JPH11339555A - 固体型ポリマー電解質膜及びその製造方法 - Google Patents
固体型ポリマー電解質膜及びその製造方法Info
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- JPH11339555A JPH11339555A JP10141359A JP14135998A JPH11339555A JP H11339555 A JPH11339555 A JP H11339555A JP 10141359 A JP10141359 A JP 10141359A JP 14135998 A JP14135998 A JP 14135998A JP H11339555 A JPH11339555 A JP H11339555A
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Abstract
用可能な高強度で耐熱性を有する安全性の優れた固体型
ポリマー電解質膜。 【解決手段】 イオン伝導度が25℃にて5×10-4S/cm以
上であり、突刺し強度が300g以上であり、かつ膜の力学
的な耐熱温度が300℃以上である固体型ポリマー電解質
膜及びその製造方法。
Description
チウムイオン二次電池に適用可能な高強度で耐熱性を有
する安全性の優れた固体型ポリマー電解質膜に関するも
のである。
・軽量、かつエネルギー密度が高く繰り返しの充電回数
が多い二次電池の開発が望まれている。この種の電池と
して水溶液電解液でなく非水電解液を使用するリチウム
およびリチウムイオン二次電池が注目されている。
用いる溶液型のリチウム二次電池の場合、充放電繰り返
しに伴い負極上に糸状のリチウム結晶体(デンドライト)
が生じ短絡等を起こすことから、それを抑制し、しかも
セパレータとしての特性を有する固体状のポリマー電解
質の開発が望まれている。
問題を解消し商品化されたリチウムイオン二次電池にお
いては、電極の短絡防止に用いているセパレータ自身の
電解液の保持力は十分でなく電解液の液漏れを起こし易
いことから、外装として金属缶の使用が不可欠となって
いる。これにより、電池の製造コストが高くなるだけで
なく、電池の軽量化も十分に出来ない状況にある。この
ような背景から、リチウムイオン二次電池においても電
解液の液漏れをなくし、電池の軽量化を目指す観点か
ら、セパレータとしての機能も有する安全性の高いポリ
マー電解質の開発が望まれている。
全性を両立させたポリマー電解質系の検討が精力的に行
われている。そのアプローチの一つは、ポリマーに液体
成分(溶媒もしくは可塑剤)を含有させず、ポリマーと電
解質のみで固体型の電解質を作製しようとするいわゆる
真性ポリマー電解質のアプローチである。このタイプの
電解質は、液体成分が含有されていないために、比較的
強度のある膜を得ることが出来るが、イオン伝導度の限
界が10-5S/cm程度と低く、しかも電極活物質層との接合
が十分に取れない等の理由により、古くから検討が行わ
れているにも関わらず未だに実用化に達していないのが
現状である。
伝導度の低さ、界面接合の不十分さ等の欠点を補う系と
して精力的に検討されているのが、真性ポリマー電解質
に液体成分(溶媒もしくは可塑剤)を添加したいわゆるゲ
ル電解質と称されるものである。この系の場合、ゲル電
解質膜のイオン伝導度は含有する液体成分の量に依存し
ており、かなりの量の液体成分を含有させることによ
り、実用的に十分と考えられる10-3S/cm以上のイオン伝
導度を示す系がいくつか報告されるようになっている。
しかし、これらの系のほとんどは、液体成分の添加に伴
い膜の力学的特性が急激に損なわれ、固体電解質が本来
持つべきセパレータとしての安全機能が消失したものと
なっていた。
318号には、ゲル電解質膜の強度とイオン伝導度が両立
するとされる系が記載されている。これは、弗化ビニリ
デンとヘキサフロロプロピレン共重合体をポリマーとし
て用いたゲル電解質膜であり、ゲル電解質としては特質
すべき力学特性を示す系として注目されている。しか
し、この系ですら、二次電池用のセパレータ機能の一つ
の指標である突刺し強度は、汎用のセパレータより一桁
低く、しかもそのゲル電解質膜の力学的耐熱温度(メル
トフロー温度)は、100℃強と通常のポリオレフィン系
セパレータより50℃ほど低いものであり、必ずしもリチ
ウムイオン二次電池の安全性を保障できるものとはなっ
ていないのが現状である。
十分とされている力学的特性を補う目的で、種々の支持
体を補強材として併用するゲル電解質が提案されたい
る。例えば、特開平9-22724号公報には、ポリオレフィ
ン等の合成繊維不織布を塗工型のポリマーゲル電解質製
膜時の支持体として併用する技術が記載されている。粘
度の高いポリマー溶液を含浸させ、しかも高いイオン伝
導度実現するには、目の粗い不織布が必要とされる。し
かし、ポリオレフィン系不織布を用いた場合、ポリオレ
フィン繊維自身の強度が十分でないため、膜厚を薄くす
ることが困難であった。また、得られた電解質膜の力学
的耐熱性もポリオレフィン不織布に支配されるため高々
160℃程度であった。
とモノマーを溶液状態で透気度の高いポリオレフィン等
の不織布に含浸させ、その後そのモノマーを重合させ固
体電解質とする手法が記載されいる。この手法の場合、
不織布に含浸させる溶液の粘度が低いため、液の含浸は
容易に実施することは出来るが、不織布の液保持力が十
分でないために、その膜を上下からガラス等の平板基材
で挟み込み、モノマーの重合を実施する必要があった。
この手法の場合も、その製造工程が複雑なだけでなく、
ポリオレフィン系不織布を採用しているため、薄膜化を
実現することは困難であった。
不織布ではなくポリオレフィン系の微多孔膜を支持体と
して用いる系も幾つか提案されている。しかし、前記の
不織布とは異なり、サブミクロン以下の孔径を有する微
多孔膜中へ、ポリマー溶液からなる高粘度ドープを含浸
させることは困難で、工程的に容易と考えられるポリマ
ー溶液の塗工法を採用することは出来ない状況にある。
この問題を回避する手法として、特開平7-220761号公報
には、電解液と紫外線硬化樹脂からなる低粘度溶液をポ
リオレフィン微多孔膜へ含浸させ、ついで紫外線を照射
しを樹脂を硬化させる手法が記載されている。しかし、
含浸し易い低粘度の溶液を採用しても、疎水的なポリオ
レフィン微多孔膜へ溶液を含浸させることは困難で、微
多孔膜の親水化処理が必要であるばかりでなく、紫外線
照射による樹脂の効果時に、膜の両面からフッ素樹脂処
理をしたガラス板で挟みこむ必要があり、その生産工程
は複雑なものであった。また、このような微多孔膜にゲ
ル電解質を含浸させた場合、十分な伝導度が得られない
ことも指摘されている(アブラハムら、J.Electrochem.S
oc.,142,NO.3,1995)。
オン伝導度とセパレータとしての安全機能とを両立させ
たポリマー電解質の開発の試みが種々行なわれている
が、実用的に十分な高いイオン伝導度を示し、しかもセ
パレータとしての十分な力学特性を示し、かつ、現状の
ポリオレフィン系セパレータより高い耐熱性を有する薄
膜化が可能な安全性の優れた実用的なポリマー電解質膜
は未だに見出されていないのが現状である。
実用的な高いイオン伝導度と、セパレータとしての強い
短絡防止強度と、短絡防止に関しての高い耐熱性とを兼
ね備えた安全性に優れた固体型ポリマー電解質膜を開発
する方法を見出し、本発明を完成するに至った。本発明
の目的は、イオン伝導度と、強度と、耐熱性の三者を兼
ね備えた、安全性の高いリチウムイオン二次電池用の固
体型ポリマー電解質膜とその製造方法を提供することに
ある。
が25℃にて5×10-4S/cm以上であり、突刺し強度が300g
以上であり、かつ膜の力学的な耐熱温度が300℃以上で
ある固体型ポリマー電解質膜であり、それは多孔質薄膜
とポリマー電解質との複合体であることができ、該固体
型ポリマー電解質膜におけるポリマー電解質の含有量が
30〜85重量%であることが好ましく、該ポリマー電解質
は、リチウムイオン伝導性ポリマー電解質で、そのイオ
ン伝導度が25℃において5×10-4S/cm以上であることが
好ましく、それはポリマー樹脂100重量部に対してリチ
ウム塩を溶解した非水電解液を100重量部以上保持した
ゲル状の電解質であること、該ポリマー樹脂が、ポリ弗
化ビニリデン(PVdF)を主成分とするPVdF共重
合体であること、該多孔質薄膜が、平均膜厚が50μm以
下で、突き刺し強度が200g以上で、かつ透気度が10sec/
100cc・in2以下の高強度・高透気度の多孔質薄膜支持体
であること、その高強度・高透気度の多孔質薄膜支持体
は、全芳香族ポリアミド重合体であるアラミド繊維から
なる不織布、織物、あるいはアラミド繊維の隙間に全芳
香族ポリアミドの重合体である合成パルプが分散する構
造の通気性のある紙様のシート、あるいはアラミド樹脂
からなる細孔が多数開いたフィルムであること、又は該
高強度・高透気度の多孔質薄膜支持体は、全芳香族ポリ
アミド重合体からなる目付け量12〜30g/m2の不織布状の
シートであることが好ましく、さらには該複合体は、多
孔質薄膜とポリマー電解質との含浸一体化複合体である
ことが好ましい。
好ましくは平均膜厚が50μm以下で、突刺し強度が200g
以上で、かつ透気度が10sec/100cc・in2以下の高強度・
高透気度の多孔質薄膜支持体に、ポリマー樹脂100重量
部に対してリチウム塩を溶解した非水電解液を100重量
部以上保持したゲル状の電解質を含浸させ、複合一体化
させることにより製造することができる。
質及びその製造方法に関して説明する。本発明の固体型
ポリマー電解質膜は、25℃にて5×10-4S/cm以上の実用
上十分な高いイオン伝導度を示し、かつ電池に適用する
に十分な300g以上の突刺し強度を示し、かつ300℃以上
の力学的な耐熱温度を有する実用的なイオン伝導度と安
全性を兼ね備えたポリマー電解質膜である。ここで、イ
オン伝導度は、固体状のポリマー電解質膜を20mmφのSU
S電極で挟み、交流インピーダンス法により10ミリ(m)
Hz〜65KHzの範囲でインピーダンスの周波数依存性を
解析し、10KHzの値を求めたものである。この値が、5
×10-4S/cmよりも低いと、電池として組み上げた際のイ
ンピーダンスが高くなり、高レート充放電の際の容量が
低下し好ましくなくなる。
突刺し強度が300g以上と高いことも特徴である。突刺し
強度は、現状の溶液型リチウムイオン二次電池のセパレ
ータの短絡防止強度を表す指標としてセパレータの評価
に利用されている物性であり、本発明においては、下記
の条件にて測定した値を突刺し強度とした。
端部半径0.5mmの針を支持体の中央に垂直に突き立て、5
0mm/分の一定速度で針を押し込み、支持体に穴が開いた
時の針にかかっている力を突刺し強度とした。
解質膜の突刺し強度が十分でなくなり、電池として組み
上げる際に、電極同士の短絡発生確率が上がるととも
に、電池として組み上げた際の安全性(短絡防止特性)が
十分に確保されず好ましくなくなる。
℃以上の力学的な耐熱性有している点が特徴である。こ
こで、力学的な耐熱温度は、以下の条件で測定した値を
意味している。
ポリマー電解質膜に1gの荷重をかけ、10℃/分の速度で
温度を昇温させ熱機械的特性分析(TMA)を実施し、膜が
破断するか、あるいは膜が10%伸びる温度を力学的な耐
熱温度とした。
応等により、電池の内部温度が急激に上がった際に電極
間の短絡を十分に防止できず、安全上好ましくなくな
る。
度、耐熱性に特徴のある多孔質支持体薄膜と実用的に十
分なイオン伝導度を有するポリマー電解質を複合化する
ことにより作製することができるされる。その際の固体
型ポリマー電解質膜中のポリマー電解質の含有量は、30
〜85重量%の範囲が好ましい。ポリマー電解質含有量が3
0重量%未満では、多孔質支持体と複合化した際に十分な
イオン伝導度が得られず好ましくない。また、その含有
量が85重量%より多くなると、複合膜の強度が低下した
り、あるいは、ポリマー電解質膜の膜厚が増加し好まし
くなくなる。
させるポリマー電解質について説明する。本発明に利用
するポリマー電解質としては、リチウムイオン伝導性の
ポリマー電解質で、そのイオン伝導度が25℃において5
×10-4S/cm以上のものが利用される。ポリマー電解質の
伝導度がこれよりも低い場合、支持体に含浸させた際に
5×10-4S/cm以上の実用上十分なイオン伝導度が確保さ
れず好ましくない。
を含有していない真性ポリマー電解質、液体成分を含有
したゲル状電解質のどちらも採用することが出来るが、
イオン伝導度を考慮した場合、ゲル電解質がより好適に
採用される。ゲル電解質用のポリマー樹脂としては、ポ
リエチレンオキサイド(PEO)、PEOとポリプロピレンオキ
サイト゛(PPO)との共重合体、ポリアクリロニトリル(PA
N)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、PANとPMMAの共
重合体、アクリロニトリルとスチレンの共重合体(NS
R)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ弗化ビニリデン(PVdF)
の共重合体、プルラン等の他糖ポリマー、およびエチレ
ンオキサイド骨格を有する(メタ)アクリレート系の重
合体・共重合体等を挙げることが出来るがこれに限定さ
れるものではない。但し、製膜工程の容易さから、流動
(溶液)状態のポリマーからアラミド支持体に直接含浸塗
工できるタイプのポリマーがより好適に用いられる。
脂として、含浸塗工が可能でしかも耐酸化性の優れたPV
dFを主成分とするPVdF共重合体を挙げることが出来る。
好適に用いられる共重合成分としては、ヘキサフロロプ
ロピレン(HFP)、パーフロロメチルビニルエーテル(FMV
E)、クロロトリフロロエチレン(CTFE)、弗化ビニルおよ
びテトラフロロエチレン(TFE)が挙げられ、これらの共
重合成分とVdFの原もしくは原共重合体が本発明のポリ
マー材料としては好適である。また、これら共重合成分
の好適な共重合割合としては3〜10モル%の範囲が挙げら
れる。
させる電解液としてはリチウム塩を溶解した非水溶媒
(可塑剤)が好適に用いられる。その際、ポリマー樹脂に
対する電解液の含浸量は、ポリマー100重量部に対し
て、電解液100重量部以上が必要である。電解液の量が
これよりも少ないと、多孔質支持体と複合化した際に十
分なイオン伝導度を確保できず好ましくない。
ムおよびリチウムイオン二次電池に一般的に用いられて
いるプロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネー
ト(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネ
ート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチル
カーボネート(MEC)、1,2-ジメトキシエタン(DME)、1,2-
ジエトキシエタン(DEE)、γーブチロラクトン(γーBL)、
スルフォラン、アセトニトリル等を挙げることが出来
る。前記非水溶媒は、単独で用いても、2種類以上を混
合して用いてもよい。特に、PC、EC、γ-BL、DMC,DEC,M
ECおよびDMEから選ばれる少なくとも1種以上の液体が
好適に用いられる。
としては、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六弗化リン酸リ
チウム(LiPF6)、ホウ四弗化リチウム(LiBF4)、六弗化砒
素リチウム(LiAsF6)、トリフロロスルフォン酸リチウム
(CF3SO3Li)、リチウムパーフロロメチルスルフォニルイ
ミド[LiN(CF3SO2)2]およびリチウムパーフロロエチル
スルフォニルイミド[LiN(C2F5SO2)2]等が挙げられる
がこれに限定されるものではない。溶解するリチウム塩
の濃度としては、0.2から2Mの範囲が好適に用いられ
る。
ついて説明する。本発明の多孔質支持体薄膜としては、
平均膜厚が50μm以下で、突刺し強度が200g以上で、か
つ透気度が10sec/100cc・in2以下の高強度・高透気度薄
膜が好適に用いられる。平均膜厚が50μm以上になれ
ば、高強度の支持体を得ることは容易となるが、得られ
るポリマー電解質複合膜の膜厚が厚くなり、電池として
組み上げた際の体積エネルギー密度を低下させ好ましく
ない。
0g以上のものが好適に用いられる。この値が、200gより
低い支持体を用いた場合は、ポリマー電解質を含浸させ
複合化した後でも300g以上の突刺し強度を実現すること
が困難となり、電池として組み上げた際の安全性(短絡
防止特性)が十分でなくなり好ましくない。
00ccの空気が1in2の面積を2.3cmHgの圧力で透過するに
要する時間)により測定した値を示している。本発明の
多孔質支持体薄膜としては、この値が、10sec/100cc・in
2以下の高い透気度を示す支持体が好適に用いられる。
この値が、10sec/100cc・in2よりも大きい透気度の低い
支持体を用いた場合、工業的に最も有利と考えられるポ
リマー溶液からの塗工法によるポリマー電解質の含浸複
合化が困難となるとともに、複合化したポリマー電解質
のイオン伝導度も十分に高めることが困難になり好まし
くない。
持体用の材料としては、強度と耐熱性の観点から全芳香
族のポリアミドが用いられる。その支持体形状として
は、全芳香族ポリアミドの重合体であるアラミド繊維か
らなる不織布、織物、あるいは、そのアラミド繊維の隙
間に全芳香族ポリアミドの重合体である合成パルプが分
散する通気性のある紙様のシート、あるいは、全芳香族
ポリアミドの重合体であるアラミド樹脂からなる孔が多
数開いた通気性のあるフィルム等を挙げることが出来
る。前記した支持体としての必要特性を満足しておれ
ば、これらの内どの形状のものも本発明に利用すること
が可能であるが、透気度を考慮した場合、不織布状のシ
ートが最も好適に用いられる。その目付け量としては、
12〜30g/m2の範囲が好適に用いられる。目付け量が12g/
m2未満の場合、透気度の高い支持体を得るのは容易とな
るが、突刺し強度として200g以上のものを得ることが困
難となり、結果的に短絡防止強度の優れた固体型電解質
膜を得ることが出来なくなる。一方、目付け量が30g/m2
よりも多くなると、突刺し強度を満足することは容易と
なるが、平均膜厚50μm以下の支持体を得ることが困難
となる。また、無理に密度を上げ薄膜化すると、透気度
が低下し結果的にイオン伝導度の高い複合膜を得ること
が困難になり好ましくない。
ては、メタ系、パラ系を問わず本発明に利用可能であ
る。ここでメタ系とは、m−フェニレンイソフタルアミ
ドを主たる構成単位とする全芳香族ポリアミドが代表的
なものとして挙げられ、パラ系とは、p−フェニレンテ
レフタルアミドを主たる構成単位とする全芳香族ポリア
ミドが代表的なものとして挙げられる。
製造方法について説明する。本発明の固体型ポリマー電
解質膜は、平均膜厚が50μm以下で、突刺し強度が200g
以上で、かつ透気度が10sec/100cc・in2以下の高強度・
高透気度の多孔質薄膜支持体に、ポリマー樹脂100重量
部に対してリチウム塩を溶解した非水電解液を100重量
部以上保持したゲル状の電解質を含浸させることにより
製造させる。この際、ゲル電解質を含浸複合化する方法
は特に限定するものではないが、工業的な生産が容易な
流動(溶液)状態のポリマーを直接多孔質薄膜支持体に含
浸塗工する方法がより好まれる。そのような手法として
は、例えば下記の方法が挙げられる。
を混合加熱溶解し、その溶液状態のドープを多孔質薄膜
支持体に直接塗工・含浸させ、冷却固化することで複合
化する方法。
ポリマーを溶解する揮発性の溶媒とを混合溶解し、その
溶液状態のドープを多孔質薄膜支持体に直接塗工・含浸
させ、ついで揮発性溶媒を乾燥除去することで複合化す
る方法。
マーを溶解し水に相溶する溶媒と相分離剤(ゲル化剤も
しくは開孔剤)とを混合溶解し、その溶液状態のドープ
を多孔質薄膜支持体に直接塗工・含浸させ、ついでその
膜を水系の凝固浴に浸漬しポリマーを凝固後、水洗・乾
燥を行なった複合膜を電解液に浸漬し、ポリマー樹脂を
ゲル化させ複合膜とする方法。
明する。
ミド短繊維に太さ3deの非結晶化m−アラミド長繊維を
バインダーとして添加し、乾式抄造法により目付け量19
g/m2で製膜しカレンダーロールをかけ不織布状のシート
を得た。得られた支持体の特性は以下の通りであった。
平均膜厚36μm、密度0.53g/cm3、空隙率62%、透気度0.
04sec/100cc・in2、突刺し強度330g。
リマー樹脂としてPVdFにヘキサフロロフロピレン(HFP)
を5モル%共重合したPVdF共重合体用いた。このポリマー
100重量部に対して、1MのLiBF4を溶解したPC/EC(1/
1重量比)電解液を300重量部添加し、さらに溶媒として
テトラヒドロフラン(THF)を添加し混合溶解し、ポリマ
ー濃度12重量%のドープを調製した。得られたドープを
前記のアラミド支持体に含浸・塗工し、50℃にてTHFを
乾燥除去することで、固体型ポリマー電解質膜を作製し
た。
実施例1で用いたゲル電解質用のドープをシリコンコー
トの離型フィルム上に塗工し、ゲル電解質からなる単独
膜を作製した。
質用ポリマー樹脂100重量部に対して、電解液の添加量
を100重量部とした以外は、比較例1と同様にして製膜
を行ない、ゲル電解質からなる単独膜を作製した。
質用ポリマー樹脂100重量部に対して、電解液の添加量
を80重量部として変えただけで、あとは実施例1と同様
にしてアラミド支持体と複合化した固体型ポリマー電解
質を作製した。
支持体製膜時の目付け量を10g/m2とした以外は、実施例
1と同様にして乾式抄造法によりアラミド支持体を作製
した。得られた支持体の諸特性は以下の通りであった。
平均膜厚20μm、密度0.51g/cm3、空隙率63%、透気度0.
01sec/100cc・in2、突刺し強度85g。
ゲル電解質との複合膜を作製した。
質用のポリマー樹脂としてPVdFに対してHFPを8.7モル%
共重合したポリマーを用い、ポリマー樹脂100重量部に
対する電解液の添加量を250重量部とした以外は実施例
1と同様に製膜を行ない、アラミド支持体との複合固体
型ポリマー電解質を作製した。
支持体を用いずに、比較例1同様の手法を用い、ゲル電
解質からなる単独膜を作製した。
25deの結晶化したm−アラミド短繊維とm−アラミドフ
ィブリット(合成パルプ状粒子)を7/3(重量比)の割合で
配合し、希薄水性スラリーを調製し、目付け量37g/m2に
抄き湿紙とした。得られた湿紙をカレンダーロールにか
け、紙状のシートを得た。得られた支持体の諸物性は以
下の通りであった。平均膜厚58μm、密度0.62g/cm3、
空隙率51%、透気度29sec/100cc・in2、突刺し強度630g。
質用ポリマードープの含浸を実施したところ、アラミド
支持体内部まで十分にポリマーを含浸することが出来
ず、良好な複合電解質膜を作製出来なかった。
としてポリアクリロニトリル(PAN)を用い、PAN12重量
部、EC55重量部、PC27重量部、LiBF48重量部を120℃に
て素早く混合溶解し、塗工用のドープを調製した。得ら
れたドープを120℃の状態で実施例1のアラミド支持体
上に含浸塗工し、ついで室温まで冷却しドープをゲル化
させ、アラミド支持体との複合固体型ポリマー電解質を
作製した。
支持体を使用せず、PANゲル電解質単独膜を作製した。
として、PVdFに対しパーフロロビニルエーテル(FMVE)を
5.3モル%共重合したPVdF共重合体を用い、このポリマー
樹脂72重量部に対しジメチルアセトアミド(DMAc)262
重量部、平均分子量400のポリエチレングリコールを66
重量部添加し、60℃にて加熱混合溶解し塗工用のドープ
を調製した。得られたドープを実施例1のアラミド支持
体上に含浸塗工後、この膜をDMAcの50%水溶液に浸漬し
膜の凝固を実施した。ついで、膜の水洗・乾燥を行な
い、アラミド支持体/PVdF共重合体からなるドライ複合
膜を作製した。ついで、得られたドライ複合膜を1MのLi
BF4を溶解したPC/EC(1/1重量比)に浸漬し、電解液を含
浸させ複合固体型ポリマー電解質とした。
として、PVdFに対しFMVEを9.0モル%共重合したPVdF共重
合体を用い、あとは実施例4と同様にして複合固体型ポ
リマー電解質を作製した。
いての測定結果を表1に示す。表1の中で、含浸量は、
固体型ポリマー電解質膜重量に対する電解液の含浸量を
表している。
で示した平均膜厚、突刺し強度、透気度を満足したアラ
ミド支持体をゲル電解質含浸の支持体として用いること
により、膜厚45μmと薄膜で、しかも400g以上の突刺し
強度と5×10-4S/cm以上のイオン伝導度を示し、かつ400
℃以上の力学的耐熱性を有する固体型ポリマー電解質膜
が種々のポリマー系および複合化方法で実現できること
が分かった。
った場合は、イオン伝導度的には十分なものを得ること
は可能であるが、何れの系においても数十g程度の突刺
し強度しか得られず、しかも耐熱温度も100℃前後と安
全性が優れたものを得ることは出来なかった(比較例1,
2,5および7)。
アラミド支持体を用いた場合でも、イオン伝導度の低い
ゲル電解質を含浸複合化させた場合は、満足するイオン
伝導度を実現できないことが分かった(比較例3)。
低く、突刺し強度が十分でないものを用いた場合、ゲル
電解質を複合化しても突刺し強度が十分に増加せず、短
絡防止の面で安全性の高い固体型ポリマー電解質膜を作
製するのは困難であった(比較例4)。また、アラミド支
持体の目付け量を高くした場合、突刺し強度は満足でき
るが、支持体自身の膜厚が厚くなり、薄膜が困難となる
とともに膜の透気度が低下するため、その支持体膜中に
ゲル電解質ドープを十分含浸できなくなった(比較例
6)。
全芳香族ポリアミドを素材として用いた特定の諸物性を
しめすアラミド支持体にゲル電解質含浸複合化すること
により、イオン伝導度、短絡防止強度、耐熱性の三者を
兼ね備えた固体型ポリマー電解質膜を作製出来ることを
見出した。
ば、高いイオン伝導度と、強い短絡防止強度と、高い力
学的耐熱性とを兼ね備えた、ポリマー二次電池用途に有
用な安全性の優れた固体型ポリマー電解質膜を提供する
ことが可能となった。
Claims (11)
- 【請求項1】 イオン伝導度が25℃にて5×10-4S/cm以
上であり、突刺し強度が300g以上であり、かつ膜の力学
的な耐熱温度が300℃以上である固体型ポリマー電解質
膜。 - 【請求項2】 多孔質薄膜とポリマー電解質との複合体
である、請求項1記載の固体型ポリマー電解質膜。 - 【請求項3】 該固体型ポリマー電解質膜におけるポリ
マー電解質の含有量が30〜85重量%であることを特徴と
する請求項1〜2記載の固体型ポリマー電解質膜。 - 【請求項4】 該ポリマー電解質が、リチウムイオン伝
導性ポリマー電解質で、そのイオン伝導度が25℃におい
て5×10-4S/cm以上であることを特徴とする請求項2〜
3記載の固体型ポリマー電解質膜。 - 【請求項5】 該ポリマー電解質が、ポリマー樹脂100
重量部に対してリチウム塩を溶解した非水電解液を100
重量部以上保持したゲル状の電解質であることを特徴と
する請求項1〜4記載の固体型ポリマー電解質膜。 - 【請求項6】 該ポリマー樹脂が、ポリ弗化ビニリデン
(PVdF)を主成分とするPVdF共重合体であるこ
とを特徴とする請求項5記載の固体型ポリマー電解質
膜。 - 【請求項7】 該多孔質薄膜が、平均膜厚が50μm以下
で、突き刺し強度が200g以上で、かつ透気度が10sec/10
0cc・in2以下の高強度・高透気度の多孔質薄膜支持体で
あることを特徴とする請求項2〜6記載の固体型ポリマ
ー電解質膜。 - 【請求項8】 該高強度・高透気度の多孔質薄膜支持体
が、全芳香族ポリアミド重合体であるアラミド繊維から
なる不織布、織物、あるいはアラミド繊維の隙間に全芳
香族ポリアミドの重合体である合成パルプが分散する構
造の通気性のある紙様のシート、あるいはアラミド樹脂
からなる細孔が多数開いたフィルムであることを特徴と
する請求項7記載の固体型ポリマー電解質膜。 - 【請求項9】 該高強度・高透気度の多孔質薄膜支持体
が、全芳香族ポリアミド重合体からなる目付け量12〜30
g/m2の不織布状のシートであることを特徴とする請求項
7記載の固体型ポリマー電解質膜。 - 【請求項10】 該複合体が、多孔質薄膜とポリマー電
解質との含浸一体化複合体である、請求項2〜9の固体
ポリマー電解質膜。 - 【請求項11】 平均膜厚が50μm以下で、突刺し強度
が200g以上で、かつ透気度が10sec/100cc・in2以下の高
強度・高透気度の多孔質薄膜支持体に、ポリマー樹脂10
0重量部に対してリチウム塩を溶解した非水電解液を100
重量部以上保持したゲル状の電解質を含浸させることを
特徴とする固体型ポリマー電解質膜の製造方法。
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1998
- 1998-05-22 JP JP14135998A patent/JP4017744B2/ja not_active Expired - Fee Related
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