JPH1134067A - 金型製造方法及び離型機構及び加圧装置 - Google Patents

金型製造方法及び離型機構及び加圧装置

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JPH1134067A
JPH1134067A JP19015897A JP19015897A JPH1134067A JP H1134067 A JPH1134067 A JP H1134067A JP 19015897 A JP19015897 A JP 19015897A JP 19015897 A JP19015897 A JP 19015897A JP H1134067 A JPH1134067 A JP H1134067A
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JP
Japan
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mold
resin
curable resin
resin layer
substrate
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Withdrawn
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JP19015897A
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Inventor
Kiyoharu Kumagai
清春 熊谷
Teruo Saito
輝夫 斉藤
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高精度の電鋳金型を、安価に製造する方法を提
供する。 【解決手段】所望の成形品形状を得るための第1の金型
11を機械加工により高精度に加工する第1の金型加工
工程と、第1の金型のキャビティーに一定量の反応硬化
型樹脂を供給して硬化させ、第1の樹脂層24を形成す
る第1層形成工程と、第1の樹脂層24の開放側の硬化
面上に、第2の樹脂層となる反応硬化型樹脂を供給し、
その上に基板26を載置する基板載置工程と、基板26
を加圧しながら反応硬化型樹脂を硬化させて第2の樹脂
層25を形成する第2層形成工程と、基板26と第2の
樹脂層25と第1の樹脂層24とが一体化された成形体
28を第1の金型11から離型する離型工程と、成形体
28をマスターとして電鋳加工を行ない、第2の金型3
1を得る第2の金型加工工程とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス基板上に反
応硬化型樹脂から成る樹脂層を成形加工し、それを電鋳
マスターにして、精密な寸法精度が要求される、たとえ
ば小径非球面レンズ、マイクロレンズ、レンズアレー、
回折光子等の光学部品や、精密な寸法精度が要求される
部品を成形する金型を製造するための製造方法及び離型
機構及び加圧装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、小径非球面レンズ、マイクロ
レンズ、レンズアレー、回折光子等の光学部品や、精密
な寸法精度が要求される部品を製造するための金型は、
高精度に機械加工する必要があり、非常に高価である。
【0003】複数個の同じ金型を製造する場合は、機械
加工でマスターを1個製作して、電鋳加工で金型を製作
する方法もある。しかし、電鋳加工はメッキ速度が遅い
ため非常に長い時間を必要とし、この方法による金型納
期は非常に遅くなってしまう。複数のマスターを機械加
工で製作し、同時に複数個のマスターで電鋳加工すれ
ば、この納期の問題は解決するが、複数の高精度なマス
ターを加工することは、非常にコストがかかる。
【0004】これを解決するために、たとえば、特開平
3−202486号公報に開示されている様に、電子ビ
ームにより原盤を製作し、この原盤に電鋳を行って第1
の金型を製作し、この第1の金型を用いて紫外線硬化型
樹脂等の感光性樹脂のレプリカを製作し、このレプリカ
をマスターにして電鋳を行って第2の金型を製作する方
法が、知られている。
【0005】しかし、紫外線硬化型樹脂等の反応硬化型
樹脂は硬化収縮するため、高精度な電鋳マスターを製作
するのは極めて困難である。特に肉圧がmm単位と厚い
場合、又は複雑な形状を有する金型では、ますます困難
になってくる。
【0006】紫外線硬化型樹脂の硬化収縮に対する寸法
補償の方法としては、たとえば、図29に示す、特開平
4−22609号公報に開示されている様に、加圧しな
がら紫外線を照射する方法が知られている。
【0007】また、図30に示す、特開平6−5910
4号公報に開示されている様に、紫外線の照射領域を制
御する方法も知られている。
【0008】また、図31に示す、特開平1−1719
32号公報に開示されている様に、1回目の成形で加工
されたまだ不完全なレプリカを母材として、再度同じ金
型で成形する方法も知られている。
【0009】また、図32に示す、特開平6−2548
68公報に開示されている様に、キャビティーに反応硬
化型液状樹脂を充填して固化させ、第1の樹脂層を形成
させ、第1の樹脂層の開放側の硬化面上に反応硬化型液
状樹脂を少量滴下し、その上に母材を乗せ、第2の樹脂
層を形成させ、母材と第1、第2の樹脂層を一体化させ
て、離型させる方法も知られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法のうち、加圧しながら紫外線を照射する方法は、加
圧するための装置が必要になるという問題点がある。
【0011】更に、成形しようとする形状の肉圧が均一
ではない場合は、紫外線照射によってまず肉の薄い部分
が固化してしましい、それ以後は、加圧しても肉の薄い
部分が固化してしまっているので、それより肉の厚い部
分には、圧力が伝わらず、固化収縮を補償することはで
きない。したがって、精密な寸法精度が要求されるレプ
リカマスターは製作することができないという問題点が
ある。
【0012】また、紫外線の照射領域を制御する方法
は、領域を制御する特別な装置が必要であり、照射領域
の制御条件を試行錯誤で設定する必要があるという問題
点がある。
【0013】また、特開平1−171932号公報に開
示されている様に、1回目の成形で加工されたまだ不完
全なレプリカを母材として、再度同じ金型で成形する方
法は、成形回数を増せば増すほど、レプリカの寸法精度
は向上するが、成形回数が増える分だけ時間がかかり、
高価になってしまうという問題点がある。
【0014】また、特開平6−254868号公報に開
示されている第1層、第2層の2回に分けて成形する方
法は、特に肉圧がmm単位と厚くなると、固化収縮の量
が大きくなるので、精密な寸法精度が要求されるレプリ
カマスターは製作することができないという問題点があ
る。
【0015】また、この方法では、複雑な形状のキャビ
ティーを有する金型では、成形回数が増せば増すほど、
複雑形状の細部まで樹脂を供給することは困難であり、
したがって、高精度なレプリカを成形することが困難で
あるという問題点がある。
【0016】また、金型において、狭く深い谷部は放電
加工法によって加工されるが、先端幅の細い電極は放電
加工時の消耗がはげしく、また放電加工の加工面粗さは
3μm程度であるので、狭く深い谷部を高精度(平面
度、平行度、他の面との段差等)に加工するのは、非常
に困難である。
【0017】しかし現実には、狭く深い谷部の機械加工
は放電加工法以外の加工手段がとれない場合が多く、ト
ライアンドエラーで放電加工することになるが、確実に
要求精度通りに加工できる保証はなく、多くの時間と費
用を費やしても要求精度を満たせないことが多い。
【0018】また、紫外線硬化型の樹脂を用いて電鋳用
のマスターを製作する場合、紫外線硬化樹脂をガラス基
板とともにマザー金型より離型しようとすると、図23
のような形式が最も単純である。ネジを回すことにより
エジェクタプレートが上方に移動し、エジェクタピンを
押し上げエジェクタピンとともにガラス基板が上方に移
動し、金型より離型する。この時エジェクタプレートが
金型と平行に上方に移動するように、エジェクタプレー
トにはリニアモーションベアリングが組み込まれてい
る。ガラス基板がマザー金型より一定寸法上方に移動
後、ガラス基板を手で持ち上げられる。次の成形を行う
ためにはネジを下げて上方よりエジェクタピンを押し下
げれば元の状態になる。
【0019】従来の技術では左右のエジェクタピンを平
行に上方に移動させるためにリニアモーションベアリン
グをエジェクタプレートに装着し、その剛性によってエ
ジェクタプレートを平行に作動させようとしている。し
かし、紫外線硬化型樹脂の微量が一方のエジェクタピン
の穴に入り込んだりして、エジェクタピンの抵抗は左右
なかなか均等にならず、結果としてガラス基板が傾いた
状態で離型する場合が多い。したがって成形品の形状に
もよるが成形品形状部に垂直に近い断面を持った形状が
ある場合、ガラス基板が少し傾いた状態で上方に移動す
ると不良品となる。
【0020】したがって、本発明は上述した課題に鑑み
てなされたものであり、その目的は、高精度の電鋳金型
を、安価に製造する方法を提供することである。
【0021】また、本発明の他の目的は、精密な寸法精
度が要求される部品を製造するための金型の狭く深い谷
部を、高精度(平面度・平行度・他の面との段差等)に
加工する製造方法を提供することである。
【0022】また、本発明のさらに他の目的は、電鋳の
ためのマスターをマザー金型から離型する場合に、平行
に離型することができる離型機構を提供することであ
る。
【0023】また、本発明のさらに他の目的は、電鋳の
ためのマスターを加圧して成形する場合に、構造が簡単
で安価な加圧装置を提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し、
目的を達成するために、本発明に係わる金型製造方法
は、所望の成形品形状を得るための第1の金型を機械加
工により高精度に加工する第1の金型加工工程と、前記
第1の金型のキャビティーに一定量の反応硬化型樹脂を
供給して硬化させ、第1の樹脂層を形成する第1層形成
工程と、前記第1の樹脂層の開放側の硬化面上に、第2
の樹脂層となる反応硬化型樹脂を供給し、その上に基板
を載置する基板載置工程と、前記基板を加圧しながら前
記反応硬化型樹脂を硬化させて第2の樹脂層を形成する
第2層形成工程と、前記基板と前記第2の樹脂層と前記
第1の樹脂層とが一体化された成形体を前記第1の金型
から離型する離型工程と、前記成形体をマスターとして
電鋳加工を行ない、第2の金型を得る第2の金型加工工
程とを具備することを特徴としている。
【0025】また、この発明に係わる金型製造方法にお
いて、前記基板載置工程においては、前記第1の金型に
形成された切欠から前記基板と前記第1の樹脂層との間
の空気を押し出し、樹脂量を一定化させることを特徴と
している。
【0026】また、この発明に係わる金型製造方法にお
いて、前記基板はガラス基板であることを特徴としてい
る。
【0027】また、この発明に係わる金型製造方法にお
いて、前記反応硬化型樹脂は活性エネルギー線硬化型樹
脂であることを特徴としている。
【0028】また、この発明に係わる金型製造方法にお
いて、前記活性エネルギー線硬化型樹脂は紫外線硬化型
樹脂であることを特徴としている。
【0029】また、本発明に係わる金型製造方法は、所
望の成形品形状を得るための第1の金型を機械加工によ
り高精度に加工する第1の金型加工工程と、前記第1の
金型のキャビティーに一定量の反応硬化型樹脂を供給し
て硬化させ、第1の樹脂層を形成する第1層形成工程
と、前記第1の樹脂層の開放側の硬化面上に、第2の樹
脂層となる反応硬化型樹脂を供給し、その上に基板を載
置する基板載置工程と、前記反応硬化型樹脂を硬化させ
て第2の樹脂層を形成する第2層形成工程と、前記基板
と前記第2の樹脂層と前記第1の樹脂層とが一体化され
た成形体を前記第1の金型から離型する離型工程と、前
記成形体を機械加工により修正加工して、高精度な形状
を得る2次加工工程と、該2次加工工程により加工され
た前記成形体をマスターとして電鋳加工を行ない、第2
の金型を得る第2の金型加工工程とを具備することを特
徴としている。
【0030】また、この発明に係わる金型製造方法にお
いて、前記基板はガラス基板であることを特徴としてい
る。
【0031】また、この発明に係わる金型製造方法にお
いて、前記反応硬化型樹脂は活性エネルギー線硬化型樹
脂であることを特徴としている。
【0032】また、この発明に係わる金型製造方法にお
いて、前記活性エネルギー線硬化型樹脂は紫外線硬化型
樹脂であることを特徴としている。
【0033】また、本発明に係わる金型製造方法は、所
望の成形品形状を得るための第1の金型を機械加工によ
り高精度に加工する第1の金型加工工程と、前記第1の
金型のキャビティーに一定量の反応硬化型樹脂を供給し
て硬化させ、第1の樹脂層を形成する第1層形成工程
と、前記第1の樹脂層の開放側の硬化面上に、第2の樹
脂層となる反応硬化型樹脂を供給し、その上に前記キャ
ビティーの投影形状に近い形状の穴を有する基板を載置
する基板載置工程と、前記反応硬化型樹脂を硬化させて
第2の樹脂層を形成する第2層形成工程と、前記基板と
前記第2の樹脂層と前記第1の樹脂層とが一体化された
成形体を前記第1の金型から離型する離型工程と、前記
成形体をマスターとして電鋳加工を行ない、第2の金型
を得る第2の金型加工工程とを具備することを特徴とし
ている。
【0034】また、この発明に係わる金型製造方法にお
いて、前記基板はガラス基板であることを特徴としてい
る。
【0035】また、この発明に係わる金型製造方法にお
いて、前記反応硬化型樹脂は活性エネルギー線硬化型樹
脂であることを特徴としている。
【0036】また、この発明に係わる金型製造方法にお
いて、前記活性エネルギー線硬化型樹脂は紫外線硬化型
樹脂であることを特徴としている。
【0037】また、この発明に係わる金型製造方法にお
いて、前記第1の金型は、最終的な製品の形状を転写す
る第1のキャビティーと、該第1のキャビティーの外周
に所定の幅で拡大された第2のキャビティーとを有する
ことを特徴としている。
【0038】また、本発明に係わる離型機構は、金型の
キャビティー内で成形された成形品を前記金型から離型
させるための離型機構において、前記成形品を前記金型
から押し出すためのエジェクターピンであって、前記キ
ャビティーの外周部に略対称に複数配置されたエジェク
ターピンと、該エジェクターピンを支持するためのエジ
ェクタープレートと、該エジェクタープレートを、前記
金型と平行に移動させる移動手段とを具備することを特
徴としている。
【0039】また、この発明に係わる離型機構におい
て、前記移動手段は、前記エジェクタープレートの両端
部を下方から支持するように斜めに配置された少なくと
も2本のピンと、前記エジェクタープレートを水平方向
に押すための押し手段とを備えることを特徴としてい
る。
【0040】また、本発明に係わる加圧装置は、金型に
形成されたキャビティー内に活性エネルギー線硬化型の
樹脂材料を充填し、該樹脂材料上に透明基板を載置し、
前記樹脂材料を硬化させることにより前記透明基板と前
記樹脂材料を一体化した成形品を成形する場合に用いら
れる、前記透明基板を加圧する装置であって、前記透明
基板を押圧する光透過性の材料からなるピストンと、該
ピストンを上下方向に駆動する駆動手段とを具備するこ
とを特徴としている。
【0041】また、この発明に係わる加圧装置におい
て、前記樹脂材料は紫外線硬化型の樹脂材料であり、前
記ピストンは紫外線透過性の材料からなることを特徴と
している。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0043】(第1の実施形態)図1に示すような機械
部品の金型11を、放電加工等の機械加工で精密にキャ
ビティー12を加工し、製作した。
【0044】次に、図2に示す様な、金型11を組み込
んだレプリカ成形型21を製作した。このレプリカ成形
型は、2回目の樹脂層の上にガラス基板を載置する際
に、余分な樹脂と一緒に空気を逃がし、ガラス基板26
と2回目の樹脂層の間に空気が入らないようにすること
を目的とした、切り欠き23を有している。
【0045】まず、図3(a)に示す様に、レプリカ成
形型21のキャビティーに、第1の樹脂層になる液状の
紫外線硬化型樹脂24を一定量供給する。その状態で真
空脱泡し、液状の紫外線硬化型樹脂24とキャビティー
12を密着させる。キャビティーの形状が微細で複雑な
場合は、顕微鏡で拡大して密着している事を確認する。
密着するまで真空脱泡を繰り返す。
【0046】次に、図3(b)に示す様に、紫外線を照
射し樹脂24を固化させる。樹脂は金型11側に密着す
る様に収縮固化する。
【0047】次に図3(c)に示す様に、第2の樹脂層
となる液状の紫外線硬化型樹脂25を切り欠き23より
も多めに供給する。
【0048】次に、図3(d)に示す様に、ガラス基板
26を、余分な樹脂27をガラス基板26と樹脂との間
に入った空気泡29と一緒に切り欠き23から押し出す
様に、少し傾けながら、第2の樹脂層の上に載置する。
【0049】次に、図4(a)に示す様に、エアーシリ
ンダー等の外部加圧装置21aにより、加圧しながら紫
外線を照射し樹脂25を固化させる。固化した樹脂層
は、ガラス基板26に密着性を向上させるためのシラン
カップリング処理等が施されているので、ガラス基板2
6に一体化される。
【0050】次に、図4(b)に示す様に、離型を行
い、電鋳加工用のレプリカマスター28を得る。このレ
プリカマスター28は金型11のキャビティー12の形
状寸法を極めて高精度に転写している。
【0051】次に図4(c)に示す様に、このレプリカ
マスター28をマスターとした電鋳加工を行う。
【0052】次に、図4(d)に示す様に、電鋳層3
1’の外周を機械加工し、電鋳型31を完成する。電鋳
型31は、型11のキャビティー12の形状寸法を極め
て精度良く転写したキャビティー32を有している。
【0053】なお、上記の説明では、樹脂24,25を
紫外線硬化型樹脂とし、基板は透明なガラス基板26と
する場合について説明したが、樹脂材料としては、この
紫外線硬化型樹脂以外に、熱硬化型または常温硬化型の
エポキシ、シリコーン、ポリエステル、ウレタン等や、
紫外線以外の活性エネルギー線、たとえば赤外線、可視
光線、電子線、X線等により硬化する樹脂を用いても良
い。樹脂材料としては、ウレタンアクリレート、エポキ
シアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエー
テルアクリレート等のアクリルや、エポキシ、シリコー
ン、ポリエステル、ウレタンなどに光開始剤を混合した
単一組成物あるいは数種のモノマーをブレンドした混合
組成物等が利用できる。また、基板としては、金属板、
プラスチック板等でも良い。
【0054】(実施例)次に、上述した第1の実施形態
の製造方法に基づいて、実際に機械部品の金型を製造し
た具体的な例について説明する。
【0055】図5に示すような機械部品の金型41を、
放電加工等の機械加工で精密にキャビティー42を加工
し製作した。
【0056】図6に示す様な、金型41を組み込んだレ
プリカ成形型51を製作した。この成形型は標準化され
ていて、2〜3個の部品を作り替えるだけで、色々な金
型に適応する事ができる。このレプリカ成形型51は、
2回目の樹脂層の上にガラス基板を載置する際に、余分
な樹脂と一緒に空気を逃がし、ガラス基板と2回目の樹
脂層の間に空気が入らないようにすることを目的とし
た、切り欠き53を有している。
【0057】まず、キャビティー42を、イソプロピル
アルコールに浸し超音波で洗浄する。次に、図7(a)
に示す様に、キャビティー42に、ウレタンアクリレー
ト系紫外線硬化型樹脂54を一定量供給する。その状態
で真空脱泡し、液状の紫外線硬化型樹脂54がキャビテ
ィー42に密着していることを、顕微鏡等で拡大して確
認する。密着するまで真空脱泡を繰り返す。
【0058】次に、図7(b)に示す様に、照度が0.
4mW/cm2の紫外線を8分間照射させた後、照度が
18mW/cm2の紫外線を2分間照射させ、キャビテ
ィー内の樹脂54を固化させた。樹脂は金型側に密着す
る様に収縮固化する。
【0059】次に図7(c)に示す様に、第2の樹脂層
となる液状の紫外線硬化型樹脂55を切り欠き53より
も多めに供給する。
【0060】次に、図7(d)に示す様に、ガラス基板
56を、余分な樹脂57をガラス基板56と樹脂との間
に入った空気泡59と一緒に切り欠き53から押し出す
様に、少し傾けながら、第2の樹脂層の上に載置する。
【0061】次に、図8(a)に示す様に、エアーシリ
ンダー等の外部加圧装置により、加圧しながら照度が
0.4mW/cm2の紫外線を8分間照射した後、照度
が18mW/cm2の紫外線を2分間照射し樹脂55を
固化させた。固化した樹脂層は、ガラス基板56に密着
性を向上させるためのシランカップリング処理等が施さ
れているので、ガラス基板56に一体化される。
【0062】次に、図8(b)に示す様に、離型を行
い、電鋳加工用のレプリカマスター58を得る。このレ
プリカマスター58と金型41のキャビティー42の寸
法を精密に測定したところ、極めて高精度に寸法が転写
されていることが確認できた。また電子顕微鏡で拡大し
て観察して、形状のエッヂまで極めてシャープに転写さ
れていることも確認することができた。
【0063】次に、図8(c)に示す様に、このレプリ
カマスター58をマスターとした電鋳加工を行った。加
工期間を短くするために、電鋳層61’の厚さは、金型
41の半分の8mmを少し超えたところまでとし、マス
ター58と電鋳層61’を離型した。
【0064】次に、図8(d)に示す様に、電鋳層6
1’の外周を機械加工し、電鋳型61を得た。この電鋳
型61のキャビティー62の寸法を精密に測定したとこ
ろ、金型41のキャビティー42の寸法が極めて高精度
に転写されていることが確認できた。また電子顕微鏡で
拡大して観察して、形状のエッヂまで極めてシャープに
転写されていることも確認することができた。
【0065】次に、図8(e)に示す様に、機械加工で
製作したスペーサー63を電鋳型61に取り付け、金型
41の複製金型を製造した。
【0066】以上の工程により製造した電鋳型の製造コ
ストは、機械加工によって製造された金型の半分以下で
あった。
【0067】以上の様に、上記の第1の実施形態におい
ては、肉圧がmm単位である、または複雑な形状を有す
るキャビティーに対して、加圧しながら紫外線を照射し
樹脂を固化させる方法において、まず肉の薄い部分が固
化してしまい、それ以後は肉の薄い部分が固化してしま
っているので、それより肉の厚い部分に圧力が伝わら
ず、固化収縮を補償することができず、精密な寸法精度
が要求されるレプリカマスターを製作することができな
いという問題を、肉圧がほぼ均一化される2回目の成形
時にのみ、加圧しながら紫外線を照射し樹脂を固化させ
ることによって、解決したものである。また、ガラス基
板を樹脂層上に載置する際に、キャビティーに設けた切
り欠きから、余分な樹脂と空気を一緒に逃がすことによ
って、ガラス基板と樹脂層の間に空気が入らないよいう
にすることができるので、樹脂中の空気泡による収縮の
不均一を排除する事が可能であり、また第2層目の樹脂
量を均一化することができるので、成形条件を安定させ
ることが可能であり、精密な寸法精度が要求されるレプ
リカマスターを製作する事ができる。
【0068】(第2の実施形態)以下、第2の実施形態
について説明する。
【0069】まず、図9に示すような機械部品の金型1
11を製作した。その金型111のキャビティー112
は、放電加工によって加工された狭く深い谷部113,
114を有している。
【0070】次に、図10に示す様に金型111を組み
込んだレプリカ成形型121を製作した。
【0071】この様なレプリカ成形型121を用いてレ
プリカ成形を行う場合には、まず、キャビティー112
をイソプロピルアルコールに浸して、超音波で洗浄し、
その後、離型処理としてイソプロピルアルコールで稀釈
したオルガノシラシに浸す。
【0072】次に、図11(a)に示すように、キャビ
ティー112内に、ウレタンアクリレート系の紫外線硬
化型樹脂131を満たし、真空脱泡する。そして樹脂1
31がキャビティー112に密着していることを、顕微
鏡等により拡大して確認する。そして、それらが密着す
るまで真空脱泡を繰り返す。その後、照度が0.4mW
/cm2である紫外線を8分間照射させた後に、照度が
18mW/cm2である紫外線を2分間照射させ、樹脂
を硬化させる。
【0073】次に、図11(b)に示す様に、硬化した
紫外線硬化型樹脂131の上に更に同じ紫外線硬化型樹
脂を滴下する。
【0074】次に、図11(c)に示す様に、ガラス基
板132を樹脂の上に載置し、照度が18mW/cm2
である紫外線を5分間照射させ、樹脂を硬化させる。ガ
ラス基板132には、シラン系カップリング剤によるカ
ップリング処理が前処理として施してあるので、硬化し
た樹脂は、ガラス基板132に一体化される。
【0075】次に、図12(a)に示す様に、ガラス基
板132をレプリカ成形型121から離型し、レプリカ
電鋳マスター133を得る。このレプリカ電鋳マスター
133には金型111の狭く深い谷部113,114が
山部113’,114’として転写されている。
【0076】次に、図12(b)に示す様に、レプリカ
電鋳マスター133の山部113’,114’をダイヤ
モンド切削で、平面度、平行度、2つの面の段差を各々
0.5μm以下になるように2次加工する。
【0077】次に、図12(c)に示す様に、ダイヤモ
ンド切削で2次加工したレプリカ電鋳マスター133を
マスターにした電鋳加工を行った。
【0078】次に、図12(d)に示す様に、電鋳層4
1の外周を機械加工して電鋳型51を得た。この電鋳型
の狭く深い谷部132’,142’の平面度、平行度、
2つの面の段差は各々1μm以下であり、金型マザーの
狭く深い谷部113,114より高精度であった。
【0079】なお、上記の説明では紫外線硬化型樹脂と
透明なガラス基板を使用する場合について説明したが、
樹脂材料としては、この紫外線硬化型樹脂以外に、熱硬
化型または常温硬化型のエポキシ、シリコーン、ポリエ
ステル、ウレタン等や、紫外線以外の活性エネルギー
線、たとえば赤外線、可視光線、電子線、X線等により
硬化する樹脂を用いても良い。樹脂材料としては、ウレ
タンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステ
ルアクリレート、ポリエーテルアクリレート等のアクリ
ルや、エポキシ、シリコーン、ポリエステル、ウレタン
などに光開始剤を混合した単一組成物あるいは複数のモ
ノマーをブレンドした混合組成物等が利用できる。ま
た、基板としては金属板、プラスチック板でも良い。
【0080】以上の様に、上記の第2の実施形態におい
ては、平面度、平行度、他の面との段差等に関して高精
度が要求される金型マザーの狭く深い谷部は、レプリカ
マスターでは山部になるので、ダイヤモンド切削等の高
精度加工法によって、限りなく設計値に近く2次加工す
ることが出来る。それをマスターとして電鋳加工すれ
ば、金型マザーより高精度な複製金型を確実にしかも安
価に製造することができる。
【0081】(第3の実施形態)以下、第3の実施形態
について説明する。
【0082】図13に示すような機械部品の金型211
を、放電加工等の機械加工で精密にキャビティー212
を加工し、製作した。
【0083】次に、図14に示す様な、金型211を組
み込んだレプリカ成形型221を製作した。このレプリ
カ成形型221は、金型211のキャビティー212の
外周に、ある幅を持った離型を目的としたキャビティー
222を有している。
【0084】また、図15にレプリカ成形型221の平
面図と、後述するレプリカ成形に用いる、角穴226a
を有するガラス基板226の平面図を示す。
【0085】まず、図16(a)に示す様に、レプリカ
成形型221のキャビティー212及び222に、液状
の紫外線硬化型樹脂224をキャビティー212及び2
22と略同体積分滴下する。その状態で真空脱泡し、液
状の紫外線硬化型樹脂224とキャビティー212を密
着させる。キャビティー形状が微細で複雑な場合は、顕
微鏡で拡大して密着している事を確認する。密着するま
で真空脱泡を繰り返す。その後、紫外線を照射し、樹脂
224を硬化させる。
【0086】次に、図16(b)に示す様に、硬化した
紫外線硬化型樹脂の第1の樹脂層224上に、紫外線硬
化型樹脂225を適量滴下し、その上に角穴226aの
あいたガラス基板226を、キャビティー212と角穴
226aが重なる様に載置する。
【0087】次に、図16(c)に示す様に、紫外線を
照射し、樹脂225を硬化させる。硬化した樹脂225
は、ガラス基板26に密着性を向上させるためのシラン
カップリング処理が施されているので、第1の樹脂層2
24とともに、ガラス基板226に一体化される。
【0088】次に、図16(d)に示す様に、離型を行
い、電鋳加工用のレプリカマスター228を得る。この
レプリカマスター228は金型211のキャビティー2
12の形状寸法を極めて高精度に転写することができ
る。
【0089】次に、図17(a)に示す様に、このレプ
リカマスター228をマスターとした電鋳加工を行う。
【0090】次に、図17(b)に示す様に、電鋳層2
31’の外周を機械加工し、電鋳型231を完成する。
電鋳型231は、型211のキャビティー212の形状
寸法を極めて精度良く転写したキャビティー232を有
している。
【0091】なお、上記の説明では、樹脂224,22
5を紫外線硬化型樹脂とし、基板は透明なガラス基板2
26とする場合について説明したが、樹脂材料として
は、この紫外線硬化型樹脂以外に、熱硬化型または常温
硬化型のエポキシ、シリコーン、ポリエステル、ウレタ
ン等や、紫外線以外の活性エネルギー線、たとえば赤外
線、可視光線、電子線、X線等により硬化する樹脂を用
いても良い。樹脂材料としては、ウレタンアクリレー
ト、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレー
ト、ポリエーテルアクリレート等のアクリルや、エポキ
シ、シリコーン、ポリエステル、ウレタンなどに光開始
剤を混合した単一組成物あるいは数種のモノマーをブレ
ンドした混合組成物等が利用できる。また、基板として
は、金属板、プラスチック板等でも良い。また、基板の
角穴の形状は、丸等他の形状でも良い。
【0092】(実施例)次に、上述した第3の実施形態
の製造方法に基づいて、実際に機械部品の金型を製造し
た具体的な例について説明する。
【0093】図18に示すような機械部品の金型241
を、放電加工等の機械加工で精密にキャビティー242
を加工し製作した。
【0094】次に、図19に示す様な、金型241を組
み込んだレプリカ成形型251を製作した。この成形型
251は標準化されていて、2〜3個の部品を作り替え
るだけで、色々な金型に適応する事ができる。このレプ
リカ成形型251は、金型241のキャビティー242
の外周に、ある幅を持った離型を目的としたキャビティ
ー252を有している。
【0095】まず、キャビティー242及び252を、
イソプロピルアルコールに浸し超音波で洗浄する。次
に、図20(a)に示す様に、キャビティー242及び
252に、ウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂2
54をキャビティー242及び252と略同体積分滴下
し、真空脱泡する。樹脂254がキャビティー242に
密着していることを、顕微鏡等で拡大して確認する。密
着するまで真空脱泡を繰り返す。
【0096】その後、照度が0.4mW/cm2の紫外
線を8分間照射させた後、照度が18mW/cm2の紫
外線を7分間照射させ、キャビティー内の樹脂を硬化さ
せた。
【0097】次に図20(b)に示す様に、硬化した紫
外線硬化型樹脂の第1の樹脂層254の上に、紫外線硬
化型樹脂255を適量滴下し、その上にシランカップリ
ング剤で前処理した透明で厚みが5mmかつキャビティ
ー242とほぼ同寸法の角穴256aを有するガラス基
板256を、キャビティー242と角穴256aが重な
るように、樹脂254上に載置する。
【0098】次に、図20(c)に示す様に、照度が
0.4mW/cm2の紫外線を8分間照射した後、照度
が18mW/cm2の紫外線を7分間照射させ、キャビ
ティー内の樹脂を硬化させた。
【0099】次に、図20(d)に示す様に、離型を行
い、電鋳加工用のレプリカマスター258を得た。この
レプリカマスター258と金型241のキャビティー2
42の寸法を精密に測定したところ、極めて高精度に寸
法が転写されていることが確認できた。また電子顕微鏡
で拡大して観察して、形状のエッヂまで極めてシャープ
に転写していることも確認することができた。
【0100】次に、図21(a)に示す様に、このレプ
リカマスター258をマスターとした電鋳加工を行っ
た。加工期間を短くするために、電鋳層261’の厚さ
は、金型241の半分の8mmを少し超えたところまで
とし、マスター258と電鋳層261’を離型した。
【0101】次に、図21(b)に示す様に、電鋳層2
61’の外周を機械加工し、電鋳型261を得た。この
電鋳型261のキャビティー262の寸法を精密に測定
したところ、金型241のキャビティー242の寸法が
極めて高精度に転写されていることが確認できた。また
電子顕微鏡で拡大して観察して、形状のエッヂまで極め
てシャープに転写していることも確認することができ
た。
【0102】次に、図21(c)に示す様に、機械加工
で製作したスペーサー263を電鋳型261に取り付
け、金型241の複製金型を製造した。
【0103】以上の工程により製造した電鋳型の製造コ
ストは、機械加工によって製造された金型の半分以下で
あった。
【0104】以上の様に、上記の第3の実施形態におい
てはガラス基板の角穴によって、第2の反応硬化型樹脂
層は、キャビティーの開放側の樹脂層の表面が固化収縮
することとなり、第2の樹脂層が収縮してもキャビティ
ーと樹脂層とが剥離することがなく、樹脂層はキャビテ
ィーの形状寸法通りに精度良く成形することができる。
また、キャビティーの外周に、ある幅で拡大された樹脂
層は、ガラス基板にあけた角穴によるガラス基板と樹脂
層の接着力の低下を補い、角穴を有するガラス基板と樹
脂層とを一体化して離型させるためのものである。
【0105】(第4の実施形態)以下、第4の実施形態
について説明する。
【0106】本実施形態は微細な形状を有する金型を多
数製作する場合の金型製作工程の一部である。まず、同
一形状の金型を多数製作する場合は、図22に示すよう
なマザー金型310を1個製作する。次に図23のよう
にマザー金型310に紫外線硬化型樹脂312を注入
し、ガラス基板314を上に載せ、紫外線を照射して樹
脂312を硬化させる。この硬化した樹脂をマザー金型
310より離型する時に、マザー金型310の近傍に配
置したエジェクターピン316を上方に移動させ離型す
る。
【0107】次に、紫外線硬化型樹脂312とガラス基
板314からなる成形体をマスターとし、Ni電鋳法に
より図24のように形状を反転し、このNi電鋳品31
8の外側形状を所定の形状に加工すると、図25に示す
ような金型320になる。そして図23から図25を繰
り返すことにより、1個のマザー金型310から任意の
数の金型320を製作することができる。さらに図23
の紫外線硬化型樹脂の硬化及び離型は短時間ででき、ま
た、Ni電鋳は電鋳液に浸水し電流を一定時間加えるこ
とにより人の労力をほとんど必要としない。そのため、
全体として金型製作1個あたりのコストを著しく低下さ
せることが可能である。
【0108】このような金型の製作工程において、図2
3に示す離型機構では、エジェクターピン316を、リ
ニアモーションベアリング322でガイドされたエジェ
クタープレート320により押し上げる構成をとってい
る。
【0109】この場合、リニアモーションベアリング3
22の上下の幅を大きくしてもエジェクターピン316
にかかる抵抗力に、不釣り合いがあるとエジェクタプレ
ート320が傾いてしまい、結果としてガラス基板31
4が傾いて離型され、紫外線硬化型樹脂を取り外す際、
割れたり傷が入ったりしてしまう。
【0110】そこで、本実施形態では、図26に示すよ
うな離型機構を採用した。図26において、ピン330
は傾いた状態にあらかじめ取り付けられており、ネジ3
32を回すことによりプレート334が左に移動し、ピ
ン330の下部の突き当たり点を中心に円弧運動をし、
円弧運動とともにピン330上部は左上の方へ移動す
る。プレート334もピン330の上部と同様な円運動
をするがプレート334とエジェクタプレート336は
互いに滑り運動が可能な様になっている。したがってエ
ジェクタプレート336は左右には運動をしないで、上
下のみの運動となる。ここでエジェクターピン338の
うち、右または左のピンに大きな抵抗力が作用しても、
ネジ332を右に回転することにより、左右のエジェク
ターピン338は同時に上方へ移動する。したがってガ
ラス基板314が金型310から平行に上方へ移動す
る。そのため、紫外線硬化型樹脂312を硬化させた後
に、ネジ332を右に回すことにより正確な離型が可能
となる。次の成形の際にはネジ332を左に回し、エジ
ェクターピン338を上部から押込むことにより、最初
の状態に戻すことができる。
【0111】(実施例)図26の様に、あらかじめ金型
310及びガラス基板314を用意しておきガラス基板
314の片面には、カップリング剤(紫外線硬化型樹脂
とガラス基板の密着力を増す薬品)を塗布しておく。ま
た金型310には離形剤を塗布しておく。紫外線硬化型
樹脂(液体)を金型310上部に注入し、真空容器中に
金型とともに入れ、内部を真空にすると、紫外線硬化型
樹脂中、または金型との隙間にある空気が、外部に出て
ゆくため、紫外線硬化型樹脂が金型の隅々まで確実に充
填される。1回充填後、紫外線を照射し、固化するとそ
の樹脂の固化収縮により上部に隙間ができる。この状態
から、上部に紫外線硬化型樹脂を再充填し、ガラス基板
314をのせ、樹脂が多少あふれる程度に押し付け、ガ
ラス基板314をエジェクターピン338にあたるよう
にしてから、再び紫外線を照射する。樹脂が硬化後にネ
ジ332を右に回しながら金型と平行に、ガラス基板3
14を上方に抜くことにより、割れやスリキズの無い完
全な形の成形品を得ることが可能である。
【0112】なお、上記の離型機構は、第1乃至第3の
実施形態とは別の第4の実施形態として説明したが、こ
の第4の実施形態の離型機構を第1乃至第3の実施形態
に適用してもよいことは言うまでもない。
【0113】以上のように、本実施形態の離型機構を用
いることにより、欠陥のない成形体を効率良く製造する
ことができる。
【0114】(第5の実施形態)以下、第5の実施形態
について説明する。
【0115】この第5の実施形態は、第1の実施形態に
おけるガラス基板26と型11との加圧を行なう機構の
別の例を示すものである。
【0116】図27は、ガラス基板26と型11との加
圧を行なう紫外線透過シリンダー411の構造を示す側
断面図である。また、図28は、シリンダー511をボ
ルト406によりレプリカ成形型21に取り付けた状体
を示す図である。
【0117】図27に示す紫外線透過シリンダー511
のシリンダーエンド403とピストン404はガラス製
で、紫外線を透過させることができる。シリンダーエン
ド403とシリンダー本体401及びそれを閉止する蓋
体402の間には、これらの間をシールするゴムパッキ
ン405が配置されている。また、シリンダーエンドと
シリンダー本体401の間、及びピストン404とシリ
ンダー本体401の間には、Oリング410,411が
配置されている。また、蓋体402には、紫外線を透過
させる開口穴402aが形成されている。
【0118】このように構成される紫外線透過シリンダ
ー411においては、Aより供給された圧縮空気が、空
気室B内に内圧を発生させて、ガラス製のピストン10
4を押し下げようとする力Fを発生させる。この力Fが
ガラス基板26を押し下げ、ガラス基板26を金型11
に押し付ける。
【0119】一般に、加圧装置には、図29に示すよう
に、エアーシリンダー、油圧シリンダー、モーター等の
アクチュエーター33が持つ「力を発生させる機能」
と、移動テーブル26,27等の「力を伝える機能」
と、移動テーブルガイド25等の「動きを案内する機
能」が必要であり、そのために構造が複雑になり、装置
が高価になってしまう。
【0120】その点、本実施形態の紫外線透過シリンダ
ーは、ピストン等に紫外線透過性物質を用いることで、
ピストンで直接ガラス基板を押すことができ、加圧装置
の構造を簡単にすることができる。そのため、加圧装置
を安価にすることができる。
【0121】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の金型製造方
法によれば、機械加工によって製造された、肉圧がmm
単位である、または複雑な形状を有するキャビティーを
有する金型でも、極めて高精度の複製金型を非常に安価
に製造することができる。また、反応硬化型樹脂の成形
工程は、機械加工によって製造された金型を傷つけるこ
とはないので、極めて高精度の安価な複製金型を数多く
製造することができる。
【0122】また、高精度な平面度、平行度、他の面と
の段差等が要求される狭く深い谷部を有する金型を容易
に製作することができる。また反応硬化型樹脂の成形工
程は、機械加工によって製造された金型マザーを傷つけ
ることが無いため、1つの金型マザーから高精度で安価
な複製金型を数多く製造することができる。
【0123】また、本発明の離型機構を用いることによ
り、欠陥のない成形体を効率良く製造することができ
る。
【0124】また、構造の簡単な安価な加圧装置を提供
することができる。
【0125】
【図面の簡単な説明】
【図1】マザー金型を示した図である。
【図2】レプリカ成形金型を示した図である。
【図3】レプリカマスターを製造する工程を示した図で
ある。
【図4】レプリカマスターを使用して電鋳により型を製
造する工程を示した図である。
【図5】マザー金型を示した図である。
【図6】レプリカ成形金型を示した図である。
【図7】レプリカマスターを製造する工程を示した図で
ある。
【図8】レプリカマスターを使用して電鋳により型を製
造する工程を示した図である。
【図9】マザー金型を示した図である。
【図10】レプリカ成形金型を示した図である。
【図11】レプリカマスターを製造する工程を示した図
である。
【図12】レプリカマスターを使用して電鋳により型を
製造する工程を示した図である。
【図13】マザー金型を示した図である。
【図14】レプリカ成形金型を示した図である。
【図15】レプリカ成形金型の平面図である。
【図16】レプリカマスターを製造する工程を示した図
である。
【図17】レプリカマスターを使用して電鋳により型を
製造する工程を示した図である。
【図18】マザー金型を示した図である。
【図19】レプリカ成形金型を示した図である。
【図20】レプリカマスターを製造する工程を示した図
である。
【図21】レプリカマスターを使用して電鋳により型を
製造する工程を示した図である。
【図22】マザー金型を示した図である。
【図23】レプリカマスターを製造する様子を示した図
である。
【図24】レプリカマスターを使用して電鋳により型を
製造する工程を示した図である。
【図25】レプリカマスターを使用して電鋳により型を
製造する工程を示した図である。
【図26】離型機構の構成を示した図である。
【図27】紫外線透過シリンダーの構成を示す側断面図
である。
【図28】紫外線透過シリンダーをレプリカ成形型に取
り付けた状態を示した図である。
【図29】従来のレプリカ成形装置を示す図である。
【図30】紫外線の照射領域を制御するレプリカ成形方
法を示す図である。
【図31】1回目の成形で加工された不完全なレプリカ
を母材として、再度同じ型で成形する方法を示した図で
ある。
【図32】2回に分けて樹脂を供給するレプリカ成形方
法を示す図である。
【符号の説明】
11,41,111,211,241,310 金型 12,32,42,62,112,212,222,23
2,242,252,262 キャビティー 21,51,121,221,251 レプリカ成形型 23,53 切り欠き 24,25,54,55,131,224,225,25
4,255 紫外線硬化型樹脂 26,56,132,226,256,314 ガラス基板 27,57 余分な紫外線硬化型樹脂 28,58,133,228,258 レプリカマスター 29,59 空気泡 31,51,61,231,261,320 電鋳型 63,263 スペーサー

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所望の成形品形状を得るための第1の金
    型を機械加工により高精度に加工する第1の金型加工工
    程と、 前記第1の金型のキャビティーに一定量の反応硬化型樹
    脂を供給して硬化させ、第1の樹脂層を形成する第1層
    形成工程と、 前記第1の樹脂層の開放側の硬化面上に、第2の樹脂層
    となる反応硬化型樹脂を供給し、その上に基板を載置す
    る基板載置工程と、 前記基板を加圧しながら前記反応硬化型樹脂を硬化させ
    て第2の樹脂層を形成する第2層形成工程と、 前記基板と前記第2の樹脂層と前記第1の樹脂層とが一
    体化された成形体を前記第1の金型から離型する離型工
    程と、 前記成形体をマスターとして電鋳加工を行ない、第2の
    金型を得る第2の金型加工工程とを具備することを特徴
    とする金型製造方法。
  2. 【請求項2】 前記基板載置工程においては、前記第1
    の金型に形成された切欠から前記基板と前記第1の樹脂
    層との間の空気を押し出し、樹脂量を一定化させること
    を特徴とする請求項1に記載の金型製造方法。
  3. 【請求項3】 前記基板はガラス基板であることを特徴
    とする請求項1に記載の金型製造方法。
  4. 【請求項4】 前記反応硬化型樹脂は活性エネルギー線
    硬化型樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の金
    型製造方法。
  5. 【請求項5】 前記活性エネルギー線硬化型樹脂は紫外
    線硬化型樹脂であることを特徴とする請求項4に記載の
    金型製造方法。
  6. 【請求項6】 所望の成形品形状を得るための第1の金
    型を機械加工により高精度に加工する第1の金型加工工
    程と、 前記第1の金型のキャビティーに一定量の反応硬化型樹
    脂を供給して硬化させ、第1の樹脂層を形成する第1層
    形成工程と、 前記第1の樹脂層の開放側の硬化面上に、第2の樹脂層
    となる反応硬化型樹脂を供給し、その上に基板を載置す
    る基板載置工程と、 前記反応硬化型樹脂を硬化させて第2の樹脂層を形成す
    る第2層形成工程と、 前記基板と前記第2の樹脂層と前記第1の樹脂層とが一
    体化された成形体を前記第1の金型から離型する離型工
    程と、 前記成形体を機械加工により修正加工して、高精度な形
    状を得る2次加工工程と、 該2次加工工程により加工された前記成形体をマスター
    として電鋳加工を行ない、第2の金型を得る第2の金型
    加工工程とを具備することを特徴とする金型製造方法。
  7. 【請求項7】 前記基板はガラス基板であることを特徴
    とする請求項6に記載の金型製造方法。
  8. 【請求項8】 前記反応硬化型樹脂は活性エネルギー線
    硬化型樹脂であることを特徴とする請求項6に記載の金
    型製造方法。
  9. 【請求項9】 前記活性エネルギー線硬化型樹脂は紫外
    線硬化型樹脂であることを特徴とする請求項8に記載の
    金型製造方法。
  10. 【請求項10】 所望の成形品形状を得るための第1の
    金型を機械加工により高精度に加工する第1の金型加工
    工程と、 前記第1の金型のキャビティーに一定量の反応硬化型樹
    脂を供給して硬化させ、第1の樹脂層を形成する第1層
    形成工程と、 前記第1の樹脂層の開放側の硬化面上に、第2の樹脂層
    となる反応硬化型樹脂を供給し、その上に前記キャビテ
    ィーの投影形状に近い形状の穴を有する基板を載置する
    基板載置工程と、 前記反応硬化型樹脂を硬化させて第2の樹脂層を形成す
    る第2層形成工程と、 前記基板と前記第2の樹脂層と前記第1の樹脂層とが一
    体化された成形体を前記第1の金型から離型する離型工
    程と、 前記成形体をマスターとして電鋳加工を行ない、第2の
    金型を得る第2の金型加工工程とを具備することを特徴
    とする金型製造方法。
  11. 【請求項11】 前記基板はガラス基板であることを特
    徴とする請求項10に記載の金型製造方法。
  12. 【請求項12】 前記反応硬化型樹脂は活性エネルギー
    線硬化型樹脂であることを特徴とする請求項10に記載
    の金型製造方法。
  13. 【請求項13】 前記活性エネルギー線硬化型樹脂は紫
    外線硬化型樹脂であることを特徴とする請求項12に記
    載の金型製造方法。
  14. 【請求項14】 前記第1の金型は、最終的な製品の形
    状を転写する第1のキャビティーと、該第1のキャビテ
    ィーの外周に所定の幅で拡大された第2のキャビティー
    とを有することを特徴とする請求項10に記載の金型製
    造方法。
  15. 【請求項15】 金型のキャビティー内で成形された成
    形品を前記金型から離型させるための離型機構におい
    て、 前記成形品を前記金型から押し出すためのエジェクター
    ピンであって、前記キャビティーの外周部に略対称に複
    数配置されたエジェクターピンと、 該エジェクターピンを支持するためのエジェクタープレ
    ートと、 該エジェクタープレートを、前記金型と平行に移動させ
    る移動手段とを具備することを特徴とする離型機構。
  16. 【請求項16】 前記移動手段は、前記エジェクタープ
    レートの両端部を下方から支持するように斜めに配置さ
    れた少なくとも2本のピンと、前記エジェクタープレー
    トを水平方向に押すための押し手段とを備えることを特
    徴とする請求項15に記載の離型機構。
  17. 【請求項17】 金型に形成されたキャビティー内に活
    性エネルギー線硬化型の樹脂材料を充填し、該樹脂材料
    上に透明基板を載置し、前記樹脂材料を硬化させること
    により前記透明基板と前記樹脂材料を一体化した成形品
    を成形する場合に用いられる、前記透明基板を加圧する
    装置であって、 前記透明基板を押圧する光透過性の材料からなるピスト
    ンと、 該ピストンを上下方向に駆動する駆動手段とを具備する
    ことを特徴とする加圧装置。
  18. 【請求項18】 前記樹脂材料は紫外線硬化型の樹脂材
    料であり、前記ピストンは紫外線透過性の材料からなる
    ことを特徴とする請求項17に記載の加圧装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010230749A (ja) * 2009-03-26 2010-10-14 Seiko Epson Corp レンズアレイ製造用型の製造方法
JP2011178162A (ja) * 2010-02-04 2011-09-15 Toshiba Mach Co Ltd レンズ成形用型の製造方法、レンズの製造方法、レンズ、レンズ成形用原版の製造方法およびレンズ成形用原版
KR20180067064A (ko) * 2016-12-12 2018-06-20 최태국 수처리용 필터 제조 장치 및 필터

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