JP3899680B2 - 塗装焼付硬化型高張力鋼板およびその製造方法 - Google Patents

塗装焼付硬化型高張力鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主にプレス成形などの加工を施して自動車車体などに用いて好適な鋼板に係り、とくに低ヤング率を有し、かつ、塗装焼付処理を施される用途に用いて好適な塗装焼付硬化性(BH性)を有する高張力鋼板およびその製造方法に関する。本発明における鋼板とは、鋼帯をも含むものとする。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境保全の観点から、炭酸ガスの排出を規制する動きが活発となっており、自動車の軽量化による燃費改善が注目されている。自動車の軽量化を進めるうえでは、自動車車体で多くの割合を占める鋼板を薄肉化するのが有効な手段であり、使用される鋼板が薄肉化される傾向にある。鋼板の薄肉化を目的として、最近では、340MPa以上の引張強さを有する高張力鋼板が開発され、広く使用されている。しかし、鋼板の高強度化は、鋼板のプレス成形性を劣化させる傾向があり、プレス成形性と高強度化とを両立させた鋼板が要望され、塗装焼付硬化型の鋼板が開発されている。この鋼板は、プレス加工後に通常100 〜200 ℃の高温保持を含む塗装焼付処理を施すと、降伏応力が上昇する鋼板である。このような塗装焼付硬化型鋼板では、概ね30MPa 以上の塗装焼付硬化量(BH量)が必要とされている。
【0003】
ところで、このように鋼板が高強度化され使用する鋼板が薄肉化されると、一般的に、車体の剛性が低下することは避けられず、薄肉化における技術的壁となっていた。
このため、最近になって、車体の設計にあたり、部品によっては弾性範囲内である程度の歪を生じることを許容することが検討されている。このような設計指針のもとでは、同じ降伏応力を有する鋼板であれば、塑性変形が生じるまでの歪が大きいこと、すなわちヤング率が小さい鋼板であることが望ましい。
【0004】
また、使用する鋼板が高強度化され薄肉化されると、部材をプレス成形後、組立てまでの搬送工程中に衝撃等の負荷により、容易に部材の塑性変形が発生しデントなどの欠陥が生じるという問題があった。また、組立て時にスポット溶接などで接合されるフランジ部なども衝撃等による変形が大きくなる傾向があり、組立工程で不良が発生するという問題があった。低ヤング率でかつ高降伏応力である鋼板であれば、このような衝撃等による負荷を弾性変形内で吸収し塑性変形を防止することが可能となる。
【0005】
しかしながら、鋼板のヤング率を低下させる方法については、現在までほとんど知られていない。鋼板のヤング率に関する従来の知見は、例えば、特開平4-143216号公報に開示されているように、高ヤング率を得ようするものばかりであり、ヤング率を低下させようとするものは皆無である。なお、ヤング率が低い鉄系材料として鋳鉄が知られているが、板形状に製造することが工業的に困難であり、また安定して低ヤング率を得ることが難しいといった問題があった。
【0006】
また、例えば、特開昭56-139619 号公報に開示されているように、鉄単結晶では<100 >方向のヤング率が低いことが知られており、また、特開昭62-284016 号公報には、ND//<100 >(圧延面法線方向に結晶の<100 >方向が平行となる結晶方位)集合組織を発達させるためにAr3変態点以下で仕上げ圧延を行うことが提案されている。しかしながら、実際には、単にAr3変態点以下で仕上げ圧延を行っても、低ヤング率鋼板の熱延条件の適正化についてはまだよく知られておらず、低ヤング率鋼板を安定して製造することは困難であるのが現状である。
【0007】
また、Siなどの合金元素を添加してND//<100 >集合組織を発達させる方法も考えられるが、Siなどの合金元素を多量に添加するのため、加工性が劣化し加工用鋼板として十分な成形性を具備させることが困難となる。すなわち、加工用高張力鋼板としては、プレス成形性(延性で30%以上)と高強度化とを両立させ、しかも低ヤング率を具備する高張力鋼板を安定して製造することができなかった。
【0008】
なお、主相をオーステナイト相とする、たとえばオーステナイト系ステンレス鋼は、ヤング率は低めであるが、加工用鋼板としては、コスト高となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、最近の設計指針に適応し、塗装焼付処理を施される用途に好適な、高強度化と成形性が両立し、しかも低ヤング率を有し、かつプレス成形後の降伏応力が380MPa以上である塗装焼付硬化型高張力鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。低ヤング率を有し、かつプレス成形後の降伏応力が380MPa以上となる高張力鋼板であれば、プレス成形後成形部材組立てまでの搬送工程で受ける衝撃等を弾性変形で吸収し塑性変形を防止でき、組立て時の欠陥発生を防止できる。なお、低ヤング率とは、具体的には、ヤング率Eが室温で200GPa以下を目標とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した課題を達成するため、鋭意実験、検討を行った。その結果、強度を確保し、かつBH性を高めるため母相フェライト中に面積率で5%以上のマルテンサイトを存在させ、さらに、Ar3変態点〜(Ar3変態点−100 ℃)の温度範囲で、圧延時の歪蓄積を回避しつつ、所定量以上の圧下を加える熱間圧延を施すことにより、低ヤング率を有し、かつプレス成形後の降伏応力が380MPa以上となり、さらにBH量が高い高張力鋼板を得ることができることを知見した。
【0011】
まず、本発明者らの行った基礎的実験結果を説明する。
0.05質量%C−0.01質量%Si−1.2 質量%Mn−0.05質量%Al−0.002 質量%N−0.5 質量%Cr−0.0003質量%B組成の鋼素材を、実験室で1100℃に加熱し、粗圧延し、さらに仕上げ圧延として、3パスで全圧下率40、50、60%の圧延もしくは5パスで全圧下率50%の圧延を650 〜950 ℃の各温度で行い、ついで仕上げ圧延終了後、30℃/s以上の冷却速度で約750 ℃まで急冷し、約10sec 間空冷ののち、30℃/s以上の冷却速度で冷却し、約450 ℃でコイルに巻き取り、熱延板とした。なお、仕上げ圧延中は適宜炉内で保温し、各パスにおける圧延温度を一定に保った。また、各パスの圧下率は、全圧下率40%の場合は20-15-10%、全圧下率50%の場合は30-20-10%、全圧下率60%の場合は30-30-15%、全圧下率50%(5パス)の場合は15-15-15-10-10%、とした。この処理により、これら熱延板はフェライト相を母相とし、面積率で5%以上のマルテンサイト相を有する組織と、BH量30MPa 以上、プレス成形後の降伏応力380MPaを有する鋼板となった。
【0012】
得られた熱延板について、縦振動の共振法(測定温度:室温(20℃))によりヤング率を測定した。ヤング率Eは、次(1) 式
E=(E0 +2E45+E90)/4 …………(1)
ただし、E0 、E45、E90はそれぞれ圧延方向、圧延方向に45°、圧延方向に90°の方向のヤング率(GPa )。
で定義される平均のヤング率を用いている。その結果を図1に示す。
【0013】
図1から、Ar3変態点以下好ましくはAr3変態点〜(Ar3変態点−100 ℃)の温度範囲で50%以上の圧下率で熱間圧延することにより、ヤング率Eが急激に低下することがわかる。同じ圧下率ではパス数が多い5パス圧延のほうが、圧延温度の広い範囲で安定してヤング率が低下している。
本発明は、上記した知見に基づいて完成されたものである。
【0015】
すなわち、本発明では、量%で、C:0.03〜0.20%、Si:0.005 〜1.5 %、Mn:0.05〜3.5 %、P:0.005 〜0.15%、S:0.02%以下、Al:0.005 〜0.2 %、N:0.020 %以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、フェライト相を母相とし、第2相としてマルテンサイト相を面積率で5%以上含有する組織を有し、かつ(1)式
E=(E 0 +2E 45 +E 90 )/4 …………(1)
(ただし、E 0 、E 45 、E 90 はそれぞれ圧延方向、圧延方向に 45 °、圧延方向に 90 °の方向のヤング率( GPa ))で定義されるEが200GPa以下であり、プレス成形後の降伏応力が380MPa以上、塗装焼付硬化量(BH量)が30MPa 以上であることを特徴とする塗装焼付硬化型高張力鋼板である。また、本発明では、さらに(2)式
YR =( YS 0 +2 YS 45 YS 90 )/( TS 0 2TS 45 TS 90 )…(2)
(ただし、 YS 0 YS 45 YS 90 はそれぞれ圧延方向、圧延方向に 45 °、圧延方向に 90 °の方向の降伏応力( MPa )で、 TS 0 TS 45 TS 90 はそれぞれ圧延方向、圧延方向に 45 °、圧延方向に 90 °の方向の引張強さ( MPa )である。)で定義されるYRが0.7 以下であるのが好ましい。また、本発明では、前記組成に加えて、さらに、Nb、Ti、Vのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で0.005 〜0.20%、またはCu、Ni、Cr、Moのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で0.005 〜1.0 %、あるいはNb、Ti、Vのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で0.005 〜0.20%およびCu、Ni、Cr、Moのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で0.005 〜1.0 %、を含有してもよい。また、本発明では、前記組成に加えて、さらにB:0.0005〜0.005 %を含有してもよい。
【0016】
なお、ここで、ヤング率E、E0 、E45、E90は室温での値とする。室温とは、0〜30℃を意味し、ヤング率の測定温度としては、10〜25℃が好適である。
また、本発明は、量%で、C:0.03〜0.20%、Si:0.005 〜1.5 %、Mn:0.05〜3.5 %、P:0.005 〜0.15%、S:0.02%以下、Al:0.005 〜0.2 %、N:0.020 %以下を含有する組成の鋼素材に、Ar3変態点〜(Ar3変態点−100 ℃)の温度範囲における圧下率が50%以上、最終パスの圧下率が15%以下で、かつ仕上げ圧延温度が(Ar3変態点−100 ℃)以上とし、巻取温度が600 ℃以下とする熱間圧延を施すことを特徴とする塗装焼付硬化型高張力熱延鋼板の製造方法である。ここで、前記熱間圧延を、Ar3変態点以下での、最終パスを除くパスの圧下率が30%/パス以下、圧延パス数が5パス以上となる熱間圧延とするのが好ましい。また、本発明では、前記組成に加えて、さらに量%で、Nb、Ti、Vのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で0.005 〜0.20%またはCu、Ni、Cr、Moのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で0.005 〜1.0 %、あるいはNb、Ti、Vのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で0.005 〜0.20%およびCu、Ni、Cr、Moのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で0.005 〜1.0 %、を含有してもよい。また、本発明では、前記組成に加えて、さらにB:0.0005〜0.005 %を含有してもよい。
【0017】
また、本発明は、量%で、C:0.03〜0.20%、Si:0.005 〜1.5 %、Mn:0.05〜3.5 %、P:0.005 〜0.15%、S:0.02%以下、Al:0.005 〜0.2 %、N:0.020 %以下を含有する組成の鋼素材に、Ar3変態点〜(Ar3変態点−100 ℃)の温度範囲における圧下率が50%以上、最終パスの圧下率が15%以下で、かつ仕上げ圧延温度が(Ar3変態点−100 ℃)以上とし、巻取温度が600 ℃以下とする熱間圧延を施したのち、冷間圧延、再結晶焼鈍を施すことを特徴とする塗装焼付硬化型高張力冷延鋼板の製造方法であり、前記熱間圧延を、Ar3変態点以下での、最終パスを除くパスの圧下率が30%/パス以下、圧延パス数が5パス以上となる熱間圧延とするのが好ましい。また、本発明では、前記組成に加えて、さらに量%で、Nb、Ti、Vのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で0.005 〜0.20%またはCu、Ni、Cr、Moのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で0.005 〜1.0 %、あるいはNb、Ti、Vのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で0.005 〜0.20%およびCu、Ni、Cr、Moのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で0.005 〜1.0 %、を含有してもよく、また、前記組成に加えて、さらにB:0.0005〜0.005 %を含有してもよい。
【0018】
本発明においては、熱間圧延後の軟質化・加工性向上および微視組織の調整を目的とした熱延板焼鈍を施してもよいことは言うまでもない。また、得られた鋼板にYRの向上を目的とした適正範囲の調質圧延を施すことは、なんら本発明の趣旨を損なうものではない。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の鋼板は、熱延鋼板、冷延鋼板、およびこれら鋼板を原板とした表面処理鋼板を含む。熱延鋼板は、熱間圧延後焼鈍などの熱処理を施された熱延焼鈍鋼板を含み、冷延鋼板は、冷間圧延後焼鈍を施された冷延焼鈍鋼板、さらに冷延焼鈍後調質圧延を施された冷延焼鈍調質鋼板が含まれる。また、熱延鋼板にも、熱延後もしくは熱延焼鈍後に、調質圧延を施したものが含まれる。さらに、本発明の鋼板においては、表面の酸化スケール層の有無は問わない。
【0020】
本発明の鋼板は、優れた加工性を具備させるために、フェライト相を母相とする。フェライト以外の組織を母相とすると、均一伸びが顕著に低下するため、プレス成形性が大きく低下する。本発明の鋼板は、第2相としてマルテンサイト相を面積率で5%以上含む。目標強度の増加とともに第2相の組織分率は高くなるが、第2相が 30 %を超えると、同じく延性がが劣化する。第2相として、マルテンサイトが最も望ましいが、母相に対して10%以下のベイナイト、パーライトを含んでいてもマルテンサイトが5%以上存在すれば所望する有利な特性が発揮される。
【0021】
また、本発明の鋼板は、次(1)式
E=(E0 +2E45+E90)/4 …………(1)
(ただし、E0 、E45、E90はそれぞれ圧延方向、圧延方向に45°、圧延方向に90°の方向のヤング率(GPa ))で定義されるEが室温で200GPa以下である。ここで、室温とは、0〜30℃を意味し、ヤング率の測定温度としては、10〜25℃が好適である。
【0022】
ヤング率の平均を表す(1)式で定義されるEが200GPaを超えると、組立て完了までに加えられた衝撃等を弾性変形で吸収することが困難となり、部材に塑性変形を生じる。なお、Eは好ましくは180GPa以下である。
ヤング率が低くなると、鋼板としての共振周波数が低下し、車体としての防振範囲が広がる。
【0023】
また、本発明の鋼板は、次(2)式
YR=(YS0 +2YS45+YS90)/(TS0 +2TS45 +TS90)…(2)
(ただし、YS0 、YS45、YS90はそれぞれ圧延方向、圧延方向に45°、圧延方向に90°の方向の降伏応力(MPa )で、TS0 、TS45、TS90はそれぞれ圧延方向、圧延方向に45°、圧延方向に90°の方向の引張強さ(MPa )である。)で定義されるYRが0.7 以下を有することが好ましい。
【0024】
YRが0.7 以下とすることにより、形状凍結性をはじめとして、いわゆる成形性が大きく改善されるという効果がある。YRを低くするには、鋼板の微視組織をフェライト母相と、適正量のマルテンサイトを第2相とし、ベイナイト等のマルテンサイト以外の組織分率をマルテンサイトの50%以下とするのが好ましい。また、調質圧延を施してもよいが、調質圧延によりYRが増加するため、使用目的に対しYRが適正範囲内となるよう調質圧延圧下率を調整することが望ましい。
本発明の鋼板は、プレス成形後の降伏応力を380MPa以上となる降伏応力を有する。ここに、プレス成形後とは一軸相当の歪が10%以上となる加工をいう。塑性変形が生じるまでの弾性変形エネルギーは(降伏応力)2/(2E)で表される。このことから、弾性変形のエネルギーを大きくするためには、Eを低くするか、プレス成形後の降伏応力を高めることが有効であり、プレス成形後の降伏応力を380MPa以上と高めることにより、プレス成形後組立てまでの搬送工程で受ける衝撃等の負荷による塑性変形を防止することができる。さらに、自動車外板として使用された場合には、このようなヤング率が低く、降伏応力が高く、部品となった時にYRが高い鋼板は、小石が衝突してもその外力を弾性変形のみで吸収でき、凹み等の疵を残さないという大きな利点がある。
【0025】
また、プレス成形後、すなわち、10%以上の歪を生じる加工を施したのちの降伏応力が380MPa未満では、低いヤング率を低くしても降伏を生じ変形してしまう。
さらに、本発明の鋼板は、塗装焼付硬化性(BH)を有し、BH量:30MPa 以上の高BH性を有する。BH性を付与するためには、フェライトと適正量のマルテンサイトからなる微視組織とすることと、固溶C、Nを適正量残存させることが好ましい。これにより、プレス成形が容易であり、塗装焼付処理後に高強度を有する。なお、仮に、10%までの歪が加えられない部分があっても同じく時効で強度が増加するため、凹み等の疵発生防止に有効である。
【0026】
つぎに、上記した特性を有する鋼板の組成限定について説明する。
C:0.03〜0.20%
Cは、鋼板の強度を確保するうえで重要な元素である。C量が0.03%未満では、目標とするフェライトとマルテンサイトを有する微視組織を得ることは困難であり、また所望の目標強度を満足しない。一方、C量が0.20%を超えると、スポット溶接性、延性が劣化し、成形性が劣化する。このため、Cは0.03〜0.20%に限定した。なお、これら総合特性のバランスという観点から好ましくは0.05〜0.15%である。
【0027】
Si:0.005 〜1.5 %
Siは、鋼板の延性低下を最小限に抑えて鋼板を強化するために有効な元素である。この効果は0.005 %以上の添加で認められる。しかし、1.5 %を超える添加は、鋼板の強度を著しく増加させるため、例えば熱間変形抵抗の増加等の鋼板製造工程における負荷が大きく製造にあたり障害となる。このため、Siは0.005 〜1.5 %の範囲に限定した。なお、高強度化の観点からは0.20%以上とするのが好ましく、主としてSi量増加により高強度化を達成するためには1.2 %以上とするのがより好ましい。
【0028】
Mn:0.05〜3.5 %
Mnは、鋼板の強度を増加させる有効な元素であり、鋼板組織の微細化および低温変態組織の形成に有効がある。このような効果は0.05%以上の添加で認められるが、3.5 %を超えて添加するとAr3変態点が低くなりすぎ、さらに圧延荷重の増大のためフェライト域での圧延が困難となる。このため、Mnは0.05〜3.5 %に限定した。なお、延性の低下を最小限とし、強度をプレス成形後の降伏応力が380MPa以上となる高強度とするため、またフェライトとマルテンサイトからなる微視組織とするためには、Mnは0.5 %以上、好ましくは 0.8%以上添加するのが望ましい。
【0029】
P:0.005 〜0.15%
Pは、鋼板を固溶強化するために有効な元素であるが、この効果が認められるためには0.005 %以上の添加が必要である。一方、0.15%を超えて添加した場合には鋼板の延性が著しく低下する。このため、Pは0.005 〜0.15%の範囲に限定した。なお、延性の低下を最小限とし、Pを主たる強化元素として強度をプレス成形後の降伏応力が380MPa以上となる高強度とするためには、Pは0.04%以上とするのが好ましい。
【0030】
S:0.02%以下
Sは、鋼板の延性を低下させるため、できるだけ低減するのが好ましい。延性確保の観点からは、0.02%まで許容できる。とくに高い延性が要求される場合には、0.008 %以下とするのが好ましい。
Al:0.005 〜0.2 %
Alは、脱酸元素として作用し、0.005 %以上の添加で鋼中の酸化物量を十分低減できる。0.2 %を超える添加は、アルミナクラスターを形成し表面欠陥が多発するとともに、熱間延性が低下する。このため、Alは0.005 〜0.2 %の範囲に限定した。表面性状の観点からは0.005 〜0.15%の範囲とするのが好ましい。なお、Ti、Ca等の他の脱酸元素を用いてAlを実質的に無添加としてもよい。
【0031】
N:0.02%以下
Nは、鋼中に固溶して鋼板の強度を増加する元素であるが、耐時効性を劣化させるため、耐時効性を劣化させない範囲で添加し高強度化を図ることができる。さらに、塗装焼付処理時の硬化量を30MPa 以上とするために0.0010%以上とするのが好ましい。しかし、過剰な添加は、鋼板表面にブローホールを発生させるため、Nは0.02%以下に限定する。とくに、延性が要求される用途の場合には、Nは0.0050%以下とするのが好ましい。
【0032】
Nb、Ti、Vのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で0.005 〜0.20%
Nb、Ti、Vは、いずれも炭化物あるいは窒化物を形成し基地中に微細析出して鋼板の強度を増加させるとともに、鋼板組織を均一かつ微細化する有効な元素であり、必要に応じ添加できる。これら元素の1種または2種以上複合して添加でき、合計量で0.005 %以上添加することにより効果が認められ。しかし、Nb、Ti、Vの合計で0.20%を超えて添加すると効果が飽和し、添加量に見合う効果が期待できない。そのため、Nb、Ti、Vは合計量で0.005 〜0.20%の範囲に限定した。
【0033】
Cu、Ni、Cr、Moのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で0.005 〜1.0 %
Cu、Ni、Cr、Moは、固溶強化で鋼板の強度(降伏応力)を増加させる元素であり、必要に応じ、これら元素のうちから1種または2種以上添加できる。Cu、Ni、Cr、Moはそれぞれ0.005 %以上の添加で効果が認められるが、1.0 %を超える添加は鋼板を顕著に硬質化し、成形性を劣化させる。このため、Cu、Ni、Cr、Moはそれぞれ0.005 〜1.0 %の範囲とするのが好ましい。また、複合して添加する場合は、合計量で1.0 %を超える添加は、延性を著しく低下させ、成形性を劣化させる。このため各元素の合計量を1.0 %以下に限定するのが好ましい。
【0034】
B:0.0005〜0.005 %
Bは、焼入れ性を向上させ、フェライトとマルテンサイトからなる組織とするために、必要に応じ添加できる。Bが0.0005%未満では、上記した効果が期待できない。一方、0.005 %を超える添加では、表面性状が劣化する。このため、Bは0.0005〜0.005 %の範囲とするのが好ましい。なお、材質の安定性の観点からより好ましくは0.0005〜0.0030%である。
【0035】
残部Feおよび不可避的不純物である。不可避的不純物としては、例えば、主としてスクラップより混入するSnについては0.01%以下が許容できる。
上記したように、主としてマルテンサイトによる変態組織強化で鋼板の強度を増加させ、塗装焼付処理時の硬化量を30MPa 以上とするためには、C:0.05%以上、Mn:0.8 %以上を満足する組成とするのが好ましい。
【0036】
上記した組成とすることにより、適正な製造条件のもとで塗装焼付処理時の硬化量が30MPa 以上、プレス成形後の降伏応力が380MPa以上となる高張力鋼板となる。
つぎに、上記した特性を有する鋼板の製造方法について説明する。
上記した組成範囲の鋼素材を加熱、均熱したのち熱間圧延を施し熱延鋼板とする。本発明においては、熱間圧延の加熱温度はとくに限定する必要はないが、コイル全長にわたり均一な材質とするため、熱間圧延の加熱温度は1300℃以下とするのが好ましい。
【0037】
本発明における熱間圧延は、フェライト域圧延、より正確にはフェライトとオーステナイト2相共存域圧延とし、圧延集合組織として、ヤング率の低減に有効な、ND//<100 >集合組織を優先的に形成させる。このためには、Ar3変態点〜(Ar3変態点−100 ℃)の温度範囲で50%以上の圧下率で、最終パスの圧下率を15%以下とし、圧延終了温度を(Ar3変態点−100 ℃)以上とする圧延とするのが望ましい。フェライト域圧延により、圧延集合組織として、ND//<100 >、ND//<211 >、ND//<111 >が発達するが、この圧延条件では、いずれの集合組織も再結晶を生じるほど歪が蓄積しないため、結晶の回転が速いND//<100 >が他の集合組織の結晶粒を侵食し、ND//<100 >集合組織を優先的に形成されるものと考えられる。上記した範囲の圧延条件を外れ、歪の蓄積が多くなると、再結晶の進行によりND//<111 >集合組織の形成が促進され、また、蓄積された歪により結晶の回転が阻害される。そのためND//<100 >集合組織の形成が弱められ、低ヤング率が達成されないうえ、組織の均一性が大きく低下する。
【0038】
圧下率を規制する温度範囲が、Ar3変態点を超えると、フェライト域圧延とならないため、変態による結晶粒のランダム化等によりND//<100 >集合組織が形成されない。一方、(Ar3変態点−100 ℃)未満で圧延すると歪が蓄積し、その結果、とくに歪が蓄積しやすいND//<111 >が優先的に再結晶、成長する。なお、Ar3変態点以下の圧延パス数は3パス以上とするのが望ましい。
【0039】
また、この温度範囲での圧下率が50%未満では、結晶の回転が少なくND//<100 >集合組織が形成されない。最終パスは、最終的に蓄積される歪にもっとも影響するため、このパスの圧下量を規制する。最終パスの圧下率が15%超えでは、歪の蓄積量が多くなる。また、圧延終了温度が(Ar3変態点−100 ℃)未満では、ND//<111 >方位の結晶粒が再結晶・成長しやすくなり、ND//<100 >集合組織の形成が促進されない。
【0040】
Ar3変態点以下の圧延において、最終パスを除くパスの圧下率が30%/パス以下、圧延パス数が5パス以上となる熱間圧延とするのが好ましい。これにより、ヤング率Eは180GPa以下となる。この条件を外れると、歪蓄積が増し、ND//<111 >集合組織の形成が促進され、ND//<100 >集合組織の形成が弱められる。
さらに、熱間圧延終了後、鋼板はコイル状に巻取られる。巻取温度は、微視組織形成の観点から600 ℃以下とするのが好ましい。巻取温度が600 ℃を超えると、望ましい微視組織とならずBH性が低下する。
【0041】
上記した熱間圧延条件とすることにより、低ヤング率化に有効な集合組織を効果的に形成できるようになる。また、熱間圧延において、圧延荷重の低減を目的とした潤滑圧延を行うことは、組織の均一化( とくに、板厚方向)にも有効である。
なお、フェライト相を母相とし、マルテンサイト相を5%以上有する熱延組織とするには、熱間圧延終了後の冷却過程において、フェライト変態の進行領域(好ましくはフェライト変態ノーズ近辺の温度)で、炭素等を第2相に十分拡散させたのち、マルテンサイト変態温度を急冷で通過させればよい。鋼成分により具体的な条件は異なるが、概ね、次の2つの冷却パターン、
▲1▼フェライト変態ノーズ温度近辺まで急冷後、数秒間保持し再びマルテンサイト変態温度以下まで急冷する。
【0042】
▲2▼フェライト変態ノーズ温度近辺まで徐冷後、マルテンサイト変態温度以下まで急冷する。
が好適である。後述の引張強さ、YR(降伏比)、BH量の制御を含め、第2相の組織・比率・分布の制御自体は、従来の種々の知見を活用して熱間圧延後の冷却パターンを制御するなどすればよい。たとえば、▲1▼の冷却パターンは特公昭61-11291号公報などに記載されている。
また、加工後の降伏応力は、本発明の鋼成分および組織においては、引張強さを概ね500MPa以上とすることで、380MPa以上とすることができる。このため、熱延後の冷却制御によりマルテンサイト量を確保するなどして引張強さを所望の値に制御すればよい。YR、BH量はそれぞれ主として冷却制御による熱延組織制御により所望の値を得ることができる。具体的には、YRを0.7 以下とするには、既に述べたごとく第2相中のマルテンサイト比率を確保するなどすればよい。また、BH量を30MPa 以上とするには、たとえば▲1▼、▲2▼における後段の冷却速度を速めに設定するなどすればよい。
【0043】
次に、上記した熱延鋼板は、冷間圧延を施されて冷延鋼板とされる。
熱間圧延のままでND//<100 >集合組織が十分に発達すれば、その後この熱延鋼板を焼鈍しても、ND//<100 >集合組織が維持されることを確認した。その後、冷間圧延−焼鈍、熱延板焼鈍−冷間圧延−再結晶焼鈍工程を経ても、ND//<100 >集合組織が維持され、鋼板は低ヤング率のままである。さらに、調質圧延はヤング率にはほとんど影響しないため、鋼板に調質圧延を施すことにより、低ヤング率のままで、鋼板の降伏応力を高めることができる。
【0044】
なお、熱延板焼鈍は、連続焼鈍炉で、Ac1変態点以上、Ar3変態点以下、好ましくは、680 〜 850℃(連続焼鈍)の温度で、必要に応じ行うことができる。
また、冷間圧延は、40〜 95 %の圧下率で行うのが操業安定性の観点から望ましい。圧下率が40%未満では、組織が不均一となり、95%を超えると圧延性が大きく低下する。
【0045】
また、再結晶焼鈍は、望ましくは連続焼鈍炉で、Ac1変態点以上、Ar3変態点以下、好ましくは、680 〜850 ℃(連続焼鈍)の温度で行うことができる。
なお、冷延焼鈍板に、圧下率7%以下の調質圧延を施してもよい。これにより、形状矯正、表面粗さの調整ができ、さらに鋼板の降伏応力が増加し、YRが適正範囲内で高くなる。
【0046】
フェライト相を母相とし、マルテンサイト相を5%以上有する熱延焼鈍組織もしくは冷延焼鈍組織とするためには、たとえば焼鈍に際してフェライト−オーステナイト2相域に加熱し、その際加熱温度などによりフェライト−オーステナイトの比率を制御し、その後冷却パターンを熱延鋼板と概ね同様の思想で制御すればよい。YR、BH量およびプレス成形後の制御についても同様である。
【0047】
本発明の冷延鋼板は、加工用としての使途以外に、加工用表面処理鋼板の原板として利用できるのは言うまでもない。表面処理としては、亜鉛合金を含む亜鉛めっき、錫めっき、有機複合めっき等がある。
【0048】
【実施例】
表1に示す化学組成の溶鋼を、転炉で溶製し、連続鋳造法でスラブに鋳造した。これらスラブを1250℃に加熱したのち、表2に示す熱間圧延条件で板厚1.6 mmの熱延鋼板とした。得られた熱延鋼板から、試験片を採取し、ヤング率を測定した。ヤング率の測定方法は、圧延方向、圧延方向と45°、圧延方向と90°の各方向について縦共振法により測定し、前記(1)式で定義される平均Eを求めた。測定時室温は15℃であった。
【0049】
さらに、得られた熱延鋼板は、
▲1▼750 ℃×30s の熱延板焼鈍(短時間連続型焼鈍)、
▲2▼冷間圧延(圧下率60%)−770 ℃×30sec の再結晶焼鈍、
▲3▼700 ℃×2 hの熱延板焼鈍−冷間圧延(圧下率60%)−770 ℃×30sec の 再結晶焼鈍、
の各工程を施された。これら各工程を経た鋼板について、試験片を採取し、ヤング率を、熱延板と同様に測定した。また、各鋼板の組織観察を行った。
【0050】
さらに、これら鋼板から試験片を採取し、引張特性(降伏応力、引張強さ、伸び)を測定した。さらに、10%の歪を与える引張変形を行い、変形後の降伏応力を測定した。また、各鋼板について、一定の衝撃力を与えて、生じた塑性変形量を、鋼No.1の熱延板の塑性変形量を1として比較した。
さらに、これら鋼板から試験片を採取し、2%の引張予歪を与えたのち、170 ℃×20min の熱処理を施した時の熱処理前後の降伏応力の増加量(BH量)を求めた。
【0051】
これらの結果を、表2〜表4に示す。
【0052】
【表1】
Figure 0003899680
【0053】
【表2】
Figure 0003899680
【0054】
【表3】
Figure 0003899680
【0055】
【表4】
Figure 0003899680
【0056】
本発明例の各鋼板の組織は、フェライトを母相とし、マルテンサイトを含む第2相を有する組織であった。
表2〜表4から、本発明例は、いずれもヤング率Eが200 GPa 以下の低ヤング率を有ししかも0.7 以下の低いYRと、10%の変形後の降伏応力が380MPa以上、BH量30MPa 以上の高張力鋼板である。さらに、本発明例は、いずれも同一YS、YRの比較例とくらべ衝撃的な力による塑性変形が少ないことがわかる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、低ヤング率で、プレス成形後の降伏応力も高く、衝撃的な力による塑性変形が少なく、かつ塗装焼付硬性の高い高張力鋼板が製造でき、自動車車体向けとして有用な加工用高張力鋼板を安価に提供でき、産業上格段の効果を奏する。さらに、本発明の低ヤング率高張力鋼板は、小石が衝突した場合でも、その外力を塑性変形なしに吸収できるという効果もある。また、さらにヤング率が低下することにより、共振周波数が低下し、防振範囲が広がるという効果も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱延板のヤング率におよぼす熱間仕上げ圧延の圧延温度と圧下率の影響を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 量%で、
    C:0.03〜0.20%、 Si:0.005 〜1.5 %、
    Mn:0.05〜3.5 %、 P:0.005 〜0.15%、
    S:0.02%以下、 Al:0.005 〜0.2 %、
    N:0.020 %以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、フェライト相を母相とし、第2相としてマルテンサイト相を面積率で5%以上含有する組織を有し、かつ下記(1)式で定義されるEが200GPa以下であり、プレス成形後の降伏応力が380MPa以上、塗装焼付硬化量(BH量)が30MPa 以上であることを特徴とする塗装焼付硬化型高張力鋼板。

    E=(E0 +2E45+E90)/4 …………(1)
    ただし、E0 、E45、E90はそれぞれ圧延方向、圧延方向に45°、圧延 方向に90°の方向のヤング率(GPa )。
  2. 前記組成に加えて、さらに量%で、
    Nb、Ti、Vのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で0.005 〜0.20%、またはCu、Ni、Cr、Moのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で0.005 〜1.0 %、あるいはNb、Ti、Vのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で0.005 〜0.20%およびCu、Ni、Cr、Moのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で0.005 〜1.0 %、を含有することを特徴とする請求項に記載の塗装焼付硬化型高張力鋼板。
  3. 前記組成に加えて、さらに量%で、B:0.0005〜0.005 %を含有することを特徴とする請求項またはに記載の塗装焼付硬化型高張力鋼板。
  4. 量%で、
    C:0.03〜0.20%、 Si:0.005 〜1.5 %、
    Mn:0.05〜3.5 %、 P:0.005 〜0.15%、
    S:0.02%以下、 Al:0.005 〜0.2 %、
    N:0.020 %以下を含有する組成の鋼素材に、Ar3変態点〜(Ar3変態点−100 ℃)の温度範囲における圧下率が50%以上、最終パスの圧下率が15%以下で、かつ仕上げ圧延温度が(Ar3変態点−100 ℃)以上とし、巻取温度が600 ℃以下とする熱間圧延を施すことを特徴とする塗装焼付硬化型高張力熱延鋼板の製造方法。
  5. 量%で、
    C:0.03〜0.20%、 Si:0.005 〜1.5 %、
    Mn:0.05〜3.5 %、 P:0.005 〜0.15%、
    S:0.02%以下、 Al:0.005 〜0.2 %、
    N:0.020 %以下を含有する組成の鋼素材に、Ar3変態点〜(Ar3変態点−100 ℃)の温度範囲における圧下率が50%以上、最終パスの圧下率が15%以下で、かつ仕上げ圧延温度が(Ar3変態点−100 ℃)以上とし、巻取温度が600 ℃以下とする熱間圧延を施したのち、冷間圧延、再結晶焼鈍を施すことを特徴とする塗装焼付硬化型高張力冷延鋼板の製造方法。
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