JP2000085581A - 列車運行情報抽出装置 - Google Patents

列車運行情報抽出装置

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JP2000085581A
JP2000085581A JP26422498A JP26422498A JP2000085581A JP 2000085581 A JP2000085581 A JP 2000085581A JP 26422498 A JP26422498 A JP 26422498A JP 26422498 A JP26422498 A JP 26422498A JP 2000085581 A JP2000085581 A JP 2000085581A
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JP26422498A
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Toshihito Shirai
白井  稔人
Akira Morisada
晃 森貞
Masayoshi Sakai
坂井  正善
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Nippon Signal Co Ltd
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Nippon Signal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】列車に電力を供給するための集電用導体を伝搬
媒体として車上と地上の間で弾性波の送受信を行うこと
により、列車の運行情報を確実に得ることのできる列車
運行情報抽出装置を提供する。 【解決手段】車上に設けられた集電装置2がトロリー線
3を摺動することによりトロリー線3からの電力供給を
受けて列車1が軌道4上を走行する。その際集電装置2
とトロリー線3の摺動に起因してトロリー線3内に弾性
波が発生し、該弾性波がトロリー線3内を伝搬して受信
装置5で受信される。受信装置5は、受信した弾性波の
特徴を基に、集電装置2までの距離を判定して列車1の
運行情報を地上側に伝える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両の運行状
況に関する情報を抽出するための列車運行情報抽出装置
に関し、特に、車上と地上の間で集電用導体を介して弾
性波を送受信することにより列車の運行情報を得る列車
運行情報抽出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】列車の位置や速度等に関する運行情報を
得るための従来の技術としては、例えば、軌道を複数の
閉塞区間に分割し、各閉塞区間毎に列車の存在の有無を
検出する固定閉塞システムや、通信衛星を利用して列車
自体でその存在位置を検知するGPS(Global Positio
ning System )などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
固定閉塞システムでは、地上側で列車の存在位置を検知
する中央集中方式であって、例えば、1つの閉塞区間の
故障はそれを含む全線の障害となり易く、また、閉塞区
間の変更は容易でない等、その柔軟性と保守性に課題が
ある。さらに、この閉塞システムでは、隣接する閉塞区
間同志のレールを絶縁し、閉塞区間の2本のレールが車
輪により電気的に短絡されることを利用して列車の存在
検知が行われるため、例えば、レール表面が錆びて抵抗
値が大きくなると列車が存在しているにも拘わらず列車
の不在を検知する虞がある等、本質的にレールと車輪の
接触抵抗の値が安全管理上問題となる。
【0004】また、従来のGPSでは、例えば、前方列
車との車間距離等を知ろうとすると、別途車両間或いは
列車−地上間の通信システムが必要となり、システム構
成が複雑化するという欠点がある。なお、弾性波を用い
て列車の位置や速度等を検出するようにしたものは、本
出願人により先に提案されている(例えば、特開平4−
362463号公報や特開平9−188250号公報
等)。しかし、これらは、弾性波の伝搬媒体としてトロ
リー線等の集電用導体を利用したものではない。
【0005】本発明は上記の事情に鑑みなされたもの
で、列車に電力を供給するための集電用導体を伝搬媒体
として弾性波の送受信を行うことにより、列車の運行情
報を確実に得ることのできる列車運行情報抽出装置を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、車上に設けられた集電装置が集電用導体を摺
動することにより、前記集電用導体からの電力供給を受
けて走行する列車の運行情報を抽出する列車運行情報抽
出装置において、前記集電用導体を伝搬する弾性波を受
信する弾性波受信手段と、該弾性波受信手段で受信され
た弾性波を基に、前記列車の運行情報を抽出処理する処
理手段と、を備えて構成されるものである。
【0007】かかる構成によれば、列車の運行に伴って
集電用導体を伝搬する弾性波が、弾性波受信手段に到達
して受信されると、その受信された弾性波を示す信号が
処理手段に送られ、処理手段では、その受信信号を基に
弾性波受信手段から列車までの距離が求められ、例えば
列車の位置や速度等に関する運行情報が抽出されるよう
になる。このように、集電用導体を介して弾性波を送受
信することで、列車の運行情報を得ることが可能とな
る。
【0008】上記列車運行情報抽出装置の一態様とし
て、前記弾性波受信手段は、前記弾性波受信手段は、前
記集電装置と前記集電用導体の摺動に起因して前記集電
用導体内に発生し伝搬する弾性波を地上側で受信し、前
記処理手段は、前記弾性波受信手段で受信された弾性波
の特徴と前記弾性波受信手段から前記集電装置までの距
離に対応させて予め設定した弾性波の特徴とを比較した
結果に基づいて、前記列車の運行情報を抽出する構成と
するのが好ましい。
【0009】かかる構成によれば、列車の運行に伴っ
て、集電装置が集電用導体を摺動することに起因して集
電用導体内に弾性波が発生し、該弾性波が集電用導体を
伝搬する。この集電用導体を伝搬する弾性波が、地上側
の弾性波受信手段で受信され、実際に受信された弾性波
の特徴と予め設定された弾性波の特徴とが、処理手段で
比較されて弾性波受信手段から列車までの距離が判定さ
れ、列車の位置に関する運行情報が抽出されるようにな
る。
【0010】上述した列車運行情報抽出装置の他の態様
としては、弾性波を生成して前記集電用導体に送信する
弾性波送信手段を備え、前記弾性波受信手段が、前記弾
性波送信手段から送信され前記集電用導体を伝搬する前
記弾性波を受信する構成とするのが好ましい。かかる構
成によれば、弾性波送信手段で生成された弾性波が集電
用導体に送信され、その弾性波が集電用導体を伝搬して
弾性波受信手段で受信される。この受信された弾性波を
基に、処理手段で列車の運行情報の抽出が行われるよう
になる。
【0011】また、上記他の態様については、前記弾性
波送信手段が、周期的に弾性波を生成して前記集電用導
体に送信し、前記処理手段は、前記弾性波送信手段の弾
性波送信周期と同期がとられ、前記弾性波受信手段での
前記弾性波の受信時刻に応じて求めた前記弾性波の伝搬
時間および予め設定した弾性波伝搬速度に基づいて、前
記列車の運行情報を抽出する構成としてもよい。
【0012】かかる構成によれば、弾性波送信手段から
集電用導体に周期的な弾性波が送信され、該弾性波が集
電用導体を伝搬して弾性波受信手段で受信され、受信結
果が処理手段に送られる。弾性波送信手段と同期のとら
れた処理手段では、弾性波の送信時刻と受信時刻の差を
基に弾性波の伝搬時間が求められ、該伝搬時間および予
め設定された弾性波伝搬速度から列車の位置や速度等に
関する運行情報が抽出されるようになる。
【0013】さらに、上記列車運行情報抽出装置の具体
的な構成としては、前記弾性波送信手段が車上側に設け
られ、前記弾性波受信手段が地上側に設けられて、前記
処理手段が、抽出した前記列車の運行情報を地上側に伝
えるようにしてもよい。または、前記弾性波送信手段が
地上側に設けられ、前記弾性波受信手段が車上側に設け
られて、前記処理手段が、抽出した前記列車の運行情報
を車上側に伝えるようにしても構わない。
【0014】かかる構成によれば、車上と地上の間で集
電用導体を介して弾性波の送受信が行われ、地上側また
は車上側に列車の運行情報が伝えられるようになる。ま
た、上述したそれぞれの態様については、異常検出用の
弾性波を生成して前記集電用導体に送信する異常検出用
弾性波送信手段を地上側に設け、前記処理手段は、前記
異常検出用弾性波送信手段から送信された弾性波が前記
弾性波受信手段で受信されなくなったとき、前記列車の
運行情報の抽出処理を中止して異常発生を報知するよう
にしてもよい。
【0015】かかる構成によれば、集電装置と集電用導
体との摺動に起因する弾性波または弾性波送信手段から
送信される弾性波とは別に、異常検出用の弾性波が異常
検出用弾性波送信手段から集電用導体に送信され、集電
用導体内を伝搬される。弾性波受信手段が正常に動作し
ている場合には、摺動等により弾性波が発生すると、そ
の弾性波が異常検出用の弾性波と伴に弾性波受信手段で
受信され、その結果が処理手段に送られて列車の運行情
報抽出処理が実行される。一方、弾性波受信手段に異常
が発生した場合には、摺動等による弾性波の発生の有無
に関係なく、異常検出用の弾性波が弾性波受信手段で受
信されなくなるため、このような場合には、処理手段で
の運行情報抽出処理が中止され異常発生が報知されるよ
うになる。
【0016】また、上述した各態様の弾性波受信手段の
具体的な構成としては、前記集電用導体の変位を検出す
ることにより前記弾性波を受信するようにしてもよく、
或いは、前記集電用導体より発生する音波を検出するこ
とにより前記弾性波を受信するようにしても構わない。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は、第1の実施形態に係る列車
運行情報抽出装置の基本構成を示す図である。図1にお
いて、列車1は、車両上部に設けられた集電装置2が集
電用導体である架空式のトロリー線3を摺動することに
より、トロリー線3からの電力供給を受けて軌道4上を
走行する。この集電装置2はトロリー線3に接触してす
り動くので、その接触部分からは音響波が発生する。こ
の音響波の一部がトロリー線3に伝わり弾性波となって
トロリー線3内を伝搬する。この弾性波を基に列車1の
運行情報を抽出する本列車運行情報抽出装置は、トロリ
ー線3に沿った地上側の所定の位置に設けられた受信装
置5から構成され、トロリー線3内を伝搬する弾性波が
受信装置5に到達して受信処理される。なお、ここで
は、弾性波の伝搬媒体となる集電用導体をトロリー線と
したが、本発明の集電用導体はこれに限らず、例えばサ
イドレール等としても構わない。
【0018】図2に、集電装置2の具体的な構成の一例
を示す。ただし、この集電装置は一般に用いられている
ものと同様の構成であり、ここではその概略について簡
単に説明する。図2において、集電装置2を構成するパ
ンタグラフは、例えば、菱形の押し当て機構21によ
り、一対の集電舟22,22がトロリー線3に押し当て
られている。各集電舟22,22には、すり板23,2
3がそれぞれ備えられており、この各すり板23,23
がトロリー線3を摺動することで、トロリー線3から列
車1に電流を引き出している。摺動部Aは、トロリー線
3とすり板23の接触部分であり、両者がすり合うこと
で音響的な振動が発生することになる。摺動部Aで発生
した音響的な振動の一部は、トロリー線3内に弾性波を
発生させ、この弾性波がトロリー線3を伝搬媒体として
伝搬される。トロリー線3を伝搬する弾性波は、そのエ
ネルギーに応じてトロリー線3の表面を変位させ、ま
た、空気の振動(音波)としてトロリー線3の外部にも
放出される。なお、トロリー線3は、集電装置2が押し
当てられているため、その押し当て力によっても変位し
ている。
【0019】図3に、受信装置5の具体的な構成の一例
を示す。図3において、受信装置5は、弾性波受信手段
としての受信器51と、処理手段としての処理回路52
と、から構成される。この受信装置5は、トロリー線3
に沿った地上側の任意の位置に設けることができ、設置
後にその位置を変更することも可能である。
【0020】受信器51としては、トロリー線3の表面
の変位を検出して弾性波を受信するもの、或いは、トロ
リー線3から発生する音波を検出して弾性波を受信する
ものなどを使用できる。この受信器51の具体例を、図
4〜図7に示す。図4は、受信器51として変位計を用
いる場合である。この変位計は、トロリー線3に近設さ
れており、トロリー線3の表面の変位を検出するもので
ある。なお、変位計を用いる場合には、その分解能が十
分であるか否かに注意を要する。具体的には、トロリー
線3が金属製であるので弾性波の伝搬速度は通常2km
/s以上となり、弾性波の周波数を例えば20kHzと
すると、その波長は10cm以上となる。したがって、
例えばレーザ変位計を用いるようにすれば、そのスポッ
ト径を1mm以下にできるので、トロリー線3の表面の
変位を十分な分解能で検出できる。
【0021】図5は、受信器51として振動計を用いる
場合である。この振動計は、トロリー線3に密着されて
おり、トロリー線3の表面の振動(変位)を検出するも
のである。前述した変位計を用いる場合と同様に、弾性
波の波長に比べて十分に小型の振動計を使用すること
で、十分な分解能による検出が可能となる。図6は、受
信器51として騒音計(弾性波受信器)を用いる場合で
ある。この騒音計は、トロリー線3に近設されており、
トロリー線3から外部に漏れてくる音波を検出するもの
である。
【0022】図7は、上記図6の騒音計を用いる場合の
変形例で、密着材を介して騒音計をトロリー線3に密着
させるようにしたものである。音響的にトロリー線3と
整合する材料を密着材に用いることで、上記図6の場合
に起こり得る空気中の音波の拡散を防止して効率的に弾
性波(音波)が受信できるようになる。また、密着材を
絶縁材料とすれば、トロリー線3の高電圧から絶縁され
た状態で弾性波を受信することも可能である。
【0023】処理回路52は、受信器51から出力され
る信号が入力される。この処理回路52には、受信器5
1から集電装置2までの距離Lに対応させて、受信器5
1で受信され得る弾性波の特徴に関する情報(例えば、
弾性波の受信レベルや信号波形等)が予め設定・記憶さ
れている。処理回路52は、受信器51からの信号と予
め設定された情報とを比較し、その結果を基に列車1の
運行情報を抽出して地上側に出力する。
【0024】上記のような構成の列車運行情報抽出装置
では、集電装置2のすり板23,23とトロリー線3と
の摺動に起因してトロリー線3内に発生し伝搬する弾性
波が、受信装置5まで到達して受信器51で受信される
と、その受信信号が処理回路52に送られる。処理回路
52では、予め設定・記憶された情報と実際の受信信号
についての受信レベル等の特徴とが比較され、実際の受
信信号に最も近い情報に対応する伝搬距離に従って、実
際の距離L(受信器51から集電装置2までの距離)が
判定される。そして、判定した距離Lと受信装置5の位
置を基に、列車1の在線位置が特定されて運行情報とし
て地上側に出力される。
【0025】抽出された列車1の運行情報は、図示しな
いが様々な出力装置を介して地上側に伝達され得る。例
えば、鉄道線路の保全作業を行う現場作業者に対して列
車運行情報を提供するような用途では、可搬式の表示装
置等に運行情報を出力するのが望ましい。上記のような
保全作業は、必要に際して適時、随所で行われるので、
別途可搬式の表示装置を用意して作業者が運行情報を手
元で見られるようにすることは非常に有用である。な
お、上記のように出力装置のみを可搬式とするだけでな
く、出力装置および処理回路52を可搬式としたり、さ
らには出力装置、処理回路52および受信器51を可搬
式としたりしてもよい。
【0026】このように第1の実施形態によれば、列車
1に電力を供給するトロリー線3を伝搬媒体として車上
と地上との間で弾性波を送受信することで、列車1の運
行情報を得ることができ、設置区間の変更等にも柔軟に
対応できる簡略な構成の列車運行情報抽出装置を実現可
能である。また、弾性波の伝搬媒体をトロリー線3とす
ることで、集電装置2とトロリー線3の摺動に起因して
トロリー線3内に発生する弾性波を運行情報を得るため
の信号として利用できるため、弾性波をトロリー線3に
送るための送信器等を特に設ける必要がなく、簡略な構
成の列車運行情報抽出装置を提供することができる。さ
らに、抽出した運行情報を可搬式の表示装置等に出力さ
せれば、特に、現場作業者に列車の運行情報を提供する
用途等において本装置は有用である。
【0027】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。図8は、第2の実施形態に係る列車運行情報抽
出装置の基本構成を示す図である。ただし、上述した第
1の実施形態の構成と同一の部分には同一の符号を付し
てその説明を省略する。図8において、本装置の構成が
第1の実施形態の構成と異なる部分は、弾性波を生成し
てトロリー線3に送信する弾性波送信手段としての送信
装置6が、押し当て装置7を介して列車1の車両上部に
設けられており、また、第1の実施形態で用いた受信装
置5に代えて受信装置5’を設けた部分である。その他
の部分の構成は第1の実施形態の構成と同様である。
【0028】なお、図8では、集電装置が省略されてい
るが、第1の実施形態の場合と同様に列車1上に集電装
置が設けられていて、その集電装置を介してトロリー線
3からの電力が列車1に供給されている。また、この集
電装置に上記の送信装置6を設けて、集電装置と押し当
て装置7とを兼用するようにしても構わない。送信装置
6は、押し当て装置7からの押し当て力によりトロリー
線3に密着され、列車1の走行に伴ってトロリー線3を
摺動する。トロリー線3との摺動部Bには、例えば、ト
ロリー線3と音響的に整合する絶縁材料等を用いること
で、トロリー線3の高電圧と絶縁された状態で弾性波を
効率良くトロリー線3に送信することができる。この送
信装置6の具体的な構成については後述する。
【0029】なお、ここでは送信装置6がトロリー線3
に押し当てられるようにしたが、これに限らず、例え
ば、送信装置6をトロリー線3に押し当てずにトロリー
線3近傍に配置し、送信装置6から送信された弾性波を
空気を介してトロリー線3に伝える構成とすることもで
きる。ただし、送信装置6をトロリー線3に密着させた
方が、送信装置6からトロリー線3に弾性波を効率的に
伝達することができる。
【0030】押し当て装置7は、例えば、上述の図2に
示したパンタグラフと同様の構造(ただし、図8ではく
の字形の構造)を用い、図2の集電舟22に該当する部
分に埋め込まれた送信装置6が、トロリー線3に押し当
てられるようにしたものである。図9は、送信装置6お
よび受信装置5’の構成例を示すブロック図である。
【0031】図9において、送信装置6は、時計61、
送信回路62および弾性波送信器63から構成される。
時計61は、図10の上段に示すように、所定の時刻毎
にパルス信号S1を生成して送信回路62に伝達する。
送信回路62は、時計1からのパルス信号S1を受信す
ると、所定の期間、所定の周波数で弾性波送信器63を
駆動させる、図10の中段に示すような駆動信号S2を
生成して弾性波送信器63に送る。弾性波送信器63
は、送信回路62からの駆動信号S2に従って駆動され
ている間弾性波を発生し、トロリー線3に弾性波を送信
する。この弾性波はトロリー線3内を伝搬して受信装置
5’に到達し受信される。
【0032】受信装置5’は、受信器51、受信回路5
3、時計54および処理回路55から構成される。受信
器51は、上述の図4〜図7に示したような各種の構成
とすることができ、送信装置6からトロリー線3を伝搬
して送られてきた弾性波を検出して、その検出結果を受
信回路53に伝達する。受信回路53は、受信器51で
の検出結果に応じて、図10の下段に示すような受信信
号S3を生成して処理回路55に送る。
【0033】この処理回路55には、送信装置6の時計
61と同期した時計54で生成されたパルス信号S4
(図10の上段)が入力されている。送信側の時計61
と受信側の時計54との同期は、例えば、図示しないが
外部の校正信号発生源から発信される校正信号(例えば
GPS信号等)を各時計61,54で受信して行うな
ど、公知の方法によって行われる。上記の受信信号S3
は、送信装置6から送信される弾性波(送信回路62か
ら出力される駆動信号S2に対応)に対してトロリー線
3等の伝搬時間だけ遅れた信号となる。このため、処理
回路55は、パルス信号S4の入力時刻と受信信号S3
の入力時刻との差Δtを算出して上記伝搬時間を求め、
この伝搬時間Δtおよび予め設定・記憶された弾性波伝
搬速度を基に、列車1の運行情報を抽出して地上側に出
力する。
【0034】上記のような構成の列車運行情報抽出装置
では、装置の起動とともに送信装置6および受信装置
5’の各時計61,54から同期したパルス信号S1お
よびS4が発生して送信回路62および処理回路55に
送られる。送信回路62では、時計61からのパルス信
号S1に従って駆動信号S2が生成されて弾性波送信器
63に出力され、この駆動信号S2により弾性波送信器
63が駆動されて、所定の周波数の弾性波が断続的に放
出される。この弾性波は、摺動部Bを介してトロリー線
3に伝達され、トロリー線3内を伝搬して受信装置5’
に達して受信器51で受信される。受信器51で受信さ
れた信号は、受信回路53に送られて受信信号S3とな
り処理回路55に出力される。この受信信号S3は、処
理回路55で、時計54からのパルス信号S4と比較さ
れ、各信号の入力時刻の差より弾性波の伝搬時間Δtが
求められる。この伝搬時間Δtと予め設定・記憶された
弾性波伝搬速度との積より、受信装置5’から送信装置
5までの距離Lが算出され、該距離Lおよび受信装置
5’の位置より列車1の在線位置が抽出される。また、
複数の伝搬時間Δtに基づいて、列車1の速度も容易に
算出される。これら列車1の位置や速度が運行情報とし
て地上側に出力される。
【0035】このように第2の実施形態によれば、第1
の実施形態の場合と同様に、トロリー線3を伝搬媒体と
して車上と地上の間で弾性波を送受信することで、列車
1の運行情報を得ることができ、設置区間の変更等にも
柔軟に対応できる簡略な構成の列車運行情報抽出装置を
実現可能である。また、弾性波を周期的に発生する送信
装置6を車上側に設け、該送信装置6に同期した受信装
置5’を地上側に設けたことにより、弾性波の伝搬時間
Δtが受信装置5’で求められるようになるため、既知
の弾性波伝搬速度を用いて列車1の位置や速度を算出す
ることが可能となる。
【0036】なお、上述した第2の実施形態では、送信
装置6を車上側に設け、受信装置5’を地上側に設ける
構成としたが、本発明はこれに限らず図11に示すよう
に、トロリー線3に沿った地上側の所定の位置に送信装
置6を設け、列車1の車両上部に支持装置を介して受信
装置5’を設けて、地上側の既知の送信装置6からの弾
性波をトロリー線3を介して車上側で受信し、受信装置
5’で抽出した自列車1の運行情報を車上側に伝えるよ
うにしてもよい。
【0037】次に、第3の実施形態について説明する。
上述した第1、2の実施形態において、例えば故障等の
異常発生によって、受信器51の受信能力が失われてし
まった場合、列車から送られる弾性波が受信器51に到
達しているにも拘わらず、弾性波が受信されていない状
態と誤ってしまう。第3の実施形態は、上記のような異
常発生時の誤動作を防ぐための改良を、例えば第2の実
施形態に施したものである。なお、第1の実施形態につ
いても同様の改良を施すことが可能である。
【0038】図12は、第3の実施形態に係る列車運行
情報抽出装置の基本構成を示す図である。ただし、上述
した第2の実施形態の構成と同一の部分には同一の符号
を付してその説明を省略する。図12において、本装置
の構成が第2の実施形態の構成と異なる部分は、異常検
出用の弾性波を生成してトロリー線3に送信する異常検
出用弾性波送信手段としての送信装置6’が、トロリー
線3に沿った地上側の所定位置に設けられおり、また、
第2の実施形態で用いた受信装置5に代えて受信装置
5”を設けた部分である。その他の部分の構成は第2の
実施形態の構成と同様である。
【0039】送信装置6’は、列車1上の送信器6で生
成される弾性波とは異なる異常検出用の弾性波を常時生
成しトロリー線3に送信する。この異常検出用の弾性波
は、トロリー線3を伝搬して受信装置5”で受信され
る。受信装置5”は、図9に示した受信装置5’と同様
の構成であるが、処理回路55について、受信器51で
受信され弾性波が送信装置6’から送信された異常検出
用の弾性波であるか否かを受信回路53からの信号を基
に識別し、その識別結果に応じた処理を実行する機能を
付加したことが、受信装置5’と異なる点である。
【0040】このような構成の列車運行情報抽出装置で
は、受信器51が正常に動作している場合、送信装置
6’から送信された異常検出用の弾性波がトロリー線3
を介して受信器51で受信され、受信回路53を介して
処理回路55に送られる。処理回路55は、受信器51
で異常検出用の弾性波が受信されていることをもって受
信器51の正常動作が確認されたとして、第2の実施形
態の場合と同様に、列車1上の送信装置6から送信され
る弾性波に基づく運行情報の抽出処理を実行する。一
方、受信器51に故障などが生じて弾性波受信能力を喪
失したような場合には、送信装置6’から送信された異
常検出用の弾性波が受信器51に到達しているにも拘わ
らず受信器51で受信できなくなる。処理回路55は、
受信器51で異常検出用の弾性波が受信できていないこ
とをもって受信器51の異常発生を判断し、列車1の運
行情報抽出処理を中止して、例えば受信器51の異常発
生を報知する信号等を外部に出力する。
【0041】上記のように第3の実施形態によれば、受
信器51での異常発生が確実に検出され誤動作が防止さ
れるようになって、より正確な列車1の運行情報を得る
ことができるようになる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の列車運行
情報抽出装置によれば、集電用導体を伝搬媒体として車
上と地上の間で弾性波を送受信するようにしたことで、
列車の運行情報の抽出が可能で、設置区間の変更等にも
柔軟に対応可能な列車運行情報抽出装置を簡略な構成に
より実現できる。
【0043】また、集電装置と集電用導体の摺動に起因
して集電用導体内に発生する弾性波を、列車の運行情報
を得るための信号として利用すれば、弾性波を集電用導
体に送るための手段を特に設ける必要がなくなるため、
より簡略な構成の列車運行情報抽出装置を提供すること
ができる。一方、弾性波を集電用導体に送信する弾性波
送信手段を設け、その弾性波を周期的に発生させ、処理
手段を弾性波送信手段に同期させるようにすれば、処理
手段において弾性波の伝搬時間が求められるようになる
ため、既知の弾性波伝搬速度を用いて列車の位置や速度
に関する運行情報を抽出することが可能となる。さら
に、弾性波送信手段を車上側または地上側に設け、弾性
波受信手段を弾性波送信手段と異なる側に設けること
で、車上と地上の間で運行情報の伝達を行うことができ
る。
【0044】さらに、異常検出用送信手段を設け、異常
検出用の弾性波が弾性波受信手段で受信されなくなると
処理手段が異常発生を報知するようにしたことで、弾性
波受信手段での異常発生が確実に検出され誤動作が防止
されるようになって、より正確な列車の運行情報を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の基本構成を示す図で
ある。
【図2】同上第1の実施形態の集電装置の構成を示す図
である。
【図3】同上第1の実施形態の受信装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図4】同上第1の実施形態の受信器を変位計とした例
示図である。
【図5】同上第1の実施形態の受信器を振動計とした例
示図である。
【図6】同上第1の実施形態の受信器を騒音計とした例
示図である。
【図7】同上第1の実施形態の受信器を密着材を介した
騒音計とした例示図である。
【図8】本発明の第2の実施形態の基本構成を示す図で
ある。
【図9】同上第2の実施形態の送信装置および受信装置
の構成を示すブロック図である。
【図10】同上第2の実施形態の送信装置および受信装
置の各部における信号波形を示す図である。
【図11】同上第2の実施形態について、送信装置を地
上に設け、受信装置を車上に設けた場合の構成例を示す
図である。
【図12】本発明の第3の実施形態の基本構成を示す図
である。
【符号の説明】
1…列車 2…集電装置 3…トロリー線 4…軌道 5,5’,5”…受信装置 6,6’…送信装置 21…押し当て機構 22…集電舟 23…すり板 51…受信器 52,55…処理回路 53…受信回路 54,61…時計 62…送信回路 63…弾性波送信器 A,B…摺動部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂井 正善 埼玉県浦和市上木崎1丁目13番8号 日本 信号株式会社与野事業所内 Fターム(参考) 5H115 PG01 PI01 SL01 SL06 SL07 SL08 TD20 5H161 AA01 BB02 BB06 CC13 DD25

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車上に設けられた集電装置が集電用導体を
    摺動することにより、前記集電用導体からの電力供給を
    受けて走行する列車の運行情報を抽出する列車運行情報
    抽出装置において、 前記集電用導体を伝搬する弾性波を受信する弾性波受信
    手段と、 該弾性波受信手段で受信された弾性波を基に、前記列車
    の運行情報を抽出処理する処理手段と、 を備えて構成されたことを特徴とする列車運行情報抽出
    装置。
  2. 【請求項2】前記弾性波受信手段は、前記集電装置と前
    記集電用導体の摺動に起因して前記集電用導体内に発生
    し伝搬する弾性波を地上側で受信し、 前記処理手段は、前記弾性波受信手段で受信された弾性
    波の特徴と前記弾性波受信手段から前記集電装置までの
    距離に対応させて予め設定した弾性波の特徴とを比較し
    た結果に基づいて、前記列車の運行情報を抽出する構成
    としたことを特徴とする請求項1記載の列車運行情報抽
    出装置。
  3. 【請求項3】弾性波を生成して前記集電用導体に送信す
    る弾性波送信手段を備え、 前記弾性波受信手段が、前記弾性波送信手段から送信さ
    れ前記集電用導体を伝搬する前記弾性波を受信する構成
    としたことを特徴とする請求項1記載の列車運行情報抽
    出装置。
  4. 【請求項4】前記弾性波送信手段が、周期的に弾性波を
    生成して前記集電用導体に送信し、 前記処理手段は、前記弾性波送信手段の弾性波送信周期
    と同期がとられ、前記弾性波受信手段での前記弾性波の
    受信時刻に応じて求めた前記弾性波の伝搬時間および予
    め設定した弾性波伝搬速度に基づいて、前記列車の運行
    情報を抽出する構成としたことを特徴とする請求項3記
    載の列車運行情報抽出装置。
  5. 【請求項5】前記弾性波送信手段が車上側に設けられ、
    前記弾性波受信手段が地上側に設けられて、前記処理手
    段が、抽出した前記列車の運行情報を地上側に伝える構
    成としたことを特徴とする請求項4記載の列車運行情報
    抽出装置。
  6. 【請求項6】前記弾性波送信手段が地上側に設けられ、
    前記弾性波受信手段が車上側に設けられて、前記処理手
    段が、抽出した前記列車の運行情報を車上側に伝える構
    成としたことを特徴とする請求項4記載の列車運行情報
    抽出装置。
  7. 【請求項7】異常検出用の弾性波を生成して前記集電用
    導体に送信する異常検出用弾性波送信手段を地上側に設
    け、 前記処理手段は、前記異常検出用弾性波送信手段から送
    信された弾性波が前記弾性波受信手段で受信されなくな
    ったとき、前記列車の運行情報の抽出処理を中止して異
    常発生を報知することを特徴とする請求項1〜6のいず
    れか1つに記載の列車運行情報抽出装置。
  8. 【請求項8】前記弾性波受信手段が、前記集電用導体の
    変位を検出することにより前記弾性波を受信することを
    特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の列車運
    行情報抽出装置。
  9. 【請求項9】前記弾性波受信手段が、前記集電用導体よ
    り発生する音波を検出することにより前記弾性波を受信
    することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記
    載の列車運行情報抽出装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007261401A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Akebono Brake Ind Co Ltd パンタグラフ位置検出装置及びパンタグラフ位置検出方法
WO2015068788A1 (ja) * 2013-11-11 2015-05-14 株式会社 明電舎 電車の自己位置推定装置

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