JPH11343328A - 櫛形疎水基を有する水溶性ポリウレタンおよび押出成形助剤 - Google Patents

櫛形疎水基を有する水溶性ポリウレタンおよび押出成形助剤

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JPH11343328A
JPH11343328A JP11067751A JP6775199A JPH11343328A JP H11343328 A JPH11343328 A JP H11343328A JP 11067751 A JP11067751 A JP 11067751A JP 6775199 A JP6775199 A JP 6775199A JP H11343328 A JPH11343328 A JP H11343328A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ポリアルキレングリコール類(A)と櫛
形疎水性ジオール類(D)をジイソシアナート類(B)
と反応させて新規な水溶性ポリウレタンを得る。 【効果】 本発明によって保形性の高い、溶解性の改善
された安価な押出成形助剤が利用できるように成った。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶性ポリアルキ
レングリコールを主な原料とする新規な高分子、及び該
高分子からなる押出成形助剤、及び該押出成形助剤を含
むことを特徴とするセメント系材料押出成形用組成物、
及び該セメント系材料押出成形用組成物を押出成形して
得られる強度の改善されたセメント系材料押出成形物に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来からセメント、細骨材、繊維、水等
からなるモルタルを真空押出成形機などで押出成形しセ
メント板等を製造する際に、押出中にモルタルから水を
分離することなく成形するためには、言い替えればモル
タルに保水性を付与するためには、水溶性の高分子をモ
ルタルに添加する必要があった(例えば特公昭43−7
134)。十分な保水性を発現するためには高い水溶液
粘度が必要であるが、この高分子として現在はメチルセ
ルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス(HPMC)やヒドロキシエチルセルロース(HE
C)などの水溶性セルロースエーテル類が専ら用いられ
ている。
【0003】また押出直後の成形体の形状を保持するた
めには、言い替えればモルタルに保形性を付与するため
には、モルタルが高いチクソ性を示すことが必要である
が、モルタルにメチルセルロースなどの水溶性高分子を
添加するだけでは十分な保形性は得られなかった。その
ため、従来は石綿(アスベスト)が水溶性セルロースエ
ーテル類と併用されてきた(例えば特公昭43−713
4)。従って従来の押出成形では、水溶性セルロースエ
ーテル類と石綿を併用することで、押出成形に必要なモ
ルタルの保水性と保形性を満たしていたと言える。
【0004】ところが、近年になって石綿の有害性が指
摘され、押出成形においても石綿の使用は制限されるよ
うになり、現在では石綿の代替物として、各種ポリマー
繊維やガラス繊維などの石綿代替繊維類が用いられるよ
うになってきた。しかしながら、これらの石綿代替繊維
類を用いたモルタルは石綿を用いたモルタルと比較して
保形性に劣っていた。そのため、石綿代替繊維類を用い
ても、モルタルに保水性と同時に十分な保形性を付与し
うる新規な押出成形助剤の開発が望まれていた。
【0005】また、水溶性セルロースエーテル類はモル
タルの混練時に泡をかみ易く、泡により成形品の強度が
低下し易いという問題があった。また、水溶性セルロー
スエーテル類は原料に特定の天然パルプを用いる半合成
高分子であるために比較的高価であり、押出成形品の原
料コストを押し上げていた。またパルプの資源も限られ
ており、より安価な工業原料から合成できる新しい押出
成形助剤が待たれていた。そこで本発明者らは櫛形疎水
基を有する高分子を用いた押出成形助剤を見出し、既に
特許出願(特許出願番号平09−111343)した
が、溶解性にまだ課題を残していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】水溶性セルロースエー
テル類などの既存の押出成形助剤は、石綿を用いないセ
メント系材料の押出成形に用いるには保形性の点でまだ
問題が残っていた。また、水溶性セルロースエーテル類
はモルタルの混練時に泡をかみ易く、泡により成形品の
強度が低下し易いという問題があった。また、水溶性セ
ルロースエーテル類は原料に特定の天然パルプを用いる
ために比較的高価であった。また原料の天然パルプの資
源も限られており、より安価な工業原料から合成できる
押出成形助剤が待たれていた。これらの問題を解決する
ために発明された新規な押出成形助剤は溶解性にまだ課
題を残していた。従って本発明の目的は、水溶性セルロ
ースエーテル類に替わる、より経済性でモルタルの保形
性と成形品の強度に優れ、かつ溶解性の改善された新し
い押出成形助剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、分散度がほぼ単分
散の櫛形疎水性ジオールを会合基とする新規な水溶性ポ
リウレタンを見出し、本発明を完成した。また本発明
は、化学式1(化5)
【0008】
【化5】 で表される繰り返し単位(1)と、化学式2(化6)
【0009】
【化6】 で表される繰り返し単位(2)からなる高分子であり、
繰り返し単位(1)のモル比率が0.5以上0.999
以下であり、繰り返し単位(2)のモル比率が0.00
1以上0.5以下であり、重量平均分子量が1万から
1,000万の範囲にある水溶性ポリウレタンである。
ただし、AはHO−A−OHが少なくとも両末端に水酸
基を有しかつ数平均分子量が400〜100,000の
水溶性ポリアルキレンポリオール(化合物A)である2
価基であり、BはOCN−B−NCOが全炭素数が(N
CO基の炭素を含めて)3〜18のポリイソシアナート
類よりなる群から選ばれたポリイソシアナート化合物
(化合物B)である2価基であり、DはHO−D−OH
が化学式3(化7)
【0010】
【化7】 (ただし、R1は炭素数が1〜20の炭化水素基ないし
窒素含有炭化水素基である。またR2およびR3は炭素数
が4〜21の炭化水素基である。また該炭化水素基
1、R2およびR3中の水素の一部ないし全部はフッ
素、塩素、臭素ないし沃素で置換されていてもよく、R
2とR3は同じでも異なっていてもよい。またYおよび
Y’は水素、メチル基ないしCH2Cl基であり、Yと
Y’は同じでも異なっていてもよい。またZおよびZ’
は酸素、硫黄ないしCH2基であり、ZとZ’は同じで
も異なっていてもよい。またnはZが酸素の場合は0〜
15の整数であり、Zが硫黄ないしCH2基の場合は0
である。またn’はZ’が酸素の場合は0〜15の整数
であり、Z’が硫黄ないしCH2基の場合は0であり、
nとn’は同じでも異なっていてもよい)で表わされる
櫛形疎水性ジオール(化合物D)である2価基である。
【0011】また本発明は、繰り返し単位(1)のモル
比率が0.5以上0.99以下であり、繰り返し単位
(2)のモル比率が0.01以上0.5以下であり、化
合物Aが数平均分子量3,000〜20,000のポリ
エチレングリコールであり、化合物Bが全炭素数が(N
CO基の炭素を含めて)3〜18の脂肪族ジイソシアナ
ート類よりなる群から選ばれたジイソシアナート化合物
であり、重量平均分子量が10万から100万の範囲に
ある該水溶性ポリウレタンである。また本発明は、化合
物Dが化学式4(化8)
【0012】
【化8】 (ただし、R1'は炭素数が4〜18の鎖状アルキル基で
あり、R2'およびR3'は炭素数が4〜18のアルキル基
ないしアリール基であり、R1'、R2'およびR3'の炭素
数の合計が12〜40であり、R2'とR3'は同じ)で表
わされる櫛形疎水性ジオールである該水溶性ポリウレタ
ンである。また本発明は、化合物Bがヘキサメチレンジ
イソシアナート、イソホロンジイソシアナート、水素化
キシリレンジイソシアナートまたはノルボルネンジイソ
シアナートである該水溶性ポリウレタンである。
【0013】また本発明は、該記の櫛形疎水基を有する
水溶性ポリウレタンでありかつ2.5%水溶液粘度が
1,000〜1,000,000センチポアズである高
分子からなるセメント系材料用押出成形助剤である。ま
た本発明は、水硬性無機粉体と細骨材と繊維と該押出成
形助剤と水を含むことを特徴とするセメント系材料押出
成形用組成物である。また本発明は、繊維として石綿代
替繊維を用いることを特徴とする該セメント系材料押出
成形用組成物である。また本発明は、該セメント系材料
押出成形用組成物を押出成形して得られる強度の改善さ
れたセメント系材料押出成形物である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明により得られる高分子は、
水溶性ポリアルキレンポリオールと実質的に単分散の櫛
形疎水性ジオールをポリイソシアナートで連結して得ら
れる櫛形疎水基を有する高分子である。本発明で用いら
れる水溶性ポリアルキレンポリオール(化合物A)は、
少なくとも高分子鎖の両末端に水酸基を有するアルキレ
ンオキサイド重合体である。ただし水酸基を3個以上有
するポリアルキレンポリオールを用いると、製品の水へ
の溶解性が低下しやすい。従って高分子鎖の両末端に1
級水酸基を有するポリアルキレングリコールを用いるこ
とがより好ましい。
【0015】単量体のアルキレンオキサイドとしてはエ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオ
キサイド、エピクロロヒドリンなどがあるが、水溶性を
高めるためにはエチレンオキサイドの含有率が60重量
%以上あることがより好ましい。更に好ましくはエチレ
ンオキサイドの重合物(ポリエチレングリコール。以下
PEGと略記する)を用いることである。
【0016】該化合物Aの分子量は数平均分子量で40
0〜100,000のものが好ましい。より好ましくは
1,500〜50,000、更に好ましくは3,000
〜20,000である。分子量が400未満では十分な
水溶液粘度を示す製品が得られず、増粘剤に用いること
ができない。また分子量が100,000より大きくな
ると反応速度が低下し、やはり十分な水溶液粘度を示す
製品が得られない。分子量が3,000〜20,000
の範囲で、十分な水溶液粘度を示す製品が最も得られ易
い。
【0017】本発明で用いられるポリイソシアナート化
合物(化合物B)は、鎖状脂肪族ポリイソシアナート
類、環状脂肪族ポリイソシアナート類および芳香族ポリ
イソシアナートよりなる群から選ばれた全炭素数が(N
CO基の炭素を含めて)3〜18のポリイソシアナート
化合物である。ポリイソシアナート類の全炭素数が18
より大きいと高分子の溶解性が低下し易い。ただし分子
内にNCO基3個以上有するポリイソシアナート類を用
いると、製品の水への溶解性が低下しやすい。従って分
子内にNCO基を2個有するジイソシアナート類を用い
ることがより好ましい。
【0018】ジイソシアナート類とポリアルキレングリ
コール類の反応では、芳香族ジイソシアナート類>鎖状
脂肪族ジイソシアナート類>環状脂肪族ジイソシアナー
ト類の順に反応性が高いが、芳香族ジイソシアナート類
は無溶媒で反応させると急激に反応するため、反応が不
均一になり易く分子量の制御にやや難がある。また、芳
香族ジイソシアナート類を用いて製造した高分子は、強
塩基性であるモルタル中で経時変化をきたし、混練後時
間とともに助剤としての効果が低下することがある。モ
ルタルはpHが約14の強アルカリなので、アルカリに
よる加水分解を受け易い芳香族ジイソシアナート類とポ
リアルキレングリコール間の結合が切断されるためと考
えられる。
【0019】従って、全炭素数が3〜18の鎖状および
環状脂肪族ジイソシアナート類を用いることがより好ま
しい。更に好ましくはヘキサメチレンジイソシアナート
(通称HDIと略す)、イソホロンジイソシアナート
(通称IPDIと略す)、水素化キシリレンジイソシア
ナート(通称HXDIと略す)またはノルボルネンジイ
ソシアナート(通称NBDIと略す)を用いることであ
る。特に好ましくはHDIを用いることである。
【0020】鎖状脂肪族ジイソシアナート類は、NCO
基の間を直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基で繋いだ構
造をもつジイソシアナート化合物であり、具体例として
は、メチレンジイソシアナート、エチレンジイソシアナ
ート、トリメチレンジイソシアナート、1−メチルエチ
レンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナー
ト、ペンタメチレンジイソシアナート、2−メチルブタ
ン−1,4−ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソ
シアナート(HDI)、ヘプタメチレンジイソシアナー
ト、2,2’−ジメチルペンタン−1,5−ジイソシア
ナート、リジンジイソシアナートメチルエステル(LD
I)、オクタメチレンジイソシアナート、2,5−ジメ
チルヘキサン−1,6−ジイソシアナート、2,2,4
−トリメチルペンタン−1,5−ジイソシアナート、ノ
ナメチルジイソシアナート、2,4,4−トリメチルヘ
キサン−1,6−ジイソシアナート、デカメチレンジイ
ソシアナート、ウンデカメチレンジイソシアナート、ド
デカメチレンジイソシアナート、トリデカメチレンジイ
ソシアナート、テトラデカメチレンジイソシアナート、
ペンタデカメチレンジイソシアナート、ヘキサデカメチ
レンジイソシアナート、トリメチルヘキサメチレンジイ
ソシアナートなどが挙げられる。
【0021】環状脂肪族ジイソシアナート類は、NCO
基の間を繋ぐアルキレン基が環状構造をもつジイソシア
ナート化合物であり、具体例としては、シクロヘキサン
−1,2−ジイソシアナート、シクロヘキサン−1,3
−ジイソシアナート、シクロヘキサン−1,4−ジイソ
シアナート、1−メチルシクロヘキサン−2,4−ジイ
ソシアナート、1−メチルシクロヘキサン−2,6−ジ
イソシアナート、1−エチルシクロヘキサン−2,4−
ジイソシアナート、4,5−ジメチルシクロヘキサン−
1,3−ジイソシアナート、1,2−ジメチルシクロヘ
キサン−ω,ω’−ジイソシアナート、1,4−ジメチ
ルシクロヘキサン−ω,ω’−ジイソシアナート、イソ
ホロンジイソシアナート(IPDI)、ジシクロヘキシ
ルメタン−4,4’−ジイソシアナート、ジシクロヘキ
シルメチルメタン−4,4’−ジイソシアナート、ジシ
クロヘキシルジメチルメタン−4,4’−ジイソシアナ
ート、2,2’−ジメチルジシクロヘキシルメタン−
4,4’−ジイソシアナート、3,3’−ジメチルジシ
クロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアナート、
4,4’−メチレン−ビス(イソシアナトシクロヘキサ
ン)、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソ
シアナート)(IPCI)、1,3−ビス(イソシアナ
トメチル)シクロヘキサン、水素化トリレンジイソシア
ナート(HTDI)、水素化4,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアナート(HMDI)、水素化キシリレンジ
イソシアナート(HXDI)、ノルボルネンジイソシア
ナート(NBDI)などが挙げられる。
【0022】芳香族ジイソシアナート類は、NCO基の
間をフェニレン基、アルキル置換フェニレン基およびア
ラルキレン基などの芳香族基ないし芳香族基を含有する
炭化水素基で繋いだジイソシアナート化合物であり、具
体例としては、1,3−および1,4−フェニレンジイ
ソシアナート、1−メチル−2,4−フェニレンジイソ
シアナート(2,4−TDI)、1−メチル−2,6−
フェニレンジイソシアナート(2,6−TDI)、1−
メチル−2,5−フェニレンジイソシアナート、1−メ
チル−3,5−フェニレンジイソシアナート、1−エチ
ル−2,4−フェニレンジイソシアナート、1−イソプ
ロピル−2,4−フェニレンジイソシアナート、1,3
−ジメチル−2,4−フェニレンジイソシアナート、
1,3−ジメチル−4,6−フェニレンジイソシアナー
ト、1,4−ジメチル−2,5−フェニレンジイソシア
ナート、m−キシレンジイソシアナート、ジエチルベン
ゼンジイソシアナート、ジイソプロピルベンゼンジイソ
シアナート、1−メチル−3,5−ジエチルベンゼン−
2,4−ジイソシアナート、3−メチル−1,5−ジエ
チルベンゼン−2,4−ジイソシアナート、1,3,5
−トリエチルベンゼン−2,4−ジイソシアナート、ナ
フタリン−1,4−ジイソシアナート、ナフタリン−
1,5−ジイソシアナート、1−メチルナフタリン−
1,5−ジイソシアナート、ナフタリン−2,6−ジイ
ソシアナート、ナフタリン−2,7−ジイソシアナー
ト、1,1−ジナフチル−2,2’−ジイソシアナー
ト、ビフェニル−2,4’−ジイソシアナート、ビフェ
ニル−4,4’−ジイソシアナート、1,3−ビス(1
−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン、3,
3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアナー
ト、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアナート
(MDI)、ジフェニルメタン−2,2’−ジイソシア
ナート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアナー
ト、キシリレンジイソシアナート(XDI)などが挙げ
られる。
【0023】その他のポリイソシアナートとしては1,
6,11−ウンデカトリイソシアナート、1,8−ジイ
ソシアナート−4−イソシアナートメチルオクタン、
1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアナートなどが
挙げられる。本発明で用いられる櫛形疎水性ジオール
(化合物D)は、化学式3(化9)
【0024】
【化9】 で表わせれる、2級水酸基を分子内に2個有し、疎水鎖
を分子内に3本有し、実質的に単一成分の疎水性のジオ
ール類である。
【0025】ただし、R1は炭素数が1〜20のアルキ
ル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基等
の炭化水素基、ないしジアルキルアミノアルキル基等の
窒素含有炭化水素基である。またR2およびR3は炭素数
が4〜21のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基
またはアリール基等の炭化水素基である。また炭化水素
基R1、R2およびR3中の水素の一部ないし全部はフッ
素、塩素、臭素ないし沃素などのハロゲン原子で置換さ
れていてもよい。R2とR3は同じでも異なっていてもよ
いが、同じであることがより好ましい。またYおよび
Y’は水素、メチル基ないしCH2Cl基であり、Yと
Y’は同じでも異なっていてもよいが、同じであること
がより好ましい。またZおよびZ’は酸素、硫黄ないし
CH2基であり、ZとZ’は同じでも異なっていてもよ
いが、同じであることがより好ましい。更に好ましくは
ZおよびZ’がともに酸素であることである。またnは
Zが酸素の場合は0〜15の整数であり、Zが硫黄ない
しCH2基の場合は0である。またn’はZ’が酸素の
場合は0〜15の整数であり、Z’が硫黄ないしCH 2
基の場合は0であり、nとn’は同じでも異なっていて
もよいが、同じであることがより好ましい。
【0026】ここで実質的に単一成分であるとは、化合
物Dが大きく分子量の異なる成分を殆ど含んでいないこ
とを表わしている。これを分散度で表わせば、分散度が
1.00〜1.05程度であり、実質的に単分散である
といえる。ここでいう分散度とは、疎水性ジオール類が
k個の化合物の混合物であるとして、その成分iの分子
量がm(i)、モル分率がn(i)であるとして下記の
数式5のZで表わされる数値である。
【0027】 Z=Σ(m(i)2×n(i))÷(Σm(i)×n(i))2 (5) (ただし、Σはiが1からkまでの和をとることを表わ
す演算子であり、Σn(i)=1である。) 本発明者らの先願特許(特許出願番号平09−1113
43号)には、化学式6(化10)
【0028】
【化10】 (ただし式中のbおよびb’は(b+b’)=1.5〜
6.0の関係を満たす0以上の実数であり、Yは疎水
鎖)で表されるように、ジエチレングリコールなどの低
分子量ジオール類(以下スペーサーと称する)に、酸触
媒乃至アルカリ触媒を用いて、オキシラン環を有する化
合物(オキシラン化合物)を付加させることにより櫛形
疎水性ジオールを得ることが示されている。
【0029】しかしこの反応により得られる疎水性ジオ
ールは、bとb’の和が異なる、つまり疎水鎖の本数の
異なる複数のジオールの混合物である。この疎水性ジオ
ールの分散度を求めると、常に1.05よりかなり大き
いことが認められた。これは、スペーサーのグリコール
類がオキシラン化合物と反応して生じた水酸基が、さら
にオキシラン化合物と反応するために、オキシラン化合
物のスペーサーへの付加数の様々なジオールが同時に生
成するためである。
【0030】押出成形助剤の製造で疎水性ジオールとし
て付加数の異なる混合物を用いた場合、より高い水溶液
粘度を与える高分子を得ようとして疎水性ジオールの量
を増していくと、付加数の大きい成分の量が高分子の溶
解性を許容する限界を超えてしまう。その結果、疎水性
ジオールの含有量がある限界値を超えると生成物の水へ
の溶解性が著しく低下してしまうという問題があった。
そこで本発明者らは、分散度の小さい疎水性ジオールを
求めて鋭意研究を重ねた結果、1級アミン類1モルに、
分子内にオキシラン環を1個と疎水基を少なくても1個
有するオキシラン化合物をおよそ2モルの割合で反応さ
せる場合に、求めるジオールが得られることを見出し
た。
【0031】オキシラン化合物としては各種グリシジル
エーテル類や1,2−エポキシアルカン類、1,2−エ
ポキシアルケン類、グリシジルスルフィド類などを用い
ることが可能である。アミン類のアミノ基とオキシラン
化合物の付加反応は活性が高く、無触媒でも十分反応が
進行するほどである。一方、反応の結果生じた水酸基と
オキシラン化合物の付加反応の活性は比較的低く、酸や
塩基などの触媒がない条件では殆ど反応は進行しない。
そこで、アミン類とオキシラン化合物を無触媒などの温
和な反応条件で反応させることにより、付加反応の結果
生じたジオールとオキシラン化合物が更に反応すること
を抑制できる。
【0032】より具体的に説明すると、1級アミン類と
しては1級の鎖状ないし環状アルキルアミン類、1級の
鎖状ないし環状アルケニルアミン類、1級のアラルキル
アミン類、1級のジアルキルアミノアルキルアミン類、
1級のN−ベンジルアミノピロリジン類、1級のN−ア
ミノアルキルモルホリン類、1級のアリールアミン類、
1級のアミノピリジン類や1級のアミノアルキルピリジ
ン類などを例として挙げることができる。
【0033】1級鎖状アルキルアミン類の例としては、
メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イ
ソプロピルアミン、n−ブチルアミン、ter−ブチル
アミン、sec−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、
n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、2−アミノ
ヘプタン、n−オクチルアミン、イソオクチルアミン、
2−アミノオクタン、2−エチルヘキシルアミン、2−
アミノ−6−メチルヘプタン、ノニルアミン、イソノニ
ルアミン、1,4−ジメチルヘプチルアミン、3−アミ
ノノナン、2−アミノ−6−エチルヘプタン、n−デシ
ルアミン、n−ウンデシルアミン、2−アミノウンデカ
ン、6−アミノウンデカン、n−ドデシルアミン、n−
トリデシルアミン、2−アミノトリデカン、n−テトラ
デシルアミン、2−アミノテトラデカン、n−ペンタデ
シルアミン、8−アミノペンタデカン、n−ヘキサデシ
ルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシル
アミン、n−ノナデシルアミン、2−アミノノナデカン
などの鎖状アルキルアミン類などが挙げられる。
【0034】1級鎖状アルケニルアミン類の例としては
アリルアミン、オレイルアミンなどが挙げられる。1級
環状アルキルアミン類の例としては、シクロヘキシルア
ミン、シクロヘプチルアミン、2−メチルシクロヘキシ
ルアミン、3−メチルシクロヘキシルアミン、4−メチ
ルシクロヘキシルアミン、アミノメチルシクロヘキサ
ン、シクロオクチルアミン、2,3−ジメチルシクロヘ
キシルアミン、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル
アミン、4−ter−ブチルシクロヘキシルアミン、1−
シクロペンチル−2−アミノプロパン、1−アミノイン
ダン、シクロドデシルアミン、o−アミノビシクロヘキ
シル、3−アミノスピロ[5,5]ウンデカン、ボルニ
ルアミン、1−アダマンタンアミン、2−アミノノルボ
ルナン、1−アダマンタンメチルアミンなどが挙げられ
る。
【0035】1級環状アルケニルアミン類の例としては
ジヒドロアビエチルアミン、2−(1−シクロヘキセニ
ル)エチルアミンなどが挙げられる。1級のアラルキル
アミン類の例としてはベンジルアミン、フェネチルアミ
ン、p−メトキシフェネチルアミン、α−フェニルエチ
ルアミン、1−メトキシ−3−フェニルプロピルアミ
ン、N−アミノプロピルアニリンなどが挙げられる。
【0036】1級ジアルキルアミノアルキルアミン類の
例としては、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,
N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジイソプロピ
ルエチレンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロ
パンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジ
アミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミ
ノプロピルアミン、1−ジメチルアミノ−2−プロピル
アミン、N2,N2−ジメチル−1,2−プロパンジア
ミン、4−ジメチルアミノブチルアミン、1−ジメチル
アミノエチル−2−アミノプロパン、N,N−ジメチル
ペオペンタンジアミン、1−ジエチルアミノ−2−プロ
ピルアミン、6−ジメチルアミノヘキシルアミン、2−
ジ−n−プロピルアミノエチルアミン、N−エチル−N
−ブチルエチレンジアミン、7−ヂエチルアミノヘプチ
ルアミン、N1,N1−ジ−n−プロピル−1,2−プ
ロパンジアミン、N’,N’−ジ−n−プロパンジアミ
ン、5−ジエチルアミノアミルアミン、2−アミノ−5
−ジエチルアミノペンタン、N,N−ジ−n−ブチルエ
チレンジアミン、N,N−ジ−tert−ブチルエチレ
ンジアミン、2−ジイソブチルアミノエチルアミン、4
−ジイソプロピルアミノブチルアミン、7−エチルアミ
ノヘプチルアミン、3−(ジ−n−ブチルアミノ)プロ
ピルアミン、N,N−ジイソブチル−1,6−ヘキサン
ジアミン、1−(2−アミノエチルピペリジン、3−ピ
ペリジノプロピルアミン、4−ピロリジノブチルアミ
ン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、3−アミノト
ロパン、5−ピロリジノアミルアミン、N−アミノプロ
ピル−4−ピペコリン、1−(3−アミノプロピル)−
2−ピペコリン、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オ
クト−3−イルアミン、1−ベンジル−3−アミノピロ
リジン、N1−エチル−N1−フェニルプロパン−1,
3−ジアミンなどが挙げられる。
【0037】1級のN−ベンジルアミノピロリジン類の
例としては、N−ベンジル−3−アミノピロリジン、N
−ベンジル−2−メチル−3−アミノピロリジンなどが
挙げられる。1級のN−アミノアルキルモルホリン類の
例としては、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノ
プロピルモルホリンなどが挙げられる。1級のアリール
アミン類の例としては、アニリン、2−クロロアニリ
ン、2,3−ジクロロアニリン、2,4−ジブロモアニ
リン、2,4,6−トリブロモアニリン、o−トルイジ
ン、2−クロロ−4−メチルアニリン、2,3−ジメチ
ルアニリン、2,4−ジメチルアニリン、2,5−ジメ
チルアニリン、2−エチルアニリン、2−イソプロピル
アニリン、4−tert−ブチルアニリン、p−デシル
アニリン、p−ドデシルアニリン、p−テトラデシルア
ニリン、4−シクロヘキシルアニリン、2−アミノビフ
ェニル、1−ナフチルアミン、5−アミノインダン、1
−アミノナフタセン、6−アミノクリセン、1−アミノ
ピレンなどが挙げられる。
【0038】1級のアミノピリジン類の例としては、2
−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチ
ルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、2−ア
ミノ−4−エチルピリジン、2−アミノ−4−プロピル
ピリジン、2−アミノ−4,6−ジメチルピリジン、2
−アミノ−3−ニトロピリジンなどが挙げられる。
【0039】1級のアミノアルキルピリジン類の例とし
ては、2−アミノメチルピリジン、3−アミノメチルピ
リジン、4−アミノメチルピリジン、3−アミノメチル
−6−クロロピリジンなどが挙げられる。その他の1級
アミン類としては、2−アミノメチルピラジン、2−ア
ミノピラジン、スルファレンなどのピラジン類などが挙
げられる。
【0040】またグリシジルエーテル類としては、アル
キルグリシジルエーテル類、アルケニルグリシジルエー
テル類、アラルキルグリシジルエーテル類、アリールグ
リシジルエーテル類などを例として挙げることができ
る。アルキルグリシジルエーテル類の例としては、n−
ブチルグリシジルエーテル、sec−ブチルグリシジル
エーテル、ter−ブチルグリシジルエーテル、グリシ
ジルペンチルエーテル、グリシジルヘキシルエーテル、
グリシジルオクチルエーテル、2−エチルヘキシルグリ
シジルエーテル、2−メチルオクチルグリシジルエーテ
ル、グリシジルノニルエーテル、デシルグリシジルエー
テル、ドデシルグリシジルエーテル、グリシジルラウリ
ルエーテル、グリシジルトリデシルエーテル、グリシジ
ルテトラデシルエーテル、グリシジルペンタデシルエー
テル、グリシジルヘキサデシルエーテル、グリシジルス
テアリルエーテル、3−(2−(パーフルオロヘキシ
ル)エトキシ)−1,2−エポキシプロパン、3−(3
−パーフルオロオクチル−2−イオドプロポキシ)−
1,2−エポキシプロパンなどが挙げられる。
【0041】アルケニルグリシジルエーテル類の例とし
ては、アリルグリシジルエーテル、オレイルグリシジル
エーテルなどが挙げられる。アラルキルグリシジルエー
テル類の例としては、ベンジルグリシジルエーテル、フ
ェネチルグリシジルエーテルなどが挙げられる。アリー
ルグリシジルエーテル類の例としては、フェニルグリシ
ジルエーテル、4−ter−ブチルフェニルグリシジル
エーテル、2−エチルフェニルグリシジルエーテル、4
−エチルフェニルグリシジルエーテル、2−メチルフェ
ニルグリシジルエーテル、グリシジル−4−ノニルフェ
ニルエーテル、グリシジル−3−(ペンタデカジエニ
ル)フェニルエーテル、2−ビスフェニルグリシジルエ
ーテル、ベンジルグリシジルエーテル、α−ナフチルグ
リシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテ
ルなどが挙げられる。
【0042】その他のグリシジルエーテル類としてはア
ルコール類やフェノール類のアルキレンオキサイド付加
物(エチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド
付加物、エピクロロヒドリン付加物など)のグリシジル
エーテル類が挙げられる。化学式7に一般式で表す(化
11)。
【0043】
【化11】 (ただしRはアルキル基ないしアリール基、Yは水素、
メチル基ないしCH2Cl基、nは1〜15の整数であ
る。)エチレンオキサイド付加物のグリシジルエーテル
の例としては、2−エチルヘキシルアルコール−エチレ
ンオキサイド付加物のグリシジルエーテル、ラウリルア
ルコール−エチレンオキサイド付加物のグリシジルエー
テル、4−ter−ブチルフェノール−エチレンオキサ
イド付加物のグリシジルエーテルやノニルフェノール−
エチレンオキサイド付加物のグリシジルエーテル類など
が挙げられる。同様にアルコール類やフェノール類のプ
ロピレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド/エ
チレンオキサイド付加物、エピクロロヒドリン付加物の
各々のグリシジルエーテル類を用いることも可能であ
る。工業薬品のグリシジルエーテル類には通常はエピク
ロロヒドリン付加物のグリシジルエーテル類が副生成物
として含まれているが、そのような純度の低い原料も用
いることができる。付加数nは1〜15程度が適当であ
る。付加数が15を超えるとポリウレタンの水溶液粘度
が低下し易い。
【0044】また1,2−エポキシアルカン類や1,2
−エポキシアルケン類の例としては、1,2−エポキシ
ヘキサン、1,2−エポキシヘプタン、1,2−エポキ
シオクタン、1,2−エポキシノナン、1,2−エポキ
シデカン、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキ
シテトラデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,
2−エポキシオクタデカン、1,2−エポキシエイコサ
ン、1,2−エポキシ−7−オクテン、1,2−エポキ
シ−9−デセンなどが挙げられる。
【0045】その他のオキシラン化合物としては2−エ
チルヘキシルグリシジルスルフィド、デシルグリシジル
スルフィドなどのアルキルグリシジルチオエーテル(ア
ルキルグリシジルスルフィド)類や、p−ノニルフェニ
ルグリシジルスルフィドなどのアリールグリシジルチオ
エーテル(アリールグリシジルスルフィド)類が挙げら
れる。上記のアミン類とオキシラン化合物類を、アミン
1分子にオキシラン化合物2分子の割合で反応させるこ
とにより化合物Dを得ることができる。化学式8に反応
式を表す(化12)。
【0046】
【化12】 (ただしRa、Rb、Rcは適当な置換基である。)反応
はオキシラン化合物として1,2−エポキシアルカン
類、1,2−エポキシアルケン類、グリシジルスルフィ
ド類を用いた場合と比較して、グリシジルエーテル類を
用いた場合により容易である。グリシジルエーテル類の
アミン類との反応性が高いためと思われる。
【0047】化合物Dは分子内に3本の疎水鎖を有する
が、これらの疎水鎖が互いに近接していることにより、
水溶液中での水溶性ポリウレタン間の疎水的会合を容易
にする効果がある。疎水鎖が2本以下では十分な会合を
形成し難い。各疎水鎖の炭素数は高分子が十分な会合を
形成しうる長さが必要である。アミン類の炭素数は1以
上20以下が好ましい。炭素数が20を超えるアミン類
を用いるとポリウレタンの溶解性が低下することがあ
る。より好ましくは炭素数が1〜18の鎖状ないし環状
アルキルアミン類、更に好ましくは炭素数が4〜18の
鎖状アルキルアミン類である。
【0048】グリシジルエーテル類の疎水基の炭素数は
4以上21以下が好ましい。炭素数が4未満のグリシジ
ルエーテルを用いるとポリウレタンの水溶液粘度が充分
に高くならないことがある。炭素数が21を超えるグリ
シジルエーテルを用いるとポリウレタンの溶解性が低下
することがある。より好ましくは炭素数が4〜18の直
鎖状ないし分岐鎖状アルキル基を疎水基として有するア
ルキルグリシジルエーテル類、ないし炭素数が6〜18
の芳香族基またはアルキル置換芳香族基を疎水基として
有するアリールグリシジルエーテル類である。同様の理
由により1,2−エポキシアルカン、1,2−エポキシ
アルケン、アルキルグリシジルチオエーテル、アリール
グリシジルチオエーテルの疎水基の炭素数は4以上21
以下が好ましい。
【0049】また、3本の疎水鎖の炭素数の合計(上述
した化学式(3)の置換基R1、R2およびR3の各々の
炭素数の合計)が大きいほど、高分子は水中で会合し易
く高い水溶液粘度を得易いが、炭素数の合計が大きすぎ
ると高分子の水への溶解性が低下し易い。疎水基の炭素
数の合計は12〜40の範囲にあることがより好まし
い。更に好ましくは炭素数の合計が12〜34の範囲に
あることである。最も好ましくは炭素数の合計が12〜
24の範囲にあることである。炭素数の合計が12より
小さいと、高い水溶液粘度を示す高分子が得られ難い。
また炭素数の合計が40を超えると、ポリウレタンの水
への溶解性が低下し易い。
【0050】以下に櫛形疎水性ジオールの製造方法を説
明するが、本発明に用いる櫛形疎水性ジオールの合成方
法はこの例に限定されるものではない。攪拌装置、原料
導入機構、温度制御機構を有する反応容器に、原料のア
ミン類とオキシラン化合物類を仕込み、所定の反応温度
において撹拌しながら反応させる。反応は無溶媒で行う
ことができるが、DMFなどの一般的な溶媒を用いても
よい。原料の導入は、アミン類とオキシラン化合物類を
一括して仕込んでもよいし、どちらか一方を反応容器に
仕込み、他方を連続的ないし段階的に導入してもよい。
反応温度は室温〜160℃程度、より好ましくは60℃
〜120℃程度が適当である。
【0051】反応時間は、反応温度等にも依るが、0.
5〜10時間程度である。反応終了後のジオールは、G
PCにより分散度を求めることができる。また常法によ
りOH価を求めることができる。櫛形疎水基を有する水
溶性ポリウレタンは、化学式9(化13)
【0052】
【化13】 に表すように、ポリアルキレングリコール(化合物A)
および櫛状疎水性ジオール(化合物D)の2個の水酸基
とジイソシアナート化合物(化合物B)の2個のNCO
基の反応により合成される。繰り返し単位(1)のモル
比率が(1−x)でかつ繰り返し単位(2)のモル比率
がxである水溶性ポリウレタンは、化合物Aと化合物D
のモル比率が(1−x):xの比率で反応させることに
より得られる。
【0053】以下に水溶性ポリウレタンの製造方法を例
を挙げて説明するが、勿論本発明は以下の製造方法に限
定されるものではない。攪拌装置、原料導入機構、温度
制御機構を有する反応容器内を不活性ガスで置換する。
ポリアルキレングリコールを反応容器へ仕込む。場合に
よっては溶媒を仕込む。
【0054】反応容器を設定された反応温度に制御しつ
つ触媒を加える。容器内を攪拌しつつジイソシアナート
化合物、櫛形疎水性ジオールを反応容器へ導入する。導
入方法は特に限定するものではない。連続的に導入して
も断続的に導入してもよい。またジイソシアナート化合
物と櫛形疎水性ジオールは、同時に導入しても、ジイソ
シアナート化合物の導入後に櫛形疎水性ジオールを導入
しても、櫛形疎水性ジオールの導入後にジイソシアナー
ト化合物を導入してもよい。
【0055】触媒は必ずしも反応前にポリアルキレング
リコールに添加する必要はなく、ポリアルキレングリコ
ールにジイソシアナート化合物や櫛形疎水性ジオールを
加えた後に触媒を加え、反応を開始することも可能であ
る。または、ジイソシアナート化合物や櫛形疎水性ジオ
ールに予め触媒を添加しておき、これらをポリアルキレ
ングリコールに加え反応させることも可能である。所定
の反応時間後に生成物を反応容器から取り出し、ペレッ
ト状、フレーク状、粉末状や溶液などに加工して製品と
する。
【0056】反応に用いられる触媒は特に限定するもの
ではなく、有機金属化合物、金属塩、3級アミン、その
他の塩基触媒や酸触媒などの、一般にイソシアナート類
とポリオール類の反応に用いられる公知の触媒を用いる
ことができる。例を挙げれば、ジブチル錫ジラウレート
(以下DBTDLと略す)、ジブチル錫ジ(ドデシルチ
オラート)、第一錫オクタノエート、フェニル水銀アセ
テート、亜鉛オクトエート、鉛オクトエート、亜鉛ナフ
テナート、鉛ナフテナート、トリエチルアミン(TE
A)、テトラメチルブタンジアミン(TMBDA)、N
−エチルモルホリン(NEM)、1,4−ジアザ[2.
2.2]ビシクロオクタン(DABCO)、1,8−ジ
アザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DB
U)、N,N‘−ジメチル−1,4−ジアザシクロヘキ
サン(DMP)などがある。なかでもDBTDLがより
好ましい。
【0057】反応に用いる触媒の量は、反応温度や触媒
の種類によっても異なり特に限定するものではないが、
ポリアルキレングリコールの1モル当たり0.0001
〜0.1モル、より好ましくは0.001〜0.1モル
程度で十分である。反応は無溶媒で行うこともできる
が、生成物の溶融粘度を下げるために溶媒を用いて反応
させることもできる。溶媒としては、四塩化炭素、ジク
ロロメタン、クロロホルム、トリクレンなどのハロゲン
系溶剤や、キシレン、トルエン、ベンゼンなどの芳香族
系溶剤や、デカン、オクタン、ヘプタン、ヘキサン、シ
クロヘキサン、ペンタンなどの飽和炭化水素系溶剤や、
ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、
ジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテ
ルなどのエーテル系溶剤や、ジエチルケトン、メチルエ
チルケトン、ジメチルケトンなどのケトン系溶剤や、酢
酸エチル、酢酸メチルなどのエステル系溶剤、などの活
性水素を持たない溶剤が有効に用いられる。ただし溶媒
を用いないことは、脱溶剤の工程が不用となるので製造
コストの点で有利であり、また環境汚染の恐れが少ない
のでより好ましい。
【0058】反応に用いるジイソシアナート化合物の量
は、ポリアルキレングリコールと櫛形疎水性ジオールの
各々のモル数の合計が1モルに対して、ジイソシアナー
ト化合物のモル数(NCO/OH)が0.8〜1.3モ
ル、より好ましくは0.9〜1.2モル、更に好ましく
は1.0〜1.1である。0.8未満または1.3を超
えると生成物の平均分子量が小さく、押出成形助剤とし
ての能力が十分でない。ジイソシアネートのモル数とポ
リアルキレングリコールと櫛形疎水性ジオールのモル数
の合計とがほぼ等量である条件で最も分子量の大きな生
成物が得られる。
【0059】ただし、ポリアルキレングリコールや櫛形
疎水性ジオールに水分が含まれる場合には、上述のジイ
ソシアナート化合物の量は、水分によりジイソシアナー
トが分解する分だけ余分に用いる必要がある。従って、
十分に乾燥した原料を用いることがより好ましい。でき
れば原料に含まれる水分は5,000ppm以下が好ま
しい。より好ましくは1,000ppm以下、更に好ま
しくは200ppm以下である。
【0060】反応に用いる櫛形疎水性ジオールの量は、
ポリアルキレングリコールの分子量や櫛形疎水性ジオー
ルの疎水基の炭素数によっても異なるが、櫛形疎水性ジ
オールのモル数がポリアルキレングリコールの1モル当
たり0.001〜1モル(xが0.001〜0.5)が
適当である。0.001モル未満では増粘効果が表われ
ないことがある。また1モルを超えて反応させることは
溶解性を低下させる場合があるので好ましくない。な
お、()内の数値は該化学式9中のxの値を表してい
る。
【0061】該ポリアルキレングリコールとして数平均
分子量が3,000〜20,000の範囲にあるポリエ
チレングリコールを用いた場合に、押出成形助剤として
最も優れたポリウレタンが得られ易い。この場合に反応
に用いる櫛形疎水性ジオールの量としては、ポリエチレ
ングリコール1モル当たり0.01〜1モル(xが0.
01〜0.5)がより好ましい。更に好ましくは0.0
3〜0.67モル(xが0.03〜0.4)である。
0.01モル未満では押出成形助剤としての効果が十分
でないことがある。
【0062】反応温度は用いる触媒の種類や量などによ
っても異なるが、50〜180℃が適当である。より好
ましくは60〜150℃、さらに好ましくは80〜12
0℃の範囲である。反応温度が50℃未満では反応速度
が遅く経済的でない。また180℃を超えると生成物が
熱分解することがある。反応時間は用いる触媒の種類や
量、反応温度などにより異なり特に限定するものではな
いが、1分〜10時間程度で十分である。反応圧力は特
に限定されない。常圧、減圧ないし加圧状態で反応させ
ることができる。より好ましくは常圧ないし弱加圧状態
で反応させる。
【0063】以下に本発明により得られる水溶性ポリウ
レタンの特性を記す。本発明により2.5%水溶液粘度
(ポリウレタンの濃度が2.5重量%の水溶液の25℃
での粘度を、B型回転粘度計を用いて回転数6rpmで
測定した値)がおよそ100から1,000,000セ
ンチポアズ(cP)を超える会合性高分子が得られる。
特に押出成形助剤として用いるには、2.5%水溶液粘
度が1,000〜1,000,000cP、より好まし
くは10,000〜500,000cPのものが適して
いる。押出成形助剤として用いた場合、2.5%水溶液
粘度が1,000cP未満のものは保水性が不十分にな
り易く、押出成形時に水を分離し易い。また2.5%水
溶液粘度が1,000,000cPを超えるものは粘着
力が強すぎて押出成形体の表面平滑性が損なわれ易い。
【0064】高分子濃度が2.5%の水溶液40重量部
とセメント100重量部を混合すると、セメントに対す
る高分子の比率が1重量%、セメントに対する水の比率
が40重量%となるが、これらの比率は後述する様に押
出成形用モルタルに典型的な値である。従って、押出成
形助剤の特性を表すには2.5%水溶液粘度が適してい
る。
【0065】本発明により得られる高分子の重量平均分
子量はおよそ1万から1,000万の範囲にある。特に
押出成形助剤として用いるには、重量平均分子量が10
万〜100万の範囲の高分子がより適している。重量平
均分子量が10万未満では水溶液粘度が十分でないこと
が多い。また重量平均分子量が100万を超えると水溶
液が曳糸性をもつために、押出成形助剤として適さない
ことがある。これらの水溶性ポリウレタンはフレーク状
の固体で用いることも、水溶液やアルコールなどの溶剤
に希釈して用いることもできるが、押出成形助剤として
用いるには、取り扱い易さなどから粉体で用いるのがよ
り好ましい。粉体の粒径は16メッシュ(1mm)以下
のものを用いるのが好ましい。粒径が16メッシュを超
える粉体は溶解性が劣ることがある。
【0066】該押出成形助剤は該水溶性ポリウレタンを
主成分として、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、希釈
剤、固結防止剤などを含んでいてもよい。本発明で用い
られるセメント系材料押出成形用組成物は、従来から押
出成形助剤として用いられているメチルセルロースやヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロースエ
ーテル類の替わりに本発明による押出成形助剤を含むこ
とを除けば、他の組成については公知のセメント系材料
押出成形用組成物と同等のものが有効に用いられる。具
体的には普通ポルトランドセメント、特殊ポルトランド
セメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、ア
ルミナセメント、石膏などの水硬性粉体を主成分とし、
細骨材、繊維、水と成形用増粘剤を含む。
【0067】細骨材は用いなくても押出成形は可能であ
るが、押出成形品の寸法精度の向上や原料のコストを低
減させるために通常は用いられる。細骨材としては砂が
主に用いられるが、その他としてパーライト、バーミク
ライト、シラスバルーン、軽石、発泡コンリート破砕
物、発泡プラスチック破砕物等の軽量骨材を用いること
ができる。
【0068】繊維類は該組成物(モルタル)の保形性を
高めるために添加される。繊維としては、石綿、ロック
ウール、ガラス繊維、炭素繊維、ポリマー繊維等の各種
繊維が用いられる。ただし、安全性の面から、ロックウ
ール、ガラス繊維、炭素繊維、ポリマー繊維(ポリプロ
ピレン繊維、ビニロン繊維、アラミド繊維など)等の石
綿以外の繊維(以下、石綿代替繊維と略す)を用いるこ
とがより好ましい。その他にもフライアッシュ、シリカ
ヒューム、ベントナイト、粘土等の無機材料やパルプ、
吸水性樹脂などの吸水剤や、再乳化樹脂粉末や各種減水
剤、界面活性剤、消泡剤等を含んでいてもよい。
【0069】本発明の押出成形助剤の添加量は、用いる
モルタルの組成によっても異なるが、押出成形建材用セ
メント組成物中の水硬性粉体に対して通常0.1〜5重
量%程度、より好ましくは0.2〜3重量%、更に好ま
しくは0.5〜1.5重量%が適当である。0.1重量
%未満では十分な押出成形助剤の効果が得られないこと
がある。また5重量%を超えて添加するのは粘着力が強
すぎ、生産性が低下するので好ましくない。最適な添加
量は該組成物の組成や押出成形機の能力、成形体の形態
等の具体的成形条件により異なるが、一般的に従来添加
していたセルロースエーテル類の50〜95重量%程度
で充分である。添加方法はフレーク状や粉体の押出成形
助剤をセメント組成物の他の成分と、乾燥したまま攪拌
混合してもよいし、押出成形助剤を水溶液としセメント
組成物の他の成分に加えてもよい。勿論、押出成形助剤
として本発明の成形用増粘剤とセルロースエーテル類、
ポリアクリルアミド系ポリマー、ポリエチレンオキシ
ド、ポリビニルアルコール等の他の既存の増粘剤を併用
して用いることもできる。
【0070】該組成物に含まれる水の比率は、用いる細
骨材や繊維の種類や量などにより異なり一概には言えな
いが、セメントなど水硬性粉体に対する水の重量比(水
/セメント比)は0.2〜1の範囲が好ましい。より好
ましくは0.3〜0.7、更に好ましくは0.3〜0.
4が適当である。水/セメント比が1を超えると十分な
曲げ強度が得られないことがある。また0.2未満では
セメントの水和に要する水分が不足し、やはり曲げ強度
の高い成形体が得られないことがある。特に高強度の成
形体を得るには水/セメント比が0.3〜0.7の範囲
にあることがより好ましい。更に好ましくは、水/セメ
ント比が0.3〜0.4の範囲であり、この範囲で最も
高い強度の成形体が得られやすい。細骨材の添加量は従
来の押出成形に用いるモルタルと同程度であればよい
が、典型的には砂等の細骨材はセメントなどの水硬性粉
体に対して10〜500重量%程度、より好ましくは3
0〜300重量%である。
【0071】繊維の添加量はモルタルの組成や押出成形
の形状などにより異なるが、本発明の成形助剤を用いる
利点として、従来の押出成形で用いられた繊維の添加量
より少ない量で、モルタルに十分な保形性が得られるこ
とが挙げられる。繊維として石綿を用いる場合には、石
綿の使用量を従来の70〜95%程度に削減してもよ
い。ポリマー繊維などの石綿代替繊維を用いる場合に
は、より大きな繊維量低減効果があり、繊維の使用量を
従来の50〜90%程度に削減することができる。石綿
代替繊維においてより大きな繊維量低減効果が得られる
のは、石綿代替繊維が石綿と比較して保形性に劣ってい
るためである。この保形性の不足を本発明の成形助剤に
より補うことができる。繊維の添加量は典型的にはセメ
ントなどの水硬性粉体に対して0.1〜10重量%程
度、より好ましくは0.5〜5重量%である。これらの
セメント系材料組成物は、混練機で混練後、セメント系
材料用押出成形機で押出成形する等、従来の方法で押出
成形することができる。
【0072】混練方法は特に限定するものではないが、
一般的には押出成形用のモルタルの製造はセメント、細
骨材、成形助剤、繊維が入った各ホッパーからミキサー
内に各成分を必要量投入し、十分混合した後、水を必要
量加えてさらに混合し、これをニーダー等に移して混練
する。混練された組成物は真空押出成形機等によりセメ
ント板、中空セメント板、セメント系サイディングボー
ド、円柱、パイプなどの各種成形体に成形される。該成
形体は水蒸気養生やオートクレーブ養生され製品とな
る。
【0073】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明するが、
勿論本発明はこの実施例に限られるものではない。 (櫛形疎水性ジオールの合成例) 実施例1 500mlの丸底フラスコにマグネチックスターラー、
温度計および滴下ロートを設置し、2−エチルヘキシル
アミン(関東化学)64.6gを仕込み、フラスコ内を
窒素で置換した。オイルバスでフラスコを60℃に加熱
し、攪拌しながら、滴下ロートから2−エチルヘキシル
グリシジルエーテル(ナガセ化成工業、デナコールEX
−121、エポキシ価188)188.0gを40分か
けて滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を80℃
に上げて、フラスコを10時間加熱した。続いて、オイ
ルバスの温度を120℃に上げて、真空ポンプを用い
て、3mmHgの真空度で少量の未反応物を減圧留去し
た。2−エチルヘキシルアミン1モルに対して2−エチ
ルヘキシルグリシジルエーテルが2モルの比率で付加し
た櫛形疎水性ジオール1(OH価からの平均分子量49
0)を収率98%で得た。
【0074】実施例2 n−ブチルアミン(東京化成)1モルに対してn−ブチ
ルグリシジルエーテル(東京化成)を2モルの比率で付
加して、櫛形疎水性ジオール2を合成した。
【0075】実施例3 n−ブチルアミン1モルに対して2−エチルヘキシルグ
リシジルエーテルを2モルの比率で付加して、櫛形疎水
性ジオール3を合成した。
【0076】実施例4 ドデシルアミン(関東化学)1モルに対して2−エチル
ヘキシルグリシジルエーテルを2モルの比率で付加し
て、櫛形疎水性ジオール4を合成した。
【0077】実施例5 n−オクチルアミン(東京化成)1モルに対してドデシ
ルグリシジルエーテル(アルドリッチ社製ドデシル/テ
トラデシルグリシジルエーテルを蒸留精製したもの)を
2モルの比率で付加して、櫛形疎水性ジオール5を合成
した。
【0078】実施例6 n−オクタデシルアミン(関東化学)1モルに対してn
−オクチルグリシジルエーテル(P&B)を2モルの比
率で付加して、櫛形疎水性ジオール6を合成した。
【0079】実施例7 n−ブチルアミン1モルに対してオクタデシルグリシジ
ルエーテル(日本油脂、エピオールSK)を2モルの比
率で付加して、櫛形疎水性ジオール7を合成した。表1
に結果を纏めた。
【0080】
【表1】 疎水性ジオールの分散度とポリウレタンの特性を比較す
るために、比較例1として従来の分散度の大きいジオー
ルの合成例を示す。
【0081】比較例1 500mlの丸底フラスコにマグネチックスターラー、
温度計および滴下ロートを設置し、ジエチレングリコー
ル(東京化成)26.5gを仕込み、フラスコ内を窒素
で置換した。オイルバスでフラスコを50℃に加熱し、
攪拌しながら、トリフルオロボロンエーテル錯体0.3
5mlを触媒として加え、滴下ロートから2−エチルヘ
キシルグリシジルエーテル(ナガセ化成工業、エポキシ
価188)188gを、生成物の温度が70℃を超えな
いように、2時間かけてゆっくりと滴下した。滴下終了
後、オイルバスの温度を80℃に上げて、フラスコを2
時間加熱した。続いて、オイルバスの温度を100℃に
上げて、真空ポンプを用いて2mmHgの真空度で触媒
を減圧留去した。ジエチレングリコール1モルに対して
2−エチルヘキシルグリシジルエーテルが4モルの比率
で付加した疎水性ジオール(OH価からの平均分子量8
34)を得た。
【0082】(疎水性ジオールのGPC分析)疎水性ジ
オールのクロロホルム溶液をリサイクルGPCで分離
し、示差屈折計で検出した。装置は日本分析工業製LC
−908、カラムは同社製の2Hと1Hを直列に繋いだ
ものである。図1に典型例として、実施例1および比較
例1で得られたジオールを同じ分析条件で測定した結果
を示す。横軸は流出時間、縦軸はシグナル強度である。
比較例1のジオールはグリシジルエーテルの付加数の異
なる成分の混合物であるのに対して、実施例1の櫛形疎
水性ジオールは殆ど単一成分からなっている。
【0083】(水溶性ポリウレタンの合成例)以下に実
施例1の疎水性ジオールを用いた水溶性ポリウレタンの
合成例を示すが、勿論本発明は以下の例に限定されるも
のではない。
【0084】実施例8 500mlのSUS製セパラブルフラスコに市販のPE
G#6000(純正化学、数平均分子量8、700)を
100g仕込み、窒素シール下で150℃にて溶融し
た。これを攪拌しながら減圧下(3mmHg)で3時間
乾燥した。残留する水分は200ppmであった。80
℃まで温度を下げ、フラスコ内を攪拌しながら、実施例
1で得た櫛形疎水性ジオール1を0.85g、ヘキサメ
チレンジイソシアナート(東京化成)を2.30g仕込
んだ。触媒としてDBTDLを0.01g添加すると、
10分程で急激に増粘した。攪拌を止めて、さらに2時
間反応させた。反応終了後に生成物をフラスコから取り
出し、小片に裁断後放冷した。これを液体窒素で冷却
し、電動ミルで粒径1mm(16メッシュ)以下に粉砕
した。2.5%水溶液粘度は350,000cP、重量
平均分子量は52万であった。
【0085】実施例9〜14 櫛形疎水性ジオール1の仕込み量とHDIの量が異なる
ことを除いては、実施例8と同じである。HDIのモル
数がPEGと櫛形疎水性ジオールの各々のモル数の合計
の1.03倍になるように(NCO/OH=1.0
3)、HDIの量を選んだ。結果を表2に纏めた。
【0086】比較例2〜6 比較例1の分散度の大きいジオールを用いてポリウレタ
ンを合成した。NCO/OHは1.03とした。結果を
表2に実施例8〜14の結果と合わせて示した。
【0087】
【表2】
【0088】実施例15〜24 櫛形疎水性ジオールの種類と仕込み量が異なることを除
いては、実施例8と同じである。ただし、実施例23、
24のはPEGの合成ロットが異なるために分子量が若
干異なる。
【0089】実施例25、26 PEGとして市販のPEG#4000(数平均分子量
3,000)を用いた。 実施例27、28 PEGとして市販のPEG#20000(数平均分子量
20,000)を用いた。表3に結果を纏めた。
【0090】
【表3】
【0091】表2および表3の中で、「PEGの分子
量」はOH価(OHV)から求めたPEGの数平均分子
量である。また「疎水基の全炭素数」は疎水性ジオール
の疎水基R1、R2およびR3の炭素数の合計である。ま
た「疎水性ジオール/PEG」はPEGに対する疎水性
ジオールの原料における重量比を百分率で表わしたもの
である。「繰返単位の係数x」は該化学式9で表した繰
り返し単位の係数xである。また「2.5%水溶液粘
度」は濃度が2.5重量%の水溶液を25℃において、
B型回転粘度計を用い、回転数6rpmで測定した水溶
液粘度(単位はセンチポアズ、cP)である。また「重
量平均分子量」は単分散のポリスチレンを標準としてG
PCの測定により求めた値である。溶媒はクロロホルム
を用いた。xが0.01〜0.5、重量平均分子量が1
0万〜100万の範囲で、2.5%水溶液粘度が1,0
00〜1,000,000cPの水溶性ポリウレタンが
得られている。
【0092】(溶解性の向上)図2にPEGに対する疎
水性ジオールの重量比(疎水性ジオール/PEG)を変
化させた際の水溶液粘度の変化を示し、実質的に単分散
の櫛形疎水性ジオールを用いた例(実施例8〜14)と
多分散な疎水性ジオールを用いた例(比較例2〜6)を
比較する。両者は重量平均分子量がほぼ同じであるが、
「疎水性ジオール/PEG」に対する水溶液粘度の変化
の様子は大きく異なる。多分散の疎水性ジオールを用い
た例では「疎水性ジオール/PEG」の値が一定値(閾
値)を超えると、ポリウレタンの溶解性が低下するた
め、水溶液粘度は急激に低下する。一方、単分散の疎水
性ジオールを用いた例では、「疎水性ジオール/PE
G」の値に水溶液粘度が急激に変化する閾値は認められ
ない。実質的に単分散な疎水性ジオールを用いた場合に
は、疎水性ジオールの量を制御することにより、溶解性
を損なわずにより高い水溶液粘度を実現できることが解
る。また閾値が存在しないために、疎水性ジオールの量
が多少変動しても溶解性が低下することがなく、製造上
の利点も大きい。
【0093】(押出成形試験)セメント、砂、石綿代替
繊維、押出成形助剤と水からなるモルタルを用いて板状
成形体(セメント板)の成形試験を行った。普通ポルト
ランドセメント100重量部、標準砂100重量部、ビ
ニロン繊維(ユニチカビニロン−タイプABセミハー
ド)1.5重量部に所定量の成形助剤を加え、高速ミキ
サー(宮崎鉄工製MHS−100)で3分間混合した。
この組成物に所定の水/セメント比になるように水を加
え、更に3分間混合し、セメント系材料押出成形用組成
物を得た。このモルタルをスクリュー式の混練機(宮崎
鉄工製MP−30−1)で混練した。この混練物をスク
リュー式の真空押出成形機(宮崎鉄工製FM−30−
1)を用い、一定の押出速度で厚さ10mm、幅20m
mの板状に押出成形した。成形体を28日間水中養生
し、曲げ強度を測定した。
【0094】表4に実施例および比較例に用いた成形助
剤の種類と添加量(セメントに対する重量%)、モルタ
ル中の水/セメント比(W/C)、成形時の水分離の有
無、表面形状、成形体の保形性、養生後の曲げ強度を示
した。水分離の有無の判定は、押出成形時にダイス部分
からの水の流出を観察し、水分離がまったくない場合は
良(◎)、水分離が若干認められるが押出成形可能な場
合は可(○)、水分離が明瞭に認められ押出成形不能な
場合は不良(×)とした。
【0095】表面形状の判定は、押出成形直後の成形体
の表面が滑らかな場合は良(◎)、凹凸が若干認められ
る場合は可(○)、凹凸が明瞭に認められる場合は不良
(×)とした。成形体の保形性の判定は、押出成形直後
の成形体を長さ20cmに切断し、間隔10cmで配置
した2個のブロックの間に水平に載せ、25℃湿度10
0%のもとで、24時間後に成形体中央部が垂直方向に
垂れ下がった距離を計り、これが15mm未満であれば
良(◎)、15mm以上20mm未満であれば可
(○)、20mm以上であれば不良(×)とした。曲げ
強度はJIS R−5201に準じて測定した。比較例
として、市販品の成形助剤として、従来押出成形に用い
られてきたヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越
化学製90SH−30000)を用いた例および成形助
剤を添加しない例を示した。
【0096】
【表4】
【0097】実施例29〜44と比較例7〜9を比較す
ると、本発明による押出成形助剤は市販品(水溶性セル
ロースエーテル類)と比較して、少なくとも同等な保水
性を有しかつ保形性においては市販品と比較して勝って
いることが明らかである。保形性は、モルタルの高いチ
クソ性を反映していると考えられる。理由は必ずしも明
らかではないが、本発明のモルタル(セメント系材料押
出成形組成物)の高いチクソ性はポリウレタン水溶液の
粘度が高いのみならず、ポリウレタンの櫛形疎水基とセ
メント粒子の間の適度な相互作用の効果を反映している
と考えられる。一方、市販品を用いたモルタルは保形性
が不十分となっている。勿論、石綿代替繊維を増量すれ
ば保形性は改善されるが、成形体の製造コストが高騰す
るので好ましくない。また本発明により得られる押出成
形セメント板は、市販品(水溶性セルロースエーテル
類)の押出成形助剤を用いた場合と比較して、成形体の
曲げ強度も向上している。市販品と比較してモルタルの
真空脱泡が効果的に行えることや、水溶性セルロースエ
ーテル類の欠点であるモルタルの硬化遅延が本発明の高
分子では少ないことなどが原因として挙げられる。
【0098】(実施例1〜7以外の疎水性ジオールの合
成例とそれらを用いた水溶性ポリウレタンの合成例) 実施例45 2−エチルヘキシルアミン1モルに対してフェニルグリ
シジルエーテル(ナガセ化成工業、デナコールEX−1
41)を2モルの比率で付加して、櫛形疎水性ジオール
8を合成した。
【0099】実施例46 n−ブチルアミン1モルに対してp−tert−ブチル
フェニルグリシジルエーテル(ナガセ化成工業、デナコ
ールEX−146)を2モルの比率で付加して、櫛形疎
水性ジオール9を合成した。
【0100】実施例47 2−シクロヘキシルエチルアミン(アルドリッチ)1モ
ルに対して2−エチルヘキシルグリシジルエーテルを2
モルの比率で付加して、櫛形疎水性ジオール10を合成
した。
【0101】実施例48 2−エチルヘキシルアミン1モルに対してラウリルアル
コール(EO)15グリシジルエーテル(ナガセ化成工
業、デナコールEX−171)を2モルの比率で付加し
て、櫛形疎水性ジオール11を合成した。(EO)15
はラウリルアルコール1モルにエチレンオキサイドを1
5モル付加させたEO付加物のグリシジルエーテルであ
ることを表している。
【0102】実施例49 n−ブチルアミン1モルに対して3−[2−(パーフル
オロヘキシル)エトキシ]−1,2−エポキシプロパン
(関東化学)を2モルの比率で付加して、櫛形疎水性ジ
オール11を合成した。
【0103】実施例50 n−ブチルアミン1モルに対してグリシジル−3−(ペ
ンタデカジエニル)フェニルエーテル(アルドリッチ)
を2モルの比率で付加して、櫛形疎水性ジオール12を
合成した。
【0104】実施例51 ジブチルアミノプロピルアミン(広栄化学)1モルに対
して2−エチルヘキシルグリシジルエーテルを2モルの
比率で付加して、櫛形疎水性ジオール13を合成した。
【0105】実施例52 2−エチルヘキシルアミン1モルに対して1,2−エポ
キシドデカン(東京化成)を2モルの比率で付加して、
櫛形疎水性ジオール14を合成した。
【0106】実施例53 p−ドデシルアニリン(和光純薬)1モルに対して2−
エチルヘキシルグリシジルエーテルを2モルの比率で付
加して、櫛形疎水性ジオール15を合成した。
【0107】実施例54 2−エチルヘキシルアミン1モルに対してデシルグリシ
ジルチオエーテルを2モルの比率で付加して、櫛形疎水
性ジオール16を合成した。表5に疎水性ジオール合成
結果を纏めた。
【0108】
【表5】 表6にポリウレタンの合成結果を纏めた。最後の3例は
ジイソシアナートとしてHDIの替わりにイソホロンジ
イソシアナート(IPDI)、水素化キシリレンジイソ
シアナート(HXDI)およびノルボルネンジイソシア
ナート(NBDI)を用いた例である。
【0109】
【表6】 表7に押出試験の結果を纏めた。
【0110】
【表7】
【0111】
【発明の効果】本発明によって保形性の高い、溶解性の
改善された安価な押出成形助剤が利用できるようになっ
た。またこの押出成形助剤を用いることにより、石綿代
替繊維を用いたモルタルの保形性を向上させられた。ま
たより強度の向上した押出成形セメント板を得ることが
できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 疎水性ジオールのGPCの例の図である。 (a) 実施例1のジオール (b) 比較例1のジオール *印はゴーストシグナルである。
【図2】 疎水性ジオールの含有率とポリマーの水溶液
粘度の図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学式1(化1) 【化1】 で表される繰り返し単位(1)と、化学式2(化2) 【化2】 で表される繰り返し単位(2)からなる高分子であり、
    繰り返し単位(1)のモル比率が0.5以上0.999
    以下であり、繰り返し単位(2)のモル比率が0.00
    1以上0.5以下であり、重量平均分子量が1万から
    1,000万の範囲にある水溶性ポリウレタン。ただ
    し、AはHO−A−OHが少なくとも両末端に水酸基を
    有しかつ数平均分子量が400〜100,000の水溶
    性ポリアルキレンポリオール(化合物A)である2価基
    であり、BはOCN−B−NCOが全炭素数が3〜18
    のポリイソシアナート類よりなる群から選ばれたポリイ
    ソシアナート化合物(化合物B)である2価基であり、
    DはHO−D−OHが化学式3(化3) 【化3】 (ただし、R1は炭素数が1〜20の炭化水素基ないし
    窒素含有炭化水素基である。またR2およびR3は炭素数
    が4〜21の炭化水素基である。また該炭化水素基
    1、R2およびR3中の水素の一部ないし全部はフッ
    素、塩素、臭素ないし沃素で置換されていてもよく、R
    2とR3は同じでも異なっていてもよい。またYおよび
    Y’は水素、メチル基ないしCH2Cl基であり、Yと
    Y’は同じでも異なっていてもよい。またZおよびZ’
    は酸素、硫黄ないしCH2基であり、ZとZ’は同じで
    も異なっていてもよい。またnはZが酸素の場合は0〜
    15の整数であり、Zが硫黄ないしCH2基の場合は0
    である。またn’はZ’が酸素の場合は0〜15の整数
    であり、Z’が硫黄ないしCH2基の場合は0であり、
    nとn’は同じでも異なっていてもよい)で表わされる
    櫛形疎水性ジオール(化合物D)である2価基である。
  2. 【請求項2】 繰り返し単位(1)のモル比率が0.5
    以上0.99以下であり、繰り返し単位(2)のモル比
    率が0.01以上0.5以下であり、化合物Aが数平均
    分子量3,000〜20,000のポリエチレングリコ
    ールであり、化合物Bが全炭素数が3〜18の脂肪族ジ
    イソシアナート類よりなる群から選ばれたジイソシアナ
    ート化合物であり、重量平均分子量が10万から100
    万の範囲にある請求項1に記載の水溶性ポリウレタン。
  3. 【請求項3】 化合物Dが化学式4(化4) 【化4】 (ただし、R1'は炭素数が4〜18の鎖状アルキル基で
    あり、R2'およびR3'は炭素数が4〜18のアルキル基
    ないしアリール基であり、R1'、R2'およびR3'の炭素
    数の合計が12〜40であり、R2'とR3'は同じ)で表
    わされる櫛形疎水性ジオールである請求項1ないし2に
    記載の水溶性ポリウレタン。
  4. 【請求項4】 化合物Bがヘキサメチレンジイソシアナ
    ート、イソホロンジイソシアナート、水素化キシリレン
    ジイソシアナートまたはノルボルネンジイソシアナート
    である請求項1、2ないし3に記載の水溶性ポリウレタ
    ン。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3ないし4に記載の水溶
    性ポリウレタンでありかつ2.5%水溶液粘度が1,0
    00〜1,000,000センチポアズである高分子か
    らなるセメント系材料用押出成形助剤。
  6. 【請求項6】 水硬性無機粉体と細骨材と繊維と請求項
    5に記載の押出成形助剤と水を含むことを特徴とするセ
    メント系材料押出成形用組成物。
  7. 【請求項7】 繊維として石綿代替繊維を用いることを
    特徴とする請求項6に記載のセメント系材料押出成形用
    組成物。
  8. 【請求項8】 請求項6ないし7に記載のセメント系材
    料押出成形用組成物を押出成形して得られる強度の改善
    されたセメント系材料押出成形物。
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