JPH11342845A - 列車検知装置及び列車位置検知システム、並びに列車接近警報発生装置 - Google Patents

列車検知装置及び列車位置検知システム、並びに列車接近警報発生装置

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JPH11342845A
JPH11342845A JP10156380A JP15638098A JPH11342845A JP H11342845 A JPH11342845 A JP H11342845A JP 10156380 A JP10156380 A JP 10156380A JP 15638098 A JP15638098 A JP 15638098A JP H11342845 A JPH11342845 A JP H11342845A
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rail
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Noritaka Egami
憲位 江上
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B61RAILWAYS
    • B61LGUIDING RAILWAY TRAFFIC; ENSURING THE SAFETY OF RAILWAY TRAFFIC
    • B61L1/00Devices along the route controlled by interaction with the vehicle or train
    • B61L1/02Electric devices associated with track, e.g. rail contacts
    • B61L1/06Electric devices associated with track, e.g. rail contacts actuated by deformation of rail; actuated by vibration in rail
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    • B61RAILWAYS
    • B61LGUIDING RAILWAY TRAFFIC; ENSURING THE SAFETY OF RAILWAY TRAFFIC
    • B61L23/00Control, warning or like safety means along the route or between vehicles or trains
    • B61L23/06Control, warning or like safety means along the route or between vehicles or trains for warning men working on the route

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Train Traffic Observation, Control, And Security (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の軌道回路ではレールに絶縁部を設ける
必要があることは勿論、検知結果の伝達に信号ケーブル
を敷設する必要があり、コストが嵩んでいた。 【解決手段】 列車の走行により発生する振動の内で最
も伝播効率が高い周波数(1kHz)近辺の成分を検出する
ためのバンドパスフィルタ12a と、逆に最も伝播効率が
低い周波数(5.5kHz)近辺の成分を検出するためのバン
ドパスフィルタ12c と、それらの検出結果から列車が比
較的接近している状態,直近にまで接近した状態、また
は通過して直近に存在する状態,比較的近い位置に存在
する状態等をマイクロコンピュータ16が判断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレール上を走行する
列車の位置を検知する列車検知装置及びそのような装置
を複数レールに沿って設置した列車位置検知システムに
関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道においては、列車の位置を検知する
ことは安全運行に必須である。たとえば、列車が接近し
ているという情報は踏切の開閉制御に、前方の駅でのポ
イント制御、旅客案内等に、また作業員の安全確保等の
ために必要であり、また列車が通過して遠ざかりつつあ
るという情報は後続の列車の運行等に必要な情報であ
る。
【0003】ところで、鉄製のレール上を鉄製の車輪で
列車が走行する鉄道においては、列車の位置を検出する
ためには軌道回路と称される手法が一般的に採られてい
る。軌道回路とは、並列された二本のレールを一組とし
て両端部を電気的に絶縁し、両レール間に一定電圧を常
時印加した回路である。この回路に鉄製の車軸の両端に
取り付けられた車輪が乗ることにより、並列された二本
のレールが電気的に短絡されるため、両レール間の電圧
が0になることを利用して列車の存否を検出することが
可能である。
【0004】このような軌道回路を採る場合、必要な間
隔でレールに切れ目を入れて電気的に絶縁する必要があ
る。しかし、今日では数キロメートルにも及ぶロングレ
ールが幹線鉄道では常識になっているが、軌道回路を構
成するためにロングレールの最大長が制限されることに
なり、また伸縮継ぎ目と称される特殊な構造の継ぎ目が
必要になるためにコストが嵩み、更に絶縁部分での絶縁
不良により列車の運行が阻害されるという事故が発生す
る可能性もあった。
【0005】このような従来の軌道回路の欠点を補うべ
く、レールを伝播する音波を利用した列車検知方法がた
とえば特開平8-154635号公報等に提案されている。
【0006】図30は上述の特開平8-154635号公報に開示
されている音波を利用した従来の列車接近検知装置の構
成例を示すブロック図であり、レール1上を列車2が矢
符方向に走行している状態が示されている。参照符号h
1, h2は列車接近検知装置本体を示しており、それぞれ
レール1に接続された加速度センサS1,S2及び磁歪発振
子M1,M2を備えている。加速度センサS1,S2はレール1
の振動を検知するために、磁歪発振子M1,M2はレール1
に対して音波を送るためにそれぞれ備えられている。
【0007】このような従来の列車接近検知装置の動作
は以下の如くである。列車接近検知装置本体h1は磁歪発
振子M1を駆動して特定周波数の音波をレール1に送り、
列車2からの反射波を加速度センサS1が取り込む。列車
接近検知装置本体h1はその間に要した時間を計測し、既
知であるレール1の音波の伝播速度と乗算することによ
り列車2までの距離を算出する。
【0008】列車2は常時移動しているため、列車接近
検知装置本体h1は上述の処理を所定時間間隔で反復する
ことにより、列車2の位置を常時検出している。また、
列車接近検知装置本体h2も列車接近検知装置本体h1と同
様の処理を行なうことにより、列車2の位置を常時検出
している。
【0009】ところで、列車接近検知装置本体h1, h2が
比較的近距離、たとえば数百m以内に設置されている場
合、両列車接近検知装置本体h1, h2が使用する音波の周
波数が同一である場合には両列車接近検知装置本体h1,
h2間で音波信号の誤認識, 重なり合いが生じて正確な距
離計測が行なえなくなるため、両者が使用する音波の周
波数を異ならせる必要がある。しかし、レール1を伝播
し易い周波数は比較的狭い周波数帯域に限られているこ
とが判明しているため、両列車接近検知装置本体h1, h2
でほぼ同一の周波数を使用せざるを得ないことになる。
従って、従来の列車接近検知装置本体h1, h2においては
両者間の距離を相当程度大きくとる必要があった。
【0010】また、従来はいずれのような方法で列車を
検知したとしても、その検知結果を他へ伝達するために
はレールに沿って延々と信号ケーブルを敷設する必要が
あり、そのコストは鉄道会社にとっては決して小さな額
ではない。またこのようなケーブルはネズミに齧られる
被害を受けやすく、その防護の面でもコストが更に嵩
み、また列車の運行が阻害される要因ともなる。
【0011】ところで、磁歪発振子M1,M2が発生する音
波は原理的には弾性波が主体であり、たとえばハンマー
でレール1を叩いた場合には比較的広範囲の周波数の弾
性波が発生するため、実際にレール1をハンマーで叩い
てどのような周波数の音波がレール1を伝播し易いかを
実験した。
【0012】レール1をハンマーで叩いた場合のその印
加点から50m, 150m 離れた地点で加速度センサによって
それぞれ計測した音波(弾性波) 波形とフーリエ変換結
果とを図31(a), (b)及び図32(a), (b)のグラフに示す。
図31からは、50m 地点においては比較的広範囲の周波数
の音波(弾性波)が存在していることが理解される。し
かし図32からは、150m地点においては3kHz近辺の音波
(弾性波)が強く残っていることが読み取れる。理論
上、レール1を伝播し易い音波(弾性波)の周波数は、
レールを支える枕木の間隔に強く依存していることが判
明しているが、実際の実験結果からはベースとなる周波
数近辺(実験では3kHz)のみが伝播し易いことが判っ
た。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
軌道回路に代えて音波を利用した列車検知方法では、二
つ以上の装置を比較的近距離で設置した場合に、列車ま
での距離を把握出来なかったり、誤検出したりするとい
う問題があった。
【0014】本発明は上述のような事情に鑑みてなされ
たものであり、レールに絶縁部を設ける必要がないこと
は勿論、比較的近距離で装置を設置することが可能であ
り、また検知結果の伝達に信号ケーブルを敷設する必要
も無い列車検知装置及び列車位置検知システム、更には
列車接近警報発生装置の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の列車検知装置
は、第1には、列車の走行により発生する振動の内で比
較的伝播効率が高い周波数(実用上は最も伝播効率が高
い周波数)の成分と、逆に比較的伝播効率が低い周波数
(実用上は最も伝播効率が低い周波数)の成分とを受信
して検出し、その結果から列車が直近にまで接近した状
態、またはそれよりも遠い位置に接近している状態等を
検知可能にする。
【0016】第2には、上述のようにして得られた列車
の位置に関する情報を音波信号をレールを伝播させるこ
とにより、複数の装置間でいわゆるバケツリレー方式で
伝達する。
【0017】第3には、上述の構成ではレールに対して
振動をほとんど発生しない超低速で走行中の列車、また
は全く発生しない停止中の列車を検出できないため、音
波信号をレールに対して発生して能動的に列車の存否を
検出するようにした。
【0018】また本発明の列車接近警報発生装置は、上
述のような列車検知装置の技術を応用した。
【0019】更に本発明の列車位置検知システムは、第
1には、前述のような列車検知装置を複数レールに沿っ
て設置し、列車の接近を検知すると共に、列車の進行方
向前方の各列車検知装置に対して列車の位置を伝送する
ことにより、列車の位置を連続的に検知可能にする。
【0020】本発明の列車位置検知システムは、第2に
は、前述のような列車検知装置を複数レールに沿って設
置し、列車の通過を検知すると共に、列車の進行方向後
方の各列車検知装置に対して列車の位置を伝送すること
により、列車の位置を連続的に検知可能にする。
【0021】本発明の列車位置検知システムは、第3に
は、上述の第1及び第2の列車位置検知システムの機能
を併せた構成とした。
【0022】本発明の列車位置検知システムは、第4に
は、上述のようにして得られた列車の位置に関する情報
を音波信号をレールを伝播させることにより、複数の装
置間でいわゆるバケツリレー方式で伝達する。
【0023】本発明の列車位置検知システムは、第5に
は、上述の構成ではレールに対して振動をほとんど発生
しない超低速で走行中の列車、または全く発生しない停
止中の列車を検出できないため、音波信号をレールに対
して発生して能動的に列車の存否を検出するようにし
た。
【0024】また本発明の列車接近警報発生装置は、上
述のような列車位置検知システムの個々の列車検知装置
の技術を応用した。
【0025】
【発明の実施の形態】〔発明の原理〕まず最初に、本発
明の原理について説明する。列車がレール上を走行して
いる場合には当然のことであるがレールが振動し、この
振動はレールを媒体としてある程度遠方まで伝播する。
図4(a), (b)は一例として、約35kmで走行中の列車が測
定点を通過して5秒後に計測した加速度の生波形(b) と
周波数スペクトル(a)を示すグラフである。
【0026】図4から明らかなように、1kHz近辺の振動
が主成分になっている。前述の図32に示されているレー
ルをハンマーで叩いた場合には3kHz近辺の振動が伝播し
やすかったが、列車がレール上を走行している場合に発
生する振動は、ハンマーまたは磁歪発振子により発生す
る弾性波とは異なる種類の振動であり、レール構造から
みてたわみ振動が主成分であると考えられる。
【0027】また、図31と図4とを比較すると、ハンマ
ーにより発生する弾性波はパルス的でありかつ短時間
(たとえば、図31では約0.1 秒) で消滅するのに対し
て、レールが発生するたわみ振動は比較的長時間にわた
って持続するという相違が見られる。従って、1kHz近辺
の加速度信号を計測して所定の閾値以上の信号が持続し
ている場合には走行中の列車が接近している(数百m
内)と判断してよいことになる。
【0028】また走行中の列車がより接近した場合、た
とえば10m乃至20m以内に接近した場合の判断は以下の
ようにして可能である。図5は約35kmで走行中の列車が
測定点を通過する直前から計測を開始した場合の加速度
の生波形(b) と周波数スペクトル(a) を示すグラフであ
り、また図6はそれを500 〜2000Hzのバンドパスフィル
タを通過させた後の波形を示すグラフであり、更に図7
は5000〜6000Hzのバンドパスフィルタを通過させた後の
波形を示すグラフである。
【0029】図6では、走行中の列車が発生する振動の
内の最もレールを伝播し易い1kHz近辺の成分を含んでい
るため、信号の距離的減衰、即ち図6上で1秒に対して
約35に相当する減衰は非常に小さいといえるが、図7で
は伝播し難い周波数近辺の成分しか含まれていないた
め、顕著な距離的減衰が見られる。従って、伝播し難い
周波数の振動を観測し、それが所定の閾値以上の振動が
持続している場合には、走行中の列車が10m乃至20m以
内の直近に存在すると考えてよいことになる。
【0030】以上のように、走行中の列車が発生する振
動の内で最も伝播し易い周波数、たとえば枕木間隔が60
cm程度の場合には1kHz近辺の周波数の振動と、逆に伝播
し難い周波数、たとえば5.5kHz近辺の周波数の振動とを
計測し、その結果を組み合わせることにより、走行中の
列車が接近して来て直近に至るまで、または通過直後か
らある程度の距離以上に遠ざかるまでというような検知
が可能である。
【0031】走行中の列車の種類,走行速度によっては
振動強度は変化するが、走行中の列車が広範囲の周波数
の振動を発生することには変わりはないため、ある程度
の強度(ある閾値以上)の信号の時間的持続性に着目す
ることにより、走行中の列車の位置を検出することが可
能である。
【0032】なお、ハンマー,石等で人為的にレールに
振動を与えた場合には、その振動は前述の如く時間的な
持続性のないパルスになるため、列車が発生する振動と
は容易に判別可能である。従って、いわゆる列車妨害を
受ける虞は非常に少ない。
【0033】なお、以上のような受動的な振動検知のみ
では、列車が振動を発生しない状態、たとえば列車が停
止中である状態及び超低速で走行している状態において
は検知は不可能であるため、その対策に関しては以降の
実施の形態において説明する。
【0034】次に、音波を利用したデータ伝送の原理に
ついて説明する。本発明においては音波信号をレールを
介してデータの伝送に利用するが、上述したようにレー
ルには走行中の列車が発生する振動が音波信号から見れ
ば強いノイズとして存在する。特に、列車が装置の設置
位置を通過する直前,直後にはかなり強いノイズが存在
することになるが、そのような環境においても音波(弾
性波)を利用したデータ伝送が以下のような原理により
可能である。
【0035】図8は図5に示されている波形データを25
00乃至4000Hzのフィルタを通過させた後の波形を示すグ
ラフである。図8からは、列車の直近での3000Hz近辺の
振動加速度が10Gp-p以下であり、その振幅はγ=10×9.
8m/s2 /(2π3000) 2 ≒ 0.3μm以下であることが判
る。
【0036】磁歪発振子は20cmのものを使用した場合、
数十μm歪むため、レールに対しても数十μmの振動振
幅を容易に与えることが可能である。即ち、磁歪発振子
を使用すれば、列車が発生する振動に比してはるかに大
きい 100Gp-p程度の弾性波振動をレールに印加すること
が可能である。
【0037】以上に説明したように、磁歪発振子を使用
することにより、レールを伝播し易い特定の周波数、具
体的には枕木間隔が60cm程度の場合は3kHz近辺の周波数
の弾性波を、列車が発生する振動よりも大きい強度でレ
ールに印加することが可能であるため、音波(弾性波)
を信号としてレールを伝播媒体としたデータ伝送が可能
になる。
【0038】本発明の列車検知装置及び列車位置検知シ
ステム、更には列車接近警報発生装置は上述のような原
理に従って列車を検知するが、以下にいくつかの実施の
形態について図面に基づいて詳述する。
【0039】なお、以下の各実施の形態において、「走
行中の列車が近い(数百m以内)」と「直近(10乃至20
m以内)」とはそれぞれ以下のような状態を言う。前者
は、1kHz近辺の周波数の振動が持続的に高いレベルにあ
る状態を言い、後者は1kHz近辺の周波数の振動が持続的
に高いレベルが継続している状態において更に5.5kHzの
周波数の振動も持続的に高いレベルになる状態を言う。
従って、直近の第1の所定距離内とは上述の10乃至20m
以内のことであり、第2の所定距離内とは上述の数百m
以内のことになる。
【0040】〔実施の形態1〕図1は本発明の列車位置
検知システムの実施の形態1の全体の構成例を示す模式
図である。
【0041】図1においては、レール1上を列車2が矢
符方向に走行している状態が示されている。参照符号D
は本発明の列車検知装置を利用した列車接近検知・前方
伝送装置を示しており、それぞれNo.0〜No.7までの番号
(以下、局No. と言う)が循環的に付与されている。こ
れらの列車接近検知・前方伝送装置Dはレール1に対し
てたとえば500m程度のほぼ一定間隔で設置されている。
また、参照符号H1, H2は保線作業員等が作業時に一時的
にレール1に取り付ける携帯型の列車接近警報発生装置
を示している。
【0042】図2は本発明の列車位置検知システムを構
成する個々の列車検知装置である列車接近検知・前方伝
送装置Dの、また図3は列車接近警報発生装置H1, H2の
構成例を示すブロック図であり、基本的な構成は共通で
ある。
【0043】図2において、参照符号Sはレール1に接
続して取り付けられた加速度センサを、Mは同じくレー
ル1に接続して取り付けられた磁歪発振子をそれぞれ示
している。加速度センサSはレール1の振動を検知する
ために、磁歪発振子Mはレール1に対して音波(弾性
波)を印加するためにそれぞれ備えられている。
【0044】加速度センサSはレール1の振動を検知し
て対応するアナログの電気信号を出力するが、この信号
はバッファアンプ11を介してそれぞれ帯域特性が異なる
三個のバンドパスフィルタ(BPF)12a, 12b, 12cに入力さ
れる。各バンドパスフィルタ12a, 12b, 12c の出力はそ
れぞれに接続されている増幅器(AMP)13a, 13b, 13cで増
幅された後、アナログのマルチプレクサ(MPX) 14に入力
される。マルチプレクサ14は各増幅器13a, 13b, 13c か
らの入力を所定周期で循環的に A/D変換器15へ出力す
る。 A/D変換器15はマルチプレクサ14から入力された信
号をデジタル信号に変換してマイクロコンピュータ16に
入力する。このマイクロコンピュータ16にはメモリ17が
接続されている。
【0045】マイクロコンピュータ16にはドライブ回路
18を介して磁歪発振子Mが接続されており、マイクロコ
ンピュータ16がドライブ回路18を駆動制御することによ
り磁歪発振子Mが歪み、これによってレール1に音波振
動が印加される。
【0046】なお、図3に示されている列車接近警報発
生装置H1, H2は図2に示されている列車接近検知・前方
伝送装置Dの構成からドライブ回路18及び磁歪発振子M
を除き、代わりにマイクロコンピュータ16の制御により
鳴動するブザー19を備えている。また、列車接近検知・
前方伝送装置Dの加速度センサSはレール1に対して半
永久的に取り付けられるが、列車接近警報発生装置H1,
H2の加速度センサS1はレール1に対して現場で人手によ
り容易に着脱可能に構成されている。
【0047】本発明の列車検知装置としての列車接近検
知・前方伝送装置D及び列車接近警報発生装置H1, H2は
前述のような原理に従って列車2を検知するが、以下に
図1にその構成が示されている実施の形態1の列車接近
検知・前方伝送装置D及び列車接近警報発生装置H1, H2
のマイクロコンピュータ16の処理手順を示すフローチャ
ートを参照してその実際の動作について説明する。
【0048】なお、バンドパスフィルタ12a, 12b, 12c
は狭域バンドパスフィルタであり、バンドパスフィルタ
12a は列車2が発生する振動の内の最も伝播し易い1kHz
近辺の周波数を通過させ、バンドパスフィルタ12b は磁
歪発振子Mが発生する音波(弾性波)の内の最も伝播し
易い3kHz近辺の周波数を通過させ、バンドパスフィルタ
12c は列車2が発生する振動の内の距離減衰が大きい周
波数(この場合は5.5kHz近辺の周波数)を通過させるよ
うに設定されている。
【0049】加速度センサSにより捉えられた振動信号
はバッファアンプ11,バンドパスフィルタ12a, 12b, 12
c 及び増幅器13a, 13b, 13c を通過してマルチプレクサ
14に入力される。マルチプレクサ14は各増幅器13a, 13
b, 13c から入力される信号、換言すれば各バンドパス
フィルタ12a, 12b, 12c を通過した信号を順次的且つ所
定周期で切り替えつつ A/D変換器15へ出力する。
【0050】A/D 変換器15はマルチプレクサ14から入力
された信号をデジタル信号に変換してマイクロコンピュ
ータ16に与える。マイクロコンピュータ16はこのデジタ
ル信号をメモリ17に最新のたとえば1秒分を記憶しつつ
処理することにより、具体的には所定の閾値と比較する
ことにより、列車2の検知及び音波利用によるデータ伝
送を行なう。
【0051】いまここで、図1に示されているように、
局No.1の列車接近検知・前方伝送装置Dに列車2が接近
している状態であるとすると、そのマイクロコンピュー
タ16の制御手順は図9に示されているフローチャートの
ようになる。
【0052】局No.1の列車接近検知・前方伝送装置Dで
は、列車2が接近してくるに伴って1kHz近辺の周波数の
信号が増大するが、それが所定の閾値を超えて持続して
いると列車2が近くに存在するとマイクロコンピュータ
16が判断する (ステップS11で"YES" )。但しこの判断
は、各列車接近検知・前方伝送装置Dの設置間隔L(本
実施の形態1では約500m)の1/2 程度の距離まで列車2
が接近した場合に1kHz近辺の周波数の振動が大であると
判断するように所定の閾値が設定されているものとす
る。
【0053】このように列車2の接近が検知されると、
マイクロコンピュータ16はドライブ回路18を制御して自
身の局No. のデータを音波(弾性波)信号として磁歪発
振子Mに発信させる (ステップS12)。音波(弾性波)信
号は、フラグ,ビット0,ビット1,ビット2,奇数パ
リティの順に所定間隔、たとえば20ms間隔で送信され
る。フラグは一連のデータの先頭を示す信号であり、20
msの全区間にわたって3kHzの連続パルス音波として発信
される。他の各ビット及びパリティは値が”1”である
場合に20msの区間の中間の4ms の区間で3kHzのパルス音
波が発信され、値が”0”である場合は20msの全区間に
わたってパルス音波が発信されない。
【0054】一例として、図11にビット0,1,2の値
がそれぞれ”1”,”0”,”0”であり、パリティ
が”0”である場合の信号の状態及び実際に発信される
音波(弾性波)信号のパルスの状態を示す。なお、実際
の送信に際しては、他の装置での受信ミスを防止するた
めにこの全体で100ms の信号が所定回数連続して反復発
信される。
【0055】このようにして局No.1の列車接近検知・前
方伝送装置Dが自身の局No.のデータを発信した後、マ
イクロコンピュータ16は走行中の列車2が直近にまで接
近しているか否かを判断する (ステップS13)。この判断
は前述の如く具体的には、5.5kHz近辺の比較的伝播し難
い周波数の振動が所定の閾値以上になるか否かで判断さ
れる。しかし、ステップS11 において走行中の列車2の
接近が検知された当初はステップS13 では走行中の列車
2が直近に接近したとは判断されないため、マイクロコ
ンピュータ16はステップS11 へ処理を戻し、更にステッ
プS12 及びS13の処理を反復する。従って、走行中の列
車2が直近に接近するまでは、列車接近検知・前方伝送
装置Dは自身の局No.のデータの発信を継続する。
【0056】やがて走行中の列車2が直近に接近する
と、5.5kHz近辺の比較的伝播し難い周波数の振動が所定
閾値以上に大きくなることによりそれが検知される (ス
テップS13)。この後はマイクロコンピュータ16は自身の
局No. のデータの発信は行なわずに1kHz近辺の周波数の
振動が所定の閾値以下になるまで、換言すれば走行中の
列車2が列車接近検知・前方伝送装置Dの設置位置を通
過して0.5L (約250m)程度遠ざかるまで待機状態になる
(ステップS14)。そして、走行中の列車2が0.5L程度以
上に遠ざかると (ステップS14 で”NO" )、マイクロコ
ンピュータ16はステップS11 へ処理を戻す。
【0057】ところで、局No.1の列車接近検知・前方伝
送装置Dに走行中の列車2が接近して通過した場合には
上述のようなマイクロコンピュータ16による処理が行な
われるが、その間、局No.2の列車接近検知・前方伝送装
置Dのマイクロコンピュータ16は以下のような処理を行
なう。
【0058】走行中の列車2が局No.1の列車接近検知・
前方伝送装置Dに接近している状態(ステップS11 で”N
O" )では上述のステップS12 において局No.1の列車接
近検知・前方伝送装置Dが自身の局No.のデータを発信
する。局No.2の列車接近検知・前方伝送装置Dではまだ
1kHz近辺の周波数の振動は小さいが、局No.1の列車接近
検知・前方伝送装置Dが発信する局No.1の音波信号を受
信するので (ステップS15)、マイクロコンピュータ16は
受信した音波信号のフラグ,ビット0,1,2,パリテ
ィを正常に受信すると、受信した局No.のデータを自身
の局No. (この場合は2)と比較し、所定の範囲内であ
るか否かを判断する (ステップS16)。
【0059】ここで、所定の範囲とは、たとえばそれぞ
れの列車接近検知・前方伝送装置Dにとって自身から列
車2の走行方向とは逆方向の3個の列車接近検知・前方
伝送装置Dとする。具体的には、局No.1の列車接近検知
・前方伝送装置Dにおいては局No.6, 7 及び0の列車接
近検知・前方伝送装置Dのことであり、局No.2の列車接
近検知・前方伝送装置Dにおいては局No.7, 0 及び1の
列車接近検知・前方伝送装置Dのことである。換言すれ
ば、局No.1の列車接近検知・前方伝送装置Dにおいて
は、局No.5の列車接近検知・前方伝送装置Dが走行中の
列車2の接近を検知して局No.5の音波信号を発信しても
それを中継して発信することはない (ステップS16 で”
NO" )。
【0060】一方、所定範囲の局から局No. のデータの
音波信号を受信した場合は (ステップS16 で”YES")、
その列車接近検知・前方伝送装置Dのマイクロコンピュ
ータ16は受信した局No.のデータを音波信号としてその
まま発信し (ステップS17)、所定時間待機した後 (ステ
ップS18)、ステップS11 へ処理を戻す。
【0061】上述のステップS17 において発信された局
No.のデータの音波信号は上述同様にしてその局No. の
データの列車接近検知・前方伝送装置Dから列車2の走
行方向の3個先までの列車接近検知・前方伝送装置Dに
おいては受信されて更にそれ以遠の列車接近検知・前方
伝送装置Dへ発信される。たとえば、局No.0の列車接近
検知・前方伝送装置Dから発信された局No.0のデータの
音波信号は局No.1,2及び3の列車接近検知・前方伝送
装置Dに受信されてそれぞれ再度発信されるが、局No.4
とそれ以遠の列車接近検知・前方伝送装置Dには受信さ
れても発信されることはない。
【0062】また、ステップS18 において所定時間の待
機が行われる理由は、自身が発信した局No.のデータの
音波信号に応答して次の局が発信した局No. のデータの
音波信号を自身が受信しないようにするためであり、従
って連続する3局においてステップS15, S16, S17 の処
理を行なうために必要な時間がステップS18 での待機時
間の最小値となる。
【0063】なお、レール1を伝播する音波信号の速度
(音速)は約5000m/s であり、列車2の走行速度に比し
て格段に高速であるため、各列車接近検知・前方伝送装
置D間の音波信号の伝播時間は問題とはならない。ま
た、異なる列車接近検知・前方伝送装置D間において同
時に音波信号の送信が行なわれる事態も有り得るが、二
つ離れた列車接近検知・前方伝送装置Dから受信された
音波信号は隣の列車接近検知・前方伝送装置Dから受信
された音波信号に比して通常は1/10程度に減衰するた
め、隣の列車接近検知・前方伝送装置Dから発信された
音波信号のみが明確に受信されることになる。
【0064】このように、走行中の列車2がたとえば局
No.1の列車接近検知・前方伝送装置Dに接近している状
態においては、局No.1の列車接近検知・前方伝送装置D
から発信された局No.1を示す音波信号は局No.4の列車接
近検知・前方伝送装置Dまでは必ず伝播する。
【0065】一方、列車接近警報発生装置H1, H2はその
マイクロコンピュータ16の処理手順が図10のフローチャ
ートに示されているように動作する。
【0066】いまたとえば列車接近警報発生装置H1が図
1に示されているように局No.3の列車接近検知・前方伝
送装置Dと局No.4の列車接近検知・前方伝送装置Dとの
間においてレール1に接続されているとする。そして、
走行中の列車2が局No.1の列車接近検知・前方伝送装置
Dに接近した場合、局No.1の列車接近検知・前方伝送装
置Dが発信した局No.1を示す音波信号が局No.3の列車接
近検知・前方伝送装置Dに受信され、それが局No.3の列
車接近検知・前方伝送装置Dから再度発信された時点で
列車接近警報発生装置H1に受信される (ステップS21
で”YES")。
【0067】即ち、列車接近警報発生装置H1では局No.1
の列車接近検知・前方伝送装置Dの列車検知距離である
L/2 と、局No.1の列車接近検知・前方伝送装置Dと局N
o.3の列車接近検知・前方伝送装置Dとの間の距離2L
と、局No.3の列車接近検知・前方伝送装置Dと列車接近
警報発生装置H1との間の距離L1との総和(2.5L+L1) の
位置に走行中の列車2が到達した時点で局No.3が中継発
信する局No.1を示す音波信号を受信してブザー19がオン
(鳴動)し (ステップS22)、作業員に列車2の接近を報
知する。
【0068】一方、上述のような局No. のデータを受信
できないままに走行中の列車2が列車接近警報発生装置
H1に接近する場合も有り得る。この場合には (ステップ
S21で”NO" 、S23 で”YES")、列車接近警報発生装置H
1の2 マイクロコンピュータ16はブザー19を鳴動させる
(ステップS24)。
【0069】そしていずれの場合においても、走行中の
列車2が直近にまで接近すると (ステップS25 で”YE
S")、列車接近警報発生装置H1のマイクロコンピュータ
16は5.5kHz近辺のの周波数の振動を検知してブザー19の
鳴動を停止させ (ステップS26)、その後に列車2があ
る程度以上に遠ざかった時点で処理を終了し (ステップ
S27 で”NO" )、ステップS21 へ処理を戻す。
【0070】また上述同様にして、局No.4の列車接近検
知・前方伝送装置Dと局No.5の列車接近検知・前方伝送
装置Dとの間においてレール1に接続されている列車接
近警報発生装置H2では、局No.2の列車接近検知・前方伝
送装置Dに走行中の列車2が接近した時点でブザー19が
鳴動を開始する。
【0071】〔実施の形態2〕次に本発明の列車検知装
置及び列車位置検知システムの実施の形態2としての列
車信号保安制御に応用する例について、図12の模式図を
参照して説明する。図12において、参照符号dは本発明
の列車検知装置としての列車通過検知・後方伝送装置を
示しており、前述の実施の形態1において示されている
列車接近検知・前方伝送装置Dとハードウェア的には同
一構成であるが、図13のブロック図に示されているよう
に通常の鉄道において使用されているトランスポンダ,
信号機等との間のインタフェイスをマイクロコンピュー
タ16に備えている。
【0072】ところで、列車信号保安制御においては、
先行列車がどの程度まで遠方に進行したかによって信号
機を切り替えたり、またはその距離をトランスポンダ等
を使用して後続の列車に伝達することにより、安全運行
を確保している。
【0073】図12に示されているように、走行中の列車
2がいまたとえば局No.6の列車通過検知・後方伝送装置
dに接近して通過する際に各局がどのように動作するか
をマイクロコンピュータ16の制御手順を示す図14のフロ
ーチャートを参照して説明する。
【0074】局No.6の列車通過検知・後方伝送装置dに
走行中の列車2が接近してくると、1kHz近辺の周波数の
振動がしだいに大きくなるが (ステップS31, S32で”N
O" )、更に直近にまで接近すると5.5kHz近辺の周波数
の振動が持続して所定閾値を越えるようになり (ステッ
プS32 で”YES"、S33 で”YES")、走行中の列車2が通
過すると急速に小さくなる (ステップS33 で”NO" )。
従って列車通過検知・後方伝送装置dのマイクロコンピ
ュータ16は走行中の列車2が通過した直後にそのことを
検出することがステップS33 において可能であるため、
自身の局No.6のデータを発信し (ステップS34)、列車デ
ータの更新、具体的には”6”への更新を行なう (ステ
ップS25)。
【0075】そして、走行中の列車2が更に遠ざかると
5.5kHz近辺の周波数の振動がしだいに小さくなるが1kHz
近辺の周波数の振動ははまだ所定閾値以上であるので
(ステップS36 で”YES")、マイクロコンピュータ16は
上述のステップS33 乃至S35 の処理を反復する。やがて
走行中の列車2が更に遠ざかると1kHz近辺の周波数の振
動もしだいに小さくなる (ステップS36 で”NO" )の
で、マイクロコンピュータ16はステップS31 へ処理を戻
す。
【0076】一方、局No.5の列車通過検知・後方伝送装
置dではすでに列車2は通過した後であるため、1kHz近
辺の周波数の振動は小さく、局No.6の列車通過検知・後
方伝送装置dが音波信号で発信した局No.のデータを受
信し (ステップS31 で”YES")、それが後述する所定範
囲内の局No. である場合は (ステップS37 で”YES")、
局No.4の列車通過検知・後方伝送装置dに対して局No.
のデータを発信し (ステップS38)、更に列車データを受
信した局No. のデータである”6”に更新する(ステッ
プS39)。この後、ステップS40 において所定時間の待機
が行われることは前述の実施の形態1の場合と同様であ
る。
【0077】ここで、上述のステップS37 における所定
の範囲について説明する。この実施の形態2において、
局No. のデータのバトンリレーを行なうのは走行中の列
車2の進行方向の後方の4個の列車通過検知・後方伝送
装置dまでとする。たとえば、局No.1の列車通過検知・
後方伝送装置dからは局No.0,No.7,No.6,No.5の列車
通過検知・後方伝送装置dまで、局No.4の列車通過検知
・後方伝送装置dからは局No.3,No.2,No.1,No.0の列
車通過検知・後方伝送装置dまでに伝達される。
【0078】従って、局No.6の列車通過検知・後方伝送
装置dから局No.6のデータが発信された場合にそれを受
信し、直後に局No. の発信を行なう局はNo.2乃至No.5ま
でである。そして、これらの局No.2乃至局No.5の列車通
過検知・後方伝送装置dでは局No.6の列車通過検知・後
方伝送装置dが発信した局No.6のデータを受信すること
により走行中の列車2が局No.6の列車通過検知・後方伝
送装置dを既に通過して局No.7の列車通過検知・後方伝
送装置dに接近中であることが判明する。一方、局No.1
の列車通過検知・後方伝送装置dでは、列車データとし
て一つ前の”5”を保持しているので、局No.5の列車通
過検知・後方伝送装置dよりも先に列車2が進行してい
ることが判明する。
【0079】やがて走行中の列車2が局No.7の列車通過
検知・後方伝送装置dを通過すると、上述同様にして局
No.7の列車接近検知・前方伝送装置d自身と局No.6乃至
局No.3までの列車通過検知・後方伝送装置dにおいて列
車データが”7”に更新される。ここで、各局間の距離
は予め判明しているので、その距離に基づいて信号の切
り替えを行ない、または距離そのものをトランスポンダ
等によって送信することにより、列車ブレーキ制御を行
なう等して列車信号保安制御に利用することが可能であ
る。
【0080】〔実施の形態3〕次に、一般の鉄道におい
て最も一般的な列車検知手法である軌道回路を本発明の
列車検知装置及び列車位置検知システムと併用する実施
の形態3について説明する。
【0081】軌道回路とは、レールを適宜の距離間隔で
絶縁し、左右のレール間に抵抗を介して常時一定電圧を
印加しておき、列車がレール1上に来るとレール1間の
抵抗がほぼ0になることを利用して列車の存否を検知す
る技術である。従ってこの軌道回路方式では、原理的に
適宜の位置でレール1を電気的に絶縁する必要がある。
【0082】図15の模式図に示されているように、いま
丁度レール1の絶縁部分に列車接近検知・前方伝送装置
D1を設置してあるとする。列車接近検知・前方伝送装置
D1の構成の詳細は図16のブロック図に示されている。な
お、図16において参照符号4はレール1間のインピーダ
ンス変化(電圧変化)を検出するための軌道回路センサ
を、3はレール絶縁部をそれぞれ示している。軌道回路
センサ4及び加速度センサSは列車2の進行方向に対し
てレール絶縁部3よりも後方側のレール1に設置されて
おり、磁歪発振子Mはレール絶縁部3よりも前方側のレ
ール1に設置されている。
【0083】また、この実施の形態3では列車の検知そ
のものは軌道回路で行なうため、バンドパスフィルタは
磁歪発振子Mが発生する信号伝送用の音波(弾性波)の
内の最も伝播し易い3kHz近辺の周波数を通過させる図2
において参照符号12b で示されているバンドパスフィル
タのみが備えられており、従って増幅器も参照符号13b
で示されている1個のみが備えられている。他の基本的
な構成は図2に示されている構成と同様である。
【0084】この実施の形態3の列車接近検知・前方伝
送装置D1のマイクロコンピュータ16の制御手順を図17の
フローチャートに示すが、ここでは局No.1の列車接近検
知・前方伝送装置D1に走行中の列車2が接近して来てい
る状態について説明する。
【0085】レール1上に列車2が存在しない場合に
は、レール1間にある程度の電圧が印加されているが、
列車2が存在する場合にはレール1間のインピーダンス
がほぼ0になるので、レール1間の電圧がほぼ0にな
る。この状態を軌道回路のオン状態といい、列車2が局
No.1に接近してくる場合には、局No.1の列車接近検知・
前方伝送装置D1では軌道回路のオン状態を検出している
(ステップS51 で”YES")。この場合、局No.1の列車接
近検知・前方伝送装置D1のマイクロコンピュータ16は磁
歪発振子Mを使用して自身の局No.1のデータを送信する
(ステップS52)。
【0086】この際、局No.2及び局No.3の列車接近検知
・前方伝送装置D1が局No.1のデータを受信してバケツリ
レー式に局No. のデータを発信することは前述の実施の
形態1と同様であり、図17に示されているステップS53
乃至S56 の処理は前述の実施の形態1の場合の図9に示
されているステップS15 乃至S18 と同様の処理手順であ
る。
【0087】なお、列車接近警報発生装置H1, H2のハー
ドウェア構成及び動作は前述の実施の形態1の場合と全
く同様である。但しこの場合、列車接近警報発生装置H1
は走行中の列車2が局No.0と局No.1の列車接近検知・前
方伝送装置D1との間のレール1に乗った瞬間に局No.1の
列車接近検知・前方伝送装置D1が軌道回路のの状態を検
出するため、ブザー19がその時点で鳴動するようにマイ
クロコンピュータ16が制御する。
【0088】〔実施の形態4〕次に、軌道回路と本発明
の列車検知装置及び列車位置検知システムとを組み合わ
せた列車信号保安制御の一例について、図18の模式図を
参照して説明する。列車通過検知・後方伝送装置d1はレ
ール1の絶縁部3に設置されていることは上述の実施の
形態3の場合と同様である。
【0089】図19は列車通過検知・後方伝送装置d1の詳
細な構成例を示すブロック図であり、基本的な構成その
ものは上述の図16に示されている実施の形態3と同様で
あるが、軌道回路センサ4及び加速度センサSは走行中
の列車2の進行方向に対してレール絶縁部3よりも前方
側に設置され、磁歪発振子Mはレール絶縁部3よりも後
方側に設置されている点が異なる。また、前述の図13の
ブロック図に示されている実施の形態2と同様に、通常
の鉄道において使用されているトランスポンダ,信号機
等との間のインタフェイスをマイクロコンピュータ16が
備えている。
【0090】このような実施の形態4の列車通過検知・
後方伝送装置d1の動作についてそのマイクロコンピュー
タ16の制御手順を示す図20のフローチャートを参照して
説明する。
【0091】いまたとえば走行中の列車2が局No.6の列
車通過検知・後方伝送装置d1を通過している状態である
とすると、局No.6の列車通過検知・後方伝送装置d1では
走行中の列車2の先頭が通過すると軌道回路の状態を検
出し (ステップS61 で”NO"、S62 で”YES")、自身の
局No.6のデータを音波信号として発信し (ステップS6
3)、更に列車データを”6”に更新する (ステップS6
4)。
【0092】局No.2乃至5の各列車通過検知・後方伝送
装置d1の動作は前述の実施の形態2と同様であり、音波
信号を使用してバケツリレー方式で局No. のデータが伝
送される。具体的には、図20に示されているステップS6
5 乃至S68 の処理は前述の実施の形態1の場合の図14に
示されているステップS37 乃至S40 と同様の処理手順で
ある。
【0093】このようにして実施の形態4の各列車通過
検知・後方伝送装置d1は先行列車までの距離を知ること
が出来るので、列車信号保安制御に利用することが可能
である。
【0094】〔実施の形態5〕次に、実施の形態5とし
ての列車接近検知・前方伝送装置と列車通過検知・後方
伝送装置との双方の機能を併せ持つ列車検知・伝送装置
Fについて、それをほぼ一定間隔で配置した状態を示す
図21の模式図及びその詳細な構成を示す図22のブロック
図を参照して説明する。
【0095】図22において、参照符号Sl及びMlは走行中
の列車2の進行方向に対して左側のレール1lに設置され
た加速度センサ及び磁歪発振子を、参照符号Sr及びMrは
走行中の列車2の進行方向に対して右側のレール1rに設
置された加速度センサ及び磁歪発振子をそれぞれ示して
いる。なお、これらの加速度センサSl,Sr及び磁歪発振
子Ml,Mrは前述の各実施の形態における加速度センサS
及び磁歪発振子Mと同一の機能を有している。
【0096】加速度センサSl及び磁歪発振子Mlは列車接
近検知・前方伝送機能用に、一方加速度センサSr及び磁
歪発振子Mrは列車通過検知・後方伝送機能用にそれぞれ
使用される。
【0097】参照符号11a は図2に示されているバッフ
ァ11と同機能のバッファを、参照符号12d は図2に示さ
れているバンドパスフィルタ12b と同様の3kHz近辺を通
過させる狭域バンドパスフィルタを、参照符号13d は図
2に示されている増幅器(AMP)13bと同様の増幅器を、18
l, 18rは図2に示されているドライバ18と同様の磁歪発
振子Ml,Mrに電流を印加させて駆動させるためのドライ
バをそれぞれ示している。
【0098】なお、参照符号H1,H2は図2に示されてい
る列車接近警報発生装置と構成,機能及び動作ともに同
様である。
【0099】このような構成の列車検知・伝送装置Fに
おいては、一つのマイクロコンピュータ16によって前述
の図9に示されている実施の形態1のフローチャート及
び図14に示されている実施の形態2のフローチャートの
制御手順を実行することが可能であるため、二つの機能
を併せ持つ装置が実現される。従って、二種類の装置を
設置する場合に比して装置そのもののコストダウンが可
能になると共に、設置作業に要する人手、コストも削減
される。
【0100】〔実施の形態6〕次に、実施の形態6とし
て、軌道回路を使用し且つ列車接近検知・前方伝送装置
と列車通過検知・後方伝送装置との双方の機能を併せ持
つ列車検知・伝送装置F1について、それをほぼ一定間隔
で配置した状態を示す図23の模式図及びその詳細な構成
を示す図24のブロック図を参照して説明する。
【0101】図24において、参照符号4l,4rはそれぞれ
列車接近検知用及び列車通過検知用の軌道回路センサ4
であり、前述の図16に示されている実施の形態3のそれ
と同様である。また、参照符号H1,H2は図2に示されて
いる列車接近警報発生装置と構成,機能及び動作ともに
同様である。
【0102】このような構成をとる場合には、一つのマ
イクロコンピュータ16によって前述の図17に示されてい
る実施の形態3のフローチャート及び図20に示されてい
る実施の形態4のフローチャートの制御手順を実行する
ことが可能であるため、二つの機能を併せ持つ装置が実
現される。従って、二種類の装置を設置する場合に比し
て装置そのもののコストダウンが可能になると共に、設
置作業に要する人手、コストも削減される。
【0103】〔実施の形態7〕次に、実施の形態7とし
て、列車接近検知・前方伝送装置と列車通過検知・後方
伝送装置との双方の機能を併せ持つ列車検知・伝送装置
F2について、それをほぼ一定間隔で配置した状態を示す
図25の模式図及びその詳細な構成を示す図26のブロック
図を参照して説明する。なお、本実施の形態において
は、列車直近の検知に際して列車が停止中であっても検
知可能な構成を採っている。
【0104】図26において、参照符号mは高周波を発生
し易くした磁歪発振子であり、加速度センサSrとは若干
離れた位置、たとえば20m 程度離れた位置に設置されて
いる。また参照符号6a, 6bはそれぞれ後方局,前方局と
ツイストペア等のケーブル5を使用してデータを伝送す
るインタフェイス部を、7はパルス発生回路を、18aは
磁歪発振子m用のドライバをそれぞれ示している。
【0105】まず走行中の列車2が直近に位置している
場合の検知方法は前述の実施の形態1,2及び5の場合
と同様に、1kHz近辺の周波数と5.5kHz近辺の周波数の振
動とを計測することにより行なう。走行中の列車2が超
低速で接近して来て通過する場合、または停止する場合
には、列車2が発生する振動は非常に小さくなる。この
ような状態においても列車2の通過を検知するために磁
歪発振子mにより短周期でパルス的に高周波の弾性波を
発生させ、狭帯域のバンドパスフィルタ12e を通過させ
て計測しておく。
【0106】図27は磁歪発振子mによる高周波の弾性波
の発生状態の一例を示すタイミングチャートである。こ
の例では、30msの周期T2で期間T1(3ms)にわたって磁歪
発振子mから弾性波を発生させている。なお、弾性波の
周波数は一例として10kHz 程度とする。
【0107】列車2の車輪が磁歪発振子mと加速度セン
サSrとの間に位置した時点において、磁歪発振子mから
発生される弾性波が列車2の方向へ伝播するため、加速
度センサSrが検出する弾性波の波形が大きく変動するこ
とになる。この原理を利用することにより、列車2が超
低速で走行している場合においても、また停止している
場合においても検知可能である。具体的には以下のよう
にして走行中の列車2を検知する。
【0108】(1)1kHz近辺の周波数の振動が持続的に
大きい状態になった時点において走行中の列車2が近く
に存在すると判断することが可能である。更に、5.5kHz
近辺の周波数の振動が持続的に大きくなった時点におい
て走行中の列車2が直近に存在すると判断することが可
能である。
【0109】(2)1kHz近辺の周波数の振動が小さい場
合には、磁歪発振子mが発生する弾性波パルスの波高値
が継続的に変動した場合に磁歪発振子mと加速度センサ
Srとの間に列車2が存在する、換言すれば列車2が直近
に存在する、と判断することが可能である。磁歪発振子
mと加速度センサSrとの間隔は前述の如く20m 程度と短
いため、レール1を伝播し難い弾性波の周波数を選択し
ておく必要があるが、これにより列車検知器間の相互干
渉を排除することが可能になる。
【0110】また、走行中の列車2が直近に存在する場
合には、磁歪発振子mが発生する弾性波パルスは列車2
が発生する振動で消される可能性が高いため、上述の
(2)のみでは検知不可能である。
【0111】なお、磁歪発振子mを追加した本実施の形
態の列車2が直近に存在する場合の検知方法では、磁歪
発振子mが発生する弾性波の周波数が3kHz近辺であっ
て、走行中の列車2が発生する周波数とは大きく異なる
ため、前述の実施の形態1,2及び5において併用して
も問題は生じない。
【0112】次に全体の動作について説明するが図28の
フローチャートに示されている列車接近検知・前方伝送
機能に関するマイクロコンピュータ16の制御手順は図9
に示されている前述の実施の形態1のフローチャート
と、また図29のフローチャートに示されている列車通過
検知・後方伝送機能に関するマイクロコンピュータ16の
制御手順は図14に示されている前述の実施の形態2のフ
ローチャートと基本的には同様である。
【0113】この実施の形態7が上述の実施の形態1及
び実施の形態2と異なる点は、データ伝送に際して、電
気ケーブル5を使用しているため、レール1に接近情報
を伝播させるために磁歪発振子Mlを使用して特定のパタ
ーンの音波信号を発信するようにしている点である。具
体的には、図28に示されているフローチャートでは、図
9に示されている実施の形態1のフローチャートのステ
ップS12 に代えて前方局へ自身の局No. のデータを送信
するステップS120が、ステップS15 に代えて後方局から
の局No. のデータを受信したか否かを判断するステップ
S150が、ステップS17 に代えて後方局から受信した局N
o. のデータを前方局へ送信するステップS170が、また
ステップS18 に代えて磁歪発振子Mlを使用して特定のパ
ターンの音波信号を発信するステップS71 が、更にステ
ップS12 とS13 との間にステップS71 と同様の処理を行
なうステップS72 がそれぞれ処理される。
【0114】また、図29に示されているフローチャート
では、図14に示されている実施の形態2のフローチャー
トのステップS31 に代えて前方局からの局No. のデータ
を受信したか否かを判断するステップS310が、ステップ
S34 に代えて後方局へ自身の局No. のデータを送信する
ステップS340が、更にステップS38 に代えて前方局から
受信した局No. のデータを後方局へ送信するステップS3
80がそれぞれ処理される。
【0115】なお、参照符号H1,H2は図2に示されてい
る列車接近警報発生装置と構成,機能及び動作ともに同
様であるが、マイクロコンピュータ16による処理手順に
おいて、ブザー19を鳴動させる条件として、音波信号に
よる局No. のデータの受信に代えて上述の特定パターン
の受信を採用することである。
【0116】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明の列車検
知装置及び列車位置検知システム並びに列車接近警報発
生装置によれば、音波を利用し、しかも直近の位置とそ
れよりは遠い位置とのいずれに列車が存在するかを判断
可能になるので、レールを切断した絶縁部が必要な従来
の軌道回路に比してコストが削減される。
【0117】また、音波信号をレールを伝播させてたの
装置に列車の位置を伝送するので、信号ケーブルが不用
になり、コストの削減が図れる。
【0118】更に、振動をほとんど、またはまったく発
生しない超低速で走行中の列車または停止中の列車を検
知することができないので、音波信号を発生してその反
射波を受信することにより能動的に検出するようにもし
ている。
【0119】更にまた、列車接近警報発生装置は任意の
場所でレールに一時的に設置することが出来るので、携
帯及び移動に便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の列車位置検知システムの実施の形態
1の全体の構成例を示す模式図である。
【図2】 本発明の列車位置検知システムの実施の形態
1の個々の列車検知装置の構成例を示すブロック図であ
る。
【図3】 本発明の列車位置検知システムの実施の形態
1の個々の列車接近警報発生装置の構成例を示すブロッ
ク図である。
【図4】 約35kmで走行中の列車が測定点を通過して5
秒後に計測した加速度の生波形と周波数スペクトルを示
すグラフである。
【図5】 約35kmで走行中の列車が測定点を通過する直
前から計測を開始した場合の加速度の生波形と周波数ス
ペクトルを示すグラフである。
【図6】 図5の生波形を500 〜2000Hzのバンドパスフ
ィルタを通過させた後の波形を示すグラフである。
【図7】 図5の生波形を5000〜6000Hzのバンドパスフ
ィルタを通過させた後の波形を示すグラフである。
【図8】 図5の波形データを2500乃至4000Hzのフィル
タを通過させた後の波形を示すグラフである。
【図9】 本発明の列車位置検知システムの実施の形態
1の列車検知装置のマイクロコンピュータの制御手順を
示すフローチャートである。
【図10】 実施の形態1の列車接近警報発生装置のマ
イクロコンピュータの制御手順を示すフローチャートで
ある。
【図11】 ビット0,1,2の値がそれぞれ”
1”,”0”,”0”であり、パリティが”0”である
場合の信号の状態及び実際に発信される音波(弾性波)
信号のパルスの状態を示す模式図である。
【図12】 本発明の列車位置検知システムの実施の形
態2の全体の構成例を示す模式図である。
【図13】 本発明の列車位置検知システムの実施の形
態2の個々の列車検知装置の構成例を示すブロック図で
ある。
【図14】 本発明の列車位置検知システムの実施の形
態2の列車検知装置のマイクロコンピュータの制御手順
を示すフローチャートである。
【図15】 本発明の列車位置検知システムの実施の形
態3の全体の構成例を示す模式図である。
【図16】 本発明の列車位置検知システムの実施の形
態3の個々の列車検知装置の構成例を示すブロック図で
ある。
【図17】 本発明の列車位置検知システムの実施の形
態3の列車検知装置のマイクロコンピュータの制御手順
を示すフローチャートである。
【図18】 本発明の列車位置検知システムの実施の形
態4の全体の構成例を示す模式図である。
【図19】 本発明の列車位置検知システムの実施の形
態4の個々の列車検知装置の構成例を示すブロック図で
ある。
【図20】 本発明の列車位置検知システムの実施の形
態4の列車検知装置のマイクロコンピュータの制御手順
を示すフローチャートである。
【図21】 本発明の列車位置検知システムの実施の形
態5の全体の構成例を示す模式図である。
【図22】 本発明の列車位置検知システムの実施の形
態5の個々の列車検知装置の構成例を示すブロック図で
ある。
【図23】 本発明の列車位置検知システムの実施の形
態6の全体の構成例を示す模式図である。
【図24】 本発明の列車位置検知システムの実施の形
態6の個々の列車検知装置の構成例を示すブロック図で
ある。
【図25】 本発明の列車位置検知システムの実施の形
態7の全体の構成例を示す模式図である。
【図26】 本発明の列車位置検知システムの実施の形
態7の個々の列車検知装置の構成例を示すブロック図で
ある。
【図27】 本発明の列車位置検知システムの実施の形
態7の磁歪発振子による高周波の弾性波の発生状態の一
例を示すタイミングチャートである。
【図28】 本発明の列車位置検知システムの実施の形
態7の列車検知装置のマイクロコンピュータの制御手順
を示すフローチャートである。
【図29】 本発明の列車位置検知システムの実施の形
態7の列車検知装置のマイクロコンピュータの制御手順
を示すフローチャートである。
【図30】 音波を利用した従来の列車接近検知装置の
構成例を示すブロック図である。
【図31】 レールをハンマーで叩いた場合のその印加
点から50m, 150m 離れた地点で加速度センサによってそ
れぞれ計測した音波(弾性波) 波形とフーリエ変換結果
とを示すグラフの模式図である。
【図32】 レールをハンマーで叩いた場合のその印加
点から50m, 150m 離れた地点で加速度センサによってそ
れぞれ計測した音波(弾性波) 波形とフーリエ変換結果
とを示すグラフの模式図である。
【符号の説明】
1 レール、2 列車、3 レール絶縁部、12a, 12b,
12c バンドパスフィルタ、16 マイクロコンピュー
タ、19 ブザー、D 列車接近検知・前方伝送装置、D1
列車接近検知・前方伝送装置、d 列車通過検知・後
方伝送装置、d1 列車通過検知・後方伝送装置、F 列
車検知・伝送装置、F1 列車検知・伝送装置、F2 列車
検知・伝送装置。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レール上を走行する列車が発生する振動
    の内のレールを比較的伝播し易い第1の周波数近辺の成
    分を検出する第1の検出手段と、 前記列車が発生する振動の内のレールを比較的伝播し難
    い第2の周波数近辺の成分を検出する第2の検出手段
    と、 前記第1の検出手段の検出結果と前記第2の検出手段の
    検出結果とに基づいて、列車が直近の第1の所定距離内
    に存在しているか否か、または前記第1の所定距離より
    も遠方の第2の所定距離内に存在しているか否かを判断
    する判断手段とを備えたことを特徴とする列車検知装
    置。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2の周波数とは異なる第
    3の周波数の音波を発生して前記レールへ伝播させる音
    波発生手段と、 レールを伝播する振動の内の前記第3の周波数近辺の成
    分を検出する第3の検出手段と、 前記判断手段による判断結果に応じたパルス状の音波信
    号を前記音波発生手段に発生させる信号発生手段とを更
    に備え、 前記判断手段は、前記第3の検出手段の検出結果に基づ
    いて列車の位置を判断すべくなしてあることを特徴とす
    る請求項1に記載の列車検知装置。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2の周波数とは異なる第
    4の周波数の音波を発生して前記レールへ伝播させる音
    波発生手段と、 該音波発生手段から発生されて列車から反射された第4
    の周波数近辺の成分を検出する第4の検出手段とを更に
    備え、 前記判断手段は、前記第1及び第2の検出手段の検出結
    果には拘わらず、前記第4の検出手段の検出結果に基づ
    いて、列車が直近の第3の所定距離内に存在するか否か
    を判断すべくなしてあることを特徴とする請求項1に記
    載の列車検知装置。
  4. 【請求項4】 レール上を走行する列車が発生する振動
    の内のレールを比較的伝播し易い第1の周波数近辺の成
    分を検出する第1の検出手段と、 前記列車が発生する振動の内のレールを比較的伝播し難
    い第2の周波数近辺の成分を検出する第2の検出手段
    と、 前記第1の検出手段の検出結果と前記第2の検出手段の
    検出結果とに基づいて、列車が直近の第1の所定距離内
    に存在しているか否か、または前記第1の所定距離より
    も遠方の第2の所定距離内に存在しているか否かを判断
    する判断手段と、 該判断手段が列車が前記第1の所定距離内または前記第
    2の所定距離内に存在すると判断した場合に、警報を発
    生する警報手段とを備えたことを特徴とする列車接近警
    報発生装置。
  5. 【請求項5】 レール上を走行する列車が発生する振動
    の内のレールを比較的伝播し易い第1の周波数近辺の成
    分を検出する第1の検出手段と、 前記列車が発生する振動の内のレールを比較的伝播し難
    い第2の周波数近辺の成分を検出する第2の検出手段
    と、 前記第1及び第2の周波数とは異なる第3の周波数の音
    波を発生して前記レールへ伝播させる音波発生手段と、 レールを伝播する振動の内の前記第3の周波数近辺の成
    分を検出する第3の検出手段と、 前記第1の検出手段の検出結果と前記第2の検出手段の
    検出結果とに基づいて、列車が直近の第1の所定距離内
    において接近しているか否か、または前記第1の所定距
    離よりも遠方の第2の所定距離内において接近している
    か否かを判断する判断手段と、 前記判断手段による判断結果に応じたパルス状の音波信
    号を前記音波発生手段に発生させる信号発生手段とを備
    えた列車検知装置をレールに沿って複数設置し、 いずれかの列車検知装置の前記判断手段が列車の前記第
    1の所定距離内または前記第2の所定距離内における接
    近を検知した場合に、当該列車検知装置の前記信号発生
    手段が列車の接近を検知したことを示すパルス状の音波
    信号をレールに印加し、 列車の接近を検知した列車検知装置よりも列車の進行方
    向前方に設置されている他の列車検知装置の判断手段
    は、前記第3の検出手段の検出結果に基づいて列車の位
    置を判断すべくなしてあることを特徴とする列車位置検
    知システム。
  6. 【請求項6】 レール上を走行する列車が発生する振動
    の内のレールを比較的伝播し易い第1の周波数近辺の成
    分を検出する第1の検出手段と、 前記列車が発生する振動の内のレールを比較的伝播し難
    い第2の周波数近辺の成分を検出する第2の検出手段
    と、 前記第1及び第2の周波数とは異なる第3の周波数の音
    波を発生して前記レールへ伝播させる音波発生手段と、 レールを伝播する振動の内の前記第3の周波数近辺の成
    分を検出する第3の検出手段と、 前記第1の検出手段の検出結果と前記第2の検出手段の
    検出結果とに基づいて、列車が通過後に直近の第1の所
    定距離内に存在しているか否か、または前記第1の所定
    距離よりも遠方の第2の所定距離内に存在しているか否
    かを判断する判断手段と、 前記判断手段による判断結果に応じたパルス状の音波信
    号を前記音波発生手段に発生させる信号発生手段とを備
    えた列車検知装置をレールに沿って複数設置し、 いずれかの列車検知装置の前記判断手段が列車の通過を
    検知した場合に、当該列車検知装置の前記信号発生手段
    が列車の通過を検知したことを示すパルス状の音波信号
    をレールに印加し、 列車の通過を検知した列車検知装置よりも列車の進行方
    向後方に設置されている他の列車検知装置の判断手段
    は、前記第3の検出手段の検出結果に基づいて列車の位
    置を判断すべくなしてあることを特徴とする列車位置検
    知システム。
  7. 【請求項7】 レール上を走行する列車が発生する振動
    の内のレールを比較的伝播し易い第1の周波数近辺の成
    分を検出する第1の検出手段と、 前記列車が発生する振動の内のレールを比較的伝播し難
    い第2の周波数近辺の成分を検出する第2の検出手段
    と、 前記第1及び第2の周波数とは異なる第3の周波数の音
    波を発生して前記レールへ伝播させる音波発生手段と、 レールを伝播する振動の内の前記第3の周波数近辺の成
    分を検出する第3の検出手段と、 前記第1の検出手段の検出結果と前記第2の検出手段の
    検出結果とに基づいて、列車が直近の第1の所定距離内
    において接近しているか否か、または前記第1の所定距
    離よりも遠方の第2の所定距離内において接近している
    か否か、もしくは列車が通過後に直近の第1の所定距離
    内に存在しているか否か、または前記第1の所定距離よ
    りも遠方の第2の所定距離内に存在しているか否かを判
    断する判断手段と、 前記判断手段による判断結果に応じたパルス状の音波信
    号を前記音波発生手段に発生させる信号発生手段とを備
    えた列車検知装置をレールに沿って複数設置し、 いずれかの列車検知装置の前記判断手段が列車の接近ま
    たは通過を検知した場合に、当該列車検知装置の前記信
    号発生手段が列車の接近または通過を検知したことを示
    すパルス状の音波信号をレールに印加し、 列車の接近を検知した列車検知装置よりも列車の進行方
    向前方、または列車の通過を検知した列車検知装置より
    も列車の進行方向後方に設置されている他の列車検知装
    置の判断手段は、前記第3の検出手段の検出結果に基づ
    いて列車の位置を判断すべくなしてあることを特徴とす
    る列車位置検知システム。
  8. 【請求項8】 前記列車検知装置は、前記判断手段が前
    記第3の検出手段の検出結果に基づいて列車の位置を判
    断した場合に、前記信号発生手段に列車の位置に応じた
    パルス状の音波信号を発生させてレールに印加させる請
    求項5,6または7に記載の列車位置検知システム。
  9. 【請求項9】 各列車検知装置は、前記第1及び第2の
    周波数とは異なる第4の周波数の音波を発生して前記レ
    ールへ伝播させる音波発生手段と、 該音波発生手段から発生されて列車から反射された第4
    の周波数近辺の成分を検出する第4の検出手段とを更に
    備え、 前記判断手段は、前記第1及び第2の検出手段の検出結
    果には拘わらず、前記第4の検出手段の検出結果に基づ
    いて、列車が直近の第3の所定距離内に存在するか否か
    を判断すべくなしてあることを特徴とする請求項5,6
    または7に記載の列車位置検知システム。
  10. 【請求項10】 レール上を走行する列車が発生する振
    動の内のレールを比較的伝播し易い第1の周波数近辺の
    成分を検出する第1の検出手段と、 前記列車が発生する振動の内のレールを比較的伝播し難
    い第2の周波数近辺の成分を検出する第2の検出手段
    と、 レールを伝播する振動の内の前記第3の周波数近辺の成
    分を検出する第3の検出手段と、 前記第1の検出手段の検出結果と前記第2の検出手段の
    検出結果とに基づいて、列車が直近の第1の所定距離内
    において接近しているか否か、または前記第1の所定距
    離よりも遠方の第2の所定距離内において接近している
    か否かを判断し、もしくは前記第3の検出手段の検出結
    果に基づいて列車の位置を判断する判断手段と、 該判断手段が列車が前記第1の所定距離内または前記第
    2の所定距離内に存在すると判断した場合、もしくは前
    記第3の検出手段の検出結果による列車の位置が所定の
    位置であると判断した場合に、警報を発生する警報手段
    とを備えたことを特徴とする請求項5,6または7に記
    載の列車位置検知システムに使用する列車接近警報発生
    装置。
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