JPH11346682A - 炊飯シート及びそのシートを用いた炊飯方法 - Google Patents

炊飯シート及びそのシートを用いた炊飯方法

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JPH11346682A
JPH11346682A JP10160945A JP16094598A JPH11346682A JP H11346682 A JPH11346682 A JP H11346682A JP 10160945 A JP10160945 A JP 10160945A JP 16094598 A JP16094598 A JP 16094598A JP H11346682 A JPH11346682 A JP H11346682A
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rice
sheet
component
cooking
cooked
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JP10160945A
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Takahiro Otaguro
隆浩 大田黒
Noriko Suzuki
徳子 鈴木
Toshinobu Kashiwada
利信 柏田
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Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 栄養成分や香味成分などが付与された炊飯シ
ート及びそのシートを用いた炊飯方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも栄養成分、香味成分及び色素
成分の何れか1つ以上の成分を含む繊維からなることを
特徴とする炊飯シート10。炊飯器11の中に、少なく
とも未洗米12と水13とを所定量入れた後、上記構成
の炊飯シート10を入れて炊飯することを特徴とする炊
飯方法。 【効果】 ご飯に栄養成分、香味成分及び色素成分の何
れか1つ以上の成分が簡単に、かつ効率良く付与され
て、おいしいご飯が炊けることができるものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、栄養成分や香味成
分などが付与された炊飯シート及びそのシートを用いた
炊飯方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、栄養のあるお米として、例え
ば、強化米などが知られており、この強化米は一般の米
とまぜて炊飯している。このような強化米は、例えば、
ビタミン(A,B,E)やミネラル分などの成分を一度
エタノール等の溶剤で溶解させた後、この溶液を玄米、
精白米、精麦などの米に含浸処理させて栄養分を保持さ
せているものである(特開昭56−124357号公
報、特開昭56−131349号公報)。これらの強化
米等は、上述の如く、一般の米とまぜて炊飯しているも
のであるが、強化米自体に色があったり、炊飯により得
られた強化米自体に独特の匂いがあったりするので、炊
飯されたご飯の風味を損なったり、美観を損なう等の課
題があるものである。
【0003】また、味付けご飯などは、炊いたお米等を
フライパンなどの調理器具を用いて、調味料や香辛料を
使って味付け調理してなるものである。そのため、ご飯
を炊く時間や味付けするための調理する時間が共に必要
であった。
【0004】更に、最近の健康飲料等では、栄養補給と
して、Ca、鉄などの飲料水が次々に発売され、栄養を
補っているが、補給頻度が人によりまちまちで十分に摂
取されていないのが現状である。
【0005】一方、紙や布を活用した炊飯例等として
は、例えば、炊飯器の内側に耐熱性の紙又は布を敷設し
たりして、ご飯のコゲを防止したり、残飯のこびりつき
を無くしたりして、後片づけ作業の簡易化、省力化など
の提案が行われている(特開昭63−283546号公
報、特開平9−322722号公報)。また、特開平7
−289890号公報では、活性炭粒子を透過性を有す
る不織布バッグに封入せしめてなる炊飯用活性炭添加剤
が知られており、このバッグを炊飯器中に入れて炊飯す
ることにより、ご飯の味を良くしたり、臭気を除去した
り、炊飯後の保存においても防臭用として用いられてい
る。しかしながら、これらの公報に記載される炊飯例等
は、ご飯のコゲを防止したり、ご飯の味を良くしたりす
るものなどであり、ご飯に更に栄養成分や香味成分等を
付与できるものではないものである。
【0006】従って、これまでの炊飯製品、炊飯方法等
では、上述の多様化した消費者ニーズに応えるには至ら
ず、簡単な方法等でご飯に栄養成分や香味成分等を付与
することができ、更なる主婦の省力化、簡便さ、ご飯の
おいしさ等を同時に満たす製品の開発が強く望まれてい
るのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、ご
飯に栄養成分や香味成分等を簡単に、かつ効率良く付与
することができる炊飯シートの提供、並びに、炊飯時
に、適量の米(洗米、十分に洗米していない米、又は未
洗米)と水とを入れた炊飯器中に特定のシートを入れて
炊飯するだけで、おいしいご飯が炊ける共に、栄養成分
や香味成分等が付与されたご飯ができる炊飯方法を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
の課題の解決を図るために鋭意検討した結果、繊維の持
つ特異的な性質に着目し、炊飯時に当該繊維を利用する
ことにより、上記目的の炊飯シート及びそのシートを用
いた炊飯方法を得ることに成功し、本発明を完成するに
至ったのである。すなわち、本発明の炊飯シートは、少
なくとも栄養成分、香味成分及び色素成分の何れか1つ
以上の成分を含む繊維からなることを特徴とする。ま
た、本発明の炊飯方法は、炊飯器の中に、少なくとも米
と水とを所定量入れた後、上記構成の炊飯シートを入れ
て炊飯することを特徴とする。なお、本発明で規定する
「未洗米」とは、全く洗米していない米(精白米)をい
う。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面を参照しながら詳しく説明する。本発明の炊飯シート
は、少なくとも栄養成分、香味成分及び色素成分の何れ
か1つ以上の成分を含む繊維からなることを特徴とする
ものである。また、本発明の炊飯方法は、炊飯器の中
に、少なくとも米と水とを所定量入れた後、上記構成の
炊飯シートを入れて炊飯することを特徴とするものであ
る。なお、本発明で使用するお米としては、未洗米、十
分に洗米していない米、洗米などが使用でき、上記未洗
米及び/又は十分に洗米していないお米を使用した場合
には、後述するように、米とぎが不要となると共に、少
なくとも栄養成分、香味成分及び色素成分の何れか1つ
以上の成分がご飯に付与され、かつ、洗ったお米と同様
においしいご飯が炊けることができるものとなる。
【0010】本発明の炊飯シートに用いることができる
繊維としては、例えば、レーヨン、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレ
ン、ナイロン、アクリル、アセテート、ポリアリールス
ルホン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリアルキレ
ン、パルプ、セルロース、紙、タンパク質繊維、シルク
繊維、羊毛繊維、活性炭繊維、中空構造を有する繊維、
芯鞘構造を有する繊維、分割繊維を有する繊維、偏心構
造を有する繊維から選ばれる少なくとも1種が挙げられ
る。
【0011】本発明の炊飯シートは、前記繊維を常法に
より加工処理してシートの形態(シート体)とし、該シ
ート体に少なくとも栄養成分、香味成分及び色素成分の
何れか1つ以上の成分を含浸処理や付着処理等により付
与したものである。このシートの形態(シート体)とし
ては、例えば、前記繊維の混紡(ミックス)、前記繊維
の不織布、前記繊維の多層構造を有する不織布又は前記
繊維の編物布、織物布の編・織物布などのシート体が挙
げられる。
【0012】本発明で用いる栄養成分としては、例え
ば、カルシウム、鉄、銅、亜鉛、マンガン、モリブデ
ン、マグネシウム、カリウム、ヨウ素、セレンなどの金
属元素を含む無機質、アミノ酸やビタミン類(ビタミン
D、ビタミンC、ビタミンK等)が挙げられ、これら
は、身体の形成、生体内代謝機能向上に役立つものであ
る。上記金属元素は、炭酸塩、リン酸塩、シュウ酸塩、
乳酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、塩化物、グルコン酸塩、
クエン酸マレイン酸塩やヘム鉄及び非ヘム鉄等として摂
取される構造として良い。具体的には、カルシウム金属
塩は、炭酸Ca、リン酸Ca、シュウ酸Ca、乳酸C
a、酢酸Ca、塩化カルシウム、グルコン酸Ca、クエ
ン酸Ca、クエン酸マレイン酸Ca、ミルク等より摂取
される。また、その他の栄養成分としては、例えば、タ
ンパク質や脂質、繊維や灰分等が挙げられ、特に、リノ
ール酸やリノレン酸などの不飽和脂肪酸は、老化防止に
役立つものである。
【0013】また、本発明で用いる香味成分としては、
例えば、(1)味覚による香味成分、(2)嗅覚による香り成
分〔匂い成分(フレーバー)も含む〕が挙げられる。上
記(1)の味覚による香味成分は、甘味、苦味、酸味、塩
味、うま味成分が挙げられ、これらの成分を組み合わせ
たものとして、主に下記に示す、天然調味料、化学
調味料、加水分解調味料、呈味剤が挙げられる。
【0014】天然調味料としては、例えば、天然の動
植物原料を酸や酵素で分解した分解型(HAPやIIV
P)、水や蒸気で抽出した抽出型(ミート、ボーン、野
菜類エキス)、調理加熱型あるいは発酵型(フレーバー
ドオイル)や醸造型などの調味料が挙げられる。天然調
味料の分解型では、動物性と植物性に分けられ、天然調
味料の動物性では、例えば、HAP(Hydrolyzed Anima
l Proteinn)やFPC(Fish Protein Consenntrate)
があり、植物性では、HVPや酵母エキスが挙げられ
る。また、天然調味料の抽出型では、動物性と植物性に
分けられ、天然調味料の動物性では、例えば、畜肉
(骨)エキス(ビーフ、チキン、ポーク、ボーンエキ
ス)、魚貝エキス〔カツオ(節)、ホタテ、アサリ、ハ
マグリ、カキエキス〕が挙げられ、植物性では、野菜エ
キス(オニオン、キャベツ、はくさい、ニンジンエキ
ス)、海藻エキス(コンブエキス、ワカメエキス)、き
のこエキス(シイタケ、マッシュルームエキス)が挙げ
られる。更に、天然調味料の調理加熱型では、例えば、
フレーバードオイル(ロースト、フライ)や、醸造型で
は、ミリン、ワイン、清酒、みそ、しょうゆ、食酢など
の調味料が挙げられる。
【0015】化学調味料は、例えば、L−グルタミン
酸ナトリウム(MSG)、5‘−イノシン酸ナトリウム
(IMP)が挙げられる。 加水分解調味料は、例えば、HAP(Hydrolyzed Ani
mal Proteinn)やHVP、イースト分解物が挙げられ
る。
【0016】呈味剤は、天然材料からうま味成分を熱
水又は温水で抽出した抽出物(呈味成分)である。この
呈味剤を大別すると、エキス成分、非エキス成分に分類
される。このエキス成分とは、食品の熱水抽出物からタ
ンパク質、高分子炭水化物および志望などの成分を示
す。従って、エキス成分は、下記に示すように、水や含
水有機溶媒に対して、易溶性の成分で分子量500以下
の低分子化合物である。具体的な呈味剤としては、例え
ば、牛肉エキス、チキンエキス、貝エキスなどが挙げら
れる。
【0017】エキス成分としては、例えば、遊離アミノ
酸(グルタミン酸などの約20種)、核酸関連成分〔5
‘−ヌクレオタイド(5‘−イノシン酸、5‘−グアニ
ル酸、5‘−アデニル酸など)、ヌクレオサイド(イノ
シン、グアノシンなど)、塩基(ヒポキサンチン、グア
ニンなど)〕、有機塩基(ベタイン、トリメチルアミン
オキサイド、クレアチニンなど)、有機酸(コハク酸、
乳酸、クエン酸など)、糖類(ショ糖、ブドウ糖、果
糖、乳糖など)、無機塩(食塩、マグネシウム、カルシ
ウム、リン酸など)が挙げられる。また、非エキス成分
としては、例えば、油脂(鶏脂、牛脂、豚脂などで、こ
れらは、リノール酸やリノレン酸などの不飽和脂肪酸が
含まれる)、高分子物質〔タンパク質(ゼラチン)、グ
ルコーゲン〕、デンプン)が挙げられる。更に、非エキ
ス成分には、食塩、砂糖、ビネガー、モラセス、ハネ
ー、果汁が新たに加えることができる。
【0018】上記(2)の香味成分である嗅覚による香り
成分は、匂い成分(揮発性フレーバー、非揮発性フレー
バー)も含むものである。この香り成分は、香味成分及
び/又は辛味成分が含まれる香辛料(スパイス)、ハー
ブが挙げられ、特に、香辛料(スパイス)や各種フレー
バーがよく使われる。この香辛料(スパイス)は、風味
に天然特有の丸味があり、香味、辛味の調和がよく、口
腔内で心地よい食感を与えるのが長所である。香辛料
(スパイス)の使用形態は、香辛料植物(天然スパイ
ス)を乾燥・粉砕した後、水蒸気蒸留によって香気成分
である精油を抽出したり、あるいは有機溶剤を使用し
て、辛味、呈味成分などを抽出〔例えば、使用した溶剤
を回収したあとに残留する樹脂のような物質(オレオレ
ンジ等)〕し、次いで、付形剤水溶液中(アラビアガ
ム、デキストリンなど)に混合した後、乳化及び噴霧乾
燥したコーティングスパイスやブドウ糖、食塩などに吸
着させた吸着型スパイスの形態が挙げられる。また、乳
化した乳化スパイスやアルコール類などに溶解した液体
スパイスなどの形態が挙げられる。
【0019】また、用途面から見た、上記香辛料(スパ
イス)の分類として、(i)辛いスパイス(ペッパー、レ
ッドペッパー、マスタード、ワサビ、ジンジャー)、(i
i)香り味をもったスパイス(ナツメグ、メース、シナモ
ン、オールスパイス、クローブ、オニオン、ガーリッ
ク、クミン、セロリー、サンショウ、フエンネル、キャ
ラウエイ)、(iii)香りを主としたスパイス(タイム、
セージ、ローレル、カルダモン、コリアンダー、バジ
ル、オレガノ、マジョラム)、(iv)色を主としたスパイ
ス(パプリカ、ターメリック、サフラン)などが挙げら
れる。
【0020】具体的な香辛料(スパイス)の活用とし
て、カレー風味が挙げられる。カレー原料の場合は、例
えば、色を出す原料として、ターメリック、陳皮、サフ
ラン、ホワイトペッパー、ブラックペッパー、シナモン
など、香りを出す原料として、コリアンダー、クミン、
フエンネル、カルダモン、メース、ナツメグ、オールス
パイス、クローブスなど、辛味を出す原料として、ペッ
パー、カプシカム、ジンジャーなどが挙げられる。これ
らの配合比は、用途、飲食等に応じて適宜決定される。
その他の香辛料として、七味とうがらし(とうがらし、
サンショウ、青のり、陳皮、ゴマ、ケシの実、あさの
実)が挙げられる。また、各種フレーバーとしては、例
えば、カレーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフ
レーバー、チーズフレーバー、香ばしいスイートコーン
フレーバー、スモークフレーバーが挙げられる。
【0021】その他の香味成分としては、例えば、付形
剤、品質改良剤、強化剤、溶剤など従来からご飯の炊飯
で用いられているものが挙げられる。これらのものは、
食用として、安全なものが挙げられる。付形剤では、メ
チルセルロースなどのセルロース誘導体、PVA(ポリ
ビニルアルコール)、小麦粉、カラギナン、CMC(カ
ルボキシメチルセルロース)、コーンシロップ、デキス
トリン、デキストローズ、大豆粉などが挙げられる。品
質改良剤では、防湿剤、防腐剤、酸化防止剤、重合リン
酸塩などが挙げられる。強化剤では、ビタミン、ミネラ
ル、アミノ酸などが挙げられる。溶剤(植物性油脂)で
は、例えば、グリセリン、植物油が挙げられる。上記成
分は、ご飯の味、香りだけでなく、外観上の見栄えを良
くしたり、ご飯やシート保存性を高めたり、シートの製
造上の効率を高めたり、食欲を高めたりする効果を有す
るものである。
【0022】上記具体的な香味成分の味付け風味として
は、主に味噌の味、しょうゆの味が挙げられる。これら
の香味成分の味付け風味に用いられる原料は、天然調味
料、化学調味料、動植物性の各種エキス、食塩、砂糖、
フレーバー、着色料および各種「具」などの配合により
作られる。例えば、マツタケ、ナメタケ、ノリ、ハマグ
リ、シイタケの風味のご飯味が挙げられる。基本となる
味は、しょうゆ、かつおぶし、貝、コンブなどの海産物
やシイタケなどのキノコ類が挙げられる。
【0023】その他の動物性の呈味剤としては、鶏肉エ
キス、牛肉エキスが用いられる場合もある。特徴付けら
れる「香味成分」として、例えば乾燥野菜類(ネギ、三
つ葉など)、ふ、カマボコ、コンブ、ワカメ、春雨、ユ
バ、シイタケ、たまご、などが挙げられる。これらの香
味成分の品質および組み合わせにより各種の好みが変え
られる。更に、生の食材を上記と一緒に入れても良い。
【0024】各種フレーバーは、シイタケフレーバーな
どのフレーバーとしょうゆ粉末、かつおぶしエキス、貝
エキス(ホタテ、アサリなど)、コンブエキス、野菜エ
キス、チキンエキスなどの天然エキス粉末と組み合わせ
て、天然調味料として使用しても良い。その他、化学調
味料、食塩、砂糖、および各種「具]などの配合により
作られる。上記香味成分の製法としては、液体タイプ、
顆粒状タイプ、ペースト状が挙げられる。また、本発明
に用いる色素成分としては、例えば、カラメル、アナッ
ト、ターメリック、天然色素、人工着色料などが挙げら
れ、上記香味成分と重複するものも含むものである。こ
れらの色素成分は、食用として、安全なものが挙げられ
る。なお、本発明に用いる上記栄養成分及び香味成分に
含まれない色素成分としては、栄養もなく、香り、味も
ない天然色素成分、人工着色料などが挙げられる。この
場合の色素成分の単独使用は、ご飯の外観上の見栄えを
良くしたりするものとなる。
【0025】本発明の炊飯シートは、上述の如く、前記
各々繊維を加工処理してシート体とした後、該シート体
に少なくとも上記栄養成分、香味成分及び色素成分の何
れか1つ以上の成分を含浸処理や付着処理等により製造
することができる。上記栄養成分、香味成分及び色素成
分の何れか1つ以上の成分をシート体に含浸処理させる
方法としては、例えば、栄養成分、香味成分及び色素成
分の何れか1つ以上の成分を含有した水溶液などの液体
を直接シート体にスプレーする方法や当該液体にシート
体を浸漬して含浸させる方法が挙げられる。また、付着
処理させる方法としては、例えば、高分子物質などのバ
インダー(食用バインダー等)を用いて固形原料(顆粒
状、粉末状)及び/又は液体原料(液体状、ペースト
状、オイル状)などの栄養成分、香味成分及び色素成分
の何れか1つ以上の成分をシート体に付着させることが
挙げられる。使用形態としては、液体タイプを含浸した
り、あるいは、顆粒状タイプ、粉末タイプ、液体タイプ
(ペーストタイプを含む)を繊維からなる混紡の不織布
に高分子バインダーを用いて、固形原料(顆粒状タイ
プ、粉末タイプ、液体タイプ)として固定化して良い。
更に、使用時に上記固形原料(顆粒状タイプ、粉末タイ
プ等)を不織布(繊維からなる混紡の不織布)ポケット
の一部に、担持あるいは入れ込んで味付け風味(香味)
を付けても良い。
【0026】本発明の炊飯シートとして、具体的には、
ポリエステル繊維(PET繊維)の不織布からなるシー
ト体にカルシウム、鉄、ビタミン類などの栄養成分を含
浸処理した炊飯シート、レーヨン繊維の不織布からなる
シート体に調味料、香辛料(スパイス)などの香味成分
を付着処理した炊飯シート、図1に示されるポリエステ
ル繊維とレーヨン繊維の混紡からなる不織布のシート体
1にカルシウム、鉄、ビタミン類などの栄養成分及び/
又は調味料、香辛料(スパイス)などの香味成分、また
は、色素成分を含浸処理した炊飯シート2、または、ポ
リエステル繊維とレーヨン繊維の不織布に鉄、ビタミン
類などの栄養成分を付着処理した炊飯シート、図2に示
されるポリエステル繊維とレーヨン繊維の混紡からなる
不織布の層3とタンパク質繊維からなる不織布の層4と
の2層構造からなるシート体5にカルシウム、鉄、ビタ
ミン類などの栄養成分及び/又は調味料、香辛料(スパ
イス)などの香味成分、または、色素成分を含浸処理し
た炊飯シート6などが挙げられる。
【0027】また、本発明の炊飯シートは、その形状、
重量などは、炊飯器の形状、大きさ、炊飯方法等により
異なり、特に限定されるものではないが、炊飯シートの
形状等としては、図3(a)に示すように円形の形態
(例えば、直径19cm)の不織布、図3(b)に示す
ように楕円形の形態の不織布、または、図4(a)及び
(b)に示すように円形又は楕円形の形態で中央部に水
とのなじめすさ及び水への浸透を容易にするための直線
状又は十字形状の切り込みを形成した炊飯シートが挙げ
られ、また、図5(a)及び(b)に示すように、円形
状の不織布であって、両側の上部に夫々把持部を備えた
ものであってもよく、また、シートは混紡及び/又は多
層構造の不織布であることが好ましい。更に、厚みは2
〜10mm程度であることが好ましく、また、重量とし
ては、30〜1500g/m2、好ましくは、80〜3
00g/m2、更に好ましくは、100〜250g/m2
であることが望ましい。更にまた、本発明の炊飯シート
は、好ましくは、少なくとも栄養成分、香味成分及び色
素成分の何れか1つ以上の成分を含む親水性繊維及び/
又は疎水性繊維からなる不織布又は編織布のシートを用
いることが望ましい。より好ましくは、本発明の炊飯シ
ートにおいて、少なくとも一部が親水性繊維であるこ
と、すなわち、親水性繊維の使用量が繊維全量中、10
重量%以上、好ましくは、30重量%以上、更に好まし
くは、50重量%以上であることが望ましい。また、本
発明の炊飯シートは、不織布のシートを用いることが更
に望ましい。例えば、炊飯シートには、少なくとも栄養
成分、香味成分及び色素成分の何れか1つ以上の成分を
含む親水性繊維及び疎水性繊維の両者を使用したものが
更に好ましく、例えば、上記各成分の1つ以上の成分を
含む親水性繊維及び疎水性繊維の混紡(ミックス)から
なる不織布あるいは上記各成分の1つ以上の成分を含む
親水性繊維からなる不織布の層と上記各成分の1つ以上
の成分を含む疎水性繊維からなる不織布の層との多層構
造を有する不織布等が、未洗米又は十分に洗米していな
い米表面に付着する米とぎ汁成分である水不溶性成分と
水溶性成分とを同時に吸着乃至捕捉するため、望まし
い。すなわち、水不溶性成分と水溶性成分からなる米と
ぎ汁成分のうち、水不溶性成分は、疎水性繊維が吸着乃
至捕捉を行い、同時に水溶性成分は、親水性繊維に吸着
乃至捕捉することとなるからである。この親水性繊維及
び疎水性繊維を用いた炊飯シートは、夫々の繊維が有す
る化学的、物理的な吸着作用乃至捕捉作用を活用してい
るものである。親水性繊維としては、前記繊維のうち、
セルロース、紙、パルプ、レーヨン繊維、タンパク質繊
維、シルク繊維などが挙げられ、疎水性繊維としては、
ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン
繊維などが挙げられる。繊維構造としては、中空構造を
有する繊維、分割繊維を有する繊維などが挙げられる。
【0028】このように構成される本発明の炊飯シート
は、ご飯に少なくとも栄養成分、香味成分及び色素成分
の何れか1つ以上の成分を簡単に、かつ効率良く付与す
ることができるものとなる。すなわち、図6に示される
ように、炊飯器11の中に、少なくとも米(洗米)12
と水13とを所定量入れた後、本発明の炊飯シート10
を入れて、好ましくは、上部の水面にシートを載せて炊
飯すると、前記繊維からなる炊飯シートに付与された少
なくとも栄養成分、香味成分及び色素成分の何れか1つ
以上の成分が溶解してこれらの成分がご飯に含浸される
こととなり、ご飯に少なくとも栄養成分、香味成分、色
素成分の何れか1つ以上の成分が簡単に、かつ効率良く
付与されて、おいしいご飯が炊けることができるものと
なる。
【0029】また、本発明では、使用するお米として、
未洗米、十分に洗米していないお米を使用して上述の方
法で炊飯すると、ご飯に少なくとも栄養成分、香味成分
及び色素成分の何れか1つ以上の成分が簡単に、かつ効
率良く付与されて、おいしいご飯が炊けることができる
ものとなると共に、炊飯の際に(加熱による水等の対流
等により)、従来において米とぎの際等に生じていた米
とぎ汁成分やヌカ成分などの未洗米又は十分に洗米して
いないお米表面に付着する水溶性成分や水不溶性成分等
の成分が米表面からとれ、前記繊維からなる炊飯シート
に吸着乃至捕捉されながら炊飯されることとなり、これ
により、米とぎが不要となると共に、洗ったお米と同様
においしいご飯が炊けることができるものとなる。
【0030】従って、本発明の炊飯シートでは、ご飯に
少なくとも栄養成分、香味成分、色素成分の何れか1つ
以上の成分が簡単に、かつ効率良く付与されて、おいし
いご飯が炊けることができるものとなる。また、未洗米
及び/又は十分に洗米していない米を使用した場合に
は、上記効果の他、米とぎが不要となるので、洗米工程
が省略できると共に、米とぎの際に発生する排水による
環境汚染も防止できるものとなる。また、本発明の炊飯
方法では、炊飯時に少なくとも米(未洗米、十分に洗米
していない米、洗米)と水に、少なくとも栄養成分、調
味料や香辛料などの香味成分、及び色素成分の何れか1
つ以上の成分を含浸させた炊飯シートと共に炊飯するこ
とで、調理がいらないおいしいご飯が炊けるものとな
る。更に、未洗米、十分に洗米していない米を使用した
場合には、排水を流さないので、環境を汚さないことが
できるものとなる。
【0031】本発明の炊飯シート、炊飯方法は、上述の
如く構成されるものであるが、上記実施形態に限定され
るものでない。例えば、本発明の炊飯方法において用い
る炊飯器は家庭用に限定されるものではなく、業務用の
ものであってもよく、また、炊飯の際に、炊飯器中に、
米と水以外の具材などを入れて炊飯しても良いものであ
る。
【0032】
【実施例】次に、実施例及び比較例により、本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。
【0033】〔実施例1〕 栄養成分(カルシウム)の放出性評価 市販の精白米(コシヒカリ平成9年度産)2合(未洗
米:300g)を炊飯器の中に入れた後、所定量の水を
入れ炊飯器上部の水面に塩化カルシウム0.6gを付着
させたポリエステル繊維とレーヨン繊維とからなる不織
布の炊飯シート(形状:円形状、ダイワボウ(株)製
「RP−35」)15gを入れてご飯を炊き、炊飯シー
トからのカルシウムの放出性に関して下記評価法により
評価した。
【0034】(評価法) 炊飯条件:米と水の配合割合は、米/水=1/1.5
(wt%/wt%)の条件とした。 電気炊飯器:(ナショナル IHジャー炊飯器 SR−
IHWE10) 栄養成分であるカルシウムの放出性に関しては、不織布
に残留したカルシウム分をEDTA滴定により定量を行
った。お米に対する水量の炊飯条件は、下記の不織布に
含浸する水量を予め調整して、不織布の種類に応じて所
定量に新たに加えた(繊維1gあたり3〜10g)。こ
の結果を下記表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】上記表1の結果から明らかなように、本発
明の炊飯シートを使用して炊飯すると、栄養成分である
カルシウムを簡単に、かつ効率良くお米に付与すること
ができるものであることが判った。
【0037】〔実施例2及び3〕 風味及び味付けご飯の評価 市販の精白米(コシヒカリ平成9年度産)2合(未洗
米:300g)を炊飯器の中に入れた後、所定量の水を
入れ炊飯器上部の水面に、実施例2として調味料(4
2.5g)、実施例3として香辛料(15.5g)を付
着させた各々の不織布〔ポリエステル繊維とレーヨン繊
維の混紡(=1/1)の不織布(形状:円形状、ダイワ
ボウ(株)製「RP−35」)58gと27gとを夫々
入れてご飯を炊き、ご飯のおいしさに関して下記評価法
により評価した。
【0038】(評価法) 炊飯条件:米と水の配合割合は、米/水=1/1.5
(wt%/wt%)の条件とした。 電気炊飯器:(ナショナル IHジャー炊飯器 SR−
IHWE10) お米に対する水量の炊飯条件は、下記の不織布に含浸す
る水量を予め調整して、不織布の種類に応じて所定量に
新たに加えた(繊維1gあたり3〜10g)。炊飯され
た実施例2及び3のご飯を試食して下記評価基準により
評価した。 評価基準:5人による評価 ○:おいしい、△:ややおいしい、×:おいしくない これらの結果を下記表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】上記表2の結果から明らかなように、本発
明の炊飯シートを使用して炊飯すると、香味成分である
調味料、香辛料を簡単に、かつ効率良くお米に付与する
ことができると共に、おいしいご飯が炊けることが判っ
た。
【0041】
【発明の効果】本発明の炊飯シートによれば、ご飯に少
なくとも栄養成分、香味成分及び色素成分の何れか1つ
以上の成分が簡単に、かつ効率良く付与されて、おいし
いご飯が炊けることができるものとなる。また、本発明
の炊飯方法では、炊飯時に少なくとも米(未洗米、十分
に洗米していない米、洗米)と水の入った炊飯器中に本
発明の炊飯シートを入れて炊飯するだけで、ご飯に少な
くとも栄養成分、香味成分及び色素成分の何れか1つ以
上の成分が簡単に、かつ効率良く付与されて、調理がい
らないおいしいご飯が炊けるものとなる。特に、未洗米
及び/又は十分に洗米していない米を使用して炊飯した
場合には、更に、米とぎが不要となるので、洗米工程が
省略できると共に、米とぎの際に発生する排水による環
境汚染も防止できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明となる炊飯シートの実施形態の一例を示
す断面図である。
【図2】本発明となる炊飯シートの実施形態の他例を示
す断面図である。
【図3】(a)及び(b)は、夫々本発明となる炊飯シ
ートの形状の一例を示す平面図である。
【図4】(a)及び(b)は、夫々本発明となる炊飯シ
ートの形状の他例を示す平面図である。
【図5】(a)は、本発明となる炊飯シートの実施形態
の他例を示す平面図、(b)は、(a)の断面図であ
る。
【図6】本発明となる炊飯方法の実施形態の一例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 シート体 2 炊飯シート 11 炊飯器 12 未洗米(精白米) 13 水

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも栄養成分、香味成分及び色素
    成分の何れか1つ以上の成分を含む繊維からなることを
    特徴とする炊飯シート。
  2. 【請求項2】 炊飯器の中に、少なくとも米と水とを所
    定量入れた後、請求項1記載の炊飯シートを入れて炊飯
    することを特徴とする炊飯方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012099031A1 (ja) * 2011-01-17 2012-07-26 不二製油株式会社 米飯品質改良剤

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012099031A1 (ja) * 2011-01-17 2012-07-26 不二製油株式会社 米飯品質改良剤
JPWO2012099031A1 (ja) * 2011-01-17 2014-06-30 不二製油株式会社 米飯品質改良剤
JP5974900B2 (ja) * 2011-01-17 2016-08-23 不二製油株式会社 米飯品質改良剤

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