JPH11349429A - 化粧品基剤 - Google Patents

化粧品基剤

Info

Publication number
JPH11349429A
JPH11349429A JP17660198A JP17660198A JPH11349429A JP H11349429 A JPH11349429 A JP H11349429A JP 17660198 A JP17660198 A JP 17660198A JP 17660198 A JP17660198 A JP 17660198A JP H11349429 A JPH11349429 A JP H11349429A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polypropylene glycol
catalyst
cosmetic base
polyoxyethylenated
odor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP17660198A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3242880B2 (ja
Inventor
Masahiro Matsuoka
正弘 松岡
Mitsumasa Nakayama
光正 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority to JP17660198A priority Critical patent/JP3242880B2/ja
Publication of JPH11349429A publication Critical patent/JPH11349429A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3242880B2 publication Critical patent/JP3242880B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造時および長期保管時において臭気発生の
無いポリオキシエチレン化されたポリプロピレングリコ
ール系の化粧品基剤を提供する。 【解決手段】 プロペニルエーテル基含有量が0.00
1ミリ当量/g以下であるポリオキシエチレン化された
ポリプロピレングリコール(A)からなることを特徴と
する化粧品基剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリオキシエチレン
化されたポリプロピレングリコールからなる、乳化剤、
保湿剤などに用いられる化粧品基剤に関する。さらに詳
しくは、製造時および長期保管時後の臭気発生の無い化
粧品基剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピ
レンブロック共重合物は乳化剤、分散剤、消泡剤等の界
面活性剤として種々の産業分野で用いられている。特に
ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共
重合物は、優れた安全性や乳化性、保湿性等から化粧品
の基剤として用いられている。しかしながらポリオキシ
エチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合物の多
くは、特異な臭気を有しており、またこの臭気は、製造
後時間の経過とともに特に強くなるため、その改良が求
められていた。
【0003】従来、抗酸化剤や光劣化防止剤等の安定剤
を添加することによる、製造時および長期保管時におけ
る臭気の発生を抑制する方法が知られている。しかし化
粧品基剤に用いる本発明のポリオキシエチレン−ポリオ
キシプロピレンブロック共重合物については安定剤の種
類、添加量が制限されており、また制限内では有効な効
果が期待できない。また特公昭52−3300号公報に
は、二酸化炭素で中和し中和塩を除去する方法が記載さ
れている。しかしこの方法で生成する中和塩は非常に粒
子径が小さく、除去の為に、多大な労力と時間を必要と
する。特公昭56−5414号公報には、水蒸気または
窒素ガスを用いて脱臭する方法が記載されている。しか
しこの方法では一時的には臭気の低減が達成されたとし
ても、長期保管時における臭気低減効果は低い。特開昭
56−104936号公報には、ポリエーテルを酸性条
件下で処理を行ってプロペニルエーテル基を分解させた
後、脱アルデヒドを行う方法が、また、特開昭56−5
4720号公報には、ポリエーテルを五酸化リンを用い
て酸性条件で処理した後、中和する方法が記載されてい
る。しかしいずれの方法を用いても、経時的な臭気の発
生を押さえるには不十分であった。特公平3−4145
4号公報にはアルキレンオキサイド付加物に乳酸および
/または乳酸塩を含有させる方法が記載されている。こ
の方法は従来の酢酸等を含有させる方法に比べ、経時的
な臭気の発生を抑制する効果があるが、やはりまだ不十
分である。特開平5−294880号公報には、反応触
媒として脂肪酸金属塩を用いる方法が記載されている。
しかしこの方法の触媒は従来のアルカリ金属水酸化物触
媒等に比べ、触媒活性が低いため、本発明のポリオキシ
エチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合物につ
いてこの方法を実施する場合、反応に多大な時間を要す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べたごとく、
抗酸化剤や光劣化防止剤等の安定剤を用いることなく、
製造時および長期保管時において臭気発生の無いポリオ
キシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合物
を製造するのは困難であり、ポリオキシエチレン−ポリ
オキシプロピレンブロック共重合物を化粧品基剤に用い
るには、香料を用いてマスキングする必要があったり、
化粧品への配合量が制限を受けたりしている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、抗酸化剤
や光劣化防止剤等の安定剤を用いることなく、製造時お
よび長期保管時において臭気が無く、そのため香料を用
いてマスキングしたり、配合量に制限を設ける必要のな
い基剤を鋭意研究した結果、不飽和エーテル基としての
プロペニルエーテル基の含有量が低いポリオキシエチレ
ン−ポリオキシプロピレンブロック共重合物からなる化
粧品基剤がこの課題を解決するものであることを見出し
本発明を完成した。すなわち本発明は、ポリオキシエチ
レン化されたポリプロピレングリコール(A)からな
り、この(A)中のプロペニルエーテル基含有量が、
0.001ミリ当量/g以下であることを特徴とする化
粧品基剤である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のポリオキシエチレン化さ
れたポリプロピレングリコール(A)からなる化粧品基
剤において、ポリプロピレングリコール部分の数平均分
子量は1000をこえた値であり、好ましくは1500
〜4500である。ポリプロピレングリコール部分の数
平均分子量が1000未満では、ポリプロピレングリコ
ール部分の疎水基としての作用が小さく、乳化性能が低
い。ポリオキシエチレン化されたポリプロピレングリコ
ール(A)中のポリオキシエチレンの割合は、10〜9
0重量%である。ポリオキシエチレンの割合が10重量
%未満または90重量%を越えるとポリプロピレングリ
コール(A)は乳化性能が低い。
【0007】本発明のポリプロピレングリコール(A)
からなる化粧品基剤はポリプロピレングリコールにエチ
レンオキサイドを付加重合して得る。ポリプロピレング
リコールは触媒存在下、グリコール化合物にプロピレン
オキサイドを付加重合して得る。グリコール化合物とし
てはプロピレングリコール、ジプロピレングリコールま
たはこれらのプロピレンオキサイド付加物等が用いられ
る。触媒として用いるカリウム系触媒、セシウム系触媒
の例としては、カリウムおよびセシウムの水酸化物、酸
化物、アルコラート、水素化物、金属等があげられる。
またこれらの水溶液、溶剤希釈品も使用可能である。こ
れらのうち、好ましくは水酸化カリウムおよび水酸化セ
シウムである。触媒の使用量は、通常、付加重合して得
られるポリプロピレングリコールに対し0.01〜5重
量%、好ましくは0.03〜3重量%である。触媒の使
用量が0.01重量%未満では反応に要する時間が長く
なる。また触媒の使用量が5重量%をこえると触媒の除
去が困難であり、また触媒を中和する場合は多くの中和
塩が系中に存在することになり好ましくない。触媒存在
下、グリコール化合物にプロピレンオキサイドを付加重
合してポリプロピレングリコール(A)を得るに際し、
反応温度は60〜90℃であり、好ましくは70〜80
℃である。反応温度が60℃未満では反応に要する時間
が長くなり、また90℃を越える温度では、アリルエー
テル基が生成し易く、またそのアリルエーテル基がプロ
ペニルエーテル基に転位し易いため、本発明の末端ポリ
オキシエチレン化ポリオキシプロピレングリコール
(A)中のプロペニルエーテル基含有量が、0.001
ミリ当量/g以下である化粧品基剤を得ることが困難で
ある。
【0008】触媒存在下、グリコール化合物にプロピレ
ンオキサイドを付加重合して得たポリプロピレングリコ
ールは、そのまま引き続きエチレンオキサイドを付加重
合させても良いし、触媒の除去や中和を行ったり、付加
重合の際に副生する不純物の除去、精製を行った後に、
エチレンオキサイドを付加重合させても良い。
【0009】触媒を除去、精製する方法は、濾過助剤お
よび/または吸着剤で濾過する公知の方法がある。また
触媒を中和する方法は、酢酸や乳酸等のカルボン酸、塩
酸や硫酸等の鉱酸、炭酸、リン酸、パラトルエンスルホ
ン酸等の酸で中和する方法がある。触媒を中和して生成
する塩は濾過等により除去しても良い。触媒存在下、グ
リコール化合物にプロピレンオキサイドを付加重合して
得たポリプロピレングリコール中の不純物の除去、精製
の方法には、減圧下でストリッピングする方法がある。
この方法は不純物が低揮発性の化合物である場合には特
に有効である。ストリッピングするに際し、窒素等の不
活性ガスや水蒸気を導入したり、低沸点溶剤や水を加え
て行っても良い。また還元剤を作用させる方法も良い。
この方法は不純物がアルデヒドやカルボキシル化合物、
過酸化物、エステル等の酸素含有基である場合に特に有
効である。還元剤としてはナトリウムボロンハイドライ
ドやリチウムアルミニウムハイドライド、水素等が用い
られる。酸の存在下に水を作用させる方法もある。この
方法は不純物がプロペニルエーテル基含有化合物である
場合に有効である。また不純物がアリルエーテル基含有
化合物である場合には水素を作用させる方法や、熱を加
えてプロペニルエーテルに転移した後、酸存在下に水を
作用させる方法もある。
【0010】ポリプロピレングリコールにさらにエチレ
ンオキサイドを付加重合させて本発明のポリプロピレン
グリコール(A)を得る方法は触媒存在下に行う。触媒
は前述したカリウム系触媒およびセシウム系触媒と同様
のものが使用できる。これらのうち、好ましくはカリウ
ムおよびセシウムの水酸化物である。触媒の使用量は、
通常、付加重合して得られるポリプロピレングリコール
(A)に対して0.005〜5重量%、好ましくは0.
01〜0.5重量%である。触媒の使用量が0.005
重量%未満では反応時間が長くなり、また5重量%以上
では触媒除去が困難であり、また触媒を中和する場合は
多くの中和塩が系中に存在することになり好ましくな
い。触媒存在下、本発明の末端ポリオキシエチレン化ポ
リプロピレングリコール(A)を得るには、その反応温
度は通常60〜120℃、好ましくは70〜110℃で
ある。反応温度が60℃未満では反応時間が長くなり、
また120℃を越える温度では、既に生成していたアリ
ルエーテル基がプロペニルエーテル基に転位し易いた
め、本発明の末端ポリオキシエチレン化ポリオキシプロ
ピレングリコール(A)中のプロペニルエーテル基含有
量が、0.001ミリ当量/g以下である化粧品基剤を
得ることが困難である。
【0011】このようにして得られた、ポリプロピレン
グリコール(A)は、通常、触媒の除去や中和を行って
保管する。触媒の除去の方法は、濾過助剤および/また
は吸着剤で濾過することで行うことが出来る。また触媒
の中和の方法は、触媒が塩基性化合物の場合には酢酸や
乳酸等のカルボン酸、塩酸や硫酸等の鉱酸、炭酸、リン
酸、パラトルエンスルホン酸等の酸で中和する方法があ
る。触媒の除去や中和を行うにあたって、その温度は通
常120℃未満であり、好ましくは、100℃未満であ
り、最も好ましくは60〜100℃である。温度が12
0をこえる場合では、本発明の製造時および長期保管時
において臭気が無いことを特徴とする化粧品基剤を得る
ことが困難である。
【0012】以上に述べたごとくして得られたポリプロ
ピレングリコール(A)が本発明の目的である、製造時
および長期保管時において、臭気発生の無い化粧品基剤
として機能するには、ポリプロピレングリコール(A)
中のプロペニルエーテル基含有量が0.001ミリ当量
/g以下であることが必要であり、好ましくは0.00
05ミリ当量/g以下である。
【0013】ポリプロピレングリコール(A)中のプロ
ペニルエーテル基含有量(当量)は公知の方法に従って
定量することができる。すなわち、先ず2,4ジニトロ
フェニルヒドラジン(試薬特級、約50%水混合品)約
0.5gを100ミリリットルのガラス瓶に取り、3モ
ル/リットル塩酸水溶液を約20ミリリットル加え、
2,4ジニトロフェニルヒドラジン−塩酸水溶液(イ)
を作成する。次に試料2gを20ミリリットルメスフラ
スコに精秤し、メタノール約10ミリリットルを加えて
溶解した後、2,4ジニトロフェニルヒドラジン−塩酸
水溶液(イ)を約1ミリリットル、さらにメタノールを
加えて正確に20ミリリットルとする。その後メスフラ
スコを50〜55℃の湯浴中に30分置いた後、室温ま
で冷却する。高速液クロマトグラフィーにODS系のカ
ラムをセットし、移動相(容量比でアセトニリル/水=
50/50)を毎分流速1ミリリットルで流す。高速液
クロマトグラフィーを用いてプロピオンアルデヒドと
2,4ジニトロフェニルヒドラジンの反応物を分離し、
反応物のピーク面積を求める。プロピオンアルデヒドの
標準濃度液を用いて作成した濃度−ピーク面積の関係式
から、プロピオンアルデヒドの当量を求めることが出来
る。試料中のプロペニルエーテル基含有量(当量)は本
測定法によって求められたプロピオンアルデヒドの当量
に相当するのでプロピオンアルデヒドの当量がプロペニ
ルエーテル基当量である。
【0014】本発明の化粧品基剤の用途としては、化粧
品として用いられているすべての分野で用いることが出
来る。すなわち化粧石鹸、洗顔料、シャンプー、リンス
等の専ら洗い流す用法で使用される清浄用化粧品;染毛
料、頭髪化粧品等の専ら毛髪、または頭皮に使用される
頭髪化粧品;クリーム、オーデコロン、ローション、化
粧油、パック、ひげ剃り用クリーム等の皮膚を健やかに
保つ等の目的で使用される基礎化粧品;おしろい、ファ
ンデーション、ほお紅、アイシャドウ等のメークアップ
化粧品;香水等の着香の目的で使用される芳香化粧品;
日焼けまたは日焼け止めクリーム等のような専ら日焼け
または日焼け止めの目的で使用される日焼け・日焼け止
め化粧品;爪クリームのような専ら爪の保護やメークア
ップ効果又はその除去の目的で使用される爪化粧品;ア
イライナーのような専らメークアップ効果の目的でまつ
毛のはえ際に沿って使用されるアイライナー化粧品;入
浴剤のような、身体の清掃等の目的で浴槽に投入され又
はこれに類する用法で使用される入浴用化粧品等があげ
られる。特に本発明の化粧品基剤は、臭気が良好である
ことに加え、口に含んだ際の苦みや刺激味も無いことか
ら、歯磨き、マウスオッシュのような、専ら口腔内の清
浄、口臭の予防等の目的で使用される口腔化粧品;口紅
等の専ら唇の保護、メークアップ効果等の目的で使用さ
れる唇化粧品に用いた場合に特に優れた効果を発揮す
る。
【0015】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0016】実施例1 内容積2リットルのオートクレーブに、数平均分子量4
00のポリプロピレングリコール400部、水酸化カリ
ウム1.7部を加え密閉とした。容器内気相部を窒素で
置換した後、120℃を保ったまま減圧下ストリッピン
グを行い、水分を0.1重量%以下とした。容器内温度
を80℃に保ったままプロピレンオキサイド1300部
を、200kPa(ゲージ圧)以下で導入し、反応させ
て数平均分子量1700のポリプロピレングリコール
(ア)を得た。内容積2リットルのオートクレーブに、
ポリプロピレングリコール(ア)300部を加え密閉と
した。オートクレーブ内気相部を窒素で置換した後、オ
ートクレーブ内温度を100℃に保ったままエチレンオ
キサイド1200部を、300kPa(ゲージ圧)以下
で導入し、反応させた。容器内容物をリン酸を用いてp
Hを7.5とすることで数平均分子量が約8500であ
る本発明のポリオキシエチレン化されたポリプロピレン
グリコール(I)を得た。
【0017】実施例2 内容積2リットルのオートクレーブに、数平均分子量4
00のポリプロピレングリコール250部、水酸化カリ
ウム1.7部を加え密閉とした。容器内気相部を窒素で
置換した後、120℃を保ったまま減圧下ストリッピン
グを行い、水分を0.1重量%以下とした。容器内温度
を80℃に保ったままプロピレンオキサイド1250部
を、200kPa(ゲージ圧)以下で導入し、反応させ
て数平均分子量2400のポリプロピレングリコール
(イ)を得た。ポリプロピレングリコール(ア)に代え
てこのポリプロピレングリコール(イ)を用いたことを
除き、実施例1と同様にエチレンオキサイドを反応さ
せ、リン酸を用いて中和し、pHを7.6にすること
で、数平均分子量が約12000である本発明のポリオ
キシエチレン化されたポリプロピレングリコール(I
I)を得た。
【0018】実施例3 水酸化カリウム1.7部に代え、50重量%水酸化セシ
ウム6.0部を用いたことを除き、実施例2と同様にプ
ロピレンオキサイドを反応させてポリプロピレングリコ
ールを得た。次いで容器内に水30部およびキョーワー
ド600(協和化学工業株式会社製)30部を加え、8
0℃に保ったまま、30分撹拌した後、キョーワード6
00をラヂオライト800を用いて濾過除去し、さらに
減圧下で容器内の水分をストリッピングすることで、数
平均分子量2400のポリプロピレングリコール(ウ)
を得た。ポリプロピレングリコール(ア)に代えてこの
ポリプロピレングリコール(ウ)および水酸化カリウム
0.5部を用いたことを除き、実施例2と同様にエチレ
ンオキサイドを反応させ、リン酸でpHを7.5にする
ことで、数平均分子量が約12000である本発明のポ
リオキシエチレン化されたポリプロピレングリコール
(III)を得た。
【0019】比較例1 プロピレンオキサイドを導入する温度を80℃に代え1
30℃としたことを除いて実施例1と同様にプロピレン
オキサイドを導入し、数平均分子量が約1700である
ポリプロピレングリコール(エ)を得、次いでポリプロ
ピレングリコール(ア)に代えポリプロピレングリコー
ル(エ)を用いたことを除いて、実施例1と同様な条件
でエチレンオキサイドを導入反応し、リン酸でpHを
7.5にすることで、数平均分子量が約8500である
比較のためのポリオキシエチレン化されたポリプロピレ
ングリコール(IV)を得た。
【0020】比較例2 従来技術の項で紹介した特公昭53−28079号公報
に記載の実施例に準じてポリオキシエチレン化されたポ
リプロピレングリコールを合成した。プロピレンオキサ
イドを導入する温度を80℃に代え120℃としたこ
と、および水酸化カリウム1.7部を用いたことに代え
てソジウムメチラート8.5部を用いたことを除いて実
施例1と同様に、数平均分子量が約2400であるポリ
プロピレングリコール(オ)を得、次いでポリプロピレ
ングリコール(ア)300部を用いたことに代えポリプ
ロピレングリコール(オ)900部を用いたこと、およ
びエチレンオキサイドを1200部用いたことに代え6
00部を用いたことを除いて、実施例1と同様な条件で
エチレンオキサイドを導入し反応させて、粗ポリオキシ
エチレン化されたポリプロピレングリコール(カ)を得
た。粗ポリオキシエチレン化されたポリプロピレングリ
コール(カ)を2リットルの反応容器に採り、リン酸を
用いてPHを7.0とした。次いで105℃の容器内温
度および5kPa以下の容器内圧力を保持しながら水蒸
気を導入することで水蒸気蒸留を行った。3時間水蒸気
蒸留を行った後、容器内温度を120℃に保持し、5k
Pa以下の圧力で容器内の水分をストリッピングし、数
平均分子量が約8000である比較のためのポリオキシ
エチレン化されたポリプロピレングリコール(V)を得
た。
【0021】比較例3 従来技術の項で紹介した特開昭56−104936号公
報に記載の実施例に準じてポリオキシエチレン化された
ポリプロピレングリコールを合成した。比較例2で得ら
れた粗ポリオキシエチレン化されたポリプロピレングリ
コール(カ)1000部を2リットルの反応容器に採
り、5重量%の硫酸水溶液20部を加え、pHを2.8
とし、80℃で30分間処理をした。次いでキョーワー
ド600(合成珪酸マグネシウム、協和化学工業製)を
10部加え、1時間処理した。さらに120℃の容器内
温度および5kPa以下の圧力を保持したまま容器内に
窒素を導入し、3時間脱アルデヒドを行った。そして8
0℃に冷却した後ラヂオライト800(昭和化学工業株
式会社製)を用いて無機固形分を除去することで、数平
均分子量が約4000である、比較のためのポリオキシ
エチレン化されたポリプロピレングリコール(VI)を
得た。
【0022】比較例4 比較例2で得られた粗ポリオキシエチレン化されたポリ
プロピレングリコール(カ)を、従来技術の項で紹介し
た特公平3−41454号公報に記載の実施例に準じ
て、乳酸を用いてPHを6.5とすることで数平均分子
量が約4000である比較のためのポリオキシエチレン
化されたポリプロピレングリコール(VII)を得た。
【0023】比較例5 プロピレンオキサイドを導入する温度を80℃に代え1
15℃としたことを除いて実施例1と同様にプロピレン
オキサイドを導入し、数平均分子量が約1700である
ポリプロピレングリコール(エ)を得、次いでポリプロ
ピレングリコール(ア)に代えポリプロピレングリコー
ル(エ)を用いたこと、およびエチレンオキサイドを導
入する温度を100℃を150℃としたことを除き、実
施例1と同様な条件でエチレンオキサイドを導入反応
し、リン酸でpHを7.5にすることで、数平均分子量
が約8500である比較のためのポリオキシエチレン化
されたポリプロピレングリコール(VIII)を得た。
【0024】<性能評価>実施例1〜3および比較例1
〜5で得られたポリオキシエチレン化されたポリプロピ
レングリコール(I)〜(VIII)について、不飽和
エーテル基含有量の測定および、製造直後と、30℃で
3ヶ月保管時の試料について臭気の官能試験を行った。
その結果を表1に示す。なお、臭気の官能試験は18歳
以上50歳未満の男女計10人を対象に行った。試験
は、ポリオキシエチレン化されたポリプロピレングリコ
ール5gを無臭の清浄なガラス瓶に採った後密栓し、室
温で5回振とうした後に開栓し、官能試験により評価し
た。その結果を、臭気を強く感じる=1点、若干臭気を
感じる=3点、臭気を感じない=5点で評価し、平均点が
4以上を良、4未満を不良とした。
【0025】
【表1】
【0026】本発明の反応温度条件より高い温度でプロ
ピレンオキサイドの付加反応が行われた比較のための試
料(IV)〜(VIII)は、プロペニルエーテル基の
含有量が高く、3ヶ月保管した試料の臭気試験は不良で
あった。また特公昭53−28079号公報に記載され
ていた方法により行われた試料(V)は、製造直後の臭
気は良好であったが3ヶ月保管時の臭気の発生を押さえ
るにはまだ不十分であった。そして、特開昭56−10
4936号公報に記載されていた方法により行われた試
料(VI)は、プロペニルエーテル基含有量が1以下の
ものが得られず、3ヶ月保管時の臭気の発生を押さえる
には不十分であった。
【0027】
【発明の効果】本発明の化粧品基剤は特に臭気が良好な
ことから、化粧品に用いられる各種用途に用いることが
出来る。またポリウレタン樹脂、ブレーキ液、潤滑油等
に用いることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】従来、抗酸化剤や光劣化防止剤等の安定剤
を添加することによる、製造時および長期保管時におけ
る臭気の発生を抑制する方法が知られている。しかし化
粧品基剤に用いるポリオキシエチレン−ポリオキシプロ
ピレンブロック共重合物については安定剤の種類、添加
量が制限されており、また制限内では有効な効果が期待
できない。また特公昭52−3300号公報には、二酸
化炭素で中和し中和塩を除去する方法が記載されてい
る。しかしこの方法で生成する中和塩は非常に粒子径が
小さく、除去の為に、多大な労力と時間を必要とする。
特公昭56−5414号公報には、水蒸気または窒素ガ
スを用いて脱臭する方法が記載されている。しかしこの
方法では一時的には臭気の低減が達成されたとしても、
長期保管時における臭気低減効果は低い。特開昭56−
104936号公報には、ポリエーテルを酸性条件下で
処理を行ってプロペニルエーテル基を分解させた後、脱
アルデヒドを行う方法が、また、特開昭56−5472
0号公報には、ポリエーテルを五酸化リンを用いて酸性
条件で処理した後、中和する方法が記載されている。し
かしいずれの方法を用いても、経時的な臭気の発生を押
さえるには不十分であった。特公平3−41454号公
報にはアルキレンオキサイド付加物に乳酸および/また
は乳酸塩を含有させる方法が記載されている。この方法
は従来の酢酸等を含有させる方法に比べ、経時的な臭気
の発生を抑制する効果があるが、やはりまだ不十分であ
る。特開平5−294880号公報には、反応触媒とし
て脂肪酸金属塩を用いる方法が記載されている。しかし
この方法の触媒は従来のアルカリ金属水酸化物触媒等に
比べ、触媒活性が低いため、本発明のポリオキシエチレ
ン−ポリオキシプロピレンブロック共重合物についてこ
の方法を実施する場合、反応に多大な時間を要する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】比較例2 従来技術の項で紹介した特公昭56−5414号公報に
記載の実施例に準じてポリオキシエチレン化されたポリ
プロピレングリコールを合成した。プロピレンオキサイ
ドを導入する温度を80℃に代え120℃としたこと、
および水酸化カリウム1.7部を用いたことに代えてソ
ジウムメチラート8.5部を用いたことを除いて実施例
1と同様に、数平均分子量が約2400であるポリプロ
ピレングリコール(オ)を得、次いでポリプロピレング
リコール(ア)300部を用いたことに代えポリプロピ
レングリコール(オ)900部を用いたこと、およびエ
チレンオキサイドを1200部用いたことに代え600
部を用いたことを除いて、実施例1と同様な条件でエチ
レンオキサイドを導入し反応させて、粗ポリオキシエチ
レン化されたポリプロピレングリコール(カ)を得た。
粗ポリオキシエチレン化されたポリプロピレングリコー
ル(カ)を2リットルの反応容器に採り、リン酸を用い
てPHを7.0とした。次いで105℃の容器内温度お
よび5kPa以下の容器内圧力を保持しながら水蒸気を
導入することで水蒸気蒸留を行った。3時間水蒸気蒸留
を行った後、容器内温度を120℃に保持し、5kPa
以下の圧力で容器内の水分をストリッピングし、数平均
分子量が約8000である比較のためのポリオキシエチ
レン化されたポリプロピレングリコール(V)を得た。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】本発明の反応温度条件より高い温度でプロ
ピレンオキサイドの付加反応が行われた比較のための試
料(IV)〜(VIII)は、プロペニルエーテル基の
含有量が高く、3ヶ月保管した試料の臭気試験は不良で
あった。また特公昭56−5414号公報に記載されて
いた方法により行われた試料(V)は、製造直後の臭気
は良好であったが3ヶ月保管時の臭気の発生を押さえる
にはまだ不十分であった。そして、特開昭56−104
936号公報に記載されていた方法により行われた試料
(VI)は、プロペニルエーテル基含有量が1以下のも
のが得られず、3ヶ月保管時の臭気の発生を押さえるに
は不十分であった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロペニルエーテル基含有量が0.00
    1ミリ当量/g以下であるポリオキシエチレン化された
    ポリプロピレングリコール(A)からなることを特徴と
    する化粧品基剤。
  2. 【請求項2】 ポリオキシエチレン化されたポリプロピ
    レングリコール(A)が、カリウム系および/またはセ
    シウム系触媒の存在下に、60〜80℃の温度でプロピ
    レンオキサイドをグリコール化合物に付加反応させて得
    られたポリプロピレングリコールのエチレンオキサイド
    付加物であることを特徴とする請求項1記載の化粧品基
    剤。
JP17660198A 1998-06-08 1998-06-08 化粧品基剤 Expired - Fee Related JP3242880B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17660198A JP3242880B2 (ja) 1998-06-08 1998-06-08 化粧品基剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17660198A JP3242880B2 (ja) 1998-06-08 1998-06-08 化粧品基剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11349429A true JPH11349429A (ja) 1999-12-21
JP3242880B2 JP3242880B2 (ja) 2001-12-25

Family

ID=16016430

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17660198A Expired - Fee Related JP3242880B2 (ja) 1998-06-08 1998-06-08 化粧品基剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3242880B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3242880B2 (ja) 2001-12-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4177002B2 (ja) 香料組成物
US4791097A (en) Benzoic acid esters and their use
US8304575B2 (en) Process for production of ether carboxylates
FR2641185A1 (fr) Composition de rasage pour la peau a base de polyorganosiloxanes a fonction acyloxyalkyle et procede de mise en oeuvre
IE921084A1 (en) Compositions having a physiological cooling effect, and active compounds suitable for these compositions
US4766153A (en) Alkyl polyoxyalkylene carboxylate esters and skin care compositions containing the same
JP3608844B2 (ja) 高粘度液体洗浄剤組成物
JP3524223B2 (ja) ポリオキシプロピレン脂肪酸イソプロパノールアミド混合物を含有する増粘された洗浄剤組成物
JP4760489B2 (ja) 化粧料用基剤およびそれを配合してなる化粧料
JPH0354082B2 (ja)
JPH09165315A (ja) 精製されたポリエーテル変性ポリシロキサン組成物を含有する皮膚化粧料
US6635775B1 (en) Reduced odor esters and process for producing same
JP3242880B2 (ja) 化粧品基剤
JP4432127B2 (ja) オリゴアルキルオキシラン誘導体および保湿剤の製造方法
JP2011016774A (ja) 化粧料又は洗浄剤用組成物
WO2013100075A1 (ja) 界面活性剤組成物
EP2070512B1 (en) Methyl cyclohexane carboxylates and their use in perfume compositons
JP4337173B2 (ja) オリゴアルキルオキシラン誘導体の製造方法
JP2002068928A (ja) 化粧料および基礎化粧品
CN112770719A (zh) 含甘油醚的组合物的制造方法以及含甘油醚的组合物
JP2008502612A (ja) 化粧品スプレー
JP4304828B2 (ja) 流動イソパラフィン化合物およびその製造方法ならびに用途
JPH07304627A (ja) 化粧料
JP2003096192A (ja) 高純度ポリオキシアルキレン変性ポリシロキサン及びその製造法
JP3365939B2 (ja) 含フッ素エーテル化合物

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees