JPH11336779A - ドライブジョイント - Google Patents

ドライブジョイント

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JPH11336779A
JPH11336779A JP10144554A JP14455498A JPH11336779A JP H11336779 A JPH11336779 A JP H11336779A JP 10144554 A JP10144554 A JP 10144554A JP 14455498 A JP14455498 A JP 14455498A JP H11336779 A JPH11336779 A JP H11336779A
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JP
Japan
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drive joint
synthetic resin
strength
main body
drive
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JP10144554A
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English (en)
Inventor
Takanori Kurokawa
貴則 黒川
Yamato Arai
大和 新井
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Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】例えばギアポンプと駆動用モータとを駆動連結
するドライブジョイントでは、高温での強度を確保する
べく耐熱性合成樹脂で成形され、高価であった。 【解決手段】本ドライブジョイント3では、合成樹脂製
の主体部31の両端に、軸と嵌合する嵌合部33,34
を設けた。嵌合部は、凹部からなり、回転方向と交差す
る動力伝達面33a,34aを含み、確実に動力伝達す
る。主体部31の外周に金属製の補強環32を圧入し、
ドライブジョイント全体としての強度を補強した。主体
部31を、ポリアミド等をマトリックスとし、ガラス繊
維の含有割合が40〜60重量%のガラス繊維強化合成
樹脂で形成した。高温下でも、強度を確保でき、高温で
強度の低い安価な合成樹脂を使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動軸と被駆動軸
とを動力伝達可能に連結するためのドライブジョイント
に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】例え
ば、上述のドライブジョイントは、互いに対向して配置
される駆動軸および被駆動軸の端部同士の間に介在し、
両軸をトルク伝達可能に連結し、モータとギアポンプの
駆動連結に用いられるものがある。
【0003】ギアポンプは、簡単な構造を有する小型軽
量のポンプとして種々の産業分野に用いられている。例
えば、近年、上述のギアポンプを電動モータで駆動する
電動ポンプユニットとして構成し、このユニットで発生
した油圧によって、自動車の舵輪(ステアリングホイー
ル)の操作力を軽減する電動パワーステアリング装置が
考えられている。
【0004】この電動パワーステアリング装置の電動ポ
ンプユニットは静粛性を要望されている。また、電動パ
ワーステアリング装置に限らず、ポンプユニットを用い
た一般の装置においても、ポンプユニットの静粛性が要
望されている。
【0005】このような要望に応じるべく、合成樹脂製
のドライブジョイントを用いることが考えられている。
このドライブジョイントは、合成樹脂からなる部材の一
端に駆動軸の端部と嵌合する第1の嵌合部と、他端に被
駆動軸との端部と嵌合する第2の嵌合部とを有し、各嵌
合部では、角孔と角軸との嵌合が行われて、確実な動力
伝達が行われつつ、合成樹脂による衝撃吸収性により低
騒音の動力伝達が可能となる。
【0006】ところで、ドライブジョイントは、電動ポ
ンプユニット内で、高温の作動油中で使用される場合が
ある。しかしながら、高温化では、合成樹脂が柔軟化す
ることがあるので、ドライブジョイントの強度が低下し
てしまう。この強度の低下を防止するべく、ドライブジ
ョイントは、高温でも強度を高く維持できる合成樹脂、
例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で形
成されていた。しかしながら、このような合成樹脂は、
きわめて高価であり、さらに、成形し難いことから、ド
ライブジョイントの製造コストも高くなっていた。
【0007】また、上述の騒音の問題は、ギアポンプに
限らず、他の公知のロータリ型ポンプや他の駆動系にお
いても存在する。
【0008】そこで、本発明の目的は、上述の技術的課
題を解決し、高温下で強度を確保できるドライブジョイ
ントを安価に提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、請求項1記載の発明のドライブジョイントは、互い
に対向して配置される駆動軸および被駆動軸の端部同士
の間に介在し、両軸をトルク伝達可能に連結するドライ
ブジョイントにおいて、対応する軸にそれぞれ連結され
る一対の嵌合部を両端に形成した合成樹脂製の主体部
と、この主体部の外周に嵌め合わされた金属製の補強環
とを備え、各嵌合部は、対応する軸への動力伝達面を回
転方向と交差して有することを特徴とする。
【0010】この構成によれば、以下の作用を奏する。
すなわち、嵌合部により確実なトルク伝達が可能であ
る。しかも、合成樹脂製の主体部の外周に金属製の補強
環を嵌め合わせたので、一般に高温下で強度が低下する
合成樹脂製のドライブジョイントに比べて、高温下で
も、ドライブジョイント全体としての強度を補強して確
保できる結果、高温で強度が低下する安価な合成樹脂を
用いることも可能となる。例えば、ナイロン66、ナイ
ロン6等のポリアミド(PA)、ポリフェニレンスルフ
ィド(PPS)、ポリフタルアミド(PPA)、テイジ
ンアモコエンジニアリングプラスチックス社製アモデル
等の合成樹脂を用いて、高温での強度を確保できるドラ
イブジョイントを安価に得ることができる。
【0011】請求項2記載の発明のドライブジョイント
は、請求項1に記載のドライブジョイントにおいて、上
記嵌合部の少なくとも一方は、凹部からなることを特徴
とする。
【0012】この構成によれば、請求項1記載の発明の
作用に加えて、以下の作用を奏する。すなわち、凹部か
らなる嵌合部では、トルク伝達時に、凹部を区画する主
体部の外周が外側へ拡がる変形を生じる傾向にあるが、
この変形を補強環で効果的に抑制して、主体部を補強す
ることができる。
【0013】請求項3記載の発明のドライブジョイント
は、請求項1または2に記載のドライブジョイントにお
いて、上記主体部は、ガラス繊維を40〜60重量%の
含有割合で含むガラス繊維強化合成樹脂製であることを
特徴とする。
【0014】この構成によれば、請求項1または2記載
の発明の作用に加えて、以下の作用を奏する。すなわ
ち、主体部は、繊維強化合成樹脂製であるので、主体部
単体での強度を向上できる結果、ドライブジョイント全
体としての強度をより一層向上させることができる。
【0015】特に、ガラス繊維を40〜60重量%の含
有割合で含むので、例えば、請求項1の発明の作用で例
示した合成樹脂をマトリックスとする場合であっても、
ドライブジョイント全体としての高温での強度を、実用
上の十分なレベルに確実に確保することができる。ここ
で、ガラス繊維の含有割合としては、40重量%未満の
場合には強度が不十分になる場合があり、60重量%を
超える場合には主体部の成形が困難であることから、4
0〜60重量%の範囲が好ましい。特に、ガラス繊維を
50重量%で含む場合が、十分な強度と経済的な成形性
とを両立できる点で好ましい。
【0016】さらに、ガラス繊維強化合成樹脂は、ガラ
ス繊維以外の繊維、例えば炭素繊維で強化された合成樹
脂に比べて一般に安価である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を、
添付図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実
施の形態のドライブジョイント含む電動ポンプユニット
の正面断面図である。図2は、図1のギアポンプの断面
側面図であり、図1のI─I線に沿う断面図であってハ
ッチングを省略してある。
【0018】電動ポンプユニットAは、ギアポンプ1
と、ギアポンプ1を駆動するモータ2と、駆動軸として
のモータ2の回転軸21と被駆動軸としてのギアポンプ
1の支軸50とをトルク伝達可能に連結するドライブジ
ョイント3とを有している。モータ2は、ギアポンプ1
のハウジング10の蓋部材12に固定され、回転軸21
と支軸50とは、互いに平行、且つ端部同士を対向させ
て、同心に配置されている。回転軸21と支軸50との
端部同士の間に、ドライブジョイント3が介在してい
る。なお、以下の説明では、回転軸21の軸線の延びる
方向を軸方向とし、この軸方向と直交する方向を径方向
とする。
【0019】図3は、ドライブジョイントの正面断面図
と側面図である。図1と図3とを参照する。
【0020】本ドライブジョイント3は、対応する軸に
それぞれ連結される一対の嵌合部33,34を両端に形
成した合成樹脂製の主体部31と、この主体部31の外
周面31bに嵌め合わされた金属製の補強環32とを備
えている。
【0021】主体部31は、例えば、ポリアミド等の合
成樹脂をマトリックスとし、強化材としてのガラス繊維
を40〜60重量%の含有割合で含むガラス繊維強化合
成樹脂からなる。ここで、上述の含有割合は、ガラス繊
維とマトリックスとを含んだガラス繊維強化合成樹脂に
対する、ガラス繊維の割合である。なお、マトリックス
としての合成樹脂は、ナイロン66、ナイロン6等のポ
リアミド(PA)の他、ポリフェニレンスルフィド(P
PS)、ポリフタルアミド(PPA)、テイジンアモコ
エンジニアリングプラスチックス社製アモデル等の合成
樹脂を用いてもよい。
【0022】主体部31は、円筒状に形成され、その中
心に貫通孔31aが形成されている。この貫通孔31a
は、モータ寄り部分と、ギアポンプ1寄り部分とで内部
の断面の方向が異なり、各部分が嵌合部33,34とさ
れている。また、主体部31の一端の外周は、面取り3
1bが施されており、この面取り31bを除いた外周面
31cのほぼ全面に補強環32が嵌め込まれている。
【0023】補強環32は、アルミニウムや鋼等の金属
製の円筒である。補強環32の内周面が、主体部31の
円周面からなる外周面31cに圧入されている。また、
合成樹脂成形後の冷まされた主体部31に、補強環32
を圧入するようにしている。これは、主体部31を合成
樹脂成形する際に、補強環32を予め合成樹脂成形用の
金型内に装着した状態で、補強環32と主体部31を一
体に合成樹脂成形するインサート成形の場合には、成形
後の合成樹脂の収縮により主体部31と補強環32とを
確実に結合するのが困難な場合があるからである。圧入
代は、直径で50〜80μmが好ましく、この場合に
は、補強環32と主体部31とを確実に締結することが
でき、且つ容易に圧入することができる。また、補強環
32は、円筒状であるので、圧入し易く、特に、金属製
であるので、安価に製造できる。
【0024】補強環32は、主体部31の一端から、上
述の面取り31bを回避した他端近傍位置にまで設けら
れている。補強環32の一部と、嵌合部33,34の一
部とは、その軸方向の位置が同じになるように配置され
ている。これにより、補強環32は、各嵌合部33,3
4を同じ軸方向位置の径方向の外側から補強でき、嵌合
部33,34を区画する主体部31の部分が径方向の外
方へ変形することを確実に防止することができる。
【0025】一対の嵌合部は、回転軸21に連結される
第1の嵌合部33と、支軸50と連結される第2の嵌合
部34とからなる。第1の嵌合部33は、断面略長方形
の孔を有した凹部からなり、この凹部の内部に回転軸2
1の端部21aがはめ込まれている。第2の嵌合部34
は、断面略長方形の孔を有した凹部からなり、この凹部
の内部に支軸50の端部51aが嵌め込まれている。一
対の嵌合部は、対応する各軸が同芯になるように設けら
れている。各嵌合部33,34は、対応する軸への動力
伝達面33a,34aを有し、動力伝達面は、回転方向
と交差している、例えば平坦面を含んでいる。
【0026】このように、第1の嵌合部33と回転軸2
1の端部に設けられた嵌合部とは、一対の部材間を動力
伝達可能な継手構造を構成している。また、第2の嵌合
部34と支軸50の端部の嵌合部とも同様の継手構造を
構成している。
【0027】回転軸21は、モータ2の一端より突出し
て回動可能に設けられており、その端部21aは、断面
略長方形に形成され、その外周面には複数の平坦面を含
む動力伝達面が形成されている。これらの平坦面は、回
転方向と交差している。回転軸21の端部21aには、
ドライブジョイント3の第1の嵌合部33と嵌合する嵌
合部が設けられ、回転軸21およびドライブジョイント
3の動力伝達面同士の間で確実に動力伝達される。回転
軸21の回転は、ドライブジョイント3を介して、ギア
ポンプ1の支軸50に伝達される。
【0028】ギアポンプ1の支軸50の端部50aに
は、嵌合部が設けられ、端部50aは、回転軸21の端
部21aと同様に、その外周面には回転方向と交差する
平坦面を含む動力伝達面が形成されている。支軸50お
よびドライブジョイント3は、その動力伝達面同士の間
で確実に動力伝達でき、これによりギアポンプ1が駆動
される。
【0029】ギアポンプ1は、中央部を貫通する長円形
断面の空洞を有する本体筒11の両側を、これの全面を
覆う態様にねじ止めされた一対の蓋部材12,13によ
り塞いで構成されたハウジング10を有している。この
ハウジング10の内部には、上述の空洞の両側から嵌挿
された一対のサイドプレート14同士の間に、ギア室1
0aが区画されており、このギア室10a内には、互い
に対をなす駆動ギア15と従動ギア16とが配置されて
いる。また、シール部材17が蓋部材12,13とサイ
ドプレート14との間に介在してギア室10aを密封し
ている。
【0030】ギア室10aの内部には、各サイドプレー
ト14にそれぞれ一対が形成された支持孔51,61に
より、それぞれ両持ち支持された一対の支軸50,60
が、長円形断面を有するギア室10aの両側の半円部の
軸心上にそれぞれ位置し、互いに平行をなして架設され
ている。
【0031】一方の支持孔51により支持された一方の
支軸50は、一方の蓋部材12を貫通して、外部に延長
され、上述のように、この延長端にモータ2からの駆動
力が伝達される。また、支軸50には、ギア室10aの
内部において、駆動ギア15が一体回転可能に装着され
ている。支軸50が蓋部材12を貫通する部分には、オ
イルシール18が配置されている。
【0032】また、支持孔61により支持された他方の
支軸60には、ギア室10aの内部において、従動ギア
16が一体回転可能に装着されている。従動ギア16
は、両支軸50,60の軸心を含む平面内において駆動
ギア15と噛み合い、支軸50により駆動される駆動ギ
ア15の回転に伴って従動回転するようにしてある。
【0033】図2には、駆動ギア15およびこれに連動
する従動ギア16の回転方向が矢符により示してあり、
両ギア15、16の噛み合い位置を挟んだ両側には、上
述の回転方向側に吸込室10bが、反回転方向側に吐出
室10cが形成されている。吸込室10bおよび吐出室
10cは、ハウジング10の対応位置に開口する吸込口
10eおよび吐出口10fを介して、ハウジング10外
の図示しない吸込先および吐出先にそれぞれ接続される
ようにしてある。
【0034】このように、ギアポンプ1では、吸込室1
0bに導入される作動流体は、吸込室10bに臨む駆動
ギア15および従動ギア16の歯間に受け入れられ、両
ギア15,16の回転により、それぞれの歯間の本体筒
11の内周面との間に封止された状態で搬送され、吐出
室10cに送り出される。
【0035】電動ポンプユニットAでは、モータ2の回
転力は、ドライブジョイント3を介して、支軸50へ伝
達される。このとき、ドライブジョイント3の一対の嵌
合部33,34を区画する主体部31の部分は、外周面
が外側へ拡がるように変形しようとするが、この変形
を、補強環が効果的に防止することができる結果、各嵌
合部での動力伝達が確実に行われる。また、ドライブジ
ョイント3の周囲の温度が高くなる場合であっても、補
強環32が嵌合部33、34を区画する主体部31の変
形を確実に防止できるので、確実に動力伝達でき、しか
も、高温下でも強度を実用上で十分な値に確保できて、
耐久性も確保できる。
【0036】また、支軸50および回転軸21が嵌合さ
れる、ドライブジョイント3の嵌合部33,34の動力
伝達面は、合成樹脂であるので、合成樹脂の衝撃吸収性
によりモータ2およびギアポンプ1の間の振動の伝達を
防止することができ、動力伝達面同士の打音等の騒音を
防止できる。
【0037】このように本実施の形態によれば、以下の
効果を奏する。すなわち、ドライブジョイント3の嵌合
部33,34の動力伝達面33a,34aは、回転方向
と交差するので、確実なトルク伝達が可能である。しか
も、合成樹脂製の主体部31の外周に金属製の補強環3
2を嵌め合わせたので、高温下でも、主体部31と補強
環32とのドライブジョイント全体としての強度を補強
して確保できる結果、高温で強度が低下する安価な合成
樹脂を用いることも可能となる。
【0038】例えば、ナイロン66、ナイロン6等のポ
リアミド(PA)、ポリフェニレンスルフィド(PP
S)、ポリフタルアミド(PPA)、テイジンアモコエ
ンジニアリングプラスチックス社製アモデル等の合成樹
脂を用いて、高温での強度を確保できるドライブジョイ
ント3を安価に得ることができる。というのは、上述し
たような各合成樹脂は、通常、ポリエーテルエーテルケ
トン(PEEK)等の耐熱製合成樹脂に比べて、材料コ
ストが格段に安価であり、さらに、成形時の合成樹脂温
度や金型温度が低くて済み一般的な成形設備を利用でき
ることから、成形し易く製造コストが安価であるからで
ある。
【0039】また、補強環32により高温下での強度を
補強できるので、高温での伝達トルクをより大きくした
り、より高温で使用可能なドライブジョイントを得るこ
ともできる。この場合には、主体部31に耐熱性合成樹
脂のPEEKを用いても好ましい。
【0040】また、凹部からなる嵌合部33,34で
は、トルク伝達時に、凹部を区画する主体部31の外周
面が外側へ拡がるように変形を生じる傾向にあるが、こ
の変形を補強環32で効果的に抑制して、主体部31を
補強することができる。その結果、高温での強度を確実
に確保できるので、ドライブジョイント3をより一層安
価にすることができる。
【0041】また、主体部31は、繊維強化合成樹脂製
であるので、主体部31単体での強度を向上できる結
果、ドライブジョイント全体としての強度をより一層向
上させることができる。
【0042】特に、ガラス繊維を40〜60重量%の含
有割合で含むので、例えば、高温で強度の低下が大きい
上述のPA等の各合成樹脂をマトリックスとする場合で
あっても、ドライブジョイント全体としての高温での強
度を、実用上の十分なレベルに確実に確保することがで
きる。ここで、ガラス繊維の含有割合としては、40重
量%未満の場合には強度が不十分になる場合があり、6
0重量%を超える場合には主体部31の成形がきわめて
困難であることから、40〜60重量%の範囲が好まし
い。特に、ガラス繊維を50重量%で含む場合が、十分
な強度と経済的な成形性とを両立できる点で好ましい。
【0043】さらに、ガラス繊維強化合成樹脂は、ガラ
ス繊維以外の繊維、例えば炭素繊維を強化材とする場合
に比べて一般に安価である。
【0044】また、主体部31のガラス繊維強化合成樹
脂のマトリックスをPAに代えてPPSとする場合に
は、PAをマトリックスとする場合に比べて、高温での
強度を確実に維持することができる。というのは、PP
Sは、PAよりも、高温下での強度が常温での強度に比
べて低下し難いからである。なお、PPSの他、PPA
や例えば、テイジンアモコエンジニアリングプラスチッ
クス社製アモデル等の合成樹脂をマトリックスとする場
合にも、同様の効果を得ることができる。
【0045】また、補強環32は、主体部31の成形後
に、例えば圧入してはめ込めばよいので、製造も容易で
ある。
【0046】また、主体部31に熱可塑性合成樹脂を使
用できるので、成形し易い。
【0047】このように上述の実施の形態のドライブジ
ョイント3では、補強環32を省いた構成の従来のドラ
イブジョイントに比べて、例えば、120℃でのねじり
強度を1.5〜2倍に向上させることができる。その結
果、120℃でのねじり強度を、耐熱製合成樹脂のPE
EKからなる従来のドライブジョイントとほぼ同等の強
度を得られて、実用上で十分な強度を確保することがで
きる。しかも、本ドライブジョイント3の主体部31を
形成する合成樹脂は、上述のように安価なものであるこ
とや、成形し易いこと等により、ドライブジョイント3
のコストは、PEEK製の従来のドライブジョイントに
比べて、ほぼ20分の1と格段に安価にすることができ
る。
【0048】また、本ドライブジョイント3をギアポン
プ1を駆動するために使用する場合には、以下の作用効
果を得ることができる。すなわち、本ドライブジョイン
ト3では、金属製の補強環32により、ドライブジョイ
ント3全体としてのねじり剛性を、合成樹脂製の従来の
ドライブジョイントに比べて向上させることができるの
で、モータ2の回転を速やかにギアポンプ1に伝達でき
る結果、ギアポンプ1の始動時等のトルク立ち上がり時
の応答遅れを少なくすることができる。これにより、ポ
ンプユニットAを、自動車の電動パワーステアリング装
置に用いる場合には、舵輪の操作に速やかに応答して車
輪の操向を実現することができる。
【0049】さらに、主体部31を繊維強化合成樹脂製
とする場合には、繊維強化合成樹脂としない場合に比べ
て、主体部31のねじり剛性を向上できるので、ドライ
ブジョイント全体としてのねじり剛性を向上することが
できる。
【0050】なお、上述の実施の形態では、ドライブジ
ョイント3の主体部31の嵌合部33,34は、凹部か
らなっていたが、凸部からなるものでもよい。また、嵌
合部は、両方を凸部または凹部としてもよいし、一方を
凸部、他方を凹部としてもよい。
【0051】また、主体部31の外周は円周面からな
り、補強環32も円筒状に形成されていたが、例えば、
断面四角形等の多角形状でもよい。また、補強環32
は、主体部31の全周に接して圧入されていたが、これ
には限定されない。例えば、主体部31の外周面の一部
が切りかかれたり、凹んでいる場合には、補強環32
は、主体部31の全周に接していなくとも構わず、この
場合でも補強環32により補強することができる。ま
た、補強環32は、軸方向に延びた筒状に形成されてい
たが、例えば、軸方向の幅の狭いものでもよい。また、
補強環32を、主体部31に複数個設けてもよい。
【0052】また、ドライブジョイント3は、ギアポン
プ1の駆動用に限定されず、他の公知のロータリ型ポン
プの駆動用や、他の駆動系で動力伝達用に駆動軸と被駆
動軸とを連結するためにも用いることができる。
【0053】その他、本発明の要旨を変更しない範囲で
種々の設計変更を施すことが可能である。
【0054】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、以下の効
果を奏する。すなわち、合成樹脂製の主体部の外周に金
属製の補強環を嵌め合わせたので、高温下でもドライブ
ジョイント全体としての強度を確保できる結果、高温で
強度が低下する安価な合成樹脂を用いることも可能とな
る。従って、高温での強度を確保できるドライブジョイ
ントを安価に得ることができる。
【0055】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明の効果に加えて、凹部からなる嵌合部を区画す
る主体部の外周面が、トルク伝達時に外側へ拡がろうと
することを、補強環が効果的に抑制して、主体部を補強
することができる。その結果、高温での強度を確実に確
保できるので、より一層安価にすることができる。
【0056】請求項3記載の発明によれば、請求項1ま
たは2記載の発明の効果に加えて、以下の効果を奏す
る。すなわち、ガラス繊維を40〜60重量%の含有割
合で含むガラス繊維強化合成樹脂製の主体部は、主体部
単体での強度を向上することで、ドライブジョイント全
体としての高温での強度を、実用上の十分なレベルに確
実に確保することができる。また、ガラス繊維強化合成
樹脂は安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかるドライブジョイ
ントを含む電動ポンプユニットの概略構成を示す正面図
である。
【図2】図1の電動ポンプユニットのギアポンプの断面
側面図であり、図1のI─I線に沿う断面図であってハ
ッチングを省略してある。
【図3】図1のドライブジョイントの拡大図であり、
(a)に正面断面図、(b)に側面図を示す。
【符号の説明】
3 ドライブジョイント 21 回転軸(駆動軸) 21a 回転軸の端部 31 主体部 32 補強環 33,34 嵌合部 33a,34a 動力伝達面 50 支軸(被駆動軸) 50a 支軸の端部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに対向して配置される駆動軸および被
    駆動軸の端部同士の間に介在し、両軸をトルク伝達可能
    に連結するドライブジョイントにおいて、 対応する軸にそれぞれ連結される一対の嵌合部を両端に
    形成した、合成樹脂製の主体部と、 この主体部の外周に嵌め合わされた金属製の補強環とを
    備え、 各嵌合部は、対応する軸への動力伝達面を回転方向と交
    差して有することを特徴とするドライブジョイント。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のドライブジョイントにお
    いて、 上記嵌合部の少なくとも一方は、凹部からなることを特
    徴とするドライブジョイント。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のドライブジョイ
    ントにおいて、 上記主体部は、ガラス繊維を40〜60重量%の含有割
    合で含むガラス繊維強化合成樹脂製であることを特徴と
    するドライブジョイント。
JP10144554A 1998-05-26 1998-05-26 ドライブジョイント Pending JPH11336779A (ja)

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