JPH11347844A - 放電加工方法及び放電加工用電源装置 - Google Patents

放電加工方法及び放電加工用電源装置

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JPH11347844A
JPH11347844A JP17654098A JP17654098A JPH11347844A JP H11347844 A JPH11347844 A JP H11347844A JP 17654098 A JP17654098 A JP 17654098A JP 17654098 A JP17654098 A JP 17654098A JP H11347844 A JPH11347844 A JP H11347844A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 共振を利用することなく、両極性の加工電圧
によって安定して良質な面粗さの放電加工面を得ること
ができるようにすること。 【解決手段】 各辺にスイッチングトランジスタ11〜
14が設けられて成り直流電圧Eが入力されているブリ
ッジ回路10と、ブリッジ回路10の出力から両極性パ
ルス電圧V2を得るためスイッチングトランジスタ11
〜14をオン、オフ制御するための制御回路20とを備
え、ブリッジ回路10から正極性パルスを取り出すため
に閉じられるスイッチングトランジスタ11、14と直
列に抵抗器15、18を設けると共にブリッジ回路10
から負極性パルスを取り出すために閉じられるスイッチ
ングトランジスタ12、13と直列に抵抗器16、17
を設け、抵抗器15、18の合計抵抗値を抵抗器16、
17の合計抵抗値よりも高く設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放電加工間隙に印
加する加工用電圧の極性を交互に切り換えて被加工物を
放電加工するようにした放電加工方法及び放電加工用電
源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、特開平3−49824号公報に
開示されているように、交流高周波電圧による加工で
は、1発の放電毎に放電加工間隙に印加される加工用電
圧の極性が交代することにより放電点が分散し良質の加
工面が得られることが知られている。両極性パルスを用
いて放電加工を行う場合も同様である。このように、被
加工物と加工用電極との間に形成される放電加工間隙に
印加する加工用電圧の極性を交互に切り換えて被加工物
を放電加工する場合、加工用電圧の極性切換周波数が高
いほど放電加工面の面粗さが細かくなっていく傾向にあ
る事は周知であるが、特に7MHz以上の高周波領域に
おいては、放電加工間隙のキャパシタンス成分と回路上
の分布インダクタンス成分との間で直列共振状態(以
下、ギャップ共振状態という)となり、このギャップ共
振状態でのみ放電が発生し、その結果0.2μmRma
x程度の面粗度の放電加工面が得られることが確認され
ている。
【0003】しかし、加工中に加工面積や加工状態が変
化した場合には放電加工間隙のインピーダンスが変化
し、ギャップ共振状態を維持できなくなってしまう場合
が生じる。そこで、従来では、極間のインピーダンスの
変化に応じて、交流電源周波数及び極間と交流電源との
間に設けられている整合器を自動調整させることにより
ギャップ共振状態を持続して放電加工を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、ギャップ
共振状態下で安定して放電加工を行わせるには、極間イ
ンピーダンスの変化に応じて交流電源周波数を変化させ
る必要がある。そこで問題となってくるのは、共振周波
数F0は下式(1) F0=1/2・π・(LmCg)1/2 ・・・(1) Lm:配線の分布インダクタンス Cg:放電加工間隙のキャパシタンス で与えられるので、間隙の対向する面積の変化(板厚や
ワイヤ径の変化)によって共振周波数F0が大きく変わ
ってしまうことである。
【0005】例えば、極端な例として、板厚が1mmか
ら50mmまで変化する被加工物を加工した場合には、
対向する間隙の面積が最大で50倍(キャパシタンスは
比例して50倍)増えるので、Cgも同じく50倍増え
ることとなり、共振周波数F0は約1/7倍変化するこ
とになる。
【0006】ところで、高周波交流電源の周波数と加工
面粗さとの間には密接な関係があるので、これだけ周波
数が変わってしまうと加工面粗さも一定とならなくなっ
てしまう。これは板厚によって最良面粗さが決定され
て、板厚が厚いほど加工面粗さが悪化してしまうことを
意味している。さらに、機種毎にXY軸ストロークが違
うので極間への送電線の長さに違いが生じ、その影響で
分布インダクタンスLmも機種毎に変わってしまう。そ
のため、機種によっても面粗さに違いが生じてしまう可
能性がある。
【0007】このように、高周波交流電圧を用い、ギャ
ップ共振を生じさせて面粗さの小さい放電加工を行う従
来の方法によると、安定して良質な加工面を得るために
は被加工物の板厚の限定や機種の限定などを必要とし、
加工適用範囲を狭めてしまうという問題点があった。
【0008】本発明の目的は、したがって、共振を利用
することなく、放電加工用電圧の極性を正負に切り換え
て安定して良質な面粗さの放電加工面を得ることができ
るようにした、放電加工方法及び放電加工用電源装置を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1の発明によれば、被加工物と加工用電極と
によって形成される放電加工間隙に加工用電圧の極性を
正負交互に切り換えつつ印加して前記被加工物を放電加
工する場合、逆極性加工時における前記加工用電圧のレ
ベルよりも正極性加工時における前記加工用電圧のレベ
ルを小さくするようにした方法が提案される。
【0010】放電加工面粗度を小さくできる逆極性加工
を大きなレベルの加工用電圧で行い、これにより放電加
工間隙に確実に放電を生じさせることができ、安定加工
を確保しつつ面粗度の小さな放電加工面を得ることがで
きる。一方、面粗度が大きくなりやすい正極性加工時に
は加工用電圧のレベルが小さく抑えられ、これにより放
電加工面の面粗度を大きくすることなく、被加工物を加
工することができ、且つ逆極性加工の終了時における放
電の切れを確実にすることができる。
【0011】請求項2の発明によれば、被加工物と加工
用電極とによって形成される放電加工間隙に加工用電圧
の極性を正負交互に切り換えつつ印加して前記被加工物
を放電加工する場合、逆極性加工時における加工電流の
レベルよりも正極性加工時における加工電流のレベルを
小さくするようにした方法が提案される。
【0012】請求項3の発明によれば、極性が周期的に
反転する両極性出力電圧を被加工物と加工用電極との間
に形成される放電加工間隙に抵抗器を介して印加し、逆
極性加工と正極性加工とを周期的に切り換えつつ前記被
加工物を放電加工する方法において、前記逆極性加工時
には前記抵抗器が小さな抵抗値の抵抗器とされ、前記正
極性加工時には前記抵抗器が大きな抵抗値の抵抗器とな
るように切り換えるようにした方法が提案される。
【0013】このように抵抗器の切り換えを行うと、放
電加工間隙に供給される加工電流の値は、逆極性加工時
には大きく、正極性加工時には小さくなる。そして、逆
極性加工時には大きな加工用電圧が放電加工間隙に与え
られて放電が安定に行われ、且つ面粗度の小さな加工が
行われる。正極性加工時には加工用電圧のレベルが小さ
くなり、放電加工面の面粗度が大きくなるのを抑えつ
つ、且つ逆極性加工の終了時における放電の切れを確実
にすることができる。
【0014】請求項4の発明によれば、極性が周期的に
反転する両極性パルス電圧を放電加工間隙に供給するた
めの放電加工用電源装置において、直流電圧を出力する
直流電源と、各辺に半導体スイッチング素子が設けられ
て成り前記直流電圧が入力されているブリッジ回路と、
該ブリッジ回路の出力から前記両極性パルス電圧を得る
ため該ブリッジ回路の対向する辺の半導体スイッチング
素子同志を同期させてオン、オフ制御するための制御回
路とを備え、前記ブリッジ回路から正極性パルスを取り
出すために閉じられる前記半導体スイッチング素子と直
列に第1の制限抵抗要素を設けると共に前記ブリッジ回
路から負極性パルスを取り出すために閉じられる前記半
導体スイッチング素子と直列に第2の制限抵抗要素を設
け、前記第1の制限抵抗要素の値を前記第2の制限抵抗
要素の値よりも高く設定した構成が提案される。
【0015】このようにしてブリッジ回路の出力から得
られる両極性パルス電圧を放電加工間隙に印加した場
合、正極性パルスの印加時の加工電圧と加工電流は負極
性パルスの印加時の加工電圧と加工電流よりもレベルが
低くなり、請求項1、2又は3の発明による方法での放
電加工が行える。
【0016】請求項5の発明によれば、極性が周期的に
反転する両極性出力電圧を放電加工間隙に供給するため
の放電加工用電源装置において、交流電圧を出力する交
流電源と、該交流電圧に直流バイアスを掛けるため該交
流電源と直列に接続される直流電源とを備え、該交流電
圧に前記直流電源からの直流電圧出力分のバイアスを与
えて前記両極性出力電圧を得るようにした構成が提案さ
れる。
【0017】交流電圧が直流電源の直流電圧出力により
バイアスされ、両極性出力電圧の一方の極性の出力電圧
成分のレベルを他方の極性の出力電圧成分のレベルと異
ならせることができる。これにより、請求項1又は2の
発明による方法での放電加工が行える。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態の一例につき詳細に説明する。
【0019】図1は、本発明による放電加工用電源装置
の実施の形態の一例を示す回路図である。図1に示す放
電加工用電源装置1は、ワイヤカット放電加工機2の被
加工物3とワイヤ電極4との間に形成される放電加工間
隙Gに加工用電圧Vを印加するための装置として構成さ
れており、荒加工用の第1電源部5と、仕上加工用の第
2電源部6とを備えている。
【0020】第1電源部5は公知の回路構成のものであ
り、したがって、その構成の詳細を示すのを省略する。
第1電源部5からの荒加工用電圧V1は低インダクタン
スの出力線7及び一対のリレー接点L1、L2を介して
放電加工間隙Gに加工用電圧Vとして印加される。
【0021】一方、第2電源部6は、被加工物3の仕上
げ加工のために被加工物3を小さな面粗度で放電加工す
るため、両極性出力電圧を出力することができる構成と
なっている。本実施の形態では、第2電源部6からは両
極性パルス電圧V2が両極性出力電圧として出力され、
両極性パルス電圧V2は一対のリレー接点L3、L4及
び低キャパシタンスの出力線8を介して放電加工間隙G
に加工用電圧Vとして印加される。
【0022】次に、第2電源部6の構成について説明す
る。9は直流電圧Eを出力する直流電源、10はスイッ
チングトランジスタ11〜14及び抵抗器15〜18が
各辺に設けられて図示の如く接続されて成るブリッジ回
路である。ブリッジ回路10では、スイッチングトラン
ジスタ11、12の接続点10Aとスイッチングトラン
ジスタ13、14の接続点10Bとが入力部となってお
り、抵抗器15、17の接続点10Cと抵抗器16、1
8の接続点10Dとが出力部となっている。入力部には
直流電源9からの直流電圧Eが印加され、出力部から両
極性パルス電圧V2が後述の如くして得られる構成であ
る。
【0023】符号20で示されるのは、ブリッジ回路1
0の各辺に設けられているスイッチングトランジスタ1
1〜14をオン、オフ制御するための制御回路であり、
パルス発生器21とインバータ22とから成っている。
パルス発生器21からのパルス信号はそのまま制御パル
ス信号PAとして出力され、インバータ22からは、制
御パルス信号PAをレベル反転させた反転制御パルス信
号PBが出力される構成である(図2の(A)、(B)
参照)。
【0024】制御パルス信号PAは、ブリッジ回路10
のスイッチングトランジスタ11、14の各ゲートにオ
ン、オフ制御のためのゲート制御信号として印加され、
反転制御パルス信号PBはブリッジ回路10のスイッチ
ングトランジスタ12、13の各ゲートにオン、オフ制
御のためのゲート制御信号として印加されている。した
がって、スイッチングトランジスタ11はスイッチング
トランジスタ14と同時にオン、オフ動作し、一方、ス
イッチングトランジスタ12はスイッチングトランジス
タ13と同時にオン、オフ動作する。そして、図2
(A)、(B)から判るように、スイッチングトランジ
スタ11、14のオン動作とスイッチングトランジスタ
12、13のオン動作とが交互に行われ、この結果、出
力部からは、制御パルス信号PAと同一の周期で極性が
反転する両極性パルス電圧V2が出力される。
【0025】ブリッジ回路10の出力部において得られ
る両極性パルス電圧V2の極性が正極性の場合、すなわ
ち、被加工物3がワイヤ電極4よりも高電位となるよう
な出力状態の場合に放電加工間隙Gに流れる加工電流の
値をIH、ブリッジ回路10の出力部において得られる
両極性パルス電圧V2の極性が負極性の場合、すなわ
ち、被加工物3がワイヤ電極4よりも低電位となるよう
な出力状態の場合に放電加工間隙Gに流れる加工電流の
値をILとした場合、IL>IHとなるようにするた
め、抵抗器15、18の合計抵抗値は、抵抗器16、1
7の合計抵抗値よりも大きく設定されている。本実施の
形態では、抵抗器15は抵抗器18と同一の値とされ、
抵抗器16は抵抗器17と同一の値とされている。この
ように抵抗器16、17の合計抵抗値を抵抗器15、1
8の値より小さく設定することにより、出力線に存在す
る浮遊キャパシタンスへの充電時定数が異なり、正極性
の場合に放電加工間隙Gに印加される加工用電圧の値
(VH)と負極性の場合に放電加工間隙Gに印加される
加工用電圧の値(VL)の関係をVL>VHとすること
ができる。
【0026】次に、放電加工用電源装置1の動作につい
て、図2を参照しながら説明する。図示しない切換リレ
ーを作動させることにより、先ずリレー接点L1、L2
を閉じ、リレー接点L3、L4を開いた状態で、第1電
源部5からの荒加工用電圧V1を放電加工間隙Gに加工
用電圧Vとして印加し、被加工物3を荒加工する。
【0027】しかる後、リレー接点L1、L2を開き、
リレー接点L3、L4を閉じた状態で、第2電源部から
の両極性パルス電圧V2を放電加工間隙Gに加工用電圧
Vとして印加し、被加工物3を仕上げ加工する。この場
合、制御回路20からの制御パルス信号PA及び反転制
御パルス信号PB(図2(A)、(B)参照)によりブ
リッジ回路10のスイッチングトランジスタ11〜14
がオン、オフ制御され、ブリッジ回路10からは両極性
パルス電圧V2が出力される。図2の(C)には、この
ときの加工用電圧Vの波形の一例が示されている。
【0028】すなわち、期間T1、T3、T5、T7、
・・・では、スイッチングトランジスタ11、14がオ
フでスイッチングトランジスタ12、13がオンとな
り、直流電源9からの直流電圧Eは低抵抗値の抵抗器1
6、17を介して出力される。したがって、ワイヤ電極
4が正で被加工物3が負となるようにして加工用電圧V
が比較的高いレベルで放電加工間隙Gに印加され、被加
工物3が逆極性で放電加工される。逆極性の放電加工
は、被加工物への放電エネルギ配分が少ないため、高い
レベルの電圧を放電加工間隙Gに印加することにより安
定した放電を行わせることができ、且つ面粗さの小さい
放電加工面を得ることができる。図2に示した例では、
期間T3、T5においてのみ放電加工間隙Gに放電が生
じている。
【0029】次に、期間T2、T4、T6、T8、・・
・では、スイッチングトランジスタ11、14がオンで
スイッチングトランジスタ12、13がオフとなり、直
流電源9からの直流電圧Eは高抵抗値の抵抗器15、1
8を介して出力される。したがって、ワイヤ電極4が負
で被加工物3が正となるようにして加工用電圧Vが比較
的低いレベルで放電加工間隙Gに印加され、被加工物3
が正極性で放電加工される。正極性の放電加工は被加工
物への放電エネルギ配分が多いが、加工用電圧Vのレベ
ルが低く放電電流も小さくなるので、被加工物3の放電
加工面の面粗さは小さくなり、所要の仕上げ加工が可能
となる。なお、期間T1、T3、T5、T7、・・・か
ら期間T2、T4、T6、T8、・・・への各移行時に
は、放電加工間隙Gに印加される加工用電圧Vの極性が
反転するため、特に加工用電圧Vによる逆極性加工のた
めの放電を一旦速やかに途切れさせることができ、これ
により仕上げ加工が安定且つ良好に遂行される。
【0030】このようにして、逆極性加工と正極性加工
とが所定の周期で交互に安定に行われ、被加工物3を小
さな面粗度で仕上げることができる。図2の(D)は放
電加工間隙Gに流れる放電加工電流Iの波形図である。
図2の(D)から、被加工物3は逆極性加工によって高
い電圧で安定に加工されて小さい面粗度放電加工面が得
られ、正極性加工によって被加工物3が低い電圧で加工
され面粗さを小さくするのに役立っているのが判る。図
3には、図1に示した放電加工用電源装置1を用いて加
工した被加工物3の放電加工面の面粗さ状態の一例が示
されている。この加工の条件は、 直流電源電圧 45V 周波数 5MHz 抵抗16、17(電極正極) 5Ω+5Ω=10Ω 抵抗15、18(電極負極) 25Ω+25Ω=50Ω である。
【0031】図1に示した構成によれば、周波数が5M
Hz以下という比較的低い高周波領域のトランジスタブ
リッジの回路構成による両極性パルス電源において、正
極側制限抵抗値を逆極側制限抵抗値よりも高いものを使
用することによって、正極側の電圧印加時の放電電流を
逆極側のそれよりも低くすることにより加工面粗度を向
上させることができる。通常、両極性均等な交流電源又
は両極性パルス電源で加工した場合には、被加工物に対
してエネルギー配分の大きな正極側放電によって面粗さ
が決定されていると考えられている。その面粗さ比は逆
極側放電に対して正極側放電では1.5〜2倍程度であ
ると思われる。そこで、正極側放電時の放電電流を抑え
ることによって加工面粗さを向上することが可能とな
る。この場合、周波数が5MHz以下と比較的低い高周
波領域で良質な加工面が得られ、さらにギャップ共振状
態とならなくても安定して加工が可能なため被加工物の
板厚の変化やワイヤ径、さらに放電加工機の機械的な構
造上の分布インダクタンスの影響をあまり受けずに、安
定して良質な加工面が得られる。
【0032】図4は、図1に示した第2電源部6の別の
構成例を示すものである。図4に示された仕上げ加工用
の第2電源部60は、交流電圧VACを出力する交流電
源61に、交流電圧VACに直流バイアスを掛けるため
の直流電源62を直列に接続すると共に、制限抵抗器6
3をさらに直列に接続した構成とされている。
【0033】この構成によると、交流電圧VACは、直
流電源62の直流出力電圧VDCのレベルだけ負方向に
バイアスされるため、出力端子60A−60B間に出力
される両極性出力電圧VTは、図5に示されるように、
正方向電圧成分VPのレベルが低く、負方向電圧のレベ
ルDVNが高くなる。この結果、逆極性加工時に加工用
電圧Vのレベルが高く、正極性加工時の加工用電圧Vの
レベルが低くなり、図1に示した第2電源部6を用いた
場合と同様の仕上げ加工が可能である。
【0034】なお、上記実施の形態では、本発明をワイ
ヤカット放電加工機に適用した場合について説明した
が、本発明は実施の形態の構成に限定されるものではな
く、型彫放電加工機等についても広く適用することがで
き、同様の効果を得ることができる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、上述の如く、被加工物
と加工用電極とによって形成される放電加工間隙に加工
用電圧を極性を正負交互に切り換えつつ印加して前記被
加工物を放電加工する場合、正極側の電圧印加時の放電
電流を逆極側のそれよりも低くすることにより加工面粗
度を向上させることができる。通常、両極性均等な交流
電源又は両極性パルス電源で加工した場合には、被加工
物に対してエネルギー配分の大きな正極側放電によって
面粗さが決定されていると考えられるが、正極側放電時
の放電電流を抑えることによって加工面粗さを向上する
ことが可能となる。この場合、両極性パルス等の両極性
出力電圧の周波数が比較的低い高周波領域であっても良
質な放電加工面が得られ、さらにギャップ共振状態とな
らなくても安定して加工が可能なため被加工物の板厚の
変化やワイヤ径、さらに放電加工機の機械的な構造上の
分布インダクタンスの影響をあまり受けずに、安定して
良質な加工面が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による放電加工用電源装置の実施の形態
の一例を示す回路図。
【図2】図1に示した放電加工用電源装置の動作を説明
するための各部の信号波形図。
【図3】図1の放電加工用電源装置を用いて実際に放電
加工した場合の放電加工面の面粗さの一例を示す図。
【図4】本発明による放電加工用電源装置の別の実施の
形態を示す回路図。
【図5】図4の放電加工用電源装置の出力電圧波形を示
す波形図。
【符号の説明】
1 放電加工用電源装置 2 ワイヤカット放電加工機 3 被加工物 4 ワイヤ電極 6、60 第2電源部 9、62 直流電源 10 ブリッジ回路 10A〜10D 接続点 11〜14 スイッチングトランジスタ 15〜18 抵抗器 20 制御回路 61 交流電源 E 直流電圧 G 放電加工間隙 I 放電加工電流 PA 制御パルス信号 PB 反転制御パルス信号 V 加工用電圧 V2 両極性パルス電圧 VAC 交流電圧 VDC 直流電圧 VT 両極性出力電圧

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物と加工用電極とによって形成さ
    れる放電加工間隙に加工用電圧の極性を正負交互に切り
    換えつつ印加して前記被加工物を放電加工する場合、逆
    極性加工時における前記加工用電圧のレベルよりも正極
    性加工時における前記加工用電圧のレベルを小さくする
    ようにしたことを特徴とする放電加工方法。
  2. 【請求項2】 被加工物と加工用電極とによって形成さ
    れる放電加工間隙に加工用電圧の極性を正負交互に切り
    換えつつ印加して前記被加工物を放電加工する場合、逆
    極性加工時における加工電流のレベルよりも正極性加工
    時における加工電流のレベルを小さくするようにしたこ
    とを特徴とする放電加工方法。
  3. 【請求項3】 極性が周期的に反転する両極性出力電圧
    を被加工物と加工用電極との間に形成される放電加工間
    隙に抵抗器を介して印加し、逆極性加工と正極性加工と
    を周期的に切り換えつつ前記被加工物を放電加工する方
    法において、前記逆極性加工時には前記抵抗器が小さな
    抵抗値の抵抗器とされ、前記正極性加工時には前記抵抗
    器が大きな抵抗値の抵抗器となるように切り換えるよう
    にしたことを特徴とする放電加工方法。
  4. 【請求項4】 極性が周期的に反転する両極性パルス電
    圧を放電加工間隙に供給するための放電加工用電源装置
    において、 直流電圧を出力する直流電源と、 各辺に半導体スイッチング素子が設けられて成り前記直
    流電圧が入力されているブリッジ回路と、 該ブリッジ回路の出力から前記両極性パルス電圧を得る
    ため該ブリッジ回路の対向する辺の半導体スイッチング
    素子同志を同期させてオン、オフ制御するための制御回
    路とを備え、 前記ブリッジ回路から正極性パルスを取り出すために閉
    じられる前記半導体スイッチング素子と直列に第1の制
    限抵抗要素を設けると共に前記ブリッジ回路から負極性
    パルスを取り出すために閉じられる前記半導体スイッチ
    ング素子と直列に第2の制限抵抗要素を設け、前記第1
    の制限抵抗要素の値を前記第2の制限抵抗要素の値より
    も高く設定したことを特徴とする放電加工用電源装置。
  5. 【請求項5】 極性が周期的に反転する両極性出力電圧
    を放電加工間隙に供給するための放電加工用電源装置に
    おいて、 交流電圧を出力する交流電源と、 該交流電圧に直流バイアスを掛けるため該交流電源と直
    列に接続される直流電源とを備え、該交流電圧に前記直
    流電源からの直流電圧出力分のバイアスを与えて前記両
    極性出力電圧を得るようにしたことを特徴とする放電加
    工用電源装置。
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