JPH11339681A - 蛍光表示板およびその製造方法 - Google Patents

蛍光表示板およびその製造方法

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JPH11339681A
JPH11339681A JP16286998A JP16286998A JPH11339681A JP H11339681 A JPH11339681 A JP H11339681A JP 16286998 A JP16286998 A JP 16286998A JP 16286998 A JP16286998 A JP 16286998A JP H11339681 A JPH11339681 A JP H11339681A
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crystal
film
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crystal film
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JP16286998A
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Takahiro Ozawa
隆弘 小澤
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Toyota Central R&D Labs Inc
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】電子線照射を用いた蛍光表示板において、その
発光効率を上げること。 【解決手段】ガラス基板11上に透明な導電膜12を形
成する。更にその上に、Ga(CH3 3 ,NH3 ,I
n(CH3 3 等を原料としMOCVD法により、In
x GaY Al1-X-Y からなる蛍光結晶膜13を成長させ
る。この時、蛍光発光強度が最大になる結晶軸<000
1>と基板法線nが略平行になるように成長させる。そ
の後、熱処理あるいはレーザーアニールにより蛍光結晶
膜13中の多結晶を再結晶化させ、その結晶配向を高め
基板法線n方向に一致させる。また、この工程により同
時に多くの結晶粒界を消滅させ、粒界による乱反射を低
減させる。これにより、最大効率で発光する蛍光表示板
が実現できた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子線を照射する
ことにより蛍光体を発光させ、絵、文字、記号等を表示
させる蛍光表示板およびその製造方法に関する。特にそ
の蛍光体を基板上に形成した蛍光結晶膜とし、その蛍光
結晶膜の配向を所定の方向に配向することにより、高効
率の発光を可能とした蛍光表示板に関する。本発明は、
電界放射型素子を用いたフルカラー表示デバイスに適用
できる。
【0002】
【従来の技術】従来、3族窒化物半導体を使用した蛍光
体として、例えば特開昭51−41686号公報あるい
は特開平9ー286982号公報に記載のものが開示さ
れている。前者は、Ga2 3 をアンモニア雰囲気下で
窒化させ、窒化ガリウムGaNを得、カドニウムCdを
ドープした蛍光体である。具体的には、10gのCdS
と10gのGa2 3 を混合し、アンモニア雰囲気中に
おいて1060℃で反応させ、化学処理を行うことによ
って得られる。
【0003】後者は、窒化ガリウムと窒化インジュウム
の固溶体Ga1-X Inx Nを母体とし、M,Yを同じく
ドープした蛍光体である。化学式はGa1-X Inx N:
M,Yで表せられる。ここで、MはBe,Mg,Ca,
Sr,Ba,Zn,Cd,Hgから選ばれたいずれか1
つの元素であり、半導体中アクセプタとしての役割を果
たす。YはC,Si,Ge,Sn,Pbから選ばれたい
ずれか1つの元素であり、同じく半導体中ドナーの役割
を果たす。xは0≦x<0.8の範囲にある少数であ
る。例えば、図9に示すように、窒化ガリウムGaN:
Mg,Siからなる蛍光体120は、Ga2 3 を23
g、MgCl2 を0.02g混合し、ポリシラザン(S
iHa b n 20%溶液を0.05g加えて、アンモ
ニア雰囲気1100℃で10時間保持することにより得
られる。これらの蛍光体は結晶粒であり、それぞれ所定
の結晶軸を有している。
【0004】この蛍光体、例えば蛍光体120は、図1
0に示すように一旦有機バインダ130に分散され、ガ
ラス基板110に形成された導電膜100上に塗布され
る。その後焼成されることによって、バインダ130が
取り除かれ、蛍光表示板140が作成される。このよう
に、結晶粒がバインダによってランダムに固定され焼成
されるので、結晶粒所定の結晶軸も図中矢印に示される
ように基板法線nに対してランダムに配向され固定され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の蛍光体は、いず
れも原料粒子を混合し、その後、熱処理による固相反応
を利用してつくられた生成粒の集合体である。固相反応
による上記生成粒は、一般に結晶粒単体あるいは複数の
結晶粒から構成されており、電子線が照射されると発光
し、その発光特性は結晶面に依存することが知られてい
る。例えば、六方晶の3族窒化物半導体の場合は、<0
001>軸方向にその発光強度が最大となる。従って、
図10に示すように結晶軸方向がランダムな場合、蛍光
はランダムな方向に発せられ、内部では乱反射および吸
収が生じていた。そのため、発光効率が低くコントラス
トの低い蛍光表示板となっていた。従って、高加速電圧
(30KV)、低電流密度(10mA/cm2 )の電子
線を使用するCRTには有効であったが、低加速電圧
(500V)、高電流密度(100mA/cm2 )の電
子線を使用する電界放射型素子では投入パワーが不足
し、十分な輝度およびコントラストが得られなかった。
よって、従来の蛍光体を電界放射型素子を用いた平面デ
ィスプレイには適用できなかった。
【0006】また、加速電圧が1kV以下の低速電子線
励起により蛍光を得る場合には、電子線の侵入深さが小
さいためCRTのように蛍光膜表面にアルミニウムなど
の金属膜を蒸着したメタルバックを形成することができ
ない。したがって、粒状で配向していない蛍光体は剥離
や変質等が生じ易く、蛍光の効率低下を引き起こす原因
となっていた。
【0007】また、上記3族窒化物半導体は、インジュ
ウムInの配合量、ガリウムGa配合量、およびドーパ
ントの種類や濃度によりその発光波長および発光強度は
異なる。上記方法では、粒子毎にその配合量や濃度が異
なるため、その発光波長や発光強度も粒子毎に異なり、
輝度バランスや発光色の制御性が要求される蛍光表示板
には適用が困難であった。
【0008】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、発光効率は、その結晶粒
の不均一配向、さらに結晶粒子間の空隙による乱反射に
大きく依存することに着目し、上記3族窒化物半導体を
均一な蛍光結晶膜とし、上記原因を取り除き、発光効率
を増大させた蛍光表示板を提供することである。また、
他の目的は、長時間使用しても性能劣化のない蛍光表示
板とその製造方法を提供することである。さらに、他の
目的は、上記3族窒化物半導体を気相エピタキシャル成
長等によって均一に作成し、上記発光効率を増大させた
上記蛍光表示板の製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段・作用・効果】この目的を
達成するために本発明の請求項1記載の蛍光板は、電子
線照射により蛍光体を発光させ、絵、文字、記号等を表
示させる蛍光表示板であって、絶縁基板と、その絶縁基
板上に2次元配列された導電膜と、その導電膜上に形成
され、所定の結晶面が絶縁基板と平行に形成された3族
窒化物半導体からなる蛍光結晶膜とを備えている。尚、
所定の結晶面が絶縁基板に平行とは、所定の結晶軸が絶
縁基板の面に垂直であることと同一意味である。絶縁基
板上の導電膜に向かって発射された電子は、導電膜上に
形成された3族窒化物半導体からなる蛍光結晶膜に衝突
し、蛍光結晶膜を電子線励起する。電子線励起された蛍
光結晶膜からは、蛍光が発せられる。蛍光は、結晶の面
方向によってその発光強度が異なり、この蛍光結晶膜
は、最大の発光特性を示す所定の面が基板面に平行にな
るように形成されている。よって、発せられた蛍光は、
主に絶縁基板に垂直方向に放射され、水平方向への放射
は少ない。従って、絶縁基板面内すなわち蛍光結晶膜内
で乱反射されることが少なく、最大発光効率でコントラ
ストの高い蛍光を取り出すことができる。
【0010】例えば、蛍光結晶膜の結晶面(0001)
を絶縁基板に平行、従って、結晶軸<0001>を絶縁
基板に垂直とすることで、より優れた蛍光特性や寿命特
性を得ることができる。又、蛍光結晶膜におけるIn、
Gaの配合割合を調整することで、発光色を変化させた
り、配合割合の異なる3領域を1表示点とすることで、
フルカラーの蛍光板を得ることができる。さらに、蛍光
結晶膜中にSiを1×1017〜1×1021/cm3 の範囲
で添加して、n型導電性とすることで、帯電による蛍光
の効率低下を防止することができる。
【0011】また、絶縁基板が透明な場合、絶縁基板裏
面より垂直方向にコントラストが高く、最大発光効率で
蛍光を取り出すことができる。さらに、この蛍光結晶膜
と導電膜は上記絶縁基板に2次元に配列されている。従
って、絵、文字、記号等を発光効率よく、且つコントラ
ストを高く表示させることができる。
【0012】請求項2の蛍光表示板の製造方法によれ
ば、蛍光結晶膜は導電膜上に形成された後、所定の時
間、所定の温度で熱処理され、その結晶の配向性が高め
られて作成される。上記3族窒化物半導体の結晶構造は
六方晶系であり、例えば気相エピタキシャル成長技術に
よって、導電膜上に形成された蛍光結晶膜の場合もその
結晶構造は同じく六方晶系である。しかしながら、この
時成長せられた蛍光結晶膜構造は、微小な結晶領域が入
り組んだ所謂モザイク構造であり、その結晶配向は完全
には一致していない。このモザイク構造をした蛍光結晶
膜に、所定の時間、所定の温度で熱処理がなされると、
アニール効果により微小な結晶領域の結晶配向が統一さ
れ、モザイク構造が解消される。その結果、結晶の配向
性が飛躍的に高められ、最大の発光特性を示す所定の結
晶面が絶縁基板に平行になるように配向される。従っ
て、発光効率のよい蛍光表示板の製造方法となる。さら
に、蛍光結晶膜は、従来のように結晶粒成分による輝度
分布、発光波長分布がない。よって、均一で安定した発
光特性を示す蛍光表示板の製造方法となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施例に
基づいて説明する。尚、本発明は下記実施例に限定され
るものではない。 (第1実施例)図1に本発明の蛍光表示板の構成断面図
を示す。本発明による蛍光表示板10は、絶縁基板であ
るガラス基板11、ガラス基板11上に形成された厚さ
5nmのニッケルを成分とする導電膜12、さらに導電
膜12上に形成された厚さ1μmの3族窒化物半導体か
らなる蛍光結晶膜13とから構成される。この蛍光結晶
膜13は、六方晶系に属するInX GaY Al
1-X-Y N:Zn,Siの多結晶膜であり、六方晶系のc
軸である<0001>軸と基板法線nが平行、すなわち
(0001)面がガラス基板11に平行に形成されてい
る。
【0014】この蛍光結晶膜13中には、さらに励起電
子のドナーとして濃度5×1018/cm3 のシリコンS
iと、励起電子のアクセプタとして濃度1×1018/c
3の亜鉛Znがド−プされている。尚、上記X,Yは
0≦X,Y≦1,0≦X+Y≦1の条件を満たす値であ
る。本実施例では、Alの成分のない、すなわちX+Y
=1の条件の窒化物半導体が採用されているが、Alが
含まれる化合物半導体にも適用できる。
【0015】このような蛍光結晶膜13に電子線が照射
されると、膜中の電子が伝導帯に励起され、その励起電
子が亜鉛のアクセプタレベルに緩和遷移される。この電
子の遷移過程に応じて蛍光が発せられる。
【0016】次にその製造方法を図2を用いて説明す
る。製造には、真空蒸着法、有機金属気相成長法(以
下、MOCVD法と記す。)等の薄膜技術が使用され
る。MOCVD法では、Gaの供給源としてトリメチル
ガリウム:Ga(CH3 3 (以下、TMGと略す。)
が、Inの供給源としてトリメチルインジュウム:In
(CH3 3 (以下、TMI)が、Alの供給源として
トリメチルアルミニュウム:Al(CH3 3 (以下、
TMA)が、Nの供給源としてアンモニア:NH3 が使
用され、Siの供給源としてモノシラン:SiH4 が、
Znの供給源としてジエチルジンク:Zn(C2 5
2 (以下、DEZ)が用いられる。
【0017】製造方法を順に示すと、先ず表面が平坦に
研磨されたガラス基板11に、真空蒸着法により、厚さ
5nmのニッケルからなる導電膜12を形成する。その
後、そのガラス基板11を400℃に保ちながら、上記
MOCVD法を実施する。詳細には、N2 またはH2
20liter /分、NH3 を10liter /分、TMGを
1.53×10-4モル/分、TMIを0.02×10-4
モル/分、DEZを4.0×10-7モル/分、モノシラ
ンを5.0×10-9モル/分の速度にて、20分間供給
し、上記導電膜12上に膜厚約1μmのIn0.08Ga
0.92N:Zn,Siからなる蛍光結晶膜13を成長させ
る。この時、成長せられた蛍光結晶膜13は多くの結晶
粒15の領域からなる多結晶状態である。その構造は、
図3(a)に示すモザイク構造となり、その各々の結晶
軸<0001>はガラス基板11の基板法線nの方向に
は完全には配向していない。
【0018】次に、この状態で雰囲気を窒素とし基板温
度を300℃から1000℃の間に設定し、数秒から数
十分程度加熱処理を行い、その後アニールを行う。この
加熱処理により導電膜12と蛍光結晶膜13はその界面
にて合金反応を起こし、その結果同じく<0001>軸
が垂直方向に向いた六方晶系を有するGa2 Ni3 が生
成される。このGa2 Ni3 と上記蛍光結晶膜13とは
その結晶構造が同じであることから、アニール過程によ
って、上記モザイク構造をなす結晶粒15の<0001
>軸は、このGa2 Ni3 の<0001>軸に統合さ
れ、その結果図3(b)に示すようにガラス基板11の
基板法線と同方向に大多数の結晶粒15の結晶軸が配向
される。
【0019】この<0001>軸は蛍光強度が最大にな
る方向である。また、加熱処理後のアニール効果によ
り、蛍光結晶膜中の多数の結晶粒界17も消滅せられ、
その粒界による光の散乱が抑えられる。従って、図4に
示す電界放射型素子によって電子線励起された場合、ガ
ラス基板11の裏面から最大効率で蛍光が発せられる。
【0020】図5に、本発明による蛍光表示板と従来例
による蛍光表示板のスペクトルデータの比較を示す。本
発明による蛍光表示板のスペクトルAは発光効率20ル
ーメン/Wであり、半値幅は50nmである。一方、従
来の製造方法による蛍光表示板のスペクトルBは、発光
効率8ルーメン/Wであり、半値幅は150nmであ
る。従って、本発明による製造方法は、従来より色純度
がよく、発光効率が2〜3倍の蛍光表示板を提供する優
れた製造方法であることが示される。
【0021】また、上記の製造方法において、最後に熱
処理を施さない場合の蛍光表示板のスペクトルCは、そ
の発光強度、半値幅ともに熱処理を施した場合のそれよ
り下回っている。従って、本発明の製造方法における熱
処理過程が極めて効果的であることが示された。
【0022】(第2実施例)次に、第2実施例として第
1実施例で説明した蛍光表示板を2次元に配置し、且つ
フルカラー表示を可能とした蛍光表示板20を示す。そ
の構成断面図の1部を、図6に示す。尚、これは蛍光表
示板20の1画素を示すものであり、実際にはこの画素
がマトリクス状に配置される。
【0023】本発明によるカラー表示可能な蛍光表示板
20は、絶縁基板であるガラス基板21、ガラス基板2
1上に形成された厚さ0.1μmの錫添加酸化インジュ
ウム(以下、ITOと略す。)からなる導電膜22a、
22b、22cさらにそれらの上にそれぞれ形成された
厚さ1μmの3族窒化物半導体からなる蛍光結晶膜3
1、32、33、およびそれらの蛍光結晶膜間を隔離す
る絶縁膜40とから構成されている。
【0024】この蛍光結晶膜31、32、33は、第1
実施例と同じく六方晶系に属するInX GaY Al
1-X-Y N:Zn,Siの多結晶膜であり、その成分の配
合割合X,Yよってその発光色が異なるものである。す
なわち、InX GaY Al1-X-YN:Zn,Siの配合
量X,Yを調整することにより禁制帯幅を調整して、そ
れぞれ蛍光結晶膜31は青色発光を、蛍光結晶膜32は
緑色発光を、蛍光結晶膜33は赤色発光をするよう調整
されている。尚、蛍光結晶膜の結晶配向およびドープ元
素並びにその濃度は第1実施例と同じである。
【0025】次にその製造方法を図7を用いて説明す
る。製造には、リソグラフィ技術、エッチング技術、ス
パッタ技術、エピタキシャル技術を中心としたプレ−ナ
−技術が使用される。
【0026】先ず表面が平坦に研磨されたガラス基板2
1に、スパッタ法により厚さ0.1ミクロンのITOか
らなる導電膜22を形成する(a)。次に、フォトリソ
グラフィ技術およびエッチング技術により上記導電膜2
2をパターンニングし、3分割された導電膜22a、2
2b、22cを形成する。これは、後工程で形成される
3種類の蛍光結晶膜31、32、33の導電膜となる。
次に、この状態でH2 プラズマ中に暴露し、ITOから
なる導電膜22の表面結合エネルギーを低下させる
(b)。
【0027】次に、その上にスパッタ法により厚さ約1
μmの酸化シリコンからなる絶縁膜40と厚さ0.1μ
mのチタンからなる第1犠牲層23を形成し(c)、フ
ォトリソグラフィ技術およびエッチング技術により、第
1犠牲層23、絶縁膜40がエッチングされ、導電膜2
2aを露出する(d)。
【0028】その後、ガラス基板21の温度を300℃
に保ちながら、第1実施例と同じくMOCVD法を実施
する。詳細には、N2 またはH2 を20liter /分、N
3を10liter /分、TMGを1.53×10-4モル
/分、TMIを0.02×10-4モル/分、DEZを
4.0×10-7モル/分、モノシランを5.0×10-9
モル/分の速度にて、20分間供給し、上記導電膜22
a上に膜厚約1μmのIn0.08Ga0.92N:Zn,Si
からなる蛍光結晶膜31を成長させる(e)。
【0029】最後に、エッチングにより第1犠牲層23
を除去し、第1犠牲層23上に形成された他の蛍光結晶
膜31も同時に除去する。このような工程で、青色発光
領域Bが形成される(f)。
【0030】同様の工程で、緑色の発光結晶領膜32が
形成され、フォトリフグラフィ、エッチングにより緑色
発光領域Gが形成される。青色発光領域Bが形成された
後、スパッタ法によりチタンからなる第2犠牲層24を
形成した後(g)、パターニング技術により蛍光結晶膜
32が形成される導電膜22bを露出し(h)、その後
MOCVD法により緑色の蛍光結晶膜32を形成する
(i)。詳細には、N2またはH2 を20liter /分、
NH3 を10liter /分、TMGを0.75×10-4
ル/分、TMIを0.6×10-4モル/分、DEZを
4.0×10-7モル/分、モノシランを5.0×10-9
モル/分の速度にて、20分間供給し、上記導電膜22
b上に膜厚約1μmのIn0.43Ga0.57N:Zn,Si
からなる蛍光結晶膜32を成長させる(i)。
【0031】その後、エッチングにより第2犠牲層24
を除去し、第2犠牲層24上に形成された他の蛍光結晶
膜32も同時に除去する。このような工程で、緑色発光
領域Gを形成する(j)。
【0032】赤色発光領域Rの工程も同様である。スパ
ッタ法によりチタンからなる第3犠牲層25を形成した
後(k)、パターニング技術により赤色の蛍光結晶膜3
3が形成される導電膜22cを露出し、その後MOCV
D法により赤色の蛍光結晶膜33を形成する。異なる所
は、TMGを0.15×10-4モル/分、TMIを1.
0×10-4モル/分の速度にすることである。これによ
り、上記導電膜22c上に、膜厚約1μmのIn0.87
0.13N:Zn,Siからなる赤色の蛍光結晶膜33を
成長させる(l)。
【0033】その後、エッチングにより第3犠牲層25
を除去することで第3犠牲層25上に形成された他の蛍
光結晶膜33も除去し、赤色発光領域Rが形成される。
このようにして、フルカラー表示が可能な蛍光表示板2
0が完成される(m)。
【0034】次に、XeCl等のエキシマレーザを照射
する。これは、第1実施例における加熱処理に相当す
る。MOCVD終了後の蛍光結晶膜31、32、33の
結晶状態は、第1実施例と同様、多くの結晶領域からな
る多結晶状態であり、その構造はモザイク構造である。
これにエキシマレーザを照射すると、部分的に高温状態
になり、冷却過程で再結晶化が促進される(アニール効
果)。この時、導電膜22a、22b、22cの界面
は、上記H2 によるプラズマ処理により表面結合エネル
ギーが小さくなっている。そのため、再結晶化の工程で
は結晶膜31、32、33はITOからなる導電膜22
a,22b,22cの表面との相互作用が少なくより安
定した構造になろうとする。この結果、その結晶本来の
最もエネルギー的に安定した稠密構造すなわち六方晶系
となり、各蛍光結晶膜31、32、33の<0001>
結晶軸は基板面に垂直に配向する。従って、蛍光結晶膜
の発光面の法線方向を最大発光効率の軸である<000
1>軸とすることができ、第1実施例同様、最大効率で
蛍光を取り出すことができる。
【0035】図8に、各蛍光結晶膜31、32、33の
R,G,B発光スペクトルを示す。発光スペクトルはそ
れぞれ、460nm、530nm、660nmであり、
その発光効率は各色とも約20ルーメン/Wである。ま
た、その半値幅も約50nmであり、各色とも色純度に
優れている。従って、発光効率、輝度バランス、色純度
に優れたフルカラー蛍光表示板が実現できた。また、各
蛍光結晶膜とも5000時間の長時間使用においても、
その蛍光強度には変化が見られず、信頼性にも優れたフ
ルカラー蛍光表示板が実現できた。
【0036】上記実施例では、蛍光結晶膜31、32、
33にZnとSiを添加しているが、Siのみでも良
く、Znの代わりにCdやMgを用いても良い。又、蛍
光結晶膜には、青色、緑色、赤色の3領域を形成してい
るが、InX GaY Al1-X-YN:Zn,Siの配合量
X,Yを調整することにより黄色や橙色などの他の色の
蛍光結晶膜を形成しても良い。
【0037】その他様々な変形例が考えられるが、蛍光
表示板の蛍光体をMOCVD等で作成する蛍光結晶膜と
し、さらにその結晶膜作成後、加熱処理あるいはレーザ
ーアニールすることによって再結晶させ、その結晶配向
を高めることによって蛍光発光効率を上げる本発明の主
旨に沿うものであればその方式は問わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例の蛍光板を示す構成断面図。
【図2】第1実施例の蛍光板の製造工程を示す断面図。
【図3】第1実施例の蛍光板において蛍光結晶膜の結晶
軸がアニーリングにより1軸方向に配向する様子を示し
た説明図。
【図4】本実施例の蛍光板を電界放射型の素子で電子励
起するディスプレイを示した断面図。
【図5】第1実施例の蛍光板の蛍光結晶膜と、熱処理を
しない場合の蛍光結晶膜と、従来の粉体による蛍光膜と
の発光スペクトルを示した測定図。
【図6】第2実施例の蛍光板の構成を示した断面図。
【図7】第2実施例の蛍光板の製造方法を示した工程
図。
【図8】第2実施例の蛍光板の各発光部からの発光のス
ペクトル強度特性を示した測定図。
【図9】従来の蛍光体の製造方法を示した説明図。
【図10】従来の蛍光板の製造方法を示した説明図。
【符号の説明】
11 基板 12 導電膜 13 蛍光結晶膜 20 蛍光板 22 導電膜 40 絶縁膜 31 青色発光の蛍光結晶膜 32 緑色発光の蛍光結晶膜 33 赤色発光の蛍光結晶膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01J 31/12 H01J 31/12 C

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子線照射により蛍光体を発光させ、絵、
    文字、記号等を表示させる蛍光表示板において、 絶縁基板と、 該絶縁基板上に2次元配列された導電膜と、 該導電膜上に形成され、所定の結晶面が前記絶縁基板と
    平行に形成された3族窒化物半導体からなる蛍光結晶膜
    とを備えたことを特徴とする蛍光表示板。
  2. 【請求項2】前記蛍光結晶膜は、前記導電膜上に形成さ
    れた後、所定の時間、所定の温度で熱処理され、結晶の
    配向性が高められて作成されること特徴とする請求項1
    に記載の蛍光表示板の製造方法。
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