JPH11349745A - 接着性樹脂組成物および積層体 - Google Patents

接着性樹脂組成物および積層体

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JPH11349745A
JPH11349745A JP10156058A JP15605898A JPH11349745A JP H11349745 A JPH11349745 A JP H11349745A JP 10156058 A JP10156058 A JP 10156058A JP 15605898 A JP15605898 A JP 15605898A JP H11349745 A JPH11349745 A JP H11349745A
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JP
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resin composition
styrene
adhesive resin
layer
polyacrylonitrile
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JP10156058A
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English (en)
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Hideshi Kawachi
秀史 河内
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着性に優れた接着性樹脂組成物、特にポリ
アクリロニトリル系樹脂に対する接着性に優れた接着性
樹脂組成物、およびそれを用いた積層体を提供する。 【解決手段】 スチレンまたはその誘導体の含有量が1
0重量%以上のスチレン系エラストマー20〜80重量
%、および密度0.900g/cm3以下のエチレン系
エラストマー20〜80重量%を含む接着性樹脂組成物
からなる接着性樹脂組成物層を介してポリアクリトニト
リル系樹脂層が積層された積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スチレン系エラス
トマーおよびエチレン系エラストマーを含む接着性樹脂
組成物、およびこの組成物を介してポリアクリロニトリ
ル系樹脂が積層された積層体、特にポリアクリロニトリ
ル系樹脂に対する接着性に優れ、食品包装用積層フィル
ムおよび薬品用積層容器などの積層体の接着に好適に利
用できる接着性樹脂組成物、およびこの組成物を介して
ポリアクリロニトリル系樹脂が積層された積層体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】食品包装用フィルムには、水蒸気バリヤ
ー性、酸素バリヤー性、耐衝撃性および透明性などの性
能が要求され、また薬品、農薬用容器には薬品の滲出し
を防ぐケミカルバリヤー性のほか水蒸気バリヤー性、酸
素バリヤー性、耐薬品性および耐衝撃性などが要求され
る。一般にポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオ
レフィンは、水蒸気バリヤー性、耐衝撃性および耐熱性
などに優れた特性を有しているが、酸素バリヤー性、耐
薬品性およびケミカルバリヤー性が十分ではないので、
ポリオレフィン単独では、食品包装用フィルムや薬品、
農薬用容器に要求される性能を十分に満たすことは難し
い。このため、異なる性能を有する樹脂層を積層し、そ
れぞれの層の特性を組み合せた積層体が利用されてい
る。
【0003】ポリアクリロニトリル系樹脂は酸素バリヤ
ー性、耐薬品性およびケミカルバリヤー性などに優れた
樹脂として知られており、これらの特性に優れた積層体
を得る際の樹脂原料として利用することが考えられる
が、他の樹脂との接着性が十分ではなく、接着強度の改
善が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、接着
性に優れた接着性樹脂組成物、特にポリアクリロニトリ
ル系樹脂に対する接着性に優れた接着性樹脂組成物を提
供することである。本発明の他の課題は、ポリアクリロ
ニトリル系樹脂が上記接着性樹脂組成物により接着され
て他の樹脂と積層された積層体であって、接着強度の大
きい積層体を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は次の接着性樹脂
組成物および積層体である。 (1)(A)スチレンまたはその誘導体の含有量が10
重量%以上のスチレン系エラストマー20〜80重量
%、および(B)密度0.900g/cm3以下のエチ
レン系エラストマー80〜20重量%を含む接着性樹脂
組成物。 (2)スチレン系エラストマー(A)のメルトフローレ
ート(MFR:230℃、荷重2.16kg)が0.0
5〜30g/10分である上記(1)記載の接着性樹脂
組成物。 (3)エチレン系エラストマー(B)のメルトフローレ
ート(MFR:190℃、荷重2.16kg)が0.0
1〜100g/10分である上記(1)または(2)記
載の接着性樹脂組成物。 (4)スチレン系エラストマー(A)およびエチレン系
エラストマー(B)の合計100重量部に対して、粘着
付与樹脂(C)5〜20重量部を含む上記(1)ないし
(3)のいずれかに記載の接着性樹脂組成物。 (5)上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の接着
性樹脂組成物からなる接着性樹脂組成物層を介して、ポ
リアクリロニトリル系樹脂層が積層された積層体。 (6)上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の接着
性樹脂組成物からなる接着性樹脂組成物層を介して、ポ
リアクリロニトリル系樹脂層とポリオレフィン層とが積
層された積層体。
【0006】本発明で用いるスチレン系エラストマー
(A)は、スチレンまたはその誘導体の含有量が10重
量%以上、好ましくは10〜70重量%の弾性重合体で
ある。上記スチレンの誘導体としては、α−メチルスチ
レン、p−メチルスチレン、クロロスチレン、低級アル
キル置換スチレン、ビニルナフタレンなどがあげられ
る。スチレンまたはその誘導体と共重合するモノマーと
しては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共
役ジエンなどがあげられる。スチレンまたはその誘導
体、および共役ジエンは1種単独で、または2種以上組
み合せて用いることができる。スチレン系エラストマー
(A)としては、230℃、荷重2.16kgで測定し
たメルトフローレート(MFR)が0.05〜30g/
10分、好ましくは0.1〜20g/10分であるもの
が望ましい。
【0007】スチレン系エラストマー(A)の具体的な
ものとしては、スチレン・エチレン・ブテン・スチレン
ブロック共重合体(SEBS)、スチレン・エチレン・
プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)、
スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(S
BS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重
合体(SIS)、スチレン・エチレン・プロピレンブロ
ック共重合体(SEP)等のスチレン系ブロック共重合
体;スチレン・ブタジエンランダム共重合体(SB
R)、スチレン・イソプレンランダム共重合体、これら
の水素添加物;スチレンまたはその誘導体の単独重合体
または共重合体などがあげられる。これらの中ではスチ
レン系ブロック共重合体が好ましい。
【0008】スチレン系エラストマー(A)として用い
るスチレン系ブロック共重合体はスチレンまたはその誘
導体の含有量が10〜80重量%、好ましくは10〜7
0重量%であるのが望ましい。スチレン系ブロック共重
合体におけるスチレンブロックとジエンブロックとの結
合形態は特に限定されないが、スチレンブロック・ジエ
ンブロックまたはスチレンブロック・[ジエンブロック
・スチレンブロック]n(ここで、nは1〜5)の形態
が好ましい。
【0009】スチレン系ブロック共重合体は、例えば不
活性溶媒中で、リチウム触媒またはチーグラー触媒の存
在下に、ブロック共重合を行わせる方法により製造する
ことができる。詳細な製造方法は、例えば特公昭40−
23798号に記載されている。
【0010】スチレン系ブロック共重合体は水素添加さ
れているものが好ましいが、水素添加されていなくても
よい。水素添加されるのはジエンブロックであるが、そ
の割合は全ジエンブロック中の90モル%以上、好まし
くは97モル%以上であるのが望ましい。水素添加処理
は、不活性溶媒中で公知の水素添加触媒の存在下に行う
ことができる。詳細な方法は、例えば特公昭42−87
04号、同43−6636号、同46−20814号な
どに記載されている。
【0011】共役ジエンモノマーとしてブタジエンが用
いられる場合、ポリブタジエンブロックにおける1,2
−結合量の割合は20〜80重量%、好ましくは30〜
60重量%であることが望ましい。
【0012】スチレン系ブロック共重合体としては、市
販品を使用することもできる。具体的なものとしては、
セプトン〔クラレ(株)製、商標〕、クレイトンG〔シ
ェル化学(株)製、商標〕、タフテック〔旭化成(株)
製、商標〕などがあげられる。スチレン系エラストマー
(A)は1種単独で使用することもできるし、2種以上
を組み合せて使用することもできる。
【0013】本発明で用いるエチレン系エラストマー
(B)は、エチレンと炭素数3〜20、好ましくは3〜
16のα−オレフィンとの共重合体であり、密度が0.
900g/cm3以下、好ましくは0.860〜0.9
00g/cm3、より好ましくは0.860〜0.89
0g/cm3の弾性重合体である。エチレン系エラスト
マー(B)は、190℃、荷重2.16kgで測定した
MFRが0.01〜100g/10分、好ましくは0.
05〜50g/10分、より好ましくは0.1〜20g
/10分であることが望ましい。またX線回折法によっ
て測定した結晶化度が30%未満または非晶質であるこ
とが望ましい。
【0014】炭素数3〜20のα−オレフィンとして
は、たとえばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、
1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテ
ン、1−デセンおよびこれらの混合物をあげることがで
きる。これらの中では炭素数3〜10のα−オレフィン
が好ましい。
【0015】エチレン系エラストマー(B)は、その特
性を損なわない範囲内で、ジエン化合物から誘導される
成分単位等のα−オレフィン単位以外の成分単位を含ん
でいてもよい。このような成分単位としては、1,4−
ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−
1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジ
エン、7−メチル−1,6−オクタジエンのような鎖状
非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジ
エン、メチルテトラヒドロインデン、5−ビニルノルボ
ルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチ
レン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−
ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル
−2−ノルボルネンのような環状非共役ジエン;2,3
−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリ
デン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−
プロペニル−2,2−ノルボルナジエン等のジエン化合
物から誘導される成分単位をあげることができる。この
ようなジエン成分は、単独であるいは組み合せて用いる
ことができる。ジエン成分の含有量は通常10モル%以
下、好ましくは0〜5モル%、より好ましくは0〜3モ
ル%である。
【0016】エチレン系エラストマー(B)の具体的な
ものとしては、エチレンから誘導される成分単位が30
〜95モル%、好ましくは50〜92モル%、より好ま
しくは60〜90モル%、炭素数3〜20のα−オレフ
ィンから誘導される成分単位が5〜70モル%、好まし
くは10〜50モル%、より好ましくは20〜40モル
%、ジエン成分から誘導される成分単位が0〜10モル
%、好ましくは0〜5モル%、より好ましくは0〜3モ
ル%からなる共重合体などをあげることができる。
【0017】このようなエチレン系エラストマー(B)
は、Ti系、V系、Zr系などの触媒を用いて、公知の
方法で製造することができる。エチレン系エラストマー
(B)は1種単独で使用することもできるし、2種以上
を組み合せて使用することもできる。
【0018】本発明の接着性樹脂組成物には前記スチレ
ン系エラストマー(A)およびエチレン系エラストマー
(B)に加えて、粘着付与樹脂(C)を配合することが
できる。粘着付与樹脂(C)を配合することにより、接
着性をさらに向上させることができる。
【0019】粘着付与樹脂(C)としては、従来より粘
着付与樹脂として粘着テープ、塗料およびホットメルト
接着剤などの分野に用いられている公知の粘着付与樹脂
が使用できる。具体的なものとしては、石油、ナフサ等
の分解によって得られるC4留分、C5留分、これらの混
合物またはこれらの任意の留分、例えばC5留分中のイ
ソプレンおよび1、3−ペンタジエン等を主原料とする
脂肪族系炭化水素樹脂;石油、ナフサ等の分解によって
得られるC9留分中のスチレン誘導体およびインデン類
を主原料とする芳香族系炭化水素樹脂;C4留分、C5
分の任意の留分とC9留分を共重合した脂肪族・芳香族
共重合炭化水素樹脂;上記芳香族系炭化水素樹脂を水素
添加した脂環族系炭化水素樹脂;脂肪族、脂環族および
芳香族を含む構造をもつ合成テルペン系炭化水素樹脂;
テレピン油中のα,β−ピネンを原料とするテルペン系
炭化水素樹脂;コールタール系ナフサ中のインデンおよ
びスチレン類を原料とするクマロンインデン系炭化水素
樹脂;低分子量スチレン系樹脂およびロジン系炭化水素
樹脂などをあげることができる。これらの中では、脂肪
族系炭化水素樹脂が好ましい。粘着付与樹脂(C)は1
種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せ
て使用することもできる。
【0020】本発明の接着性樹脂組成物における各成分
の含有量は、スチレン系エラストマー(A)20〜80
重量%、エチレン系エラストマー(B)80〜20重量
%であり、粘着付与樹脂(C)を配合しない場合は、ス
チレン系エラストマー(A)が好ましくは20〜70重
量%、さらに好ましくは20〜65重量%、エチレン系
エラストマー(B)が好ましくは80〜30重量%、さ
らに好ましくは80〜35重量%である。粘着付与樹脂
(C)を配合する場合は、スチレン系エラストマー
(A)が好ましくは20〜60重量%、エチレン系エラ
ストマー(B)が好ましくは80〜40重量%である。
【0021】粘着付与樹脂(C)の配合量はスチレン系
エラストマー(A)およびエチレン系エラストマー
(B)の合計100重量部に対して5〜20重量部、好
ましくは5〜15重量部とするのが望ましい。
【0022】(A)〜(C)成分の配合量が上記範囲に
ある場合、接着性、特にポリアクリロニトリル系樹脂に
対する接着性に優れ、ポリアクリロニトリル系樹脂を大
きい接着強度で接着することができる接着性樹脂組成物
が得られる。
【0023】上記ポリアクリロニトリル系樹脂はアクリ
ロニトリルから導かれる構造単位を主成分とする樹脂で
あり、アクリロニトリル単独重合体、アクリロニトリル
とビニルモノマーとの共重合体などがあげられる。具体
的なものとしては、アクリロニトリル・スチレン共重合
体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリロ
ニトリル・酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル・ア
クリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル・アクリ
ルアミド共重合体、アクリロニトリル・塩化ビニル共重
合体などがあげられる。ポリアクリロニトリル系樹脂と
しては市販品を使用することもできる。具体的なものと
しては、三井化学(株)Barex(商標)などがあげ
られる。このようなポリアクリロニトリル系樹脂は酸素
バリヤー性、ケミカルバリヤー性および耐薬品性などに
優れている。
【0024】本発明の接着性樹脂組成物には、(A)お
よび(B)成分、または(A)〜(C)成分に加えて、
他の樹脂、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、顔
料、染料、発錆防止剤等などの添加剤を本発明の目的を
損わない範囲で配合することもできる。上記他の樹脂と
しては、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などがあげら
れる。
【0025】本発明の接着性樹脂組成物を得るには、
(A)および(B)成分、または(A)〜(C)成分、
ならびに必要により配合する添加剤を、公知の方法、例
えばヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレ
ンダー、タンブラブレンダー等で混合する方法、あるい
は混合後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバ
リーミキサー等で溶融混練後、造粒または粉砕する方法
などを採用することができる。
【0026】本発明の積層体は、前記接着性樹脂組成物
からなる接着性樹脂組成物層を介して、前記ポリアクリ
ロニトリル系樹脂からなるポリアクリロニトリル系樹脂
層が積層された積層体である。接着性樹脂組成物層を介
してポリアクリロニトリル系樹脂層と積層される層は特
に限定されず、ポリアクリロニトリル系樹脂層と積層す
ることにより所望する性能が得られる樹脂が任意に選択
できる。具体的には、ポリエチレン層、高密度ポリエチ
レン層、ポリプロピレン層などのポリオレフィン層;ポ
リスチレン層、ABS樹脂層、ポリエステル樹脂層、塩
化ビニル樹脂層などがあげられる(以下、これらを第3
の樹脂層という場合がある。またこの第3の樹脂層を形
成する樹脂を第3の樹脂という場合がある)。これらの
中ではポリオレフィン層が好ましい。
【0027】本発明の積層体としては、第3の樹脂層/
接着性樹脂組成物層/ポリアクリロニトリル系樹脂層の
3層構造;第3の樹脂層/接着性樹脂組成物層/ポリア
クリロニトリル系樹脂層/接着性樹脂組成物層/第3の
樹脂層、ポリアクリロニトリル系樹脂層/接着性樹脂組
成物層/第3の樹脂層/接着性樹脂組成物層/ポリアク
リロニトリル系樹脂層等の5層構造の積層体が好ましい
が、これらに限定されない。上記第3の樹脂層としては
ポリオレフィン層が好ましい。
【0028】本発明の積層体の各層の厚さは積層体の態
様により異なり、規定されるものではないが、通常接着
性樹脂組成物層の厚さは積層体全体の厚さに対して1〜
30%、好ましくは3〜20%を占る厚さであり、ポリ
アクリロニトリル系樹脂層の厚さは積層体全体の厚さに
対して1〜30%、好ましくは3〜20%を占る厚さで
あり、第3の樹脂層の厚さは積層体全体の厚さに対して
98〜40%、好ましくは94〜60%を占る厚さであ
るのが望ましい。層が複数ある場合、上記厚さは合計の
厚さである。
【0029】本発明の積層体は共押出成形法、サンドイ
ッチラミネート法などの公知の成形法により容易に積
層、製造することができるが、共押出成形法が好まし
い。例えば、3層構造の積層体は、接着性樹脂組成物、
ポリアクリロニトリル系樹脂、およびポリオレフィン等
の第3の樹脂をそれぞれ別々の押出機で溶融した後、3
層構造のダイに供給して共押出成形する方法などにより
製造することができる。共押出成形法としてはフラット
・ダイを用いるT−ダイ法とサーキュラー・ダイを用い
るインフレーション法とがあるが、いずれの方法も採用
することができる。フラット・ダイはブラック・ボック
スを使用したシングル・マニフォールド形式またはマル
チ・マニフォールド形式のいずれを用いても良い。イン
フレーション法に用いるダイについてもいずれも公知の
ダイを用いることができる。
【0030】本発明の積層体はポリアクリロニトリル系
樹脂層が積層されているため、酸素バリヤー性、ケミカ
ルバリヤー性および耐薬品性などに優れている。またこ
のポリアクリロニトリル系樹脂層は接着性樹脂組成物層
を介して積層されているため、接着強度が大きい。この
ため本発明の積層体は、食品包装用フィルム、薬品用容
器、農薬用容器、その他の容器などに好適に使用するこ
とができる。
【0031】
【発明の効果】本発明の接着性樹脂組成物は、特定のス
チレン系エラストマーおよび特定のエチレン系エラスト
マーを特定量含有しているので、接着性、特にポリアク
リロニトリル系樹脂に対する接着性に優れている。また
上記組成物にさらに粘着付与樹脂を特定量配合すること
により、さらに接着性を向上させることができる。本発
明の積層体は、上記組成物からなる接着性樹脂組成物層
を介して、ポリアクリロニトリル系樹脂層が積層されて
いるので、第3の樹脂層との接着強度が高く、しかもポ
リアクリロニトリル系樹脂に由来する酸素バリヤー性、
ケミカルバリヤー性および耐薬品性などの特性が発揮さ
れる。
【0032】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施例について説明
する。各実施例および比較例では下記のものを使用し
た。 (A−1)セプトン2043:スチレン・エチレン・プ
ロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)、ス
チレン含有量=13重量%、エチレン・プロピレンブロ
ック含有量=87重量%、230℃、荷重2.16kg
で測定したメルトフローレート(MFR)=4g/10
分、(株)クラレ製、商標
【0033】(A−2)タフテックH1041:スチレ
ン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体(S
EBS)、スチレン含有量=30重量%、エチレン・ブ
テンブロック含有量=70重量%、230℃、荷重2.
16kgで測定したMFR=4g/10分、旭化成工業
(株)製、商標
【0034】(B−1)エチレン・ブテン−1共重合体
(EBR) 重合触媒=バナジウム系触媒、エチレン含有量=89モ
ル%、密度=0.885g/cm3、230℃、2.1
6kg荷重で測定したMFR=6.7g/10分
【0035】(B−2)エチレン・プロピレン共重合体
(EPR) 重合触媒=バナジウム系触媒、エチレン含有量=81モ
ル%、密度=0.87g/cm3、230℃、2.16
kg荷重で測定したMFR=1.8g/10分
【0036】(C−1)アルコンP−125:粘着付与
樹脂;水素添加炭化水素樹脂、軟化点125℃、荒川化
学工業(株)、商標
【0037】(D−1)HDPE:エチレン単独重合
体、密度=0.965g/cm3、190℃、2.16
kg荷重で測定したMFR=1.8g/10分
【0038】積層用のポリアクリロニトリル系樹脂:三
井化学(株)Barex(商標)、ASTM D123
8の方法に準じて200℃、12.5kg荷重で測定し
たMFR=3g/10分
【0039】積層用の高密度ポリエチレン:三井化学
(株)ハイゼックス(商標)、ASTM D1238の
方法に準じて190℃、2.16kg荷重で測定したM
FR=0.35g/10分、密度=0.958g/cm
3
【0040】実施例1 表1に示す組成で接着性樹脂組成物を調製した。この組
成物、上記積層用のポリアクリロニトリル系樹脂および
高密度ポリエチレンを、3種5層共押出シート成形機を
用いて下記条件で共押出し、下記構成の3種5層積層体
を製造した。
【0041】高密度ポリエチレンの押出温度:220℃ 接着性樹脂組成物の押出温度:220℃ ポリアクリロニトリル系樹脂の押出温度:200℃ 押出速度:1m/min 層構成:高密度ポリエチレン層/接着性樹脂組成物層/
ポリアクリロニトリル系樹脂層/接着性樹脂組成物層/
高密度ポリエチレン層=350(μm)/50(μm)
/50(μm)/50(μm)/350(μm)
【0042】上記積層体から15mm幅でサンプルを切
り出し、接着性樹脂組成物層のポリアクリロニトリル系
樹脂層に対する接着力をT−剥離法により、温度23
℃、剥離速度300mm/minの条件で測定した。結
果を表1に示す。
【0043】実施例2〜4、比較例1〜3 接着性樹脂組成物として表1または表2に示す組成物を
用いた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1ま
たは表2に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C09J 123/04 125:00 201:00)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)スチレンまたはその誘導体の含有
    量が10重量%以上のスチレン系エラストマー20〜8
    0重量%、および(B)密度0.900g/cm3以下
    のエチレン系エラストマー80〜20重量%を含む接着
    性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 スチレン系エラストマー(A)のメルト
    フローレート(MFR:230℃、荷重2.16kg)
    が0.05〜30g/10分である請求項1記載の接着
    性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 エチレン系エラストマー(B)のメルト
    フローレート(MFR:190℃、荷重2.16kg)
    が0.01〜100g/10分である請求項1または2
    記載の接着性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 スチレン系エラストマー(A)およびエ
    チレン系エラストマー(B)の合計100重量部に対し
    て、粘着付与樹脂(C)5〜20重量部を含む請求項1
    ないし3のいずれかに記載の接着性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の接
    着性樹脂組成物からなる接着性樹脂組成物層を介して、
    ポリアクリロニトリル系樹脂層が積層された積層体。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれかに記載の接
    着性樹脂組成物からなる接着性樹脂組成物層を介して、
    ポリアクリロニトリル系樹脂層とポリオレフィン層とが
    積層された積層体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4799793B2 (ja) * 2000-01-31 2011-10-26 アドバンスド エラストマー システムズ,エル.ピー. 改良された接着特性を有する熱可塑性エラストマー
JP2019172961A (ja) * 2018-03-29 2019-10-10 藤森工業株式会社 接着性樹脂組成物、フッ素系樹脂接着用フィルム、積層体、及び積層体の製造方法

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