JPH11348199A - 紫外線吸収性複合フィルム - Google Patents

紫外線吸収性複合フィルム

Info

Publication number
JPH11348199A
JPH11348199A JP10162107A JP16210798A JPH11348199A JP H11348199 A JPH11348199 A JP H11348199A JP 10162107 A JP10162107 A JP 10162107A JP 16210798 A JP16210798 A JP 16210798A JP H11348199 A JPH11348199 A JP H11348199A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
ultraviolet
hydrogen atom
absorbing
composite film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10162107A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3920460B2 (ja
Inventor
Takahiro Aoyama
孝浩 青山
Nobuhisa Noda
信久 野田
Toshibumi Nishida
俊文 西田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP16210798A priority Critical patent/JP3920460B2/ja
Publication of JPH11348199A publication Critical patent/JPH11348199A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3920460B2 publication Critical patent/JP3920460B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Epoxy Resins (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた紫外線吸収能を有すると共に、プラス
チックフィルムとの密着性に優れ、長期耐候性を備えた
フィルムを提供すること。 【解決手段】 片面又は両面を易接着処理したプラスチ
ックフィルムの処理面上に、特定構造の紫外線吸収性単
量体をラジカル重合してなる紫外線吸収性重合体を含有
し、かつ硬化された紫外線吸収性重合体層を有すること
を特徴とする紫外線吸収性複合フィルムを開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線吸収能を有
し、かつ長期耐候性に優れた紫外線吸収性複合フィルム
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紫外線を遮断して内部を保護するため
に、農業用グリーンハウスなどの屋外で使用するフィル
ム、建物や自動車の窓などに貼着するフィルムとして紫
外線吸収性フィルムがこれまでから使用されている。か
かる紫外線吸収性フィルムそのものの耐候性を向上させ
る手段として、これまで種々の技術が提案されている。
例えば特公平4−2101号公報には、フィルム用樹脂
に紫外線吸収剤を練り込んだフィルム、特開平9−25
4345号公報には、紫外線吸収性モノマーを共重合し
たアクリル樹脂を使用したフィルム、特開平7−214
732号公報には、プラスチックフィルム表面に紫外線
吸収型アクリル系樹脂及びカチオン系ポリマーを主成分
とした被覆層を設けた複合フィルムがそれぞれ提案され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フィル
ム用樹脂に紫外線吸収剤を練り込んだフィルムでは、紫
外線吸収剤が溶出したり、ブリードアウトするといった
問題や耐候性が不十分であるといった問題がある。また
紫外線吸収モノマーを共重合したアクリル樹脂を使用し
たフィルムやプラスチックフィルム表面に紫外線吸収型
アクリル系樹脂及びカチオン系ポリマーを主成分とした
被覆層を設けた複合フィルムでは、プラスチックフィル
ムとの密着性に劣り、長期間使用すると層間で劣化を起
こす。
【0004】本発明は、このような問題を解決するため
になされたものであって、優れた紫外線吸収能を有する
と共に、プラスチックフィルムとの密着性に優れ、長期
耐候性を備えたフィルムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、片面又
は両面を易接着処理したプラスチックフィルムの処理面
上に、下記一般式(1)及び(2)で表される紫外線吸
収性単量体から選ばれる少なくとも一種を含む単量体組
成物をラジカル重合してなる紫外線吸収性重合体を含有
し、かつ硬化された紫外線吸収性重合体層を有すること
を特徴とする紫外線吸収性複合フィルムが提供される。
【0006】
【化6】
【0007】(式中、R1 は水素原子または炭素数1〜
8の炭化水素基を表し、R2 は低級アルキレン基を表
し、R3 は水素原子またはメチル基を表し、Xは水素原
子、ハロゲン、炭素数1〜8の炭化水素基、低級アルコ
キシ基、シアノ基またはニトロ基を表す。)
【0008】
【化7】
【0009】(式中、R4 は低級アルキレン基を表し、
5 は水素原子またはメチル基を表す。)
【0010】当該重合体は下記一般式(3)、(4)及
び(5)で表される単量体から選ばれる少なくとも一種
をさらに含む単量体組成物をラジカル重合したものであ
ることが好ましい。
【0011】
【化8】
【0012】(式中、R6 は水素原子またはシアノ基を
表し、R7 、R8 はそれぞれ独立して水素原子またはメ
チル基を表し、R9 は水素原子または炭化水素基を表
し、Yは酸素原子またはイミノ基を表す。)
【0013】
【化9】
【0014】(式中、R6 は水素原子またはシアノ基を
表し、R7 、R8 、R7'、R8'はそれぞれ独立して水素
原子またはメチル基を表し、Yは酸素原子またはイミノ
基を表す。)
【0015】
【化10】
【0016】(式中、R10は水素原子またはメチル基を
表し、Zは炭素数が4以上の炭化水素基を表す。)
【0017】また紫外線吸収性複合フィルムは、紫外線
吸収性重合体が硬化性官能基を有し、紫外線吸収性重合
体層が硬化剤を含むものであることがよい。
【0018】このとき硬化性官能基は活性水素を有する
基であることが好ましい。また硬化剤は、イソシアネー
ト化合物、エポキシ樹脂又はアミノプラスト樹脂である
ことが好ましい。
【0019】プラスチックフィルムの厚さは、1〜1,
000ミクロンであり、易接着処理面の表面ぬれ指数
は、36dyn/cm以上であることが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の紫外線吸収性複合フィル
ムは、片面又は両面を易接着処理したプラスチックフィ
ルムの処理面上に紫外線吸収性重合体層を有することが
大きな特徴の一つである。易接着処理した面上に紫外線
吸収性重合体層を形成するので、プラスチックフィルム
と当該重合体層の密着がより強くなり、プラスチックフ
ィルムと当該重合体層の間での剥がれや劣化が生じな
い。またプラスチックフィルム上に紫外線吸収性重合体
層を形成しているので、紫外線吸収性重合体のみからな
るフィルムに比べ、引っ張り及び折り曲げ強度が強くな
る。
【0021】本発明で使用するプラスチックフィルムと
しては、公知のプラスチックフィルムであればいずれも
使用することができる。例えば、ポリエチレンフィル
ム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィル
ム;ポリスチレンフィルム;ポリエチレンテレフタレー
ト等のポリエステルフィルム;ポリカーボネートフィル
ム;トリアセチルセルロースフィルム;セロハンテープ
フィルム;フッ素フィルム;ポリアミドフィルム;ポリ
イミドフィルム;ポリフェニレンスルフィドフィルム;
ポリエーテルイミドフィルム;ポリエーテルスルフィド
フィルム;ポリスルホンフィルム;ポリアクリロニトリ
ルフィルム;ポリ酢酸ビニルフィルム;ポリエーテルエ
ーテルケトン等の単体又は複合体が挙げられる。フィル
ムとしての機械的、熱的物性面から、ポリエステルフィ
ルム、ポリオレフィンフィルム、ポリフェニレンスルフ
ィドフィルム、フッ素フィルムの単体又は複合体が好ま
しい。
【0022】また、かかるプラスチックフィルムには、
必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲におい
て、公知の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、
例えば耐熱安定剤、耐酸化安定剤、顔料、染料、無機・
有機微粉末、分散剤、カップリング剤、充填剤等が挙げ
られる。
【0023】さらに、プラスチックフィルムは、未配
向、一軸配向、二軸配向のいずれでも使用することがで
きるが、機械的強度が要求される場合には配向フィルム
が好ましい。
【0024】プラスチックの厚みに特に限定はないが、
1〜1,000ミクロンの範囲が好ましい。また、プラ
スチックフィルムの光学的特性等についても特に限定は
なく、本発明の紫外線吸収性複合フィルムの用途に応じ
て、所望のものを使用すればよい。
【0025】本発明の紫外線吸収性複合フィルムでは、
上記プラスチックフィルムの片面又は両面を易接着処理
する。本発明における易接着処理とは、コロナ放電処
理、プラズマ処理、アルカリ金属溶液処理、高周波スパ
ッタエッチング処理等の表面処理及びポリエステル、ポ
リ(メタ)アクリル酸エステル、ポリウレタン、ハロゲ
ン化ポリオレフィン等又はこれらの混合物もしくは反応
物による下塗り処理を言う。かかる易接着処理の強度に
特に限定はないが、密着性の点からJIS−K−676
8に基づく表面ぬれ指数が36dyn/cm以上である
ことが望ましい。
【0026】本発明における紫外線吸収性重合体は、一
般式(1)及び(2)で表される紫外線吸収性単量体か
ら選ばれる少なくとも一種を含む単量体組成物をラジカ
ル重合してなる重合体であり、単量体組成物が一般式
(3)、(4)、(5)で表される単量体をさらに含ん
でいてもよい。
【0027】本発明における前記一般式(1)で表され
る紫外線吸収性単量体は、式中、R 1 は水素原子または
炭素数1〜8の炭化水素基で構成され、R2 は低級アル
キレン基で構成され、R3 は水素原子またはメチル基で
構成され、Xは水素、ハロゲン、炭素数1〜8の炭化水
素基、低級アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基で構
成されるベンゾトリアゾール類である。
【0028】上記式中、R1 で表される置換基として
は、例えば水素原子、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ter
t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基などの鎖式炭化水素基;シクロプロピル基、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル
基、シクロオクチル基などの脂環式炭化水素基;フェニ
ル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、フェネチル
基などの芳香族炭化水素基であり、R2 で表される置換
基は、具体的には炭素数1〜6のアルキレン基であっ
て、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラ
メチレン基などの直鎖状アルキレン基及びプロピレン
基、2−メチルトリメチレン基、2−メチルテトラメチ
レン基などの分枝鎖状アルキレン基であり、Xで表され
る置換基は、水素;フッソ、塩素、シュウ素、ヨウ素な
どのハロゲン;メチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基などの鎖式炭化水素基:シクロプロピル基、シクロペ
ンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シク
ロオクチル基などの脂環式炭化水素基:フェニル基、ト
リル基、キシリル基、ベンジル基、フェネチル基などの
芳香族炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキ
シ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘプトキシ基など炭
素数1〜6の低級アルコキシ基;シアノ基;ニトロ基で
ある。
【0029】前記一般式(1)で表される紫外線吸収性
単量体としては、例えば2−[2'−ヒドロキシ−5'
−(メタクリロイルオキシメチル)フェニル]−2H−
ベンゾトリアゾール、2−[2' −ヒドロキシ−5' −
(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベ
ンゾトリアゾール、2−[2' −ヒドロキシ−5' −
(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]−2H−
ベンゾトリアゾール、2−[2' −ヒドロキシ−5' −
(メタクリロイルオキシヘキシル)フェニル]−2H−
ベンゾトリアゾール、2−[2' −ヒドロキシ−3' −
tert−ブチル−5' −(メタクリロイルオキシエチ
ル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−
[2' −ヒドロキシ−5' −tert−ブチル−3' −
(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベ
ンゾトリアゾール、2−[2' −ヒドロキシ−5' −
(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−クロ
ロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2' −ヒドロキ
シ−5' −(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]
−5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール、2−
[2' −ヒドロキシ−5' −(メタクリロイルオキシエ
チル)フェニル]−5−シアノ−2H−ベンゾトリアゾ
ール、2−[2' −ヒドロキシ−5' −(メタクリロイ
ルオキシエチル)フェニル]−5−tert−ブチル−
2H−ベンゾトリアゾール、2−[2' −ヒドロキシ−
5' −(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5
−ニトロ−2H−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる
が、特にこれらに限定されるものではない。一般式
(1)で表されるこれら紫外線吸収性単量体は一種類の
みを用いてもよく、また二種類以上を適宜混合して用い
てもよい。
【0030】また前記一般式(2)で表される紫外線吸
収性単量体は、式中、R4 で表される置換基は低級アル
キレン基で構成され、R5 で表される水素原子またはメ
チル基で構成されるベンゾトリアゾール類である。
【0031】上記式中、R4 で表される置換基は、具体
的には炭素数2または3のアルキレン基であって、エチ
レン基、トリメチレン基、プロピレン基などを挙げるこ
とができる。
【0032】前記一般式(2)で表される紫外線吸収性
単量体としては、例えば、2−〔2' ヒドロキシ−5'
−(β−メタクリロイルオキシエトキシ)−3' −te
rt−ブチルフェニル〕−4−tert−ブチル−2H
−ベンゾトリアゾールが挙げられるが、特にこれに限定
されるものではない。一般式(2)で表されるこれら紫
外線吸収性単量体は一種類のみを用いてもよく、また二
種類以上を適宜混合してもよい。
【0033】本発明で使用する一般式(3)、(4)の
紫外線安定性単量体において、式中、R6 で示される置
換基は水素原子またはシアノ基で構成され、R7 、R
8 、R 7'、R8'で示される置換基はそれぞれ独立して水
素原子またはメチル基で構成され、R9 で示される置換
基が水素原子または炭化水素基で構成され、Yで示され
る置換基が酸素原子またはイミノ基で構成されるピペリ
ジン類である。
【0034】上記R9 で示される置換基としては、具体
的には水素原子、炭素数1〜18の炭化水素基であっ
て、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニ
ル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシ
ル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル
基、ヘプタデシル基、オクタデシル基など鎖式炭化水素
基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの脂
環式炭化水素基;フェニル基、トリル基、キシリル基、
ベンジル基、フェネチル基などの芳香族炭化水素基など
が非限定的に例示される。
【0035】前記一般式(3)で表される紫外線安定性
単量体としては、例えば4−(メタ)アクリロイルオキ
シ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−
(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−
1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−
(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペ
ンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アク
リロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられ、
これらの一種のみを用いてもよく、また二種以上を適宜
混合して用いてもよい。もちろん一般式(3)の紫外線
安定性単量体はこれら化合物に限定されるものではな
い。
【0036】前記一般式(4)で表される紫外線安定性
単量体としては、例えば1−(メタ)アクリロイル−4
−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−
シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−
4−クロトイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジンなどが挙げられ、これら一種のみを用いても
よく、また二種以上を適宜混合して用いてもよい。なお
一般式(4)の紫外線安定性単量体はこれらに限定され
るものではない。
【0037】本発明に係る一般式(5)に表される不飽
和単量体は、式中、R10で示される置換基が水素原子ま
たはメチル基で構成され、Zで示される置換基が炭素数
4以上の炭化水素基で構成される不飽和単量体である。
【0038】上記式中、Zで表される置換基はシクロヘ
キシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロドデシル基
などの炭素数4以上の脂環式炭化水素基;ブチル基、イ
ソブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウ
ンデシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシ
ル基など炭素数4以上の直鎖または分枝鎖のアルキル
基;ボルニル基、イソボルニル基などの炭素数4以上の
多環式炭化水素基であり、中でも脂環式炭化水素基、分
枝鎖のアルキル基、炭素数6以上の直鎖アルキル基が好
ましい。
【0039】本発明に係る一般式(5)に表される不飽
和単量体として、例えばシクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、
シクロドデシル(メタ)アクリレート、tert−ブチ
ルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソブチル
(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アク
リレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニ
ル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどが
挙げられ、これらの一種または二種以上が使用できる。
【0040】また上記単量体以外のその他の共重合可能
な不飽和単量体は、紫外線吸収性単量体が繰り返し単位
の一部として含まれる重合体に要求される各種物性を損
なわないものであればいずれも使用することができる。
具体的には、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコ
ン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基
含有不飽和単量体;2−(メタ)アクリロイルオキシエ
チルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイル
オキシプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)ア
クリロイルオキシ−3−クロロプロピルアシッドホスフ
ェート、2−メタクリロイルオキシエチルフェニルリン
酸等の酸性リン酸エステル系不飽和単量体;ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メ
タ)アクリレート(例えば、ダイセル化学工業株式会社
製;商品名「プラクセルFM」)、フタル酸とプロピレ
ングリコールとから得られるポリエステルジオールのモ
ノ(メタ)アクリレート等の活性水素を有する基を含有
する不飽和単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、イソプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)ア
クリル酸低級アルキルエステル;グリシジル(メタ)ア
クリレート等のエポキシ基含有不飽和単量体;(メタ)
アクリルアミド、ウレイドエチルアクリレート、ウレイ
ドエチルビニルエーテル、メタクリロイルジシアンアミ
ド、N,N' −ジメチルアミノチル(メタ)アクリレー
ト、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の含窒素不
飽和単量体;β−ビニルオキシエチルメタクリレート、
2−ブチン−1−オールアクリレート等の2個の重合性
二重結合を有する不飽和単量体;塩化ビニル、塩化ビニ
リデン等のハロゲン含有不飽和単量体;スチレン、α−
メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族不飽和単量
体;酢酸ビニル等のビニルエステル;ビニルエーテルな
どが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではな
い。その他単量体は必要に応じて一種類のみを用いても
よく、また二種以上を用いてもよい。
【0041】なお、後述する紫外線吸収性重合体層の硬
化処理において、紫外線吸収性重合体が単独で硬化する
場合には、上記その他単量体として、エポキシ基やイソ
シアネート基を有する不飽和単量体を含むか、エポキシ
基、イソシアネート基、重合性二重結合を持つ化合物
を、紫外線共重合体を重合した後にこれらの官能基が残
るように付加する必要がある。一方、架橋剤によって架
橋硬化する場合には、エポキシ基やカルボキシル基、活
性水素を有する基等の硬化性官能基を有する不飽和単量
体を含んでいる必要がある。これらの中でも活性水素を
有する基が硬化性官能基として好ましい。
【0042】一般式(1)、(2)で表される紫外線吸
収性単量体の使用量は、特に限定されないが、紫外線吸
収性重合体に対して0.1〜99wt%とすることが望
まれる。より好ましい範囲について述べると、下限側と
して好ましくは1wt%、さらに好ましくは5wt%で
ある。他方上限側として好ましくは60wt%、さらに
好ましくは50wt%である。0.1wt%よりも少な
いと得られる紫外線吸収性重合体の紫外線遮断能力が不
十分となり、99wt%よりも多いと紫外線吸収性重合
体の他の樹脂との相溶性が悪くなることがある。
【0043】また、紫外線吸収性重合体層中の紫外線吸
収性単量体の使用量は、特に限定されないが、紫外線吸
収性重合体層の層厚との関係において、膜厚(μm)と
紫外線吸収性重合体層100gに対する紫外線吸収性単
量体の使用量(g)との積が1〜5,000の範囲にあ
るのがよい。より好ましい範囲について述べると、下限
側として好ましくは10、さらに好ましくは100であ
る。他方上限側として好ましくは2,500、さらに好
ましくは1,500である。上記積が1より小さいと紫
外線遮断能力が不足するおそれがあり、5,000より
大きいと紫外線吸収性重合体層の膜厚が厚くなりすぎた
り、紫外線吸収性単量体の量が多くなりすぎフィルム自
体の伸びが低下するおそれがある。
【0044】一般式(3)、(4)で表される紫外線安
定性単量体の使用量は、特に限定されるものではない
が、紫外線吸収性重合体に対して1〜99.9wt%と
することが望まれる。より好ましい範囲について述べる
と、下限側として好ましくは5wt%、さらに好ましく
は10wt%である。他方上限側として好ましくは80
wt%、さらに好ましくは50wt%である。紫外線安
定性単量体の合計使用量が1wt%よりも少ないと、紫
外線吸収性重合体層の耐久性が悪くなることがあり、9
9.9wt%よりも多いと、紫外線吸収性重合体中の紫
外線吸収性単量体の含有量が少なくなりすぎ、得られる
紫外線吸収性重合体層の紫外線遮断能力が不十分となる
ことがある。
【0045】一般式(5)で表される不飽和単量体の使
用量は、特に限定されるものではないが、紫外線吸収性
重合体に対して1〜99.9wt%とすることが望まれ
る。より好ましい範囲について述べると、下限側として
好ましくは5wt%、さらに好ましくは10wt%であ
る。他方上限側として好ましくは80wt%、さらに好
ましくは50wt%である。1wt%よりも少ないと、
得られる紫外線吸収性重合体の他の樹脂との相溶性が悪
くなることがあり、99.9wt%よりも多いと、紫外
線吸収性重合体中の紫外線吸収性単量体の含有量が少な
くなりすぎ、得られる紫外線吸収性重合体層の紫外線遮
断能力が不十分となることがある。
【0046】上記単量体の混合方法は、特に限定される
ものではなく、従来公知の混合方法が採用され得る。
【0047】また単量体組成物を共重合させる際の重合
方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の重合
方法が採用され得る。例えば、溶液重合、分散重合、懸
濁重合、乳化重合等の重合方法が使用できる。溶液重合
法を用いて単量体組成物を重合させる場合に用いること
ができる溶媒としては、トルエン、キシレン、その他高
沸点の芳香族系溶媒;酢酸ブチル、酢酸エチル、セロソ
ルブアセテート等のエステル系溶媒;アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶
媒;ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。もちろん
使用し得る溶媒がこれら溶媒に限定されるものではな
い。これら溶媒は一種のみを使用してもよいし、二種以
上を混合して使用してもよい。なお、溶媒の使用量は生
成物の濃度などを考慮し適宜定めればよい。
【0048】また単量体組成物を共重合させる際には重
合開始剤を用いる。重合開始剤としては、たとえば2,
2' −アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)、te
rt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、
2,2' −アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパ
ーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド等
の通常のラジカル重合開始剤が挙げられる。重合開始剤
の使用量は、要求される重合体の特性値などから適宜決
定されるべきものであり、特に限定はない。
【0049】反応温度は、特に限定されるものではない
が、室温〜200℃の範囲が好ましく、40〜140℃
がより好ましい。なお反応時間は、用いる単量体組成物
の組成や重合開始剤の種類などに応じて、重合反応が完
結するように適宜設定すればよい。
【0050】紫外線吸収性重合体の重量平均分子量(M
w)は、特に限定されないが、2,000〜500,0
00が好ましく、より好ましくは4,000〜300,
000であり、さらに好ましくは5,000〜200,
000である。なお重量平均分子量は、ポリスチレン標
準GPCで測定した値である。
【0051】次に紫外線吸収性重合体層の形成について
説明する。生成された紫外線吸収性重合体を、必要によ
り他の重合体と混合して紫外線吸収性重合体層組成物と
し、プラスチックフィルム上に塗布する。当該組成物の
プラスチックフィルムへの塗布は、浸漬、吹き付け、刷
毛塗り、カーテンフローコータ、グラビアコート、ロー
ルコート、スピンコート、バーコート、静電塗装などの
方法により行うことができる。その後に塗布した紫外線
吸収性重合体層を加熱したり、紫外線や電子線を照射し
て硬化させて最終成形物を得る。
【0052】ここで、生成された紫外線吸収性重合体が
単独で硬化できない重合体の場合には、硬化剤を添加す
る必要がある。かかる硬化剤は、紫外線吸収性重合体に
存在する硬化性官能基、例えば水酸基やアミノ基、カル
ボキシル基又はその無水物、エポキシ基、アミド基等と
架橋硬化反応する官能基を1分子当たり2個以上含む化
合物又はポリマーであって、紫外線吸収性重合体に存在
する官能基の種類に応じて選択・使用される。例えば、
紫外線吸収性重合体に存在する官能基がカルボキシル基
又はその無水物である場合には、ポリイソシアネート化
合物又はその変性物、アミノプラスト樹脂、エポキシ樹
脂等の架橋硬化剤、当該官能基がエポキシ基である場合
には、アミンやカルボン酸、アミド、N−メチロールア
ルキルエーテル等を含む化合物からなる架橋硬化剤、当
該官能基が水酸基やアミノ基である場合には、ポリイソ
シアネート化合物又はその変性物、エポキシ樹脂、アミ
ノプラスト樹脂等の架橋硬化剤を挙げることができる。
これら硬化剤の中でも、活性水素を有する基との組み合
わせにおいて、イソシアネート化合物、エポキシ樹脂、
アミノプラスト樹脂が好ましい。
【0053】これら架橋硬化剤は単独又は2種以上併用
してもよい。架橋硬化剤の使用量は、架橋硬化剤の種類
等によって適宜決定されるものであるが、一般的には紫
外線吸収性重合体100重量部に対して0.01〜50
重量部の範囲が好ましい。また架橋反応を促進させるた
めに架橋触媒を添加してもよい。かかる架橋触媒として
は例えば、塩類や無機物質、有機物質、酸物質、アルカ
リ物質等が挙げられる。
【0054】また、紫外線吸収性重合体と混合される上
記他の重合体としては、熱可塑性重合体又は単独あるい
は架橋剤によって架橋硬化する熱硬化性重合体を使用す
ることができる。本発明の紫外線吸収性複合フィルムの
用途・要求される特性によって、当該重合体の種類・使
用量を適宜決定すればよい。当該重合体としては、例え
ばポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹
脂、シリコン樹脂等の熱可塑性重合体;ウレタン樹脂、
アミノプラスト樹脂、シリコン樹脂等の単独硬化する熱
硬化性重合体;ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等の硬
化剤によって硬化する熱硬化性重合体を挙げることがで
きる。
【0055】紫外線吸収性重合体層はその他に種々の添
加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、塗料な
どの層形成用組成物に一般に使用されるレベリング剤;
黄鉛、モリブデートオレンジ、紺青、カドミウム系顔
料、チタン白、複合酸化物顔料、透明酸化鉄、カーボン
ブラック、環式高級顔料、溶性アゾ顔料、銅フタロシア
ニン顔料、染付顔料、顔料中間体などの顔料;顔料分散
剤;抗酸化剤;粘性改質剤;耐光安定剤;金属不活性化
剤;過酸化物分解剤;充填剤;補強剤;可塑剤;潤滑
剤;防食剤;防錆剤;蛍光性増白剤;有機・無機防炎
剤;滴下防止剤;溶融流改質剤;静電防止剤などが挙げ
られる。
【0056】紫外線吸収性重合体層が、加熱によって硬
化される場合、硬化温度は架橋性官能基の種類や使用す
る硬化剤の種類によって異なるが、例えば室温〜250
℃の温度で硬化するのか好ましい。
【0057】紫外線照射によって硬化される場合、その
硬化方法は、使用する光重合開始剤、紫外線を発生させ
る光源の種類、光源と塗布面との距離などの条件によっ
ても異なってくるが、例えば波長1,000〜8,00
0オングストロームの紫外線を通常数秒間、長くとも数
十秒間照射する方法を挙げることができる。
【0058】電子線照射によって硬化される場合には、
たとえば通常50〜1000kev、好ましくは100
〜300kevの加速電圧で、吸収線が1〜20Mra
d程度となるように電子線を照射する方法を挙げること
ができる。電子線照射は大気中で行ってもよいが、窒素
などの不活性ガス中で行うのが好ましい。
【0059】また紫外線照射又は電子線照射後、必要に
応じて加熱を行い、硬化を一層進行させてもよい。
【0060】紫外線吸収性重合体層の厚さは、1〜20
0ミクロンが好ましく、より好ましくは2〜100ミク
ロン、さらに好ましくは2〜50ミクロンである。厚さ
が200ミクロンより厚いと、塗工速度が遅くなり、ま
たプラスチックフィルム本来の性能が低下することがあ
る。他方厚さが1ミクロンより薄いと、プラスチックフ
ィルム上への均一塗工が困難となり、また紫外線吸収能
が不十分となることがある。
【0061】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。なお特に断りのない限り、実施
例および比較例に記載された「部」は重量部を、「%」
は「重量%」を示すものとする。
【0062】(紫外線吸収性重合体の合成) (合成例1)攪拌機、滴下口、温度計、冷却管および窒
素ガス導入口を備えた500ミリリットルのフラスコに
溶媒としての酢酸ブチル100部、滴下槽には2−[
2' −ヒドロキシ−5' −(メタクリロイルオキシエチ
ル)フェニル] −2H−ベンゾトリアゾール10部、ブ
チルアクリレート30部、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート10部、メチルメタクリレート30部、ブチル
メタクリレート20部、開始剤としてt−ブチルパーオ
キシ−2−エチルヘキサノエート4部とを仕込む。滴下
槽中の混合物の40wt%をまずフラスコに加え、窒素
ガスを導入し、撹拌しながら徐々に昇温して120℃ま
で加熱した。昇温後、滴下槽中の残りの混合物を4時間
かけて滴下し、滴下後さらに2時間加熱して紫外線吸収
性重合体の50%溶液を得た。なお、この重合体の数平
均分子量は5,700であった。この紫外線吸収性重合
体を重合体1とする。表1に単量体組成物の種類と配合
量、及び得られた重合体の特性値を示す。 (合成例2〜8)表1に示す単量体組成物及び配合量
で、実施例1と同様にして紫外線吸収性重合体を製造し
た。製造した重合体をそれぞれ重合体2〜8とする。
【0063】
【表1】
【0064】UVA1:2−[ 2' −ヒドロキシ−5'
−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル] −2H−
ベンゾトリアゾール UVA2:2−[ 2' −ヒドロキシ−5' −(β−メタ
クリロイルオキシエトキシ)−3' −tert−ブチル
フェニル] −4−tert−ブチル−2H−ベンゾトリ
アゾール HALS1:4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン HALS2:1−メタクリロイル−4−メタクリロイル
アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン CHMA:シクロヘキシルメタクリレート n−BMA:n−ブチルメタクリレート BA:ブチルアクリレート MMA:メチルメタクリレート HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート MAA:メタクリル酸 開始剤:tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキ
サノエート
【0065】(実施例1)合成例1で得られた重合体溶
液に、多官能イソシアネート(「スミジュールN−32
00」住友バイエルウレタン社製)を溶液中のヒドロキ
シル基に対するイソシアネート基の当量比が1:1とな
る量だけ秤取して混合した。さらに、得られた混合物に
シンナーを添加して希釈し、混合物の粘度をグラビアコ
ートが可能となる粘度に調整した。
【0066】コロナ放電処理により表面エネルギーが5
0dyn/cmになるように処理を行った2軸配向ポリ
エチレンテレフタレートフィルム(「ルミラーT」東レ
社製、厚さ100ミクロン)の処理面に、粘度を調整し
た上記混合物をグラビアコーターを用いて塗布し、10
0℃で2分間熱風乾燥し硬化を行った。その後30℃雰
囲気下で1週間放置した後、下記に示す物性評価を行っ
た。結果を表3に示す。
【0067】(表面ぬれ指数)JISK−6768ぬれ
試験方法に準拠して、ぬれ指数を判定した。
【0068】(促進耐候性試験)275nm以下の波長
領域を遮断するフィルタを備えた超エネルギー照射試験
装置(「UE−1DEC型」スガ試験器社製)を用い
て、UV照射強度が約100mW/cm2 、ブラックパ
ネル温度が70℃、湿度が50%Rhの状態を約10時
間保持する照射過程と、ブラックパネル温度が50℃、
湿度が96%Rhの状態を2時間保持する湿潤過程とを
1サイクルとして、この照射・湿潤サイクルを15サイ
クル繰り返した。
【0069】この促進耐候性試験の前後におけるフィル
ムの密着性、外観、フィルムヘイズを下記条件で測定し
た。
【0070】(密着性)紫外線吸収性重合体層上に「セ
ロテープCT405−24」(ニチバン社製)を圧着さ
せた後、セロテープを180度反対方向に強制的に剥離
し、剥離度合いを下記のように目視により観察した。 ◎:剥離なし ○:わずかに点剥離 △:剥離面積が10%未満 ×:剥離面積が10%以上
【0071】(外観)紫外線吸収性複合フィルムの外観
を目視により観察した。
【0072】(フィルムヘイズ)JISK7105に準
拠して、日本電色工業社製の濁度計「NDH−300
A」を用いて測定した。
【0073】(実施例2)実施例1と同様にして、コロ
ナ放電処理により表面エネルギーが41dyn/cmに
なるように処理を行った無延伸ポリプロピレンフィルム
(「P−1011」東洋紡社製、厚さ50ミクロン)の
処理面上に、表2に示す重合体を所定の塗工機を用いて
塗布し紫外線吸収性複合フィルムを作成した。実施例1
と同様にして試験を行った。試験結果を表3に示す。
【0074】(実施例3〜5及び比較例1,2)実施例
1と同様にして、表2に示す重合体及びプラスチックフ
ィルムを使用して所定の塗工機を用いて紫外線吸収性複
合フィルムを作成した。実施例1と同様にして試験を行
った。それぞれの試験結果を表3に示す。
【0075】(実施例6)合成例6で得られた重合体6
の溶液にエポキシ樹脂(「デコナール EX622」)
を、溶液中のカルボキシル基に対するエポキシ基の当量
比が1:1となる量だけ秤量して混合し、コンマコータ
ーを用いて紫外線吸収性複合フィルムを作成した。実施
例1と同様にして試験を行った。試験結果を表3に示
す。
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【0078】
【発明の効果】本発明の紫外線吸収性複合フィルムは、
優れた紫外線吸収能を有すると共に、プラスチックフィ
ルムとの密着性に優れ、長期耐候性を備える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08G 59/40 C08G 59/40

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片面又は両面を易接着処理したプラスチ
    ックフィルムの処理面上に、 下記一般式(1)及び(2)で表される紫外線吸収性単
    量体から選ばれる少なくとも一種を含む単量体組成物を
    ラジカル重合してなる紫外線吸収性重合体を含有し、か
    つ硬化された紫外線吸収性重合体層を有することを特徴
    とする紫外線吸収性複合フィルム。 【化1】 (式中、R1 は水素原子または炭素数1〜8の炭化水素
    基を表し、R2 は低級アルキレン基を表し、R3 は水素
    原子またはメチル基を表し、Xは水素原子、ハロゲン、
    炭素数1〜8の炭化水素基、低級アルコキシ基、シアノ
    基またはニトロ基を表す。) 【化2】 (式中、R4 は低級アルキレン基を表し、R5 は水素原
    子またはメチル基を表す。)
  2. 【請求項2】 当該重合体が下記一般式(3)、(4)
    及び(5)で表される単量体から選ばれる少なくとも一
    種をさらに含む単量体組成物をラジカル重合したもので
    ある請求項1記載の紫外線吸収性複合フィルム。 【化3】 (式中、R6 は水素原子またはシアノ基を表し、R7
    8 はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表
    し、R9 は水素原子または炭化水素基を表し、Yは酸素
    原子またはイミノ基を表す。) 【化4】 (式中、R6 は水素原子またはシアノ基を表し、R7
    8 、R7'、R8'はそれぞれ独立して水素原子またはメ
    チル基を表し、Yは酸素原子またはイミノ基を表す。) 【化5】 (式中、R10は水素原子またはメチル基を表し、Zは炭
    素数が4以上の炭化水素基を表す。)
  3. 【請求項3】 紫外線吸収性重合体が硬化性官能基を有
    し、紫外線吸収性重合体層が硬化剤を含む請求項1又は
    2記載の紫外線吸収性複合フィルム。
  4. 【請求項4】 硬化性官能基が活性水素を有する基であ
    る請求項3記載の紫外線吸収性フィルム。
  5. 【請求項5】 硬化剤がイソシアネート化合物、エポキ
    シ樹脂又はアミノプラスト樹脂である請求項3又は4記
    載の紫外線吸収性フィルム。
  6. 【請求項6】 プラスチックフィルムの厚さが1〜1,
    000ミクロンであり、易接着処理面の表面ぬれ指数が
    36dyn/cm以上である請求項1乃至5のいずれか
    に記載の紫外線吸収性複合フィルム。
JP16210798A 1998-06-10 1998-06-10 紫外線吸収性複合フィルム Expired - Fee Related JP3920460B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16210798A JP3920460B2 (ja) 1998-06-10 1998-06-10 紫外線吸収性複合フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16210798A JP3920460B2 (ja) 1998-06-10 1998-06-10 紫外線吸収性複合フィルム

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007006273A Division JP4368385B2 (ja) 2007-01-15 2007-01-15 紫外線吸収性複合フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11348199A true JPH11348199A (ja) 1999-12-21
JP3920460B2 JP3920460B2 (ja) 2007-05-30

Family

ID=15748190

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16210798A Expired - Fee Related JP3920460B2 (ja) 1998-06-10 1998-06-10 紫外線吸収性複合フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3920460B2 (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002161158A (ja) * 2000-11-24 2002-06-04 C I Kasei Co Ltd ポリエステル樹脂製建材
JP2002169020A (ja) * 2000-12-04 2002-06-14 Konica Corp 光学フィルム、偏光板及びこれを用いた表示装置
JP2003268048A (ja) * 2002-03-15 2003-09-25 Nippon Shokubai Co Ltd 紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物および紫外線遮蔽性積層体
US6638388B2 (en) 2000-08-11 2003-10-28 Canon Kabushiki Kaisha Laminating film and laminating method using it
US6802925B2 (en) 2001-08-31 2004-10-12 Canon Kabushiki Kaisha Laminating film and lamination process using the same
JP2006077098A (ja) * 2004-09-08 2006-03-23 Fujifilm Electronic Materials Co Ltd 透明膜形成用組成物、カラーフィルタ用下地膜及び固体撮像素子
WO2007037501A1 (en) * 2005-09-27 2007-04-05 Nippon Shokubai Co., Ltd. Resin composition for forming ultraviolet absorbing layer and laminate comprising ultraviolet absorbing layer
JP2008133486A (ja) * 2008-02-18 2008-06-12 Nippon Shokubai Co Ltd 紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物および紫外線遮蔽性積層体
US9670300B2 (en) 2012-12-20 2017-06-06 3M Innovative Properties Company Copolymers including ultraviolet absorbing groups and fluoropolymer compositions including them
US10125251B2 (en) 2014-06-25 2018-11-13 3M Innovative Properties Company Fluoropolymer composition including at least one oligomer
US10519350B2 (en) 2015-06-25 2019-12-31 3M Innovative Properties Company Copolymer including ultraviolet light-absorbing group and compositions including the same
US10577467B2 (en) 2012-12-20 2020-03-03 3M Innovative Properties Company Fluoropolymer composition including an oligomer having an ultraviolet absorbing group
JP2020105492A (ja) * 2018-12-26 2020-07-09 東洋インキScホールディングス株式会社 紫外線吸収性単量体、アクリル重合体、樹脂組成物および成形体
US11110689B2 (en) 2014-06-25 2021-09-07 3M Innovative Properties Company Pressure sensitive adhesive composition including ultraviolet light-absorbing oligomer

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6638388B2 (en) 2000-08-11 2003-10-28 Canon Kabushiki Kaisha Laminating film and laminating method using it
JP2002161158A (ja) * 2000-11-24 2002-06-04 C I Kasei Co Ltd ポリエステル樹脂製建材
JP2002169020A (ja) * 2000-12-04 2002-06-14 Konica Corp 光学フィルム、偏光板及びこれを用いた表示装置
US6802925B2 (en) 2001-08-31 2004-10-12 Canon Kabushiki Kaisha Laminating film and lamination process using the same
JP2003268048A (ja) * 2002-03-15 2003-09-25 Nippon Shokubai Co Ltd 紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物および紫外線遮蔽性積層体
JP2006077098A (ja) * 2004-09-08 2006-03-23 Fujifilm Electronic Materials Co Ltd 透明膜形成用組成物、カラーフィルタ用下地膜及び固体撮像素子
JP2009510189A (ja) * 2005-09-27 2009-03-12 株式会社日本触媒 紫外線吸収層形成用樹脂組成物および紫外線吸収層含有積層体
WO2007037501A1 (en) * 2005-09-27 2007-04-05 Nippon Shokubai Co., Ltd. Resin composition for forming ultraviolet absorbing layer and laminate comprising ultraviolet absorbing layer
EP1928941A4 (en) * 2005-09-27 2011-01-12 Nippon Catalytic Chem Ind RESIN COMPOSITION FOR ULTRAVIOLET ABSORBENT LAYER FORMATION AND LAMINATE COMPRISING SAID LAYER
US8003222B2 (en) 2005-09-27 2011-08-23 Nippon Shokubai Co., Ltd. Resin composition for forming ultraviolet absorbing layer and laminate comprising ultraviolet absorbing layer
JP2008133486A (ja) * 2008-02-18 2008-06-12 Nippon Shokubai Co Ltd 紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物および紫外線遮蔽性積層体
US9670300B2 (en) 2012-12-20 2017-06-06 3M Innovative Properties Company Copolymers including ultraviolet absorbing groups and fluoropolymer compositions including them
US10577467B2 (en) 2012-12-20 2020-03-03 3M Innovative Properties Company Fluoropolymer composition including an oligomer having an ultraviolet absorbing group
US10125251B2 (en) 2014-06-25 2018-11-13 3M Innovative Properties Company Fluoropolymer composition including at least one oligomer
US11110689B2 (en) 2014-06-25 2021-09-07 3M Innovative Properties Company Pressure sensitive adhesive composition including ultraviolet light-absorbing oligomer
US10519350B2 (en) 2015-06-25 2019-12-31 3M Innovative Properties Company Copolymer including ultraviolet light-absorbing group and compositions including the same
JP2020105492A (ja) * 2018-12-26 2020-07-09 東洋インキScホールディングス株式会社 紫外線吸収性単量体、アクリル重合体、樹脂組成物および成形体

Also Published As

Publication number Publication date
JP3920460B2 (ja) 2007-05-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103748488B (zh) 偏光板
JP4326268B2 (ja) 偏光板及び液晶表示素子
JP5102769B2 (ja) 紫外線吸収層形成用樹脂組成物および紫外線吸収層含有積層体
JP3920460B2 (ja) 紫外線吸収性複合フィルム
JP6642737B2 (ja) 水性樹脂組成物、それを用いた積層体、光学フィルム及び画像表示装置
JP4116804B2 (ja) 紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物および紫外線遮蔽性積層体
JP2003128730A (ja) 紫外線吸収性重合体、積層材及びガラス代替部材
US6372355B1 (en) Ultraviolet absorptive laminated resinous article
JP4368385B2 (ja) 紫外線吸収性複合フィルム
JP4698777B2 (ja) アクリル系重合性ポリマー
JP2002161158A (ja) ポリエステル樹脂製建材
JP2008056859A (ja) 紫外線吸収性樹脂組成物、および該紫外線吸収性樹脂組成物を用いた積層体
JP2000177070A (ja) 紫外線吸収性積層型樹脂材
JP2015129222A (ja) ハードコートフィルムの製造方法
JP4620816B2 (ja) 重合性アクリルポリマー
JP3251470B2 (ja) 紫外線吸収性共重合体
JP5006813B2 (ja) 紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物および紫外線遮蔽性積層体
JP4299513B2 (ja) 被覆材組成物および物品
JP3081508B2 (ja) 紫外線吸収性共重合体
JP4446847B2 (ja) 光学用面状成型体用紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物及びその積層体
JP4073167B2 (ja) 近赤外線吸収性塗膜及び近赤外線吸収性樹脂組成物
JP2008201956A (ja) 紫外線吸収性樹脂組成物、および該紫外線吸収性樹脂組成物を用いた積層体
JP2974943B2 (ja) フィルム
JP4042837B2 (ja) 近赤外線吸収性積層体
JP3150959B2 (ja) 積層体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040609

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060802

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060808

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061010

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061114

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070213

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100223

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110223

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110223

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120223

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120223

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130223

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140223

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees