JPH1133720A - 直流アーク溶接用電源装置 - Google Patents

直流アーク溶接用電源装置

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JPH1133720A
JPH1133720A JP21405697A JP21405697A JPH1133720A JP H1133720 A JPH1133720 A JP H1133720A JP 21405697 A JP21405697 A JP 21405697A JP 21405697 A JP21405697 A JP 21405697A JP H1133720 A JPH1133720 A JP H1133720A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】商用交流電源からの入力電流が入力電圧波形と
同相でかつ略同波形となり、過大な入力電圧降下を発生
させることがなく力率も1に近い高力率の装置を得る。 【解決手段】商用交流電源に接続された変圧器の一次巻
線と両波整流回路とからなる直列回路と、前記両波整流
回路の出力を短絡するスイッチング素子と、前記変圧器
の二次巻線の出力を整流する両波整流回路と、前記両波
整流回路の出力端子間に接続されたコンデンサと、前記
コンデンサの一方の端子に直列に接続された直流リアク
トルと、前記スイッチング素子を出力設定値に対応して
高周波でON−OFF制御するスイッチング素子制御回
路とを備えた直流アーク溶接用電源装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、商用交流を整流し
てアーク溶接に適した出力電圧・電流の直流を得るよう
にした直流アーク溶接用電源装置の改良に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】図6に単相の商用交流電源から電力を得
る方式の従来の直流アーク溶接用電源装置の例を示す。
同図において、1は単相の商用交流電源、2は電力加工
部、4は電極4aおよび被溶接物4bからなるアーク溶
接負荷である。電力加工部2は両波整流回路REC1、
この両波整流回路REC1の出力を平滑するコンデンサ
C1、スイッチングトランジスタTR1ないしTR4お
よびダイオードD1ないしD4からなるインバータ回
路、インバータ回路の出力電圧を負荷に適した電圧に変
換する変圧器T1、変圧器T1の出力電圧を再度整流す
る整流回路REC2、この両波整流回路REC2の出力
と出力端子との間に設けられた直流リアクトルL21、
出力電流を検出する電流検出器CT1、出力電流設定器
21、出力電流設定器21の出力Irと電流検出器CT
1の検出値Ifとを比較し差信号ΔI=Ir−Ifを出
力する比較器22および比較器22の出力信号ΔIを入
力として入力信号に応じた導通時間率のパルス信号を出
力してインバータ回路を構成するスイッチングトランジ
スタTR1とTR4およびスイッチングトランジスタT
R2とTR3とをそれぞれ1組として各組のトランジス
タを同時にかつ各組毎に交互にON−OFFさせる信号
を出力するパルス幅制御回路(以後PWM制御回路とい
う)23からなる。
【0003】図6の装置においては、商用交流電源1か
らの電力は両波整流回路REC1にて整流されて直流と
なり、コンデンサC1にて平滑された後にスイッチング
トランジスタTR1ないしTR4にて高周波の交流に変
換されて変圧器T1にて所望の電圧に変換され、両波整
流回路REC2にて再度整流されて直流となり直流リア
クトルL1を介してアーク溶接負荷4に供給される。こ
の出力電流は電流検出器CT1にて検出されて出力電流
設定器21の設定値Irと比較器22にて比較されて、
差信号ΔI=Ir−Ifが得られる。この差信号ΔIは
PWM制御回路23に供給されてこの差信号ΔIが減少
する方向にスイッチングトランジスタTR1ないしTR
4の導通時間率が調整されて、出力電流が設定値に保た
れるように制御される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の方式の従来装置
においては、商用交流電源1からの入力電流が大きく歪
むために商用交流電源側に悪影響を及ぼす。その理由を
図7の波形図にて説明する。図7(a)は図6の装置に
おける商用交流電源1の電圧波形を示し、同図(b)は
コンデンサC1の端子電圧、(c)は入力電流波形を示
す。図7から容易にわかるように、正弦波の入力電圧に
対して、入力電流は平滑用コンデンサC1の端子電圧が
入力電圧の両波整流波形よりも低い期間においてのみ流
れる。このために、入力電流は入力電圧位相のピーク点
附近の限られた期間のみ流れるパルス状の波形となり、
極端な歪波電流となる。このために商用交流電源1に対
しては、この期間にのみ大きな負担がかかることにな
り、電圧降下もこの期間にのみ発生するので、同図
(a)に破線にて示すように電圧波形を大きく歪ませる
ことになって、商用交流電源側に過大な負担をかけ、電
源の過負荷防止用遮断器をトリップさせたり同一電源に
接続されている他の機器に悪影響を及ぼし、甚しい場合
にはこれらを護動作させることも発生する。また、電圧
波形に対して電流波形が極端にずれることから商用交流
電源1に対する力率は極めて低いものであった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来装置
の課題を解決するために、商用交流電源に接続された変
圧器の一次巻線と両波整流回路とからなる直列回路と、
前記両波整流回路の出力を短絡するスイッチング素子
と、前記変圧器の二次巻線の出力を整流する出力用両波
整流回路と、前記出力用両波整流回路の出力端子間に接
続されたコンデンサと、前記コンデンサの一方の端子に
直列に接続された直流リアクトルと、前記スイッチング
素子を出力設定値に対応して高周波でON−OFF制御
するスイッチング素子制御回路とを備え、前記直流リア
クトルの他方の端子と前記コンデンサの他方の端子とか
ら出力電力を取り出す直流アーク溶接用電源装置を提案
したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態の例を
示す接続図である。同図において、1は単相商用交流電
源、20は電力加工部、4はアーク溶接負荷であり、電
極4aと被溶接物4bとからなる。電力加工部20は一
次巻線T21pおよびセンタータップ付の二次巻線T2
1sからなる変圧器T21、両波整流回路REC21、
スイッチング素子TR10、ダイオードD10、D2
1、D22、コンデンサC11、抵抗器R11、直流リ
アクトルL21、出力電流設定器21、電流検出器CT
11、比較器22、PWM制御回路23および高周波フ
ィルタLF21からなる。ここで、直流リアクトルL2
1は、アーク溶接負荷4の変動に対する出力電流の変化
の時定数を実施するアーク溶接に適した値にするために
設けられるものであり、電極4aと被溶接物4bとが短
絡したときの電流の立上り速度や短絡から開放してアー
クが再生するときの電流の低下速度を適値にするアーク
溶接用電源装置のダイナミック特性を改善するものであ
る。また、変圧器T21の一次巻線T21pと二次巻線
T21sとは図中に・印で示すように交流電源1の出力
が図中に+、−で示す極性のときに二次巻線T21sの
・印側に+の出力が発生する極性に定められている。
【0007】同図において、アーク溶接負荷4に流れる
電流は電流検出器CT11にて検出されて信号Ifとな
り、出力電流設定器21の設定値Irと比較器22にて
比較されて差信号ΔI=Ir−Ifが算出される。PW
M制御回路23はこの差信号ΔIに応じて入力信号が減
少する方向に出力パルス幅を調整して、スイッチング素
子TR10に供給する。このPWM制御回路23の動作
周波数(ON−OFFのくりかえし周波数)を商用交流
電源1の周波数よりも十分に高く、10KHzないし数
10KHzに設定しておく。また同図においてD10は
スイッチング素子TR10に逆方向電圧が印加されるこ
とを防止するための保護用ダイオードであり、LF21
はスイッチング素子TR10のON−OFF動作によっ
て入力電流に含まれる高周波成分をバイパスするための
高周波フィルタである。
【0008】図2は図1の装置の動作を説明するための
各部の波形を示す線図であり、同図(a)は商用交流電
源1の電圧波形、(b)はPWM制御回路23の出力波
形、(c)はスイッチング素子TR10を流れる電流波
形、(d)は二次巻線T21sの誘起電圧波形、(e)
はダイオードD21に流れる電流波形、(f)はダイオ
ードD22に流れる電流波形、(g)はコンデンサC1
1の端子電圧波形、(h)は商用交流電源1からの流入
電流波形をそれぞれ時間の経過とともに示してある。
【0009】図2の線図を参照して図1の装置の動作を
説明する。いま、商用交流電源1から一次巻線T21p
の・印へ電流が流れ込む極性の半波(図中に+−で示し
た極性)T1の期間において、スイッチング素子TR1
0が導通すると、変圧器T21の一次巻線T21pに図
2(C)に示すように交流電源1の電圧波形の瞬時値に
比例した電流が整流回路REC21およびスイッチング
素子TR10を通して流れる。この電流によって二次巻
線T21sには図示の極性の電圧が変圧器T21の巻数
比に応じて誘起されるが、定常動作の途中においてはコ
ンデンサC11の端子電圧がこの誘起電圧より高く充電
されているのでダイオードD22は逆バイアスの状態に
あり、電流は流れない。(但し、スイッチング素子TR
10がON−OFF動作を始める最初の半波においては
コンデンサC11には充電電荷がないのでスイッチング
素子TR10の導通時にも二次巻線T21sおよびダイ
オードD22を通して電流が流れる。しかし商用交流電
源の電圧波形の最初の半波の前半期間が経過するとコン
デンサC11は入力電圧の波高値近くまで充電されるの
で以後はスイッチング素子TR10の導通期間中は二次
巻線には電流が流れない。)このために、一次巻線T2
1pに流れた電流は変圧器T21に電磁エネルギーとし
て蓄えられる。次にTon期間の終りにスイッチング素
子TR10が遮断すると、それまでに蓄えられた電磁エ
ネルギーが二次巻線T21sを通じて放出され、図2
(d)のように図1に示した極性と逆の極性の電圧を二
次巻線に誘起し、ダイオードD21を通してコンデンサ
C11に図2(e)に示すようにそれまでに蓄積された
電磁エネルギーの量に比例した電流が流れてこれを充電
する。このときの誘起電圧は蓄積エネルギーの大小にか
かわらず図2(d)に示すようにコンデンサC11の端
子電圧を超える値にまで達する。このためにそのときの
交流電源電圧の瞬時値にかかわらずコンデンサの充電が
行なわれることになる。変圧器T21に蓄積された電磁
エネルギーの放出が終る頃に遮断期間toffを終了さ
せ、再びスイッチング素子TR10を導通させると変圧
器T21には再び電磁エネルギーの蓄積が開始される。
これらの動作をスイッチング素子TR10のON−OF
F毎にくりかえして期間T1が終了し、逆の半波期間T
2に入ると、スイッチング素子TR10の導通期間中に
一次巻線T21pにはさきと逆方向の電流が流れ、スイ
ッチング素子の遮断時にダイオードD22を通して導通
期間中に蓄積された電磁エネルギーを放出して、コンデ
ンサC11を充電する。
【0010】コンデンサC11の端子電圧は直流リアク
トルL21を通してアーク溶接負荷4に供給される。ア
ーク溶接負荷4に流れる電流は電流検出器CT11によ
って検出信号Ifとなり、出力電流設定器21の設定値
Irと比較器22にて比較されて差信号ΔI=Ir−I
fとなり、この差信号ΔIに応じた導通時間率となるよ
うにPWM制御回路23が出力パルス幅を決定し、スイ
ッチング素子TR10をON−OFF制御する。
【0011】したがって、PWM制御回路23の出力周
波数を商用交流電源1の周波数よりも十分に高く、例え
ば10KHzないし数10KHzの高周波としておけ
ば、商用交流電源1からの入力電圧波形のすべての位相
において、電力が供給されることになる。このとき、入
力電流にはPWM制御回路の動作周波数の高周波成分を
含むことになるが、入力側に小容量のコンデンサからな
る高周波フィルタLF21を設けることにより、入力電
流を平坦化することができ、図2(h)に示すように商
用交流電源1の電圧位相に略一致した正弦波状の電流波
形とすることができる。
【0012】図1の装置において、変圧器T21はスイ
ッチング素子TR10のON−OFF周波数に応じた高
周波変圧器を用意すればよいので、その鉄心断面積は小
さなものでよく、またスイッチング素子TR10が導通
している期間中に流れる電流によって電磁エネルギーを
蓄えるためにその磁路の途中に適宜空隙を設けると都合
がよい。
【0013】さらに本発明の装置においてはスイッチン
グ素子TR10の導通期間中に変圧器T21に電磁エネ
ルギーを蓄え、スイッチング素子TR10の遮断期間中
にこれを放出してコンデンサC11に充電するものであ
るので、変圧器T21の鉄心がスイッチング素子TR1
0の1回のON−OFFにおいて磁束が完全にリセット
されるようにスイッチング素子の導通時間率(ON−O
FFの1周期におけるON期間の占める割合)が差信号
ΔIの最大値に対しても50%以下になるようにPWM
制御回路23を設計しておくことが望ましい。
【0014】なお、図1の装置において、抵抗器R11
は動作停止時にコンデンサC11に残留する電荷を放電
するためのものであり、アーク溶接の終了時には動作停
止と同時にアーク溶接負荷4が開放となるのが通常であ
るので、残留電荷を抵抗器R11を通して比較的短時間
に放電することによって感電の危険性を防止する。ただ
し、コンデンサC11が完全に放電した状態からの起動
にはコンデンサC11をフル充電するまでに若干の時間
が必要であるので、アーク溶接の起動、停止をくりかえ
すような用途においては、この抵抗器によって急速に残
留電荷を放出してしまうとアーク溶接停止後の再起動に
不便である。そこで抵抗器R11の抵抗値としてはコン
デンサC11の充電電荷を数秒程度の間に放電する値に
選定しておくと、危険防止とともにアーク溶接停止直後
の再起動が容易となる。また、第2図においてはPWM
制御回路23の出力と商用交流電源1の電圧位相とが同
期しているものについて説明したが、両者の位相は同期
していなくても本発明の実施には特別問題はない。
【0015】図3は本発明を3相交流電源に対して実施
したときの形態の例を示した接続図である。同図におい
て、3は3相商用交流電源、31は電力加工部であり、
高周波フィルタLF31、一次巻線T31pとセンター
タップ付二次巻線T31sを有する変圧器T31、同様
に一次巻線T32p、T33pと二次巻線T32s、T
33sをそれぞれ有する変圧器T32、T33、3相両
波整流回路REC31、ダイオードD10およびダイオ
ードD31ないしD36、スイッチング素子TR10、
コンデンサC11、直流リアクトルL21、抵抗器R1
1、電流検出器CT11、出力電流設定器21、比較器
22およびPWM制御回路23からなる。また変圧器T
31ないしT33の一次巻線と二次巻線の極性は図中に
・印の通りであり、これに対してダイオードD31ない
しD36の極性が図示の通りに定められている。
【0016】図3の装置において、ダイオードD31な
いしD36はセンタータップ式両波整流回路を構成して
いる。図中イ、ロ、ハのうちイ点が最高電位となる期間
は商用交流電源3の1周期2πの間にπ/3あり、この
期間にスイッチング素子TR10が導通すると変圧器T
31p、両波整流回路REC31、スイッチング素子T
R10、両波整流回路REC31、変圧器T32pとT
33pの回路を電流が流れて各変圧器の二次巻線T31
s、T32s、T33sにそれぞれ図示の極性の電圧が
誘起される。この誘起電圧は、図1に示した実施例と同
様に定常状態においては、コンデンサC11の端子電圧
がこの誘起電圧よりも高く充電されているのでダイオー
ドD32、D33、D35はすべて逆バイアスの状態に
あり、電流は流れない。(但し、スイッチング素子TR
10がON−OFF動作を始める最初の半波においては
コンデンサC11には充電されていないのでスイッチン
グ素子TR10の導通時にも二次巻線T31sおよびダ
イオードD32を通して電流が流れる。しかし、商用周
波の電圧波形の最初の半波の前半の期間が終了する頃に
はコンデンサC11はこの波高値近くまで充電されるの
で以後はスイッチング素子TR10の導通期間中は二次
巻線には電流が流れない。)このために、一次巻線T3
1p、T32p、T33pに流れた電流はそれぞれの変
圧器に電磁エネルギーとして蓄えられる。次にスイッチ
ング素子TR10が遮断すると、それまでに蓄えられた
電磁エネルギーが二次巻線T31s、T32s、T33
sを通じて放出され、図3に示した極性と逆の極性の電
圧を二次巻線に誘起し、それぞれ順方向となるダイオー
ドD31、D34、D36を通してコンデンサC11を
充電する。このときの誘起電圧は蓄積エネルギーの大小
にかかわらずコンデンサC11の端子電圧を超える値に
まで達する。このためにその直前のスイッチング素子T
R10の導通期間の交流電源電圧の瞬時値にかかわらず
十分に高い電圧が誘起してコンデンサC11の充電が行
なわれることになる。各変圧器に蓄積された電磁エネル
ギーの放出が終る頃に再びスイッチング素子TR10を
導通させると変圧器T31ないしT33に再び電磁エネ
ルギーの蓄積が開始される。このような動作を図3のイ
点の電位がロ点およびハ点の各電位よりも高い期間中く
りかえす。
【0017】つぎに図のハ点が最低電位となるので変圧
器T36と変圧器T31、T33が同様に動作し、つぎ
に図のロ点の電位が他の点よりも高くなって変圧器T3
3と変圧器T32、T36が同様の動作をする。さらに
図のイ点が最も低い電圧になると変圧器T32と変圧器
T33、T35が、ハ点が最高電位になる期間では、変
圧器T35と変圧器T33、T34が、ロ点が最低電位
となる期間では変圧器T34と変圧器T31、T35が
それぞれ上記と同様の動作をそれぞれ商用交流の電圧位
相のπ/3の期間ずつくりかえして商用交流電源の1周
期(2π)を終了する。
【0018】図4は、本発明の別の実施の形態を示す接
続図である。同図は、図1の実施例の二次巻線の出力を
倍電圧整流回路にて整流するようにした例であり、T2
2pは変圧器T22の一次巻線、T22sは同二次巻
線、D27、28はダイオード、C21、C21はコン
デンサであり、同図のその他の要素は図図1の装置と同
機能のものに同符号を付して説明を省略する。
【0019】図4の装置において、交流電源1の電圧の
極性が図示の通りのときにスイッチング素子TR10が
導通すると変圧器T22の一次巻線T22pには交流電
源1の電圧波高値に対応した電流が流れ、これによって
二次巻線T22sには図示の極性の電圧が誘起される。
定常動作中においてはコンデンサC21、C22の各端
子電圧はこのときの誘起電圧よりも十分に高いので、ダ
イオードD28は逆バイアスされている。(ただし、動
作開始直後においてはコンデンサC21、C22の電圧
が低い期間があるのは図1の装置と同様である)またダ
イオードD27に対しては逆方向であるので、結局二次
巻線T22sには電流は流れない。このため、スイッチ
ング素子TR10が導通している期間中に一次巻線T2
2pに流れた電流はすべて変圧器T22に電磁エネルギ
ーとして蓄積される。次にスイッチング素子TR10が
遮断すると二次巻線T22sに図示と逆の極性の電圧が
発生し、ダイオードD27を通してコンデンサC21に
供給される。この電圧はスイッチング素子TR10が導
通していた期間中に蓄えられた電磁エネルギーを放出す
るのに充分な高い電圧にまで達するのでコンデンサC2
1はこれによって充電される。変圧器T22に蓄積され
た電磁エネルギーの放出が終る頃に再びスイッチング素
子TR10が導通し、以後交流電源1の電圧極性が図示
の期間中上記の動作をくりかえす。
【0020】次に交流電源1の電圧の極性が図示と逆に
なると二次巻線T22sにおける誘起電圧も逆の極性と
なり、スイッチング素子TR10が遮断したときにダイ
オードD28を通してコンデンサC22が充電される。
【0021】コンデンサC21とC22とは直列に接続
されており、この直列回路の両端から直流リアクトルL
21を通してアーク溶接負荷4に電力が供給される。こ
の出力電流は電流検出器CT11によって検出されて信
号Ifとなり、出力電流設定器21の設定値Irと比較
器22にて比較されて差信号ΔI=Ir−Ifが演算さ
れてPWM制御回路23に入力される。PWM制御回路
23はこの入力信号に対応した導通時間率となるように
出力パルス幅を決定してスイッチング素子TR10をO
N−OFF制御する。この結果、溶接電流は出力電流設
定器21にて設定された値に保たれることになる。
【0022】図5は変圧器の二次巻線出力を倍電圧整流
するようにした別の例を示す接続図である。同図におい
て変圧器T23の二次巻線T23sにはコンデンサC2
3とダイオードD29とからなる直列回路が接続されて
おり、一次巻線T23pと二次巻線T23sおよびダイ
オードD29とは図示の通りにその極性が定められてい
る。また、ダイオードD29にはダイオードD30とコ
ンデンサC24とからなる直列回路が接続されており、
このコンデンサC24の両端から直流リアクトルL21
を通してアーク溶接負荷4に電力が供給される。
【0023】図5の装置において、交流電源1の出力電
圧が図中に示す極性の期間中において、スイッチング素
子TR10が導通すると、二次巻線T23sには図示の
極性の電圧が発生する。この電圧はダイオードD29を
通してコンデンサC23を図示の極性に充電することに
なるが、コンデンサC23にはそれ以前の動作によって
充電された残留電荷が存在するのでスイッチング素子T
R10の導通期間の極く初期の期間のみ充電され、残余
の期間は全く充電されなくなるので二次巻線には電流は
流れず、この間に一次巻線流れた電流に応じた電磁エネ
ルギーが変圧器T23に蓄えられる。次にスイッチング
素子TR10が遮断すると蓄積エネルギーによって二次
巻線T23sに図示と逆の極性の電圧が誘起され、この
誘起電圧とコンデンサC23の端子電圧との和の電圧に
よってダイオードD30を通してコンデンサC24が充
電される。
【0024】図5の装置においても溶接電流は出力電流
検出器CT11によって検出されて出力電流設定器21
の設定値との差が比較器22にて演算されて差信号によ
ってPWM制御回路23がその出力パルスのパルス幅を
決定して、スイッチング素子TR10の導通時間を決定
して、溶接電流が設定値に倣うように制御される。
【0025】また、図5の装置において商用交流電源3
からの入力電流は高周波フィルタLF31にて平坦化さ
れて電源電圧位相と同相の略正弦波電流となる。
【0026】上記各実施例においては、出力電流を電流
検出器によって検出してこれを出力電流設定器の設定値
と比較して、差信号が減少する方向にスイッチング素子
TR10の導通時間率を変化させる方式のものを示した
が、本発明はこれに限らず出力電圧を検出してこれを設
定値と比較して、差が減少するようにスイッチング素子
の導通時間率を制御して定電圧特性の装置を得るものに
も本発明は適用できる。
【0027】さらにまた、出力電流と出力電圧とを設定
し、これらの設定値と検出値とを比較し、両方の差信号
に夫々係数を乗じて加算し、この加算値に応じてスイッ
チング素子の導通時間率を制御するようにして、所望の
電圧・電流特性の装置を得るようにしてもよい。この場
合、出力電圧設定値Vrと電圧検出器の検出値Vfとの
差ΔVと、出力電流設定値Irと電流検出値Ifとの差
ΔIと、これらに係数a及びbを乗じて合成信号Δs=
a・ΔV+b・ΔI(ただし、0≦a≦1、0≦b≦1
で、かつa+b=1)をPWM制御回路の入力信号とす
ればよい。ここでa=0なら出力電流だけが比較されて
定電流特性となり、逆にb=0とすれば出力電圧だけが
比較されて定電圧特性となる。係数aおよびbが0と1
との間にあるときは出力電流の変化に対して出力電圧が
傾きV/I=b/aの傾斜特性の電源装置とすることが
できる。
【0028】また、上記各実施例においては、スイッチ
ング素子の制御方法としてはその動作周波数を一定にし
てその1周期内における導通時間の割合を変化させるP
WM制御方式のものについて説明したが、本発明はこれ
に限らず、スイッチング素子の1回の導通時間の長さは
一定とし、くりかえし周波数を誤差信号に応じて変化さ
せるPFM制御(パルス周波数制御)方式のものにも本
発明は適用できる。
【0029】
【発明の効果】本発明は、上記の通り商用交流電源から
の入力電流が入力電圧波形と同相でかつ略同波形となる
ので、過大な入力電圧降下を発生させることがなく、商
用交流電源回路の過負荷防止用の遮断器を誤動作させた
り、波形歪のために同一電源に接続されている他の機器
を誤動作させることもない。また力率も1に近くなるの
で無効電力の発生がなく、高力率の直流アーク溶接用電
源装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す接続図。
【図2】図1の装置の動作を説明するための線図。
【図3】本発明の別の実施の形態を示す接続図。
【図4】本発明の別の実施の形態を示す接続図。
【図5】本発明の別の実施の形態を示す接続図。
【図6】従来の装置の例を示す接続図。
【図7】図6の装置の動作を説明するための接続図。
【符号の説明】
1、3 商用交流電源 4 アーク溶接負荷 4a 電極 4b 被溶接物 20、31 電力加工部 21 出力電流設定器 22 比較器 23 PWM制御回路 REC21、REC31 両波整流回路 T21p、T22p、T23p 変圧器一次巻線 T31p、T32p、T33p 変圧器一次巻線 T21s、T22s、T23s 変圧器二次巻線 T31s、T32s、T33s 変圧器二次巻線 TR10 スイッチング素子 D10、D21、D22、D27〜D36 ダイオー
ド C11、C21〜C24 コンデンサ L21 直流リアクトル LF21、LF31 高周波フィルタ R11 抵抗器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 商用交流電源に接続された変圧器の一次
    巻線と両波整流回路とからなる直列回路と、前記両波整
    流回路の出力を短絡するスイッチング素子と、前記変圧
    器の二次巻線の出力を整流する出力用両波整流回路と、
    前記出力用両波整流回路の出力端子間に接続されたコン
    デンサと、前記コンデンサの一方の端子に直列に接続さ
    れた直流リアクトルと、前記スイッチング素子を出力設
    定値に対応して高周波でON−OFF制御するスイッチ
    ング素子制御回路とを備え前記直流リアクトルの他方の
    端子と前記コンデンサの他方の端子とから出力電力を取
    り出す直流アーク溶接用電源装置。
  2. 【請求項2】 前記変圧器の二次巻線はセンタータップ
    を有し、前記出力用両波整流回路は前記二次巻線の出力
    を両波整流するセンタータップ式両波整流回路である請
    求項1に記載の直流アーク溶接用電源装置。
  3. 【請求項3】 前記出力用両波整流回路は、前記変圧器
    の二次巻線の出力を倍電圧整流する回路である請求項1
    に記載の直流アーク溶接用電源装置。
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FR2637538A1 (fr) * 1988-10-08 1990-04-13 Dunlop Ltd Materiaux composites carbone-carbone et disques pour freins d'avions
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