JP3984653B2 - 弾性波を用いた情報生成装置 - Google Patents

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Description

〔技術分野〕
本発明は、伝播媒体を介して弾性波を送受し、システムの制御/監視のための情報を生成する情報生成装置に関する。
〔背景技術〕
例えば、現在の鉄道交通システムにおける踏切制御動作について説明する。
踏切から手前の所定位置に設定した接近検出地点に設けた列車検出器によって列車が検出されると、図1に示すように、警報機の鳴動を開始し、鳴動開始時点から所定時間後に、遮断機の遮断桿を下降する。その後、踏切に進入した列車の退出が検出されると、警報機の鳴動を停止し遮断桿を上昇させる。
ここで、遮断桿が下降しはじめてから列車が進入するまでの時間TXは、例えば、踏切内に残っている自動車等が踏切を退出するのに要する時間として、所定時間以上(例えば15秒)確保されねばならない。また、列車の踏切への進入に先立って、踏切を横断する自動車等に列車接近を通報する警報機の鳴動は、列車進入より所定時間以上(図のT0で、例えば30秒)前に開始しなければならない。
従来では、前記時間TX、T0を確保するのに、踏切を通過する最速の列車を想定して警報機の鳴動開始のタイミング(横断禁止指令の発生タイミング)を制御している。
しかしながら、同じ運行区間を走行する列車の種類は、速度の大きい特急列車から速度の小さい貨物列車まで多様である。このため、最速の列車を想定して同一のタイミングで鳴動開始を実行すると、想定した列車速度より遅い列車が通過する場合、警報機が鳴動を開始した後、或いは、遮断桿が下降した後、列車が踏切に到達するまでに必要以上の時間がかかる。このため、前記T0及びTXが著しく長くなり、踏切を横断する自動車や通行者の通行禁止時間が必要以上に延びてしまう。
上記の問題を解消するため、T0又はTXが一定となるようにタイミング調整を行う定時間制御と呼ばれる踏切制御がある(例えば、「信号」,昭和33年交友社発刊,吉村、吉越著)。
定時間制御を行う1つの方法は、特急、普通、貨物等の列車種別を検出し、速度が遅い種別の列車の場合、警報機の鳴動及び遮断桿下降動作を遅らせる遅延制御である。
しかし、かかる遅延制御の場合は、列車運行のトラブル発生で通常速度の速い列車が速度を下げて走行した時は、前述と同様に鳴動時間や遮断機による踏切遮断時間が長くなってしまう。また、速度の遅い列車種別に割当てられた列車、例えば、貨物列車等は、荷物が軽く速度を出せる状況にあっても接近検出地点(列車検出地点)通過後は制限速度を守らねばならない。更に、各々の列車に対して種別を割当てこれを管理する繁雑な作業が必要である。
また、定時間制御を行う別の方法として、接近検出地点で列車速度を検出し、その時の検出速度に基づいてタイミングを調整する制御がある。この場合、列車種別を管理する繁雑な作業は不要となる。
しかし、この方法も接近検出地点通過後に列車が加速した場合、T0及びTXが短くなってしまう。従って、接近検出地点通過後における列車の速度制限の制約は残る。
以上のように、従来の踏切制御システムでは種々の改良すべき点がある。
また、列車の運行を管理する場合、列車の走行路を複数の区間に仕切り、各区間毎に列車の存在/不在を検出し、各区間における列車の進入・進出を制御する。かかる列車運行管理制御において、各区間における列車の存在/不在を検出するための従来の列車検出装置としては、軌道回路がある。
かかる軌道回路による列車検出原理を以下に説明する。
列車の走行路を複数の区間に仕切った時の各区間(閉塞区間と呼ばれる)において、例えば区間終端側(列車進出側)の一対のレールに列車検出用の信号電流を流すための電源を接続し、区間始端側(列車進入側)の一対のレールに前記信号電流によって励磁駆動される軌道リレーを接続する。これにより、一対のレールを通電経路の一部に利用して軌道リレーを駆動するための閉回路を構成する。
かかる構成において、列車が閉塞区間内に存在しない時は、前記閉回路を電流が流れて軌道リレーが励磁(扛上)され、そのリレー接点動作により列車不在を示す出力信号を発生する。一方、閉塞区間内に列車が進入すると、車輪によって一対のレール間が短縮される。このため、閉塞区間の始端側の軌道リレーまで電流が到達せず、軌道リレーが非励磁(落下)となり、そのリレー接点動作により列車の存在を示す出力信号を発生する。このようにして各閉塞区間毎に列車の存在/不在を検出する。
しかしながら、上述のような電気回路を利用した軌道回路による従来の列車検出方式では、閉塞区間内に列車が存在しているか否かは検出できるが、閉塞区間内のどの地点に列車がいるのかまでは特定できないという問題がある。
また、鉄道交通システムにおいて列車を安全に走行させるには、レールの破断の有無を検出することは重要である。
従来のレールの破断検出装置例としては、以下に説明するようなものがある。
即ち、レールは定まった距離で絶縁されるので、絶縁部と絶縁部の間の区間において、区間の一端側に送信器を設け他端側に受信器を設け、絶縁されていないその区間のレールを利用して電流経路を形成する。そして、レールが破断してその破断部でレール間が分離していれば送信器からの電流がレールを介して受信器側に伝達されないことから、送信器側からの電流が受信器側に伝達されたか否かによって、レールの破断の有無を検査する構成である。
しかしながら、前述のようなレール間が分離してしまうような破断状態の場合には、従来装置でも十分にレール破断を検出することはできるが、レールが完全に破断せず一部が未だ接続しているような破断状態の場合は、従来方法では破断していない部分を介して電流が流れ受信器側で受信可能である。また、例え完全に破断していてもレール間が接触していれば電流がレール間を流れて受信器側で受信される可能性がある。このため、従来の破断検出方式では、レール間が分離してしまうような破断状態しか検出できないという問題がある。
近年の鉄道交通システムでは、乗員の搬送効率を高めるため高速・高密度の運行が要望されており、今まで以上の安全性と信頼性を確保しながら、上述の踏切制御、列車検出、或いは、レール破断検出等における上述のような問題点の改善が望まれている。
本発明は上記の事情に鑑みなされたもので、弾性波を移動体の移動経路を伝送媒体として送受し、弾性波の受信信号に基づいて、踏切制御、列車検出、或いは、移動経路の破断検出等、移動体の制御システムの関連要素の制御/監視のための情報を生成することで、上述の問題点を改善することを目的とする。
〔発明の開示〕
このため、本発明の弾性波を用いた情報生成装置では、列車が走行するレールを伝送媒体とし、前記レールに弾性波を送信する弾性波送信手段と、該弾性波送信手段から送信された弾性波を前記レールを介して受信する弾性波受信手段と、該弾性波受信手段で受信した弾性波受信信号に基づいて前記列車の制御システムの関連要素の制御/監視に必要な情報を生成する情報生成手段とを備えて構成した。
かかる構成によれば、弾性波を用いて移動体の制御システム、例えば鉄道交通システム等の各種制御における制御/監視に必要な情報を生成することができるようになる。
この場合、前記弾性波送信手段の送波器と弾性波受信手段の受波器が、前記レールに接触する構成とするとよい。
かかる構成によれば、弾性波の伝播速度が速く、情報を早く得ることができる。
前記情報生成手段が、前記列車と列車移動経路途中の踏切との間の弾性波伝播時間を計測する伝播時間計測手段と、計測した伝播時間に基づいて列車と踏切間の距離を演算する距離演算手段と、演算した距離の変化に基づいて列車速度を演算する速度演算手段と、最新の前記演算した距離及び列車速度に基づいて踏切横断禁止指令情報の発生タイミングを制御する制御手段とを備え、前記制御手段の制御により前記踏切横断禁止指令情報を生成する構成とした。
かかる構成によれば、超音波の送信毎に、列車−踏切間の距離及び列車速度が演算され、演算される最新の距離及び速度情報に基づいて横断禁止指令情報の発生タイミングを制御することで、接近検出地点を通過した後に列車速度が変化しても、その変化に対応して適切なタイミングで横断禁止指令情報を発生することが可能である。
また、列車側に、列車の走行パターン情報信号を送信する走行パターン情報送信手段を設ける一方、前記情報生成手段側に、前記列車側から送信された走行パターン情報を識別する走行パターン識別手段を設け、前記制御手段が、前記演算された列車速度から走行パターン毎に前記所定時間を確保できる踏切−列車間の境界距離を設定する走行パターン別境界距離設定手段と、前記走行パターン識別手段で識別された走行パターンに対応した境界距離を選択する選択手段と、該選択手段で選択した境界距離と前記距離演算手段の演算距離とを比較して演算距離が境界距離以下か否かを判定する判定手段とを備え、演算距離が境界距離以下になった時を前記鳴動開始指令の発生タイミングとする構成にするとよい。
かかる構成では、列車側から加速、減速、或いは定速等の列車走行パターンを地上側に送信し、地上側では送信された走行パターンに応じた鳴動開始指令情報の発生タイミングを制御するので、踏切に接近する列車の走行パターンが異なる場合でも、鳴動開始指令情報の発生タイミングを適正に制御できるようになる。
列車側と地上側にそれぞれ弾性波送信手段及び弾性波受信手段を備え、地上側からレールを介して送信された弾性波を列車側で受信した時に遅滞なく列車側から弾性波を地上側に返信し、地上側における送信開始から受信するまでの時間に基づいて列車−踏切間の弾性波伝播時間を計測する構成にするとよい。
かかる構成によれば、送信側と受信側とで同期をとる必要がなくなり、装置構成を簡素化できる。
また、前記情報生成手段が、前記弾性波が受信されていることを確認する受信確認手段を有し、踏切に接近する列車の検出信号が発生している状態で、前記受信確認手段から受信確認信号がない時に直ちに横断禁止指令情報を発生する構成にするとよい。
かかる構成によれば、超音波受信信号が確認できず踏切に接近する列車の距離及び速度情報が得られない場合に、直ちに横断禁止指令を発生するので、踏切を横断する自動車や通行者の安全を確保できるようになる。
前記情報生成手段は、弾性波受信手段で受信された弾性波の受信状態に基づいて前記列車の存在/不在を検出し列車の存在/不在情報を発生する検出手段とを備える構成とした。
かかる構成によれば、弾性波を用いて列車の存在/不在の検出情報を得ることが可能となり、鉄道交通システムにおける列車検出等に適用することが可能である。
前記列車が互いに平行な2本のレール上を走行する構成である場合、前記弾性波送信手段が前記2本のレールの一方のレール端部に配置され、前記弾性波受信手段が他方のレールの前記弾性波送信手段と同一端部側に配置され、前記列車の車輪を介して前記一方のレールから他方のレールに弾性波が伝送されて弾性波受信手段で受信された時に前記検出手段が列車存在情報を発生する構成とした。
かかる構成では、列車が存在しない場合、弾性波受信手段は弾性波を受信しない。一方、列車が存在すると、移動体を介して弾性波が一方のレール側から他方のレール側に伝播して弾性波受信手段で受信され、検出手段は、弾性波の受信信号の入力で列車の存在を検出するようになる。また、弾性波の送信開始から受信までの時間を計測することで、列車の位置も検出できるようになる。
前記列車の前部に、前記2本のレールに跨がってレール上を摺接する弾性波伝播速度特性が列車より優れた摺接部材を設ける構成とするとよい。
かかる構成によれば、列車を経由する弾性波の伝達損失を抑制でき、列車をより一層確実に検出することができる。
また、前記弾性波送信手段及び前記弾性波受信手段から予め設定した所定距離離れたレール位置に、レール間を結合する結合部材を設ける構成とするとよい。
かかる構成では、結合部材の弾性波伝播速度特性が既知であれば、結合部材を経由した受信信号の伝播時間の変化量から、列車経由の受信信号伝播時間から計測した列車までの距離を補正することができる。これにより、温度変化等によるレール等の弾性波伝播速度特性変化の影響を低減して精度良く列車の位置検出が可能である。また、結合部材の弾性波伝播速度特性を、列車とそれと略同等に設定すれば、結合部材経由の受信信号と列車経由の受信信号とが一致したことを検出するだけで、列車位置を検出することが可能となる。
前記結合部材が、前記列車より遅い弾性波伝播速度特性を有する構成とするとよい。
かかる構成では、結合部材を弾性波伝播の遅延要素として利用でき、結合部材の位置を弾性波送/受信手段の近傍に設備できるので、結合部材の設置作業やメンテナンス等が容易となる。
受信信号レベルを閾値と比較して列車の存在/不在を検出する場合において、前記列車が互いに平行な2本のレール上を走行する構成である時、前記弾性波送信手段が前記2本のレールの一方のレール端部に配置され、前記弾性波受信手段が他方のレールの前記弾性波送信手段と同一端部側に配置され、弾性波伝播速度特性が前記列車より優れた複数の結合部材を、互いに間隔を設けて前記2本のレール間を結合するよう設置し、前記弾性波送信手段及び弾性波受信手段から各結合部材までの各距離を予め設定する構成とするとよい。
かかる構成では、各結合部材を経由する受信信号が結合位置に応じた時間遅れを持って受信されるので、それぞれの結合部材取り付け位置を列車が通過することによって生じる伝播損失の増加による受信信号のレベル低下を検出することで、直ちに列車の位置を検出できるようになる。
また、検出手段を、列車検出用軌道回路が設備された閉塞区間に設備し、軌道回路による列車検出と弾性波による列車検出とを併用する構成とするとよい。
かかる構成により、軌道回路による列車検出と弾性波による列車検出の2重系で列車検出ができ、列車検出の信頼性が向上する。
また、本発明の情報生成装置は、移動体の移動経路を伝送媒体とし、該伝送媒体に弾性波を送信する弾性波送信手段と、該弾性波送信手段から送信された弾性波を前記伝送媒体を介して受信する弾性波受信手段と、該弾性波受信手段で受信した弾性波受信信号に基づいて前記移動体の制御システムの関連要素の制御/監視に必要な情報を生成する情報生成手段とを備え、前記情報生成手段が、弾性波受信手段で受信された弾性波の受信状態に基づいて前記移動経路の破断の有無を判定して破断の有無情報を発生する判定手段を備える構成とした。
かかる構成によれば、弾性波を用いて移動経路の破断検出を行うので、移動経路の一部が接触しているような部分破断の場合でも、弾性波の受信状態が正常時の場合と異なるので、検出が可能である。
破断検査区間端部の移動経路の継目における反射波に基づいて受信機能を検査する検査手段を備える構成とするとよい。
かかる構成によれば、弾性波受信手段の機能が正常か否かを常時監視でき、破断検出の信頼性が向上する。
前記移動経路が、レール継目部分で互いに電気的に絶縁された複数の走行区間で構成される時、前記複数の走行区間のうち少なくとも隣接する走行区間の近接する区間端部間を、前記レール継目部分をバイパスして弾性波を伝播する絶縁物のバイパス伝播媒体で接続し、該バイパス伝播媒体で接続される複数の走行区間を前記破断検査区間とすると共に、前記接続部材を絶縁物で形成する構成とするとよい。
かかる構成では、列車検出用の軌道回路と併用することができると共に、複数の軌道回路の破断の有無を1つの破断検出手段で監視することが可能となる。
また、場内信号機近傍の所定位置から、互いに同期させて弾性波と電気信号をレールを介して列車側に送信し、列車側では前記送信された電気信号と弾性波の受信時間差に基づいて列車速度を算出すると共に、車上に搭載した情報記憶手段に記憶させた場内信号機からの距離に対応させた速度パターン情報と前記算出した列車速度とを比較し、前記場内信号機が停止現示の時に、停止算出列車速度がパターン速度より速い時に列車の制動装置を動作させる構成とするとよい。
かかる構成によれば、弾性波を用いた自動列車停止(Automatic Train Stop)装置を実現できる。
また、互いに平行な2本のレールそれぞれに、各弾性波送信手段から弾性波を送信し、列車側で各レールからの弾性波を各弾性波受信手段でそれぞれ受信する構成とし、各レールに送信する弾性波に列車の制限速度情報を付与して送信する構成とするとよい。
かかる構成によれば、各レールに送信する弾性波を容易に独立させることができるので、電気信号により制限速度情報を列車側に与える従来装置では2重系を構成することが難しかった自動列車制御(Automatic Train Control)装置を、容易に2重系構成とすることが可能となる。
また、本発明の情報生成装置は、移動体の移動経路を伝送媒体とし、該伝送媒体に弾性波を送信する弾性波送信手段と、該弾性波送信手段から送信された弾性波を前記伝送媒体を介して受信する弾性波受信手段と、該弾性波受信手段で受信した弾性波受信信号に基づいて前記移動体の制御システムの関連要素の制御/監視に必要な情報を生成する情報生成手段とを備え、前記伝送媒体側に、伝送媒体に沿って予め定めた所定距離の間隔を設けて互いに異なる周波数の弾性波を送信する各弾性波送信手段を設ける一方、移動体側に、前記異なる周波数の弾性波を受信する弾性波受信手段を設け、前記各弾性波送信手段から互いに同期させて異なる周波数の弾性波を伝送媒体に送信し、前記弾性波受信手段で異なる周波数の弾性波を受信した時の時間差と、予め記憶させた前記伝送媒体の標準温度条件における前記所定距離間の弾性波伝播時間と、を比較し、この比較結果に基づいて前記情報生成手段で生成された情報を補正する構成としたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
図1は、踏切制御タイミングの説明図である。
図2は、本発明の情報生成装置を踏切制御装置に適用した場合の第1実施形態の全体概略図である。
図3は、図2の送信装置と受信装置の構成図である。
図4は、図3の受信装置内の信号処理回路の構成図である。
図5は、伝播時間計測の原理を説明するタイムチャートである。
図6は、加速走行パターン想定時の時間T0が確保できる範囲を示す図である。
図7は、第1実施形態のタイミング判定動作のフローチャートである。
図8は、信号処理回路の動作タイムチャートである。
図9は、踏切制御装置の第2実施形態の送信装置構成図である。
図10は、図9の受信装置内の信号処理回路の要部構成図である。
図11は、定速走行パターン想定時の時間T0が確保できる範囲を示す図である。
図12は、減速走行パターン想定時の時間T0が確保できる範囲を示す図である。
図13は、第2実施形態のタイミング判定動作のフローチャートである。
図14(A)は、地上側から超音波を送信し列車からの反射波を受信する構成例の説明図、(B)は送信から受信までの伝播時間を示す図である。
図15(A)は、反射波を用いた場合のレール継目を利用した受信装置の受信能力検査の説明図、(B)は送信から受信までの伝播時間を示す図である。
図16は、踏切制御装置の更に別の実施形態の構成図である。
図17は、本発明を移動体検出装置に適用した場合の第1実施形態の構成図である。
図18は、図17の送信装置及び受信装置の構成図である。
図19は、レールを介して弾性波を伝播させた時の受信信号の波形図である。
図20は、移動体検出装置の第2実施形態の構成図である。
図21は、レール間を鉄板で結合して弾性波を伝播させた時の受信信号の波形図である。
図22は、図21の実験条件を示す図である。
図23は、列車の車輪を介して弾性波を伝播させた時の受信信号の波形図である。
図24は、移動体検出装置の第3実施形態の構成図である。
図25は、移動体検出装置の第4実施形態の構成図である。
図26図は、移動体の検出位置を特定した時の移動体検出動作の一例を説明する図である。
図27は、レール端面での反射波の影響を低減する場合の構成図である。
図28は、レール端面での反射波の影響を低減する場合の別の構成図である。
図29は、ポイント部における列車検知の例を示す図である。
図30は、超音波による列車検出と軌道回路とを併用した実施形態の構成である。
図31は、列車検出装置の別の実施形態の構成図である。
図32は、本発明を破断検出装置に適用した場合の第1実施形態の概略構成図である。
図33は、図32の超音波送信装置と超音波受信装置の構成図である。
図34は、第1実施形態の動作説明図である。
図35は、破断検出装置の第2実施形態の概略構成図である。
図36は、図35の超音波送信装置と超音波受信装置の構成図である。
図37は、第2実施形態の動作説明図である。
図38は、破断検出装置の第3実施形態の概略構成図である。
図39は、破断検出装置の第4実施形態の概略構成図である。
図40は、図39の超音波送信装置と超音波受信装置の構成図である。
図41は、破断検出装置の第5実施形態の概略構成図である。
図42は、破断検出装置の第6実施形態の概略構成図である。
図43は、破断検出装置の第7実施形態の概略構成図である。
図44は、図43の動作説明図である。
図45は、破断検出装置の第8実施形態の概略構成図である。
図46は、破断検出装置の第9実施形態の概略構成図である。
図47は、ATS装置に応用した例を示す。
図48は、ATC装置に応用した例を示す。
図49は、列車側から列番情報を地上側に送信する場合の例を示す図である。
図50は、超音波伝播の温度補償のための構成例を示す図である。
図51は、送・受波器の別の取付け構造を示す図である。
図52は、図51の送受波器部分の拡大断面図である。
図53は、図52のA−A線矢視断面図である。
図54は、車輪とシャフトを介在させた場合のレール間の弾性波伝播特性図である。
〔発明を実施するための最良の形態〕
以下に、本発明に係る弾性波を用いた情報生成装置の実施形態にについて添付図面に基づいて説明する。
まず、本発明を踏切制御装置に適用した場合について説明する。
図2は、第1実施形態の全体概略図を示す。
図2において、移動経路であるレール2上を走行する移動体である列車1の運転区間に設けられる踏切3には、一対の遮断機4A,4B及び警報機5A,5Bが設けられる。また、踏切3の手前の所定距離離れた地点(接近検出地点)に列車1の通過を検出する列車検出器6が設けられる。
前記列車1には、弾性波として例えば超音波を送信する超音波送信手段としての超音波送信装置20が搭載される。また、前記列車1が接近する踏切3内のレール2には、列車1側からレール2を介して伝播する超音波を受信するための超音波受信手段としての受信装置30が接続される。
超音波送信装置20及び受信装置30は、図3のような構成である。
図3において、超音波送信装置20は、図5に示すように一定周期tckで送信側タイミング信号CKSを発生する送信側タイミング信号発生回路21と、送信側タイミング信号CKSの発生周期tckで超音波を発生する超音波発生回路22と、超音波をレール2に送信する送波器23を備える。尚、送波器23は、例えば金属製の車軸支持部材等に送波面を直接当てるよう設置され、車軸支持部材から金属製の車軸及び車輪を経由してレール2に超音波を送信することで、超音波の受信感度の低下を防止できる。
受信装置30は、送信側タイミング信号発生回路21と同期して受信側タイミング信号CKRを発生する受信側タイミング信号発生回路31と、レール2を伝播する超音波を受信する受波器32と、前記受信側タイミング信号CKRの入力によってゲートを開き受波器32で受信した超音波を通過させる受信ゲート回路33と、該受信ゲート回路33を介して受信信号Sが入力する情報生成手段としての信号処理回路34とを備えて構成される。
尚、両タイミング信号発生回路21,31には、図示しないが、後述する図36と同様に、両タイミング信号CKS,CKRを同期させるための校正信号受信装置が備えられる。両タイミング信号CKS,CKRの同期方法は、同一の校正信号発生源から周期的に校正信号を発生し、例えば無線通信を介して各校正信号受信装置で校正信号を受信した時にタイミング信号発生動作を強制的にリセットする。これにより、送信側と受信側の同期ずれを防止できる。
信号処理回路34は、図4に示すように、前記受信信号S及び受信側タイミング信号CKRから伝播時間tを計測する伝播時間計測手段としての伝播時間測定回路34Aと、計測された伝播時間tに基づいて踏切3から列車1までの距離x(列車位置)及び列車速度vを演算し、これら演算値に基づいて警報器5A,5Bの鳴動開始や遮断桿下降のタイミング等、横断禁止タイミングの判定信号Pを生成するタイミング判定回路34Bと、列車検出器6からの列車検出信号Dと受信信号Sの論理和を演算する第1ORゲート34Cと、該第1ORゲート34Cの出力の立下がりを所定時間遅延するオフ・ディレー回路34Dと、オフ・ディレー回路34Dの遅延信号PSと前記タイミング判定回路34Bの判定信号Pの論理積を演算するANDゲート34Eと、ANDゲート34Eの出力と列車検出信号Dの論理和を演算してタイミング制御信号yを出力する第2ORゲート34Fとを備えて構成される。そして、後述するように、列車1が検出されていることを条件に鳴動開始タイミングになった時に第2ORゲート34Fの出力yが立下がり鳴動開始の指令を発生する。ここで、前記タイミング判定回路34Bが、速度演算手段及び制御手段の機能を備える。
また、前記第1ORゲート34C及びオフ・ディレー回路34Dは、列車1が接近検出地点通過後に所定間隔(超音波の送信間隔相当)で受信信号Sが受信されていることを確認するためのもので、受信確認手段を構成する。即ち、列車検出器6で列車が検出されると、列車検出器6からの列車検出信号Dが立下がる。列車検出信号Dが立下がった後、受信信号Sが所定間隔で入力していれば、オフ・ディレー回路34Dから遅延信号PS(受信確認信号に相当する)が引き続き発生する。しかし、受信信号Sがなくなると、オフ・ディレー回路34Dの遅延信号PSが立下がりANDゲート34Eの出力が停止してORゲート34Fの出力が停止し鳴動開始の指令が発生する。これにより、受信信号Sが受信されずに横断禁止タイミングの判定ができないために鳴動開始が遅れることを防止できる。
次に、伝播時間測定回路34Aの伝播時間計測動作について説明する。
送信側タイミング信号CKSの発生周期tckで、超音波送信器22から超音波が送信されレール2を介して伝播する。受信装置30では、前記送信周期tck毎に超音波を受信し受信信号Sが生成される。受信側タイミング信号CKRが送信側タイミング信号CKSに同期して同時に発生し、受信ゲート回路33から信号処理回路34の伝播時間測定回路34Aには、図5に示すように略前記周期tckで受信信号Sが入力する。伝播時間測定回路34Aでは、受信信号Sが入力する毎に、受信側タイミング信号CKRが入力してから受信信号Sが入力するまでの時間tk、tk+1、・・を計数装置で計測して伝播時間tを求める。
次に、本実施形態における横断禁止タイミングの判定方法について説明する。
本実施形態における横断禁止タイミングの判定は、超音波の伝播時間から求めた列車位置(即ち、踏切3までの距離x)が、その時の速度vから最大加速度αmaxで列車が加速した場合でも図1に示す時間T0を確保できる距離か否かを判断して行う。尚、前記最大加速度αmaxは、その区間を走行する全ての列車の最大値とする。
速度vの列車が最大加速度αmaxで加速した時に時間T0で走行する距離x′は次式で表せる。
x′=vT0+(αmax0 2)/2 ・・・ (1)
従って、時間T0を確保できる条件は、列車から踏切までの距離xと(1)式の距離x′を比較してx−x′>0とする。ここで、前記x′が時間T0を確保できる境界距離である。
踏切から列車までの距離xは、計測された伝播時間tと超音波の伝播速度Cmとから下記の(2)式のようになる。
x=Cmt ・・・ (2)
列車速度vは、計測した伝播時間tの前回値と今回値の差Δt(図5ではΔt=tk−tk+1)とタイミング信号CKR(CKS)の発生周期tckとから下記の(3)式のようになる。
v=CmΔt/tck ・・・ (3)
(2)、(3)式から、距離xは伝播時間tに比例し、列車速度vは伝播時間差Δtに比例することがわかる。
(1)式に(3)式を代入し、xとx′の差をtとΔtの関数としてf(t,Δt)とすると下記(4)式のようになる。
f(t,Δt)=Cmt−〔CmΔtT0/tck
+(αmax0 2)/2〕 ・・・ (4)
従って、時間T0を確保できる条件はf(t,Δt)>0であり、(1)式に基づく列車速度vと踏切までの距離xとの関係を示す図6のグラフの斜線部分となる。従って、タイミング判定回路34Bが、境界距離設定手段、判定手段の機能も備える。
次に、本実施形態の横断禁止のタイミング制御動作について説明する。
踏切3に接近する列車1から周期tckで超音波が送信されてレール2を介して伝播する。受信装置30側では、前記周期tckで受信側タイミング信号CKRが発生して受信信号S及び受信側タイミング信号CKRが信号処理回路34に入力する。伝播時間測定回路34Aでは、前記受信信号Sが入力する毎にその伝播時間tを計測する。
そして、タイミング判定回路34Bは、図7のフローチャートに従って横断禁止タイミングの判定処理を行う。
ステップ1(図中、S1とし以下同様とする)で、受信信号Sが入力したか否かを判定し、受信信号Sが入力すればステップ2に進む。
ステップ2では、伝播時間測定回路34Aで計測された伝播時間tを読み込む。
ステップ3では、接近検出地点に設置した列車検出器6からの列車検出信号Dに基づいて列車1が検出されたか否かを判定する。列車検出器6の列車検出信号Dは、列車1を検出した時に低レベルとなる。従って、列車検出信号Dが高レベルであれば列車の接近はないと判断し、ステップ8に進み、今回計測した伝播時間tを前回値tnとして記憶し、ステップ9で、鳴動の必要なしと判断して判定信号Pを発生する。列車1が検出されて列車検出信号Dが立下がれば列車有りと判断しステップ4に進む。ここで、列車1が検出されず列車検出信号Dが立上がっている状態では、第2ORゲート34Fから高レベルの出力が発生している。
ステップ4では、今回計測された伝播時間tと前回値tnとの差Δtを演算する。
ステップ5では、読み込んだ伝播時間tとΔtとに基づいて前述したf(t,Δt)を演算して鳴動開始か否かを判定する。f(t,Δt)≦0の時は、ステップ6で鳴動開始タイミングと判断して判定信号Pを停止する。これにより、ANDゲート34Eの出力が停止して第2ORゲート34Fの出力が低レベルとなって鳴動開始指令が発生する。
ステップ7では、列車検出信号Dに基づいて列車1が踏切3を退出したか否かを判断し、退出するまで前記判定信号Pを停止する。退出した時は、列車検出信号Dの立上がりでタイミング判定回路34Bをリセットして次の列車の接近に対して備えると共に、第2ORゲート34Fの出力の立上がりで鳴動停止指令及び遮断桿上昇指令を発生する。
一方、f(t,Δt)>0の時は、鳴動開始には早過ぎるとして前述のステップ8,9を実行する。この時は、オフ・ディレー回路34Dの遅延出力PS及びタイミング判定回路34Bの判定出力Pが共に発生しているので、第2ORゲート34Fの出力は高レベルである。
図8に前述した信号処理回路34の動作タイムチャートを示す。
かかる構成によれば、接近検出地点を通過した後も列車速度を監視して鳴動開始のタイミングを制御するので、安全上必要な鳴動開始及び遮断桿下降のタイミングを確保できる。しかも、従来の踏切制御装置に比べて無駄な鳴動時間や遮断桿による踏切遮断時間を少なくできる。従って、踏切を横断する自動車や通行人の安全を確保できると共に、横断禁止時間が不必要に延びることを防止できる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
列車が踏切に接近する場合の走行パターンは多様である。例えば、駅の近くに設置される踏切の場合には、駅から出発する列車は加速しながら接近し、駅に停車しようとする列車は減速しながら接近する場合が多い。また、駅と駅の間の走行区間に設置される踏切の場合は、定速で列車が接近する場合が多い。
このため、踏切に接近する列車の走行パターンが全て第1実施形態のように加速して接近するものと想定して鳴動開始タイミングの判定を行うと、踏切に接近する列車走行パターンが減速や定速の時は、鳴動開始から列車が踏切に進入するまでの時間T0が必要以上に長くなる虞れがある。第2実施形態はこれを解消するための実施形態である。
第2実施形態では、第1実施形態の構成に、送信装置側に走行パターン情報発生機能を付加し、地上の受信装置側に走行パターンの識別機能を付加する。
図9に第2実施形態の送信装置の構成を示す。
図9において、列車1に搭載する本実施形態の超音波送信装置20′は、第1実施形態のタイミング信号発生回路21、超音波発生回路22及び送波器23の他に、加速、減速及び定速の各走行パターンに対応する互いに異なる周波数を持つ信号f1,f2,f3を発生する信号発生器24,25,26と、その時の走行パターンに応じて前記信号発生器24,25,26を選択駆動制御する選択回路27と、前記周波数信号f1,f2,f3を変調する変調回路28とを備える。変調回路28は、タイミング信号発生回路21からのタイミング信号CKSに同期して超音波発生回路22から発生する超音波を、周波数信号f1,f2,f3で変調して送波器23に出力する。ここで、前記信号発生器24,25,26、選択回路27及び変調回路28で、走行パターン情報送信手段を構成する。
第2実施形態の受信装置は、信号処理回路の構成が第1実施形態と異なるだけである。図10に受信装置の信号処理回路の要部構成を示す。
図10において、本実施形態の信号処理回路34′は、前記周波数信号f1,f2,f3をそれぞれフィルタリングする帯域フィルタ34G,34H,34Iを備える。また、タイミング判定回路34B′は、列車側から送信された走行パターン情報を識別し、各走行パターンに対応した各判定条件に基づいて鳴動開始タイミングを判定する機能が付加される。ここで、帯域フィルタ34G,34H,34Iとタイミング判定回路34B′とで走行パターン識別手段を構成すると共に、タイミング判定回路34B′は、走行パターン別境界距離設定手段、選択手段及び判定手段の機能を備える。尚、信号処理回路34′のその他の構成は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
ここで、走行パターンが定速と減速の場合の判定条件について説明する。
これら定速及び減速の場合も、前述した加速の場合と同様で、f(t,Δt)の大小を比較して判定する。
定速の場合、速度vの列車が時間T0で走行する距離x′は次式となる。
x′=vT0 ・・・ (5)
従って、定速の場合のf(t,Δt)は下記の(6)式のようになる。
f(t,Δt)=Cm−CmΔtT0/tck ・・(6)
また、減速の場合、速度vの列車が最小減速度αminで減速した時に時間T0で走行する距離x′は次式で表せる。
x′=vT0−(αmin0 2)/2 ・・・ (7)
ただし、αmin>0とする。
従って、減速の場合のf(t,Δt)は下記の(8)式のようになる。
f(t,Δt)=Cmt−L0−〔CmΔtT0/tck
−(αmin0 2)/2〕 ・・・ (8)
ただし、L0は余裕距離である。
そして、時間T0を確保できる条件はf(t,Δt)>0であり、列車速度vと踏切までの距離xとの関係において、定速の場合は図11のグラフの斜線部分であり、減速の場合は図12のグラフの斜線部分となる。
次に、第2実施形態の横断禁止のタイミング制御動作について説明する。
踏切3に接近する列車1から周期tckで超音波が送信されてレール2を介して伝播する。前記超音波は、列車1の走行パターンの情報を含んでいる。例えば、周波数信号と走行パターンの対応を、f1が加速、f2が定速、f3が減速とすると、列車1から地上側に通知する走行パターンが加速の場合は、信号発生器24が選択回路27によって選択駆動されて周波数信号f1で変調した超音波が送信される。定速の場合は同様にして周波数信号f2で変調され、減速の場合は周波数信号f3で変調された超音波が送信される。
受信装置30側では、列車1から送信された超音波を受信し、その受信信号Sを信号処理回路34′に入力する。受信信号Sは、第1実施形態と同様に伝播時間測定回路34Aに入力して伝播時間の計測に使用されると共に、各帯域フィルタ34G,34H,34Iでフィルタリングされる。そして、走行パターンが加速の場合は帯域フィルタ34Gから周波数信号f1がタイミング判定回路34B′に入力する。また、定速の場合は帯域フィルタ34Hから周波数信号f2がタイミング判定回路34B′に入力し、減速の場合は帯域フィルタ34Iから周波数信号f3がタイミング判定回路34B′に入力する。
タイミング判定回路34B′は、各入力信号に基づいて図13のフローチャートに従って横断禁止タイミングの判定処理を行う。
ステップ11、12では、第1実施形態と同様に、受信信号Sが入力したか否かを判定し、受信信号Sが入力した時に伝播時間tを読み込む。
ステップ13では、帯域フィルタ34G〜34Iから入力する信号の周波数に基づいて列車1から通知された走行パターンを判別する。
ステップ14、15では、第1実施形態と同様に列車が検出されたか否の判定を行い、列車が検出された時に、伝播時間の差Δtを演算する。
ステップ16では、ステップ13で判別した走行パターンに対応する条件式f(t,Δt)を選択する。
ステップ17では、ステップ16で選択したf(t,Δt)に基づいて鳴動開始か否かを判定する。f(t,Δt)≦0の時は、ステップ18で鳴動開始タイミングと判断して判定信号Pを停止し、ステップ19で列車の退出が検出されるまで判定信号Pを停止状態に保持する。列車退出が検出された時は、列車検出信号Dの立上がりでタイミング判定回路34B′をリセットする。
一方、f(t,Δt)>0の時は、鳴動開始には早過ぎるとして第1実施形態と同様にステップ20,21を実行する。
かかる構成によれば、第1実施形態の効果に加えて、更に、踏切3に接近する列車の走行パターンが異なる場合にも適切に鳴動開始タイミングを制御でき、多様な走行パターンに対応できる柔軟性のある踏切制御装置を提供できる。
ただし、第2実施形態の場合、例えば列車側から地上側に減速走行を通知しておきながら加速走行した場合に、列車の踏切到達時間が地上側で演算した時間より短くなって鳴動開始タイミングが遅れる虞れがある。従って、第2実施形態の装置では、走行パターンを地上側に通知した列車はその走行パターンを守る必要がある。このため、列車側で走行速度を監視し、通知した走行パターンに応じて設定される制御速度を越えないような速度制限機能を備えるようにすれば、より一層安全性が向上する。
尚、上記各実施形態では、地上側と列車側でそれぞれタイミング信号を発生させて超音波の送受信を同期させて伝播時間を計測する構成としたが、これに限るものではない。例えば、地上側に超音波送信装置を付加し、列車側に超音波受信装置を付加し、地上側から超音波を送信し、列車側でこれを受信した時に遅延なく列車側送信装置から超音波を返信して地上側受信装置で受信するよう構成し、地上側で超音波を送信してから受信するまでの時間に基づいて列車−踏切間の超音波伝播時間を計測するようにしてもよい。この場合は、地上側と列車側との同期を取る必要がない。尚、この超音波の中継過程においては超音波信号の増幅機能を設けるとよい。
また、地上側から超音波を送信し列車からの反射波を受信して列車速度及び位置を検出する構成としてもよい。
即ち、図14(A)に示すように、地上側の踏切3内のレール2部分に、超音波送信装置40と超音波受信装置50を設ける。そして、超音波送信装置40によってレール2に向けて一定間隔で超音波を送信する。超音波はレール2を介して伝播し列車1の車輪60で反射し、その反射波が超音波受信装置50で受信される。
この場合、踏切から列車までの距離をxとし、図14(B)に示すように超音波送信開始から受信までの計測時間をtRとすると、
R=2x/Cm ・・・ (9)
で表される。
従って、距離xは、
x=tRm/2 ・・・ (10)
で求まる。
また、列車速度vは、超音波の発生周期から(3)式を用いて求めることができる。
かかる構成の場合は、列車側に超音波送信装置を搭載する必要がなくなる。また、かかる構成では、列車が存在しない時などに、図15(A)に示すように、レール2の継目2Aを利用して超音波受信装置50の受信能力を検査することが可能である。レール2の継目2Aまでの距離x0は既知であるため、図15(B)に示すように超音波を送信してから継目2Aで反射した超音波が受信される予定の時間t0(=2x0/Cm)に受信信号が存在することを確認することで受信装置が正常か否かを検査することが可能である。
更に、別の実施形態を図16に示し説明する。
この実施形態は、超音波と同時に電気信号をレールを介して伝播させるようにしたものである。
図16において、踏切3には、送波器及び受波器を共にレール2に接触させて超音波送信装置40と超音波受信装置50を設けると共に、レール2に電気信号を送信する送信器70を中継器71を介して接続する。列車1側には、同じく超音波送信装置41と超音波受信装置51を設けると共に、図示しないが列車先端部に、電気信号を受信する受電器をレールに向けて設ける。列車1側の送波器及び受波器は、例えば、レール2に向けて非接触で設ける。
次に動作を説明する。
踏切3側の超音波送信装置40と送信器70は互いに同期して、同時に超音波と電気信号をレール2を介して列車1側に送信する。超音波と電気信号とでは伝播速度が異なるので、列車1側では、超音波と電気信号の受信時間差に基づいて踏切3から列車1までの距離及び列車速度を算出することが可能である。列車1側で距離及び列車速度を算出したら、その算出結果を電気信号で受電器を介して列車1側から踏切3側に送信する。また、算出結果の送信と同時に超音波を踏切3側に送信する。踏切3側では、列車1からの電気信号と超音波の受信時間差に基づいて列車1から踏切3までの距離と列車速度を算出する。そして、列車1から送信された距離及び列車速度情報と踏切3側で算出した距離及び列車速度とを照合する。尚、列車1側においては、車載のタコジェネレータを用いて列車速度を検出してもよい。
このように、電気信号と超音波とを組み合わせて、常時列車1と踏切3との距離及び列車速度を照合し監視することができ、横断禁止タイミング制御の信頼性を高めることができる。
以上のように、弾性波を利用して踏切における鳴動開始指令情報等を生成することより、踏切に接近する列車の速度の制約を緩和でき、列車の運行効率を高めることが可能となる。また、踏切制御の精度を向上でき、踏切を横断する車両や人等の待機時間も必要以上に長くなることを防止できるようになる。
次に、本発明を移動経路上を走行する移動体の検出装置に適用した場合について説明する。
図17は移動体検出装置に適用した場合の第1実施形態の構成図である。
図17において、移動体検出区間Tの互いに平行な2本のレール111,112の一方のレール111に、弾性波として例えば超音波を送信する超音波送信装置120を設け、他方のレール112に、レール112を伝播する超音波を受信する超音波受信装置130を設ける。
前記超音波送信装置120及び超音波受信装置130の構成例を図18に示す。
弾性波送信手段としての超音波送信装置120は、送信装置本体121と、レール111に当接して送信装置本体121からの電気信号を振動に変換してレール111に超音波を送信する電気/振動変換装置である送信トランスデューサ122とで構成される。前記送信装置本体121は、高周波の交流電気信号を発生する発振器123と、前記交流電気信号を増幅して送信トランスデューサ122に送信する増幅器124と、タイミング信号発生回路140のタイミング信号の入力により発振器123からの交流電気信号を増幅器124に送信するタイミングを制御する送信ゲート125とで構成される。前記送信トランスデューサ122としては、例えば圧電電歪振動子或いは磁歪振動子を用いることができる。
弾性波受信手段としての超音波受信装置130は、レール112に当接してレール112を伝播する超音波を受信して電気信号に変換する振動/電気変換装置である受信トランスデューサ131と、受信トランスデューサ131からの電気信号を受信する受信装置本体132とで構成される。前記受信装置本体132は、受信トランスデューサ131からの電気信号を増幅する受信増幅器133と、受信増幅器133からの増幅信号を処理して移動体である列車の存在及び位置を判別する信号処理回路134と、前記タイミング信号発生回路140からのタイミング信号により送信ゲート125と同期して受信増幅器133からの増幅信号を信号処理回路134に入力するタイミングを制御する受信ゲート135とで構成される。ここで、前記信号処理回路134が、移動体の存在/不在を検出する検出手段の機能を備える情報生成手段に相当する。
尚、タイミング信号発生回路を用いて超音波の送信後、受信信号の中から所定時間遅れた信号を抽出して、超音波の伝播時間を計測する方法は、図18の構成に限らず一般的に公知である。
次に動作を説明する。
超音波送信装置120の送信装置本体121で発生した交流電気信号は、送信トランスデューサ122で超音波に変換されてレール111に送信されレール111を伝播する。列車検出区間Tに列車が存在しない場合は、レール111を伝播する超音波はレール112側には伝達されず超音波受信装置130側で超音波は受信されない。一方、区間T内に列車が存在する場合は、図17に示すように、列車の車輪113及び車軸114によってレール111,112間が互いに結合される。このため、レール111を伝播する超音波が列車に備えた車輪113及び車軸114を介してレール112側に伝達され、超音波受信装置130で受信される。尚、この超音波伝達過程で、列車側で、超音波信号の増幅を行うとよい。即ち、一方のレール111を介して受信される超音波信号を増幅して他方のレール112側に送信する。
超音波送信装置120と超音波受信装置130は一般的にパルスレーダを構成している。従って、信号処理回路134において、超音波のレール伝播速度は略一定とし、このレール伝播速度を予め記憶させておき、タイミング信号発生回路140のタイミング信号に基づいて超音波が送信されてから受信されるまでの伝播時間を計測すればよい。計測時間と記憶された伝播速度値とから、前述の(10)式に基づいて図17中の距離L、即ち、超音波の送・受信地点から列車までの距離Lを計測することができる。
かかる構成の移動体検出装置によれば、列車検出区間T内における列車の存在/不在の判別だけでなく列車の位置も検出できる。
そして、空中に超音波を放射し移動体からの反射波を受信して距離計測する空中超音波放射方式のパルスレーダと比較した場合、本実施形態のレールを利用したパルスレーダ方式は以下に述べるように多くの利点がある。
第1に、超音波の伝播が風の影響を受けないので距離計測が正確である。第2に、超音波伝播速度がレールの方が空中より速いため、超音波送信開始から位置検知結果がでるまでの時間が短くなるので、移動体位置検出結果の通報を高速で行える。第3に、空中超音波放射方式では、移動体までの距離が超音波発振源からの直線距離として計測されるが、本発明の方式ではレールに沿って超音波が伝播するので移動体の走行軌跡と一致した距離計測ができ、移動体の走行路長で精度良く距離計測ができる。第4に、空中超音波放射方式の場合は、移動体の検出範囲がレーダの指向角範囲によって規制されるのに対して、本発明の方式ではレールに沿って超音波が伝播するので上述のような規制がない。
更に加えて、レール111,112に破損が生じた場合、超音波が伝播されないか、或いは、破損面での反射が生じる。このように、超音波の伝播状態に変化が生じるので、この変化の検出を行えばレールの破損検出も可能である。尚、弾性波を用いたレールの破損検出については後述する。
図19に、送信トランスジューサと受信トランスデューサとを間隔を設けてレールに当接して弾性波をレールに送信した時の受信信号の様子を示す。尚、弾性波(音)はレール内を縦波で伝達される。
測定条件は、送信トランスデューサと受信トランスデューサ間の距離を3m、弾性波の送信周波数を25KHzで20パルス程度を送信した。受信信号の波形は、約50dB増幅した後の結果である。
送信開始から受信信号が現れるまでの時間は約1.3msであり、レール内音速は約2.3km/sと計算される。この実験結果から、弾性波がレールを介して送受信可能であることが分かる。
図20に、移動体検出装置の第2実施形態を示し説明する。尚、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図20において、本実施形態では、図17の車輪と車軸経由による弾性波の伝播は減衰が大きいのでこれを軽減するために、移動体である列車151の前部に、レール111,112に跨がって両レール111,112上を摺接する摺接部材としての金属板152を取り付ける。
かかる構成では、列車151が列車検出区間T内に進入すると、レール111,112間が金属板152で結合される。このため、送信トランスデューサ122からレール111に送信された超音波が、金属板152を介してレール111側からレール112側に伝播し、受信トランスデューサ131で受信されるようになる。
図21に、レール間に鉄板を押し当て、送信トランスデューサ及び受信トランスデューサをレール踏面に押し当てた時の受信信号の様子を示す。
測定条件は、図22に示すように、レール間距離を約1mとし、レール踏面に数十Kgの重さの鉄板を押し当て、鉄板から約8m離れた各レール踏面に送信トランスデューサと受信トランスデューサを押し当てて測定した。また、弾性波の送信条件及び受信条件は、図19の実験と同様で、25KHzで20パルス程度を送信し、受信信号は約50dB増幅した後の結果である。
この結果、送信開始から受信信号が現れるまでの遅れ時間は6.8msである。レール内音速を2.3km/sとすれば、弾性波の伝播時間から求まる経路長は、6.8×2.3=15.7である(実際の経路長は、8+1+8=17m)。
かかる実験結果から、レール上に所定以上の圧力で金属材料を押し当ててレール間を結合しても弾性波が伝播することが分かる。
図23は、現状の列車の車輪部を介して弾性波を伝播させた場合の受信信号の様子である。
測定方法は、現状で実用されている一方の車輪踏面に送信トランスデューサを他方の車輪踏面に受信トランスデューサを、それぞれ直接押し当てて弾性波を一方の車輪から車軸を介して他方の車輪に伝播させた。弾性波の送信条件及び受信条件は図19の実験の時と同様とした。
現状の列車の車輪部の構造は大変複雑であって、図23から、弾性波は一方の車輪側から他方の車輪側に伝播する過程で相当に減衰されることがわかる。尚、図中の送信開始時直後に現れた信号波形ωは、送信トランスデューサと受信トランスデューサ間の電気的な結合(静電結合)による送信信号の漏れである。
図21と図23の実験結果から、現状においては図20に示す第2実施形態のように、列車前部に、金属製の摺接部材を設けてレール上を摺接させ、この摺接部材を介して超音波を伝播させる方が超音波の伝播特性が良好となり、列車の存在及び位置の検出には望ましい。
尚、図54は、伝播経路を図示のようなレールA→ベアリング外輪(車輪)A→ベアリング→シャフト→ベアリング→ベアンリグ外輪(車輪)B→レールBとした場合の弾性波伝播特性の測定結果である。シャフトを移動体側固定とすればシャフトは車輪の支持部に相当し、弾性波が一方のレールAから支持部を介して他方のレールBに伝播する状況に該当する。弾性波は、レールとベアリング外輪(車輪)間とベアリング外輪(車輪)とシャフト(ベアリング内輪)間の両者で減衰する。図54では、レールAからシャフトまでの伝播経路で約50dB程度減衰し、シャフトからレールBまでの伝播経路で約40dB程度減衰し、レールA−レールB間では90dB程度減衰している。2つの車輪をベアリングを介さずに直接シャフトで連結するならば、弾性波はレールA→車輪A→シャフト→車輪B→レールBを伝播するので、この場合、レールA−レールB間の減衰は約50dB程度と推察される。
次に、図24に移動体検出装置の第3実施形態を示す。尚、図17の第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図24において、レール111に当接する超音波送信装置120の送信トランスデューサ122及びレール112に当接する超音波受信装置130の受信トランスデューサ131から予め定めた距離隔てて、レール111,112間を結合する同一材料からなる複数の結合部材160a,160b,160c,160dを設ける。各結合部材160a,160b,160c,160d間の間隔は例えば同一とする。尚、図では結合部材が4本の場合を示したが、これに限るものではないことは言うまでもない。
次に動作を説明する。
送信トランスデューサ122からレール111に送信された超音波は、各結合部材160a,160b,160c,160dを経由してレール112に伝播されて受信トランスデューサ131で受信される。各結合部材160a,160b,160c,160dは同一材料からなるので、その超音波伝播速度は略同じである。従って、結合部材160a,160b,160c,160dを経由した受信信号を、それぞれSa,Sb,Sc,Sdとすると、結合部材間の間隔に応じた時間遅れを持って前記Sa,Sb,Sc,Sdの順で受信トランスデューサ131で受信される。列車が図中右方向から接近するとすれば、列車が結合部材の取り付け位置間を通過する時に列車の車輪/車軸、又は列車に備えたレール間超音波伝達媒体による受信信号が加わって受信される。送/受信装置から各結合部材160a,160b,160c,160dまでの距離及び結合部材160a,160b,160c,160dの長さ(レール間距離に相当する)は既知であるので、各受信信号Sa,Sb,Sc,Sdの伝播時間は既知である。従って、列車の位置が、結合部材160a,160b,160c,160d間で定められ、列車位置検出の信頼性が向上する。
図25に、移動体検出装置の第4実施形態を示す。尚、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図25において、送信トランスデューサ122及び受信トランスデューサ131から予め設定した基準距離Ls離れた位置に、超音波の伝播可能な移動体検出位置補償用の結合部材170を設けてレール111,112間を結合する。レール111,112は、周囲の雰囲気条件の変化、特に温度の変化によって超音波伝播特性が変動する。前記結合部材170は、レール111,112が温度変化等によってその伝播特性が変化した場合に、計測値を補正するためのものである。
次に動作を説明する。
送信トランスデューサ122からレール111に送信された超音波は、結合部材170を経由してレール112に伝播されて受信トランスデューサ131で受信される。その時の超音波伝播時間は、予め設定された結合部材170までの距離Lsに対応している。
今、結合部材170を経由した標準時の伝播時間をtaとし、接近する列車により図中破線の位置でレール111,112間が結合され、列車を経由した受信信号の伝播時間をtbとすると、列車位置(送信/受信点から列車までの距離)Lは、次式で求まる。
L=tb×Ls/ta ・・・ (11)
ただし、結合部材170と列車の超音波伝播速度特性は略同等とする。
温度変化等によって結合部材170を経由する超音波の伝播時間が±Δta変化した時の距離Lは、
L=tb×Ls/(ta±Δta) ・・・ (12)
となり、結合部材170を経由した受信信号の伝播時間変化に基づいて、結合部材170の位置を基準として列車位置を計測できる。
かかる構成によれば、レール111,112の超音波伝播速度特性の変化の影響を受けることなく、列車位置を正確に検出することができる利点がある。
また、例えば、踏切の遮断制御等において、踏切から所定の距離に列車が接近したことを知りたい場合等がある。このように、検出したい列車位置、例えば送/受信点から所定距離離れた地点を列車が通過したことを知りたい場合、図25の結合部材170を前記所定距離離れた地点のレール間に取り付けるようにする。
かかる構成では、図26に示すように、結合部材170の遠方から接近する列車による受信信号(図25中破線で示す)は、列車の接近に伴いその伝播時間が短くなり、結合部材170の地点を通過する時に結合部材170を経由した受信信号(図26中実線で示す)の伝播時間と一致することになる。これにより、結合部材170経由の受信信号と列車経由の受信信号とが一致したか否かを検出するだけで、列車が前記所定距離に到達したか否かを検出できる。従って、伝播時間を用いて距離演算を実行する必要がなく、列車位置検出処理が極めて容易になる。
尚、この場合の列車位置通報の回路構成としては、例えば、列車による受信信号と結合部材による受信信号とをANDゲートに入力し、ANDゲートの論理積出力が論理値1となった時に列車が所定距離に到達したことを示す通報信号を発生する構成とすればよい。
ところで、鉄板のような金属材料に代えて非金属材料を用いてレール間を結合すると超音波伝播時間を引き延ばすことができ、超音波信号の受信を実質的に遅延させることができる。従って、結合部材を非金属材料で形成することで、結合部材を遅延要素として利用することができる。
上述のような所定の距離に列車が到達したことを知りたい時、結合部材に、列車やレールに比べて超音波の伝播速度特性が遅い例えば非金属材料を使用すると、結合部材を前記所定距離の地点より送/受信点に近い位置に設置することができる。
例えば、送信及び受信トランスデューサに近接させて結合部材を設置する。そして、結合部材を経由する超音波の伝播時間を、所定距離離れた地点において列車を経由した超音波の伝播時間と等しくなるよう、結合部材の伝播速度特性を選択する。
かかる構成とすれば、前述と同様に結合部材による受信信号と列車による受信信号とが一致したことを検出するだけで、列車が所定の地点を通過したことを検出できる。しかも、結合部材を遅延要素として利用することで、結合部材を実際に検出したい位置よりも送/受信点に近接して設置することができ、設置作業及びその後のメンテナンスが容易になる利点を有する。
ところで、図17の構成で、レールに弾性波を伝播させた場合、レール端で反射する反射波が受信される。この反射波は、レール両端で反射し合って残響が残るので減衰し難い。この反射波の影響を少なくするには、図27又は図28のように構成すればよい。尚、図17と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図27では、複数組、例えば2組の超音波送信装置と超音波受信装置を設ける。そして、各組の超音波送信周波数を互いに異ならせ、一方の送信装置の送信トランスデューサ122Aからは周波数faの超音波を送信し、他方の送信装置の送信トランスデューサ122Bからは周波数fbの超音波を送信する。
かかる構成において、送信トランスデューサ122A,122Bから、送信時刻を異ならせ順次送信パルスをレールに送信し、各送信パルスの送信からそれぞれ最初の受信信号を用いて列車位置を計測するようにすればよい。
図28では、1つの送信トランスデューサ122と1つの受信トランスデューサ131を共通とし、送信側では、それぞれ互いに異なる送信周波数fa,fbの電気信号を発生する2つの送信装置本体121A,121Bを設ける。一方、受信側では、周波数fa,fbを弁別する2つのフィルタ136A,136Bと、各フィルタ136A,136Bからの信号を入力する2つの受信装置本体132A,132Bを設ける。
超音波の送信及び受信動作は、図27の実施形態と同一であるので説明は省略する。
図27及び図28の構成によれば、単一周波数を利用する場合に比較して、反射波の受信数を増やすことができるので、列車の検出精度を向上できる。
尚、列車検出区間における一対のレールのうちの一方のレール側の区間端部に送信トランスデューサを設け、他端側には受信トランスデューサを設け、列車検出を行うこともできる。かかる構成の場合、区間内に列車が存在しない場合は、送信トランスデューサからレールに送信された超音波は、ほとんど減衰せずに受信トランスデューサで受信される。一方、区間内に列車が存在する場合は、同じく受信トランスデューサで超音波が受信されるが、一対のレール上の列車車輪により超音波の伝達損失が増加するため受信信号の信号レベルが低下する。従って、受信信号の受信レベルを予め設定した閾値と比較してレベル検定することで、列車の存在/不在を判定できる。ただし、この構成では、列車の位置までは特定できない。
また、弾性波による列車検出は、軌道回路のように閉ループ構成とする必要がなく、1本のレールを用いて列車検出が可能である。従って、図29に示すように、ポイント部分における列車検出が可能となる。
図29では、レール111,112が、レール111A,112Aと111B,112Bに分岐するものとする。そして、レール111Aに超音波送信装置180及び超音波受信装置181を設け、レール112Bに超音波送信装置182及び超音波受信装置183を設ける。一方、列車151側にも超音波送信装置装置184,186及び超音波受信装置185,187を設ける。各超音波送信装置180,184,182,186の各送信周波数を互いに異ならせ、それぞれf11,f12,f13,f14とする。
かかる構成では、超音波送信装置180,182からレール111A,112Bを介して列車151側にそれぞれ周波数f11,f13で超音波を送信する。列車側では、前記周波数f11,f13の超音波信号を受信すると、遅滞なく各超音波送信装置184,186から周波数f12,f14の超音波信号をそれぞれレール111A,112Bを介して地上側に送信する。
このように構成することにより、レールが分岐するポイント部分においても、各分岐したレール111A,112Aと111B,112B側で個別に列車151を検出することが可能となる。
以上説明したように、弾性波を用いて列車の検出ができる。また、受信信号の伝播時間を計測することで列車の位置も検出できる。更に、空中に放射した弾性波の反射を利用して列車検出する方式に比べて、弾性波の伝播が風の影響を受けず位置検出精度が高く、弾性波の伝播速度が速いので列車位置検出結果の通報が高速となる。また、レールに沿って弾性波を伝播させるので列車の走行軌跡に沿った高精度の距離計測ができる。更には、レールの分岐するポイント部分でも分岐したレール側で個別に列車検出ができる等の多くの利点を有する。
次に、超音波を用いた列車検知と従来の軌道回路による列車検知を併用した実施形態を図30に示し説明する。
図30において、例えば、レール112側に超音波送信装置120を設けレール111側に超音波受信装置130を設ける。また、閉塞区間の列車が進出する終端側端部のレール111,112には、従来の軌道回路と同様に送信器70が中継器71を介して接続している。尚、図示しないが閉塞区間の列車が進入する始端側端部のレール111,112には軌道リレーが接続する。
次に動作を説明する。
閉塞区間に列車151が存在しない時は、送信器70からの電気信号が閉塞区間の始端側まで送信されて軌道リレーが扛上して列車無しの信号が発生する。また、超音波送信装置120から送信された超音波は、前述のように超音波受信装置130側で受信されない。
一方、閉塞区間に列車151が進入すると、レール111,112間が車輪により短絡されて軌道リレーが落下して列車が検知される。また、超音波送信装置180からレール112に送信された超音波は、列車151の車輪及び車軸を介してレール111側に伝播して超音波受信装置130側で受信され、列車が存在することを知ることができる。
従来の軌道回路のように軌道短絡に基づく電気信号の有無による列車検出方式では2重系の列車検出システムを構成することが難しかったが、このように、超音波を用い、従来軌道回路と超音波による列車検知とを併用することで、容易に2重系構成の列車検出システムを構成することが可能となる。そして、超音波を用いることで、前述のように列車151の位置及び速度も検出することができ、列車検知システムの信頼性を高めることができると共に、列車運行の効率化を図ることができるようになる。
また、図31のように、レール112側に超音波送信装置190を設ける一方、列車151側に超音波受信装置191を搭載する。レール111,112側には、電気信号を送信する送信器70を接続する。前記超音波送信装置190と送信器70は互いに同期して超音波と電気信号を送信する構成とする。尚、本実施形態の超音波送信装置190と超音波受信装置191は非同期でよく、図18に示す送信ゲート125及び受信ゲート135は不要である。
かかる構成では、超音波送信装置190と送信器70から同時に超音波と電気信号をレールを介して列車151側に送信する。超音波と電気信号とでは伝播速度が異なり、列車1側では、超音波と電気信号の受信時間差に基づいて超音波送信装置190から列車151までの距離及び列車速度を算出することが可能である。
従って、例えば地上側で各列車の運行を管理する中央指令所に、算出した列車位置情報及び列車速度情報を送信することで、中央指令所で各列車の位置を把握できる。これにより、先行列車情報を各列車に超音波或いは電気信号に重畳させて送信するようにすれば、列車側で先行列車の位置や速度の情報を連続的に得ることができる。このように、自身の位置と先行列車の位置を連続的に把握できれば、移動閉塞システムを実現でき、効率的な列車の運行管理が可能となる。
尚、図31の構成において、中央指令所に送信した列車自身の位置及び速度情報を、中央指令所から各駅に送信することで、駅にいる乗客に対して正確な接近案内や、その他の情報(混雑具合、ダイヤ乱れ、事故、故障等)の提供が可能となる。
次に、本発明を移動体の移動経路の破断検出に適用した場合について説明する。
図32は、破断検出装置の第1実施形態の検出原理を示し、弾性波の送信装置と受信装置を共に走行路側に設置した場合で、破断検出に弾性波の減衰を利用した例である。
図32において、レール211はある距離で機構上から例えば隙間を設けて絶縁される。これら絶縁部分間の区間を破断の検査区間Aとする。レール211の一端側、例えば検査区間Aの図中右側の始端側(列車進入側端部)に、弾性波送信手段としての超音波送信装置220を設置し、図中左側の終端側(列車進出側端部)に、弾性波受信手段としての超音波受信装置230を設置する。
前記超音波送信装置220及び超音波受信装置230の構成を図33に示す。
図33において、超音波送信装置220は、超音波信号発生回路221及び送波器222を備えて構成される。送波器222は、レール211に当接してレール211に弾性波として超音波を放射する。超音波受信装置230は、受信部としての受波器231、増幅器232及び判定部としての信号処理回路233を備えて構成される。受波器231は、レール211に当接してレール211を伝播する超音波信号を受信する。信号処理回路233は、増幅器232からの信号を入力し、入力信号レベルと予め設定した閾値とを比較してレール211の破断の有無を判定する。従って、前記信号処理回路233が、判定手段の機能を備える情報生成手段に相当する。
次に動作を説明する。
送波器222からレール211に放射された超音波信号は、レール211を介して検査区間Aの終端側に伝播し、受波器231で受信され、増幅器232で増幅されて信号処理回路233に入力する。ここで、信号処理回路233で閾値E0と比較する受信信号レベルを検波出力レベルで表すものとすると、レール211に破断が存在しない場合、受信信号のレベルE1は、図34に示すように閾値E0より高くなる。一方、レール211に図32に示すように破断212が存在する場合、破断面が接触していてもその圧力は小さく密着部分の面積は僅かでその他の部分は空隙に近く、超音波は密着部分でしか伝達されないので減衰する。従って、信号処理回路233に入力する受信信号のレベルE2は閾値E0より低くなる。信号処理回路233で受信信号のレベル検定を行えば、破断212が存在しない時に破断無しを示す出力が信号処理回路233から発生し、破断12が存在する時は出力が発生しない。超音波信号の減衰は、破断面積が大きい程大きい。
かかる構成によれば、レール211に接触部分が存在する不完全な破断状態が存在する場合でも、確実に破断212を検出できる。
次に、図35に破断検出装置の第2実施形態を示す。
本実施形態は、破断検出に破断面での弾性波の反射を利用した例である。尚、図32と同一要素には同一符号を付して説明を省略する。
図35において、例えば検査区間Aの終端側(始端側でもよい)に超音波送信装置220と超音波受信装置230′を設置する。また、送信装置220と受信装置230′の同期をとるためのタイミング信号を発生するタイミング信号発生回路240を備える。図中、B1,B2は、それぞれ検査区間Aの始端側と終端側の各レール継目を示す。
超音波送信装置220は、図32と同様の構成であり、図36に示すようにタイミング信号発生回路240からのタイミング信号が超音波信号発生回路221に入力し、タイミング信号の入力に同期して超音波を発生する。一方、超音波受信装置230′は、図32の構成に加えて、増幅器232の増幅信号の信号処理回路233への入力を制御する受信ゲート回路234を備える。受信ゲート回路234は、タイミイグ信号に同期してゲートを開き、送信時以外のノイズの影響を防止している。
次に動作を説明する。
送波器222からレール211に放射された超音波信号は、レール211を伝播し、受波器231に直接入力する。また、検査区間Aの端部のレール211の各継目B1,B2で反射波が生じる。従って、受波器231に入力する受信信号は、レール211に破断が存在しない場合は、図37に示すように、直接入力する受信信号a、終端側継目B2での反射による受信信号b及び始端側継目B1での反射による受信信号cとなる。レール211に破断212が存在する場合は、上記の各受信信号a,b,cに加えて図37のように破断212の破断面での反射による受信信号dが存在する。
超音波送信装置220から、超音波受信装置230′及び両レール継目B1,B2までの各距離を予め設定しておくことで、超音波が発生してから受信信号a,b,cが受信されるまでの時間は予め知ることができる。この時間データを信号処理回路233に予め記憶させておけば、超音波受信装置230′で信号が受信された時にその受信信号の伝播時間を計測し、記憶データと比較することで破断212による受信信号dとその他の受信信号a,b,cを判別することができ破断212の有無を知ることができる。また、本実施形態によれば、超音波信号が発生してから破断212による受信信号dが受信されるまでの時間Tを計測すれば、前述の(10)式に基づいて破断212の位置も知ることができる利点がある。また、受信装置230′が直接受信した受信信号aと破断による受信信号dとの時間間隔T′を計測すれば、送信装置220と受信装置230′との間隔が分からない場合でも破断212の位置を知ることができる。
更に、本実施形態では送信装置220から遠い方のレール継目B1の反射による受信信号cを用いて受信装置230′の信号処理回路233で増幅機能の検査をすることができる。即ち、受信信号cは小さいレベルで受信され、しかも、受信時間は予め知ることができる。そして、この受信信号cが検出される場合は増幅機能が正常と判断し、検出されない場合は増幅機能が低下していると判断すればよい。従って、信号処理回路233が受信機能の検査手段としても機能する。
次に、図38に破断検出装置の第3実施形態を示す。
この実施形態は、超音波送信装置と超音波受信装置のどちらか一方を地上の走行路側に設置し、他方を移動体側に搭載し、弾性波の減衰を利用する例である。尚、図32と同一要素には同一符号を付して説明を省略する。
図38において、検査区間Aの終端側に、例えば超音波送信装置220を設置する。移動体としての列車213側には、超音波受信装置230を搭載する。超音波受信装置230の受波器231は、列車213の図示しない車軸に接触して設け、車軸及び車輪を介してレール211からの超音波信号を受信する。また、図中に破線で示すように、列車213の先端部に、レール211上に接触して摺接する弾性波伝達摺動子214を設け、この摺動子214を介して受波器231で受信するようにしてもよい。超音波送信装置220及び超音波受信装置230は図33と同様の構成であるので、ここでは説明を省略する。
次に動作を説明する。
超音波送信装置220から放射される超音波信号は、検査区間Aの終端側から始端側に向けてレール211を伝播する。一方、列車213は、検査区間Aの始端側から検査区間Aに進入し、レール211を伝播する超音波信号を車輪及び車軸を介して受信装置230で受信する。尚、専用の前記摺動子214を備える場合は、摺動子214を介して受信装置230で受信する。受信信号は、図32の実施形態と同様にして信号処理回路233でレベル検定される。従って、破断212が存在しない場合は受信装置230の受信信号レベルは閾値より高くなり、破断212が存在する場合は、受信信号が破断212で部分で減衰されて受信信号レベルが閾値より低くなり、破断212を検出できる。
次に、図39に破断検出装置の第4実施形態を示す。
この実施形態は、超音波送信装置と超音波受信装置のどちらか一方を地上の走行路側に設置し、他方を移動体側に搭載し、弾性波の反射を利用する例である。尚、図38と同一要素には同一符号を付して説明を省略する。
図39において、検査区間Aの始端側に、例えば超音波送信装置250を設置する。移動体としての列車213側には、超音波受信装置260を搭載する。
本実施形態の超音波送信装置250と超音波受信装置260の構成を図40に示す。尚、列車(移動体)側と地上との間で超音波の送受信を行うための超音波送信装置と超音波受信装置については、例えば、本出願人が先に提案した特願平8−1682号に記載の技術を利用できる。
超音波送信装置250は、超音波信号発生回路251及び送波器252に加えて、超音波信号発生回路251の超音波の発生タイミングを制御するタイミング信号発生回路253と、タイミング信号発生回路253と後述する受信装置260側のタイミング信号発生回路265の同期を周期的に校正するための校正信号を受信する校正信号受信回路254と、例えば地上の図示しない校正信号発生源からの校正信号を受信して校正信号受信回路254に入力するアンテナ255とを備えている。
超音波受信装置260は、受波器261、増幅器262、受信ゲート回路263及び信号処理回路264に加えて、ゲート受信回路263のゲート開のタイミングを制御して超音波信号の発生と同期させるためのタイミング信号発生回路265と、タイミング信号発生回路265の同期を周期的に校正するための校正信号を受信する校正信号受信回路266と、地上側からの前記校正信号発生源からの校正信号を車上で受信して校正信号受信回路266に入力するアンテナ267とを備えている。受波器261は、列車213の図示しない車軸に接触して設け、車軸及び車輪を介してレール211からの超音波信号を受信する。また、図38に示すような摺動子214を介して超音波信号を列車側で受信するようにしてしもよい。
次に動作を説明する。
超音波送信装置250から放射される超音波信号は、検査区間Aの始端側から終端側に向けてレール211を伝播する。列車213は、検査区間Aの始端側から検査区間Aに進入し、レール211を伝播する超音波信号を車輪、車軸を介して受信装置260で受信する。検査区間Aの距離は予め既知であるので、検査区間Aの始端から進入した列車までの距離を計測しておけば、終端側レール継目の反射による受信信号と破断212での反射による受信信号をその伝播時間から判別することができる。従って、レール211の破断212の存在を検出できる。
尚、第3及び第4実施形態において、超音波送信装置250と超音波受信装置260を逆に配置してもよいことは言うまでもない。
次に、図41に破断検出装置の第5実施形態を示す。
この実施形態は、超音波送信装置と超音波受信装置の両方を移動体側に搭載し、弾性波の減衰を利用する例である。尚、図32と同一要素には同一符号を付して説明を省略する。
図41において、図32と同様の構成の超音波送信装置220と超音波受信装置230とを列車213の前部と後部とにそれぞれ搭載する。送波器221と受波器231は、図示しないが車軸に当接して設置され、車軸及び車輪を介して超音波を送信し受信する。
かかる構成において、超音波送信装置220から放射された超音波は、車軸及び車輪を介してレール211に送信されレール211を伝播し、車輪及び車軸を介して超音波受信装置230側で受信される。超音波信号の伝播経路内に破断212が存在すれば、破断212における減衰によって受信信号の受信レベルが低下するので、破断212の存在を検出できる。
次に、図42に破断検出装置の第6実施形態を示す。
この実施形態は、超音波送信装置と超音波受信装置の両方を移動体側に搭載し、弾性波の反射を利用する例である。尚、図32と同一要素には同一符号を付して説明を省略する。
図42において、超音波送信装置220と超音波受信装置230とを列車213の一端側、例えば前部に搭載する。送波器221と受波器231は、図示しないが車軸に当接して設置され、車軸及び車輪を介して超音波を送信し受信する。
かかる構成において、超音波送信装置220から放射された超音波は、車軸及び車輪を介してレール211に送信されレール211を伝播し、レール継目で反射し超音波受信装置230側で受信される。検査区間Aの距離は予め既知であるので、検査区間Aの始端及び終端から列車までの各距離を計測しておけば、終端側及び始端側の各レール継目の反射による各受信信号と破断212での反射による受信信号をその伝播時間から判別することができる。従って、レール211の破断212の存在を検出できる。
第5及び第6実施形態によれば、レール211を走行する列車のみに超音波の送信装置及び受信装置を搭載すればよく地上側に設置する必要がないので、検査区間毎に送信装置と受信装置をそれぞれ設備しなくてよく設備コストを大幅に低減できる利点がある。
図43に、破断検出装置の第7実施形態を示す。
図43において、検査区間A内において、互いに平行なレール211,211′間を超音波の伝播が可能な接続部材270で接続する。接続部材270は、弾性波が伝播するものであればどのようなものでもよい。
そして、検査区間Aの一端側において、一方のレール211側に超音波送信装置280を設け、他方のレール211′側に超音波受信装置290を設ける。超音波送信装置280と超音波受信装置290は、図示しないタイミング信号発生回路からのタイミング信号によって互いに同期している。
次に動作を説明する。
超音波送信装置280から放射された超音波は、レール211、接続部材270、レール211′を伝播して超音波受信装置290で受信される。ここで、例えば送信及び受信装置280,290側から見て接続部材270より遠方に破断が存在すると、その破断面での反射波が受信装置290で受信され、その受信信号の存在によって破断を検出できる。
この場合の超音波の送/受信のタイムチャートを図44に示す。
図44において、Pは、レール211、接続部材270、レール211′のルートで伝播した受信信号を示し、P′は破断面で反射した後に接続部材270を経由した受信信号を示す。t0は受信信号Pを受信するまでの時間、t1は受信信号Pを受信してから受信信号P′を受信するまでの遅れ時間を示す。
送信及び受信装置280,290と接続部材270との間の区間SAの距離をLA、接続部材270と破断300との間の距離をLB、接続部材270の長さをLX、レール211,211′における超音波伝播速度をCm、接続部材270における超音波伝播速度をCXとした時、前記時間t0、t1は次式で表せる。
0=(2LA/Cm)+(LX/CX) ・・・ (13)
1=2LB/Cm ・・・ (14)
ここで、LA、LX、Cm、及びCXは一定であり、t0は略一定の値となり、受信信号Pを判別できる。これにより、t1を計測すれば、LBを算出でき、破断300の存在位置を検出できる。
かかる構成において、受信信号Pが受信されるということは、送信装置280及び受信装置290が正常であること、及び、接続部材270とレール211,211′との間の取り付けが正常であることを示し、従って、接続部材270より遠方に破断300が生じた時にその存在を検出できる能力があることを示す。
尚、送・受信装置280,290と接続部材270との間の区間SA内に破断が存在する場合は、受信信号Pが受信されないか、或いは受信レベルが低くなるので、閾値によるレベル検定を併用することで、レール211,211′のどんな位置の破断も検出可能である。例えば、反射波P′の検出による破断検出信号と受信信号のレベル検定による破断検出信号とをOR回路に入力し、OR回路の論理和出力をレール破断の検出信号とすればよい。また、破断300における反射波が受信装置290で受信できない場合を考慮し、送信装置280の近傍にレール211に接続して別の受信装置を設けるとよい。このようにすれば、レール211側の破断300の反射波を確実に受信することができ、接続部材270より遠方の破断300を確実に検出できる。
また、送・受信装置280,290を列車側に搭載してもよい。この場合、列車(送・受信装置)と接続部材270との間の距離LAは、次式で算出できる。
A=Cm(t0−tX)/2 ・・・ (15)
ここで、tX=LX/CX(一定)である。(15)式によりt0の計測値からLAを算出できる。
また、列車(送・受信装置)から破断部までの距離LA+LBは、次式で表せる。
A+LB=Cm(t0+t1−tX)/2 ・・(16)
従って、t1を計測すれば列車から破断位置までの距離を求めることができる。
尚、超音波送信装置と超音波受信装置のどちらか一方を列車側に搭載し他方をレール側に取り付けるようにしても、同様に破断検出ができることは言うまでもない。また、列車側に送信装置及び受信装置を搭載する場合には、列車とレールとの間の超音波伝達経路として、図45に示す第8実施形態のように、列車213の前端にそれぞれのレール211,211′に接触して摺接する摺動子214,214′を設け、一方の摺動子214(又は214′)を介して超音波をレール211(又は211′)に送信し、他方の摺動子214′(又は214)を介してレール211′(又は211)から超音波を取り込むようにして、超音波の送信及び受信を行うようにするとよい。
以上のように、2本のレール間を弾性波の伝播可能な材料で接続する構成とし、超音波の反射状態及び超音波の減衰に基づいて破断検出するようにすれば、正常時の受信信号Pの存在によって、破断検出装置の検出能力が正常であることを確認しつつ破断検出を行うことができ、信頼性が向上する。
尚、レールを通電経路として用いる従来の軌道回路と併用する場合は、レール211,211′間を接続する接続部材270として、電気は通さないが弾性波は伝達するような絶縁物を用いれば、超音波によるレール破断検出と軌道回路による列車検出を併用することが可能となる。
図46に、破断検出装置の第9実施形態を示す。
本実施形態は、従来の軌道回路と併用する場合に好適な例である。尚、図43と同一要素には同一符号を付して説明を省略する。
図46において、区間A1,A2はレール継目部分で電気的に絶縁される走行区間を示す。区間A1の始端側(列車進入側端部)の一方のレール211側に超音波送信装置280を設け、他方のレール211′側に超音波受信装置290を設ける。区間A2側にはレール211,211′間を接続する絶縁物の接続部材270を設ける。区間A1,A2の互いに近接する各区間端部側は、レール継目部分をバイパスして弾性波を伝播する絶縁物のバイパス伝播媒体310,310′で接続されている。バイパス伝播媒体310,310′の超音波伝播速度は、レール311,311′とは異なるようにする。
次に動作を説明する。
各走行区間A1,A2のレール継目部分が通常のように離間している場合は、超音波送信装置280から放射された超音波は区間A1のレール211、バイパス伝播媒体310、区間A2のレール211、接続部材270、区間A2のレール211′、バイパス伝播媒体310′、区間A1のレール211′の順で伝播して超音波受信装置290で受信される。超音波受信装置290側では、図43の第7実施形態と同様にして、受信信号の受信状態、即ち、受信レベル或いは受信信号の伝播時間等に基づいて破断の有無を検出できる。
かかる構成によれば、従来の軌道回路と併用する場合に、電気的に絶縁される複数の走行区間のレール破断を、1組の超音波の送・受信装置280,290で監視することができるので、設備コストを大幅に低減できる。
尚、本実施形態では、2つの走行区間A1,A2を監視する構成を示すが、監視する走行区間は、3つ以上でもよいことは言うまでもない。
更に、本実施形態の場合には、バイパス伝播媒体310,310′とレール211,211′の各超音波伝播速度が互いに異なるので、区間A1とA2の近接側のレール継目部分が経時変化等により接触してしまった場合、超音波はバイパス伝播媒体310,310′を介して伝播すると共に、接触したレール継目部分を介しても伝播することになる。そして、例えばレールの方が伝播速度が速ければ、レール継目部分を介して伝播する超音波は、バイパス伝播媒体310,310′を介して伝播するものより、受信装置290に早く到達することになる。従って、レール継目部分が接触した場合、最初の受信信号の到達時間が正常に離間している場合に比べて早くなるので、レール継目部分が接触する走行路異常も同時に検出できる利点がある。
以上のように、弾性波を用いて移動体の走行路の破断検出を行えば、走行路に密着部分が残るような不完全な破断状態であっても、確実に破断の存在を検出することができる。従って、列車のレール等の破断検出に適用すれば、列車運行の安全性を格段に向上できる利点がある。
次に、自動列車停止(Automatic Train Stop;以下ATSとする)、自動列車制御(Automatic Train Control;以下ATCとする)、或いは、自動列車運転(Automatic Train Operation;以下ATOとする)等の各列車制御システムに適用した例について説明する。
図47に、ATS装置への応用例を示す。
図47において、例えば場内信号機401の近傍のレール402,403に、電気信号を送信する送信器404を中継器405を介して接続する。また、どちらか一方のレール(本実施形態ではレール403)に超音波送信装置410を設ける。列車406側には、超音波受信装置420と場内信号機401からの位置に対する速度パターン等の情報を記憶した情報記憶装置430を搭載する。尚、図示しないが、列車406の先端部には、電気信号を受信する受電器と超音波を受信する受波器が取り付けられる。
かかる構成では、地上側の送信器404から電気信号をレール402,403に送信し、電気信号の送信と同期させて超音波送信装置420から超音波をレール403に送信する。列車406側では、レールを伝播した電気信号及び超音波を受信する。電気信号と超音波の伝播速度の差から受信時間差に基づいて場内信号機401までの距離及び列車速度を得ることができる。得られた位置及び速度情報と情報記憶装置430に予め記憶されているパターン情報とに基づいて、実際の列車速度が適正か否かを判断する。そして、例えば停止現示時に、列車位置に対応させて設定されたパターン速度より実際の速度がオーバーしていれば列車406の制動装置を動作させて非常停止させる。
かかる構成によれば、車上側で信号機からの位置を連続的に検出できるため、安全性及び信頼性に優れたATSシステムを提供できるようになる。
尚、図47では、超音波送信装置410及び送信器404を場内信号機等の近傍に設備する構成としたが、これら超音波送信装置410及び送信器404を各軌道回路毎に設備することにより、従来では列車位置情報が地点情報であったものが連続的な列車位置情報を得ることが可能となる。これにより、ATO装置におけるATO車上パターン、ジャスト検知等の精度向上が図れる。また、超音波に情報を乗せることにより、車上側への情報伝達に使用されている有電源地上子が不要になる。
図48に、ATC装置への応用例を示す。
図48において、例えば、閉塞区間の終端側のレール402,403に、それぞれ超音波送信装置410A,410Bを設ける一方、列車406側に、超音波受信装置420A,420Bを搭載する。尚、図示しないが、列車406の先端部左右には、各レール402,403を伝播する超音波を受信するための受波器がそれぞれ取り付けられる。
かかる構成では、地上側の各超音波送信装置410A,410Bから互いに同期して列車の走行区間における制限速度情報を付与して超音波を各レール402,403に送信する。送信された超音波は、列車406側で各受波器を介して各超音波受信装置420A,420Bで受信される。前述のように列車406の速度情報を得ることができる。
従来のATCでは、レールに制限速度情報を持たせた電気信号を流して、それを車上側で受信して制限速度情報を得るようにしているため、車軸短絡により各レール402,403に流す電気信号を独立させることが出来ず2重化構成が難しかった。しかし、図48に示すように、超音波を用いて制限速度情報を車上側で得るようにすれば、2本のレール402,403に送信する超音波を独立させることができるので、2重化構成を容易に実現でき、ATC装置の安全性及び信頼性を向上することができる。
尚、図49のように、列車406側に超音波送信装置410を設け、送波器440からレール402に超音波を送信し、レール402側に設けた超音波受信装置420で受信するよう構成すれば、列車406からの超音波に例えば列番情報を付加することで、列車406の列番情報を地上側で得ることができる。
図50は、図25に示す結合部材170を用いることなく、レール温度の変化による超音波伝播速度の変化を補償する場合の構成例を示す。
図50において、地上側の例えばレール402に予め設定した基準距離Lsの間隔を設けて、異なる周波数f21,f22の超音波をそれぞれ送信する超音波送信装置410A,410Bを設ける。列車406には、前記周波数f21,f22の超音波をそれぞれ対応する受波器450,451を介して受信する超音波受信装置420A,420Bを設ける。尚、受波器450は周波数f21の超音波のみを受信可能であり、受波器451は周波数f22の超音波のみを受信可能なように構成される。
かかる構成において、超音波送信装置410Aから周波数f21の超音波を、超音波送信装置410Bから周波数f22の超音波を、互いに同期して同時にレールに送信する。列車406側では、超音波がそれぞれの受波器450,451で受信され、超音波受信装置420A,420Bに入力される。超音波受信装置420A,420Bには、予め標準状態での基準距離Lsの超音波伝播時間が記憶されている。
従って、超音波受信装置420A,420Bがそれぞれ超音波を受信した時間差と、記憶されている超音波伝播時間とを比較し、その差に応じて、算出した距離等を補正することにより、レールの温度変化の影響を取り除くことができ、正確な距離及び列車速度情報を得ることができるようになる。
また、図50では、受波器を2個設ける構成を示したが、受波器は1個でもよく、この場合は、広帯域の受波器を使用し受信装置に周波数f21,f22の狭帯域フィルタを設ける必要がある。
尚、上述した各実施形態において、移動体側送受波器とレール間の弾性波伝送は、空気を経由させてもよいし、車輪を経由させてもよい。車輪を経由させる場合、送受波器を、ベアリングを介して車輪を支持する支持部に取付けてもよいし、ベアリングを介さないで回転する車輪又は車輪と連結される車軸に取付けてもよい。ベアリングを介さない取付け構造例としては、図51〜図53に示すような構造が考えられる。この取付け構造について送波器を例に以下に説明するが受波器についても同じである。
図51において、車軸500にベアリング501を介して取付けられる車輪502の側面に送波器503を取付ける。この場合、送波器503は、例えば、図52に示すような構造とする。
即ち、送波器本体503aを、車輪502の側面にその送波面を直接当接させ、取付けフランジ503rを介してボルト等で固定する。絶縁物503bは送波器本体503a及び取付けフランジ503rと隙間を有し送波器本体503a及び取付けフランジ503rを覆っている。送波器本体503aに取付けた軸503cには、2個の金属製の円板部材503d,503eが間隔を設けて互いに絶縁されて設けられる。前記円板部材503d,503eは、軸503cに沿って設けたリード線503f,503gを介してそれぞれ送波器本体503aと電気的に接続される。前記円板部材503d,503eは、それぞれの摺動子503h,503iを介して図53に示すように略環状の外側電極503j及び内側電極503kとそれぞれ接触する。外側電極503jと内側電極503kは、絶縁物503lによって互いに絶縁される。軸503cは、絶縁物503l,503mに軸受503n,503oを介して軸支される。そして、絶縁物503b,503l,503m及び両電極503j,503k側は、近傍の固定体(図示せず)に固定されている。従って、送波器本体503a、軸503c及び金属製の円板部材503d,503eは、絶縁物503b,503l,503m及び両電極503j,503k側に対して軸受503n,503oを介して回転可能で車輪502と一体に回転する。図中、503p,503qは、外側及び内側電極503j,503kと接続する電源供給用のリード線を示す。
このような送波器及び受波器の取付け構造によれば、車軸500と車輪502との間のベアンリグ部を介さずに、レール側との間の超音波伝送を行うことができる。
尚、上述した各実施形態では、鉄道交通システムにおける各種制御に適用した例を示したが、鉄道交通システム以外にも、例えば、化学プラントにおける配管、或いは、地下に埋設したガス、水道等の配管等を利用して弾性波による情報伝送システムを構築することも可能である。
〔産業上の利用可能性〕
本発明は、弾性波を伝送媒体を介して送受信することにより、情報を伝送するに際して従来に比べて多くの利点を備えるので、産業上の利用可能性が大である。

Claims (22)

  1. 列車が走行するレールを伝送媒体とし、前記レールに弾性波を送信する弾性波送信手段と、該弾性波送信手段から送信された弾性波を前記レールを介して受信する弾性波受信手段と、該弾性波受信手段で受信した弾性波受信信号に基づいて前記列車の制御システムの関連要素の制御/監視に必要な情報を生成する情報生成手段とを備えて構成したことを特徴とする弾性波を用いた情報生成装置。
  2. 前記弾性波送信手段の送波器と弾性波受信手段の受波器が、前記レールに接触する構成である請求項1に記載の弾性波を用いた情報生成装置。
  3. 前記情報生成手段が、前記列車と列車移動経路途中の踏切との間の弾性波伝播時間を計測する伝播時間計測手段と、計測した伝播時間に基づいて列車と踏切間の距離を演算する距離演算手段と、演算した距離の変化に基づいて列車速度を演算する速度演算手段と、最新の前記演算した距離及び列車速度に基づいて踏切横断禁止指令情報の発生タイミングを制御する制御手段とを備え、前記制御手段の制御により前記踏切横断禁止指令情報を生成する構成である請求項に記載の弾性波を用いた情報生成装置。
  4. 前記弾性波送信手段は、弾性波送信タイミングを制御する送信側タイミング信号を発生する送信側タイミング信号発生手段を備え、前記弾性波受信手段は、前記送信側タイミング信号に同期した受信側タイミング信号を発生する受信側タイミング信号発生手段を備え、前記伝播時間計測手段が、前記受信側タイミング信号が発生してから弾性波が受信されるまでの時間を計測する構成である請求項に記載の弾性波を用いた情報生成装置。
  5. 列車側と地上側にそれぞれ弾性波送信手段及び弾性波受信手段を備え、地上側からレールを介して送信された弾性波を列車側で受信した時に遅滞なく列車側から弾性波を地上側に返信し、地上側における送信開始から受信するまでの時間に基づいて列車−踏切間の弾性波伝播時間を計測する構成とした請求項に記載の弾性波を用いた情報生成装置。
  6. 踏切側から互いに同期させて弾性波と電気信号とをレールを介して列車側に送信し、列車側では前記送信された電気信号と弾性波の受信時間差に基づいて踏切と列車間の距離及び列車速度を算出する構成である請求項に記載の弾性波を用いた情報生成装置。
  7. 前記情報生成手段が、前記弾性波が受信されていることを確認する受信確認手段を有し、踏切に接近する列車の検出信号が発生している状態で、前記受信確認手段から受信確認信号がない時に直ちに横断禁止指令情報を発生する構成である請求項に記載の弾性波を用いた情報生成装置。
  8. 前記情報生成手段は、弾性波受信手段で受信された弾性波の受信状態に基づいて前記列車の存在/不在を検出し列車の存在/不在情報を発生する検出手段を備える構成である請求項1に記載の弾性波を用いた情報生成装置。
  9. 前記検出手段は、弾性波の受信の有無に基づいて列車の存在/不在を検出する構成である請求項に記載の弾性波を用いた情報生成装置。
  10. 前記列車が互いに平行な2本のレール上を走行する構成である場合、前記弾性波送信手段が前記2本のレールの一方のレール端部に配置され、前記弾性波受信手段が他方のレールの前記弾性波送信手段と同一端部側に配置され、前記列車の車輪を介して前記一方のレールから他方のレールに弾性波が伝送されて弾性波受信手段で受信された時に前記検出手段が列車存在情報を発生する構成である請求項に記載の弾性波を用いた情報生成装置。
  11. 前記レールが分岐する分岐部において、分岐後の各レールに、それぞれ周波数の異なる弾性波を送受信する弾性波送受信手段を設ける一方、列車側に、前記各レール毎に弾性波を送受信する弾性波送受信手段を設ける構成とした請求項に記載の弾性波を用いた情報生成装置。
  12. 前記検出手段は、弾性波の受信レベルと予め設定した閾値との比較結果に基づいて列車の存在/不在を検出する構成である請求項に記載の弾性波を用いた情報生成装置。
  13. 移動体の移動経路を伝送媒体とし、該伝送媒体に弾性波を送信する弾性波送信手段と、該弾性波送信手段から送信された弾性波を前記伝送媒体を介して受信する弾性波受信手段と、該弾性波受信手段で受信した弾性波受信信号に基づいて前記移動体の制御システムの関連要素の制御/監視に必要な情報を生成する情報生成手段とを備え、前記情報生成手段が、弾性波受信手段で受信された弾性波の受信状態に基づいて前記移動経路の破断の有無を判定して破断の有無情報を発生する判定手段を備える構成であることを特徴とする弾性波を用いた情報生成装置。
  14. 前記判定手段は、受信する弾性波の減衰状態に基づいて破断の有無を判定する構成である請求項13に記載の弾性波を用いた情報生成装置。
  15. 前記判定手段は、弾性波の破断部からの反射波の有無に基づいて破断の有無を判定する構成である請求項13に記載の弾性波を用いた情報生成装置。
  16. 前記移動経路が互いに平行な2本のレールで構成される時、前記2本のレール間を、弾性波の伝播可能な接続部材で接続し、前記2本のレールのうちの一方のレール側に前記弾性波送信手段から弾性波を送信し、他方のレール側で前記弾性波受信手段により弾性波を受信する構成とした請求項13に記載の弾性波を用いた情報生成装置。
  17. 破断検査区間の一端側において、前記2本のレールのうちの一方のレールに前記弾性波送信手段を設け、他方のレールに前記弾性波受信手段を設ける構成とした請求項16に記載の弾性波を用いた情報生成装置。
  18. 前記弾性波送信装置及び弾性波受信装置を、移動体に搭載する構成とした請求項16に記載の弾性波を用いた情報生成装置。
  19. 前記移動経路が、レール継目部分で互いに電気的に絶縁された複数の走行区間で構成される時、前記複数の走行区間のうち少なくとも隣接する走行区間の近接する区間端部間を、前記レール継目部分をバイパスして弾性波を伝播する絶縁物のバイパス伝播媒体で接続し、該バイパス伝播媒体で接続される複数の走行区間を前記破断検査区間とすると共に、前記接続部材を絶縁物で形成する構成とした請求項13に記載の弾性波を用いた情報生成装置。
  20. 場内信号機近傍の所定位置から、互いに同期させて弾性波と電気信号をレールを介して列車側に送信し、列車側では前記送信された電気信号と弾性波の受信時間差に基づいて列車速度を算出すると共に、車上に搭載した情報記憶手段に記憶させた場内信号機からの距離に対応させた速度パターン情報と前記算出した列車速度とを比較し、前記場内信号機が停止現示の時に、出列車速度がパターン速度より速い時に列車の制動装置を動作させる構成とした請求項に記載の弾性波を用いた情報生成装置。
  21. 互いに平行な2本のレールそれぞれに、各弾性波送信手段から弾性波を送信し、列車側で各レールからの弾性波を各弾性波受信手段でそれぞれ受信する構成とし、各レールに送信する弾性波に列車の制限速度情報を付与して送信する構成とした請求項に記載の弾性波を用いた情報生成装置。
  22. 移動体の移動経路を伝送媒体とし、該伝送媒体に弾性波を送信する弾性波送信手段と、該弾性波送信手段から送信された弾性波を前記伝送媒体を介して受信する弾性波受信手段と、該弾性波受信手段で受信した弾性波受信信号に基づいて前記移動体の制御システムの関連要素の制御/監視に必要な情報を生成する情報生成手段とを備え、前記伝送媒体側に、伝送媒体に沿って予め定めた所定距離の間隔を設けて互いに異なる周波数の弾性波を送信する各弾性波送信手段を設ける一方、移動体側に、前記異なる周波数の弾性波を受信する弾性波受信手段を設け、前記各弾性波送信手段から互いに同期させて異なる周波数の弾性波を伝送媒体に送信し、前記弾性波受信手段で異なる周波数の弾性波を受信した時の時間差と、予め記憶させた前記伝送媒体の標準温度条件における前記所定距離間の弾性波伝播時間と、を比較し、この比較結果に基づいて前記情報生成手段で生成された情報を補正する構成としたことを特徴とする弾性波を用いた情報生成装置。
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