JPH102951A - 音波を用いた物体の監視方法及びその装置 - Google Patents

音波を用いた物体の監視方法及びその装置

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JPH102951A
JPH102951A JP15463596A JP15463596A JPH102951A JP H102951 A JPH102951 A JP H102951A JP 15463596 A JP15463596 A JP 15463596A JP 15463596 A JP15463596 A JP 15463596A JP H102951 A JPH102951 A JP H102951A
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JP
Japan
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sound wave
rail
moving body
monitoring
reflected
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Application number
JP15463596A
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English (en)
Inventor
Noritaka Egami
憲位 江上
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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  • Train Traffic Observation, Control, And Security (AREA)
  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レール上を移動する列車が保守工事現場等に
接近した場合、正確に警報を動作せしめて作業者の退避
を促し、安全性を確保する。 【解決手段】 列車10の通過の合間にレール1等の補
修作業を行う場合、レール1に磁歪発振子Mと、振動セ
ンサSEとを配設し、ドライバ15を通じて磁歪発振子
Mからレール1に音波を伝播せしめ、列車10の存在位
置からの反射音波を振動センサSEにて捉え、狭帯域周
波数フィルタ12に通して雑音を除去し、マイクロコン
ピュータ16にて音波の伝播時間、音波の伝播速度に基
づき、工事現場から列車10までの距離を算出し、所定
距離以下になるとブザーBを鳴動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】鉄道線路等の騒音の大きい環
境下、音波の減衰が大きい環境下、又はS/N比が悪い
環境下等にて、音波を利用して架線又は線路の保守作業
現場から列車までの距離、列車が保守作業現場に到達す
る時間、列車速度等の監視情報を求めることを可能とす
る物体の監視方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図12は従来における踏切の自動遮断機
のための列車検出方法及びその装置を示す模式図であ
り、図中1はレール、Vは電源、AMはリレー等で構成
され、通電を検出するための電流検出器、10はレール
1上を走行する列車である。2本のレール1,1には、
夫々所定間隔でレール間を絶縁する一対の絶縁材1a,
1b、1c,1dが介装され、この絶縁材1a,1b
間、1c,1d間に位置するレール1,1間に電源V、
電流検出器AMの直列回路が設けられている。このよう
な従来の列車検出方法及び装置にあっては、絶縁材1
a,1b間、1c,1d間のレール1,1上に列車10
が存在しない状態では左, 右のレール1,1間は絶縁さ
れているため電流検出器AMは動作しない。
【0003】一方列車10が絶縁材1a,1b間、1
c,1d間のレール1,1上に存在する場合には左, 右
のレール1,1間は列車10の車輪によって接続状態と
なり、電流検出器AMには電源Vから通電され、電流検
出器AMから所定の信号が出力され、例えば踏切り等に
おける自動遮断機の動作開始信号として用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した如
き従来方法及び装置にあっては電流検出器AMが設置さ
れている個所では列車の到来を知ることが出来るが、設
置場所近く以外では列車の接近を知ることは出来ない。
このため、鉄道関係の架線、又はレール等の保守工事を
行う場合等には、工事現場の近くに専任の列車監視人を
配置して列車の接近を認識すると工事従事者に列車の接
近を知らせて避難を行わせる方法が採用されている。
【0005】しかし列車監視人の不注意によって工事従
事者が危険な目にあうことがあり、また人件費も高くな
る等の問題があった。本発明は斯かる事情に鑑みなされ
たものであって、本発明の第1の目的は、移動体等の物
体までの距離を音波を利用することで必要個所にて正確
に認識し、警報を発せしめることで省人化を図ると共
に、安全性を高め得るようにした物体の監視方法及びそ
の装置を提供するにある。
【0006】本発明の第2の目的は、監視位置から軌条
上を移動する移動体までの距離又は移動体の速度、移動
体が監視位置に到達する時刻等の各種監視情報が得られ
る移動体の監視方法又はその装置を提供するにある。本
発明の第3の目的は、任意個所での移動体の監視に際し
て使用する電源の消費を最小限に抑制し得るようにした
移動体の監視方法及びその装置を提供するにある。
【0007】本発明の第4の目的は、軌条を伝播する音
波の周波数を高,低に分け、夫々の反射音波を検出する
ことで監視位置から移動体までの距離の遠近の如何にか
かわらず、広範囲の距離において移動体を正確に監視し
得るようにした移動体の監視方法及びその装置を提供す
るにある。
【0008】第5の目的は、磁歪発振子、振動センサ等
の故障が生じても警報を発せしめることでフエィルセー
フを確保し得るようにした移動体の監視方法及び装置を
提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る音波を
用いた物体の監視方法は、音波伝播媒体に音波を伝播さ
せ、前記音波伝播媒体における物体存在位置からの反射
音波をセンサにて検出し、これを帯域周波数フィルタに
通して雑音を除去し、抽出した前記反射音波の伝播時
間、又はこれと前記音波伝播媒体の音波伝播速度に基づ
いて、前記物体までの距離、又は他の物体監視情報を求
めることを特徴とする。
【0010】第1の発明にあっては、音波伝播媒体に所
定周波数の音波を伝播し、音波伝播媒体上に物体が存在
することによって音波伝播媒体の音響インピーダンスが
大きく変化しているため、この部分に達した音波は一部
が反射される。そこでこの反射音波を捉え、これを帯域
周波数フィルタに通して雑音を除去し、反射音波を抽出
し、音波の伝播時間、音波の伝播速度に基づいて正確に
音響インピーダンスの急変位置、換言すれば移動体等の
物体存在位置までの距離、又は他の監視情報を得ること
が可能となる。
【0011】第2の発明に係る音波を用いた移動体の監
視方法は、移動体の軌条に音波を伝播させ、前記軌条に
おける移動体存在位置からの反射音波をセンサにて検出
し、これを帯域周波数フィルタに通して雑音を除去し、
抽出した前記反射音波の伝播時間、又はこれと前記軌条
の音波伝播速度に基づいて、前記移動体までの距離、又
は他の移動体監視情報を求めることを特徴とする。
【0012】第3の発明に係る音波を用いた移動体の監
視装置は、軌条上を移動する移動体を音波を用いて監視
する装置において、前記軌条に所定周波数帯域の音波を
伝播させる磁歪発振子と、前記移動体存在位置からの反
射音波を捉えるセンサと、該センサで検出した反射音波
から雑音を除去するための帯域周波数フィルタと、該帯
域周波数フィルタの出力に基づいて前記移動体までの距
離、又は他の移動体監視情報を求める演算部とを備える
ことを特徴とする。
【0013】第2,第3の発明にあっては、移動体の軌
条に所定周波数帯域の音波を伝播させると、移動体存在
位置で音波が反射する。この反射音波をセンサで検出
し、帯域周波数フィルタで雑音を除去し、抽出した反射
音波の伝播時間と、軌条の音波伝播速度とに基づき監視
位置から移動体までの距離、又は他の監視情報を正確に
求め得る。
【0014】第4の発明に係る音波を用いた移動体の監
視方法は、磁歪発振子から移動体の軌条に音波を伝播さ
せ、前記軌条における移動体存在位置からの反射音波を
センサにて検出し、これを帯域周波数フィルタに通して
雑音を除去し、抽出した前記反射音波にフーリエ変換処
理を施して反射音波の周波数を算出し、これと前記磁歪
発振子からの発振音波の周波数との差に基づいて前記移
動体の速度、又は他の移動体監視情報を求めることを特
徴とする。
【0015】第4の発明にあっては、反射音波のフーリ
エ変換によって音波の周波数を求め、これと磁歪発振子
からの発振音波の周波数との差、即ちドップラー効果に
よる周波数偏奇量に基づき移動体の速度、更には他の監
視情報を求め得る。
【0016】第5の発明に係る音波を用いた移動体の監
視方法は、磁歪発振子から移動体の軌条に音波を伝播
し、前記軌条における移動体存在位置からの反射音波を
センサにて検出し、これを帯域周波数フィルタに通して
雑音を除去し、抽出した前記反射音波の伝播時間、又は
これと前記軌条の音波伝播速度に基づいて、移動体まで
の距離を求める処理を所定のタイミングで繰り返し、算
出した距離の変化に基づき前記移動体の速度、又は他の
移動体監視情報を求めることを特徴とする。
【0017】第5の発明にあっては、同様に軌条上を移
動する移動体の速度、移動体までの距離の他、移動体が
監視位置に到達するまでの時間等の監視情報を正確に求
めることが可能となる。
【0018】第6の発明に係る音波を用いた移動体の監
視方法は、第1の磁歪発振子から移動体の軌条に低い周
波数の音波を伝播し、前記軌条における移動体存在位置
からの反射音波をセンサにて検出し、これを帯域周波数
フィルタに通して雑音を除去し、抽出した前記反射音波
の伝播時間、又はこれと前記軌条の音波伝播速度に基づ
いて、移動体までの距離、又はこれを含む移動体監視情
報を求め、算出した距離が予め定めた距離以下になると
第1の磁歪発振子に代えて第2の磁歪発振子から前記移
動体の軌条に高い周波数の音波を伝播し、その反射音波
を捉え、これに基づいて移動体までの距離、又はこれを
含む移動体監視情報を求めることを特徴とする。
【0019】第7の発明に係る音波を用いた移動体の監
視装置は、軌条上を移動する移動体を音波を用いて監視
する装置において、前記軌条に低い周波数の音波を伝播
させる第1の磁歪発振子及び高い周波数の音波を伝播さ
せる第2の磁歪発振子と、前記移動体存在位置から反射
された反射音波を捉えるセンサと、該センサで検出した
各反射音波から雑音を除去すべく前記第1、又は第2の
磁歪発振子夫々の発振音波の周波数に対応させた異なる
帯域周波数を持つ第1,第2の帯域周波数フィルタと、
該第1、又は第2の帯域周波数フィルタ出力に基づい
て、前記移動体までの距離、又はこれを含む移動体監視
情報を求める演算部と、該演算部により求めた前記移動
体までの距離に基づいて前記演算部へ入力すべき前記第
1の帯域周波数フィルタの出力と第2の帯域周波数フィ
ルタの出力とをを切り換える切換手段とを具備すること
を特徴とする。
【0020】第6,第7の発明にあっては、周波数の異
なる音波を軌条に伝播させることで遠距離に位置する移
動体は勿論、近い距離に位置する移動体の正確な監視が
可能となる。
【0021】第8の発明に係る音波を用いた移動体の監
視方法は、磁歪発振子から移動体の軌条に音波を伝播さ
せ、前記軌条における移動体存在位置からの反射音波を
センサにて検出し、これを移動体の移動に伴うドップラ
ー効果による偏奇周波数帯域を含むよう周波数帯域を可
変とした帯域周波数フィルタに通して雑音を除去し、抽
出した反射音波に基づいて、前記移動体までの距離、又
はこれを含む移動体監視情報を求めることを特徴とす
る。
【0022】第8の発明にあっては、反射音波のドップ
ラー効果に基づく偏奇周波数帯域に対応するようフィル
タの帯域周波数を変更することで、発振音波に邪魔され
ることなく反射音波のみを抽出することが可能となる。
【0023】第9の発明に係る音波を用いた移動体の監
視方法は、移動体が存在する軌条を伝播されてくる音波
をセンサにて検出し、検出した音波の強さが所定値を越
える時間が所定時間継続した場合に、磁歪発振子を動作
させて前記軌条に音波を伝播させ、前記移動体存在位置
から反射された反射音波の検出を開始する処理を含むこ
とを特徴とする。
【0024】第9の発明にあっては、移動体から発せら
れる音波をセンサで捉え、検出した音波の強度を基準値
と比較してこれを越える、換言すれば移動体が所定距離
まで近づいたことを検出して、磁歪発振子を動作させ、
移動体までの距離又は他の監視情報を得るようにするこ
とで電源の浪費を避けて長時間の移動体監視が可能とな
る。
【0025】第10の発明に係る音波を用いた移動体の
監視方法は、移動体が走行する軌条の第1の位置に磁歪
発振子にて音波を伝播させ、第2の位置で軌条を伝播さ
れてくる前記音波をセンサにて検出し、前記磁歪発振子
からの発振音波であることを確認する処理を繰返し行
い、前記磁歪発振子が発する音波がセンサにて検出出来
なくなった場合に、前記移動体が前記第1の位置を通過
したと判断する処理を含むことを特徴とする。
【0026】第10の発明にあっては、軌条の第1の位
置で磁歪発振子にて軌条に音波を伝播させ、第2の位置
でセンサにて前記音波を捉え、これを検出している状態
において、前記音波を検出出来なくなると移動体の接近
と判断することで、磁歪発振子,振動センサ等のトラブ
ルに対してもフエイルセーフが働くこととなり、信頼性
を高め得る。
【0027】第11の発明に係る音波を用いた移動体の
監視装置は、移動体が走行する軌条における前記移動体
の走行方向に対し、上流側に配置した第1の監視装置本
体から前記軌条に所定周波数の音波を伝播し、移動体存
在位置からの反射音波を捉え、これに基づいて前記移動
体の監視情報を求め、監視情報が所定の条件を満たした
とき前記軌条に前記音波と異なる周波数の音波を伝播さ
せ、下流側に配置した第2の監視装置本体にて前記第1
の監視装置本体が発した音波を検出し、この音波を解析
し、その結果に基づいて警報を発することを特徴とす
る。
【0028】第11の発明にあっては、第1,第2の監
視装置本体を移動体の走行方向に対し、上,下流側に間
隔を隔てて配置し、第1の監視装置本体で移動体を検出
し、これを音波を用いて第2の監視装置本体に伝えるこ
とにより遠距離から移動体の監視を正確に行える。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る実施の形態に
ついて図面に基づき具体的に説明する。 (実施の形態1)図1は本発明に係る実施の形態1の構
成を示すブロック図であり、図中1はレール、Mはレー
ル1に振動を付与する磁歪発振子、SEはレール1から
振動を検出する振動センサ、Dは列車10の監視情報を
求める監視装置本体を示している。
【0030】レール1に接して振動センサSE、磁歪発
振子Mを夫々適正距離隔てて設置する。列車10の走行
方向に対する振動センサSEと磁歪発振子Mとの配置関
係については特に限定しない。磁歪発振子Mからは予め
定めた特定周波数帯域の音波が所定のパルス列として複
数回発振され、レール1に伝播される。レール1に伝播
された発振音波は列車存在位置に達するとこの部分では
音響インピーダンスが大きく変化しているから音波の一
部が反射され、反射音波として振動センサSEに捉えら
れる。
【0031】検視装置本体Dは、振動センサSEからの
出力が入力されるバッファ11、磁歪発振子Mを動作さ
せるドライバ15、演算制御を行うマイクロコンピュー
タ16、及び大きな警報音を発するブザーB等を備えて
いる。前記バッファ11は、入力インピーダンスが高
く、また出力インピーダンスが低く設定されており、振
動センサSEの出力を保持し、狭帯域(バンドパス;以
下同じ)周波数フィルタ12へ出力する。
【0032】狭帯域周波数フィルタ12は、その通過帯
域周波数を磁歪発振子Mから発振され、列車10の存在
位置で反射された反射音波の周波数帯域を含むよう設定
されており、この範囲の信号のみを透過させて雑音を除
去し、また増幅器13は雑音除去後の振動センサSEの
出力を増幅し、またA/D(アナログ/ディジタル)変
換器14はアナログ信号をディジタル信号に変換して、
マイクロコンピュータ16へ入力する。
【0033】マイクロコンピュータ16は、所定のタイ
ミングで、前記磁歪発振子Mに対する駆動指令をドライ
バ15へ出力し、A/D変換器14から反射音波を取込
み、列車10までの往復に要した音波の伝播時間を、例
えばカウンタから読み込み、メモリ17の格納データで
あるレール1の音波伝播速度等に基づき列車10までの
距離、その他列車10の移動速度、又は列車10が振動
センサSE、又は磁歪発振子Mの設置位置である監視位
置に到達する迄の時間等の監視情報を算出する。更に、
所定の条件、即ち列車10までの距離が所定値以下とな
り、また列車10が監視位置に到達する迄の時間が所定
値以下となった場合にはブザーBを鳴動させる。
【0034】図2(a)は磁歪発振子Mの構成を示す拡
大模式図、図2(b)は、磁歪発振子Mを構成する1枚
の磁歪材Maの斜視図であり、図中Maは磁歪材、Mb
は導線を示している。磁歪材Maは、例えばNi又はC
o−Fe合金等にて形成した短冊状の板の中央に孔Mc
を開口して矩形リング状に形成したものを相互の間を絶
縁材(図示せず)を介在させて絶縁した状態で多数枚重
ね合わせ、各長辺部分に導線Mbを巻装して構成してあ
り、磁歪材Maの長手方向の一端側はレール1に固定さ
れている。
【0035】多数の磁歪材Maを積層するのは渦電流損
失を極小化するためである。このような磁歪発振子Mの
導線Mbに図2(a)に示す矢符方向に電流を流すと磁
歪材Maが磁化され、界磁方向に歪むから(例えば磁歪
材MaがNi製の場合には縮み、Co−Fe合金製の場
合には延びる)、導線Mbに対する通電と遮断とを繰り
返すことで磁歪発振子Mが振動し、レール1に特定周波
数帯域の音波を伝播し得ることとなる。電流の流す向き
を逆にしても同様に振動する。
【0036】磁歪発振子Mに対する通電により生じる変
位量xは下記(1)式で近似できる。この近似式は、例
えば鉄系の磁歪材Maを用いて長さ20cmの磁歪発振
子を構成し、その一端をレール1に固定し、磁歪材Ma
の変位置が最大となるよう導線Mbに電流を通流し、他
端にて変位量xを測定した場合のものである。 x=0.2m×50μ× sinω …(1) 但し、ω:角速度 振動は一般に加速度として検出されるから、その最大値
は(2)式で与えられる。
【0037】
【数1】
【0038】いま磁歪発振子Mを3KHzで振動させた
とすると下記(3)式の如く360Gの振動を発生させ
ることが可能となる。
【0039】
【数2】
【0040】磁歪発振子Mから発生される音波の周波
数、即ち特定周波数は、予め列車10が発する雑音、例
えば走行音、機械音等の周波数の強度分布を調べ、比較
的弱い周波数帯域のものを選定し、これよりも大きい強
度の音波を磁歪発振子Mから発振させるようにすればよ
い。磁歪発振子Mから強い音波を発生させるにはその特
定周波数と一致するよう固有振動数を定めればよく、例
えば磁歪材Maの長さ、厚み、幅等を調整して特定周波
数と一致する固有振動数に定めればよい。更に磁歪発振
子Mに印加する電流の周期を、前記特定周波数の整数分
の1となるように、換言すれば磁歪発振子Mの機械的共
振を利用することで格段に大きな振動を発生させること
が可能となる。
【0041】図3はドライバ15の具体的回路図であ
り、ドライバ15はフォトカプラ31、n型のFET
(電界効果型トランジスタ)32等を備えている。フォ
トカプラ31のフォトダイオードにおけるアノードには
抵抗33を介在させて電源電圧(5V)が印加されるよ
うにしてあり、またカソードは図1に示すマイクロコン
ピュータ16の出力端子に接続されている。フォトカプ
ラ31を構成するフォトトランジスタはそのエミッタ側
がFET32のゲートに接続されると共に、抵抗34を
介在させてFET32のソース及び基板と共に低電圧源
(図示せず)に接続されている。FET32のドレイン
は磁歪発振子Mの導線Mbの一端に接続されている。な
お、前記フォトトランジスタのコレクタ、磁歪発振子M
の導線Mbの他端は夫々図示しない電位源に接続されて
いる。
【0042】このようなドライバ15の動作を説明す
る。いまマイクロコンピュータ16からローレベルの信
号が入力されると、フォトカプラ31におけるダイオー
ド側に電流が流れて発光し、フォトトランジスタがオン
し、抵抗34に電流が流れ、n型のFET32のゲート
がハイレベルとなり、FET32がオン状態となって磁
歪発振子Mに大電流が流れ、機械的歪みを発生させる。
【0043】また、マイクロコンピュータ16からの信
号がハイレベルの場合、フォトカプラ31におけるダイ
オード側には電流は流れず、フォトトランジスタがオフ
し、抵抗34に電流が流れず、n型のFET32のゲー
トがローレベルとなる。これでn型のFET32がオフ
状態となって磁歪発振子Mへの印加電流がなくなり、機
械的歪みが解消される。つまり、マイクロコンピュータ
16からドライバ15に対する信号レベルがローと、ハ
イと交互する信号、例えばパルス信号を付与することで
磁歪発振子Mに機械的振動を発生させ得ることとなる。
【0044】図4はドライバ15の他の例を示す回路図
であり、31a〜31dはフォトカプラ、32a〜32
dは磁歪発振子Mへ大電流を印加させるためのN型のF
ETを示している。各フォトカプラ31a〜31dの各
フォトダイオードの各アノード側がには各抵抗33a〜
33dを介在させて電源電圧(5V)を印加されるよう
にしてある。またフォトカプラ31a,31dのフォト
ダイオードのカソード側はマイクロコンピュータ16の
出力端子OUT1 に並列に、フォトカプラ31b,31
cのフォトダイオードにあってはマイクロコンピュータ
16の出力端子OUT2 に並列に夫々接続されている。
【0045】一方フォトカプラ31a〜31dにおける
フォトトランジスタにあっては、その各エミッタ端子は
夫々対応するFET32a〜32dのゲートに接続され
ると共に、夫々抵抗34a〜34dを介在させてFET
32a〜32dのソース及び基板と共に低電位源に接続
されている。また、FET32a及び32bのドレイン
は、相互に接続されFET32c,32dのドレインは
FET32a,32bのソースと接続される共に、磁歪
発振子Mの導線Mbの各一端に接続されている。35
は、FET32aのソースとFET32cのドレインと
の接続点と磁歪発振子Mとの間に介在させたコンデンサ
である。
【0046】次に図4に示すドライバの動作を説明す
る。常時はマイクロコンピュータ16の出力端子OUT
1 ,OUT2 はいずれもハイレベルに設定維持され、こ
の状態では全てのフォトカプラ31a〜31dのダイオ
ードは発光せず、従ってFET32a〜32dはオフの
状態となり、磁歪発振子Mには通電されない。これに対
して出力端子OUT1 をローレベルにすると、FET3
2a及び32dがオン状態となり、磁歪発振子Mには大
電流が流れる。ただコンデンサ35が存在するため、磁
歪発振子Mにはコンデンサ35の蓄電,放電の繰り返し
によりパルス状の電流が流れることとなる。
【0047】次に出力端子OUT1 をハイレベル,OU
2 をローレベルにすると、FET32b,32cがオ
ン状態となり、磁歪発振子Mに逆方向の大電流が流れ
る。出力端子OUT2 をローレベルにした直後には、印
加電圧分の電荷が蓄えられているコンデンサ35に印加
電圧が加算されて、磁歪発振子Mに印加されることとな
る。
【0048】つまりコンデンサ35を用いて電流の方向
を反転させることで、印加電圧を2倍近く引上げること
が出来、電力効率を高め得る。次に図1に示す実施の形
態1の動作を図5に示す発振音波、反射音波の説明図及
び図6に示すフローチャートに基づき説明する。先ず、
マイクロコンピュータ16にてドライバ15に動作指令
を出力し、ドライバ15を駆動して、磁歪発振子Mを振
動させ、レール1に音波を伝播させる (ステップS
1)。
【0049】図5はレール1における磁歪発振子Mの発
振音波及び反射音波の説明図であり、前記磁歪発振子M
の振動は、図5(a)に示す如くレール1に音波として
伝えられる。レール1上に列車10が存在すればその位
置におけるレール1の音響インピーダンスが大きく変化
しているから、この位置に達した音波は一部が反射さ
れ、図5(b)に示す如き反射音波が生じる。この反射
音波を図1に示す振動センサSEで捉え、バッファ1
1、狭帯域周波数フィルタ12、増幅器13、A/D変
換器14を通してマイクロコンピュータ16へ取込み、
メモリ17に時間軸を横軸としたデータ群として格納す
る。この処理を等間隔で多数回繰り返して順次メモリ1
7に格納し、解析する (ステップS2)。
【0050】解析は、具体的には先づ振動センサSEが
通常より大きな音波(反射音波)を受信したか否かを判
断し (ステップS3)、しない場合には列車10までの
距離が遠いと判断し、ブザーBをオフにし (ステップS
4)、ステップS1に戻る。また通常より大きな音波
(反射音波)を受信した場合にはドライバ15へ駆動指
令を発した時点から大きな反射音波を検出した時点まで
の時間のカウント値tを求め (ステップS5)、そのカ
ウント値t(音波の伝播時間)が所定値(メモリ17に
格納されており、ここから読み出す)よりも小さいか否
かを判断し (ステップS6)、小さくない場合には列車
10はまだ遠くに位置すると判断し (ステップS7)、
ステップS1へ戻る。
【0051】また所定値より小さい場合には列車は近く
に位置すると判断し、ブザーBをオンし (ステップS
8)、ステップS1に戻る。マイクロコンピュータ16
による判断は、カウント値tと、例えばメモリ17に格
納してあるレール1の音波伝播速度vとに基づき磁歪発
振子Mと振動センサSEとの中間点、即ち監視位置から
列車10までの距離Lを下記(4)式に従って算出す
る。
【0052】
【数3】
【0053】いま距離Li (i=1,2…n)をメモリ
17に格納してある基準値(距離)と比較し、基準値以
下になると列車10が危険な距離に接近したと判断し、
ブザーBを鳴動させることとしてもよい。更に、反射音
波のデータは前述した如く時間軸を横軸としたデータ群
としてメモリ17に格納されているから、これをフーリ
エ変換することで周波数を軸としたデータ群に変換出来
る。そこで、この周波数とメモリ17に格納されている
磁歪発振子Mからの発振音波の周波数との差、即ちドッ
プラー効果による周波数の偏奇量を求め、列車10の速
度を算出し、列車10が監視位置に到達する時間を求
め、ブザーBを鳴動するか否かを判断することとしても
よい。ドップラー効果による反射音波の周波数fの偏奇
量は下記(5)式で与えられる。
【0054】
【数4】
【0055】ちなみに列車10が100Km/時で接近
している場合、反射音波は発振音波よりも周波数が0.
5%程度高くなる。
【0056】(実施の形態2)この実施の形態2におい
ては、磁歪発振子からレールに伝播させる音波の周波数
を低周波帯域と高周波帯域とに分けて列車が遠、近のい
ずれの位置にあってもその位置を正確に検出し、監視す
ることを可能としてある。図7は、実施の形態2の構成
を示すブロック図である。図中M1 は磁歪発振子Mより
も低い周波数の音波を発振する磁歪発振子、15aは前
記磁歪発振子M1のドライバ、12aは磁歪発振子M1
の発振音波の周波数に対応させた狭帯域周波数フィル
タ、13aは増幅器であり、前記磁歪発振子M1 から発
振され、列車10の存在位置から反射された反射音波を
濾波し、増幅するためのものである。
【0057】18は切換手段たるマルチプレクサであっ
て、両増幅器13と13aとのいずれかの出力を手動又
はマイクロコンピュータ16の指令によって、所定のタ
イミングで切り換え、A/D変換器14へ選択時に出力
するようにしてある。他の構成は図1に示す実施の形態
1に示す構成と実質的に同じであり、対応する部分には
同じ番号を付して説明を省略する。
【0058】次に動作を説明する。マルチプレクサ18
を増幅器13a側に切り換えておき、マイクロコンピュ
ータ16からドライバ15aに駆動指令を送り、ドライ
バ15aにて磁歪発振子M 1 を動作させる。
【0059】磁歪発振子M1 からは低い周波数の音波が
レール1へ伝播される。低い周波数の音波は減衰され難
く、遠距離に達し得るから、音波はレール1を伝播し、
遠方の列車10の存在位置に達し、ここからの反射音波
を振動センサSEにて明瞭に捉え得る。振動センサSE
で捉えた反射音波は、実施の形態1におけるのと同様に
処理され、列車10までの距離等の情報を算出する。
【0060】マイクロコンピュータ16は、カウント値
tを所定値と比較し、これよりも大きい場合は、ブザー
Bを動作させず、また所定値よりも小さくなると列車1
0は近くに存在すると判断し、ブザーBを間欠的に鳴動
させる。列車10が更に近づいてくると、磁歪発振子M
1 から音波を発振中に列車10の存在位置からの反射音
波が振動センサSEに捉えられ始め、ノイズとの識別が
難しくなる。
【0061】そこで、監視位置から列車10までの距離
が予め定めた距離以下になるとマイクロコンピュータ1
6からドライバ15aに代えてドライバ15に駆動指令
を送出し、ドライバ15にて磁歪発振子Mを動作させる
と共に、マルチプレクサ18を増幅器13側に切り換え
る。磁歪発振子Mから高い周波数の音波をレール1に伝
播させ、列車10の存在位置からの反射音波を振動セン
サSEにて捉える。
【0062】振動センサSEにて捉えた反射音波は、実
施の形態1におけるのと同様に処理され、列車10まで
の距離L等の監視情報を算出し、カウント値tが予め定
めた別の所定値以下になるとブザーBを連続的に鳴動さ
せ、退避を促す。
【0063】これによって低い周波数の音波を用いるこ
で減衰が小さく遠距離への伝播が可能となり遠距離にあ
る列車10の監視を正確に行うことが出来る。また列車
10が近づいた場合には低い周波数の音波では、磁歪発
振子M1 から音波を発振中に列車10の存在位置からの
反射音波の受信が開始されて発振音波と反射音波との区
別が難しくなるという不都合を生じる場合に高い周波数
の音波を用いることによって正確に距離等の検出が可能
となる。
【0064】磁歪発振子M1 から低い周波数の音波を発
振させる場合、その周波数に合わせたパルス列をドライ
バ15aから送出するため、パルス列の始点から終点ま
での時間が長く、この間に反射音波が戻ってくると識別
が難しくなる。このためパルス列の始点から終点までの
時間が短くて済む高い周波数の音波に切り換える。
【0065】勿論、高い周波数の音波を用いる場合にも
同様の不都合は当然に生じるが、低い周波数の音波を用
いる場合に比較して識別の困難さは小さくて済む。これ
によって音波発振中に反射音波を捉え始めることによる
識別の困難さを回避出来る。なお他の動作は実施の形態
1におけるのと実質的に同じであり、説明を省略する。
【0066】(実施の形態3)この実施の形態3にあっ
ては、監視位置に列車が接近してくる場合、又は遠ざか
る場合にはドップラー効果によって磁歪発振子から発せ
られる発振音波と反射音波とでは周波数に夫々偏奇が生
じるのを利用して反射音波の検出を容易に行い得る構成
としてある。図8は実施の形態3の構成を示すブロック
図であり、狭帯域周波数フィルタ12としての周波数帯
域をマイクロコンピュータ16にて設定変更可能として
ある。
【0067】他の構成は実施の形態1におけるそれと実
質的に同じであり、対応する部分には同じ番号を付して
説明を省略する。この実施の形態3にあっては、列車1
0が監視位置に接近してくる場合は、ドップラー効果に
よって周波数が高くなるから狭帯域周波数フィルタ12
の周波数帯域を、実施の形態1で求めた列車10の速度
から予測される周波数の偏奇量に対応するよう変更す
る。これによって磁歪発振子Mの発振音波の如何にかか
わらず、反射音波のみを狭帯域周波数フィルタ12、増
幅器13、A/D変換器14を経てマイクロコンピュー
タ16へ取り込むことが可能となる。監視位置から列車
10が遠ざかる場合には、列車10の速度から予測され
る反射周波数帯域を低い側に変更すればよい。これによ
って磁歪発振子Mから発生した音波に邪魔されることな
く、反射音波をより鮮明に捉えることが可能となる。
【0068】(実施の形態4)この実施の形態4にあっ
ては、装置自体を携帯型とし、使用電源であるバッテリ
ーの節減が図れるようにしてある。図9は実施の形態4
の構成を示すブロック図である。この実施の形態4にあ
っては、実施の形態3の構成に加えてバッファ11の出
力を狭帯域周波数フィルタ12、増幅器13及びA/D
変換器14を経てマイクロコンピュータ16に至る経路
と並列に増幅器21、絶対値算出器22、積分器23及
びコンパレータ24を経てマイクロコンピュータ16へ
至る経路を設定してある。なお、絶対値算出器22は入
力xに対し出力y(=|x|)とする動作を行う。また
積分器23は、一時的なノイズによってコンパレータ2
4が誤動作しないようにするためであり、一次遅れ要素
で置換してもよい。
【0069】増幅器21はセンサで捉えられた反射音波
及び列車10の雑音をそのまま増幅し、絶対値算出器2
2で絶対値(強度)を算出し、積分器23にてこれを時
間積分し、その積分値をコンパレータ24にて基準値と
比較する。コンパレータ24はその積分値が基準値を越
えると所定の信号をマイクロコンピュータ16へ出力す
る。マイクロコンピュータ16はコンパレータ24から
所定の信号が入力されるとドライバ15へ駆動指令を出
力し、磁歪発振子Mを動作せしめるようにしてある。
【0070】このような実施の形態4にあっては、列車
10が遠方に位置する間は磁歪発振子Mを停止してお
き、振動センサSEのみを動作させて列車10からの雑
音を捉え、雑音が基準値を上回る値に達すると、換言す
れば列車10が一定距離に近づくとドライバ15を動作
させ、磁歪発振子Mから音波を発生させ列車10までの
距離を算出し、監視態勢に入ることとなり、不必要な電
源の消費を節減出来る利点を有する。
【0071】(実施の形態5)図10は本発明に係る実
施の形態5の構成を示すブロック図であり、この実施の
形態5にあっては、磁歪発振子Mを備えた監視装置本体
1 と振動センサSEを備えた監視装置本体D2 とを夫
々独立してレール1に対し、列車10の走行方向に所定
の間隔を隔てて設置してある。マイクロコンピュータ1
6aはメモリ17aから読み出したデ−タに基づきドラ
イバ15へ駆動指令を出力し、これに基づいてドライバ
15から特定周期のパルス列信号が磁歪発振子Mへ出力
され、所定周波数の音波がレール1へ伝播される。
【0072】一方、磁歪発振子Mから出力され、レール
1へ伝播された所定周波数の音波(列車10からの反射
音波も一部に含む)は直接振動センサSEにて捉えら
れ、バッファ11、狭帯域周波数フィルタ12、増幅器
13、A/D変換器14を経、磁歪発振子Mから出力さ
れた直接の音波のみがディジタル信号に変換されてマイ
クロコンピュータ16へ入力され、メモリ17に格納す
る。マイクロコンピュータ16は磁歪発振子Mが発振
し、レール1を伝播されてきた音波を検出し、磁歪発振
子Mが発振した音波であることをメモリ17に格納して
あるデ−タに基づき確認する。確認が可能な間はブザー
Bを鳴動しない。
【0073】一方列車10が磁歪発振子Mの設置位置に
達し、ここを通過すると、列車10が存在している部分
の音響インピーダンスが大きく変化し、磁歪発振子Mの
発振音波をはるかに越える大きな雑音が振動センサSE
に捉えられることとなり、磁歪発振子Mの音波の検出が
困難となる。このためマイクロコンピュータ16は磁歪
発振子Mが発生した音波を確認出来ない状態となり、ブ
ザーBを鳴動させる。このような実施の形態5にあって
は、例えば磁歪発振子M、または振動センサSEが故障
し、マイクロコンピュータ16が磁歪発振子Mが発生す
る音波を確認出来なくなるとブザーBが鳴動することと
なり、フェイルセーフが働き安全性が一層高められる。
【0074】(実施の形態6)この実施の形態6にあっ
ては、装置を可搬形とし、電源としてのバッテリの消費
電力の低減を図ると共に、列車の接近を遠方から確実に
監視可能とした構成をしてある。図11は実施の形態6
の構成を示すブロック図である。この実施の形態6にあ
っては、図9に示す実施の形態4に示した監視装置本体
DからブザーBを除去すると共に、ドライバ15aにて
駆動される磁歪発振子M1 を増設した構成の監視装置本
体D3 と、図9に示す実施の形態4からドライバ15及
び磁歪発振子Mを除去した構成の監視装置本体D4 とを
レール1に沿って相互に比較的遠く隔てて(レール1を
伝播する音波が減衰してしまわない範囲)設置する。
【0075】なお、磁歪発振子M1 が発振する音波の周
波数は磁歪発振子Mの発生する音波の周波数と異ならせ
てある。また監視装置本体D3 における狭帯域周波数フ
ィルタ12は磁歪発振子Mの発振する特定周波数に対応
する周波数帯域に設定され、また監視装置本体D4 にお
ける狭帯域周波数フィルタ12は磁歪発振子M1 が発振
する特定周波数帯域に対応する周波数帯域に設定されて
いる。他の構成は実施の形態4のそれと実質的に同じで
あり、対応する部分には同じ番号を付して説明を省略す
る。
【0076】次に動作を説明する。監視装置本体D3
振動センサSEを動作させてレール1を伝播してくる雑
音を捉え、バッファ11、増幅器21、絶対値算出器2
2、積分器23を通してコンパレータ24へ入力し、所
定値を越えない場合にはマイクロコンピュータ16を停
止したままとして節電を図る。また所定値を越えると、
換言すれば列車10が或る程度まで近づき雑音が大きく
なるとマイクロコンピュータ16が動作し、ドライバ1
5へ駆動指令を出力し、磁歪発振子Mを動作させる。
【0077】磁歪発振子Mから発振され、列車10が存
在する位置から反射されてきた反射音波を振動センサS
Eで捉え、これを狭帯域周波数フィルタ12、増幅器1
3、A/D変換器14を通してマイクロコンピュータ1
6へ入力し、実施の形態1,4におけるのと同様に列車
10までの距離、列車10の速度等の監視情報を求め
る。列車が所定の距離まで接近すると予め決めた伝送手
順通りにマイクロコンピュータ16がドライバ15aを
介して磁歪発振子M1 を駆動し、レール1に所定周波数
の音波を伝播させる。
【0078】一方監視装置本体D4 にあっては、振動セ
ンサSE1 にて、列車10の発する雑音を捉え、増幅器
21、絶対値算出器22、積分器23を経てコンパレー
タ24へ入力し、予め定めた所定値と比較し、所定値よ
りも小さい場合は、マイクロコンピュータ16は動作し
ない。そして、所定値よりも大きくなると、コンパレー
タ24からの信号に基づきマイクロコンピュータ16が
動作し、振動センサSE1 で捉えた音波を狭帯域周波数
フィルタ12、増幅器13、A/D変換器14を経て、
マイクロコンピュータ16へ取込み、磁歪発振子M1
らの発振音波信号であることを確認し、ブザーBを鳴動
させる。これによって、監視装置本体D3 だけで検出で
きる列車10までの距離を更に延ばすことが出来る。
【0079】(実施の形態7)実施の形態1〜6はいず
れも片側のレール1に磁歪発振子,振動センサを設置し
た構成を説明したが、両側のレール1,1に夫々磁歪発
振子,振動センサを個別に設置し、両者のデータを照合
させることで、より正確な列車までの距離、列車速度、
列車到達時間等を算出することが出来、信頼性を高め得
る。
【0080】
【発明の効果】第1の発明にあっては、監視位置で音波
を音波伝播媒体に伝播させ、音波伝播媒体上の物体の存
在位置から反射音波をセンサにて検出し、検出した反射
音波を帯域周波数とするフィルタに通して雑音を除去
し、抽出した反射音波に基づいて前記監視位置から物体
までの距離、又は他の監視情報を正確に得ることが出来
る。
【0081】第2,第3の発明にあっては、反射音波の
フーリエ変換により音波の周波数を求め、発振音波の周
波数から偏奇量から発振音波に煩わされることなく反射
音波を正確に検出出来、またドップラー効果に基づく移
動体の速度を算出し、また監視位置への移動体の到達時
間を求め得る。
【0082】第4,第5の発明にあっては、磁歪発振子
から発生せしめられ、レールに伝播された音波が移動体
に達して反射された反射音波を抽出し、抽出した音波に
基づいて移動体までの距離を求める処理を繰り返すこと
で移動体の速度、移動体の到達時間等を算出することが
可能となる。
【0083】第6,第7の発明にあっては、磁歪発振子
から発振される音波の特定周波数を高周波と低周波とに
分けて、低周波の音波によってレール上の遠隔に位置す
る移動体を、また高周波によって接近してきた移動体を
夫々監視することでより広範囲の距離で移動体の正確な
監視が可能となる。
【0084】第8の発明にあっては、反射音波の周波数
が移動体の移動速度によって変化するというドップラー
効果による反射音波の偏奇量を検出し、夫々に対応する
よう狭帯域周波数フィルタの帯域を変更することで、発
振音波に煩わされることなく反射音波のみを抽出するこ
とが出来て、移動体の監視情報の正確な把握が可能とな
る。
【0085】第9の発明にあっては、レールを伝播され
てくる音波を捉えてその全体としての強さを求め、これ
を基準値と比較し、基準値を越える、換言すれば移動体
までの距離が近づくことを検出すると、磁歪発振子を動
作させて移動体の存在位置からの反射音波を捉え、これ
を抽出して移動体までの距離等を算出することで、移動
体が極めて遠方に位置する場合には不必要に磁歪発振子
を動作させることなく、消費電力の低減を図ることが出
来、バッテリ等の電源の有効利用が図れる。
【0086】第10の発明にあっては、レールにおける
磁歪発振子と振動センサとの設置位置間に移動体が到達
することで、磁歪発振子からレールに伝播された音波を
センサにて捉えられなくなると、移動体接近の警報を動
作させることで磁歪発振子,振動センサ等のトラブルが
生じても安全性を維持することが出来、フェイルセール
が高められる。
【0087】第11の発明にあっては、第1,第2の監
視装置本体を移動体の走行方向に対し、上,下流側に間
隔を隔てて配置し、第1の監視装置本体から発した音波
を第2の監視装置本体で直接捉えることで移動体からの
反射音波を捉える場合に比較して移動体を遠距離から確
実に捉えることが可能となり、信頼性をより向上させ得
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施の形態1の構成を示すブロ
ック図である。
【図2】 磁歪発振子の構成を示す拡大模式図である。
【図3】 磁歪発振子のドライバの具体的回路図であ
る。
【図4】 磁歪発振子のドライバの他の例を示す回路図
である。
【図5】 レールにおける磁歪発振子の発振音波及び反
射音波の説明図である。
【図6】 実施の形態1の動作を示すフローチャートで
ある。
【図7】 本発明に係る実施の形態2の構成を示すブロ
ック図である。
【図8】 本発明に係る実施の形態3の構成を示すブロ
ック図である。
【図9】 本発明に係る実施の形態4の構成を示すブロ
ック図である。
【図10】 本発明に係る実施の形態5の構成を示すブ
ロック図である。
【図11】 本発明に係る実施の形態6の構成を示すブ
ロック図である。
【図12】 従来における踏切の自動遮断機のための列
車検出方法及びその装置を示す模式図である。
【符号の説明】
1 レール、SE,SE1 振動センサ、M,M1
歪発振子、D1 ,D2,D3 ,D4 監視装置本体、1
0 列車、11 バッファ、12,12a 狭帯域周波
数フィルタ、13,21 増幅器、14 A/D変換
器、15,15aドライバ、16 マイクロコンピュー
タ、17 メモリ、22 絶対値算出器、23 積分
器、24 コンパレータ。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音波伝播媒体に音波を伝播させ、前記音
    波伝播媒体における物体存在位置からの反射音波をセン
    サにて検出し、これを帯域周波数フィルタに通して雑音
    を除去し、抽出した前記反射音波の伝播時間、又はこれ
    と前記音波伝播媒体の音波伝播速度に基づいて、前記物
    体までの距離、又は他の物体監視情報を求めることを特
    徴とする音波を用いた物体の監視方法。
  2. 【請求項2】 移動体の軌条に音波を伝播させ、前記軌
    条における移動体存在位置からの反射音波をセンサにて
    検出し、これを帯域周波数フィルタに通して雑音を除去
    し、抽出した前記反射音波の伝播時間、又はこれと前記
    軌条の音波伝播速度に基づいて、前記移動体までの距
    離、又は他の移動体監視情報を求めることを特徴とする
    音波を用いた移動体の監視方法。
  3. 【請求項3】 軌条上を移動する移動体を音波を用いて
    監視する装置において、前記軌条に所定周波数帯域の音
    波を伝播させる磁歪発振子と、前記移動体存在位置から
    の反射音波を捉えるセンサと、該センサで検出した反射
    音波から雑音を除去するための帯域周波数フィルタと、
    該帯域周波数フィルタの出力に基づいて前記移動体まで
    の距離、又は他の移動体監視情報を求める演算部とを備
    えることを特徴とする音波を用いた移動体の監視装置。
  4. 【請求項4】 磁歪発振子から移動体の軌条に音波を伝
    播させ、前記軌条における移動体存在位置からの反射音
    波をセンサにて検出し、これを帯域周波数フィルタに通
    して雑音を除去し、抽出した前記反射音波にフーリエ変
    換処理を施して反射音波の周波数を算出し、これと前記
    磁歪発振子からの発振音波の周波数との差に基づいて前
    記移動体の速度、又は他の移動体監視情報を求めること
    を特徴とする音波を用いた移動体の監視方法。
  5. 【請求項5】 磁歪発振子から移動体の軌条に音波を伝
    播し、前記軌条における移動体存在位置からの反射音波
    をセンサにて検出し、これを帯域周波数フィルタに通し
    て雑音を除去し、抽出した前記反射音波の伝播時間、又
    はこれと前記軌条の音波伝播速度に基づいて、移動体ま
    での距離を求める処理を所定のタイミングで繰り返し、
    算出した距離の変化に基づき前記移動体の速度、又は他
    の移動体監視情報を求めることを特徴とする音波を用い
    た移動体の監視方法。
  6. 【請求項6】 第1の磁歪発振子から移動体の軌条に低
    い周波数の音波を伝播し、前記軌条における移動体存在
    位置からの反射音波をセンサにて検出し、これを帯域周
    波数フィルタに通して雑音を除去し、抽出した前記反射
    音波の伝播時間、又はこれと前記軌条の音波伝播速度に
    基づいて、移動体までの距離、又はこれを含む移動体監
    視情報を求め、算出した距離が予め定めた距離以下にな
    ると第1の磁歪発振子に代えて第2の磁歪発振子から前
    記移動体の軌条に高い周波数の音波を伝播し、その反射
    音波を捉え、これに基づいて移動体までの距離、又はこ
    れを含む移動体監視情報を求めることを特徴とする音波
    を用いた移動体の監視方法。
  7. 【請求項7】 軌条上を移動する移動体を音波を用いて
    監視する装置において、前記軌条に低い周波数の音波を
    伝播させる第1の磁歪発振子及び高い周波数の音波を伝
    播させる第2の磁歪発振子と、前記移動体存在位置から
    反射された反射音波を捉えるセンサと、該センサで検出
    した各反射音波から雑音を除去すべく前記第1、又は第
    2の磁歪発振子夫々の発振音波の周波数に対応させた異
    なる帯域周波数を持つ第1,第2の帯域周波数フィルタ
    と、該第1、又は第2の帯域周波数フィルタ出力に基づ
    いて、前記移動体までの距離、又はこれを含む移動体監
    視情報を求める演算部と、該演算部により求めた前記移
    動体までの距離に基づいて前記演算部へ入力すべき前記
    第1の帯域周波数フィルタの出力と第2の帯域周波数フ
    ィルタの出力とをを切り換える切換手段とを具備するこ
    とを特徴とする音波を用いた移動体の監視装置。
  8. 【請求項8】 磁歪発振子から移動体の軌条に音波を伝
    播させ、前記軌条における移動体存在位置からの反射音
    波をセンサにて検出し、これを移動体の移動に伴うドッ
    プラー効果による偏奇周波数帯域を含むよう周波数帯域
    を可変とした帯域周波数フィルタに通して雑音を除去
    し、抽出した反射音波に基づいて、前記移動体までの距
    離、又はこれを含む移動体監視情報を求めることを特徴
    とする音波を用いた移動体の監視方法。
  9. 【請求項9】 移動体が存在する軌条を伝播されてくる
    音波をセンサにて検出し、検出した音波の強さが所定値
    を越える時間が所定時間継続した場合に、磁歪発振子を
    動作させて前記軌条に音波を伝播させ、前記移動体存在
    位置から反射された反射音波の検出を開始する処理を含
    むことを特徴とする音波を用いた移動体の監視方法。
  10. 【請求項10】 移動体が走行する軌条の第1の位置に
    磁歪発振子にて音波を伝播させ、第2の位置で軌条を伝
    播されてくる前記音波をセンサにて検出し、前記磁歪発
    振子からの発振音波であることを確認する処理を繰返し
    行い、前記磁歪発振子が発する音波がセンサにて検出出
    来なくなった場合に、前記移動体が前記第1の位置を通
    過したと判断する処理を含むことを特徴とする音波を用
    いた移動体の監視方法。
  11. 【請求項11】 移動体が走行する軌条における前記移
    動体の走行方向に対し、上流側に配置した第1の監視装
    置本体から前記軌条に所定周波数の音波を伝播し、移動
    体存在位置からの反射音波を捉え、これに基づいて前記
    移動体の監視情報を求め、監視情報が所定の条件を満た
    したとき前記軌条に前記音波と異なる周波数の音波を伝
    播させ、下流側に配置した第2の監視装置本体にて前記
    第1の監視装置本体が発した音波を検出し、この音波を
    解析し、その結果に基づいて警報を発することを特徴と
    する音波を用いた移動体の監視装置。
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