JP6824468B2 - レール状態監視装置 - Google Patents

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Description

この発明は、レールの状態を検知するレール状態監視装置に関する。
特許文献1に記載の従来のレール状態監視装置は、信号送信部と、処理部と、信号受信部とを備えて構成されている。信号送信部から送信された電気信号は、車両の前方に設けられた第1車軸に入力される。第1車軸に入力された電気信号は、左右のレールをそれぞれ伝搬し、車両の後方に設けられた第2車軸まで伝搬される。第2車軸まで伝搬された電気信号は、信号受信部で受信される。処理部は、信号受信部が受信した電気信号の受信強度を常時蓄積する。処理部は、受信強度が低くなったときに、レール破断が発生したと判定する。
特開2002−294609号公報
特許文献1に記載のレール状態監視装置においては、処理部が、レールを伝搬した電気信号の受信強度に基づいて、レール破断が発生したか否かを判定している。しかしながら、レールが錆びているなどのレール表面異常が発生している場合、レールと車輪との間に電気的な接触不良が発生する可能性がある。そのような場合においても、電気信号が伝搬しなくなるので、処理部が、レール表面異常とレール破断との区別ができないため、レール破断が発生していると誤判定してしまうという問題点があった。
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、レール破断と誤判定することを抑制する、レール状態監視装置を得ることを目的とする。
この発明に係るレール状態監視装置は、車両に設けられ、一対のレールのうちの第1のレールに送信される第1の電気信号と、前記一対のレールのうちの第2のレールに送信される第2の電気信号とのうちの少なくとも1つを送信する送信アンテナと、前記車両に設けられ、前記第1のレールを伝搬する前記第1の電気信号および前記第2のレールを伝搬する前記第2の電気信号のうちの少なくとも1つと、前記第1のレールと前記第2のレールとを含んで構成される環状の伝送路を伝搬する前記第1の電気信号および前記環状の伝送路を伝搬する前記第2の電気信号のうちの少なくとも1つとを受信する受信アンテナと、プロセッサとを備え、前記プロセッサは、第1の閾値と、前記第1の閾値より小さい第2の閾値とを予め設定しておき、前記受信アンテナで受信した電気信号の受信強度をそれぞれ算出し、各前記受信強度を、前記第1の閾値および前記第2の閾値と比較することで、高、中および低の3段階のレベルの1つに分類して、受信強度パターンを生成し、生成した前記受信強度パターンに基づいて、前記第1のレールおよび前記第2のレールのレール状態を、正常、レール破断、レール亀裂、レール表面異常の中の少なくともいずれか1つとして判定し、前記判定の結果を、レール状態情報として出力する。
この発明のレール状態監装置によれば、レール破断と誤判定することを抑制することができる。
この発明の実施の形態1に係るレール状態監視装置の構成を示した構成図である。 この発明の実施の形態1に係るレール状態監視装置の構成を示した構成図である。 この発明の実施の形態1に係るレール状態監視装置における電気信号の伝搬経路を示した図である。 この発明の実施の形態1に係るレール状態監視装置における電気信号の伝搬経路を示した図である。 この発明の実施の形態1に係るレール状態監視装置における電気信号の伝搬経路を示した図である。 この発明の実施の形態1に係るレール状態監視装置における電気信号の伝搬経路を示した図である。 この発明の実施の形態1に係るレール状態監視装置における電気信号の伝搬経路を示した図である。 この発明の実施の形態1に係るレール状態監視装置における電気信号の伝搬経路を示した図である。 この発明の実施の形態1に係るレール状態監視装置における電気信号の伝搬経路を示した図である。 この発明の実施の形態1に係るレール状態監視装置における電気信号の伝搬経路を示した図である。 この発明の実施の形態1に係るレール状態監視装置における判定表を示した図である。 この発明の実施の形態1に係るレール状態監視装置のハードウェア構成を示した図である。 この発明の実施の形態1に係るレール状態監視装置の処理の流れを示したフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係るレール状態監視装置の構成を示した構成図である。 この発明の実施の形態2に係るレール状態監視装置における電気信号の伝搬経路を示した図である。 この発明の実施の形態2に係るレール状態監視装置における電気信号の伝搬経路を示した図である。 この発明の実施の形態2に係るレール状態監視装置における判定表を示した図である。 この発明の実施の形態2に係るレール状態監視装置におけるアンテナ故障時とレール破断時との時系列データを示した図である。 この発明の実施の形態2に係るレール状態監視装置における判定表を示した図である。 この発明の実施の形態2に係るレール状態監視装置における電気信号の伝搬経路を示した図である。 この発明の実施の形態3に係るレール状態監視装置の構成を示した構成図である。 この発明の実施の形態3に係るレール状態監視装置の処理の流れを示した図である。 この発明の実施の形態3に係るレール状態監視装置の処理の流れを示したフローチャートである。 この発明の実施の形態3に係る線路を区分したブロックを示した図である。 この発明の実施の形態3に係るレール状態監視装置の処理の流れを示した図である。 この発明の実施の形態3に係るレール状態監視装置の処理の流れを示したフローチャートである。 この発明の実施の形態3に係る線路を区分したブロックを示した図である。 この発明の実施の形態4に係るレール状態監視装置の構成を示した構成図である。 この発明の実施の形態4に係るレール状態監視装置における正常時とレール亀裂時とレール破断時との時系列データを示した図である。 この発明の実施の形態5に係るレール状態監視装置における電気信号の伝搬経路を示した図である。 この発明の実施の形態5に係るレール状態監視装置における判定表を示した図である。 この発明の実施の形態5に係るレール状態監視装置における電気信号の伝搬経路を示した図である。 この発明の実施の形態5に係るレール状態監視装置における判定表を示した図である。
以下の説明において、同一または相当する構成については、同一符号を付して示す。
実施の形態1.
図1および図2は、この発明の実施の形態1に係るレール状態監視装置1の構成を模式的に示した図である。図1は平面図であり、図2は側面図である。
図1および図2に示されるように、レール状態監視装置1は、鉄道車両などの車両2に搭載されている。車両2は、一対の前方車輪3と、一対の後方車輪4とを備えている。車両2は、前方車輪3と後方車輪4とを用いて、2本のレール5および6の上を走行する。レール5とレール6とは、予め設定された空隙を介して、平行に設置されている。また、一対の前方車輪3は、レール5とレール6間の当該空隙に合わせて、車輪軸7を介して互いに連結されている。同様に、一対の後方車輪4は、レール5とレール6間の当該空隙に合わせて、車輪軸8を介して互いに連結されている。なお、車両2は、1以上の他の車両2と共に連結されて列車として走行する。
レール状態監視装置1は、第1の送信アンテナ101と、第2の送信アンテナ102と、第1の受信アンテナ201と、第2の受信アンテナ202と、送信部301と、受信部401と、解析部501と、情報伝送部601とを備えて構成されている。
第1の送信アンテナ101、第2の送信アンテナ102、第1の受信アンテナ201、および、第2の受信アンテナ202は、それぞれ、前方車輪3と後方車輪4との間に位置するように、車両2の床下に設置されている。
第1の送信アンテナ101と第1の受信アンテナ201とは、レール5の上方に、レール5の長手方向に沿って、予め設定された間隔をあけて設置されている。同様に、第2の送信アンテナ102と第2の受信アンテナ202とは、レール6の上方に、レール6の長手方向に沿って、予め設定された間隔をあけて設置されている。
第1の送信アンテナ101は、レール5に電気信号を伝送する。第2の送信アンテナ102は、レール6に電気信号を伝送する。また、第1の受信アンテナ201は、レール5を伝搬する電気信号、あるいは、レール5とレール6とを含んで構成される環状の伝送路を伝搬する電気信号を受信する。第2の受信アンテナ202は、レール6を伝搬する電気信号、あるいは、レール5とレール6とを含んで構成される環状の伝送路を伝搬する電気信号を受信する。
送信部301は、第1の送信アンテナ101および第2の送信アンテナ102に接続されている。送信部301は、第1の電気信号を生成して第1の送信アンテナ101へ出力するとともに、第2の電気信号を生成して第2の送信アンテナ102へ出力する。
受信部401は、第1の受信アンテナ201および第2の受信アンテナ202に接続されている。受信部401は、第1の受信アンテナ201および第2の受信アンテナ202で受信された第1の電気信号および第2の電気信号の受信強度および位相を算出する。なお、受信部401は、受信強度だけを算出してよく、あるいは、位相だけを算出するようにしてもよい。
解析部501は、受信部401に接続されている。解析部501は、受信部401で算出された受信強度を2つの閾値と比較することで、高、中、低の3段階のレベルに分類して、受信強度パターンを生成する。解析部501は、生成した受信強度パターンに基づいて、レール5およびレール6の状態を決定する。解析部501は、決定したレール状態を、レール状態情報として出力する。
情報伝送部601は、解析部501に接続されている。情報伝送部601は、解析部501から受信したレール状態情報を、外部に設けられた地上装置へ伝送する。地上装置については、後述の実施の形態3で説明する。
なお、送信部301、受信部401、解析部501、および、情報伝送部601の設置位置は、車両2の任意の場所でよく、特に限定されてない。
次に、動作について説明する。
送信部301は、予め設定された第1の周波数と第1の振幅とを持つ第1の電気信号を生成して、第1の電気信号を第1の送信アンテナ101へ出力する。また、送信部301は、予め設定された第2の周波数と第2の振幅とを持つ第2の電気信号を生成し、第2の電気信号を第2の送信アンテナ102へ出力する。
このとき、送信部301では、第1の電気信号と第2の電気信号が互いに干渉しないように、第1の電気信号と第2の電気信号とに対して多重化技術を適用する。具体的には、第1の電気信号の第1の周波数と第2の電気信号の第2の周波数とを互いに異なる周波数に設定する。あるいは、第1の電気信号と第2の電気信号とを、互いに異なる符号で符号変調または周波数変調する。あるいは、第1の電気信号と第2の電気信号とを時分割で送信するように、第1の送信アンテナ101および第2の送信アンテナ102を制御する。多重化技術としては、これらの技術に限定されず、他の多重化技術を適用してもよい。
第1の送信アンテナ101は、送信部301から第1の電気信号が入力されると、第1の電気信号をレール5へ向けて出力する。第2の送信アンテナ102は、送信部301から第2の電気信号が入力されると、第2の電気信号をレール6へ向けて出力する。これにより、第1の電気信号はレール5を伝搬し、第2の電気信号はレール6を伝搬する。このとき、レール5およびレール6が正常状態の場合と、レール5またはレール6に何らかの異常が発生している場合とでは、伝搬経路が変化する。以下に詳細に説明する。
はじめに、レール5およびレール6が正常状態の場合の第1の電気信号および第2の電気信号の伝搬経路について説明する。図3および図4は、レールが正常状態の場合の電気信号の伝搬経路の説明図である。なお、第1の電気信号の伝搬動作と第2の電気信号の伝搬動作とは基本的に同様であるため、以下では、第1の電気信号について主に説明する。
第1の送信アンテナ101は、送信部301から第1の電気信号が入力されると、第1の電気信号をレール5へ向けて出力する。この時、異なる2つの伝搬モードの波がレール5を伝搬する。図3に一方の伝搬モードの波を示し、図4に他方の伝搬モードの波を示す。
図3に示すように、一方の伝搬モードの波は、レール5上を伝搬する表面波21である。以下では、レール5上を伝搬する表面波21を第1の表面波21と呼び、レール6上を伝搬する表面波を第2の表面波22と呼ぶこととする。第1の表面波21は、第1の電気信号に対応する表面波であり、レール5上を伝搬するが、レール6上は伝搬しない。第2の表面波22は、第2の電気信号に対応する表面波であり、レール6上を伝搬するが、レール5上は伝搬しない。
また、図4に示すように、他方の伝搬モードの波は、ループコイル10を伝搬する誘導波である。ループコイル10は、レール5とレール6と車輪軸7と車輪軸8とで構成された、環状の伝送路である。以下では、第1の送信アンテナ101から出力された第1の電気信号に対応する誘導波を第1の誘導波31と呼び、第2の送信アンテナ102から出力された第2の電気信号に対応する誘導波を第2の誘導波32と呼ぶこととする。
もし、レール5またはレール6に、レール破断、あるいは、さびなどのレール表面異常が発生していた場合、車輪3および4とレール5または6との間に接触不良が発生する。その結果、ループコイル10の切断またはループコイル10のインピーダンス変化が発生する。そのため、表面波21および表面波22の伝搬状態、および、誘導波31および誘導波32の伝搬状態が変化する。本実施の形態1では、解析部501が、この伝搬状態の変化を検知して、レール5およびレール6の状態を判定する。
第1の電気信号は、図3に示すように、レール5上を第1の表面波21として伝搬するとともに、図4に示すように、ループコイル10を第1の誘導波31として伝搬する。
第1の表面波21は、レール5上を伝搬し、第1の受信アンテナ201が設置された地点まで到達する。一方、第1の誘導波31は、ループコイル10を伝搬して、第1の受信アンテナ201が設置された地点まで到達するだけでなく、第2の受信アンテナ202が設置された地点まで到達する。
同様に、第2の送信アンテナ102から出力された第2の電気信号は、図3に示すように、レール6上を第2の表面波22として伝搬するとともに、図4に示すように、ループコイル10を第2の誘導波32として伝搬する。
第2の表面波22は、レール6上を伝搬し、第2の受信アンテナ201が設置された地点まで到達する。一方、第2の誘導波32は、ループコイル10を伝搬して、第2の受信アンテナ202が設置された地点まで到達するだけでなく、第1の受信アンテナ201が設置された地点まで到達する。
第1の受信アンテナ201は、レール5を伝搬する電気信号を受信するように設置されている。そのため、第1の受信アンテナ201は、第1の表面波21および第1の誘導波31として伝搬する第1の電気信号と、第2の誘導波32として伝搬する第2の電気信号とを受信して、受信部401へ出力する。
第2の受信アンテナ202は、レール6を伝搬する電気信号を受信するように設置されている。そのため、第2の受信アンテナ202は、第2の表面波22および第2の誘導波32として伝搬する第2の電気信号と、第1の誘導波31として伝搬する第1の電気信号とを受信して、受信部401へ出力する。
受信部401は、第1の受信アンテナ201で受信した第1の電気信号および第2の電気信号、および、第2の受信アンテナ202で受信した第1の電気信号および第2の電気信号のそれぞれの受信強度を算出する。
解析部501は、受信部401で算出された受信強度を、2つの閾値と比較して、高、中、低の3段階のレベルに分類して、受信強度パターンを生成する。
正常時の受信強度パターンは、以下の通りとなる。
第1の受信アンテナ201:第1の電気信号:高
第1の受信アンテナ201:第2の電気信号:高
第2の受信アンテナ202:第1の電気信号:高
第2の受信アンテナ202:第2の電気信号:高
解析部501は、これら4つの電気信号の受信強度のレベルを順に並べて、「高、高、高、高」という受信強度パターンを生成し、当該受信強度パターンに基づいて、レール5およびレール6のレール状態は正常であると判定する。
次に、図5を用いて、レール5に破断が発生しているときの電気信号の伝搬経路について説明する。図5は、レール5に破断が発生している時の電気信号の伝搬経路の説明図である。
図5に示すように、第1の送信アンテナ101は、第1の電気信号が入力されると、第1の電気信号をレール5へ向けて出力する。第1の電気信号は、レール5を第1の表面波21として伝搬する。しかし、レール5に破断があるため、第1の受信アンテナ201の設置された地点までは到達しない。また、レール5の破断に伴って、ループコイル10も途中で切断されているため、第1の誘導波31も第2の受信アンテナ202の設置された地点まで伝搬しない。
第2の送信アンテナ102は、第2の電気信号が入力されると、第2の電気信号をレール6へ向けて出力する。第2の電気信号は、レール6を第2の表面波22として、第2の受信アンテナ202の設置された地点まで伝搬する。しかしながら、レール5の破断に伴って、ループコイル10が途中で切断されているため、第2の誘導波32は、第1の受信アンテナ201の設置された地点まで伝搬しない。
従って、第1の受信アンテナ201は、第1の電気信号および第2の電気信号の両方を受信しないので、無受信状態を通知する信号を受信部401へ出力する。
また、第2の受信アンテナ202は、第2の表面波22として伝搬してきた第2の電気信号のみを受信して、第2の電気信号のみを受信部401へ出力する。
従って、解析部501で生成される受信強度パターンは、以下の通りとなる。
第1の受信アンテナ201:第1の電気信号:低
第1の受信アンテナ201:第2の電気信号:低
第2の受信アンテナ202:第1の電気信号:低
第2の受信アンテナ202:第2の電気信号:高
解析部501は、「低、低、低、高」の受信強度パターンからレール5に破断が発生しており、レール6は正常であると判定する。
次に、図6を用いて、レール6に破断が発生しているときの電気信号について説明する。図6は、レール6に破断が発生している時の電気信号の伝搬経路の説明図である。レール6に破断が発生しているときも、レール5に破断が発生したときと同じルールで電気信号が伝搬する。
従って、第1の受信アンテナ201は、第1の表面波21として伝搬してきた第1の電気信号のみを受信して、第1の電気信号のみを受信部401へ出力する。
また、第2の受信アンテナ202は、第1の電気信号および第2の電気信号の両方を受信しないので、無受信状態を通知する信号を受信部401へ出力する。
従って、解析部501で生成される受信強度パターンは、以下の通りとなる。
第1の受信アンテナ201:第1の電気信号:高
第1の受信アンテナ201:第2の電気信号:低
第2の受信アンテナ202:第1の電気信号:低
第2の受信アンテナ202:第2の電気信号:低
解析部501は、「高、低、低、低」の受信強度パターンからレール6に破断が発生しており、レール5は正常であると判定する。
次に、図7を用いて、レール5およびレール6の両方が破断しているときの電気信号について説明する。このときは、第1の表面波21および第2の表面波22と、第1の誘導波31および第2の誘導波32とが、すべて、第1の受信アンテナ201および第2の受信アンテナ202まで伝搬しない。
従って、第1の受信アンテナ201は、第1の電気信号および第2の電気信号を受信しないので、無受信状態を通知する信号を受信部401へ出力する。
同様に、第2の受信アンテナ202は、第1の電気信号および第2の電気信号を受信しないので、無受信状態を通知する信号を受信部401へ出力する。
従って、解析部501で生成される受信強度パターンは、以下の通りとなる。
第1の受信アンテナ201:第1の電気信号:低
第1の受信アンテナ201:第2の電気信号:低
第2の受信アンテナ202:第1の電気信号:低
第2の受信アンテナ202:第2の電気信号:低
解析部501は、「低、低、低、低」の受信強度パターンからレール5およびレール6に破断が発生していると判定する。
次に、図8を用いて、レール5に亀裂が発生している時の電気信号の伝搬経路について説明する。このとき、レール5の抵抗値は、レール5に亀裂が生じているため、正常状態と比較して高くなる。レール5を伝搬する第1の表面波21は、抵抗値の上昇と亀裂箇所での散乱とにより、伝搬損失がレール正常状態と比較して大きくなる。また、レール5の亀裂に起因してループコイル10の抵抗値は、レール正常時と比較して高くなる。そのため、第1の誘導波31および第2の誘導波32の伝搬損失は、レール正常状態と比較して大きくなる。
第1の受信アンテナ201は、第1の電気信号と第2の電気信号とを受信して、受信部401へ出力する。第2の受信アンテナ202は、第1の電気信号と第2の電気信号とを受信して、受信部401へ出力する。このとき、第2の受信アンテナ202で第2の表面波22として伝搬する第2の電気信号の受信強度は、正常時と同じである。しかしながら、他の電気信号の受信強度は、レール5の亀裂の影響により、レール正常時と比べて小さくなるが、レール5の破断時の受信強度よりは大きい。
従って、解析部501で生成される受信強度パターンは、以下の通りとなる。
第1の受信アンテナ201:第1の電気信号:中
第1の受信アンテナ201:第2の電気信号:中
第2の受信アンテナ202:第1の電気信号:中
第2の受信アンテナ202:第2の電気信号:高
解析部501は、「中、中、中、高」の受信強度パターンからレール5に亀裂が発生しており、レール6は正常であると判定する。
次に、図9を用いて、レール6に亀裂が発生している時の電気信号の伝搬経路について説明する。このとき、レール6の抵抗値は、正常状態と比較して高くなる。レール6を伝搬する第2の表面波22は、抵抗値の上昇と亀裂箇所での散乱により、伝搬損失がレール正常状態と比較して大きくなる。また、レール6の亀裂に起因してループコイル10の抵抗値は、レール正常時と比較して高くなる。そのため、第1の誘導波31および第2の誘導波32の伝搬損失は、レール正常状態と比較して大きくなる。
第1の受信アンテナ201は、第1の電気信号と第2の電気信号とを受信して、受信部401へ出力する。第2の受信アンテナ202は、第1の電気信号と第2の電気信号を受信して、受信部401へ出力する。このとき、第1の受信アンテナ201で第1の表面波21として伝搬した第1の電気信号の受信強度は、正常時と同じであるが、他の電気信号の受信強度は、レール6の亀裂の影響より、レール正常時と比べて小さくなるが、レール6の破断時の受信強度よりは大きい。
従って、解析部501で生成される受信強度パターンは、以下の通りとなる。
第1の受信アンテナ201:第1の電気信号:高
第1の受信アンテナ201:第2の電気信号:中
第2の受信アンテナ202:第1の電気信号:中
第2の受信アンテナ202:第2の電気信号:中
解析部501は、「高、中、中、中」の受信強度パターンからレール6に亀裂が発生しており、レール5は正常であると判定する。
次に、図10を用いて、レール5またはレール6のいずれか一方もしくは両方で、レール表面にさびまたは異物付着が発生した場合について説明する。図10は、レール5の表面にさびまたは異物付着が発生した場合の電気信号の伝搬経路の説明図である。以下では、さびまたは異物付着を「レール表面異常」と呼び、レール表面異常が発生している箇所を、「異常箇所」と呼ぶこととする。
図10において、車輪3がレール5の異常箇所を通過する際に、車輪3とレール5との間に電気的な接触不良が発生する。これより、ループコイル10が切断状態もしくはループコイル10のインピーダンスが変化するので、第1の誘導波31と第2の誘導波32とは伝搬しない、もしくは、伝搬するエネルギーがレール正常時と比べて小さくなる。しかしながら、レール5は破断していないので、第1の表面波21は第1の受信アンテナ201まで伝搬し、第2の表面波22は第2の受信アンテナ202まで伝搬する。
第1の受信アンテナ201は、第1の表面波21として伝搬した第1の電気信号を受信し、第1の電気信号を受信部401へ出力する。
第2の受信アンテナ202は、第2の表面波22として伝搬した第2の電気信号を受信し、第2の電気信号を受信部401へ出力する。
従って、解析部501で生成される受信強度パターンは、以下の通りとなる。
第1の受信アンテナ201:第1の電気信号:高
第1の受信アンテナ201:第2の電気信号:低
第2の受信アンテナ202:第1の電気信号:低
第2の受信アンテナ202:第2の電気信号:高
解析部501は、「高、低、低、高」の受信強度パターンからレール5およびレール6の少なくともいずれか一方に、表面異常が発生していると判定する。
このように、解析部501は、第1の電気信号と第2の電気信号との受信強度の閾値判定を行う。解析部501は、閾値判定結果に基づいて、レール状態を判定する。これにより、解析部501は、レール5またはレール6のいずれか一方のレール破断、レール5およびレール6の両方のレール破断、レール亀裂、および、レール表面異常の発生の有無を判定し、判定結果を、レール状態情報として情報伝送部601へ出力する。
なお、上記の説明においては、解析部501で、受信強度を用いてレール状態を判定する例について説明した。しかしながら、これに限定されず、第1の電気信号および第2の電気信号の位相を用いて、レール状態を判定するようにしてもよい。また、第1の電気信号および第2の電気信号の受信強度と位相との両方を用いて、レール状態を判定するようにしてもよい。
図11に、受信強度を用いた場合の判定表を示す。当該判定表には、レール状態ごとの受信強度パターンが格納されている。
上述したように、解析部501は、2つの閾値を用いて、受信強度を高、中、低の3段階のレベルに分類する。すなわち、第1の閾値Th1と、第1の閾値Th1よりも小さい第2の閾値Th2とが予め設定されている。このとき、受信強度が第1の閾値Th1以上の場合を「高」、受信強度が第2の閾値Th2以上第1の閾値Th1未満の場合を「中」、受信強度が第2の閾値Th2未満の場合を「低」とする。
図11の判定表に示されるように、正常時は、第1の受信アンテナ201および第2の受信アンテナ202の両方で、第1の電気信号および第2の電気信号の受信強度は、すべて、「高」になるため、そのときの受信強度パターンは、「高、高、高、高」である。従って、第1の受信アンテナ201および第2の受信アンテナ202の両方で、第1の電気信号および第2の電気信号の受信強度がすべて「高」だった場合には、解析部501は、「高、高、高、高」という受信強度のパターンを生成する。そして、解析部501は、当該受信強度パターンと一致する受信強度パターンを図11の表の中から検索して、レール状態を「正常」と判定する。
一方、レール5が破断した場合には、第2の受信アンテナ202で受信した第2の電気信号の受信強度は「高」であるが、他の受信強度はすべて「低」となる。従って、解析部501は、「低、低、低、高」という受信強度のパターンと一致する受信強度パターンを、図11の表の中から検索して、レール状態を「レール5破断」と判定する。
また、レール5に亀裂が発生した場合には、第2の受信アンテナ202で受信した第2の電気信号の受信強度は「高」であるが、他の受信強度はすべて「中」となる。従って、解析部501は、「中、中、中、高」という受信強度のパターンと一致する受信強度パターンを、図11の表の中から検索して、レール状態を「レール5亀裂」と判定する。
このように、レール状態ごとに固有の受信強度パターンが得られるので、図11の判定表には、レール状態ごとの受信強度パターンが格納されている。解析部501は、図11の判定表から、一致する受信強度パターンを検索することで、現在のレール状態を判定して、レール状態情報を生成する。解析部501は、レール状態情報を情報伝送部601に送信する。情報伝送部601は、解析部501から受信したレール状態情報を、外部に設置された地上装置へ伝送する。地上装置は、車両2の外部の地上に設置されている。
なお、上述した本実施の形態1に係るレール状態監視装置における各機能は、処理回路によって実現される。各機能を実現する処理回路は、専用のハードウェアであってもよく、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサであってもよい。図12は、本実施の形態1に係るレール状態監視装置1の各機能をプロセッサおよびメモリを備えた処理回路により実現する場合を示した構成図である。
図12に示すように、レール状態監視装置1は、アンテナ1001,1008と、アナログ回路1002,1009と、ADC(analog to digital converter)1003と、DAC(digital to analog converter)1004と、CPU(central processing unit)1005と、I/F(interface)1006と、無線装置1007とを備えて構成されている。
CPU1005は、電気信号を生成して、DAC1004を介してアナログ回路1002へ出力する。アナログ回路1002は、電気信号を増幅して、アンテナ1001へ出力する。アンテナ1001は、電気信号を送信する。一方、アンテナ1008で受信された電気信号は、アナログ回路1009へ出力される。アナログ回路1009は、電気信号を増幅するとともにノイズを除去して、ADC1003を介して、CPU1005に送信する。CPU1005は、電気信号の受信強度の計測およびレール状態判定を実施する。CPU1005は、判定結果を、I/F1006を介して、無線装置1007へ出力する。無線装置1007は、判定結果を、外部装置または周辺車両へ伝送する。
このように、第1の送信アンテナ101、および、第2の送信アンテナ102は、アンテナ1001から構成される。同様に、第1の受信アンテナ201、および、第2の受信アンテナ202は、アンテナ1008から構成される。また、処理回路がプロセッサの場合、送信部301、受信部401、解析部501、および、情報伝送部601の各部の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアおよびファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリに格納される。プロセッサは、メモリに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、レール状態監視装置1は、処理回路により実行されるときに、送信ステップ、受信ステップ、解析ステップ、および、情報伝送ステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリを備える。
これらのプログラムは、上述した各部の手順あるいは方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリとは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリが該当する。また、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等も、メモリに該当する。
なお、上述した各部の機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述した各部の機能を実現することができる。
図13は、本実施の形態1に係るレール状態監視装置1の処理の流れを示したフローチャートである。図13の処理は、予め設定された周期で繰り返し実行される。
図13において、まず、ステップS1では、送信部301が、第1の電気信号を生成して第1の送信アンテナ101へ出力する。さらに、送信部301は、第2の電気信号を生成して第2の送信アンテナ102へ出力する。
ステップS2では、第1の送信アンテナ101が、第1の電気信号をレール5へ向けて出力する。また、第2の送信アンテナ102が、第2の電気信号をレール6へ向けて出力する。
ステップS3では、第1の受信アンテナ201および第2の受信アンテナ202が、第1の電気信号および第2の電気信号の受信を行う。
ステップS4では、受信部401が、第1の受信アンテナ201および第2の受信アンテナ202で受信された第1の電気信号および第2の電気信号の受信強度を算出して、解析部501へ出力する。
ステップS5では、解析部501が、受信部401で算出された受信強度を、閾値判定して、高、中、低の3段階のレベルに分類して、受信強度パターンを生成する。解析部501は、図11に示した判定表の中から、生成した受信強度パターンと一致するものを検索して、レール5およびレール6のレール状態を決定して、レール状態情報として出力する。
ステップS6では、情報伝送部601が、解析部501のレール状態情報を、外部に設けられた地上装置へ伝送する。
ステップS7では、解析部501が、レール5およびレール6のレール状態監視処理が終了したか否かを判定し、終了していなれば、ステップS1に戻り、終了していれば、レール状態監視処理を終了させる。
以上のように、本実施の形態1においては、解析部501が、表面波と誘導波の2つの伝搬波を解析することで、レール状態を、正常、破断、亀裂、表面異常の4つの状態のうちの少なくとも1つとして判定することができる。
なお、上述したように、特許文献1に記載の従来装置では、レールと車輪との接触不良においても電気信号が伝搬しなくなるので、レール破断と接触不良の判別ができずに誤判定が発生するという問題があった。そこで、他の従来装置では、この誤判定による誤検知率を低減するために、異なる車両にそれぞれレール状態監視装置を設置して、それぞれの検知結果を比較する構成がある。しかしながら、当該構成においても、一方の車両通過後にレールが破断するなど状態が変化した際には、車両間で検知結果が一致しないために正確な判定が困難となる。
これに対して、本実施の形態1に係るレール状態監視装置では、レール破断とレール表面異常とを区別して検出することができる。そのため、レール破断と誤判定することを抑制することができる。また、本実施の形態1に係るレール状態監視装置は、1つの装置構成で、より確度の高い判定を行うことができる。
さらに、本実施の形態1において、解析部501によって得られるレール状態情報を地点ごとにメモリに保存して、レール状態情報の経年変化を検出することもできる。すなわち、受信強度の低減の有無により、レール状態の劣化の有無を検出することができる。また、レール劣化が始まっている開始地点などを検出することで、精度の高いレール状態監視を可能とする。
さらに、レールの電気的特性は、気象条件などにより変動するが、本実施の形態1においては、経年変化を統計処理することで、気象条件などの影響を受けずに、確度の高いレール状態監視を可能とする。
さらに、本実施の形態1においては、レール状態監視装置1を、車両2に搭載された車上装置で構成するので、地上装置で構成した場合と比較して、初期設置および維持管理のコストを抑えることが可能となる。
実施の形態2.
図14は、この発明の実施の形態2に係るレール状態監視装置1Aの構成を模式的に示した図である。図14に示すように、本実施の形態2に係るレール状態監視装置1Aでは、実施の形態1で示した図2の構成に対して、装置故障検知部701が追加されている。本実施の形態2では、装置故障検知部701を設けることで、より信頼性の高いレール状態監視装置を提供することができる。他の構成および動作については、実施の形態1と同じである。
装置故障検知部701には、送信部301から、第1の電気信号および第2の電気信号が入力される。また、装置故障検知部701には、受信部401から、第1の受信アンテナ201および第2の受信アンテナ202で受信した第1の電気信号および第2の電気信号の受信強度が入力される。装置故障検知部701は、第1の電気信号の受信強度と第2の電気信号の受信強度の閾値判定を行う。このときの閾値は1つでよい。当該閾値を、以下では、閾値Th3と呼ぶ。以下では、装置故障検知部701が生成する受信強度パターンを、第2の受信強度パターンと呼ぶ。第2の受信強度パターンは、第1の受信アンテナ201で受信した第1の電気信号の受信強度および第2の電気信号の受信強度、および、第2の受信アンテナ202で受信した第1の電気信号の受信強度および第2の電気信号の受信強度を含む。
装置故障検知部701は、第1の受信アンテナ201および第2の受信アンテナ202で受信した第1の電気信号の受信強度が、共に、閾値Th3未満の場合には、「低、高、低、高」という第2の受信強度パターンを生成して、第1の送信アンテナ101の故障と判定する。
装置故障検知部701は、第1の受信アンテナ201および第2の受信アンテナ202で受信した第2の電気信号の受信強度が、共に、閾値Th3未満の場合には、「高、低、高、低」という第2の受信強度パターンを生成して、第2の送信アンテナ102の故障と判定する。
装置故障検知部701は、第1の受信アンテナ201で受信した第1の電気信号の受信強度および第2の電気信号の受信強度が、共に、閾値Th3未満の場合には、「低、低、高、高」という第2の受信強度パターンを生成して、第1の受信アンテナ201の故障と判定する。
装置故障検知部701は、第2の受信アンテナ202で受信した第1の電気信号の受信強度および第2の電気信号の受信強度が、共に、閾値Th3未満の場合には、「高、高、低、低」という第2の受信強度パターンを生成して、第2の受信アンテナ202の故障と判定する。
このように、装置故障検知部701により、装置の異常を検出することができる。さらに、その場合においても、装置故障検知部701の解析結果と解析部501の解析結果とを合わせることにより、装置が故障している場合においても、レール5およびレール6の一部の状態は検知することができる。
図15を用いて、第1の送信アンテナ101の故障した場合について説明する。
第1の送信アンテナ101が故障している場合、第1の電気信号は送信されない。そのため、第1の受信アンテナ201は、第2の誘導波32として伝搬された第2の電気信号を受信して、受信部401に出力する。また、第2の受信アンテナ202は、第2の表面波22および第2の誘導波32として伝搬された第2の電気信号を受信し、受信部401に出力する。
これにより、装置故障検知部701は、受信部401からの電気信号の受信強度に基づいて、第1の送信アンテナ101の故障と判定する。
このとき、第1の送信アンテナ101の故障に加えて、レール破断があった場合について説明する。その場合、ループコイル10が切断されているため、誘導波31および誘導波32は伝搬しない。従って、第1の受信アンテナ201は、無受信状態となる。第2の受信アンテナ202は、レール5が破断したときは、第2の表面波22を受信し、レール6が破断したときは無受信状態となる。
次に、第1の送信アンテナ101の故障に加えて、レール5にレール表面異常があった場合について説明する。その場合、車輪3がレール5の異常個所を通過する際に、車輪3とレール5との間に電気的な接触不良が発生する。そのため、ループコイル10が切断され、誘導波31および誘導波32は伝搬しない。従って、第1の受信アンテナ201は、無受信状態となる。第2の受信アンテナ202は、第2の表面波22だけを受信する。
このように、第1の送信アンテナ101が故障した場合においても、解析部501は、少なくともレール破断もしくはレール表面異常の検知は可能となる。
そのため、解析部501は、装置故障検知部701から、第1の送信アンテナ101が故障であることを通知する装置故障情報を受けた場合、第2の電気信号の受信強度だけを用いて、レール状態の判定を行う。同様に、解析部501は、装置故障検知部701から、第2の送信アンテナ102が故障であることを通知する装置故障情報を受けた場合、第1の電気信号の受信強度だけを用いて、レール状態の判定を行う。
次に、第1の受信アンテナ201の故障時の第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202の受信する電気信号について図16を用いて説明する。
第1の受信アンテナ201は、第1の表面波21と第1の誘導波31と第2の誘導波32とが伝搬してきているが、故障のため、受信できずに、無受信状態を出力する。
第2の受信アンテナ202は、第1の誘導波31と第2の表面波22と第2の誘導波32とを受信し、第1の電気信号と第2の電気信号を出力する。
これにより、装置故障検知部701は、受信部401からの電気信号の受信強度に基づいて、第1の受信アンテナ201の故障と判定する。
このとき、第1の受信アンテナ201の故障に加えて、レール破断があった場合について説明する。
レール5が破断したとき、第2の受信アンテナ202は第2の表面波22を受信する。レール6が破断したとき、第2の受信アンテナ202は無受信状態となる。
また、第1の受信アンテナ201の故障に加えて、レール表面異常があった場合について説明する。
レール表面異常があったときは、誘導波31および誘導波32は伝搬しない。そのため、第2の受信アンテナ202は、第2の表面波22を受信する。
このように、第1の受信アンテナ201が故障した場合においても、解析部501は、少なくともレール破断もしくはレール表面異常の検知は可能となる。
そのため、解析部501は、装置故障検知部701から、第1の受信アンテナ201が故障であることを通知する装置故障情報を受けた場合、第2の受信アンテナ202が受信した第1の電気信号および第2の電気信号の受信強度だけを用いて、レール状態の判定を行う。同様に、解析部501は、装置故障検知部701から、第2の受信アンテナ202が故障であることを通知する装置故障情報を受けた場合、第1の受信アンテナ201が受信した第1の電気信号および第2の電気信号の受信強度だけを用いて、レール状態の判定を行う。
次に、図18を用いて、送信アンテナまたは受信アンテナが故障した装置故障の場合、レール破断が発生した場合、および、レール表面異常が発生した場合のそれぞれの場合を区別するための判定方法について説明する。図18において、横軸は、列車位置を示し、縦軸は、受信強度を示す。また、図18において、実線50は、レール破断の場合の受信強度のグラフであり、実線51は、装置故障の場合の受信強度のグラフであり、実線52は、レール表面異常の場合の受信強度のグラフである。また、第1の送信アンテナ101と第1の受信アンテナ201との間の距離をL1とし、前方車輪3と後方車輪4との間の距離をL2とする。
図18において、実線50で示されるように、レール破断により受信強度が低下する区間は、距離L1以下となる。一方、実線51で示されるように、装置故障により受信強度が低下する区間は、距離L1より大きくなる。また、レール表面異常の場合は、異常箇所に車輪3または4が接触したときに信号が低下するため、実線52で示されるように、距離L2の間隔で、信号低下する区間が2回現れる。
従って、解析部501は、判定の精度をより高くするために、受信部401からの受信強度のデータに基づいて、受信強度が低下する持続区間を求めて、受信強度パターンと当該持続区間とに基づいて、レール状態を判定するようにしてもよい。その場合には、図19の判定表を用いる。当該判定表には、レール状態ごとに、受信強度パターンと持続区間の条件とが格納されている。解析部501は、受信部401で算出された受信強度に基づいて、受信強度パターンを生成するとともに、受信強度が低下する持続区間を算出する。そして、解析部501は、生成した受信強度パターンと一致するものを図19の判定表から検索し、一致した場合、算出した持続区間が、図19の判定表の持続区間の条件を満たしているか否かを判定する。このように、受信強度低下の持続区間の情報と第1の電気信号および第2の電気信号の受信強度とを用いてレール状態を判定するようにすれば、さらに、精度よく、レール5およびレール6の状態を判定することができる。
次に、図20を用いて、車輪3または車輪4に異常が発生したときの第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202が受信する電気信号について説明する。
車輪3または車輪4に異常が発生すると、ループコイル10の切断もしくはループコイル10のインピーダンス変化が発生するので、誘導波31および32の伝搬状態が変化する。第1の受信アンテナ201は、第1の表面波21を受信し、第1の電気信号を受信部401へ出力する。第2の受信アンテナ202は、第2の表面波22を受信し、第2の電気信号を受信部401へ出力する。そのため、解析部501で生成される受信強度パターンは「高、低、低、高」となる。この受信強度パターンは、レール5およびレール6の表面異常の場合と同じである。従って、車輪3または車輪4の異常の場合とレール表面異常が発生した場合とを区別する判定方法について以下に説明する。
まず、車輪3または車輪4の異常の場合とレール表面異常が発生した場合との相違点について説明する。レール表面異常が発生したときは、車輪が異常箇所を通過した瞬間だけループコイル10が切断される。異常箇所は前方車輪3と後方車輪4とが順に通過するので、列車の走行速度と前後車輪の間隔とに基づいて算出された時間間隔をあけて、ループコイル10が2回切断される。従って、受信強度が低下する持続区間は、距離L2の間隔で2回現れる。一方、車輪3または車輪4に異常が発生したときは、常時、ループコイル10が切断されているため、受信強度が低下する持続区間は、距離L1より大きくなる。従って、解析部501は、生成した受信強度パターンと一致するものを図19の判定表から検索し、一致した場合、算出した持続区間が、図19の判定表の持続区間の条件を満たしているか否かを判定する。そうすることで、解析部501は、車輪3または車輪4の異常の場合とレール表面異常が発生した場合とを区別して正しく判定することができる。
以上のことから、解析部501および装置故障検知部701が、図19に示す判定表に従って、受信強度低下の持続区間の情報と第1の電気信号および第2の電気信号の受信強度とを用いて判定を行うようにすれば、さらに、精度よく、レール5およびレール6の状態、および、装置の状態を判定することができる。図19の判定表においては、すべての受信強度パターンが互いに異なり、すべての条件が重複することがないので、レール状態を1つ以上の状態に特定することができる。
以上のように、本実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に、解析部501が、表面波21および22と誘導波31および32の2つの伝搬波を解析することで、レール状態を、正常、レール破断、レール亀裂、レール表面異常のいずれであるかを判定できる。さらに、本実施の形態2では、装置故障検知部701を設けたため、レール状態監視装置1Aの故障も同時に判定することができる。
従って、本実施の形態2によれば、レール状態監視装置1Aの装置故障とレール状態の異常とを区別して判定することができる。このように、本実施の形態2によれば、レール状態監視装置1Aの故障検知ができるので、フェールセーフなシステムを実現できる。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3においては、レール状態監視装置1が、地上装置40と連携した場合について説明する。ここでは、レールに異常状態が発生したときの安全な列車運行管理の方法について説明する。
図21に示すように、地上装置40は、情報伝送部801と運行管理部901とを備えて構成されている。レール状態監視装置1の構成については、実施の形態1で説明したレール状態監視装置1と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
レール状態監視装置1において、情報伝送部601は、解析部501から受信したレール状態情報を地上装置40へ伝送する。なお、当該レール状態情報には、車両2の車両位置と、解析部501によって判定されたレール状態と、第1の受信アンテナ201と第2の受信アンテナ202とで受信したそれぞれの第1の電気信号の受信強度と第2の電気信号の受信強度とが含まれる。
なお、車両2の車両位置の取得方法としては、例えば、地図と衛星測位とにより計測した車両位置を取得してもよいし、あるいは、既設の列車制御装置が管理している列車のキロ呈位置を取得してもよい。ここで、列車制御装置とは、全ての列車の運行を制御している装置である。
地上装置40の情報伝送部801は、レール状態監視装置1からレール状態情報を受信すると、運行管理部901へ出力する。
運行管理部901は、情報伝送部801から入力されたレール状態情報を読み取る。その結果、当該レール状態情報に、レール破断、レール亀裂などの異常情報が含まれている場合、運行管理部901は、当該異常情報を、情報伝送部801を介して、他の列車に向けて送信する。さらに、運行管理部901は、必要に応じて、他の列車の走行を停止させる、または、他の列車を徐行させるための指示信号を生成して、情報伝送部801を介して、他の列車に向けて送信する。
本実施の形態3は、特に、移動閉塞システムにおいて有効である。すなわち、レール破断時に、固定閉塞システムの概念を仮想的に取り入れた運用を行うことで安全性を向上させることができる。なお、移動閉塞システムとは、先行列車との距離、および、双方の列車の速度を考慮して、列車間隔を制御する閉塞方式である。これに対し、固定閉塞システムは、閉塞区間が固定されている閉塞方式である。固定閉塞システムでは、閉塞区間は、隣接する駅の間の区間、あるいは、隣接する信号機の間の区間に設定される。
図22〜図24は、1つの駅と次の駅との中間の地点で、レール状態監視装置1が、レール破断を検知したときの具体例である。図24に示すように、レールを複数の区間に分割して、複数のブロックを形成する。図24の例では、5つのブロック、すなわち、ブロックB1001、B1002、B1003、B1004、および、B1005が形成されている。図示しない列車制御装置と地上装置40とは、これらのブロックのブロック情報をメモリに保持している。なお、列車制御装置とは、全ての列車の運行を制御する装置である。
図22および図23に示すように、まず、ステップS11で、車両2に搭載されたレール状態監視装置1が、レール破断を検知する。
次に、ステップS12で、レール状態監視装置1は、レール破断位置の情報を、レール状態情報として、地上装置40に通知する。
次に、ステップS13で、地上装置40は、無線装置41を介して、レール破断位置の情報を受信する。地上装置40は、レール破断位置が含まれるブロックを特定し、当該ブロックを進入禁止区間に設定する。
次に、ステップS14で、地上装置40は、全ての列車に対して、進入禁止区間となったブロックの情報を無線装置41を介して伝送し、各列車が進入禁止区間に設定されたブロックを通過することを抑制する。
図25〜図27は、駅構内でレール破断を検知したときの具体例である。上記の図24で説明したように、レールは、複数の区間に分割されて、複数のブロックを形成している。図24の例では、5つのブロック、すなわち、ブロックB1001、B1002、B1003、B1004、および、B1005が形成されている。列車制御装置と地上装置40は、ブロック情報および仮想軌道情報をメモリに保持している。
このとき、まず、ステップS21で、図27に示すように、ブロックB1001、B1002、B1003、B1004、および、B1005に、仮想軌道回路を割り当てて、在線情報を仮想軌道回路に変換する。仮想軌道回路は、従来の列車運行管理で活用している軌道回路と同じ役割を果たす。なお、仮想軌道回路の割当方法としては、1つのブロックに対して1つの仮想軌道回路が割り当てられてもよく、あるいは、複数のブロックに対して1つの仮想軌道回路が割り当てられてもよい。
次に、ステップS22で、地上装置40は、電子連動装置42に、仮想軌道回路の情報を転送する。これにより、電子連動装置42は、仮想軌道回路での動作を開始する。電子連動装置42は、信号設備を駆動制御する装置である。
次に、ステップS23で、車両2に搭載されたレール状態監視装置1が、レール破断を検知する。
次に、ステップS24で、レール状態監視装置1は、レール破断位置の情報を、レール状態情報として、地上装置40に通知する。
次に、ステップS25で、地上装置40は、無線装置41を介して、レール破断位置の情報を受信する。地上装置40は、レール破断位置が含まれるブロックを特定し、当該ブロックに対応する仮想軌道回路を停止させる。
次に、ステップS26で、電子連動装置42は、仮想軌道回路が停止したため、当該仮想軌道回路に関係する信号設備を鎖錠する。
以上のように、本実施の形態3によれば、レール状態監視装置1が地上装置40と連携するようにしたので、同じ路線を走行している列車で情報展開することで、安全な列車運行を維持することができる。
なお、上記の実施の形態3の説明においては、実施の形態1のレール状態監視装置1と地上装置40とが連携した場合について説明したが、実施の形態2のレール状態監視装置1Aと地上装置40とが連携するようにしてもよい。その場合においても、同様の効果が得られる。
なお、上記の説明においては、実施の形態1に係るレール状態監視装置1が、地上装置40と連携した場合について説明したが、その場合に限らず、実施の形態2に係るレール状態監視装置1Aが、地上装置40と連携するようにしてもよい。
実施の形態4.
図28は、この発明の実施の形態4に係るレール状態監視装置1と地上装置40Aとを示した図である。
実施の形態4においても、実施の形態3と同様に、レール状態監視装置1が、地上装置40Aと連携する場合について説明する。レール状態監視装置1の構成については、実施の形態1で説明したレール状態監視装置1と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
図28に示すように、地上装置40Aは、情報伝送部801と、運行管理部901と、解析部1101とを備えて構成されている。情報伝送部801と運行管理部901の動作は、基本的に、実施の形態3と同じである。以下では、地上装置40Aの動作として、実施の形態3の地上装置40と異なる点を説明する。
解析部1101は、各車両2に搭載されているレール状態監視装置1からのレール状態情報と、車両2の列車位置から算出したモニタリング位置とを合わせてメモリに蓄積する。解析部1101は、複数のレール状態情報を統計処理して、レール全体のレール状態を一括管理する。これにより、より確度の高いレール状態監視が可能となる。
以下、動作について説明する。
レール状態監視装置1の情報伝送部601は、列車位置とレール状態と第1の受信アンテナと第2の受信アンテナとで受信した第1の電気信号の受信強度及び位相と第2の電気信号の受信強度及び位相を含むレール状態情報を地上装置40Aへ伝送する。
地上装置40の情報伝送部601は、レール状態情報を運行管理部901と解析部1101とに出力する。
解析部1101は、列車位置毎に、表面波21および22の受信強度と位相、および、誘導波31および32の受信強度と位相をそれぞれ記憶し、各列車位置における表面波21および22の受信強度と位相の時系列データ、および、誘導波31および32の受信強度と位相の時系列データを解析する。
図29は、ある地点での表面波または誘導波の受信強度の時系列データを示す。図29において、横軸は時間、縦軸は受信信号強度を示す。
レール5または6に亀裂がはいると、表面波21または22は、亀裂箇所で再放射するなど伝搬状態が変化する。このため、亀裂発生により表面波21または22の受信強度は低下する。解析部1101は、同一地点における表面波21または22の受信強度をモニタし、この受信強度を、閾値Th1およびTh2を用いて、閾値判定することで、亀裂状態を検知する。
また、レール5または6に亀裂が入ると、ループコイル10のインピーダンスが変化するため、誘導波31または32の受信強度および位相が変化する。このため、図29に示すように、受信強度の時系列データをモニタリングして、亀裂発生による誘導波の受信強度と位相の変化を検知することで、亀裂状態を検知する。また、亀裂以外に、レール抵抗値の上昇要因となるさびによる腐食などのレール表面異常の検知も同様に可能となる。
解析部1101は、レール状態が正常か亀裂かの判定結果を、第2のレール状態情報として運行管理部901へ出力する。
運行管理部901は、第2のレール状態情報の中に、レール状態が亀裂であることを示す情報が含まれている場合に、レール亀裂情報と列車徐行などを指示する指示情報を情報伝送部801へ出力する。
情報伝送部801は、指示情報を他列車へ送信する。
以上のように、本実施の形態4によれば、地上装置40Aの解析部1101が、各地点における表面波21および22と誘導波31および32の伝搬状態の経時変化を解析することで、レール破断前の亀裂状態を検出することができる。このように、本実施の形態4によれば、レール破断前に亀裂箇所を検知できるので、より安全な列車運行を維持することができる。
なお、上記の説明においては、実施の形態1に係るレール状態監視装置1が、地上装置40Aと連携した場合について説明したが、その場合に限らず、実施の形態2に係るレール状態監視装置1Aが、地上装置40Aと連携するようにしてもよい。
実施の形態5.
この発明の実施の形態5においては、送信アンテナおよび受信アンテナの別の形態について説明する。
本実施の形態5においては、図30に示すように、図1に示した第2の送信アンテナ102が設けられていない。従って、図30に示すように、本実施の形態5に係るレール状態監視装置1Bは、第1の送信アンテナ101と、第1の受信アンテナ201と、第2の受信アンテナ202とを備えて構成されている。また、図30では、図示を省略しているが、レール状態監視装置1Bは、図1に示した、送信部301、受信部401、解析部501、および、情報伝送部601も備えている。
第1の受信アンテナ201は、第1の表面波21と第1の誘導波31として伝搬した第1の電気信号を受信して、受信部401に送信する。
第2の受信アンテナ202は、第1の誘導波31として伝搬した第1の電気信号を受信して、受信部401に送信する。
受信部401は、第1の受信アンテナ201および第2の受信アンテナ202で受信した第1の電気信号の受信強度を算出する。
解析部501は、受信部401で算出された受信強度に基づいて、図31に示す判定表を用いて、レール5およびレール6のレール状態を判定する。
また、レール状態監視装置1Bが、実施の形態2で示した装置故障検知部701を備えていてもよい。その場合には、装置故障検知部701が、受信部401で算出された受信強度に基づいて、図31に示す判定表を用いて、第1の送信アンテナ101、第1の受信アンテナ201、第2の受信アンテナ202、車輪3および4の故障の有無を判定する。
このように、図30に示す構成においても、レール5および6の正常、レール破断、レール表面異常、レール亀裂の状態を判別することができる。
また、上記の説明においては、送信アンテナが1つの場合について説明したが、受信アンテナを1つにしてもよい。すなわち、レール状態監視装置1Bが、第1の送信アンテナ101と、第2の送信アンテナ102と、第1の受信アンテナ201とを備えて構成されている。
その場合には、第1の受信アンテナ201は、第1の表面波21と第1の誘導波31として伝搬した第1の電気信号を受信して、受信部401に送信する。また、第1の受信アンテナ201は、第2の表面波22と第2の誘導波32として伝搬した第2の電気信号を受信して、受信部401に送信する。
受信部401は、第1の受信アンテナ201で受信した第1の電気信号の受信強度および第2の電気信号の受信強度を算出する。
解析部501は、受信部401で算出された受信強度に基づいて、図31または図33に示す判定表を用いて、レール5およびレール6のレール状態を判定する。
また、この場合においても、レール状態監視装置1Bが、実施の形態2で示した装置故障検知部701を備えていてもよい。その場合には、装置故障検知部701が、受信部401で算出された受信強度に基づいて、図31または図33に示す判定表を用いて、第1の送信アンテナ101、第2の送信アンテナ102、第1の受信アンテナ201、車輪3および4の故障の有無を判定する。
以上のように、本実施の形態5によれば、送信アンテナが1個の場合、あるいは、受信アンテナが1個の場合においても、図31または図33に示す判定表を用いることにより、解析部501が、レール5および6のレール状態を、正常、レール破断、レール表面異常、レール亀裂の中から判別することができる。
本発明を或る特定の好ましい実施の形態を参照して説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲内で様々な他の適応及び変更を行うことができることは理解されたい。したがって、添付の特許請求の範囲の目的は、本発明の真の趣旨及び範囲内に入るすべての変形及び変更を包含することである。
1,1A,1B レール状態監視装置、2 車両、3,4 車輪、5,6 レール、101 第1の送信アンテナ、102 第2の送信アンテナ、201 第1の受信アンテナ、202 第2の受信アンテナ、301 送信部、401 受信部、501 信号解析部、601 情報伝送部、701 装置故障検知部。

Claims (8)

  1. 車両に設けられ、一対のレールのうちの第1のレールに送信される第1の電気信号と、前記一対のレールのうちの第2のレールに送信される第2の電気信号とのうちの少なくとも1つを送信する送信アンテナと、
    前記車両に設けられ、前記第1のレールを伝搬する前記第1の電気信号および前記第2のレールを伝搬する前記第2の電気信号のうちの少なくとも1つと、前記第1のレールと前記第2のレールとを含んで構成される環状の伝送路を伝搬する前記第1の電気信号および前記環状の伝送路を伝搬する前記第2の電気信号のうちの少なくとも1つとを受信する受信アンテナと、
    第1の閾値と、前記第1の閾値より小さい第2の閾値とを予め設定しておき、
    前記受信アンテナで受信した電気信号の受信強度をそれぞれ算出し、
    各前記受信強度を、前記第1の閾値および前記第2の閾値と比較することで、高、中および低の3段階のレベルの1つに分類して、受信強度パターンを生成し、
    生成した前記受信強度パターンに基づいて、前記第1のレールおよび前記第2のレールのレール状態を、正常、レール破断、レール亀裂、レール表面異常の中の少なくともいずれか1つとして判定し、前記判定の結果を、レール状態情報として出力し、
    正常、レール破断、レール亀裂、レール表面異常のレール状態ごとに、受信強度パターンを格納した判定表を予めメモリに保存しておき、
    前記生成した受信強度パターンと一致する受信強度パターンを前記判定表から検索することで、前記第1のレールおよび前記第2のレールのレール状態を、正常、レール破断、レール亀裂、レール表面異常の中の少なくともいずれか1つとして判定する、解析部と、
    第3の閾値を予め設定しておき、
    前記受信アンテナで受信した前記第1の電気信号および前記第2の電気信号の受信強度のそれぞれを、前記第3の閾値と比較することで、高および低の2段階のレベルの1つに分類して、第2の受信強度パターンを生成し、
    前記第2の受信強度パターンに基づいて、前記送信アンテナおよび前記受信アンテナが異常か否かを判定し、異常の場合に、装置故障情報として出力する、
    前記送信アンテナおよび前記受信アンテナが異常か否かを判定する装置故障検知部と、
    を備えた、レール状態監視装置。
  2. 前記送信アンテナは、
    前記車両に設けられ、前記第1のレールに前記第1の電気信号を送信する第1の送信アンテナと、
    前記車両に設けられ、前記第2のレールに前記第2の電気信号を送信する第2の送信アンテナと
    を含み、
    前記受信アンテナは、
    前記車両に設けられ、前記第1のレールを伝搬する前記第1の電気信号および前記環状の伝送路を伝搬する前記第2の電気信号を受信する第1の受信アンテナと、
    前記車両に設けられ、前記第2のレールを伝搬する前記第2の電気信号および前記環状の伝送路を伝搬する前記第1の電気信号を受信する第2の受信アンテナと
    を含み、
    前記解析部は、
    前記第1の受信アンテナで受信した前記第1の電気信号の受信強度および前記第2の電気信号の受信強度を算出して、それぞれ、第1の受信強度および第2の受信強度として出力し、
    前記第2の受信アンテナで受信した前記第1の電気信号の受信強度および前記第2の電気信号の受信強度を算出して、それぞれ、第3の受信強度および第4の受信強度として出力し、
    前記第1の受信強度、前記第2の受信強度、前記第3の受信強度、および、前記第4の受信強度を、それぞれ、前記第1の閾値および前記第2の閾値と比較することで、高、中および低の3段階のレベルの1つに分類して、受信強度パターンを生成し、
    前記受信強度パターンに基づいて、前記第1のレールおよび前記第2のレールのレール状態を、正常、レール破断、レール亀裂、レール表面異常の中の少なくともいずれか1つとして判定し、前記判定の結果を、レール状態情報として出力する、
    請求項1に記載のレール状態監視装置。
  3. 前記送信アンテナは、
    前記車両に設けられ、前記第1のレールに前記第1の電気信号を送信する第1の送信アンテナ
    を含み、
    前記受信アンテナは、
    前記車両に設けられ、前記第1のレールを伝搬する前記第1の電気信号を受信する第1の受信アンテナと、
    前記車両に設けられ、前記環状の伝送路を伝搬する前記第1の電気信号を受信する第2の受信アンテナと
    を含み、
    前記解析部は、
    前記第1の受信アンテナで受信した前記第1の電気信号の受信強度を算出して、第1の受信強度として出力し、
    前記第2の受信アンテナで受信した前記第1の電気信号の受信強度を算出して、第2の受信強度として出力し、
    前記第1の受信強度、および、前記第2の受信強度を、それぞれ、前記第1の閾値および前記第2の閾値と比較することで、高、中および低の3段階のレベルの1つに分類して、受信強度パターンを生成し、
    前記受信強度パターンに基づいて、前記第1のレールおよび前記第2のレールのレール状態を、正常、レール破断、レール亀裂、レール表面異常の中の少なくともいずれか1つとして判定し、前記判定の結果を、レール状態情報として出力する、
    請求項1に記載のレール状態監視装置。
  4. 前記送信アンテナは、
    前記車両に設けられ、前記第1のレールに前記第1の電気信号を送信する第1の送信アンテナと、
    前記車両に設けられ、前記第2のレールに前記第2の電気信号を送信する第2の送信アンテナと
    を含み、
    前記受信アンテナは、
    前記車両に設けられ、前記第1のレールを伝搬する前記第1の電気信号および前記環状の伝送路を伝搬する前記第2の電気信号を受信する第1の受信アンテナ
    を含み、
    前記解析部は、
    前記第1の受信アンテナで受信した前記第1の電気信号の受信強度および前記第2の電気信号の受信強度を算出して、それぞれ、第1の受信強度および第2の受信強度として出力し、
    前記第1の受信強度、および、前記第2の受信強度を、それぞれ、前記第1の閾値および前記第2の閾値と比較することで、高、中および低の3段階のレベルの1つに分類して、受信強度パターンを生成し、
    前記受信強度パターンに基づいて、前記第1のレールおよび前記第2のレールのレール状態を、正常、レール破断、レール亀裂、レール表面異常の中の少なくともいずれか1つとして判定し、前記判定の結果を、レール状態情報として出力する、
    請求項1に記載のレール状態監視装置。
  5. 前記解析部は、
    前記レール状態情報の時系列データを前記レールの地点ごとにメモリに保存する、
    請求項1に記載のレール状態監視装置。
  6. 前記解析部は、
    算出した前記受信強度のレベルが低となる持続区間を求め、
    前記持続区間および前記受信強度パターンに基づいて、前記第1のレールおよび前記第2のレールのレール状態を、正常、レール破断、レール亀裂、レール表面異常の中の少なくともいずれか1つとして判定し、前記判定の結果を、レール状態情報として出力する、
    請求項1に記載のレール状態監視装置。
  7. 前記レール状態情報を、地上に設けられた地上装置に、無線で送信する、情報伝送部をさらに備えた、
    請求項1に記載のレール状態監視装置。
  8. 前記受信アンテナが受信する前記第1の電気信号は、
    前記第1のレールを伝搬する前記第1の電気信号の表面波と、
    前記環状の伝送路を伝搬する前記第1の電気信号の誘導波を含み、
    前記受信アンテナが受信する前記第2の電気信号は、
    前記第2のレールを伝搬する前記第2の電気信号の表面波と、
    前記環状の伝送路を伝搬する前記第2の電気信号の誘導波を含む、
    請求項1に記載のレール状態監視装置。
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