JPH11350027A - 連続鋳造鋳片の加熱前処理方法 - Google Patents

連続鋳造鋳片の加熱前処理方法

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JPH11350027A
JPH11350027A JP15575898A JP15575898A JPH11350027A JP H11350027 A JPH11350027 A JP H11350027A JP 15575898 A JP15575898 A JP 15575898A JP 15575898 A JP15575898 A JP 15575898A JP H11350027 A JPH11350027 A JP H11350027A
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slab
cast slab
silicate
oxide
oxidation
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Application number
JP15575898A
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English (en)
Inventor
Seiji Itoyama
誓司 糸山
Hiromitsu Shibata
浩光 柴田
Kenichi Tanmachi
健一 反町
Hisatomi Muraki
久富 村木
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JFE Steel Corp
Hakuto Co Ltd
Original Assignee
Hakuto Co Ltd
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続鋳造鋳片の表面に、低融点酸化物や不均
一酸化膜の生成させることなく、また、粒界酸化を助長
させることなく、後処理 (剥離) の容易な酸化膜を形成
することにより、良好な鋳片表面性状を得るための方法
を提案すること。 【解決手段】 連続鋳造鋳片の表面に、アルカリ金属も
しくはアルカリ土類金属の硝酸塩等の化合物(第一群の
有効成分)100 重量部と、珪酸カリウムや珪酸ナトリウ
ム等の化合物(第二群の有効成分)1〜200 重量部、さ
らに必要によりFe 2O3, Fe3O4, B2O3等の金属酸化物を1
〜100 重量部とからなる有効成分を、水または水と有機
溶剤との混合物中に分散してなる酸化促進剤を塗布する
連続鋳造鋳片の加熱前処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続鋳造された鋳
片の加熱前処理方法に関し、炭素鋼、ステンレス鋼、高
クロム合金鋼などの連続鋳造鋳片の表面性状を簡便な方
法にて改善しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】近年、金属の製造、特に鋼の連続鋳造か
ら圧延に至る工程については、省エネルギーの観点か
ら、ホットチャージ圧延(以下、「HCR」という)
や、直送圧延(以下、「DHCR」という)の処理が推
進されている。こうしたHCRやDHCRを実施するに
は、連続鋳造により得られた該鋳片の表面やその表皮下
に、割れ、非金属介在物、偏析あるいはノロ噛み等の欠
陥がないことが必須となる。そのために従来、鋳造速度
の上限規制、鋳型潤滑剤の改良、二次冷却条件の最適
化、鋳型内における溶鋼の流動を制御するための電磁ブ
レーキ設備の設置、あるいは鋳型内溶鋼の湯面制御など
種々の対策が講じられてきた。
【0003】しかしながら、このような対策にも拘わら
ず、現在までのところ、鋳片の表面欠陥を完全に無くす
までには至っておらず、これらの欠陥に起因した製品不
良を招くことが多い。このため、このような製品品質の
不良が発生するおそれがある場合には、HCRやDHC
Rの実施を避けたり、また高温の鋳片をいったん冷却す
るか、あるいは高温のままでその表面をスカーフィング
して、鋳片表面の欠陥を予め取り除くという方法が採用
されてきた。しかし、このような対策では、鋳片の温度
低下、スカーフィング工程の追加、良品歩留りの低下が
避けられず、HCRやDHCRの本来の目的である省エ
ネルギーの効果が十分に生かされないという不具合があ
った。
【0004】かかる不具合を解消とする手段として、従
来酸化物、水酸化物、硫化物、塩、金属、合金の1種以
上を熔融状態で鋳片表面に付着させることにより、鋳片
表面疵の酸化を促進させて、表面欠陥部分をスケールと
して剥離除去する方法(特開昭58−138501号公報)、18
%以上のクロム含有高合金鋼を対象として、加熱炉に装
入する前の鋳片表面に、アルカリ金属もしくはアルカリ
土類金属の酸化物、無機酸塩または有機酸塩の1種また
は2種以上を100g/m2 以上塗布し、酸化雰囲気中におい
て1200℃以上の温度で30分以上加熱することによって、
鋳片表面の酸化を促進させて、表面欠陥部分をスケール
とともに剥離除去する方法(特開平8−49018 号公報)
などが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来技術では、酸化促進剤として用いるアルカリ金属
もしくはアルカリ土類金属の酸化物、無機酸塩、有機酸
塩は、鋼と反応して鋳片表面に低融点の酸化物を生成す
ることになる。一方で、その低融点酸化物は、加熱炉内
において、鋳片の支持金具などと反応し、この支持金具
の寿命を短くするという問題があった。また、鋼との反
応により生じた前記低融点酸化物は、鋳片の下面のもの
は、十分に酸化する前に重力により落下しやすく、その
ため上面に比べると酸化スケールの生成が悪い。その結
果、スケールの剥離が不十分となり、鋳片下面側にあた
る圧延製品表面での欠陥発生が防止できないという問題
もあった。
【0006】一方、アルカリ金属もしくはアルカリ土類
金属の酸化物、無機酸塩または有機酸塩は、酸化しやす
い鋼種に適用する場合、条件によっては、粒界酸化を促
進し、製品表面にヘゲ欠陥が発生するという問題もあっ
た。
【0007】本発明の基本的な目的は、従来技術が抱え
ている上述した問題点を解決し、鋳片の表面品質を向上
させるために有効な連続鋳造鋳片の加熱前処理方法を提
案することにある。本発明の具体的な目的は、連続鋳造
鋳片の表面欠陥を除去するために必要な酸化膜を均一に
生成させるための、新規な酸化促進剤を提案することに
ある。本発明のさらに他の目的は、連続鋳造鋳片の表面
に、低融点酸化物や不均一酸化膜の生成させることな
く、また、粒界酸化を助長させることなく、後処理 (剥
離) の容易な酸化膜を形成することにより、良好な鋳片
表面性状を得るための方法を提案することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】まず、発明者らは、連続
鋳造鋳片における表面欠陥について調査した。その結
果、こうした欠陥は、これまで考えられていたスケール
層表面よりもかなり深部にまで及んでいることがわかっ
た。従って、単に鋳片表面のスケール層を剥がしただけ
では、とくにそのスケール層が薄いと、欠陥部全部を取
り除くことが難しく、少なくとも一部はどうしても残る
こととなる。このことから、鋳片表面欠陥を完全に取り
除くには、むしろスケール層を厚く成長させることによ
り、欠陥部ごと一緒に剥離除去することが必要であると
の結論に達した。
【0009】そこで発明者らは次に、厚いスケール層を
形成することを目指し、加熱炉や均熱炉で発生する酸化
スケールと、鋳片表面に被覆する酸化促進剤(スケール
を成長促進・剥離することにより、割れ、表面偏析、非
金属介在物等の鋳片表面の欠陥を除去するために用いら
れるもの) と、の関係について検討した。その結果、酸
化促進剤として、特定の無機酸塩類、焼結剤、さらには
耐火材料などを配合したある種の組成物の場合、鋳片表
面への酸素拡散がよく、酸化スケールの形成を促進でき
るとともに、加熱後の酸化皮膜の剥離性もよいため、鋳
片表面の欠陥部を除去するのに効果的であることを見出
し、本発明を開発するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、連続鋳造鋳片を加熱
炉に装入するのに先立ち、連続鋳造鋳片の表面に、アル
カリ金属もしくはアルカリ土類金属の硝酸塩、硫酸塩、
炭酸塩、水酸化物から選ばれる1種または2種以上の化
合物(第一群の有効成分)100 重量部と、珪酸カリウ
ム、珪酸ナトリウム、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウ
ム、珪酸ジルコニウム、燐酸アルミニウム、燐酸マグネ
シウム、燐酸バリウム、燐酸ホウ素から選ばれる1種ま
たは2種以上の化合物(第二群の有効成分)1〜200 重
量部とからなる有効成分を、水または水と有機溶剤との
混合物中に分散してなる酸化促進剤を、塗布することを
特徴とする連続鋳造鋳片の加熱前処理方法である。
【0011】なお、本発明においては、上記酸化促進剤
中に、Fe2O3, Fe3O4およびB2O3から選ばれる1種または
2種以上の金属酸化物(第三群の有効成分)を1〜100
重量部添加することが好ましい実施の形態となる。ま
た、本発明では、酸化促進剤の連続鋳造鋳片表面への塗
布にあたっては、その塗布量が有効成分固形分換算で20
〜200g/m2 になるようにスプレーすることが好ましい実
施の形態と言える。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明方法について詳しく
説明する。本発明において適用対象となる連続鋳造鋳片
は、いわゆる普通炭素鋼の他、ニッケル鋼、クロム鋼、
モリブデン鋼、マンガン鋼などの合金鋼の鋳片に対して
適用することが好適である。
【0013】さて、処理が必要とされる連続鋳造鋳片
は、これの加熱炉への装入に先立ち、その表面に下記の
酸化促進剤を塗布する。 第一群に属する有効成分として、アルカリ金属もしく
はアルカリ土類金属の硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、水酸化
物から選ばれる1種または2種以上の化合物、即ち無機
酸塩類ないし無機水酸化物を用いる。これらの化合物は
連続鋳造時に生成する鋳片表面の薄い酸化スケールに密
着し、低融点化合物を生成し、この低融点化合物の生成
物が、地鉄との境界面で、酸化に必要な酸素イオンや鉄
イオンの拡散移動速度を速め、酸化スケール生成速度を
飛躍的に高める。このような働きをする第一群の有効成
分の具体例としては、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、
硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化バリウ
ムなどが挙げられる。
【0014】次に、本発明において用いる酸化促進剤の
うち、第二群に属する有効成分の例としては、珪酸カリ
ウム、珪酸ナトリウム、珪酸アルミニウム、珪酸カルシ
ウム、珪酸ジルコニウム、燐酸アルミニウム、燐酸マグ
ネシウム、燐酸バリウム、燐酸ホウ素から選ばれる1種
または2種以上の化合物である。これらの化合物は、第
一群に属する化合物が鋳片表面の薄い酸化スケールに密
着する際、強固な被膜形成を助勢する作用がある。ま
た、これらの化合物は、被膜と地鉄との熱収縮差を大き
くし、熱処理後の被膜の剥離を容易にする作用もある。
【0015】なお、第二群に属する化合物は、第一群に
属する化合物100 重量部に対して1〜200 重量部、好ま
しくは、10〜150 重量部、さらに好ましくは、20〜100
重量部の割合で配合する。この理由は、第二群に属する
化合物の配合量が、第一群に属する化合物100 重量部に
対して1重量部より少ないと、強固な被膜が形成され
ず、また形成した低融点化合物が脱落することがあり好
ましくない。一方、200重量部を越えると、形成した低
融点化合物が、地鉄に融着し、剥離が困難となるので好
ましくない。
【0016】本発明においては、さらに第三群に属する
有効成分として、Fe2O3, Fe3O4およびB2O3から選ばれる
少なくとも1種以上の化合物(金属酸化物)を添加する
ことができる。第三群に属するこうした化合物の配合量
は、第一群に属する化合物100 重量部に対して1〜100
重量部、好ましくは5〜40重量部の割合とする。なお、
第三群に属する上記化合物は、第一群に属する化合物に
よって形成された鋳片表面の低融点化合物による酸素イ
オンや鉄イオンの拡散移動速度をさらに高める働きがあ
る。
【0017】上述した化合物 (第一群〜第三群) の粒度
は細かい方がよく、400 メッシュ〔JIS標準篩(細目
用)37ミクロン〕を通過するサイズのものを使用するこ
とが好ましい。
【0018】また、本発明においては、上記第一群〜第
三群に属する有効成分の他に、本発明の酸化促進剤の効
果を損なわない範囲において、さらにアルミナ、シリ
カ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、炭化珪素、炭
化ホウ素、窒化珪素、窒化ホウ素などの無機化合物を添
加してもよい。これらの無機化合物の添加は、被膜の機
械的強度を上げるうえで有利なことがある。
【0019】以上説明したように本発明によれば、第一
群に属する有効成分と第二群に属する有効成分、さらに
必要により添加される第三群に属する有効成分等を組み
合わせた酸化促進剤を用いることにより、鋳片表面に均
一で安定な被膜を作ることができ、かつ該被膜の中で酸
素イオンや鉄イオンとの反応性を高めて酸化を促進し、
鋳片表面に望ましい酸化膜を形成させることができる。
【0020】本発明方法の実施に当たっては、上記の各
有効成分等は、水または水と有機溶剤との混合物中に分
散させて用いる。水または水と有機溶剤との混合物中に
おける有効成分の濃度は、鋳片表面に均一に塗布できる
程度でよく、特には限定されないが、通常、15〜50重量
%となるように調整することが好ましい。また、このと
き用いられる有機溶剤は、沸点が150 ℃以下のものが好
ましく、さらに水と混ざり合うものが好ましい。この
点、沸点が150 ℃を越えるものは、塗布膜の乾燥速度が
遅くなるとともに、鋳片表面での有機溶剤の揮散による
塗布膜の膨れや剥離を生じて酸化促進効果が得られなく
なることがあり好ましくないことがある。即ち、水に有
機溶剤を混合して用いる利点は、有機溶剤により表面張
力を低下させ、塗布後の塗膜の広がりを早くし、かつ滑
らかな塗膜表面を得るには、好都合である。
【0021】このような有機溶剤の例としては、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレ
ングリコール、2−エトキシエタノールなどのアルコー
ル類、プロピレングリコールメチルエーテルなどのエー
テル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイ
ド、1,4−ジオキサン、N−メチルピロリドン、γ−
ブチロラクトンなどを挙げることができる。もちろん、
これらの有機溶剤は2種以上混合して用いることもでき
る。なお、有機溶剤と水を混合して用いる場合、その組
成比は、任意に選ばれるが、通常、有機溶剤:80重量%
以下とすることが好ましい。
【0022】上記酸化促進剤は、各有効成分を水または
水と有機溶剤との混合溶媒中に分散して用いられるが、
有効成分の方は粉末状であることから、水等の溶媒中に
分散させると、比重差で沈降しがちになる。そこで分散
性を良くし、粒子の分離ならびに沈降を抑制するため
に、分散剤や沈降防止剤を添加することが好ましい。そ
の分散剤や沈降防止剤としては、例えばキサンタンガ
ム、メチルセルロース、アルギン酸塩、ポリエチレンオ
キシド、ポリアクリル酸塩、マレイン酸スチレンモノマ
ーの共重合物などが使用できる。また、塗膜の強度や密
着性を高めるには、公知のカルボン酸系ポリマーやポリ
ビニル樹脂等も適宜添加するとよい。ただし、これらの
分散剤や沈降防止剤の如き助剤の添加については特に制
限はない。なお、この酸化促進剤は、分離や沈降を抑制
すると共に、塗布のし易さからある程度の粘度をもって
いる方がよく、1500〜2000cp(センチポイズ)に調整す
ることが好ましい。
【0023】上述した酸化促進剤は、連続鋳造された鋳
片が次の工程である加熱炉、均熱炉内に装入される前の
鋳片表面に対して塗布することが必要である。その塗布
量は、鋳片表面が該酸化促進剤にて一様に覆われている
状態を目標とする。例えば、有効成分固形分換算で、20
〜200g/m2 、好ましくは、30〜150g/m2 、さらに好まし
くは、50〜100g/m2 とする。即ち、その塗布量が20g/m2
未満では、一様な被膜が得られ難い場合があり、酸化を
十分に促進させることができない場合があるからであ
り、一方、200g/m2 を越えると、一様な被膜は形成され
るものの、酸化促進の効果は塗膜の厚さが増しても酸化
促進効果はほとんど変わらず、経済的にみて不利だから
である。
【0024】酸化促進剤の鋳片への塗布方法は、該酸化
促進剤が鋳片へ均一に塗布できればよく、好ましい実施
態様としてスプレー法がある。スプレー法は、タンク、
ポンプ、スプレーノズルから構成されるコンパクトな設
備設計が可能であり、鋳片の大きさに合わせ、スプレー
ノズルの個数や配置等を容易に変更することができ、し
かも設備費用も安価であり、経済的にも有利である。
【0025】このようにして連続鋳造鋳片表面に塗布さ
れ密着した酸化促進剤は、加熱炉、均熱炉に装入される
前に、鋳片表面の酸化スケールと一体化した低融点化合
物被膜を形成する。そして、加熱時には、鉄イオンと酸
素イオンとの直接接触を活発にすることで、鋳片表面の
酸化を促進する。とりわけ、上記第一群有効成分である
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の硝酸塩、硫酸
塩、炭酸塩、水酸化物が、鉄イオンと酸素イオンとの直
接接触に寄与するものと考えられる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明は、これら実施例に限定されるものではな
い。 (実施例−1) A.この実施例で用いた酸化促進剤(塗布剤)の化学成
分を表1 (本発明適合例) , 表2 (比較例) に示す。使
用した配合原料は下記のものを用いた。 第一群に属する有効成分 炭酸カルシウム:ソブエクレー株式会社製「L−330
(商標名)」 水酸化アルミニウム:昭和電工株式会社製「H−32(商
標名)」 硫酸マグネシウム:関東化学株式会社製試薬 第二群に属する有効成分 燐酸マグネシウム:米山化学工業株式会社製試薬 珪酸ナトリウム:日本化学工業株式会社製試薬 珪酸カリウム:本荘ケミカル株式会社製試薬 第三群に属する有効成分 Fe2O3 :日陶産業株式会社製「NSK−200 (商標
名)」 B2O3:ボラックスカンパニー社製品 有機溶媒 プロピレングリコールジメチルエーテル:ダウケミカル
ジャパン株式会社製「ダワノールDPM(商標名)」 エタノール:関東化学株式会社製試薬 分散剤および沈降防止剤 ポリマレイン酸ナトリウム−分子量2000:日本触媒株式
会社製「アクアリックDL−40(商標名)」 キサンタンガム:ケルコカンパニー社製「ケルザン(商
標名)」 メチルセルロース:信越化学株式会社製「MC90SH−
15000 (商標名)」 その他 アルミナ:昭和電工株式会社「A−42−1(商品名)」
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】B.使用した鋳片;表3に示した成分組成
の極低炭素鋼、低炭素鋼、ステンレス鋼(SUS304 )
を用いた。そして、テスト鋼片は、100(mm) ×150(mm)
×10(mm)の板状で、表面に薄い酸化スケール(黒皮)が
10μm 生成しているものを用いた。
【0030】
【表3】
【0031】〔試験方法〕 1水準について、鋼板3枚の表面に上記の塗布剤を塗布
し、そのうちの1枚は塗布量の測定に用い、残りの2枚
は熱処理して、酸化スケールを生成させた。熱処理した
うちの1枚は酸化スケールの測定に用い、残り1枚は熱
処理後の鋼板を高温時に90度に曲げ、被膜の密着性を調
べた。また、酸化スケールを剥がした鋼板のいくつかに
ついて、欠陥部の有無を調べた。即ち、室温下にある炉
を酸化雰囲気(酸素温度:21%、露点80℃)で1100℃ま
で昇温した後、この炉中に鋼板を装入し、1100℃の温度
と5分間保持した。次いで、鋼板を取り出し、所定の温
度(900 ℃)まで冷却した後、その表面に酸化促進剤、
あるいは比較のための組成物をミストスプレーガン(岩
田塗装機社製:W−71型吸い込み式)にて所定量塗布し
て、塗膜を形成した。その塗膜形成後再び電気炉に挿入
し、酸化雰囲気(酸素温度;2%、N2:bal.、CO2 :12
%) 、温度1200℃、露点55℃にて3時間保持した。
【0032】〔評価方法〕 酸化促進剤の塗膜量:900 ℃に加熱した鋼板表面にミ
ストスプレーを用いて1〜5秒塗布し、室温まで冷却
後、塗布前後の重量差から塗布量を求めた。 熱処理後の皮膜の密着性:熱処理後の鋼板を90度に曲
げた。その密着性は次の基準で視覚判定した。 A:曲げ時にほとんど(5%以下)亀裂や剥離がない。 B:曲げ時に5〜10%の亀裂や剥離がある。 C:曲げ時に10〜20%の亀裂や剥離がある。 D:曲げ時に20%以上の亀裂や剥離がある。 被膜剥離後の表面性状 表面性状は、次の基準で視覚判定した。 A:表面に酸化スケールが少し(5%以下) 。金属光沢。 B:表面に酸化スケール10〜20%あり、鈍い金属光沢。 C:表面に酸化スケール20〜40%あり、金属光沢ほとん
どない。 D:表面に酸化スケール40%以上あり、金属光沢ほとん
どない。 スケールの生成促進度 鋼板について熱処理前、および熱処理スケールを剥がし
た後の重量の差を酸化スケール量とした。酸化促進剤を
塗布しない(無塗布) 場合のスケール生成量に対して、
酸化促進剤を塗布した場合の酸化スケール厚みの生成倍
率からスケール促進度を判定した。 A:スケールの生成倍率が2.5 以上 B:スケールの生成倍率が2.0 〜2.5 C:スケールの生成倍率が1.5 〜2.0 D:スケールの生成倍率が1.5 未満
【0033】この試験の結果を表4に示すように、本発
明の方法に従って酸化促進剤を塗布したものについて
は、鋼板表面の酸化スケールが増量され、スケールを剥
離した後の鋼板の表面品質は大幅に改善できることが認
められた。
【0034】
【表4】
【0035】〔実施例−2〕実施例−1で使用した極低
炭素鋼とステンレス鋼について、それぞれを連続鋳造設
備(機長25.6)を用いて、鋳造速度0.8 〜1.6 /分のも
とで連続鋳造し、得られた幅1000〜1260mm、厚さ200mm
、長さ9m の連続鋳造鋳片を、HCR(加熱炉装入時
の鋳片表面温度:710 〜830 ℃、加熱温度1150℃、在炉
時間 110〜130分)し、これを最終的に0.4 〜1.5mm 厚
に冷間圧延した。こうして得られた冷延鋼板について、
その表面欠陥(鋳片欠陥起因のヘゲ、スリーバー)の発
生率〔=(欠陥発生長さ/コイル長さ)×100 〕を調査
した。また、この実施例では、図1に示すように、二次
冷却帯1を出た任意の長さに切断された高温の連鋳鋳片
2を、加熱炉3の入り側において、空気圧力:3.5kgf/c
m2、ノズル本数10本/片面、ノズル間隔:150mm 、空気
流量:200 L/分/本、ノズルチップ先端から鋳片まで
の距離:200mm 、鋳片幅方向に対する垂直方向となすノ
ズルからのスプレー噴射角度:0度、鋳片移動方向に対
する垂直方向となるノズルからのスプレー噴射角度:0
度、スプレー噴射開き角度:20度、ノズル振り角度:15
度のスプレーヘッダー4を用いてスプレー塗布を実施し
た。なお、図示の5は酸化促進剤用タンクである。ま
た、塗布前の鋳片表面温度は750 〜850 ℃であった。酸
化促進剤の塗布量は、鋳片搬送速度を調整することによ
って固形分換算で50〜100g/m2 に調整した。そして、鋳
片への塗布は、排気・集塵設備を備えた塗布用チャンバ
ー内を通過させながら実施した。下記の表5は、酸化促
進剤の成分組成、表6は鋳片表面欠陥に起因する冷延板
表面欠陥発生率を示したものである。
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【0038】表5に示す結果から明らかなように、本発
明では比較例に比べ冷延板欠陥発生率が激減しており、
この発明によれば、連続鋳造における特有の鋳片表面欠
陥に起因する冷延板での欠陥をほぼ完全に回避できるこ
とを確認できた。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、連
続鋳造において発生する鋳片表面欠陥を、余分な鋳片表
面手入れ工程を付加することなしにほぼ 100%取り除く
ことができる。とくに、表面欠陥の除去に必要な酸化膜
の生成が均一確実にできると共に、剥離除去の容易な酸
化膜を確実に生成させ得るので、表面性状の良好な鋳片
が得やすく、それ故に連続鋳造鋳片へのHCR、DHC
R適用による無欠陥製品の製造が容易になるという格段
の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続鋳造設備から加熱炉までの構成図である。
【符号の説明】
1 2次冷却帯 2 連鋳鋳片 3 加熱炉 4 スプレーヘッダー 5 酸化促進剤用タンク
フロントページの続き (72)発明者 柴田 浩光 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 反町 健一 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 村木 久富 三重県四日市市別名6−6−9 伯東株式 会社四日市研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続鋳造鋳片を加熱炉に装入するのに先
    立ち、連続鋳造鋳片の表面に、 アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の硝酸塩、硫酸
    塩、炭酸塩、水酸化物から選ばれる1種または2種以上
    の化合物100 重量部と、珪酸カリウム、珪酸ナトリウ
    ム、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸ジルコニ
    ウム、燐酸アルミニウム、燐酸マグネシウム、燐酸バリ
    ウム、燐酸ホウ素から選ばれる1種または2種以上の化
    合物1〜200 重量部とからなる有効成分を、水または水
    と有機溶剤との混合物中に分散してなる酸化促進剤を、
    塗布することを特徴とする連続鋳造鋳片の加熱前処理方
    法。
  2. 【請求項2】 酸化促進剤中に、Fe2O3, Fe3O4およびB2
    O3から選ばれる少なくとも1種以上の金属酸化物を1〜
    100 重量部添加することを特徴とする請求項1に記載の
    連続鋳造鋳片の加熱前処理方法。
  3. 【請求項3】 酸化促進剤の連続鋳造鋳片表面への塗布
    にあたっては、その塗布量が有効成分固形分換算で20g/
    m2以上になるようにスプレーすることを特徴とする請求
    項1または2に記載の連続鋳造鋳片の加熱前処理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003094152A (ja) * 2001-07-17 2003-04-02 Nkk Corp 鋼板の製造方法
JP2019119785A (ja) * 2017-12-28 2019-07-22 勝規 瀬川 耐熱性塗料
JP2019210500A (ja) * 2018-06-01 2019-12-12 日本製鉄株式会社 酸化スケールの除去方法

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