JPH11343593A - メッキ方法 - Google Patents

メッキ方法

Info

Publication number
JPH11343593A
JPH11343593A JP29022998A JP29022998A JPH11343593A JP H11343593 A JPH11343593 A JP H11343593A JP 29022998 A JP29022998 A JP 29022998A JP 29022998 A JP29022998 A JP 29022998A JP H11343593 A JPH11343593 A JP H11343593A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
plating
metal powder
plating method
nickel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29022998A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Murakami
治 村上
Mutsuo Hatayoshi
睦夫 幡吉
Kenichi Yamaoka
憲一 山岡
Yoshio Matsuda
淑男 松田
Sho Yamada
祥 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP29022998A priority Critical patent/JPH11343593A/ja
Publication of JPH11343593A publication Critical patent/JPH11343593A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 メッキ前処理の工程を短縮化して容易に密着
強度の高いメッキ膜が得られ、しかもメッキ可能な基体
の適用範囲を拡大でき、さらに、環境的にクリーンなメ
ッキ方法を提供する。 【解決手段】 不導電性物質よりなる基体表面に金属粉
末を固着させた後、電解メッキを施すことにより、また
は無電解メッキを施し、さらに電解メッキを施すことに
より、上記基体表面の所望の位置に金属被膜を形成させ
る。また、上記金属粉末の固着は、不導電性物質よりな
る基体表面に金属粉末を打ち込むことにより行う。ま
た、基体としては、硬質樹脂、ゴムまたはエラストマー
の軟質樹脂、発泡樹脂、充填材を含む樹脂等のあらゆる
熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いることができる。ま
た、不活性ガス雰囲気中で金属粉末を打ち込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報通信、家電、
産業用の電気・電子機器等に用いられるメッキを施した
金属被膜を有する樹脂製部品に関し、特にそのメッキ方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来技術1による樹脂固形物へのメッキ
方法について図5をもとに説明する。まず、メッキの基
体として樹脂固形物の成形品を用意し(工程1)、樹脂
固形物表面に付着した油分やホコリ、汚れなどを界面活
性剤主体とした脱脂液で除去(工程2)した後、酸やア
ルカリの溶媒に浸漬して樹脂表面層を荒らす化学エッチ
ング(工程3)を行う。次にエッチングに使用した溶媒
の除去や中和(工程4)を行うことによって次工程に行
う触媒の吸着の向上を図る。次に酸化還元反応で触媒と
なる例えばパラジウムを樹脂表面に吸着析出させた(工
程5)後、不要なイオンの除去を行いパラジウムの活性
化を促進させる(工程6)。次に無電解銅メッキ(工程
7)や電解銅メッキ(工程8)を施し、樹脂固形物表面
に金属被膜を形成する。一般に樹脂のメッキ密着性は、
樹脂の表面を荒らしメッキの物理的なアンカー(投錨)
効果にっよって確保される。このためメッキ方法のなか
では樹脂の表面を荒らす化学エッチングが重要となる。
化学エッチングは、高濃度のクロム酸、硫酸混液が一般
的であるが、樹脂によってはその他の無機酸、高濃度ア
ルカリ溶液、有機溶剤などが用いられ、またエッチング
時の条件としては、高温(60〜80℃)、長時間(5
〜30分)が必要となり、さらに、エッチング時の薬品
の管理が重要であり困難であった。これらの薬品によっ
て樹脂を溶出あるいは膨潤させて樹脂に含まれる充填材
を取り出すかあるいは充填材を溶かす方法によって樹脂
成形品の表面に物理的な凹凸を形成することによってメ
ッキの密着強度は強固になる。
【0003】また、従来技術2として、特開平9−59
778号公報に示される以下のような無電解メッキの前
処理方法もある。すなわち、予め表面に無電解メッキ用
金属触媒を担持させた不導電性粉体を液状有機バインダ
ー中に分散させ、しかる後得られる分散液を樹脂固形物
表面の所望の場所に塗装し塗膜を形成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように従来技術
1によれば、メッキの前処理として化学エッチング工程
(工程3)を要しており、エッチング溶液として、高濃
度の無機酸、アルカリ、有機溶剤を使用し、長時間エッ
チングを行わなければならなかった。このためエッチン
グ溶液の濃度、温度、浸漬時間等のエッチング条件の管
理が難しく、さらに、エッチングによる樹脂の表面粗化
が可能な樹脂や樹脂に含まれる充填材が限られていた。
このように生産工程が複雑であり、メッキ可能な樹脂材
料に制約があった。またエッチング溶液の廃液処理が必
要であり、地球環境的に問題があった。また、従来技術
2によれば、樹脂の種類によっては十分な被膜の密着性
を確保することが難しく、このため金属被膜の密着性の
信頼性に問題があった。また被膜の密着性を確保するた
めに分散液を塗装する前に新たに接着剤を塗布するよう
な工程が必要となり、製造工程がさらに複雑になる問題
があった。
【0005】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解決するためになされたもので、メッキ前処理の工程を
短縮化して容易に密着強度の高い金属被膜が得られ、し
かも樹脂固形物材料の制限を受けずメッキ可能な樹脂の
適用範囲を拡大でき、さらに、環境的にクリーンな樹脂
のメッキ方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るメッキ方法
は、不導電性物質よりなる基体表面に金属粉末を固着さ
せた後、電解メッキを施すことにより、または無電解メ
ッキを施し、さらに電解メッキを施すことにより上記基
体表面の所望の位置に金属被膜を形成させるものであ
る。
【0007】さらに、上記金属粉末の固着は、不導電性
物質よりなる基体表面に金属粉末を打ち込むことにより
行うものである。
【0008】また、上記基体としては、熱可塑性樹脂や
熱硬化性樹脂であり、また硬質樹脂や、ゴムやエラスト
マーの軟質樹脂や、発泡樹脂や、充填材を含む樹脂を用
いるものである。
【0009】また、不活性ガス雰囲気中で金属粉末を打
ち込むものである。
【0010】また、不導電性物質よりなる基体を物理的
な手法により表面粗化した後に、該表面に金属粉末を打
ち込むものである。
【0011】また、上記熱可塑性樹脂よりなる基体表面
への金属粉末の固着は、樹脂が軟化する温度まで加熱し
ながら金属粉末を打ち込むことにより行うものである。
【0012】また、不導電性物質よりなる基体表面に所
定部分が中抜けとなったマスクを貼り付けた後に、上記
中抜け部分の基体表面に金属粉末を打ち込むものであ
る。
【0013】また、筒形状の基体の内壁面への金属粉末
の打ち込みは、細長い形状のノズルを用い、該ノズルを
筒内に挿入して行うものである。
【0014】また、上記金属粉末の打ち込みは、金属粉
末が噴射されるノズルをフレキシブルチューブを介して
噴射装置本体と連結し、上記ノズルを移動させることに
よって行うものである。
【0015】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は本発明の実
施の形態1によるメッキ方法を説明する工程図である。
まず、工程1において、不導電性物質よりなる基体を用
意する。ここで用いられる不導電性物質よりなる基体と
しては、例えば樹脂固形物が挙げられ、樹脂固形物とし
ては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂で成形された硬質成
形品、軟質成形品、発泡成形品、積層成形品が挙げられ
る。熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン樹脂やポリ
エチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂やアクリロニトリ
ル・ブタジエン・スチレン共重合体樹脂、ポリブチレン
テレフタレート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂
やポリアミド樹脂、液晶性樹脂、ポリエーテルサルフォ
ン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、フッ素系樹
脂等の公知または市販の熱可塑性樹脂を用いることがで
きる。またオレフィン系やスチレン系、ポリエステル
系、塩化ビニル系、ポリアミド系、ウレタン系等他のエ
ラストマー樹脂の軟質樹脂でもよい。また樹脂内に発泡
剤を添加することによって得られる発泡成形品を用いて
もよい。また、補強材や機能付加として、ガラス繊維、
炭素繊維、金属繊維、タルク、マイカ、炭化珪素、窒化
珪素等の無機物の繊維状、板状、粒状のフィラーを充填
材として含む複合樹脂でもよい。熱硬化性樹脂として
は、エポキシ樹脂やフェノール樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂やポリウレタン樹脂等の公知または市販の熱硬化
性樹脂を用いることができる。またイソプレンゴムやブ
タジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、フッ素
ゴム等の加硫ゴムでもよく、硬質樹脂や軟質樹脂の制限
を受けない。またウレタンフォーム等の発泡樹脂を用い
た発泡体でもよい。また、補強材や機能付加として、ガ
ラス繊維、炭素繊維、金属繊維、タルク、マイカ、炭化
珪素、窒化珪素等の無機物の繊維状、板状、粒状のフィ
ラーを充填材として含む複合樹脂でもよい。
【0016】次に、工程2において上記基体表面に金属
粉末を打ち込んで固着させる。基体に打ち込む金属粉末
としては、銅、ニッケル、鉄、金、アルミニウム、亜鉛
等の金属がよいが、その他の金属を用いてもよい。ま
た、金属粉末を打ち込むのに用いられる装置としては、
ブラストマシーン等の金属粉末を高速で吹き出す装置で
あれば制限されない。このように、金属粉末は基体表面
に打ち込まれることにより基体内に潜り込んでいるた
め、アンカー効果により十分な密着強度が得られる。
【0017】次に、工程3において、油分やホコリを界
面活性剤を主体とした脱脂液で除去する。
【0018】次に、工程4において、無電解ニッケルメ
ッキ液に浸漬して表面に0.2〜1μmの導電性被膜層
を形成させる。メッキ条件は、例えばメッキ液を硫酸ニ
ッケル、次亜リン酸ソーダ、クエン酸アンモンの混合液
とし、pHを8〜9.5、温度30〜40℃に管理し、
メッキ時間は5〜10分とする。なお、無電解メッキの
金属は、ニッケルに限るものではなく、銅や、コバル
ト、金、銀等の他の金属でもよい。
【0019】さらに、工程5において、電解ニッケルメ
ッキを施し、基体表面に金属被膜を形成させる。メッキ
条件は、例えば硫酸ニッケル、塩化ニッケルを主成分と
した混合液中で、電流密度2〜4A/dm2、メッキ温
度45〜55℃とし、メッキ時間を10〜30分とし
た。なお、電解メッキの金属は、ニッケルに限るもので
はなく、銅、クロム、亜鉛、金、アルミニウム等の他の
金属でもよい。
【0020】以上のように、本実施の形態によれば、金
属粉末を高速で打ち込む(工程2)だけで無電解メッキ
(工程4)や電解メッキ(工程5)の工程を経て基体に
強固に密着した金属被膜の形成が可能となるため、メッ
キ前の工程が簡略になり、さらにエッチングに要してい
た化学薬品が不要となり地球環境的にクリーンなメッキ
方法が得られる。また、不導電性物質よりなる基体とし
ては、金属粉末を打ち込めるものであればよく、熱可塑
性樹脂や熱硬化性樹脂の硬質から軟質の固形物や発泡
体、また補強材や機能付与の充填材の有無に限らないこ
とから、制約を受けることがなく、例えば従来困難であ
った樹脂固形物へのメッキが可能となり金属被膜を形成
することができる。
【0021】実施の形態2.図2は本発明の実施の形態
2によるメッキ方法を説明する工程図である。脱脂(工
程3)と無電解メッキ(工程5)の間に図2に示すよう
に従来技術と同様の触媒付与(工程4)を行ってもよ
い。触媒付与工程は、例えば塩化パラジウム、塩化第一
スズ、塩酸の混合液中で酸化還元反応により触媒となる
パラジウムを樹脂表面に吸着析出させるプロセスであ
る。これにより、より密着強度の高いメッキ膜が得られ
る。
【0022】実施の形態3.なお、上記実施の形態1お
よび2では無電解メッキ(工程4)の後に電解メッキ
(工程5)を施したが、十分な量の金属粉末を打ち込
み、基体表面が導電性を示す場合には、無電解メッキ
(工程4)を省略することもできる。すなわち、図3に
示す工程図のように、金属粉末を打ち込んだ(工程2)
後、脱脂工程(工程3)を経て電解メッキ(工程4)を
行うことができる。これにより、実施の形態2に比べて
触媒付与、無電解メッキ工程が削除されるために、製造
工程の大幅な削減が図られる。
【0023】実施の形態4.次に、実施の形態4として
必要な部分のみに金属被膜を形成する方法について説明
する。図4は本発明の実施の形態4によるメッキ方法を
説明する工程図である。図4に示すように、不導電性物
質からなる基体を用意(工程1)した後、所定部分すな
わち金属被膜を形成したい部分が中抜けとなったマスク
を基体表面に貼り付ける(工程2)。次にこのマスクを
貼り付けた基体表面内に金属粉末を打ち込んで固着させ
た(工程3)後、マスクを剥がし、除去する(工程
4)。次に、実施の形態1ないし3の何れかと同様の工
程5〜工程8を経て必要な部分のみに金属被膜を形成す
ることができる。本実施の形態では実施の形態2と同様
の脱脂(工程5)、触媒付与(工程6)、無電解メッキ
(工程7)および電解メッキ(工程8)を行った。
【0024】実施の形態5.なお、上記各実施の形態に
おいて、基体表面に打ち込んだ金属粉末を化学的に安定
させるために、アルゴンやヘリウム等の不活性ガス雰囲
気中で金属粉末の打ち込みを行ってもよい。すなわち、
上記のような不活性ガス雰囲気中で金属粉末を打ち込む
ことにより金属粉末の酸化を防止することが可能となり
安定した固着物が得られる。
【0025】実施の形態6.また、金属粉末の固着をよ
り強固にするために、金属粉末を打ち込む前に、サンド
ブラストやサンドペーパ、ヤスリ等の物理的な手法によ
る表面粗化を行ってもよい。この方法により、予め基体
表面が凹凸状態になるために、金属粉末を打ち込んだ後
のメッキによる金属被膜はより密着性の強いものが得ら
れる。サンドブラストの場合、ブラストマシーン等の高
速で吹き出す装置であれば制限されない。このとき使用
する粉末は、ガラスビーズ、炭化ケイ素、アルミナ、カ
ーボランダム等の固い粒子であればよい。
【0026】実施の形態7.また、基体が熱可塑性樹脂
である場合、樹脂の軟化温度付近まで加熱しながら金属
粉末を打ち込むことによって、アンカー効果が強くな
り、メッキした金属被膜は安定したものが得られる。
【0027】実施の形態8.また、円筒等、筒形状の基
体の内壁面にメッキを施したい場合の金属粉末の打ち込
みは、ブラストマシーンの金属粉末が出るノズルの形状
を細長くしてこのノズルを円筒内に挿入し、ノズルを回
転させることによって可能となる。なお、ノズルを回転
させる代りに四方(360度方向)に金属粉末を噴射で
きるノズルを用いてもよい。
【0028】実施の形態9.さらに、複雑な形状を有す
る基体の死角となるところの金属粉末の打ち込みは、金
属粉末が噴射されるノズルをブラストマシーン本体とフ
レキシブルチューブを介して連結し、ノズルを移動させ
ることによって行うとよい。
【0029】
【実施例】以下に具体的な実施例について説明するが、
本発明はこれらの実施例に限られるものではない。
【0030】実施例1.硬質の熱可塑性樹脂として、A
BS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合
体)樹脂であるダイヤペット3001M(商品名、三菱
レーヨン(株)製)を用いて射出成形によって樹脂成形
品を作製した。次に、ブラストマシーン(不二製作所
(株)製)を用い、上記の樹脂成形品に銅粉末を吹き付
けて、その表面内銅粉末を打ち込んだ。銅粉末は、メッ
シュ番号#500(JIS規格)のものを使用した。次
に、希塩酸と界面活性剤を用いて銅粉末を打ち込んだ樹
脂成形品の脱脂を行った後、硫酸ニッケル、次亜リン酸
ソーダ、クエン酸アンモン混合液で無電解ニッケルメッ
キでニッケル被膜を約1μm形成し、最後に硫酸ニッケ
ル、塩化ニッケルを主成分とした溶液中で電解ニッケル
メッキを行い、厚さ約20μmのニッケル被膜を形成し
た。無電解ニッケルメッキの条件は、pH8〜9.5、
溶液の温度30〜40℃に管理し、メッキ時間は5〜1
0分とした。電解ニッケルメッキの条件は、電流密度2
〜4A/dm2、メッキ温度45〜55℃とし、メッキ
時間を10〜30分とした。
【0031】実施例2.硬質の熱可塑性樹脂として、A
BS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合
体)樹脂であるダイヤペット3001M(商品名、三菱
レーヨン(株)製)を用いて射出成形によって樹脂成形
品を作製した。次に、ブラストマシーン(不二製作所
(株)製)を用い、上記の樹脂成形品に銅粉末を吹き付
けて、その表面内銅粉末を打ち込んだ。銅粉末は、メッ
シュ番号#500(JIS規格)のものを使用した。次
に、希塩酸と界面活性剤を用いて銅粉末を打ち込んだ樹
脂成形品の脱脂を行い、次に塩化パラジウム、塩化第一
錫、濃塩酸の混合液中に浸漬し触媒を付与した後、硫酸
ニッケル、次亜リン酸ソーダ、クエン酸アンモン混合液
で無電解ニッケルメッキでニッケル被膜を約1μm形成
し、最後に硫酸ニッケル、塩化ニッケルを主成分とした
溶液中で電解ニッケルメッキを行い厚さ約20μmのニ
ッケル被膜を形成した。無電解ニッケルメッキの条件
は、pH8〜9.5、溶液の温度30〜40℃に管理
し、メッキ時間は5〜10分とした。電解ニッケルメッ
キの条件は、電流密度2〜4A/dm2、メッキ温度4
5〜55℃とし、メッキ時間を10〜30分とした。
【0032】実施例3.熱可塑性樹脂として、ガラス繊
維強化PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂であ
るノバドゥール5010G30(商品名、三菱エンジニ
アリングプラスチックス(株)製)を用いて射出成形に
よって樹脂成形品を作製した。次に、ブラストマシーン
(不二製作所(株)製)を用い、上記の樹脂成形品に銅
粉末を吹き付け、その表面内に銅粉末を打ち込んだ。銅
粉末は、メッシュ番号#350(JIS規格)のものを
使用した。次に、希塩酸と界面活性剤を用いて銅粉末を
打ち込んだ樹脂成形品の脱脂を行い、次に塩化パラジウ
ム、塩化第一錫、濃塩酸の混合液中に浸漬し触媒を付与
した後、硫酸ニッケル、次亜リン酸ソーダ、クエン酸ア
ンモン混合液を用いた無電解ニッケルメッキでニッケル
被膜を約1μm形成し、最後に硫酸ニッケル、塩化ニッ
ケルを主成分とした溶液中で電解ニッケルメッキを行
い、厚さ約20μmのニッケル被膜を形成した。無電解
ニッケルメッキの条件は、pH8〜9.5、溶液の温度
30〜40℃に管理し、メッキ時間は5〜10分とし
た。電解ニッケルメッキの条件は、電流密度2〜4A/
dm2、メッキ温度45〜55℃とし、メッキ時間を1
0〜30分とした。
【0033】実施例4.熱可塑性樹脂として、ガラス繊
維強化PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂であ
るノバドゥール5010G30(商品名、三菱エンジニ
アリングプラスチックス(株)製)を用いて射出成形に
よって樹脂成形品を作製した。次に、アルゴンガス雰囲
気に制御したブラストマシーン(不二製作所(株)製)
を用い、上記の樹脂成形品に銅粉末を吹き付け、その表
面内に銅粉末を打ち込んだ。銅粉末は、メッシュ番号#
350(JIS規格)のものを使用した。次に、希塩酸
と界面活性剤を用いて銅粉末を打ち込んだ樹脂成形品の
脱脂を行い、次に塩化パラジウム、塩化第一錫、濃塩酸
の混合液中に浸漬し触媒を付与した後、硫酸ニッケル、
次亜リン酸ソーダ、クエン酸アンモン混合液を用いた無
電解ニッケルメッキでニッケル被膜を約1μm形成し、
最後に硫酸ニッケル、塩化ニッケルを主成分とした溶液
中で電解ニッケルメッキを行い、厚さ約20μmのニッ
ケル被膜を形成した。無電解ニッケルメッキの条件は、
pH8〜9.5、溶液の温度30〜40℃に管理し、メ
ッキ時間は5〜10分とした。電解ニッケルメッキの条
件は、電流密度2〜4A/dm2、メッキ温度45〜5
5℃とし、メッキ時間を10〜30分とした。
【0034】実施例5.熱可塑性樹脂として、PC(ポ
リカーボネート)樹脂であるユーピロンH−3000
(商品名、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)
製)を用いて射出成形によって樹脂成形品を作製した。
次に、ブラストマシーン(不二製作所(株)製)を用
い、上記の樹脂成形品に銅粉末を吹き付けて、その表面
内に銅粉末を打ち込んだ。銅粉末は、メッシュ番号#5
00のものを使用した。次に、希塩酸と界面活性剤を用
いて銅粉末を打ち込んだ樹脂成形品の脱脂を行い、次に
塩化パラジウム、塩化第一錫、濃塩酸の混合液中に浸漬
し触媒を付与した後、硫酸ニッケル、次亜リン酸ソー
ダ、クエン酸アンモン混合液を用いた無電解ニッケルメ
ッキでニッケル被膜を約1μm形成し、最後に硫酸ニッ
ケル、塩化ニッケルを主成分とした溶液中で電解ニッケ
ルメッキを行い厚さ約20μmのニッケル被膜を形成し
た。無電解ニッケルメッキの条件は、pH8〜9.5、
溶液の温度30〜40℃に管理し、メッキ時間は5〜1
0分とした。電解ニッケルメッキの条件は、電流密度2
〜4A/dm2、メッキ温度45〜55℃とし、メッキ
時間を10〜30分とした。
【0035】実施例6.熱可塑性樹脂として、PC(ポ
リカーボネート)樹脂であるユーピロンH−3000
(商品名、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)
製)を用いて射出成形によって樹脂成形品を作製した。
次に、ブラストマシーン(不二製作所(株)製)を用い
て上記作製した樹脂成形品にガラスビーズを吹き付けて
表面を荒らした。ガラスビーズはメッシュ番号#350
のものを使用した。次に、上記ブラストマシーンを用
い、上記の表面が荒れた樹脂成形品に銅粉末を吹き付け
て、その表面内に銅粉末を打ち込んだ。銅粉末は、メッ
シュ番号#500のものを使用した。次に、希塩酸と界
面活性剤を用いて銅粉末を打ち込んだ樹脂成形品の脱脂
を行い、次に硫酸ニッケル、次亜リン酸ソーダ、クエン
酸アンモン混合液を用いた無電解ニッケルメッキでニッ
ケル被膜を約1μm形成し、最後に硫酸ニッケル、塩化
ニッケルを主成分とした溶液中で電解ニッケルメッキを
行い厚さ約20μmのニッケル被膜を形成した。無電解
ニッケルメッキの条件は、pH8〜9.5、溶液の温度
30〜40℃に管理し、メッキ時間は5〜10分とし
た。電解ニッケルメッキの条件は、電流密度2〜4A/
dm2、メッキ温度45〜55℃とし、メッキ時間を1
0〜30分とした。
【0036】実施例7.熱可塑性樹脂として、PC(ポ
リカーボネート)樹脂であるユーピロンH−3000
(商品名、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)
製)を用いて射出成形によって樹脂成形品を作製した。
次に、ブラストマシーン(不二製作所(株)製)を用い
て上記作製した樹脂成形品にガラスビーズを吹き付けて
表面を荒らした。ガラスビーズはメッシュ番号#350
のものを使用した。次に、上記ブラストマシーンを用
い、上記の表面が荒れた樹脂成形品を150℃に加熱し
ながら銅粉末を吹き付けて、その表面内に銅粉末を打ち
込んだ。銅粉末は、メッシュ番号#500のものを使用
した。次に、希塩酸と界面活性剤を用いて銅粉末を打ち
込んだ樹脂成形品の脱脂を行った後に、硫酸ニッケル、
塩化ニッケルを主成分とした溶液中で電解ニッケルメッ
キを行い厚さ約20μmのニッケル被膜を形成した。電
解ニッケルメッキの条件は、電流密度2〜4A/d
2、メッキ温度45〜55℃とし、メッキ時間を10
〜30分とした。
【0037】実施例8.熱硬化性樹脂として、エポキシ
樹脂であるエピコート828(商品名、油化シェルエポ
キシ(株)製)を用いて注型成形によって作製した樹脂
成形品に、ブラストマシーン(不二製作所(株)製)に
より銅粉末を吹き付け、その表面内に銅粉末を打ち込ん
だ。銅は、メッシュ番号#500(JIS規格)の粉末
を使用した。次に、希塩酸と界面活性剤を用いて銅粉末
を打ち込んだ樹脂成形品の脱脂を行い、次に塩化パラジ
ウム、塩化第一錫、濃塩酸の混合液中に浸漬し触媒を付
与した後、硫酸ニッケル、次亜リン酸ソーダ、クエン酸
アンモン混合液を用いた無電解ニッケルメッキでニッケ
ル被膜を約1μm形成し、最後に硫酸ニッケル、塩化ニ
ッケルを主成分とした溶液中で電解ニッケルメッキを行
い厚さ約20μmのニッケル被膜を形成した。無電解ニ
ッケルメッキの条件は、pH8〜9.5、溶液の温度3
0〜40℃に管理し、メッキ時間は5〜10分とした。
電解ニッケルメッキの条件は、電流密度2〜4A/dm
2、メッキ温度45〜55℃とし、メッキ時間を10〜
30分とした。
【0038】実施例9.軟質樹脂として、オレフィン系
熱可塑性エラストマー樹脂であるサーモラン3702
(商品名、三菱化学(株)製)を用いて射出成形によっ
て作製した樹脂成形品に、ブラストマシーン(不二製作
所(株)製)によりニッケル粉末を吹き付け、その表面
内にニッケル粉末を打ち込んだ。ニッケル粉末は、メッ
シュ番号#350(JIS規格)のものを使用した。次
に、希塩酸と界面活性剤を用いて銅粉末を打ち込んだ樹
脂成形品の脱脂を行い、次に塩化パラジウム、塩化第一
錫、濃塩酸の混合液中に浸漬し触媒を付与した後、硫酸
ニッケル、次亜リン酸ソーダ、クエン酸アンモン混合液
を用いた無電解ニッケルメッキでニッケル被膜を約1μ
m形成し、最後に硫酸ニッケル、塩化ニッケルを主成分
とした溶液中で電解ニッケルメッキを行い厚さ約20μ
mのニッケル被膜を形成した。無電解ニッケルメッキの
条件は、pH8〜9.5、溶液の温度30〜40℃に管
理し、メッキ時間は5〜10分とした。電解ニッケルメ
ッキの条件は、電流密度2〜4A/dm2、メッキ温度
45〜55℃とし、メッキ時間を10〜30分とした。
【0039】実施例10.発泡樹脂として、ウレタン樹
脂であるBydur(商品名、Bayer(株)製)を
用いて注型成形によって作製した硬質発泡樹脂成形品
に、ブラストマシーン(不二製作所(株)製)により亜
鉛粉末を吹き付け、その表面内に亜鉛粉末を打ち込ん
だ。亜鉛粉末は、メッシュ番号#350(JIS規格)
のものを使用した。次に、希塩酸と界面活性剤を用いて
亜鉛粉末を打ち込んだ樹脂成形品の脱脂を行い、次に塩
化パラジウム、塩化第一錫、濃塩酸の混合液中に浸漬し
触媒を付与した後、硫酸ニッケル、次亜リン酸ソーダ、
クエン酸アンモン混合液を用いた無電解ニッケルメッキ
でニッケル被膜を約1μm形成し、最後に硫酸ニッケ
ル、塩化ニッケルを主成分とした溶液中で電解ニッケル
メッキを行い厚さ約20μmのニッケル被膜を形成し
た。無電解ニッケルメッキの条件は、pH8〜9.5、
溶液の温度30〜40℃に管理し、メッキ時間は5〜1
0分とした。電解ニッケルメッキの条件は、電流密度2
〜4A/dm2、メッキ温度45〜55℃とし、メッキ
時間を10〜30分とした。
【0040】実施例11.熱可塑性樹脂として、ABS
(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)
樹脂であるダイヤペット3001(商品名、三菱レーヨ
ン(株)製)を用いて射出成形によって樹脂成形品を作
製した。次に、回路部分が中抜けとなったマスクを貼り
付けた後、ブラストマシーン(不二製作所(株)製)を
用い、上記の樹脂成形品に上記マスクの上から銅粉末を
吹き付け、その中抜け部分の表面内に銅粉末を打ち込ん
だ。銅粉末は、メッシュ番号#350(JIS規格)の
ものを使用した。次に、マスクを剥がした後に、希塩酸
と界面活性剤を用いて銅粉末を打ち込んだ樹脂成形品の
脱脂を行い、次に塩化パラジウム、塩化第一錫、濃塩酸
の混合液中に浸漬して触媒を付与した後、硫酸ニッケ
ル、次亜リン酸ソーダ、クエン酸アンモン混合液を用い
た無電解ニッケルメッキでニッケル被膜を約1μm形成
し、最後に硫酸ニッケル、塩化ニッケルを主成分とした
溶液中で電解ニッケルメッキを行い厚さ約20μmのニ
ッケル被膜を形成することにより回路基板を形成した。
無電解ニッケルメッキの条件は、pH8〜9.5、溶液
の温度30〜40℃に管理し、メッキ時間は5〜10分
とした。電解ニッケルメッキの条件は、電流密度2〜4
A/dm2、メッキ温度45〜55℃とし、メッキ時間
を10〜30分とした。
【0041】実施例12.熱可塑性樹脂として、ABS
(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)
樹脂であるダイヤペット3001(商品名、三菱レーヨ
ン(株)製)を用いて押出成形によって内径50mmの
円筒状樹脂成形品を作製した。次に、ブラストマシーン
(不二製作所(株)製)を用い、その金属粉末噴射ノズ
ルの形状を外径10mm、長さ500mmの細長い形状
として、上記の樹脂成形品の内側にこのノズルを挿入
し、ノズルの先端部を回転させながら円筒状樹脂成形品
の内壁に銅粉末を吹き付け、その表面内に銅粉末を打ち
込んだ。銅粉末は、メッシュ番号#350(JIS規
格)のものを使用した。次に、希塩酸と界面活性剤を用
いて銅粉末を打ち込んだ樹脂成形品の脱脂を行い、次に
塩化パラジウム、塩化第一錫、濃塩酸の混合液中に浸漬
し触媒を付与した後、硫酸ニッケル、次亜リン酸ソー
ダ、クエン酸アンモン混合液を用いた無電解ニッケルメ
ッキでニッケル被膜を約1μm形成し、最後に硫酸ニッ
ケル、塩化ニッケルを主成分とした溶液中で電解ニッケ
ルメッキを行い厚さ約20μmのニッケル被膜を形成し
た。無電解ニッケルメッキの条件は、pH8〜9.5、
溶液の温度30〜40℃に管理し、メッキ時間は5〜1
0分とした。電解ニッケルメッキの条件は、電流密度2
〜4A/dm2、メッキ温度45〜55℃とし、メッキ
時間を10〜30分とした。なお、ノズルを回転させる
代りに四方(360度方向)に金属粉末を噴射できるノ
ズルを用いてもよい。
【0042】比較例1.メッキ可能な代表的な熱可塑性
樹脂であるABS(アクリロニトリル・ブタジエン・ス
チレン共重合体)樹脂であるダイヤペット3001M
(商品名、三菱レーヨン(株)製)を用い、図5に示し
た化学エッチング工程を有するメッキ法によ樹脂成形品
の表面にニッケル被膜を形成した。まず、上記樹脂を用
いて射出成形により樹脂成形品を得た(工程1)。次
に、成形品表面の汚れを界面活性剤と希塩酸の溶液で除
去(脱脂)した(工程2)後、化学エッチングとして約
70℃の高温にしたクロム酸と硫酸の溶媒中に約15分
間浸し、表面に微小な凹凸を形成させた(工程3)。次
に濃塩酸で中和した(工程4)後、触媒付与のため塩化
パラジウムに浸漬して無電解メッキの析出に必要なパラ
ジウム核を沈着させた(工程5)。水洗後、硫酸溶液に
浸しパラジウムの活性化を行った(工程6)。この後無
電解ニッケルメッキ(工程7)でニッケル被膜を1μm
付け、最後に電解ニッケルメッキ(工程8)により厚さ
20μmのニッケル被膜を形成した。
【0043】上記実施例1〜12および比較例1で得ら
れたニッケル被膜の密着強度を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】表1より、同じABS樹脂材料を用いた実
施例2と比較例1を比べると、実施例2ではメッキの前
処理工程を短縮化してしかも比較例1よりも密着強度の
高いニッケル被膜が形成されていることが分かる。ま
た、同じABS樹脂材料を用い、さらに触媒付与工程も
省略した実施例1においても比較例1よりも密着強度の
高いニッケル被膜が形成されていることが分かる。ま
た、同じガラス繊維強化PBT樹脂材料を用いた実施例
3、4を比較すると、アルゴン雰囲気中で銅粉末を打ち
込んだ実施例4の方が密着強度の高いニッケル被膜が形
成されていることが分かる。また、同じPC樹脂材料を
用いた実施例5、6、7を比較すると、実施例5に比べ
て触媒付与工程を省き、樹脂成形品表面をガラスビーズ
で荒らした後に銅粉末を吹き付けた実施例6の方が密着
強度の高いニッケル被膜が形成されていることが分か
る。さらに、実施例6に比べて無電解メッキ工程を省略
し、加熱しながら銅粉末を吹き付けた実施例7の方が密
着強度の高いニッケル被膜が形成されていることが分か
る。
【0046】比較例2.軟質樹脂として、オレフィン系
熱可塑性エラストマー樹脂であるサーモラン3702
(商品名、三菱化学(株)製)を用いて射出成形によっ
て作製した樹脂成形品に、上記比較例1と同じ化学エッ
チングを行ったが、樹脂が溶解し、樹脂表面のみを荒ら
すことは困難であった。そのため、メッキにより樹脂表
面に金属被膜を形成できなかった。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、不導電
性物質よりなる基体表面に金属粉末を固着させた後、電
解メッキを施すことにより、または無電解メッキを施
し、さらに電解メッキを施すことにより上記基体表面の
所望の位置に金属被膜を形成させるので、メッキ前処理
の工程を短縮化して容易に密着強度の高いメッキ膜が得
られ、しかもメッキ可能な基体の適用範囲を拡大でき、
さらに、環境的にクリーンなメッキ方法が得られる。
【0048】さらに、上記金属粉末の固着は、不導電性
物質よりなる基体表面に金属粉末を打ち込むことにより
行うので、金属粉末を打ち込むだけでメッキ用下地処理
が完了するために、生産性に優れたメッキ品が得られ
る。また、金属粉末が基体表面内に潜り込んでいるため
アンカー効果により十分な密着強度が得られる。
【0049】また、上記基体としては、硬質樹脂、ゴム
またはエラストマーの軟質樹脂、発泡樹脂、充填材を含
む樹脂等のあらゆる熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用い
ることができる。
【0050】また、不活性ガス雰囲気中で金属粉末を打
ち込むので、金属粉末の酸化を防止することが可能とな
り安定した固着物が得られる。
【0051】また、不導電性物質よりなる基体を物理的
な手法により表面粗化した後に、該表面に金属粉末を打
ち込むので、より密着強度の高いメッキ膜を形成するこ
とができる。
【0052】また、上記熱可塑性樹脂よりなる基体表面
への金属粉末の固着は、樹脂が軟化する温度まで加熱し
ながら金属粉末を打ち込むことにより行うので、金属粉
末の固着強度が向上し、より密着強度の高いメッキ膜を
形成することができる。
【0053】また、不導電性物質よりなる基体表面に所
定部分が中抜けとなったマスクを貼り付けた後に、上記
中抜け部分の基体表面に金属粉末を打ち込むので、所定
パターンに金属粉末を打ち込むことができ、所定パター
ンのメッキ膜を形成することができる。
【0054】また、筒形状の基体の内壁面への金属粉末
の打ち込みは、細長い形状のノズルを用い、該ノズルを
筒内に挿入して行うので、容易に金属粉末を打ち込むこ
とができ、筒状の基体の内側面にもメッキ膜を容易に形
成することができる。
【0055】また、上記金属粉末の打ち込みは、金属粉
末が噴射されるノズルをフレキシブルチューブを介して
噴射装置本体と連結し、上記ノズルを移動させることに
よって行うので、複雑な形状を有する基体の死角となる
ようなところにも金属粉末を打ち込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1によるメッキ方法を説
明する工程図である。
【図2】 本発明の実施の形態2によるメッキ方法を説
明する工程図である。
【図3】 本発明の実施の形態3によるメッキ方法を説
明する工程図である。
【図4】 本発明の実施の形態4によるメッキ方法を説
明する工程図である。
【図5】 従来の化学エッチング処理を行ったメッキ方
法を説明する工程図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 淑男 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 山田 祥 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不導電性物質よりなる基体表面に金属粉
    末を固着させた後、無電解メッキを施し、さらに電解メ
    ッキを施すことにより上記基体表面に金属被膜を形成さ
    せることを特徴とするメッキ方法。
  2. 【請求項2】 不導電性物質よりなる基体表面に金属粉
    末を固着させた後、電解メッキを施すことにより上記基
    体表面に金属被膜を形成させることを特徴とするメッキ
    方法。
  3. 【請求項3】 上記金属粉末の固着は、不導電性物質よ
    りなる基体表面に金属粉末を打ち込むことにより行うこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のメッキ方法。
  4. 【請求項4】 上記基体は熱可塑性樹脂よりなることを
    特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載のメッキ方
    法。
  5. 【請求項5】 上記熱可塑性樹脂は硬質樹脂またはゴム
    もしくはエラストマーの軟質樹脂である請求項4記載の
    メッキ方法。
  6. 【請求項6】 上記熱可塑性樹脂は発泡樹脂である請求
    項4記載のメッキ方法。
  7. 【請求項7】 上記熱可塑性樹脂は充填材を含む樹脂で
    ある請求項4記載のメッキ方法。
  8. 【請求項8】 上記基体は熱硬化性樹脂よりなることを
    特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載のメッキ方
    法。
  9. 【請求項9】 上記熱硬化性樹脂は硬質樹脂またはゴム
    もしくはエラストマーの軟質樹脂である請求項8記載の
    メッキ方法。
  10. 【請求項10】 上記熱硬化性樹脂は発泡樹脂である請
    求項8記載のメッキ方法。
  11. 【請求項11】 上記熱硬化性樹脂は充填材を含む樹脂
    である請求項8記載のメッキ方法。
  12. 【請求項12】 不活性ガス雰囲気中で金属粉末を打ち
    込むこと特徴とする請求項3記載のメッキ方法。
  13. 【請求項13】 不導電性物質よりなる基体を物理的な
    手法により表面粗化した後に、該表面に金属粉末を打ち
    込むことを特徴とする請求項3記載のメッキ方法。
  14. 【請求項14】 上記熱可塑性樹脂よりなる基体表面へ
    の金属粉末の固着は、樹脂が軟化する温度まで加熱しな
    がら金属粉末を打ち込むことにより行うことを特徴とす
    る請求項4記載のメッキ方法。
  15. 【請求項15】 不導電性物質よりなる基体表面に所定
    部分が中抜けとなったマスクを貼り付けた後に、上記中
    抜け部分の基体表面に金属粉末を打ち込むことを特徴と
    する請求項3記載のメッキ方法。
  16. 【請求項16】 筒形状の基体の内壁面への金属粉末の
    打ち込みは、細長い形状のノズルを用い、該ノズルを筒
    内に挿入して行うことを特徴とする請求項3記載のメッ
    キ方法。
  17. 【請求項17】 上記金属粉末の打ち込みは、金属粉末
    が噴射されるノズルをフレキシブルチューブを介して噴
    射装置本体と連結し、上記ノズルを移動させることによ
    って行うことを特徴とする請求項3記載のメッキ方法。
JP29022998A 1998-03-31 1998-10-13 メッキ方法 Pending JPH11343593A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29022998A JPH11343593A (ja) 1998-03-31 1998-10-13 メッキ方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-87283 1998-03-31
JP8728398 1998-03-31
JP29022998A JPH11343593A (ja) 1998-03-31 1998-10-13 メッキ方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11343593A true JPH11343593A (ja) 1999-12-14

Family

ID=26428571

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29022998A Pending JPH11343593A (ja) 1998-03-31 1998-10-13 メッキ方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11343593A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7371682B2 (en) 2003-06-13 2008-05-13 Tdk Corporation Production method for electronic component and electronic component
US7883614B2 (en) 2003-06-30 2011-02-08 Tdk Corporation Method of manufacturing electronic part and electronic part
JP2015534515A (ja) * 2012-10-10 2015-12-03 アルティオ・ソシエテ・ア・レスポンサビリテ・リミテ 輪転グラビア印刷用シリンダーの製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7371682B2 (en) 2003-06-13 2008-05-13 Tdk Corporation Production method for electronic component and electronic component
US7883614B2 (en) 2003-06-30 2011-02-08 Tdk Corporation Method of manufacturing electronic part and electronic part
JP2015534515A (ja) * 2012-10-10 2015-12-03 アルティオ・ソシエテ・ア・レスポンサビリテ・リミテ 輪転グラビア印刷用シリンダーの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11256348A (ja) 無電解めっき方法
JP4485508B2 (ja) 導電性粒子の製造方法及びこれを使用した異方導電性フィルム
KR20100017927A (ko) 중합체 코팅된 금속 호일의 제조 방법 및 그 금속 호일의 용도
JP2007119919A (ja) 非導電性基板表面のエッチング方法
JP2009302081A (ja) 成形回路部品の製造方法
US4847114A (en) Preparation of printed circuit boards by selective metallization
WO2008091328A1 (en) Second surface metallization
KR101167568B1 (ko) 클리너 공정을 갖는 무전해 도금방법
JPH11343593A (ja) メッキ方法
KR100931248B1 (ko) 송수신기기 하우징 등의 이중사출방법에 의한 회로패턴에동도금, 니켈도금, 금도금을 사용한 안테나 기능의제조방법
US5178956A (en) Pretreatment process for electroless plating of polyimides
AU562316B2 (en) Method of treating thermoplastic surfaces
TW201351773A (zh) 天線結構之製造方法
JP2000080480A (ja) 基体の部分的メッキ方法
JP2001214278A (ja) ダイレクトプレーティング用アクセレレータ浴液およびダイレクトプレーティング方法
JP3945290B2 (ja) めっき製品の製造方法
JP2001011643A (ja) 不導体のめっき方法
JPH0787288B2 (ja) 車載用スピーカ一体形アンテナの製造方法
CN112996314A (zh) 电子装置壳体及其制作方法
JP3398713B2 (ja) 無電解めっきの前処理方法
JP2001240975A (ja) 基体の部分的メッキ方法
KR100954596B1 (ko) 통전부재를 이용하여 플라스틱 표면에 부분적으로 전기 바렐도금을 하는 방법
CN215222643U (zh) 电子装置壳体
JP5397300B2 (ja) 電着樹脂膜上の金属膜製造方法
JP4331840B2 (ja) 微細メッキ方法