JPH1134228A - ポリエチレン被覆鋼材 - Google Patents
ポリエチレン被覆鋼材Info
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- JPH1134228A JPH1134228A JP19392997A JP19392997A JPH1134228A JP H1134228 A JPH1134228 A JP H1134228A JP 19392997 A JP19392997 A JP 19392997A JP 19392997 A JP19392997 A JP 19392997A JP H1134228 A JPH1134228 A JP H1134228A
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- layer
- resin layer
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Abstract
(57)【要約】
【課題】ベンド管等の素材として好適な加工性および防
食性に優れたポリエチレン被覆鋼材の提供。 【解決手段】(1)被覆層に接着樹脂層とポリエチレン
防食樹脂層を含むポリエチレン被覆鋼材であって、接着
樹脂層を形成する接着樹脂がメタクリル酸を1〜20質
量%含むエチレン−メタクリル酸共重合体であるポリエ
チレン被覆鋼材。 (2)被覆層にプライマー層、接着樹脂層、ポリエチレ
ン防食樹脂層を含むポリエチレン被覆鋼材であって、プ
ライマー層の膜厚が10〜100μmであり、接着樹脂
層を形成する接着樹脂がメタクリル酸を1〜20質量%
含むエチレン−メタクリル酸共重合体である樹脂被覆鋼
材。
食性に優れたポリエチレン被覆鋼材の提供。 【解決手段】(1)被覆層に接着樹脂層とポリエチレン
防食樹脂層を含むポリエチレン被覆鋼材であって、接着
樹脂層を形成する接着樹脂がメタクリル酸を1〜20質
量%含むエチレン−メタクリル酸共重合体であるポリエ
チレン被覆鋼材。 (2)被覆層にプライマー層、接着樹脂層、ポリエチレ
ン防食樹脂層を含むポリエチレン被覆鋼材であって、プ
ライマー層の膜厚が10〜100μmであり、接着樹脂
層を形成する接着樹脂がメタクリル酸を1〜20質量%
含むエチレン−メタクリル酸共重合体である樹脂被覆鋼
材。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工性および防食
性に優れたポリエチレン被覆鋼材、とりわけベンド管等
の製造における加工前の中間素材として好適なポリエチ
レン樹脂被覆鋼管に関する。
性に優れたポリエチレン被覆鋼材、とりわけベンド管等
の製造における加工前の中間素材として好適なポリエチ
レン樹脂被覆鋼管に関する。
【0002】
【従来の技術】土壌埋設、海水への湿漬、氷塊や流木の
衝突などが繰り返される海洋環境などの厳しい環境で使
用される鋼材は、高耐食性と強度を兼ね備えたポリエチ
レン樹脂で被覆されることが多い。このようなポリエチ
レン被覆鋼材の被覆層には、最外層のポリエチレン防食
樹脂層の剥離が生じないように、ポリエチレン防食樹脂
層と鋼材との間に無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂
からなる接着樹脂層が設けられるのが普通である。さら
に、単に接着樹脂層を設けるのではなく、鋼材表面にク
ロメート処理層およびプライマー層を下地処理として施
すことも普通に行われる。
衝突などが繰り返される海洋環境などの厳しい環境で使
用される鋼材は、高耐食性と強度を兼ね備えたポリエチ
レン樹脂で被覆されることが多い。このようなポリエチ
レン被覆鋼材の被覆層には、最外層のポリエチレン防食
樹脂層の剥離が生じないように、ポリエチレン防食樹脂
層と鋼材との間に無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂
からなる接着樹脂層が設けられるのが普通である。さら
に、単に接着樹脂層を設けるのではなく、鋼材表面にク
ロメート処理層およびプライマー層を下地処理として施
すことも普通に行われる。
【0003】このような多層構造による優れた防食性を
確保するために各種の下地処理方法が提案されている。
例えば、リン酸と無水クロム酸の混合液を有機系還元剤
で部分的に還元し、シリカ系微粒子とシランカップリン
グ剤を用いて得られるクロメート処理層を有するポリオ
レフィン被覆鋼材が提案されている(特開平3−234
527号公報)。また、フェノールノボラック型のグリ
シジルエーテルを必須成分として含むエポキシ樹脂、ジ
シアンジアミド系硬化剤、イミダゾール系硬化剤および
無機顔料からなるプライマー層を有するポリオレフィン
被覆鋼材の提案もなされている(特開平3−12655
0号公報)。これらの樹脂被覆鋼材は加工を受けない部
分では高度の密着性が保たれ非常に優れた防食性を発揮
する。しかしながら、曲げ等の加工を施すと、樹脂の鋼
材表面への密着力が著しく低下し、剥離または剥離が観
察されないまでも著しく防食性が低下するといった大き
な問題があった。したがって、従来、例えば曲管のよう
な加工が施される鋼管の場合には、樹脂被覆されていな
い鋼管を加工後、ポリエチレン粉体、ウレタンエラスト
マー等により加工部を被覆しなければならず、製造工程
が煩雑となり、製造費も高くならざるをえなかった。
確保するために各種の下地処理方法が提案されている。
例えば、リン酸と無水クロム酸の混合液を有機系還元剤
で部分的に還元し、シリカ系微粒子とシランカップリン
グ剤を用いて得られるクロメート処理層を有するポリオ
レフィン被覆鋼材が提案されている(特開平3−234
527号公報)。また、フェノールノボラック型のグリ
シジルエーテルを必須成分として含むエポキシ樹脂、ジ
シアンジアミド系硬化剤、イミダゾール系硬化剤および
無機顔料からなるプライマー層を有するポリオレフィン
被覆鋼材の提案もなされている(特開平3−12655
0号公報)。これらの樹脂被覆鋼材は加工を受けない部
分では高度の密着性が保たれ非常に優れた防食性を発揮
する。しかしながら、曲げ等の加工を施すと、樹脂の鋼
材表面への密着力が著しく低下し、剥離または剥離が観
察されないまでも著しく防食性が低下するといった大き
な問題があった。したがって、従来、例えば曲管のよう
な加工が施される鋼管の場合には、樹脂被覆されていな
い鋼管を加工後、ポリエチレン粉体、ウレタンエラスト
マー等により加工部を被覆しなければならず、製造工程
が煩雑となり、製造費も高くならざるをえなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、樹脂被覆を
施した鋼材を加工しても樹脂被覆の鋼材への密着力の低
下を生じない加工性および防食性に優れたポリエチレン
被覆鋼材を提供することを目的とする。
施した鋼材を加工しても樹脂被覆の鋼材への密着力の低
下を生じない加工性および防食性に優れたポリエチレン
被覆鋼材を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の問
題点を解決するために、被覆層のうち接着樹脂層に用い
られる接着樹脂について広範な試験を重ねた結果、下記
の事項を確認することができた。
題点を解決するために、被覆層のうち接着樹脂層に用い
られる接着樹脂について広範な試験を重ねた結果、下記
の事項を確認することができた。
【0006】(a)接着樹脂としてメタクリル酸を適正
範囲に含有するエチレン−メタクリル酸共重合体を用い
接着樹脂層を形成すると、ポリエチレン防食樹脂層を含
めた被覆層全体の鋼材表面への密着力が増し、加工後も
剥離や防食性低下が生じない。
範囲に含有するエチレン−メタクリル酸共重合体を用い
接着樹脂層を形成すると、ポリエチレン防食樹脂層を含
めた被覆層全体の鋼材表面への密着力が増し、加工後も
剥離や防食性低下が生じない。
【0007】(b)上記の被覆層はプライマー層等を施
さなくても十分加工に耐えられる密着力を有するが、適
正な厚さのプライマー層を施すことにより一層高い密着
力が得られる。
さなくても十分加工に耐えられる密着力を有するが、適
正な厚さのプライマー層を施すことにより一層高い密着
力が得られる。
【0008】本発明は上記の事項を基に基礎試験、製造
現場での試作および性能評価を経て完成されたもので、
その要旨は下記のポリエチレン被覆鋼材にある。
現場での試作および性能評価を経て完成されたもので、
その要旨は下記のポリエチレン被覆鋼材にある。
【0009】(1)被覆層に接着樹脂層およびポリエチ
レン防食樹脂層を含むポリエチレン被覆鋼材であって、
接着樹脂層を形成する接着樹脂がメタクリル酸を1〜2
0質量%含むエチレン−メタクリル酸共重合体である加
工性および防食性に優れるポリエチレン被覆鋼材(〔発
明1〕とする)。
レン防食樹脂層を含むポリエチレン被覆鋼材であって、
接着樹脂層を形成する接着樹脂がメタクリル酸を1〜2
0質量%含むエチレン−メタクリル酸共重合体である加
工性および防食性に優れるポリエチレン被覆鋼材(〔発
明1〕とする)。
【0010】(2)被覆層にプライマー層、接着樹脂層
およびポリエチレン防食樹脂層を含むポリエチレン被覆
鋼材であって、プライマー層の膜厚が10μm〜100
μmであり、接着樹脂層を形成する接着樹脂がメタクリ
ル酸を1〜20質量%含むエチレン−メタクリル酸共重
合体であることを特徴とする加工性および防食性に優れ
るポリエチレン被覆鋼材(〔発明2〕とする)。
およびポリエチレン防食樹脂層を含むポリエチレン被覆
鋼材であって、プライマー層の膜厚が10μm〜100
μmであり、接着樹脂層を形成する接着樹脂がメタクリ
ル酸を1〜20質量%含むエチレン−メタクリル酸共重
合体であることを特徴とする加工性および防食性に優れ
るポリエチレン被覆鋼材(〔発明2〕とする)。
【0011】上記のメタクリル酸の含有率はこのエチレ
ン−メタクリル酸共重合体における含有率であることは
言うまでもない。
ン−メタクリル酸共重合体における含有率であることは
言うまでもない。
【0012】
【発明の実施の形態】次に本発明を上記のように設定し
た理由について詳細に説明する。以後の説明において化
学物質の含有率として表示する「%」は、「質量%」、
換言すれば、「重量%」を表す。
た理由について詳細に説明する。以後の説明において化
学物質の含有率として表示する「%」は、「質量%」、
換言すれば、「重量%」を表す。
【0013】1.鋼材 まず、本発明における鋼材の材質としては、炭素鋼、低
合金鋼、ステンレス鋼等のすべての種類の鋼材が含まれ
る。ポリエチレン被覆鋼材の形状には全ての形状が含ま
れ、例えば、ラインパイプ等で使用する大径鋼管、鋼管
杭等の管状材、鋼矢板等の形鋼、棒鋼、厚鋼板、薄鋼板
等が該当する。加工をされて複雑な形状を有するものも
もちろん含まれる。
合金鋼、ステンレス鋼等のすべての種類の鋼材が含まれ
る。ポリエチレン被覆鋼材の形状には全ての形状が含ま
れ、例えば、ラインパイプ等で使用する大径鋼管、鋼管
杭等の管状材、鋼矢板等の形鋼、棒鋼、厚鋼板、薄鋼板
等が該当する。加工をされて複雑な形状を有するものも
もちろん含まれる。
【0014】2.接着樹脂層 接着樹脂層を形成する接着樹脂として、エチレン−メタ
クリル酸共重合体を用いる。メタクリル酸の含有率とし
ては、1〜20%とする。含有率が1%未満であると、
十分な密着力が得られず、加工後のみならず加工前にお
いても密着力が低下する。一方、含有率が20%を超え
ると、耐水性が著しく低下する。より好ましい範囲は、
2〜15%である。また本発明の接着樹脂には、さらに
公知の顔料を複合して含ませても差し支えない。接着樹
脂層の厚さは、0.1〜0.5mm程度とするのが一般
的であり、望ましい。0.1mm未満では密着力が十分
でなく、一方0.5mmを超えて接着樹脂層を設けると
かえって密着力が低下する場合がある。このメタクリル
酸を含むエチレン−メタクリル酸共重合体は一般的な樹
脂であり、メタクリル酸を1〜20%含むエチレン−メ
タクリル酸樹脂は樹脂メーカーに組成を指定して注文し
入手することができる。
クリル酸共重合体を用いる。メタクリル酸の含有率とし
ては、1〜20%とする。含有率が1%未満であると、
十分な密着力が得られず、加工後のみならず加工前にお
いても密着力が低下する。一方、含有率が20%を超え
ると、耐水性が著しく低下する。より好ましい範囲は、
2〜15%である。また本発明の接着樹脂には、さらに
公知の顔料を複合して含ませても差し支えない。接着樹
脂層の厚さは、0.1〜0.5mm程度とするのが一般
的であり、望ましい。0.1mm未満では密着力が十分
でなく、一方0.5mmを超えて接着樹脂層を設けると
かえって密着力が低下する場合がある。このメタクリル
酸を含むエチレン−メタクリル酸共重合体は一般的な樹
脂であり、メタクリル酸を1〜20%含むエチレン−メ
タクリル酸樹脂は樹脂メーカーに組成を指定して注文し
入手することができる。
【0015】3.ポリエチレン防食樹脂層 ポリエチレン防食樹脂層を形成するポリエチレン防食樹
脂は、一般に鋼材の被覆に用いられるポリエチレン樹脂
の何れでも使用することができる。例えば低密度、中密
度または高密度ポリエチレンのいずれでもよく、また、
少量の他のオレフィンまたはビニルモノマー(例えば、
プロピレン、酢酸ビニル等)が共重合されていてもよ
い。なお、上記ポリエチレンには、慣用の酸化防止剤、
紫外線吸収剤、顔料、充填剤等の添加剤を配合してもよ
い。ポリエチレン防食樹脂層の厚さは、1mm〜5mm
が機械的強度と経済性の観点より好適である。
脂は、一般に鋼材の被覆に用いられるポリエチレン樹脂
の何れでも使用することができる。例えば低密度、中密
度または高密度ポリエチレンのいずれでもよく、また、
少量の他のオレフィンまたはビニルモノマー(例えば、
プロピレン、酢酸ビニル等)が共重合されていてもよ
い。なお、上記ポリエチレンには、慣用の酸化防止剤、
紫外線吸収剤、顔料、充填剤等の添加剤を配合してもよ
い。ポリエチレン防食樹脂層の厚さは、1mm〜5mm
が機械的強度と経済性の観点より好適である。
【0016】4.プライマー層 プライマー層は、公知のエポキシ樹脂と硬化剤を主成分
とし、顔料を必要に応じ添加したもので形成される。代
表的なエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、フェ
ノールノボラックタイプ等が挙げられる。硬化剤として
は、アミン系硬化剤、ジシアンジアミド系硬化剤やイミ
ダゾール硬化剤等が挙げられ、二液硬化型プライマーま
たは硬化剤をマイクロカプセル中に内蔵する潜在硬化性
一液型熱硬化プライマーも使用できる。プライマー層を
設ける〔発明2〕の場合は、プライマー層の膜厚は10
μm〜100μmとする。プライマー膜厚が10μm未
満では十分な耐水性の改善が見られず、プライマー膜厚
が100μmを超えると加工性が低下する。ただし、こ
こで言うプライマーの膜厚とは、重量法、電磁微厚計等
で測定できる平均的膜厚を意味し、ブラスト処理後等の
表面のトップ部またはボトム部等の特異な位置での膜厚
を意味するものではない。
とし、顔料を必要に応じ添加したもので形成される。代
表的なエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、フェ
ノールノボラックタイプ等が挙げられる。硬化剤として
は、アミン系硬化剤、ジシアンジアミド系硬化剤やイミ
ダゾール硬化剤等が挙げられ、二液硬化型プライマーま
たは硬化剤をマイクロカプセル中に内蔵する潜在硬化性
一液型熱硬化プライマーも使用できる。プライマー層を
設ける〔発明2〕の場合は、プライマー層の膜厚は10
μm〜100μmとする。プライマー膜厚が10μm未
満では十分な耐水性の改善が見られず、プライマー膜厚
が100μmを超えると加工性が低下する。ただし、こ
こで言うプライマーの膜厚とは、重量法、電磁微厚計等
で測定できる平均的膜厚を意味し、ブラスト処理後等の
表面のトップ部またはボトム部等の特異な位置での膜厚
を意味するものではない。
【0017】5.その他の被覆処理層 鋼材の表面には、さらに密着性や防食性を高めるため
に、化成処理(クロメート処理、燐酸亜鉛処理)を施し
てもよい。化成処理を施す場合は、シリカ系塗布型クロ
メートが、作業性にも優れ、一次密着力も高いため好ま
しい。クロメート処理層は、表面を清浄化した鋼材表面
に、しごき塗り、エアスプレーなどの公知の方法により
クロメート処理剤が塗布される。その付着量は全クロム
量として50mg/m2〜800mg/m2とすることが
望ましい。クロム付着量が50mg/m2未満では十分
な耐水性が得られず、一方、800mg/m2を超える
と、クロメート皮膜自体が厚くなりすぎ、加工時の密着
力が低下する。
に、化成処理(クロメート処理、燐酸亜鉛処理)を施し
てもよい。化成処理を施す場合は、シリカ系塗布型クロ
メートが、作業性にも優れ、一次密着力も高いため好ま
しい。クロメート処理層は、表面を清浄化した鋼材表面
に、しごき塗り、エアスプレーなどの公知の方法により
クロメート処理剤が塗布される。その付着量は全クロム
量として50mg/m2〜800mg/m2とすることが
望ましい。クロム付着量が50mg/m2未満では十分
な耐水性が得られず、一方、800mg/m2を超える
と、クロメート皮膜自体が厚くなりすぎ、加工時の密着
力が低下する。
【0018】6.製造方法 樹脂被覆される鋼材は、その外表面を予め公知のショッ
トブラスト、グリッドブラスト、サンドブラストなど、
従来用いられている物理的手段や酸洗、アルカリ脱脂な
どの化学的手段を適切に組み合わせることにより、表面
が清浄化されていることが好ましい。本発明における接
着樹脂およびポリエチレン防食樹脂の被覆は、溶融丸ダ
イ共押出被覆、溶融Tダイ押出被覆または粉体被覆を使
用した慣用の方法を適用することにより行うことができ
る。
トブラスト、グリッドブラスト、サンドブラストなど、
従来用いられている物理的手段や酸洗、アルカリ脱脂な
どの化学的手段を適切に組み合わせることにより、表面
が清浄化されていることが好ましい。本発明における接
着樹脂およびポリエチレン防食樹脂の被覆は、溶融丸ダ
イ共押出被覆、溶融Tダイ押出被覆または粉体被覆を使
用した慣用の方法を適用することにより行うことができ
る。
【0019】
【実施例】つぎに実施例に基づいて本発明の効果を説明
する。
する。
【0020】直径48.6mmの配管用炭素鋼鋼管(J
IS G 3452)の表面にクロム酸洗処理を施した
後、各種の接着樹脂を介してポリエチレン防食樹脂を被
覆し、外面ポリエチレン被覆鋼管を得た。
IS G 3452)の表面にクロム酸洗処理を施した
後、各種の接着樹脂を介してポリエチレン防食樹脂を被
覆し、外面ポリエチレン被覆鋼管を得た。
【0021】表1は、これら供試鋼管に用いた接着樹脂
の種類等を示す。
の種類等を示す。
【0022】
【表1】
【0023】一部の供試鋼管には、上記の処理の他に、
表1に示すようなエポキシプライマー層を設け、誘導加
熱装置を用いて加熱硬化させ、その上に表1に示す種類
の接着樹脂層を介してポリエチレン防食樹脂を被覆し、
外面ポリエチレン被覆鋼管を得た。
表1に示すようなエポキシプライマー層を設け、誘導加
熱装置を用いて加熱硬化させ、その上に表1に示す種類
の接着樹脂層を介してポリエチレン防食樹脂を被覆し、
外面ポリエチレン被覆鋼管を得た。
【0024】上記のポリエチレン被覆鋼管を1m長さで
切りだし、パイプベンダーにより被覆鋼管に、曲げ加工
の曲率半径が管直径の2倍の97.2mmである2DR
曲げ加工を施した。その後、曲げ加工部の被覆層(ポリ
エチレン防食樹脂層+接着樹脂層+プライマー層+下地
処理層)に円周方向に2cm間隔で鋼材表面に達するス
リットを入れ、密着力を測定した。スリットの端の被覆
を掘り起こし、その端部にばねばかりをかけてひきはが
すのに必要な力を測定し、幅の2cmで除してピーリン
グ密着力とした。また曲げ加工前の直管部においても同
様に被覆層に円周方向に2cm間隔の鋼材表面に達する
スリットをいれ、密着力を測定した。
切りだし、パイプベンダーにより被覆鋼管に、曲げ加工
の曲率半径が管直径の2倍の97.2mmである2DR
曲げ加工を施した。その後、曲げ加工部の被覆層(ポリ
エチレン防食樹脂層+接着樹脂層+プライマー層+下地
処理層)に円周方向に2cm間隔で鋼材表面に達するス
リットを入れ、密着力を測定した。スリットの端の被覆
を掘り起こし、その端部にばねばかりをかけてひきはが
すのに必要な力を測定し、幅の2cmで除してピーリン
グ密着力とした。また曲げ加工前の直管部においても同
様に被覆層に円周方向に2cm間隔の鋼材表面に達する
スリットをいれ、密着力を測定した。
【0025】防食性の評価として、ポリエチレン被覆鋼
管を10cm長さに切り出し、端面を露出させたまま、
80℃の3%食塩水中に10日間浸漬した後、被覆層が
端面から剥離した距離を測定した。表1にこれらの試験
結果を示す。
管を10cm長さに切り出し、端面を露出させたまま、
80℃の3%食塩水中に10日間浸漬した後、被覆層が
端面から剥離した距離を測定した。表1にこれらの試験
結果を示す。
【0026】比較例である試験番号17に示すように、
エチレン−メタクリル酸共重合体中のメタクリル酸の含
有率が1%未満であると、十分な初期の密着力が得られ
ず、また加工後においても密着力の低下がみられた。ま
た、試験番号18のようにエチレン−メタクリル酸共重
合体の含有率が20%を超えると、加工後のみならず、
加工前の直管部においても防食性が劣る結果となった。
さらに、試験番号19、20のように接着樹脂として、
無水マレイン酸変性ポリエチレンを用いた場合には、加
工を施すことにより著しく密着力が低下するのみならず
防食性も著しく低下する結果となった。
エチレン−メタクリル酸共重合体中のメタクリル酸の含
有率が1%未満であると、十分な初期の密着力が得られ
ず、また加工後においても密着力の低下がみられた。ま
た、試験番号18のようにエチレン−メタクリル酸共重
合体の含有率が20%を超えると、加工後のみならず、
加工前の直管部においても防食性が劣る結果となった。
さらに、試験番号19、20のように接着樹脂として、
無水マレイン酸変性ポリエチレンを用いた場合には、加
工を施すことにより著しく密着力が低下するのみならず
防食性も著しく低下する結果となった。
【0027】これに対して、本発明例である試験番号1
〜14のようにメタクリル酸を適正範囲に含むエチレン
−メタクリル酸共重合体を用いると、直管部における密
着性および防食性のみならず、曲げ加工を施した後の曲
管部においても密着性と防食性がともに優れる結果が得
られた。ただし、試験番号15、16のように、厚さ1
00μmを超えるプライマー層を施すと、加工後の密着
性および防食性が若干低下する傾向が認められた。
〜14のようにメタクリル酸を適正範囲に含むエチレン
−メタクリル酸共重合体を用いると、直管部における密
着性および防食性のみならず、曲げ加工を施した後の曲
管部においても密着性と防食性がともに優れる結果が得
られた。ただし、試験番号15、16のように、厚さ1
00μmを超えるプライマー層を施すと、加工後の密着
性および防食性が若干低下する傾向が認められた。
【0028】
【発明の効果】本発明に係るポリエチレン被覆鋼材は従
来にない加工性と防食性を兼ね備えたもので、ベンド管
等の製造における加工前の中間素材として好適である。
この結果、各種の配管類の施工が従来に比べて大幅に簡
素化できるので、施工関連産業に有益な効果をもたら
す。
来にない加工性と防食性を兼ね備えたもので、ベンド管
等の製造における加工前の中間素材として好適である。
この結果、各種の配管類の施工が従来に比べて大幅に簡
素化できるので、施工関連産業に有益な効果をもたら
す。
Claims (2)
- 【請求項1】被覆層に接着樹脂層およびポリエチレン防
食樹脂層を含むポリエチレン被覆鋼材であって、接着樹
脂層を形成する接着樹脂がメタクリル酸を1〜20質量
%含むエチレン−メタクリル酸共重合体であることを特
徴とする加工性および防食性に優れるポリエチレン被覆
鋼材。 - 【請求項2】被覆層にプライマー層、接着樹脂層および
ポリエチレン防食樹脂層を含むポリエチレン被覆鋼材で
あって、プライマー層の膜厚が10μm〜100μmで
あり、接着樹脂層を形成する接着樹脂がメタクリル酸を
1〜20質量%含むエチレン−メタクリル酸共重合体で
あることを特徴とする加工性および防食性に優れるポリ
エチレン被覆鋼材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19392997A JPH1134228A (ja) | 1997-07-18 | 1997-07-18 | ポリエチレン被覆鋼材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19392997A JPH1134228A (ja) | 1997-07-18 | 1997-07-18 | ポリエチレン被覆鋼材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1134228A true JPH1134228A (ja) | 1999-02-09 |
Family
ID=16316100
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19392997A Pending JPH1134228A (ja) | 1997-07-18 | 1997-07-18 | ポリエチレン被覆鋼材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1134228A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1473149A3 (en) * | 2003-04-30 | 2005-01-19 | Nippon Steel Corporation | Heavy-duty anticorrosive coated steel material with excellent resistance against separation and corrosion |
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1997
- 1997-07-18 JP JP19392997A patent/JPH1134228A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1473149A3 (en) * | 2003-04-30 | 2005-01-19 | Nippon Steel Corporation | Heavy-duty anticorrosive coated steel material with excellent resistance against separation and corrosion |
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