JPH11340559A - 半導体発光素子 - Google Patents

半導体発光素子

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JPH11340559A
JPH11340559A JP14082898A JP14082898A JPH11340559A JP H11340559 A JPH11340559 A JP H11340559A JP 14082898 A JP14082898 A JP 14082898A JP 14082898 A JP14082898 A JP 14082898A JP H11340559 A JPH11340559 A JP H11340559A
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JP
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axis
semiconductor
barrier layer
center
type
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JP14082898A
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English (en)
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So Otoshi
創 大歳
Takaro Kuroda
崇郎 黒田
Makoto Takahashi
誠 高橋
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非(001)面の面方位をもつジンクブレン
ド型の歪量子井戸レーザ、あるいはウルツ鉱型の歪量子
井戸レーザでは、圧電効果により動作電流が高くなる。 【解決手段】 バリア層に不純物を添加することで達成
される。特に、バリア層に不均一に不純物を添加するこ
とによって効果的に達成される。 【効果】 本発明によれば、圧電効果の電界を打ち消す
ことができ、光学的遷移確率が増大できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信や光情報処
理等の光源に適用される半導体発光素子、とくに半導体
レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】(001)基板上のジンクブレンド型
(閃亜鉛型)の化合物半導体結晶からなる歪量子井戸レ
ーザにおいて、バリア層に均一に不純物を添加する構造
は、特開昭62−249496号公報等に掲載されてい
る。また、ウルツ鉱型の化合物半導体結晶からなる歪量
子井戸レーザにおいて、バリア層に均一に不純物を添加
する構造は、特開平8−340934号公報等に掲載さ
れている。
【0003】一方、上記ジンクブレンド型の結晶構造を
有する歪量子井戸において、エピタキシャル成長される
結晶面方位を[001]軸から20°乃至85°に傾斜
した場合、圧電効果によって歪量子井戸に大きな電界が
加わり光学的遷移確率が低下することが報告されている
(ディー・サン他、ジャパニーズ・ジャーナル・アプラ
イド・フィジクス、第33巻パート1(第1B号)70
2−708頁、1994年1月, D. Sun, et al, Jpn.
J. Appl. Phys., Vol. 33 (1994), Part 1, No. 1B, p
p. 702-708 )。これに対し、歪量子井戸型活性領域
(発光領域)障壁層又はこれに隣接するガイド層に圧電
効果によりn側からp側の向きに電界を発生させ、レー
ザ発振時に活性領域に生じる空乏層の生成を抑え、レー
ザ共振器の発熱を抑える技術が特開平8−107248
号公報に開示されている。この公報では、またGaAs
当の化合物半導体では、(111)方向に圧電効果が生
じることを開示し、(100)面から(111)A面に
数度傾いた基板主面上に形成された量子井戸活性層の障
壁層又はガイド層に圧電効果を起こさせる構成を開示す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】(110)面を除く非
(001)面の面方位をもつジンクブレンド型の歪量子
井戸レーザ、あるいはウルツ鉱型の歪量子井戸レーザで
は、圧電効果によりウエル層(井戸層)内に電界が加わ
るため、電子と正孔が空間的に分離し、光学的遷移確率
が低下する。その結果、動作電流が高くなり、素子寿命
が短くなるという問題点がある。即ち、上記特開平8−
107248号公報が活性層の発光時における抵抗を低
減するに好適として導入した圧電効果が却って発光効率
を低減するという問題を起こすのである。この公報で
は、井戸層に圧電効果を起こさせると、注入キャリアに
よる遮蔽で圧電効果による電界が中和されると教示する
が、実際は圧電効果による電界が注入キャリアの再結合
を阻むほど大きいことを本発明者は認識したのである。
【0005】したがって、本発明の目的は、上記問題点
を解決し、動作電流が低く、高い信頼性を有する半導体
発光素子を実現することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、圧電効果
で生じた電界を打ち消すように、バリア層に不純物を添
加することで達成される。特に、バリア層に不均一に不
純物を添加することによって効果的に達成される。
【0007】図1および図2は、本発明の原理の説明図
である。図2は、従来の素子の(a)多層構造および
(b)バンド図の模式図であり、InP(111)A面
上に圧縮型歪量子井戸を形成する場合の例である。A面
とは結晶表面がカチオン(陽イオン)、すなわちこの場
合Inであることを意味する。このように、結晶の面方
位が非(001)の場合には((110)面は除く)、
圧電効果(ピエゾ効果)によって図2(b)のように電
界が発生し、歪ウエル層のバンドが傾く。したがって、
注入された電子と正孔は空間的に分離し、光学的遷移確
率が低下する。
【0008】図1は本発明の場合であり、基板側のバリ
ア層の一部にp型不純物を添加し、その反対側のバリア
層の一部にはn型不純物を添加した構造である。これら
の不純物によって発生する電界の方向は、圧電効果の電
界の方向と逆であるため、ウエル層内で電界は相殺され
る。よって、図1(b)のように、歪ウエル層のバンド
は平坦になり、電子と正孔は空間的に同じところに分布
するため光学的遷移確率が増大する。
【0009】また、結晶表面がアニオン(陰イオン)面
であるB面の場合は、圧電効果の電界の方向がカチオン
面の場合と逆になるため、基板側のバリア層の一部にn
型不純物を添加し、その反対側のバリア層の一部にはp
型不純物を添加すれば良い。さらに、引っ張り型歪量子
井戸の場合も、圧縮型歪量子井戸とは、圧電効果の電界
の方向が逆になるが、原理は同じである。
【0010】図1では、n型不純物領域とp型不純物領
域の両方を用いているが、どちらか片方だけでも良い。
また、ウルツ鉱型半導体では、(0001)軸上の歪量
子井戸でも、圧電効果が生じるが、上記と同様な方法で
解決できる。ただし、ウルツ鉱GaN等の場合、圧電係
数がジンクブレンド型InP等に比べ大きいため、不純
物濃度を1019cm-3以上にする必要がある。
【0011】上述のカチオン及びアニオンは、化合物半
導体を構成する元素のうち、価電子が欠乏状態であるも
の及び過剰状態であるものを定義し、III-V族化合物半
導体においては前者はAl, Ga, In等のIII族元素、後者
はN, As, P等のV族元素を指し、II-VI族化合物半導体
では前者はZn, Cd, Mg等のII族元素、後者はS, Se, Te
等のVI族元素を指す。
【0012】そして、以上の議論に基づき、本発明者は
上記課題を解決するに好適な次の半導体発光素子を提供
する。
【0013】その代表的なものは、所定の半導体(半導
体材料からなる結晶で、半導体基板又はその主面上に形
成された半導体層)上に、少なくともジンクブレンド型
半導体である歪量子井戸活性層が結晶成長によって形成
され、その結晶成長方向が[001]軸あるいはこれと
等価な軸から20°乃至85°傾斜した方向であり、上
記活性層がウエル層(井戸層)とこれより禁制帯幅の大
きいバリア層(障壁層)からなり、該ウエル層もしくは
該バリア層あるいは両方の層に、p型もしくはn型不純
物を1018cm-3以上添加していることを特徴とする半
導体発光素子である。ここで、「その結晶成長方向が
[001]軸あるいはこれと等価な軸から20°乃至8
5°傾斜した方向である」ことの具体的な例は、ジンク
ブレンド型(閃亜鉛鉱型)の結晶構造を有する半導体基
板の(100)面又はこれに等価な結晶面((010)
面や(001)面)から上述の範囲の角度傾斜した結晶
面からなる主面上に同じくジンクブレンド型結晶構造を
有する半導体材料をエピタキシャル成長させることであ
る。
【0014】ジンクブレンド型結晶構造を有する半導体
発光素子の望ましき形態としては、第1半導体のカチオ
ン面(陽イオン面)からなる主面上に[001]軸又は
これと等価な結晶軸から20°乃至85°傾斜した方向
(z軸)にジンクブレンド型構造の量子井戸型活性層を
結晶成長させ、この量子井戸型活性層を構成するウエル
層とこれより禁制帯幅の大きいバリア層のうち、バリア
層の少なくとも一にn型不純物を1018cm-3以上添加
したn型領域、p型不純物を1018cm-3以上添加した
p型領域、又はこれら両方の領域を設け、(1)上記ウ
ェル層に圧縮歪を付与した場合:上記n型領域のz軸上
の中心が上記バリア層のz軸上の中心より上記第1半導
体側に且つ上記バリア層のz軸上の中心が上記p型領域
のz軸上の中心より上記第1半導体側に夫々位置させ、
又は(2)上記ウェル層に引っ張り歪を付与した場合:
上記p型領域のz軸上の中心を上記バリア層のz軸上の
中心より上記第1半導体側に且つ上記バリア層のz軸上
の中心を上記n型領域のz軸上の中心より上記第1半導
体側に位置させることを特徴とする。ウェル層への歪
は、当該ウェル層を(1)圧縮歪の場合:上記半導体基
板結晶の格子定数より大きい半導体結晶で、(2)引っ
張り歪の場合:上記半導体基板結晶の格子定数より小さ
い半導体結晶で構成することで夫々付与する。
【0015】上述の「z軸」とは単なる結晶成長方向を
指し、特定の結晶軸に限定されないことに注意された
い。また、上述の「第1半導体」とは半導体基板又はそ
の主面上に積層された半導体層を意味する。そして、上
述のバリア層における「n型領域のz軸上の中心が上記
バリア層のz軸上の中心より上記第1半導体側に位置す
る」という規定は、半導体発光素子の量子井戸型活性層
に含まれる個々のバリア層のうち、その内部にn型領域
を有するもの全てに関し、当該バリア層におけるn型領
域の形成位置が上記第1半導体側、即ち半導体基板側に
偏っていることを意味する。その態様は、n型領域をバ
リア層の基板側に設けた構成のみならず、n型領域以外
のバリア層構成領域で当該n型領域を挟む場合において
その基板側に形成される厚さを基板の反対側に形成され
る厚さより薄くする構成をも含む。同様に「上記バリア
層のz軸上の中心が上記p型領域のz軸上の中心より上
記第1半導体側に位置する」という規定は、上記量子井
戸型活性層に含まれる個々のバリア層のうち、その内部
にp型領域を有するもの全てに関し、当該バリア層にお
けるp型領域の形成位置が上記第1半導体(半導体基
板)の反対側に偏っていることを意味する。従って、上
述の2つの規定を満たす半導体発光素子の量子井戸型活
性層において、n型領域とp型領域の双方からなるバリ
ア層の一態様は、半導体基板側からn型層、p型層の順
に半導体層を積層した構成として記述される。また、当
然のことながら、不純物ドープ領域を有さないバリア層
に関しては、上述の規定のいずれにも拘束されない。
【0016】以上のようなz軸(結晶成長方向)による
バリア層の不純物ドープ領域の位置に関する規定は、別
の実施態様においても適用する。そして、別の一形態と
しては、第1半導体のアニオン面(陰イオン面)からな
る主面上に[001]軸又はこれと等価な結晶軸から2
0°乃至85°傾斜した方向(z軸)にジンクブレンド
型構造の量子井戸型活性層を結晶成長させ、この量子井
戸型活性層を構成するウエル層とこれより禁制帯幅の大
きいバリア層のうち、バリア層の少なくとも一にn型不
純物を1018cm-3以上添加したn型領域、p型不純物
を1018cm-3以上添加したp型領域、又はこれら両方
の領域を設け、(3)上記ウェル層に圧縮歪を付与した
場合:上記p型領域のz軸上の中心が上記バリア層のz
軸上の中心より上記第1半導体側に且つ上記バリア層の
z軸上の中心が上記n型領域のz軸上の中心より上記第
1半導体側に夫々位置させ、又は(4)上記ウェル層に
引っ張り歪を付与した場合:上記n型領域のz軸上の中
心を上記バリア層のz軸上の中心より上記第1半導体側
に且つ上記バリア層のz軸上の中心を上記p型領域のz
軸上の中心より上記第1半導体側に位置させることを特
徴とする。
【0017】上述の本発明による代表的な半導体発光素
子は、窒素を含むIII-V族化合物半導体(窒化物半導体
又は窒化ガリウム系半導体と呼ばれる)のようなウルツ
鉱型結晶構造を有する半導体材料で構成した場合にも適
用できる。ウルツ鉱型結晶構造を有する半導体発光素子
の望ましき一形態としては、第1半導体のカチオン面
(陽イオン面)からなる主面上にウルツ鉱型構造の量子
井戸型活性層を結晶成長(z軸方向)させ、この量子井
戸型活性層を構成するウエル層とこれより禁制帯幅の大
きいバリア層のうち、バリア層の少なくとも一にn型不
純物を1019cm-3以上添加したn型領域、p型不純物
を1019cm-3以上添加したp型領域、又はこれら両方
の領域を設け、(5)上記ウェル層に圧縮歪を付与した
場合:上記n型領域のz軸上の中心が上記バリア層のz
軸上の中心より上記第1半導体側に且つ上記バリア層の
z軸上の中心が上記p型領域のz軸上の中心より上記第
1半導体側に夫々位置させ、又は(6)上記ウェル層に
引っ張り歪を付与した場合:上記p型領域のz軸上の中
心を上記バリア層のz軸上の中心より上記第1半導体側
に且つ上記バリア層のz軸上の中心を上記n型領域のz
軸上の中心より上記第1半導体側に位置させることを特
徴とする。また、望ましき別の形態としては、第1半導
体のアニオン面(陰イオン面)からなる主面上にウルツ
鉱型構造の量子井戸型活性層を結晶成長(z軸方向)さ
せ、この量子井戸型活性層を構成するウエル層とこれよ
り禁制帯幅の大きいバリア層のうち、バリア層の少なく
とも一にn型不純物を1019cm-3以上添加したn型領
域、p型不純物を1019cm-3以上添加したp型領域、
又はこれら両方の領域を設け、(7)上記ウェル層に圧
縮歪を付与した場合:上記p型領域のz軸上の中心が上
記バリア層のz軸上の中心より上記第1半導体側に且つ
上記バリア層のz軸上の中心が上記n型領域のz軸上の
中心より上記第1半導体側に夫々位置させ、又は(8)
上記ウェル層に引っ張り歪を付与した場合:上記n型領
域のz軸上の中心を上記バリア層のz軸上の中心より上
記第1半導体側に且つ上記バリア層のz軸上の中心を上
記p型領域のz軸上の中心より上記第1半導体側に位置
させることを特徴とする。以上のように、バリア層にお
ける不純物ドープ領域の配置はジンクブレンド型結晶構
造の場合と同じだが、要請されるドープ量がジンクブレ
ンド型より一桁高い点にウルツ鉱型結晶構造の素子の特
徴がある。
【0018】以上のジンクブレンド型半導体からなる半
導体発光素子は、III−V族化合物半導体で構成した場
合に効果がある。また、この場合の上記半導体基板材料
としては、InPを利用することを推奨する。
【0019】また、ジンクブレンド型、ウルツ鉱型のい
ずれにおいても、上記ウエル層の厚さの設定が発明の効
果を顕在化させるに重要であり、望ましき厚さの範囲と
して5nm以上12nm以下を推奨する。そして、以上
の発光素子を半導体層の積層方向に(基板主面に対して
垂直に)レーザ共振器を構成した垂直共振器型面発光レ
ーザとして実施してもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態を実施例1,2と夫々の関連図面を参照して説明する。
【0021】<実施例1>図3は、本発明の第1の実施
例である半導体レーザの断面模式図(a)、および、活
性層の多層構造(b)を示したものである。作製方法は
以下の通りである。
【0022】n−InP基板11の(112)B面上
に、有機金属気相成長(MOVPE)法により、n型ク
ラッド層12(InP、1.6μm)、活性層13、p
型クラッド層14(InP、2μm)、キャップ層15
(InGaAsP、0.4μm)を順次設ける。ここ
で、活性層の多層構造は、(b)図に示すように、アン
ドープバリア層19(禁制帯幅波長1.1μmのInG
aAsP、3nm)を成長した後、不純物濃度が5×1
18cm-3のn型バリア層20(禁制帯幅波長1.1μ
mのInGaAsP、3nm)、歪ウエル層21(In
0.7Ga0.3As、圧縮歪1.2%、6nm)、不純物濃
度が5×1018cm-3のp型バリア層22(禁制帯幅波
長1.1μmのInGaAsP、3nm)の3層を3周
期成長し、最後に、再びアンドープバリア層19(禁制
帯幅波長1.1μmのInGaAsP、3nm)を設け
ることで形成される。次に、通常の液相エッチング法に
より、幅1.5μmのメサストライプを形成した後、
再びMOVPE法によりFeドープの半絶縁性InPの
埋込み層16をメサの両側に設ける。最後に、蒸着法を
用いてp型電極17とn型電極18を形成することによ
り図に示す実施例の半導体レーザを作製する。
【0023】上記実施例の素子においては、発振しきい
電流が5mAとなる。すべてのバリア層がアンドープで
ある従来例では、発振しきい電流は15mAであり、本
実施例では特性が大幅に改善できることがわかる。
【0024】<実施例2>図4は、本発明の第2の実施
例である半導体レーザの断面模式図(a)、および、活
性層の多層構造(b)を示したものである。作製方法は
以下の通りである。
【0025】(0001)面のサファイア基板31上
に、有機金属気相成長(MOVPE)法により、バッフ
ァ層32(GaN、0.05μm) 、n型導電層33
(GaN、2μm) 、n型クラッド層34(GaN、
1μm)、活性層35、p型クラッド層36(GaN
、1μm )、キャップ層37( GaN、0.5μm
)を順次設ける。ここで、バッファ層32の表面は
(0001)のアニオン面(V族面)であり、また、活
性層の多層構造は、(b)図に示すように、アンドープ
バリア層40( GaN 、3nm)を成長した後、不純
物濃度が2×1019cm-3のn型バリア層41( Ga
N 、3nm)、歪ウエル層42(In0.2Ga0.8N、
圧縮歪1.0%、6nm)、アンドープバリア層40
( GaN 、3nm)の3層を3周期成長し、最後に、
再びアンドープバリア層40( GaN 、3nm)を設
けることで形成される。次に、ドライエッチング法によ
り、図のように半導体層の一部を、キャップ層37から
n型導電層33に達するまで除去し、幅2μmのメサ構
造を形成する。最後に、蒸着法を用いてp型電極38と
n型電極39を形成することにより図に示す実施例の半
導体レーザを作製する。
【0026】上記実施例の素子においては、発振しきい
電流が40mAとなる。すべてのバリア層がアンドープ
である従来例では、発振しきい電流は120mAであ
り、本実施例では特性が大幅に改善できることがわか
る。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、(110)面を除く非
(001)面の面方位をもつジンクブレンド型の歪量子
井戸レーザ、あるいはウルツ鉱型の歪量子井戸レーザで
生じる圧電効果の電界を打ち消すことができる。そのた
め、光学的遷移確率が増大し、低動作電流の半導体発光
素子が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図であって、(a)は本発明
による半導体発光素子の量子井戸型活性層を構成する多
層構造を、(b)は当該量子井戸型活性層のバンド図を
夫々示す。
【図2】従来の半導体発光素子構造の原理説明図であっ
て、(a)はその量子井戸型活性層を構成する多層構造
を、(b)は当該量子井戸型活性層のバンド図を夫々示
す。
【図3】本発明の第1の実施例となる半導体レーザの
(a)断面模式図、および(b)活性層の多層構造を示
す。
【図4】本発明の第2の実施例となる半導体レーザの
(a)断面模式図、および(b)活性層の多層構造を示
す。
【符号の説明】
1,11,31‥基板、2,19,40‥アンドープバ
リア層、3,22‥p型バリア層、4,21,42‥歪
ウエル層、5,20,41‥n型バリア層、12,34
‥ n型クラッド層、13,35‥活性層、14,36
‥p型クラッド層、15,37‥キャップ層、16‥埋
込み層、17,38‥p型電極、18,39‥n型電
極、32‥バッファ層、33‥n型導電層。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の半導体上に、少なくともジンクブレ
    ンド型半導体である歪量子井戸活性層が結晶成長によっ
    て形成され、その結晶成長方向が[001]軸あるいは
    これと等価な軸から20°乃至85°傾斜した方向であ
    り、上記活性層がウエル層とバリア層からなり、該ウエ
    ル層もしくは該バリア層あるいは両方の層に、p型もし
    くはn型不純物を1018cm-3以上添加していることを
    特徴とする半導体発光素子。
  2. 【請求項2】第1半導体のカチオン面(陽イオン面)上
    に、少なくともジンクブレンド型半導体である圧縮型歪
    量子井戸活性層が結晶成長によって形成され、その結晶
    成長方向(z軸)が[001]軸あるいはこれと等価な
    軸から20°乃至85°傾斜した方向であり、上記活性
    層がウエル層とバリア層からなり、該バリア層が少なく
    ともn型不純物を1018cm-3以上添加したn型領域、
    あるいはp型不純物を1018cm-3以上添加したp型領
    域、もしくはそれら両方の領域を有し、該n型領域のz
    軸上の中心が上記バリア層のz軸上の中心より上記第1
    半導体側に位置し、上記バリア層のz軸上の中心が上記
    p型領域のz軸上の中心より上記第1半導体側に位置す
    ることを特徴とする半導体発光素子。
  3. 【請求項3】第1半導体のアニオン面(陰イオン面)上
    に、少なくともジンクブレンド型半導体である圧縮型歪
    量子井戸活性層が結晶成長によって形成され、その結晶
    成長方向(z軸)が[001]軸あるいはこれと等価な
    軸から20°乃至85°傾斜した方向であり、上記活性
    層がウエル層とバリア層からなり、該バリア層が少なく
    ともn型不純物を1018cm-3以上添加したn型領域、
    あるいはp型不純物を1018cm-3以上添加したp型領
    域、もしくはそれら両方の領域を有し、該p型領域のz
    軸上の中心が上記バリア層のz軸上の中心より上記第1
    半導体側に位置し、上記バリア層のz軸上の中心が上記
    n型領域のz軸上の中心より上記第1半導体側に位置す
    ることを特徴とする半導体発光素子。
  4. 【請求項4】第1半導体のカチオン面(陽イオン面)上
    に、少なくともジンクブレンド型半導体である引っ張り
    型歪量子井戸活性層が結晶成長によって形成され、その
    結晶成長方向(z軸)が[001]軸あるいはこれと等
    価な軸から20°乃至85°傾斜した方向であり、上記
    活性層がウエル層とバリア層からなり、該バリア層が少
    なくともn型不純物を1018cm-3以上添加したn型領
    域、あるいはp型不純物を1018cm-3以上添加したp
    型領域、もしくはそれら両方の領域を有し、該p型領域
    のz軸上の中心が上記バリア層のz軸上の中心より上記
    第1半導体側に位置し、上記バリア層のz軸上の中心が
    上記n型領域のz軸上の中心より上記第1半導体側に位
    置することを特徴とする半導体発光素子。
  5. 【請求項5】第1半導体のアニオン面(陰イオン面)上
    に、少なくともジンクブレンド型半導体である引っ張り
    型歪量子井戸活性層が結晶成長によって形成され、その
    結晶成長方向(z軸)が[001]軸あるいはこれと等
    価な軸から20°乃至85°傾斜した方向であり、上記
    活性層がウエル層とバリア層からなり、該バリア層が少
    なくともn型不純物を1018cm-3以上添加したn型領
    域、あるいはp型不純物を1018cm-3以上添加したp
    型領域、もしくはそれら両方の領域を有し、該n型領域
    のz軸上の中心が上記バリア層のz軸上の中心より上記
    第1半導体側に位置し、上記バリア層のz軸上の中心が
    上記p型領域のz軸上の中心より上記第1半導体側に位
    置することを特徴とする半導体発光素子。
  6. 【請求項6】第1半導体のカチオン面(陽イオン面)上
    に、少なくともウルツ鉱型半導体である圧縮型歪量子井
    戸活性層が結晶成長によってz軸方向に形成され、上記
    活性層がウエル層とバリア層からなり、該バリア層が少
    なくともn型不純物を1019cm-3以上添加したn型領
    域、あるいはp型不純物を1019cm-3以上添加したp
    型領域、もしくはそれら両方の領域を有し、該n型領域
    のz軸上の中心が上記バリア層のz軸上の中心より上記
    第1半導体側に位置し、上記バリア層のz軸上の中心が
    上記p型領域のz軸上の中心より上記第1半導体側に位
    置することを特徴とする半導体発光素子。
  7. 【請求項7】第1半導体のアニオン面(陰イオン面)上
    に、少なくともウルツ鉱型半導体である圧縮型歪量子井
    戸活性層が結晶成長によってz軸方向に形成され、上記
    活性層がウエル層とバリア層からなり、該バリア層が少
    なくともn型不純物を1019cm-3以上添加したn型領
    域、あるいはp型不純物を1019cm-3以上添加したp
    型領域、もしくはそれら両方の領域を有し、該p型領域
    のz軸上の中心が上記バリア層のz軸上の中心より上記
    第1半導体側に位置し、上記バリア層のz軸上の中心が
    上記n型領域のz軸上の中心より上記第1半導体側に位
    置することを特徴とする半導体発光素子。
  8. 【請求項8】第1半導体のカチオン面(陽イオン面)上
    に、少なくともウルツ鉱型半導体である引っ張り型歪量
    子井戸活性層が結晶成長によってz軸方向に形成され、
    上記活性層がウエル層とバリア層からなり、該バリア層
    が少なくともn型不純物を1019cm-3以上添加したn
    型領域、あるいはp型不純物を1019cm-3以上添加し
    たp型領域、もしくはそれら両方の領域を有し、該p型
    領域のz軸上の中心が上記バリア層のz軸上の中心より
    上記第1半導体側に位置し、上記バリア層のz軸上の中
    心が上記n型領域のz軸上の中心より上記第1半導体側
    に位置することを特徴とする半導体発光素子。
  9. 【請求項9】第1半導体のアニオン面(陰イオン面)上
    に、少なくともウルツ鉱型半導体である引っ張り型歪量
    子井戸活性層が結晶成長によってz軸方向に形成され、
    上記活性層がウエル層とバリア層からなり、該バリア層
    が少なくともn型不純物を1019cm-3以上添加したn
    型領域、あるいはp型不純物を1019cm-3以上添加し
    たp型領域、もしくはそれら両方の領域を有し、該n型
    領域のz軸上の中心が上記バリア層のz軸上の中心より
    上記第1半導体側に位置し、上記バリア層のz軸上の中
    心が上記p型領域のz軸上の中心より上記第1半導体側
    に位置することを特徴とする半導体発光素子。
  10. 【請求項10】上記のジンクブレンド型半導体がIII−
    V族半導体であることを特徴とする請求項1から5記載
    の半導体発光素子。
  11. 【請求項11】上記の素子の基板にInPを用いたこと
    を特徴とする請求項1から5記載の半導体発光素子。
  12. 【請求項12】上記のウエル層の厚さが5nm以上12
    nm以下であることを特徴とする請求項1から11記載
    の半導体発光素子。
  13. 【請求項13】上記の素子が垂直共振器型面発光レーザ
    であることを特徴とする請求項1から12記載の半導体
    発光素子。
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