JPH11337598A - パルス信号処理装置 - Google Patents

パルス信号処理装置

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JPH11337598A
JPH11337598A JP10337203A JP33720398A JPH11337598A JP H11337598 A JPH11337598 A JP H11337598A JP 10337203 A JP10337203 A JP 10337203A JP 33720398 A JP33720398 A JP 33720398A JP H11337598 A JPH11337598 A JP H11337598A
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Shigenori Yamauchi
重徳 山内
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  • Measuring Frequencies, Analyzing Spectra (AREA)
  • Measuring Phase Differences (AREA)
  • Manipulation Of Pulses (AREA)
  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 遅延回路から順次出力される遅延信号に基づ
きパルス位相差の符号化を行うパルス位相差符号化回路
を、複数有するパルス信号処理装置において、各パルス
位相差符号化回路毎に時間分解能を一致させる。 【解決手段】 周波数測定装置は、パルス位相差符号化
回路54に周波数が既知の基準信号PBを入力してその
周期を符号化させると共に、パルス位相差符号化回路5
6に周波数が未知の被測定信号PXを入力してその周期
を符号化させる。これら各パルス位相差符号化回路5
4,56により得られた2進デジタル値D1,D2を、
除算回路58に入力して比率(DO=D2/D1)を求
めることにより、被測定信号PXの周期,つまり周波数
を測定する。各パルス位相差符号化回路54,56は、
リングオシレータ52を共用しているので時間分解能は
完全に一致し、被測定信号PXの周期(周波数)を高精
度に測定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の遅延素子を連結
した遅延回路を備え、遅延素子の所定の接続点から順次
出力される遅延信号に基づき、パルス信号の位相差の符
号化を同時に行う複数のパルス位相差符号化回路を備え
るパルス信号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、パルス信号の位相差をデジタ
ルデータに符号化するパルス位相差符号化装置として、
例えば特開平3−220814号公報等に開示されてい
るように、複数の遅延素子を連結した遅延回路を備え、
最初のパルス信号を遅延回路の初段の遅延素子に入力
し、次にパルス信号が入力された時点で、遅延回路内に
て入力パルスが到達している遅延素子を検出して、初段
からその遅延素子までの連結個数を符号化することによ
り、パルス信号の位相差に対応したデジタルデータを得
るようにしたパルス位相差符号化装置が知られている。
【0003】また従来より、発振周波数を数百kHzか
ら数十MHzの広範囲にわたってデジタル制御可能な発
振装置として、特開平5−102801号公報等に開示
されているように、上記パルス位相差符号化装置と同
様、複数の遅延素子を連結した遅延回路を備え、遅延回
路の初段の遅延素子にパルス信号を入力して遅延回路の
遅延動作を開始し、その後遅延回路内のデジタルデータ
に対応した連結位置の遅延素子からパルス信号が出力さ
れた時点で発振信号を出力すると共に、遅延回路を初期
化する、といった動作を繰返し実行することにより、デ
ジタルデータに対応した周期で発振信号を出力するデジ
タル制御発振装置が提案されている。
【0004】そして、これら各装置によれば、遅延回路
を構成する遅延素子の遅延時間により決定される時間分
解能にて、パルス位相差の検出或は発振周波数の制御を
実行できるため、従来装置に比べて、パルス位相差の検
出精度或は発振周波数の制御精度を極めて向上すること
ができる。
【0005】またこのように、これら各装置は、パルス
位相の検出或は発振周波数の制御を高精度に行うことが
できるので、例えば、上記特開平5−102801号公
報に開示されているように、パルス位相差符号化装置と
デジタル制御発振装置とを組み合せて、通信機器,モー
タ制御機器等のPLL(Phase Locked Loop)を構成す
ることにより、デジタル制御可能でしかも極めて高精度
なPLLを実現することができる。また例えば2個のパ
ルス位相差符号化装置を同時に使用し、一方のパルス位
相差符号化装置に基準となる発振信号を入力してその周
期を符号化させ、他方のパルス位相差符号化装置に測定
対象となる発振信号を入力してその周期を符号化させ、
これら各符号化データを除算することにより、測定対象
となる発振信号の基準信号に対する周期の割合、換言す
れば発振周波数を検出する、といったこともできる。ま
た更に例えば2個のデジタル制御発振装置を同時に使用
し、各発振装置からの発振信号を合成することにより、
各発振装置にて実現可能な周波数より更に高周波の発振
信号を生成する、といったこともできる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
上記各装置を同時に使用する場合、各装置に内蔵された
遅延回路が全く同様の時間分解能にて動作すればよい
が、遅延回路内の遅延素子のばらつき等によって各装置
内の遅延回路の時間分解能がばらつくと、パルス位相差
の符号化データやデジタルデータに対応して出力される
パルス信号が、各装置毎に時間分解能の異なるものとな
ってしまい、その動作を高精度に行うことができないと
いう問題が生じる。
【0007】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
ので、複数の遅延素子を連結してなる遅延回路から順次
出力される遅延信号に基づき、パルス位相差の符号化を
行うパルス位相差符号化回路を複数有するパルス信号処
理装置において、各パルス位相差符号化回路毎に時間分
解能を一致させることができる装置を得ることを目的と
している。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の発明は、複数の遅延素子
(NAND,INV)が連結され、該遅延素子の所定の接続点(P01
-P32)から、該遅延素子の連結個数にて決定される遅延
時間だけ遅延した遅延信号(Q0-Q15)を順次出力する遅延
回路(2)と、所定の開始タイミングの後に外部からパル
ス信号(PB)が入力されると、上記遅延回路から出力され
た遅延信号のうちの上記パルス信号の入力されたタイミ
ングに対応した特定の遅延信号を検出し、該特定の遅延
信号を出力した遅延素子の上記遅延回路内での連結位置
を表わす位置データを生成する位置データ生成手段(1
2)、及び、該位置データ生成手段にて生成された位置デ
ータと上記開始タイミングにおける位置データとから上
記開始タイミングから上記パルス信号の入力までの位相
差を表わすデジタルデータ(DOUT)を生成する演算手段(2
8)、を備え、互いに関連する異なる上記パルス信号(PB,
PX)が夫々入力される複数のパルス位相差符号化回路(5
4,56)と、上記複数のパルス位相差符号化回路から出力
された複数の上記デジタルデータ(D1,D2)に基づき出力
信号(DO)を出力する出力回路(58)とからなり、上記各パ
ルス位相差符号化回路が、上記遅延回路を共有して、外
部から入力されたパルス信号の位相差を夫々符号化する
ことを特徴としている。
【0009】また、かかる目的を達成するためになされ
た請求項2に記載の発明は、複数の遅延素子(NAND,INV)
が連結され、該遅延素子の所定の接続点(P01-P32)か
ら、入力信号を該遅延素子の連結個数にて決定される遅
延時間だけ遅延した遅延信号(Q0-Q15)を順次出力する遅
延回路(2)と、外部からパルス信号(PB)が入力される
と、上記遅延回路から出力された最新の遅延信号を検出
し、該遅延信号を出力した遅延素子の上記遅延回路内で
の連結位置を表わす位置データを生成する位置データ生
成手段(12)、及び、該位置データ生成手段にて前回生成
された位置データと最新の位置データとから上記パルス
信号の位相差を表わすデジタルデータ(DOUT)を生成する
演算手段(28)、を備え、互いに関連する異なる上記パル
ス信号が夫々入力される複数のパルス位相差符号化回路
(54,56)と、上記複数のパルス位相差符号化回路から出
力された複数の上記デジタルデータ(D1,D2)に基づき出
力信号(DO)を出力する出力回路(58)とからなり、上記各
パルス位相差符号化回路が、上記遅延回路を共有して、
外部から入力されたパルス信号の位相差を夫々符号化す
ることを特徴としている。
【0010】請求項3に記載の発明は、この請求項2に
記載の発明において、上記遅延素子は入力される信号を
所定の遅延時間で反転させる反転回路からなり、上記遅
延回路が、リング状に連結された複数の上記反転回路を
有し、各反転回路によりパルス信号を順次反転して周回
させるパルス周回回路からなり、上記パルス位相差符号
化回路が、該パルス周回回路内でのパルス信号の周回回
数をカウントし、該カウント値を上記位置データ生成手
段にて生成された位置データの上位ビットデータとして
上記演算手段に出力する第1のカウント手段(14,16,18,
20,22)を備えたことを要旨としている。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項2または
請求項3に記載の発明において、上記演算手段は、上記
位置データ生成手段にて前回生成された位置データと最
新の位置データとの偏差を演算し、該演算結果から上記
パルス信号の位相差を表わすデジタルデータを生成する
ことを要旨としている。
【0012】かかる目的を達成するためになされた請求
項5に記載の発明は、複数の遅延素子(NAND,INV)が連結
され、該遅延素子の所定の接続点(P32)から入力信号(P
A)を入力することで起動するとともに、入力された該入
力信号を該遅延素子の連結個数にて決定される遅延時間
だけ遅延した遅延信号(Q0-Q15)を順次出力する遅延回路
(2)と、外部からパルス信号(PB)が入力されると、上記
遅延回路から出力された遅延信号のうちの上記パルス信
号の入力されたタイミングに対応した特定の遅延信号を
検出し、該特定の遅延信号を出力した遅延素子の上記遅
延回路内での連結位置を表わす位置データを生成し、該
位置データを用いて上記入力信号と上記パルス信号との
位相差を表わすデジタルデータ(D1,D2)を生成する、互
いに関連する異なる上記パルス信号が夫々入力される複
数のパルス位相差符号化回路(54,56)と、上記複数のパ
ルス位相差符号化回路から出力された複数の上記デジタ
ルデータ(D1,D2)に基づき出力信号(DO)を出力する出力
回路(58)とからなり、上記各パルス位相差符号化回路
が、上記遅延回路を共有して、入力信号とパルス信号の
位相差を夫々符号化することを特徴としている。
【0013】請求項6に記載の発明は、この請求項5に
記載の発明において、上記パルス位相差符号化回路の夫
々は、外部から更にパルス信号が入力されると、上記遅
延回路から出力された遅延信号のうちの最新の遅延信号
を検出し、該特定の遅延信号を出力した遅延素子の上記
遅延回路内での連結位置を表わす最新の位置データを生
成し、該最新の位置データと前回生成された位置データ
との偏差を演算する演算手段(28)を備え、上記更なるパ
ルス信号が入力された後は、上記入力信号と上記パルス
信号の位相差に代えて、上記パルス信号と更なるパルス
信号との位相差を出力するすることを要旨としている。
【0014】
【作用及び発明の効果】上記のように構成された請求項
1に記載のパルス信号処理装置においては、各パルス位
相差符号化回路は、所定の開始タイミングの後に外部か
らパルス信号が入力されると、遅延回路から出力された
遅延信号のうちの上記パルス信号の入力されたタイミン
グに対応した特定の遅延信号を検出し、該特定の遅延信
号を出力した遅延素子の上記遅延回路内での連結位置を
表わす位置データを生成し、生成された位置データと上
記開始タイミングにおける位置データとから上記開始タ
イミングから上記パルス信号の入力までの位相差を表わ
すデジタルデータを生成する。そして複数のパルス位相
差符号化回路で一つの遅延回路を共有させて構成される
ため、各パルス位相差符号化回路が符号化したデジタル
データの時間分解能を一致させることができる。
【0015】上記のように構成された請求項1に記載の
パルス信号処理装置においては、各パルス位相差符号化
回路は、外部からパルス信号が入力されると、遅延回路
から出力された最新の遅延信号を検出し、該遅延信号を
出力した遅延素子の遅延回路内での連結位置を表わす位
置データを生成し、前回生成された位置データと最新の
位置データとから上記パルス信号の位相差を表わすデジ
タルデータを生成する。そして複数のパルス位相差符号
化回路で一つの遅延回路を共有させて構成されるため、
各パルス位相差符号化回路が符号化したデジタルデータ
の時間分解能を一致させることができる。また、各パル
ス位相差符号化回路が遅延回路を共有する分、各々遅延
回路を備えるパルス位相差符号化回路を組み合せた場合
に比べて、その回路構成を簡素化して装置の小型化を図
ることもできる。
【0016】また請求項3に記載のパルス信号処理装置
は、上記遅延回路が、リング状に連結された複数の反転
回路を有し各反転回路によりパルス信号を順次反転して
周回させるパルス周回回路により構成され、パルス位相
差符号化回路内にて、第1のカウント手段により、パル
ス周回回路内でのパルス信号の周回回数をカウントし
て、そのカウント値を位置データ生成手段にて生成され
た位置データの上位ビットデータとして演算手段に出力
するようにされている。
【0017】これは、パルス信号の位相差を符号化する
に当たって、遅延回路に遅延素子を単に連結したものを
使用すると、符号化すべき位相差が大きければ大きいほ
ど、遅延回路を構成する遅延素子の個数を多くする必要
があり、また、連続的に入力されるパルス信号の位相差
を順次符号化させようとすると、遅延回路を構成する遅
延素子の個数を無限にする必要があるため、遅延回路を
リング状に連結した複数の反転回路からなるパルス周回
回路にて構成することにより、パルス周回回路を構成す
る反転回路の個数を少なくしても、パルス周回回路から
順次連続的に遅延信号が出力されるようにし、更にその
パルス周回回路内でのパルス信号の周回回数をカウント
して、その値を位置データ生成手段にて生成された位置
データの上位ビットデータとして演算手段に入力するこ
とにより、パルス信号の位相差がパルス周回回路内での
パルス信号の1周回時間より長くても、その位相差を問
題なく符号化できるようにしているのである。
【0018】この結果、本発明によれば、遅延回路(パ
ルス周回回路)を構成する遅延素子(反転素子)の数が
少なくても、パルス信号の位相差を広範囲に且つ連続的
に符号化することができるようになり、装置構成の簡素
化、延いては小型化を図ることができる。
【0019】上記のように構成された請求項5に記載の
パルス信号処理装置においては、遅延素子の所定の接続
点から入力信号を入力すること遅延回路が起動し、その
後遅延回路は該入力信号を該遅延素子の連結個数にて決
定される遅延時間だけ遅延した遅延信号を順次出力す
る。各パルス位相差符号化回路は、外部からパルス信号
が入力されると、遅延回路から出力された遅延信号のう
ちの上記パルス信号の入力されたタイミングに対応した
特定の遅延信号を検出し、該特定の遅延信号を出力した
遅延素子の上記遅延回路内での連結位置を表わす位置デ
ータを生成し、該位置データを用いて上記入力信号と上
記パルス信号との位相差を表わすデジタルデータを生成
する。そして複数のパルス位相差符号化回路で一つの遅
延回路を共有させて構成されるため、各パルス位相差符
号化回路が符号化したデジタルデータの時間分解能を一
致させることができる。また、各パルス位相差符号化回
路が遅延回路を共有する分、各々遅延回路を備えるパル
ス位相差符号化回路を組み合せた場合に比べて、その回
路構成を簡素化して装置の小型化を図ることもできる。
【0020】また請求項6に記載のパルス信号処理装置
は、更なるパルス信号が入力された後は、上記入力信号
と上記パルス信号の位相差に代えて、上記パルス信号と
更なるパルス信号との位相差を出力するため、請求項2
記載の発明と同様な効果を有する。
【0021】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面と共に説明す
る。まず図1は、外部から入力される基準信号PBを分
周又は逓倍して所定周波数の出力信号(パルス信号)P
OUTを生成する、実施例の周波数変換装置全体の構成を
表わすブロック図である。
【0022】図1に示す如く、本実施例の周波数変換装
置は、リング状に連結した多数の反転回路からなり、外
部からHighレベルの制御信号PAが入力されているとき
に各反転回路の反転動作によってパルス信号を順次遅延
して周回させるリングオシレータ2と、このリングオシ
レータ2を構成する所定の反転回路から順次出力される
遅延信号に基づき、基準信号PBの立ち上がりから次の
立ち上がりまでの位相差(つまり周期)を2進デジタル
値DOUT に変換するパルス位相差符号化回路4と、この
パルス位相差符号化回路4にて得られた2進デジタル値
DOUT に所定値を乗・除してパルス信号POUT の出力周
期を表わす制御データCDを生成する演算回路6と、こ
の演算回路6から出力される制御データCDとリングオ
シレータ2から順次出力される遅延信号とに基づき、基
準信号PBを分周又は逓倍した周期でパルス信号POUT
を出力するデジタル制御発振回路8と、からパルス位相
差符号化装置と発振装置との複合装置として構成されて
いる。
【0023】ここでまず、リングオシレータ2は、図2
に示す如く、反転回路として、2個の2入力ナンドゲー
ト(以下、単にナンドゲートという)NAND1,32
と、30個のインバータINV2〜31とを備えてい
る。これら各回路は、前段の出力端が次段の入力端へと
順次リング状に接続されており、ナンドゲートNAND
1のナンドゲートNAND32に接続されない方の入力
端子(以下、この入力端子を起動用端子という)には、
外部からの制御信号PAが入力され、また、ナンドゲー
トNAND32のインバータINV31に接続されない
方の入力端子(以下、この入力端子を制御用端子とい
う)にはインバータINV18の出力信号が入力されて
いる。一方、ナンドゲートNAND1から数えて偶数段
目に接続された反転回路の出力端には、夫々、出力端子
Q0〜Q15が設けられており、これらの出力端子Q0
〜Q15が、パルス位相差符号化回路4及びデジタル制
御発振回路8に夫々接続されている。
【0024】次に、このように構成されたリングオシレ
ータ2の動作について、図3を用いて説明する。まず、
制御信号(入力信号)PAがLow レベルであるときは、
ナンドゲートNAND1の出力P01はHighレベルとな
るため、ナンドゲートNAND1から数えて偶数段目の
インバータの出力はLow レベルとなり、奇数段目のイン
バータの出力はHighレベルとなって安定する。また、こ
の状態において、ナンドゲートNAND32の制御用端
子に入力されたインバータINV18の出力P18はLo
w レベルであるため、ナンドゲートNAND32だけ
は、偶数段目に接続されているにも関わらずHighレベル
を出力する。つまり、このように構成することにより、
ナンドゲートNAND1の入・出力信号が共にHighレベ
ルとなるようにして、次に制御信号PAがLow からHigh
レベルに変化したときに、ナンドゲートNAND1が反
転動作を開始するようにしている。
【0025】次に、制御信号PAがLow からHighレベル
に変化すると、ナンドゲートNAND1の出力P01
は、HighからLow レベルに反転するため、後続のインバ
ータの出力が順次反転して、奇数段目のインバータの出
力はHighからLow レベルに変化し、偶数段目のインバー
タの出力はLow からHighレベルに変化していく。なお、
以下の説明においては、このように制御信号PAがHigh
レベルであるときに、リングオシレータ2上を、奇数段
目の反転回路の立ち下がり出力として、及び偶数段目の
反転回路の立ち上がり出力として順次周回するパルス信
号のエッジをメインエッジと言い、図3においては点印
で表す。
【0026】そして、このメインエッジがインバータI
NV18に到達して、インバータINV18の出力P1
8がLow からHighレベルに反転すると、インバータIN
V31の出力レベルは未だHighレベルであるために、ナ
ンドゲートNAND32の2つの入力信号は共にHighレ
ベルとなって、ナンドゲートNAND32が反転動作を
開始し、その出力がHighからLow レベルに反転する。な
お、以下の説明においては、このようにメインエッジが
制御用端子からナンドゲートNAND32に入力され、
このナンドゲートNAND32によって反転されて、リ
ングオシレータ2上を、奇数段目の反転回路の立ち上が
り出力として、及び偶数段目の反転回路の立ち下がり出
力として順次周回するパルス信号のエッジをリセットエ
ッジと言い、図3においては×印で表す。そして、この
リセットエッジは、ナンドゲートNAND1により発生
したメインエッジと共に、リングオシレータ2上を周回
する。
【0027】また、その後のメインエッジは、インバー
タINV18からの後続の各インバータにより順次反転
され、インバータINV31の出力がHighからLow レベ
ルに反転することによりナンドゲートNAND32に入
力されるが、このときナンドゲートNAND32の制御
用端子の入力信号、即ちインバータINV18の出力信
号は、Highレベルとなっているため、メインエッジはそ
のままナンドゲートNAND32及びナンドゲートNA
ND1以後の各インバータによって順次反転されて、リ
ングオシレータ2上を伝達していく。
【0028】なお、このようにメインエッジが、インバ
ータINV19〜31を経由して、ナンドゲートNAN
D32に到達したときに、インバータINV18の出力
信号が未だHighレベルであるのは、インバータINV1
9〜31間のインバータの数が13個であるのに対し
て、ナンドゲートNAND32からインバータINV1
8までのナンドゲートを含むインバータの数は19個で
あるためであり、これにより、リセットエッジがナンド
ゲートNAND32からインバータINV18まで伝達
するよりも早く、メインエッジがナンドゲートNAND
32に入力されるからである。
【0029】一方、ナンドゲートNAND32によって
発生したリセットエッジは、ナンドゲートNAND1を
含む各インバータを経由して、再びインバータINV1
8に到達し、ナンドゲートNAND32の制御用端子の
信号レベルをHighからLow レベルに反転させるが、この
ときは、ナンドゲートNAND32のインバータINV
31からの入力信号が、既にメインエッジによってLow
レベルとなっているため、ナンドゲートNAND32の
出力は変化せず、リセットエッジは、インバータINV
18からインバータINV19〜31の正規ルートで順
次ナンドゲートNAND32へ伝達される。
【0030】そして、リセットエッジが、インバータI
NV31に到達すると、ナンドゲートNAND32のイ
ンバータINV31からの入力信号が、Low からHighレ
ベルへと反転する。また、これとほぼ同時に、メインエ
ッジがインバータINV18に到達して、ナンドゲート
NAND32の制御用端子の入力信号もLow からHighレ
ベルへと反転する。これは、メインエッジが、ナンドゲ
ートNAND1から始まり、リングオシレータ2を正規
ルートで一周してから再びナンドゲートNAND1を通
過してインバータINV18へ到達するのに対し、リセ
ットエッジは、メインエッジがナンドゲートNAND1
からインバータINV18へ到達してからナンドゲート
NAND32の反転動作開始により発生され、その後、
リングオシレータ2を正規ルートで一周するというよう
に、両エッジがナンドゲートNAND32へ到達するま
でに経由する反転回路の延べ総数が、50個と全く同一
であるからである。
【0031】また本実施例のリングオシレータ2では、
その偶数段目のインバータの反転応答時間は立ち上がり
出力よりも立ち下がり出力の方が速く、逆に、奇数段目
のインバータの反転応答時間は立ち下がり出力よりも立
ち上がり出力の方が速くなるように予め設定してあり、
リセットエッジの方がメインエッジよりも若干速くナン
ドゲートNAND32に到達するようにしている。
【0032】従って、リセットエッジによって、インバ
ータINV31の出力がLow からHighレベルに反転して
も、ナンドゲートNAND32の制御用端子の入力信号
は、未だLow レベルのままであるため、ナンドゲートN
AND32の出力は反転せず、やや遅れてメインエッジ
がインバータINV18に到達し、ナンドゲートNAN
D32の制御用端子の入力信号のレベルがLow からHigh
レベルに反転したときに、ナンドゲートNAND32の
出力がHighからLow レベルに反転する、というように、
リセットエッジは、ここで一旦消滅し、メインエッジに
よって再発生される。
【0033】そして以後は、上記の動作が繰り返され、
リセットエッジがメインエッジ一周毎に再発生されて、
メインエッジと共に、リングオシレータ2上を周回する
こととなる。そして、制御信号PAがLow レベルになる
と、このような一連の動作は停止して、上述の初期状態
へ戻ることとなる。
【0034】以上のように、本実施例のリングオシレー
タ2においては、同一周回上に発生タイミングの異なる
2つのパルスエッジ(メインエッジとリセットエッジ)
を周回させるようにしているため、ナンドゲートNAN
D1は、自己が発生させたメインエッジが戻ってくる前
にリセットエッジによって出力が反転され、ナンドゲー
トNAND32は、自己が発生させたリセットエッジが
戻ってくる前にメインエッジによって出力が反転すると
いうように、常にパルス信号が周回することになる。そ
して、各出力端子Q0〜Q15からは、各反転回路での
反転動作時間Tdの32倍の時間(32・Td)を1周
期とするパルス信号が夫々出力されることになる。
【0035】次に、上記リングオシレータ2を使用して
基準信号PBの位相差(周期)を2進デジタル値DOUT
に変換するパルス位相差符号化回路4について説明す
る。図4に示すように、本実施例のパルス位相差符号化
回路4は、リングオシレータ2の各出力端子Q0〜Q1
5からの出力信号を受け、基準信号PBがLow からHigh
レベルに変化した時(基準信号PBの立ち上がりタイミ
ング)に、リングオシレータ2内でメインエッジが何れ
の反転回路に到達しているかを検出して、その位置を4
ビットの2進デジタル値(D0〜D3)に符号化するパ
ルスセレクタ・エンコーダ回路12と、出力端子Q15
から出力されるリングオシレータ2内のナンドゲートN
AND32の出力P32から、リングオシレータ2内を
メインエッジが何回周回したかをカウントする第1のカ
ウンタ14と、基準信号PBの立ち上がりタイミングで
第1のカウンタ14からの10ビット出力をラッチする
第1のラッチ回路16と、出力端子Q7から出力される
リングオシレータ2内のインバータINV16の出力P
16から、リングオシレータ2内をメインエッジが何回
周回したかをカウントする第2のカウンタ18と、基準
信号PBの立ち上がりタイミングで第2のカウンタ18
からの10ビット出力をラッチする第2のラッチ回路2
0と、第1のラッチ回路16及び第2のラッチ回路20
からの10ビット出力が夫々入力され、パルスセレクタ
・エンコーダ回路12から出力される4ビットの2進デ
ジタル値(D0〜D3)の最上位ビット(MSB)の値
に基づき、第1のラッチ回路16及び第2のラッチ回路
20の10ビット出力のうちの何れか一方の出力を選択
して、パルスセレクタ・エンコーダ回路12から出力さ
れる4ビットの2進デジタル値(D0〜D3)に対する
上位ビットデータ(D4〜D13)として出力するマル
チプレクサ22と、このマルチプレクサ22からの10
ビットの2進デジタル値(D4〜D13)とパルスセレ
クタ・エンコーダ回路12からの4ビットの2進デジタ
ル値(D0〜D3)とからなる14ビットの2進デジタ
ル値(D0〜D13)に更に値1の上位ビットデータD
14(4000H)を加え、15ビットの2進デジタル
値(D0〜D14)として出力する加算器24と、基準
信号PBの立ち上がりタイミングにて、上記14ビット
の2進デジタル値(D0〜D13)をラッチするデータ
ラッチ回路26と、加算器24から出力される15ビッ
トの2進デジタル値(D0〜D14)から、データラッ
チ回路26により基準信号PBの前回の立ち上がりタイ
ミングにてラッチされた2進デジタル値(D0〜D1
3)を減じて、基準信号PBの立ち上がりから次の立ち
上がりまでの時間(つまり基準信号PBの周期)を表わ
す2進デジタル値DOUT を生成する減算器28とから構
成されている。
【0036】また、パルスセレクタ・エンコーダ回路1
2は、図5に示すように、リングオシレータ2の出力端
子Q0〜Q15が入力端子Dに夫々接続され、基準信号
PBの立ち上がりで各出力端子Q0〜Q15の信号レベ
ルをラッチするDフリップフロップDFF0〜DFF1
5と、一方の入力端子にこれら各DフリップフロップD
FF0〜DFF15の出力がそのまま入力され、他方の
入力端子に次段のDフリップフロップDFF1〜DFF
15,DFF0の出力が反転して入力される、アンドゲ
ートAND0〜AND15と、これらアンドゲートAN
D0〜AND15の内、出力レベルがHighレベルである
アンドゲートANDnの位置を4ビットの2進デジタル
値(D0〜D3)に符号化するエンコーダ12aとから
構成されている。
【0037】このように構成された本実施例のパルス位
相差符号化回路4においては、図6に示す如く、リング
オシレータ2が制御信号PAにより起動されてパルス信
号の周回動作を開始すると、各カウンタ14,18がカ
ウント動作可能な状態となり、メインエッジがリングオ
シレータ2の第16段目のインバータINV16を通過
した時点で第2のカウンタ18がカウントアップし、メ
インエッジがリングオシレータ2の第32段目のナンド
ゲートNAND32を通過した時点で第1のカウンタ1
4がカウントアップする。つまり、図6に示すように、
第1のカウンタ14の出力(C10〜C19)と第2の
カウンタ18の出力(C20〜C29)とは、メインエ
ッジがリングオシレータ2を半周する時間だけずれたタ
イミングで変化する。
【0038】そして、このようにリングオシレータ2が
周回動作しているときに、基準信号PBが立ち上がる
と、第1のラッチ回路16が第1のカウンタ14の出力
(C10〜C19)をラッチすると共に、第2のラッチ
回路20が第2のカウンタ18の出力(C20〜C2
9)をラッチする。
【0039】一方、このように基準信号PBが立ち上が
ると、パルスセレクタ・エンコーダ回路12内では、各
DフリップフロップDFF0〜DFF15にクロックが
供給され、各DフリップフロップDFF0〜DFF15
は、そのときのリングオシレータ2の出力端子Q0〜Q
15の信号レベルをラッチして出力する。
【0040】そして、例えば、基準信号PBが、図6に
示すt1のタイミング、即ちメインエッジが第32段目
のナンドゲートNAND32の位置にあるときに立ち上
がったときは、ナンドゲートNAND32の出力信号は
Highレベルに変化しているが、第2段目のインバータI
NV2の出力信号は未だLow レベルのままであるため、
図4に示すアンドゲートAND0〜AND15の出力の
うち、一番右のアンドゲートAND15の出力だけがHi
ghレベルとなって、エンコーダ12aに出力される。
【0041】つまり、まず、パルスセレクタ・エンコー
ダ回路12の各DフリップフロップDFF0〜DFF1
5には、リングオシレータ2内の偶数段目の反転回路か
ら出力されるパルス信号が入力され、この信号はメイン
エッジにて立ち上がり、リセットエッジにて立ち下がる
ため、DフリップフロップDFF0〜DFF15の内、
リングオシレータ2内でメインエッジが到達している反
転回路からの出力をラッチするDフリップフロップDF
Fnの出力はHighレベルとなり、次段のDフリップフロ
ップDFF(n+1) の出力はLow レベルとなる。そこで、
本実施例では、DフリップフロップDFF0〜DFF1
5の内、連続する2段のDフリップフロップの出力を夫
々アンドゲートAND0〜AND15に入力して、対応
するDフリップフロップDFFnの出力がHighレベル
で、次段のDフリップフロップDFF(n+1) の出力がLo
w レベルとなるアンドゲートANDnの出力だけがHigh
レベルとなるように構成し、その信号をエンコーダ12
aに出力することにより、エンコーダ12aにて、リン
グオシレータ2内でリセットエッジが到達している反転
回路の位置を表わす2進デジタル値(D0〜D3)を生
成できるようにしているのである。このため、例えば、
上記のように、基準信号PBが、メインエッジが第32
段目のナンドゲートNAND32に到達しているときに
立ち上がり、アンドゲートAND15の出力がHighレベ
ルとなった場合には、エンコーダ12aから、その位置
に対応した値15を2進数にコード化した2進デジタル
値(1111)が出力されることとなる。
【0042】また、本実施例のパルス位相差符号化回路
4においては、このようにパルスセレクタ・エンコーダ
回路12から出力される2進デジタル値(D0〜D3)
のMSB、即ちD3がマルチプレクサ22に入力されて
おり、このマルチプレクサ22は、D3の値が1のとき
には、第1のラッチ回路16の10ビット出力(C10
〜C19)を10ビットの2進デジタル値(D4〜D1
3)として出力し、逆にD3の値が0のときには、第2
のラッチ回路20の10ビット出力(C20〜C29)
を10ビットの2進デジタル値(D4〜D13)として
出力する。
【0043】例えば、図6に示すt1のタイミングで基
準信号PBが立ち上がったときは、メインエッジは、リ
ングオシレータ2の第32段目のナンドゲートNAND
32に到達しているので、パルスセレクタ・エンコーダ
回路12から出力されるD3の値は1となり、この場合
は、第1のラッチ回路16の10ビット出力(C10〜
C19)が選択されて、マルチプレクサ22からは(0
000000001)が出力される。また、図6に示す
t2のタイミングで基準信号PBが立ち上がったとき
は、メインエッジは、リングオシレータ2の第2段目の
インバータINV2を既に通過して第16段目のインバ
ータINV16に到達する前であるため、パルスセレク
タ・エンコーダ回路12から出力されるD3の値は0と
なり、この場合は、第2のラッチ回路20の10ビット
出力(C20〜C29)が選択されて、マルチプレクサ
22からは(0000000010)が出力される。
【0044】なお、本実施例のパルス位相差符号化回路
4において、このように2つのカウンタ14,18と2
つのラッチ回路16,20とを夫々設け、マルチプレク
サ22によって、パルスセレクタ・エンコーダ回路12
から出力される2進デジタル値(D0〜D3)のMSB
が値0であるときには第2のラッチ回路20の出力を選
択し、2進デジタル値(D0〜D3)のMSBが値1で
あるときには第1のラッチ回路16の出力を選択するの
は、各カウンタ14,18の出力が安定するまでにある
程度の時間を要するためであり、基準信号PBが立ち上
がったときのメインエッジの位置から、少なくともリン
グオシレータ2の半周分だけ前の反転回路の出力信号を
クロック入力とするカウンタの方を選択するすることに
よって、常に、安定状態となっている正確なカウント値
がマルチプレクサ22から出力されるようにしているの
である。
【0045】次に、このようにマルチプレクサ22から
出力される10ビットの2進デジタル値(D4〜D1
3)は、パルスセレクタ・エンコーダ回路12から出力
される4ビットの2進デジタル値(D0〜D3)と共
に、14ビットの2進デジタル値(D0〜D13)とし
て、加算器24及びデータラッチ回路26に夫々入力さ
れる。すると、加算器24は、この14ビットの2進デ
ジタル値(D0〜D13)に、更に値1の上位ビットデ
ータD14(=4000(HEX))を加算し、加算後の15ビ
ットの2進デジタル値(D0〜D14)を減算器28に
出力する。
【0046】また、データラッチ回路26は、パルスセ
レクタ・エンコーダ回路12及びマルチプレクサ22か
ら入力された14ビットの2進デジタル値(D0〜D1
3)を、基準信号PBが立ち上がる度にラッチし、その
ラッチした2進デジタル値(D0〜D13)を減算器2
8に出力する。
【0047】なお、このときデータラッチ回路26がラ
ッチするデータは、基準信号PBの立ち上がり時点でマ
ルチプレクサ22及びパルスセレクタ・エンコーダ回路
12が既に出力している2進デジタル値(D0〜D1
3)であるため、マルチプレクサ22及びパルスセレク
タ・エンコーダ回路12にて基準信号PBが前回立ち上
がった際(つまり1周期前)に生成された2進デジタル
値(D0〜D13)となり、減算器28には、通常、こ
のデータラッチ回路26にてラッチされた基準信号PB
の1周期前の2進デジタル値(D0〜D13)と、基準
信号PBの立ち上がりにより今回生成され加算器24に
て最上位ビットD14が付与された15ビットの2進デ
ジタル値(D0〜D14)とが夫々入力されることにな
る。
【0048】そして、減算器28では、加算器24から
入力された最新の2進デジタル値(D0〜D14)か
ら、データラッチ回路26から入力された基準信号PB
の1周期前の2進デジタル値(D0〜D13)を減じ
て、その偏差を演算し、その演算結果を、基準信号PB
の周期を表わす14ビットの2進デジタル値DOUT とし
て出力する。
【0049】すなわち、本実施例のパルス位相差符号化
回路4においては、制御信号PAによりリングオシレー
タ2が起動された後のリングオシレータ2内でのメイン
エッジの周回回数をカウントし、基準信号PBが立ち上
がる度に、そのカウント結果と、パルスセレクタ・エン
コーダ回路12から出力されるリングオシレータ2内で
のメインエッジの位置を表わす2進デジタル値とから、
基準信号PBの立ち上がり時点を表わす2進デジタル値
を生成して、その生成した最新の2進デジタル値と前回
生成した2進デジタル値との差を、基準信号PBの周期
を表わす2進デジタル値DOUT として、演算回路6に出
力するようにされている。
【0050】このため、従来のパルス位相差符号化回路
のように、入力パルスの位相差を符号化する度にリング
オシレータをリセットする必要はなく、リングオシレー
タのパルス信号周回動作を連続的に実行させることがで
きる。なお、減算器28において、基準信号PBの立ち
上がりタイミングで生成した最新の2進デジタル値と前
回生成した2進デジタル値との偏差を演算する際、加算
器24により、最新の2進デジタル値に、値1の最上位
ビットD14を付加して15ビットの2進デジタル値に
するのは、カウンタ14,18がリングオシレータ2内
のパルス信号の周回回数を連続的にカウントするため、
その出力値が最大値(=3FFF(HEX))に達すると、その
後は最小値(=0)に戻ってしまうためである。
【0051】つまり、基準信号PBの立ち上がり後、次
に立ち上がるまでの間に、カウンタ14,18の出力が
最大値から最小値に変化すると、マルチプレクサ22と
パルスセレクタ・エンコーダ回路12とにより得られた
最新の2進デジタル値(D0〜D13)よりも、データ
ラッチ回路26にラッチされた前回の2進デジタル値
(D0〜D13)の方が大きくなり、これをそのまま減
算すると、減算結果が負になってしまうことがあるの
で、本実施例では、最新の2進デジタル値(D0〜D1
3)に値1の上位ビットデータD14を加えることによ
り、15ビットの2進デジタル値(D0〜D14)を生
成し、この値からデータラッチ回路26にラッチされた
2進デジタル値(D0〜D13)を減算して、その減算
結果の下位14ビットのみを出力することにより、常に
基準信号PBの周期に対応した2進デジタル値DOUT が
得られるようにしているのである。
【0052】次に、上記のようにパルス位相差符号化回
路4にて得られた基準信号PBの周期を表わす2進デジ
タル値DOUT は、演算回路6において、所定値が乗算又
は所定値にて除算され、デジタル制御発振回路8の制御
データCD(14ビット)として出力される。
【0053】そして、デジタル制御発振回路8は、この
制御データCDを受けると、制御データCDに対応した
周期でパルス信号(発振信号)POUT を出力する。つま
り、デジタル制御発振回路8は、制御データCDが2進
デジタル値DOUT に所定値を乗じた値であれば、基準信
号PBの周期を所定値倍した周期、つまり基準信号PB
を所定値で分周した周期でパルス信号POUT を出力し、
制御データCDが2進デジタル値DOUT を所定値で割っ
た値であれば、基準信号PBの周期を所定値分の1にし
た周期、つまり基準信号PBを所定値で逓倍した周期で
パルス信号POUT を出力する。
【0054】以下、このデジタル制御発振回路8の構成
及び動作について説明する。図7に示す如く、本実施例
のデジタル制御発振回路8は、リングオシレータ2の各
出力端子Q0〜Q15からの信号を受け、後述するセレ
クトデータCDLNに対応した所定の出力端子からの出
力信号を選択して、その信号をセレクト信号PSOとし
て出力するパルスセレクタ32と、演算回路6から入力
された14ビットの制御データCDの内、上位10ビッ
トがカウントデータCDHとしてプリセットされると共
に、リングオシレータ2の出力端子Q7からの出力信号
の立ち上がりタイミングでカウントを行い、カウント値
DCDが値1のときに出力信号CN1をHighレベルに
し、カウント値DCDが0のときに出力信号CN2をHi
ghレベルにするダウンカウンタ34と、当該発振回路8
の起動時に外部から入力されるリセット信号CSTによ
ってリセットされると共に、パルス信号POUT の立ち上
がりタイミングで演算回路6から入力された14ビット
の制御データCDの内の下位4ビットを基準セレクトデ
ータCDLとしてラッチするラッチ回路36と、同じく
外部から入力されるリセット信号CSTによってリセッ
トされると共に、パルス信号POUT の立ち上がりタイミ
ングで、そのときパルスセレクタ32に入力しているセ
レクトデータCDLNをラッチし、そのラッチしたデー
タを旧セレクトデータCDLBとして出力するラッチ回
路38と、ラッチ回路38から出力される旧セレクトデ
ータCDLBとラッチ回路36から出力される基準セレ
クトデータCDLとを加算して、5ビットの加算データ
CDLAを生成し、その内の下位4ビットを上記セレク
トデータCDLNとしてパルスセレクタ32及びラッチ
回路38に出力すると共に、加算データCDLAの下位
4ビット目(つまりセレクトデータCDLNの最上位ビ
ット)の値を信号MSBとして出力する加算器40と、
加算器40から出力される5ビットの加算データCDL
Aの内、最上位ビットをキャリー信号CYとして、キャ
リー信号CYがLow レベルのときにはダウンカウンタ3
4の出力信号CN1を選択し、逆にキャリー信号CYが
Highレベルのときにはダウンカウンタ34の出力信号C
N2を選択して、出力信号SL1として出力するセレク
タ42と、上記リセット信号CSTとセレクタ42の出
力信号SL1との論理和をとり、その論理和信号をダウ
ンカウンタ34のセット信号として出力するオアゲート
ORaと、セレクタ42の出力信号SL1をリングオシ
レータ2内でパルス信号が半周するのに要する時間T1
だけ遅延して遅延信号DL1を出力する遅延線44と、
加算器40から出力される信号MSBがLow レベルのと
きにはセレクタ42の出力信号SL1を選択し、逆に信
号MSBがHighレベルのときには遅延線44からの遅延
信号DL1を選択して、出力信号SL2として出力する
セレクタ46と、セレクタ46の出力信号SL2を、パ
ルスセレクタ32から出力されるセレクト信号PSOの
立ち上がりタイミングでラッチして、ラッチ信号QOUT
を出力するクリア端子付きDフリップフロップDFFa
と、DフリップフロップDFFaからのラッチ信号QOU
T を所定時間T2だけ遅延して遅延信号DL2を出力す
る遅延線48と、この遅延線48から出力される遅延信
号DL2とDフリップフロップDFFaからのラッチ信
号QOUT との論理積をとり、その論理積信号をDフリッ
プフロップDFFaのクリア信号として出力するアンド
ゲートANDaと、DフリップフロップDFFaからの
ラッチ信号QOUT を増幅してパルス信号POUT として出
力する増幅器50とから構成されている。
【0055】ここで、パルスセレクタ32は、リングオ
シレータ2に設けられた出力端子Q0〜Q15からの出
力信号を夫々入力し、これら各信号の中から、加算器4
0にて生成された加算データCDLA(5ビット)の下
位4ビットであるセレクトデータCDLNに対応した番
号の信号を選択して出力する。つまり、このパルスセレ
クタ32は、例えば、セレクトデータCDLNが値1を
表す「0001」であれば、出力端子Q1からの出力信
号をセレクト信号PSOとして出力し、セレクトデータ
CDLNが値15を表す「1111」であれば、出力端
子Q15からの出力信号をセレクト信号PSOとして出
力する。
【0056】また、ダウンカウンタ34は、セット端子
SETを備えた周知のカウンタであり、そのセット端子
SETには、オアゲートORaからのセット信号が入力
される。そして、このセット信号がHighレベルのとき
に、リングオシレータ2の出力端子Q7からの信号(以
下、クロック信号CLKともいう。)が立ち上がると、
制御データCDの上位10ビットがカウントデータCD
Hとしてプリセットされる。一方、セット信号がLow レ
ベルのときには、リングオシレータ2からのクロック信
号CLKの立ち上がり毎に、そのカウント値DCDを1
づつ減少させ、カウント値DCDが値1のときに出力信
号CN1をHighレベルにし、また、カウント値DCDが
0のときに出力信号CN2をHighレベルにする。
【0057】次に、上記のように構成されたデジタル制
御発振回路8の動作を説明する。まず、リセット信号C
STを所定時間Highレベルにすることにより、クロック
信号CLKの立ち上がりタイミングにてダウンカウンタ
34に制御データCDの上位10ビットをカウントデー
タCDHをプリセットさせると共に、ラッチ回路36,
38をリセットして内部のデータをクリアすることによ
り、当該発振回路8を初期状態にする。
【0058】ここで、この初期状態では、ラッチ回路3
6,38がリセットされるため、各ラッチ回路36,3
8から出力される4ビットのデータは全て0となり、加
算器40から出力される5ビットの加算データCDLA
も全て0となる。従って、この初期状態においては、パ
ルスセレクタ32にセレクトデータCDLNとして値0
を表す「0000」が入力され、パルスセレクタ32は
リングオシレータ2の出力端子Q0からの出力信号をセ
レクト信号PSOとして出力することになる。また、こ
の初期状態では、ダウンカウンタ34のSET端子がHi
ghレベルとなるため、ダウンカウンタ34には、リング
オシレータ2からのクロック信号CLKの立ち上がりタ
イミングで、制御データCDの上位10ビットがカウン
トデータCDHとしてプリセットされる。
【0059】そしてその後、リセット信号CSTがLow
レベルになると、ダウンカウンタ34は、リングオシレ
ータ2からのクロック信号CLKの立ち上がり毎にその
プリセットされたカウントデータCDHを順次ダウンカ
ウントするカウント動作を開始するが、このとき加算器
40から出力される5ビットの加算データCDLAは全
て0であるため、セレクタ42,46には夫々Low レベ
ルの信号が入力され、セレクタ42はダウンカウンタ3
4からの出力信号CN1を選択して出力信号SL1を出
力し、セレクタ46はセレクタ42からの出力信号SL
1を選択して出力信号SL2を出力する。
【0060】このため、リセット信号CSTがHighレベ
ルからLow レベルに切り換えられた直後(つまり起動直
後)には、図8の(A)に示すように、ダウンカウンタ
34のカウント値DCDが1になっているときにDフリ
ップフロップDFFaの入力端子DがHighレベルとな
り、その状態で、リングオシレータ2の出力端子Q0の
出力がHighレベルとなってパルスセレクタ32からセレ
クト信号PSOが出力された時点で、当該発振回路8か
ら最初のパルス信号POUT が出力されることになる。
【0061】またDフリップフロップDFFaは、ラッ
チ信号QOUT (Highレベル)を出力すると、その後は、
ラッチ信号QOUT を所定時間T2だけ遅延する遅延線4
8からの遅延信号DL2がHighレベルになったときに、
アンドゲートANDaを介してクリアされるため、ラッ
チ信号QOUT ,延いてはパルス信号POUT のパルス幅
は、遅延線48の遅延時間T2と一致することになり、
当該発振回路8からは所定パルス幅のパルス信号POUT
が出力されることになる。
【0062】またこのように当該発振回路8の起動後、
最初のパルス信号POUT が出力されると、このパルス信
号POUT の立ち上がりタイミングで、ラッチ回路36が
制御データCDの下位4ビットを基準セレクトデータC
DLとしてラッチし、ラッチ回路38が現在パルスセレ
クタ32に入力されているセレクトデータCDLNを旧
セレクトデータCDLBとしてラッチするため、加算器
40から出力される加算データCDLAが、制御データ
CDの下位4ビット(基準セレクトデータCDL)と現
在の加算データCDLAの下位4ビット(旧セレクトデ
ータCDLB:この場合,値0)とを加算した値に更新
される。なお、このとき加算器40から出力される加算
データCDLAのキャリー信号CYは0であるため、セ
レクタ42はダウンカウンタ34の出力信号CN1の選
択を継続する。
【0063】一方、ダウンカウンタ34のSET端子に
は、セレクタ42からの出力信号SL1が入力されてい
るため、セレクタ42からの出力信号SL1がHighレベ
ルになった後、リングオシレータ2からのクロック信号
CLKが立ち上がった時点で、ダウンカウンタ34に、
制御データCDの上位10ビットがカウントデータCD
Hとして再度設定され、クロック信号CLKの次の立ち
上がりタイミングからカウント動作を再開する。
【0064】そして、このようにダウンカウンタ34が
カウント動作を再開し、そのカウント値DCDが値1に
なって、その出力信号CN1がHighレベルになると、図
8の(B)に示す如く、セレクタ42の出力信号SL
1,及びセレクタ46の出力信号SL2が順次Highレベ
ルになる。
【0065】また、このとき、パルスセレクタ32は、
加算器40から出力される加算データCDLAの下位4
ビット(つまりセレクトデータCDLN)に対応して、
リングオシレータ2からの出力信号を選択するため、例
えばラッチ回路36が基準セレクトデータCDLとして
ラッチした制御データCDの下位4ビットが値1を示す
「0001」であり、加算器40から出力される加算デ
ータCDLAが「00001」になったとすると、図8
の(B)に示す如く、リングオシレータ2の出力端子Q
1からの出力信号を選択する。
【0066】従って、この場合、セレクタ46の出力信
号SL2がHighレベルになった後、出力端子Q1からの
出力信号が立ち上がった時点で、DフリップフロップD
FFaからの出力信号QOUT がHighレベルとなり、当該
発振回路8から2個目のパルス信号POUT が出力される
ことになる。
【0067】そして、このように当該発振回路8から2
個めのパルス信号POUT が出力されると、ラッチ回路3
8が、パルスセレクタ32に現在入力されているセレク
トデータCDLNを旧セレクトデータCDLBとして再
度ラッチし、ラッチ回路36が制御データCDの下位4
ビットを基準セレクトデータCDLとして再度ラッチす
るため、制御データCDの下位4ビットが「0001」
のままであれば、加算器40から出力される加算データ
CDLAは「00010」に更新され、その後、加算デ
ータCDLAは、パルス信号POUT を出力する度に、ラ
ッチ回路36がラッチした制御データCDの下位4ビッ
ト(基準セレクトデータCDL)を加算した値に更新さ
れる。
【0068】次に、上記のような動作を繰り返すことに
より、加算器40から出力される加算データCDLAが
例えば「01111」となり、その下位4ビット目であ
る信号MSBがHighレベルになると、パルスセレクタ3
2は、リングオシレータ2の出力端子Q15からの出力
信号を選択し、セレクタ46は、セレクタ42からの出
力信号SL1をリングオシレータ2内でパルス信号が半
周するのに要する時間T1だけ遅延する遅延線44から
の遅延信号DL1を選択するようになる。
【0069】従って、この場合には、ダウンカウンタ3
4のカウント値DCDが値1になって、その出力信号C
N1がHighレベルになると、セレクタ42の出力信号S
L1がHighレベルになり、その後、時間T1経過した
後、セレクタ46の出力信号SL2がHighレベルにな
る。そして、その後リングオシレータ2の出力端子Q1
5からの出力信号が立ち上がった時点で、Dフリップフ
ロップDFFaからの出力信号QOUT がHighレベルとな
り、当該発振回路8から次のパルス信号POUT が出力さ
れることになる。
【0070】なお、これは、パルスセレクタ32が出力
端子Q8〜Q15からの出力信号を選択する場合には、
DフリップフロップDFFaにおいて、入力データがHi
ghレベルになった直後にそのデータをラッチすることに
なり、DフリップフロップDFFaからの出力信号QOU
T が不確定になる虞があるからである。
【0071】つまり、本実施例では、パルスセレクタ3
2が出力端子Q0〜Q7からの出力信号を選択している
場合には、セレクタ42の出力信号SL1をそのままD
フリップフロップDFFaに入力し、逆に、パルスセレ
クタ32が出力端子Q8〜Q15からの出力信号を選択
している場合には、セレクタ42の出力信号SL1をパ
ルス信号がリングオシレータ2を半周するのに要する時
間T1だけ遅延させてDフリップフロップDFFaに入
力することにより、DフリップフロップDFFaへの入
力データがHighレベルに変化してからDフリップフロッ
プDFFaがそのデータをラッチするまでの時間が、常
に、リングオシレータ2をパルス信号が半周するのに要
する時間以上となるようにしているのである。
【0072】また次に、加算器40から出力される加算
データCDLAのキャリー信号CYがHighレベルになる
と、セレクタ42は、ダウンカウンタ34のカウント値
DCDが0であるときにHighレベルとなる出力信号CN
2を選択する。従って、この場合には、リングオシレー
タ2内でのパルス信号の周回回数が制御データCDの上
位10ビットデータに値1を加えた回数に達した後、パ
ルスセレクタ32から出力されるセレクト信号PSOの
立ち上がりで、パルス信号POUT が出力されることにな
る。
【0073】なお、これは、ダウンカウンタ34は、リ
ングオシレータ2の出力端子Q7から出力されるクロッ
ク信号CLKにより常に一定周期(32・Td)でダウ
ンカウントを行うため、今回リングオシレータ2からパ
ルス信号を取り出す出力端子が、前回パルス信号を取り
出した出力端子よりも前段のものになったとき、つま
り、パルスセレクタ32に入力されるセレクトデータC
DLNの値が前回値よりも小さくなったときに、発振周
期が、リングオシレータ2をパルス信号が1周する時間
だけ短くなってしまうためである。
【0074】このように本実施例のデジタル制御発振回
路8においては、演算回路6から出力される制御データ
CDの上位10ビットであるカウントデータCDHにて
リングオシレータ2内でのパルス信号の周回回数をカウ
ントし、制御データCDの下位4ビットである基準セレ
クトデータCDLを順次加算した5ビットの加算データ
CDLAの下位4ビット(セレクトデータCDLN)に
てリングオシレータ2からの出力信号を選択し、更に加
算データCDLAのキャリー信号CYにてパルス信号の
周回回数のカウント値を増・減することにより、パルス
信号POUT を、常に、制御データCDとリングオシレー
タ2内の反転回路の反転動作時間Tdとで決定される一
定周期(=CDH×32・Td+CHL×2・Td)で
繰返し出力するようにされている。このため、従来のデ
ジタル制御発振回路のように、パルス信号POUT を出力
する度にリングオシレータをリセットする必要はなく、
リングオシレータのパルス信号周回動作を連続的に実行
させることができる。
【0075】以上、詳述したように、本実施例の周波数
変換装置においては、リングオシレータ2の出力端子Q
0〜Q15から順次出力される出力信号に基づき、外部
から入力された基準信号PBの周期を2進デジタル値D
OUT に繰返し符号化可能なパルス位相差符号化回路4
と、同じく、リングオシレータ2の出力端子Q0〜Q1
5から順次出力される出力信号に基づき、外部から入力
された制御データCDに応じた周期で所定パルス幅のパ
ルス信号POUT を繰返し出力可能なデジタル制御発振回
路8とを備え、これらパルス位相差符号化回路4及びデ
ジタル制御発振回路8にリングオシレータ2を共用させ
ている。
【0076】この結果、パルス位相差符号化回路4にて
得られる2進デジタル値DOUT 及びデジタル制御発振回
路8から出力されるパルス信号POUT の時間分解能が、
リングオシレータ2の各出力端子Q0〜Q15間の反転
回路の反転動作時間Tdで決定される一定の遅延時間
(2・Td)となり、例えば、パルス位相差符号化回路
4にて得られた2進デジタル値DOUT をそのままデジタ
ル制御発振回路8に制御データCDとして入力すれば、
デジタル制御発振回路8から、パルス位相差符号化回路
4が2進デジタル値DOUT に符号化した基準信号PBと
全く同じ周期でパルス信号POUT を出力させることがで
きる。
【0077】従って、演算回路6を、パルス位相差符号
化回路4にて得られた2進デジタル値DOUT を所定値倍
する乗算回路として動作させれば、当該装置を極めて高
精度な分周装置として使用することができ、逆にパルス
位相差符号化回路4にて得られた2進デジタル値DOUT
を所定値分の1する除算回路として動作させれば、当該
装置を極めて高精度な逓倍装置として使用することがで
きる。
【0078】また従来のようにパルス位相差符号化回路
4及びデジタル制御発振回路8に専用の遅延回路を設け
る必要がなく、各回路4,8に一つのリングオシレータ
2を共用させているので、装置構成を簡素化して小型化
することができる。ここで、本実施例では、パルス位相
差符号化回路4とデジタル制御発振回路8とを用いて、
基準信号PBを分周又は逓倍したパルス信号POUT を生
成する周波数変換装置について説明したが、本発明は、
例えば、特開平5−102801号公報に開示されたパ
ルス位相差符号化回路とデジタル制御発振回路とを用い
たPLL、図9に示すように2個のパルス位相差符号化
回路を用いて被測定信号PXの周波数を測定する周波数
測定装置、或は図10(a)に示すように2個のデジタ
ル制御発振回路を用いて入力データに対応した所定周期
で所定デューティ比のパルス信号POを生成する発振装
置等、パルス位相差符号化回路やデジタル制御発振回路
を複数同時に使用する装置であれば、どのような装置で
あっも適用できる。
【0079】なお、図9に示した周波数測定装置は、パ
ルス位相差符号化回路54に周波数が既知の基準信号P
Bを入力して、その周期を符号化させると共に、パルス
位相差符号化回路56に周波数が未知の被測定信号PX
を入力して、その周期を符号化させ、これら各パルス位
相差符号化回路54,56により得られた2進デジタル
値D1,D2を除算回路58に入力して、基準信号PB
の周期(D1)に対する被測定信号PXの周期(D2)
の比率(DO=D2/D1)を求めることにより、被測
定信号PXの周期,つまり周波数を測定するようにした
ものである。そして、各パルス位相差符号化回路54,
56は、上記実施例のパルス位相差符号化回路4と同様
に構成され、上記実施例のリングオシレータ2と同様に
構成されたリングオシレータ52を共用している。従っ
て、各パルス位相差符号化回路54,56の時間分解能
は完全に一致し、被測定信号PXの周期(周波数)を高
精度に測定することができるようになる。
【0080】また、図10に示した発振装置は、上記実
施例のリングオシレータ2と同様に構成されたリングオ
シレータ62と、上記実施例のデジタル制御発振回路8
と同様に構成され、リングオシレータ62を共用して動
作する2個のデジタル制御発振回路64,66と、一方
のデジタル制御発振回路64からのパルス信号P1がセ
ット端子Sに入力され、他方のデジタル制御発振回路6
6からのパルス信号P2をリセット端子Rに入力される
RSフリップフロップ68とから構成されている。
【0081】そして、この発振装置は、各デジタル制御
発振回路64,66に起動用の任意のデジタルデータを
夫々制御データDa,Dbとして入力すると共に、リセ
ット信号CSTを同時に入力して、各デジタル制御発振
回路64,66を同時に起動し、その後、デジタル制御
発振回路64には、RSフリップフロップ68から出力
すべきパルス信号POの周期(周波数)を表す制御デー
タDaを入力し、デジタル制御発振回路66には、最初
のパルス信号P1が出力されるまでの間制御データDa
をK倍(但しK:1〜2まで任意の値)した制御データ
Dbを入力し、最初のパルス信号P1が出力された後は
制御データDaと同じ制御データDbを入力する、とい
った手順で使用される。
【0082】つまり、このように使用することにより、
図10(b)に示す如く、一方のデジタル制御発振回路
64からは、起動後、制御データDaに対応した一定周
期でパルス信号P1が順次出力され、他方のデジタル制
御発振回路66からは、このパルス信号P1と同じ周期
で、位相がその周期に対して(K−1)だけずれたパル
ス信号P2が順次出力されるようになり、RSフリップ
フロップ68からは、パルス信号P1とパルス信号P2
との位相のずれに対応したデューティ比(Kが1.5で
あればデューティ比50%となる)のパルス信号POを
出力されることになるため、図10(a)に示した発振
装置によれば、起動後最初に入力する制御データDa,
Dbの値によって、所定周期で所定デューティ比のパル
ス信号POを出力させることができるようになるのであ
る。
【0083】そして、この発振装置においても、各デジ
タル制御発振回路64,66は、リングオシレータ62
を共用しているため、その時間分解能は完全に一致し、
RSフリップフロップ68から出力されるパルス信号P
Oの周期及びデューティ比を高精度に制御することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の周波数変換装置全体の構成を表すブロ
ック図である。
【図2】実施例のリングオシレータの構成を表す電気回
路図である。
【図3】図2に示したリングオシレータの動作を表すタ
イムチャートである。
【図4】実施例のパルス位相差符号化回路の構成を表す
電気回路図である。
【図5】図4に示したパルス位相差符号化回路内のパル
スセレクタ・エンコーダ回路の構成を表す電気回路図で
ある。
【図6】図4に示したパルス位相差符号化回路の動作を
表すタイムチャートである。
【図7】実施例のデジタル制御発振回路の構成を表す電
気回路図である。
【図8】図7に示したデジタル制御発振回路の起動直後
の動作を表すタイムチャートである。
【図9】2個のパルス位相差符号化回路を用いた周波数
測定装置の構成を表すブロック図である。
【図10】2個のデジタル制御発振回路を用いた発振装
置の構成を表すブロック図である。
【符号の説明】
2,52,62…リングオシレータ(NAND1,NA
ND32…ナンドゲート、INV2〜INV31…イン
バータ) 4,54,56…パルス位相差符号化回路(12…パル
スセレクタ・エンコーダ回路、14,18…カウンタ、
16,20…ラッチ回路、22…マルチプレクサ、24
…加算器、26…データラッチ回路、28…減算器) 8,64,66…デジタル制御発振回路(32…パルス
セレクタ、34…ダウンカウンタ、36,38…ラッチ
回路、40…加算器、42,46…セレクタ、44,4
8…遅延線、DFFa…Dフリップフロップ) 6…演算回路 58…除算回路 68…RSフリッ
プフロップ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の遅延素子が連結され、該遅延素子
    の所定の接続点から、該遅延素子の連結個数にて決定さ
    れる遅延時間だけ遅延した遅延信号を順次出力する遅延
    回路と、 所定の開始タイミングの後に外部からパルス信号が入力
    されると、上記遅延回路から出力された遅延信号のうち
    の上記パルス信号の入力されたタイミングに対応した特
    定の遅延信号を検出し、該特定の遅延信号を出力した遅
    延素子の上記遅延回路内での連結位置を表わす位置デー
    タを生成する位置データ生成手段、及び、該位置データ
    生成手段にて生成された位置データと上記開始タイミン
    グにおける位置データとから上記開始タイミングから上
    記パルス信号の入力までの位相差を表わすデジタルデー
    タを生成する演算手段、を備え、互いに関連する異なる
    上記パルス信号が夫々入力される複数のパルス位相差符
    号化回路と、 上記複数のパルス位相差符号化回路から出力された複数
    の上記デジタルデータに基づき出力信号を出力する出力
    回路とからなり、上記各パルス位相差符号化回路が、上
    記遅延回路を共有して、外部から入力されたパルス信号
    の位相差を夫々符号化することを特徴とするパルス信号
    処理装置。
  2. 【請求項2】 複数の遅延素子が連結され、該遅延素子
    の所定の接続点から、入力信号を該遅延素子の連結個数
    にて決定される遅延時間だけ遅延した遅延信号を順次出
    力する遅延回路と、 外部からパルス信号が入力されると、上記遅延回路から
    出力された最新の遅延信号を検出し、該遅延信号を出力
    した遅延素子の上記遅延回路内での連結位置を表わす位
    置データを生成する位置データ生成手段、及び、該位置
    データ生成手段にて前回生成された位置データと最新の
    位置データとから上記パルス信号の位相差を表わすデジ
    タルデータを生成する演算手段、を備え、互いに関連す
    る異なる上記パルス信号が夫々入力される複数のパルス
    位相差符号化回路と、 上記複数のパルス位相差符号化回路から出力された複数
    の上記デジタルデータに基づき出力信号を出力する出力
    回路とからなり、上記各パルス位相差符号化回路が、上
    記遅延回路を共有して、外部から入力されたパルス信号
    の位相差を夫々符号化することを特徴とするパルス信号
    処理装置。
  3. 【請求項3】 上記遅延素子は入力される信号を所定の
    遅延時間で反転させる反転回路からなり、上記遅延回路
    が、リング状に連結された複数の上記反転回路を有し、
    各反転回路によりパルス信号を順次反転して周回させる
    パルス周回回路からなり、 上記パルス位相差符号化回路が、該パルス周回回路内で
    のパルス信号の周回回数をカウントし、該カウント値を
    上記位置データ生成手段にて生成された位置データの上
    位ビットデータとして上記演算手段に出力する第1のカ
    ウント手段を備えたことを特徴とする請求項2記載のパ
    ルス信号処理装置。
  4. 【請求項4】 上記演算手段は、上記位置データ生成手
    段にて前回生成された位置データと最新の位置データと
    の偏差を演算し、該演算結果から上記パルス信号の位相
    差を表わすデジタルデータを生成することを特徴とする
    請求項2または請求項3に記載のパルス信号処理装置。
  5. 【請求項5】 複数の遅延素子が連結され、該遅延素子
    の所定の接続点から入力信号を入力することで起動する
    とともに、入力された該入力信号を該遅延素子の連結個
    数にて決定される遅延時間だけ遅延した遅延信号を順次
    出力する遅延回路と、 外部からパルス信号が入力されると、上記遅延回路から
    出力された遅延信号のうちの上記パルス信号の入力され
    たタイミングに対応した特定の遅延信号を検出し、該特
    定の遅延信号を出力した遅延素子の上記遅延回路内での
    連結位置を表わす位置データを生成し、該位置データを
    用いて上記入力信号と上記パルス信号との位相差を表わ
    すデジタルデータを生成する、互いに関連する異なる上
    記パルス信号が夫々入力される複数のパルス位相差符号
    化回路と、 上記複数のパルス位相差符号化回路から出力された複数
    の上記デジタルデータに基づき出力信号を出力する出力
    回路とからなり、上記各パルス位相差符号化回路が、上
    記遅延回路を共有して、入力信号とパルス信号の位相差
    を夫々符号化することを特徴とするパルス信号処理装
    置。
  6. 【請求項6】 上記パルス位相差符号化回路の夫々は、
    外部から更にパルス信号が入力されると、上記遅延回路
    から出力された遅延信号のうちの最新の遅延信号を検出
    し、該特定の遅延信号を出力した遅延素子の上記遅延回
    路内での連結位置を表わす最新の位置データを生成し、
    該最新の位置データと前回生成された位置データとの偏
    差を演算する演算手段を備え、上記更なるパルス信号が
    入力された後は、上記入力信号と上記パルス信号の位相
    差に代えて、上記パルス信号と更なるパルス信号との位
    相差を出力するすることを特徴とする請求項5記載のパ
    ルス信号処理装置。
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