JPH1134099A - 潤滑性樹脂組成物からなる成形体の製造方法 - Google Patents

潤滑性樹脂組成物からなる成形体の製造方法

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JPH1134099A
JPH1134099A JP15132498A JP15132498A JPH1134099A JP H1134099 A JPH1134099 A JP H1134099A JP 15132498 A JP15132498 A JP 15132498A JP 15132498 A JP15132498 A JP 15132498A JP H1134099 A JPH1134099 A JP H1134099A
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Masaki Egami
正樹 江上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性と良好な摩擦摩耗特性を発揮し、摺接
する相手材を損傷し難く、しかも射出成形可能な潤滑性
樹脂組成物とすることである。 【解決手段】 ポリフェニレンサルファイド樹脂に、四
フッ化エチレン樹脂5〜40重量%と、溶融フッ素樹脂
3〜20重量%とを必須成分として添加した潤滑性樹脂
組成物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は各種の摺動部材料とし
て利用されるポリフェニレンサルファイド樹脂を主成分
とする潤滑性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、合成樹脂滑り軸受の用途分野が拡
大するにつれて、軸受の使用条件、特に高温雰囲気下に
おいて、良好な摩擦摩耗特性を発揮するような耐熱性の
ある合成樹脂製軸受が強く要望されるようになってき
た。
【0003】従来、耐熱性が良く機械的強度の優れた熱
可塑性合成樹脂としてポリフェニレンサルファイド(P
PSと略称する)樹脂が用いられていることはよく知ら
れている。しかし、このPPS樹脂は自己潤滑性が乏し
いため、潤滑性を必要とする部分の材料として使用する
に際しては、潤滑剤などを添加して別途潤滑性を付与し
なければならず、たとえば黒鉛、四フッ化エチレン樹
脂、潤滑油、金属酸化物、芳香族ポリアミド樹脂等を用
いた複合材料が開発されてはいるものの、このような複
合材料は高温、高負荷条件のもとで良好な摩擦摩耗特性
を発揮させるという点で決して充分であるとは言えな
い。一方、炭素繊維を配合した複合材料は初期において
は良好な摩擦摩耗特性を示すが、相手材を損傷させ、そ
の損傷にともない摩擦摩耗特性が急激に悪化する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の技
術においては良好な潤滑特性を備えた耐熱性材料がなく
世間の要望に対処し得ないという問題点があり、これを
解決することが課題となっていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明は、PPS樹脂に、四フッ化エチレン樹
脂5〜40重量%と、溶融フッ素樹脂3〜20重量%と
を必須成分として添加した潤滑性組成物とする手段を採
用したものであり、以下その詳細を述べる。
【0006】まず、この発明におけるPPS樹脂は、下
記の化1の一般式で示される合成樹脂である。
【0007】
【化1】
【0008】ここで、式中−Ph−は下記の化2で示され
るものであり、QはF、Cl、BrのハロゲンもしくはCH3
であり、mは1〜4の整数を示す。
【0009】
【化2】
【0010】これらのうち、特に典型的なものは下記の
化3で示されるものであり、米国フィリップス・ペトロ
ーリアム社から「ライトン」の商標で市販され、その製
造方法は米国特許第 3,354,129号(対応特許特公昭45−
3368号)に開示されている。それによると、ライトンは
N−メチルピロリドン溶媒中、160〜250℃、加圧
条件下にp−ジクロルベンゼンと二硫化ソーダとを反応
させることによって製造され、樹脂中に交差結合が全く
ないものから部分的交差結合を有するものに至るまで各
種重合度のものを後熱処理工程にかけて自由に製造する
ことができるので、目的の溶媒ブレンドに適正な溶融粘
度特性を有するものを任意に選択使用することが可能で
ある。また、架橋構造をとらない、上記ライトン以外の
直鎖状PPS樹脂も使用できる。
【0011】
【化3】
【0012】また、この発明における四フッ化エチレン
樹脂は、四フッ化エチレンの重合体であり、成形用の粉
末であっても、また、いわゆる固体潤滑剤用の微粉末で
あってもよく、たとえば三井・デュポンフロロケミカル
社製:テフロン7J、TLP-10、旭硝子社製:フルオンG16
3、ダイキン工業社製:ポリフロンM15 、ルブロンL5な
どを例示することができる。
【0013】さらに、この発明の溶融フッ素樹脂は、テ
トラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体(PFAと略称する)、テトラフルオロエチ
レン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEPと略称す
る)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ET
FEと略称する)、テトラフルオロエチレン−フルオロア
ルキルビニルエーテル−フルオロオレフィン共重合体(E
PEと略称する)、ポリトリクロロフルオロエチレン、お
よびポリフッ化ビニリデンなどであって、これらのうち
PFA 、FEP 、ETFE、EPE それぞれ単独もしくはこれらの
混合物が特に好ましく、具体的にはたとえばPFA として
は三井・デュポンフロロケミカル社製:テフロンPFA-J
、MP-10 、ヘキスト社製:ホスタフロン TFA、ダイキ
ン工業社製:ネオフロンPFA を、FEP としては三井・デ
ュポンフロロケミカル社製:テフロンFEP-J 、ダイキン
工業社製:ネオフロンFEP を、ETFEとしては三井・デュ
ポンフロロケミカル社製:テフゼル、旭硝子社製:アフ
ロンCOP を、また、EPE としては三井・デュポンフロロ
ケミカル社製:テフロンEPE-J 、などを挙げることがで
きる。
【0014】なお、この発明において、四フッ化エチレ
ン樹脂の量を5〜40重量%に限定する理由は、5重量
%より少ないと潤滑特性が悪く、40重量%をこえると
著しく成形性がそこなわれるからであり、さらに溶融フ
ッ素樹脂の量を3〜20重量%に限定する理由は、3重
量%未満の少量では潤滑特性が悪く、20重量%をこえ
ると溶融粘度が高くなって成形性が悪化したり、機械的
強度が低下して好ましくないからである。
【0015】ここで、配合割合の決まった各添加物を混
合する方法は特に限定するものではなく、通常広く用い
られている方法、たとえば主成分となる樹脂、その他の
諸原料をそれぞれ個別に、またはヘンシェルミキサー、
ボールミル、タンブラーミキサー等の混合機によって適
宜乾式混合した後、溶融混合性のよい射出成形機もしく
は溶融押出成形機に供給するか、または、予め熱ロー
ル、ニーダ、バンバリーミキサー、溶融押出機などで溶
融混合するなどの方法を利用すればよい。さらに、この
発明の組成物を成形するにあたっても、特にその方法を
限定するものではなく、圧縮成形、押出成形、射出成形
等の通常の方法、または組成物を溶融混合した後、これ
をジェットミル、冷凍粉砕機等によって粉砕し、所望の
粒径に分級するか、または分級しないままで、得られた
粉末を用いた流動浸漬塗装、静電粉体塗装などを行なう
ことも可能である。また、得られた粉末を溶剤に分散さ
せて、スプレー塗装または浸漬塗装を行なうことも可能
である。
【0016】なお、この発明のPPS樹脂を主成分とす
る潤滑性組成物に対して、潤滑特性を悪化させない範囲
内において各種添加剤を配合することもできる。
【0017】
【作用】以上述べたこの発明の組成物は、必須成分とし
て四フッ化エチレン樹脂、溶融フッ素樹脂を併用するこ
とによって良好な潤滑特性を示すと同時に、硬質の材料
が添加されていないので相手材を損傷することもない。
【0018】
【実施例】まず、実施例および比較例に用いた諸原材料
を一括して示すとつぎのとおりである。なお各成分の配
合割合は、すべて重量%である。
【0019】 PPS樹脂(東ソーサスティール社製:PPS #160
) PPS樹脂(クレハ化学社製 KPS-W205) 溶融フッ素樹脂 ETFE (旭硝子社製:アフロンCOP
Z-8820) 溶融フッ素樹脂 PFA ( 三井・デュポンフロロケミ
カル社製: MP-10 ) 四フッ化エチレン樹脂(三井・デュポンフロロケミ
カル社製:テフロン7J) 芳香族ポリアミド繊維(帝人社製:コーネックスフ
ァイバー1mm) 炭素繊維(東レ社製:トレカMLD-30) タルク カーボンブラック(ライオン社製:ケッチェンEC-
X) 実施例1〜4:
【0020】
【表1】
【0021】表1に示す割合で諸原材料を配合した。そ
して組成物の成形にあたっては、まず原材料をヘンシェ
ルミキサーで充分混合し、二軸溶融押出機に供給し、シ
リンダー温度300℃、回転数毎分100回転の溶融混
合条件で押出して造粒し、得られたペレットを樹脂温度
310℃、射出圧力800kg/cm2 、金型温度13
0℃の射出成形条件下で外径23mm、内径14mm、
長さ13mmのリング状試験片を成形し、この試験片を
用いて体積抵抗率の測定および摩擦摩耗試験を行なっ
た。また、摩擦係数は滑り速度を毎分100m、荷重1
kg/cm2 の条件でスラスト型摩擦試験機を用いて測
定し、摩耗係数は滑り速度毎分128m、荷重3.9k
g/cm2 の条件でスラスト型摩耗試験機を用いて求
め、いずれも相手材には軸受鋼SUJ−2(焼入れ、研
削仕上げ)を使用した。得られた結果は表2にまとめ
た。
【0022】
【表2】
【0023】なお、摩耗試験後に相手材の損傷度を調
べ、その結果を表2に併記した。損傷度については、損
傷しない(○印)および損傷する(×印)の二段階評価
で表わした。
【0024】比較例1〜4:表1に示した割合で原材料
を配合したこと以外は実施例1と全く同様にして試験片
を作り、諸特性を求め、得られた結果を表2に併記し
た。
【0025】表2に示す結果から、比較例1および比較
例2では摩耗係数が高く、また比較例4では良好な潤滑
特性を示したものの相手材を損傷し、実施例1〜4のよ
うな、摩耗係数が小さく相手材に損傷を与えないような
組成物は得られないことが明らかとなった。また、比較
例3では、組成分の溶融粘度が著しく高くなって、成形
できなかった。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、この発明の組成物か
ら得られる成形体は、優れた耐摩耗性を有しており、し
かも炭素繊維配合材のように相手材を損傷することもな
いので、PPS樹脂の耐熱性を利用して、高温で使用さ
れる軸受等の材料として格好のものであるといえる。ま
た射出成形も可能であるため、成形も容易であることか
ら、この発明の意義はきわめて大きいということができ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年6月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 潤滑性樹脂組成物からなる成形体の製
造方法
【特許請求の範囲】
【化1】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は各種の摺動部材料とし
て利用されるポリフェニレンサルファイド樹脂を主成分
とする潤滑性樹脂組成物からなる成形体の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、合成樹脂滑り軸受の用途分野が拡
大するにつれて、軸受の使用条件、特に高温雰囲気下に
おいて、良好な摩擦摩耗特性を発揮するような耐熱性の
ある合成樹脂製軸受が強く要望されるようになってき
た。
【0003】従来、耐熱性が良く機械的強度の優れた熱
可塑性合成樹脂としてポリフェニレンサルファイド(P
PSと略称する)樹脂が用いられていることはよく知ら
れている。しかし、このPPS樹脂は自己潤滑性が乏し
いため、潤滑性を必要とする部分の材料として使用する
に際しては、潤滑剤などを添加して別途潤滑性を付与し
なければならず、たとえば黒鉛、四フッ化エチレン樹
脂、潤滑油、金属酸化物、芳香族ポリアミド樹脂等を用
いた複合材料が開発されてはいるものの、このような複
合材料は高温、高負荷条件のもとで良好な摩擦摩耗特性
を発揮させるという点で決して充分であるとは言えな
い。一方、炭素繊維を配合した複合材料は初期において
は良好な摩擦摩耗特性を示すが、相手材を損傷させ、そ
の損傷にともない摩擦摩耗特性が急激に悪化する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の技
術においては良好な潤滑特性を備えた耐熱性材料からな
る成形体の製造方法がなく世間の要望に対処し得ないと
いう問題点があり、これを解決することが課題となって
いた。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明は、PPS樹脂を主成分とし、四フッ化
エチレン樹脂5〜40重量%と、溶融フッ素樹脂3〜2
0重量%とを必須成分として添加した潤滑性樹脂組成物
を射出成形することからなる成形体の製造方法とする手
段を採用したものであり、以下その詳細を述べる。
【0006】まず、この発明におけるPPS樹脂は、下
記の化2の一般式で示される合成樹脂である。
【0007】
【化2】
【0008】ここで、式中−Ph−は下記の化3で示され
るものであり、QはF、Cl、BrのハロゲンもしくはCH3
であり、mは1〜4の整数を示す。
【0009】
【化3】
【0010】これらのうち、特に典型的なものは下記の
化4で示されるものであり、米国フィリップス・ペトロ
ーリアム社から「ライトン」の商標で市販され、その製
造方法は米国特許第 3,354,129号(対応特許特公昭45−
3368号)に開示されている。それによると、ライトンは
N−メチルピロリドン溶媒中、160〜250℃、加圧
条件下にp−ジクロルベンゼンと二硫化ソーダとを反応
させることによって製造され、樹脂中に交差結合が全く
ないものから部分的交差結合を有するものに至るまで各
種重合度のものを後熱処理工程にかけて自由に製造する
ことができるので、目的の溶媒ブレンドに適正な溶融粘
度特性を有するものを任意に選択使用することが可能で
ある。また、架橋構造をとらない、上記ライトン以外の
直鎖状PPS樹脂も使用できる。
【0011】
【化4】
【0012】また、この発明における四フッ化エチレン
樹脂は、四フッ化エチレンの重合体であり、成形用の粉
末であっても、また、いわゆる固体潤滑剤用の微粉末で
あってもよく、たとえば三井・デュポンフロロケミカル
社製:テフロン7J、TLP-10、旭硝子社製:フルオンG16
3、ダイキン工業社製:ポリフロンM15 、ルブロンL5な
どを例示することができる。
【0013】さらに、この発明の溶融フッ素樹脂は、テ
トラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体(PFAと略称する)、テトラフルオロエチ
レン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEPと略称す
る)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ET
FEと略称する)、テトラフルオロエチレン−フルオロア
ルキルビニルエーテル−フルオロオレフィン共重合体(E
PEと略称する)、ポリトリクロロフルオロエチレン、お
よびポリフッ化ビニリデンなどであって、これらのうち
PFA 、FEP 、ETFE、EPE それぞれ単独もしくはこれらの
混合物が特に好ましく、具体的にはたとえばPFA として
は三井・デュポンフロロケミカル社製:テフロンPFA-J
、MP-10 、ヘキスト社製:ホスタフロン TFA、ダイキ
ン工業社製:ネオフロンPFA を、FEP としては三井・デ
ュポンフロロケミカル社製:テフロンFEP-J 、ダイキン
工業社製:ネオフロンFEP を、ETFEとしては三井・デュ
ポンフロロケミカル社製:テフゼル、旭硝子社製:アフ
ロンCOP を、また、EPE としては三井・デュポンフロロ
ケミカル社製:テフロンEPE-J 、などを挙げることがで
きる。
【0014】なお、この発明において、四フッ化エチレ
ン樹脂の量を5〜40重量%に限定する理由は、5重量
%より少ないと潤滑特性が悪く、40重量%をこえると
著しく成形性がそこなわれるからであり、さらに溶融フ
ッ素樹脂の量を3〜20重量%に限定する理由は、3重
量%未満の少量では潤滑特性が悪く、20重量%をこえ
ると溶融粘度が高くなって成形性が悪化したり、機械的
強度が低下して好ましくないからである。
【0015】ここで、配合割合の決まった各添加物を混
合する方法は特に限定するものではなく、通常広く用い
られている方法、たとえば主成分となる樹脂、その他の
諸原料をそれぞれ個別に、またはヘンシェルミキサー、
ボールミル、タンブラーミキサー等の混合機によって適
宜乾式混合した後、溶融混合性のよい射出成形機もしく
は溶融押出成形機に供給するか、または、予め熱ロー
ル、ニーダ、バンバリーミキサー、溶融押出機などで溶
融混合するなどの方法を利用すればよい。さらに、この
発明の組成物を成形するにあたって射出成形する
【0016】なお、この発明のPPS樹脂を主成分とす
る潤滑性組成物に対して、潤滑特性を悪化させない範囲
内において各種添加剤を配合することもできる。
【0017】
【作用】以上述べたこの発明の製造方法で得られる成形
は、必須成分として四フッ化エチレン樹脂、溶融フッ
素樹脂を併用することによって良好な潤滑特性を示すと
同時に、硬質の材料が添加されていないので相手材を損
傷することもない。
【0018】
【実施例】まず、実施例および比較例に用いた諸原材料
を一括して示すとつぎのとおりである。なお各成分の配
合割合は、すべて重量%である。
【0019】 PPS樹脂(東ソーサスティール社製:PPS #160
) PPS樹脂(クレハ化学社製 KPS-W205) 溶融フッ素樹脂 ETFE (旭硝子社製:アフロンCOP
Z-8820) 溶融フッ素樹脂 PFA ( 三井・デュポンフロロケミ
カル社製: MP-10 ) 四フッ化エチレン樹脂(三井・デュポンフロロケミ
カル社製:テフロン7J) 芳香族ポリアミド繊維(帝人社製:コーネックスフ
ァイバー1mm) 炭素繊維(東レ社製:トレカMLD-30) タルク カーボンブラック(ライオン社製:ケッチェンEC-
X)
【0020】
【表1】
【0021】実施例1〜4:表1に示す割合で諸原材料
を配合した。そして組成物の成形にあたっては、まず原
材料をヘンシェルミキサーで充分混合し、二軸溶融押出
機に供給し、シリンダー温度300℃、回転数毎分10
0回転の溶融混合条件で押出して造粒し、得られたペレ
ットを樹脂温度310℃、射出圧力800kg/c
2 、金型温度130℃の射出成形条件下で外径23m
m、内径14mm、長さ13mmのリング状試験片を成
形し、この試験片を用いて体積抵抗率の測定および摩擦
摩耗試験を行なった。また、摩擦係数は滑り速度を毎分
100m、荷重1kg/cm2 の条件でスラスト型摩擦
試験機を用いて測定し、摩耗係数は滑り速度毎分128
m、荷重3.9kg/cm2 の条件でスラスト型摩耗試
験機を用いて求め、いずれも相手材には軸受鋼SUJ−
2(焼入れ、研削仕上げ)を使用した。得られた結果は
表2にまとめた。
【0022】
【表2】
【0023】なお、摩耗試験後に相手材の損傷度を調
べ、その結果を表2に併記した。損傷度については、損
傷しない(○印)および損傷する(×印)の二段階評価
で表わした。
【0024】比較例1〜4:表1に示した割合で原材料
を配合したこと以外は実施例1と全く同様にして試験片
を作り、諸特性を求め、得られた結果を表2に併記し
た。
【0025】表2に示す結果から、比較例1および比較
例2では摩耗係数が高く、また比較例4では良好な潤滑
特性を示したものの相手材を損傷し、実施例1〜4のよ
うな、摩耗係数が小さく相手材に損傷を与えないような
組成物は得られないことが明らかとなった。また、比較
例3では、組成分の溶融粘度が著しく高くなって、成形
できなかった。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、この発明の製造方法
から得られる成形体は、優れた耐摩耗性を有しており、
しかも炭素繊維配合材のように相手材を損傷することも
ないので、PPS樹脂の耐熱性を利用して、高温で使用
される軸受等の材料として格好のものであるといえる。
また射出成形により成形も容易であることから、この発
明の意義はきわめて大きいということができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16C 33/20 F16C 33/20 A //(C08L 81/02 27:12 27:18) B29K 81:00 C10N 30:06 30:08 40:02 70:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリフェニレンサルファイド樹脂に、四
    フッ化エチレン樹脂5〜40重量%と、溶融フッ素樹脂
    3〜20重量%とを必須成分として添加したことを特徴
    とする潤滑性組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003073544A (ja) * 2001-08-31 2003-03-12 Tosoh Corp ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003073544A (ja) * 2001-08-31 2003-03-12 Tosoh Corp ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
JP4655435B2 (ja) * 2001-08-31 2011-03-23 東ソー株式会社 ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物

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