JPH1133687A - 高品質鋳片の連続鋳造方法 - Google Patents

高品質鋳片の連続鋳造方法

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JPH1133687A
JPH1133687A JP20235597A JP20235597A JPH1133687A JP H1133687 A JPH1133687 A JP H1133687A JP 20235597 A JP20235597 A JP 20235597A JP 20235597 A JP20235597 A JP 20235597A JP H1133687 A JPH1133687 A JP H1133687A
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mold
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meniscus
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JP20235597A
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Junpei Konishi
淳平 小西
Kazuma Inaoka
数磨 稲岡
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 凝固により形成される鋳片の表層と内部の介
在物に起因した欠陥と内部割れの発生を防止すると共
に、連続鋳造装置の大幅な改造を回避し、低コストで実
現できる高品質鋳片の連続鋳造方法を提供することを目
的とする。 【解決手段】 溶鋼11を浸漬ノズル15を介して鋳型
13に注湯して、鋳型13により溶鋼11を凝固させな
がら連続して下方に引き抜く高品質鋳片の連続鋳造方法
において、溶鋼11のメニスカス20から下方に垂直部
19を設けると共に、鋳型13の鋳型長片13a側に設
けた電磁攪拌装置21を介して、溶鋼11のメニスカス
20近傍に鋳型周壁に沿って旋回する流れ22を付与し
て鋳造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶鋼を鋳型に鋳造
してスラブ、ブルーム等の高品質の鋳片を製造する連続
鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の溶鋼の連続鋳造方法においては、
所定の成分に調整された溶鋼をタンディッシュから浸漬
ノズルを介して水冷構造を有する鋳型に注湯して、鋳型
により溶鋼を周囲から徐々に冷却して凝固殻を形成させ
る。この凝固殻を形成した後は、鋳型の下方に配置され
た複数のサポートロールと鋳片支持ロール群に付設され
た二次冷却水ノズルにより冷却水を噴射して、凝固の促
進と凝固した鋳片の引き抜きが行われる。この二次冷却
された鋳片は、湾曲の鋳片支持ロール群の末端部で湾曲
状態を矯正して所定のサイズに切断されて後工程に供給
される。この連続鋳造方法においては、欠陥の無い優れ
た品質の鋳片を鋳造することが重要であり、鋳造する溶
鋼への介在物の混入の防止や介在物の浮上除去の促進に
よる清浄度の向上と、鋳造過程における鋳片の内部割れ
等を防止することが行われている。鋳片の品質を低下さ
せる介在物については、特開昭58−100955号公
報に示されているように、鋳型長片の外側に電磁攪拌装
置を設置して、鋳型の内側に鋳型内周壁に沿って旋回す
る流れを形成して凝固殻に捕捉される介在物を減少して
表層の清浄度の良好な鋳片を鋳造することが行われてい
る。また、介在物の浮上除去と鋳片の内部割れ等につい
ては、特開平6−134558号公報のように、鋳型を
含めたその直下に垂直部を形成して、垂直部により溶鋼
中の介在物を浮上させて除去すると共に、垂直部から曲
げ部への接続を多点の湾曲矯正により順次緩やかに曲げ
て鋳片への歪みを緩和して鋳片内部に割れ等の発生を防
止することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
鋳型長片に電磁攪拌装置を設置して鋳型の内側に旋回す
る流れを形成して鋳片を鋳造する方法では、初期に凝固
する凝固殻中の介在物を減少し表層の清浄度の高い鋳片
を鋳造できるが、逆に溶鋼の内側に介在物が濃化して鋳
片の内部欠陥となることが懸念される。溶鋼の内側に濃
化した介在物は、下方から浮上する際に、内部の凝固殻
の凝固界面に捕捉されて湾曲の鋳片支持ロール群の曲げ
部の上側内面に集積する傾向にある。この介在物の集積
した鋳片は、品質不合格材として屑化され、歩留りの低
下を招く等の問題がある。また、垂直部により溶鋼中の
介在物を浮上させて除去し、垂直部から曲げ部への接続
を多点の湾曲矯正により鋳片内部の矯正応力を緩和して
鋳片内部割れ等を同時に防止する方法では、鋳片を多点
に湾曲矯正するために鋳片支持ロール群の曲げ部の曲率
が大きくなる。その結果、既存の湾曲型の連続鋳造装置
に垂直部と多点の矯正を適用する場合は、鋳型及び鋳型
支持装置、鋳片支持ロール群、建屋等を更新する必要が
あり建設費用の大幅な増大となる。更に、溶鋼中の介在
物を浮上させて除去する垂直部は、2.5m以上が必要
であり、垂直部が大きくなる程に前記の問題がより顕著
になる。しかも、多点の湾曲矯正であっても凝固殻の成
長により鋳片の限界歪みが小さくなった位置で矯正を行
うために、内部の脆弱な部位に内部割れが発生する。こ
れは2.5mの垂直部から所定の曲率に湾曲矯正する一
般的な垂直曲げ型の連続鋳造装置の場合においても同様
の問題を持つことになる。特に、湾曲型の連続鋳造装置
においては、装置の大幅な改造を回避して低コストを維
持し、鋳片の表層と内部の介在物に起因する欠陥を解消
すると共に、同時に内部割れの発生を防止して鋳造する
ことは困難である。
【0004】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、鋳片の表層と内部の介在物に起因した欠陥及び内部
割れの防止と、同時に連続鋳造装置の大幅な改造を回避
して、低コストでもって容易に実現できる高品質鋳片の
連続鋳造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載の高品質鋳片の連続鋳造方法は、溶鋼を浸漬ノズル
を介して鋳型に注湯して、該鋳型により前記溶鋼を凝固
させながら連続して下方に引き抜く高品質鋳片の連続鋳
造方法において、前記溶鋼のメニスカスから下方に垂直
部を設けると共に、前記鋳型の長片側に設けた電磁攪拌
装置を介して、前記溶鋼のメニスカス近傍に鋳型周壁に
沿って旋回する流れを付与する。鋳型内に形成される溶
鋼のメニスカス(溶鋼の湯面)から下方に設けた垂直部
により、溶鋼中に混入した介在物を浮上させて除去す
る。一方、鋳型内の溶鋼のメニスカス近傍に鋳型周壁に
沿って旋回する流れを形成することにより、表層の凝固
殻の清浄度を向上させると共に、溶鋼中に混入した介在
物を凝集合体し、前述の垂直部で浮上除去することによ
り鋳片の表層及び内層の清浄度を共に向上する。ここ
で、溶鋼のメニスカス近傍とは鋳型内の溶鋼により形成
されるメニスカス(溶鋼の湯面)から鋳型下方500m
mの範囲であり、好ましくは鋳型下方400mmの範囲
である。
【0006】請求項2記載の高品質鋳片の連続鋳造方法
は、請求項1記載の高品質鋳片の連続鋳造方法におい
て、前記垂直部を前記溶鋼のメニスカスから1.5m未
満としてあるので、垂直部により溶鋼中に混入した介在
物を浮上して除去すると共に、垂直部から曲げ部への湾
曲矯正を限界歪みの大きな領域で行なうことができるこ
とから、鋳片に発生する内部割れを抑制できる。また、
溶鋼のメニスカスから下方の垂直部が1.5m以上であ
ると垂直部から曲げ部への湾曲矯正が限界歪み値の小さ
い領域となり内部割れの発生を招くことになり、鋳型及
び鋳型支持装置、鋳片支持ロール群の改造等のコストも
上昇する。一方、溶鋼のメニスカスからの垂直部が0.
7mより小さいと溶鋼中に混入した介在物の浮上除去に
限界がある。これ等の理由から溶鋼のメニスカスから下
方の垂直部は0.7m〜1.4mが好ましい。
【0007】請求項3記載の高品質鋳片の連続鋳造方法
は、請求項1又は2記載の高品質鋳片の連続鋳造方法に
おいて、前記鋳型周壁に沿って旋回する流れを0.2〜
0.6m/secとしてあるので、鋳型内の溶鋼の旋回
する流れにより鋳片の表層の介在物を洗浄除去して清浄
度を高めると共に、溶鋼中に混入した介在物を凝集合体
させて、介在物自体の浮力を高めて浮上除去し、鋳片の
表層と内層の両方の清浄度を同時に向上させる。鋳型周
壁に沿って旋回する流れが0.2m/secより小さい
と表層を形成する凝固殻の清浄度の低下と、溶鋼中に混
入した介在物を凝集合体する働きが減少して鋳片の表層
及び内層の品質が低下する。また、鋳型周壁に沿って旋
回する流れが0.6m/secより大きいと溶鋼のメニ
スカスの上部に添加されたパウダーの巻き込みあるいは
旋回する流れに淀みが発生して介在物や気泡に起因した
欠陥が発生し易くなる。この理由から鋳型周壁に沿って
旋回する流れは0.3〜0.5m/secがより好まし
い。
【0008】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。図1は本発明の一実施の形態に係る
高品質鋳片の連続鋳造方法に適用する連続鋳造装置の概
念図、図2は図1におけるメニスカスの面から見た鋳型
周辺の概念図、図3はメニスカスからの距離と介在物の
直径との関係を示す図、図4は鋳片の限界歪みと垂直部
から曲げ部への湾曲矯正を行った場合の実歪みとの関係
を示す図、図5は1.5m未満の垂直距離を設け鋳型内
電磁攪拌を行う場合(本発明)と、1.5m未満の垂直
距離を設けた場合(比較例)及び一般に用いられている
湾曲型連続鋳造の場合(従来例)の内部欠陥指数の比較
を示す図である。
【0009】図1に示すように、連続鋳造装置10は、
取鍋(図示せず)からの溶鋼11を受湯して保持するタ
ンディッシュ12を備えており、タンディッシュ12の
底部には、溶鋼11を鋳型13に注湯するための吐出口
14を有する浸漬ノズル15が設けてある。また、鋳型
13の直下に設置されたサポートロール16及び湾曲支
持ロール群17により鋳片18を冷却し、鋳片18を図
中の矢印の方向に引き抜くと共に、湾曲支持ロール群1
7を通過した鋳片18を矯正装置(図示せず)により曲
がりを無くして平らに矯正を行なうようにしてある。こ
の鋳型13とその直下に設けたサポートロール16とに
より、垂直部19を形成してあり、垂直部19の鋳造中
における有効垂直距離は、溶鋼11のメニスカス20か
らサポートロール16の下端(図中の点線で表示)まで
であり、0.7m以上、1.5m未満にしてある。
【0010】また、前述の垂直部19において、溶鋼1
1は、鋳型13により冷却されて凝固殻11aを形成
し、複数のサポートロール16によって凝固殻11aは
支持され、付設された冷却水の噴射ノズル(図示せず)
から冷却水を噴射して冷却することにより凝固殻11a
の剛性の確保と凝固の促進が図られる。このサポートロ
ール16の下端に接続された湾曲支持ロール群17は、
半径8〜15mの曲率を持って湾曲しており、複数の湾
曲支持ロール17aにより鋳片18を支持すると共に、
付設された冷却水の噴射ノズル(図示せず)から冷却水
を噴射して鋳片18の凝固殻11aを厚くする。更に、
鋳型13の外側には、溶鋼11のメニスカス20の近傍
に磁界を付与する電磁攪拌装置21が設けてある。この
電磁攪拌装置21においては、図2に示すように、鋳型
13の鋳型長片13aの外側に複数の電磁攪拌装置21
a、21b、21c、21dを設置してあり、制御装置
23により、溶鋼11に所定の移動磁界を付与するよう
にしてある。この移動磁界の付与は、それぞれの電磁攪
拌装置21a〜21dに流す電流値と位相移動速度とを
制御装置23により所定の値に制御することにより行わ
れる。即ち、吐出口14を備えた浸漬ノズル15から注
湯された溶鋼11のメニスカス20(図1参照)を含め
て鋳型下方400mmの範囲に移動磁界を付与して鋳型
周壁に沿って旋回する流れ22(図2中矢印で表示)を
形成してある。また、溶鋼11のメニスカス20の上面
には、鋳型13と凝固殻11aの潤滑と介在物の捕捉や
酸化防止等のために溶融層と未溶融層からなるパウダー
(図示せず)の層を形成してある。
【0011】次に、本発明の一実施の形態に係る高品質
鋳片の連続鋳造方法について説明する。容量40トンの
タンディッシュ12に溶鋼11を受湯して浸漬ノズル1
5の吐出口14から1.8トン/分の溶鋼11を鋳型1
3に注湯し、垂直部19が1.4mとなる鋳型13及び
その直下のサポートロール16により冷却して凝固殻1
1aを形成した。同時に電磁攪拌装置21a、21cの
電流値を675アンペア、電磁攪拌装置21b、21d
に202〜675アンペアの電流を付加して溶鋼11の
メニスカス20から鋳型下方400mmの範囲に移動磁
界を付加して鋳型周壁に沿って0.2〜0.6m/se
cで旋回する流れ22を付与した。図3は、前述の垂直
部19の有効垂直距離(以降垂直距離)を1.4m、旋
回する流れ22を0.2〜0.6m/secとした本発
明(○)印と、単に垂直部を設けた従来の場合(●)印
との介在物の凝集と浮上効果を溶鋼11中の介在物の大
きさにより調査した結果である。明らかに、単に垂直部
を設けた場合の(●)印では、溶鋼11中に混入した介
在物は、殆ど最初の粒径の状態で垂直部を浮上するため
に、除去効率が悪く垂直距離が2.5mでも介在物個数
が本発明(○)の2倍以上溶鋼11中に残存する。これ
に対し、垂直部19の垂直距離を1.4mとし、旋回す
る流れ22を付与する本発明(○)印では、介在物を溶
鋼11中に巻き込まれたアルゴン等の不活性ガス若しく
は他の介在物と接触させて凝集及び気泡捕捉を促進し
て、浮力を高めて垂直部19で積極的に浮上して除去す
るので、介在物を大幅に減少できる。更に、溶鋼11の
下向き流の進入深さの減少により介在物の進入深さも減
少し、鋳片18の表層及び内層の介在物の減少による品
質向上が達成できる。このように、旋回する流れ22を
付与することにより直径が小から中程度の浮力の小さい
介在物が積極的に凝集し溶鋼11中の不活性ガスの気泡
に捕捉されて容易に浮上することから溶鋼11の表、内
層の清浄度が向上できると共に、垂直距離が1.5m未
満の垂直部19において直径が150μm以上の介在物
の除去率は約65%以上となる。
【0012】また、垂直部19から引き抜かれた垂直状
態の鋳片18は、湾曲支持ロール群17の複数の湾曲支
持ロール17aにより半径10mの曲率に湾曲矯正され
て湾曲支持ロール群17内を下降する。図4は、垂直距
離が1.4mの垂直部19から半径10mの曲率に湾曲
矯正した場合の鋳片18の限界歪みと実歪みとの関係を
示すが、図中(○)印で示すように実歪みのピーク値は
約0.67となり、限界歪みの範囲内で半径10mの曲
率に矯正されることから鋳片18の内部割れを防止でき
る。しかし、垂直部19の垂直距離が1.5mを超える
と限界歪みが0.53以下となり、湾曲支持ロール群1
7により鋳片18を支持した状態のみで垂直部から湾曲
矯正を行わない場合の実歪み(図4中に点線で示す)と
の差が小さくなる。この領域(例えばメニスカスからの
距離が2.5m)での矯正による実歪みは図中(●)印
で示すように大きくなり限界歪みを超えることが発生す
る。更に、限界歪みは一般的に用いられているもので良
く、例えば鋼種、鋳片温度、鋳造速度、凝固厚、各ロー
ル位置に供給される冷却水量等によってそれぞれの湾曲
支持ロール17aの位置における限界歪みを実験により
求めた値を用いるか、又は、実験により予め求められた
値から計算により予測しても良い。湾曲矯正によって発
生する実歪みも鋼種、鋳片温度、鋳造速度、凝固厚み、
各ロール位置に供給される冷却水量等により同様に求め
ることができる。この限界歪み及び実歪みを求める際に
用いる凝固殻11aの条件は、凝固殻11aの厚みS
(mm)と溶鋼11のメニスカス20からの到達時間T
(分)との凝固関係式S=K×T1/2 の関係があり、凝
固係数Kは一般的な値として25〜30mm/M1/2
用いる。なお、Mは時間単位の分を表す。
【0013】この限界歪みと湾曲矯正によって発生する
実歪みとの関係からメニスカス20から1.5m未満の
位置で湾曲矯正を行えば限界歪み以内の領域で湾曲矯正
することが可能であり、1.5m以上になると限界歪み
に近接あるいは限界歪みを超えることから、鋳片18の
脆弱な凝固殻11aに割れが発生して内部割れとなるこ
とが判る。なお、図4中において点線で示す実歪みは、
湾曲型連続鋳造装置(図示せず)において鋼種、鋳片温
度、鋳造速度、凝固厚み等を同一の条件とし、曲率半径
10mの状態において、鋳片18を湾曲支持ロール群1
7で湾曲支持した際の鋳片バルジング等による歪み値で
ある。従って、湾曲矯正を行った以降の実歪みは、同じ
条件となるので点線で示す実歪みに近似する。
【0014】
【実施例】次に、本発明の一実施の形態に係る高品質鋳
片の連続鋳造方法の実施例について説明する。長さ12
00mm、厚み250mmの鋳型13に溶鋼11を1.
8トン/分の供給速度で注湯し、鋳型13の上端から下
方向へ100mmの位置にメニスカス20を形成してメ
ニスカス20からサポートロール16の下端までの1.
4mを垂直部19とした。更に、鋳型長片13aの外側
に、電磁攪拌装置21a、21b、21c、21dを設
置し、電磁攪拌装置21a、21cに675アンペアの
電流を流して強攪拌とし、電磁攪拌装置21b、21d
には202〜675アンペアの電流を流して旋回する流
れ22を0.3m/secとして1.2m/分の速度で
鋳造した。また、曲率半径が10mの湾曲支持ロール群
17により垂直部19から出た鋳片18を曲率に合わせ
て順次湾曲矯正した。また、従来例として、同一の鋳型
13及び鋳造速度で、単に垂直距離が2.5mを有し、
曲率半径が10mの湾曲支持ロール群17により曲率に
合わせて順次湾曲矯正した場合の表面品質及び内部品質
と総合品質の評価を比較して表1に示す。従来例では、
垂直距離が大きいために曲率に合わせて湾曲矯正する際
に内部割れが発生して内部品質が悪化(△)するのに対
して、本実施例(1)では、内部割れの無い良好な結果
(○)が得られた。更に、表面品質は実施例(1)の場
合電磁攪拌を行なうことで表層の介在物が除去されて良
好(○)であるのに対して、従来例では、表層に介在物
が残留して表面欠陥が発生して(△)となり表面品質が
かなり低下している。総合品質についても本実施例
(1)が(○)と優れた結果となっている。
【0015】
【表1】
【0016】また、図5は1.5m未満の垂直距離と鋳
型内電磁攪拌を行う場合(本発明)と、1.5m未満の
垂直距離を設けた場合(比較例)及び一般に用いられて
いる湾曲型連続鋳造の場合(従来例)のそれぞれについ
て、一般に用いられている湾曲型連続鋳造の場合の内部
欠陥を指数100として比較した場合を示してあり、
1.5m未満の垂直距離を設けると共に、鋳型内電磁攪
拌を行うことで小型の介在物の凝集合体(大型化)、も
しくは不活性ガス気泡による介在物の捕捉促進と垂直距
離による浮上効果が顕著であることがわかる。以上、本
発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれらの実施
の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱
しない範囲を含むものである。例えば、実施の形態にお
いては、鋳型13の直下にサポートロール16を設けた
が、この他にクーリンググリットや分割サポートロール
等を用いることが可能であり、電磁攪拌装置も強弱攪拌
の他に一つあるいは複数の電磁攪拌装置を用いて単純攪
拌により旋回の流れを形成しても良い。また、溶鋼11
のメニスカスの鋳型内位置は、上端から下方向に100
mmの位置としたが適宜位置を設定することができる。
【0017】
【発明の効果】請求項1〜3に記載の高品質鋳片の連続
鋳造方法は、溶鋼のメニスカスから下方に垂直部を設
け、電磁攪拌装置を介して、溶鋼のメニスカス近傍に鋳
型周壁に沿って旋回する流れを付与して鋳造することか
ら、溶鋼中に混入した介在物を浮上させて除去し、鋳型
周壁に沿って旋回する流れにより凝固殻の清浄度を向上
させると共に、溶鋼中に混入した介在物を凝集合体して
垂直部により浮上除去して鋳片の表層及び内層の清浄度
を共に向上する。
【0018】特に、請求項2記載の高品質鋳片の連続鋳
造方法は、前記垂直部を溶鋼のメニスカスから1.5m
未満としてあるので、垂直部により溶鋼中に混入した介
在物を浮上して除去すると共に、垂直部から曲げ部への
湾曲矯正を限界歪みの大きな領域で行なうことができ、
鋳片に発生する内部割れを抑制できる。
【0019】請求項3記載の高品質鋳片の連続鋳造方法
は、前記鋳型周壁に沿って旋回する流れを0.2〜0.
6m/secとしてあるので、鋳型内の溶鋼を旋回流れ
により凝固殻の介在物を洗浄除去して清浄度を高めると
共に、旋回流れにより溶鋼中に混入した介在物を凝集合
体して浮上除去し、鋳片の表層及び内層共に清浄度を向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る高品質鋳片の連続
鋳造方法に適用する連続鋳造装置の概念図である。
【図2】図1におけるメニスカスの面から見た鋳型周辺
の概念図である。
【図3】メニスカスからの距離と介在物の直径との関係
を示す図である。
【図4】鋳片の限界歪みと垂直部から曲げ部への矯正を
行った場合の実歪みとの関係を示す図である。
【図5】1.5m未満の垂直距離と鋳型内電磁攪拌を行
う場合(本発明)と、1.5m未満の垂直距離を設けた
場合(比較例)及び一般に用いられている湾曲型連続鋳
造の場合(従来例)の内部欠陥指数の比較を示す図であ
る。
【符号の説明】
10 連続鋳造装置 11 溶鋼 11a 凝固殻 12 タンディ
ッシュ 13 鋳型 13a 鋳型長
片 14 吐出口 15 浸漬ノズ
ル 16 サポートロール 17 湾曲支持
ロール群 17a 湾曲支持ロール 18 鋳片 19 垂直部 20 メニスカ
ス 21 電磁攪拌装置 21a〜d 電
磁攪拌装置 22 旋回する流れ 23 制御装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶鋼を浸漬ノズルを介して鋳型に注湯し
    て、該鋳型により前記溶鋼を凝固させながら連続して下
    方に引き抜く高品質鋳片の連続鋳造方法において、前記
    溶鋼のメニスカスから下方に垂直部を設けると共に、前
    記鋳型の長片側に設けた電磁攪拌装置を介して前記溶鋼
    のメニスカス近傍に鋳型周壁に沿って旋回する流れを付
    与することを特徴とする高品質鋳片の連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】 前記垂直部が前記溶鋼のメニスカスから
    1.5m未満であることを特徴とする請求項1記載の高
    品質鋳片の連続鋳造方法。
  3. 【請求項3】 前記鋳型周壁に沿って旋回する流れを
    0.2〜0.6m/secとすることを特徴とする請求
    項1又は2記載の高品質鋳片の連続鋳造方法。
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