト相を含有しないか、含有しても面積率で5%未満である組織を有し、かつ下記(1)式で定義されるEが200GPa以下であり、プレス成形後の降伏応力が380MPa以上であることを特徴とする加工用高張力鋼板。

    E=(E0 +2E45+E90)/4 …………(1) ただし、E0 、E45、E90はそれぞれ圧延方向、圧延方向に45°、圧延 方向に90°の方向のヤング率(GPa )。
  2. 前記組成に加え、さらに質量%で、Nb:0.003 〜0.20%、Ti:0.003 〜0.20%、V:0.003 〜0.20%のうちから選ばれた1種または2種以上、またはCu:0.005 〜0.20%、Ni:0.005 〜0.20%、Cr:0.005 〜0.20%、Mo:0.005 〜0.20%のうちから選ばれた1種または2種以上、あるいはNb:0.003 〜0.20%、Ti:0.003 〜0.20%、V:0.003 〜0.20%のうちから選ばれた1種または2種以上およびCu:0.005 〜0.20%、Ni:0.005 〜0.20%、Cr:0.005 〜0.20%、Mo:0.005 〜0.20%のうちから選ばれた1種または2種以上、を含有することを特徴とする請求項に記載の加工用高張力鋼板。
  3. 前記組成に加えて、さらに質量%で、B:0.0005〜0.005 %を含有することを特徴とする請求項またはに記載の加工用高張力鋼板。
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