JP6498157B2 - ベーンポンプ - Google Patents

ベーンポンプ Download PDF

Info

Publication number
JP6498157B2
JP6498157B2 JP2016133129A JP2016133129A JP6498157B2 JP 6498157 B2 JP6498157 B2 JP 6498157B2 JP 2016133129 A JP2016133129 A JP 2016133129A JP 2016133129 A JP2016133129 A JP 2016133129A JP 6498157 B2 JP6498157 B2 JP 6498157B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
coupling
vane pump
camshaft
engagement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016133129A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018003733A (ja
Inventor
和哉 水野
和哉 水野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiho Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Taiho Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiho Kogyo Co Ltd filed Critical Taiho Kogyo Co Ltd
Priority to JP2016133129A priority Critical patent/JP6498157B2/ja
Priority to PCT/JP2017/019749 priority patent/WO2018008289A1/ja
Publication of JP2018003733A publication Critical patent/JP2018003733A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6498157B2 publication Critical patent/JP6498157B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Description

本発明は、例えば自動車のエンジンにより駆動されるベーンポンプに関する。
図9に、従来のベーンポンプの斜視分解図を示す。例えば特許文献1に示すように、ベーンポンプ100のロータ101とカムシャフト102との間には、カップリング103が介装されている。エンジンにベーンポンプ100を組み付ける際、カムシャフト102の回転軸と、ロータ101の回転軸と、がずれている場合がある。この場合、カップリング103により、当該軸ずれを吸収する必要がある。このため、ロータ101のロータ側係合凸部107は、カップリング103の係合孔108に、軸ずれ調整代が確保された状態で、挿入されている。
特開2015−140776号公報
しかしながら、従来のベーンポンプ100によると、エンジンにベーンポンプ100を組み付ける際、すなわちカムシャフト102とロータ101との軸ずれをカップリング103が吸収する際、カップリング103の動きが悪かった。そこで、本発明は、軸ずれ吸収時のカップリングの動きがスムーズなベーンポンプを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のベーンポンプは、ロータ側係合凸部を有するロータと、前記ロータと、カムシャフト側係合凹部を有するカムシャフトと、の間に介装され前記カムシャフトから前記ロータに回転力を伝達するカップリングと、を備えるベーンポンプであって、前記ロータの回転軸方向を軸方向として、前記ロータ側係合凸部は、径方向内向きの凸部内周面を有し、前記カップリングは、カップリング本体と、前記カップリング本体の外周面に凹設され前記ロータ側係合凸部に係合する係合凹部と、前記カップリング本体から前記軸方向に凸設され前記カムシャフト側係合凹部に係合する係合凸部と、を有し、前記係合凹部は、径方向外向きであって、前記凸部内周面に径方向に対向する凹部外周面を有し、前記カップリングを前記ロータの回転軸に調芯した状態で、前記凸部内周面と前記凹部外周面との間には、隙間が確保されており、前記凸部内周面および前記凹部外周面は、前記ロータの回転軸を中心とする、部分円弧面状を呈していることを特徴とする。
本発明のベーンポンプによると、カップリングをロータの回転軸に調芯した状態で、凸部内周面と凹部外周面との間には、隙間が確保されている。また、凸部内周面および凹部外周面は、ロータの回転軸を中心とする、部分円弧面状を呈している。このため、凸部内周面と凹部外周面との間に、周方向全長に亘って、径方向幅が均一な隙間を確保することができる。したがって、本発明のベーンポンプによると、軸ずれ吸収時のカップリングの動きをスムーズにすることができる。
また、凸部内周面は、ロータの回転軸を中心とする、部分円弧面状を呈している。このため、ロータの捩り剛性を高くすることができる。同様に、凹部外周面は、ロータの回転軸を中心とする、部分円弧面状を呈している。このため、カップリングの捩り剛性を高くすることができる。
第一実施形態のベーンポンプの斜視分解断面図である。 同ベーンポンプの径方向断面図である。 同ベーンポンプのカップリング付近の斜視図である。 同カップリング付近の斜視分解図である。 図3のV−V方向断面図である。 図6(a)は、同カップリングの後面図である。図6(b)は、図6(a)のVIb−VIb方向断面図である。 第二実施形態のベーンポンプのカップリングの後面図である。 第三実施形態のベーンポンプのカップリングの径方向断面図である。 従来のベーンポンプの斜視分解図である。
以下、本発明のベーンポンプの実施の形態について説明する。
<第一実施形態>
図1に、本実施形態のベーンポンプの斜視分解断面図を示す。図2に、同ベーンポンプの径方向断面図を示す。なお、図1は、図2のI−I方向断面に対応する。また、図2は、図1の端板21よりも後側部分の前面図に対応する。
[ベーンポンプの構成]
まず、本実施形態のベーンポンプの構成について説明する。ベーンポンプ1は、車両のブレーキ装置の倍力装置(図略)の負圧源である。図1、図2に示すように、ベーンポンプ1は、ハウジング2と、ロータ3と、ベーン4と、カップリング5と、圧入ピン6と、を備えている。
(ハウジング2)
ハウジング2は、エンジン(図略)の側面に固定されている。ハウジング2は、ハウジング本体20と、端板21と、を備えている。ハウジング本体20は、ポンプ部20Aと、筒部20Bと、を備えている。ポンプ部20Aは、前側に開口する有底楕円筒状を呈している。ポンプ部20Aは、周壁部200と、底壁部201と、フランジ部202と、を備えている。ポンプ部20Aの内部には、ポンプ室Aが区画されている。周壁部200は、楕円筒状を呈している。図2に示すように、周壁部200には、吸入孔200aが開設されている。吸入孔200aの出口は、ポンプ室Aに開口している。吸入孔200aの入口は、吸気通路(図略)を介して、ブレーキ装置の倍力装置に連結されている。吸気通路には、一方向(倍力装置からポンプ室Aに向かう方向)にだけ空気の流れを許容する、逆止弁(図略)が配置されている。底壁部201は、周壁部200の後端(軸方向一端)に配置されている。底壁部201には、排出孔201aが穿設されている。排出孔201aは、底壁部201を前後方向(ロータ3の回転軸Xの軸方向)に貫通している。排出孔201aは、リードバルブ(図略)により、開閉可能である。図1に示すように、底壁部201の前面(ポンプ室Aの底面)には、段差面201bが凹設されている。フランジ部202は、周壁部200の前端(軸方向他端)に形成されている。
筒部20Bは、円筒状を呈している。筒部20Bは、底壁部201の後側に延在している。筒部20Bは、エンジンに形成された凹部(図略)に収容されている。筒部20Bの前端は、段差面201bに開口している。筒部20Bは、径方向油孔203と、軸方向油溝204と、を備えている。径方向油孔203は、筒部20Bを径方向に貫通している。径方向油孔203の入口(径方向外端)は、エンジンの油路(図略)に連なっている。軸方向油溝204は、筒部20Bの内周面に凹設されている。軸方向油溝204は、前後方向に延在している。
端板21は、フランジ部202を、前側から封止している。端板21とフランジ部202との間には、Oリング92が介装されている。図1に示すように、複数のボルト90および複数のナット91により、端板21は、フランジ部202に固定されている。
(ロータ3)
図3に、本実施形態のベーンポンプのカップリング付近の斜視図を示す。図4に、同カップリング付近の斜視分解図を示す。図5に、図3のV−V方向断面図を示す。図6(a)に、同カップリングの後面図を示す。図6(b)に、図6(a)のVIb−VIb方向断面図を示す。
図3に示すように、ロータ3は、筒部30と、軸部31と、を備えている。筒部30は、円筒状を呈している。筒部30は、図1に示すポンプ室Aに収容されている。図2に示すように、筒部30の外周面の一部は、周壁部200の内周面の一部に、当接している。筒部30は、周壁部200に対して偏心している。筒部30の前端面は、図1に示す端板21の後面(内面)に当接している。筒部30は、一対のロータ溝部300を備えている。一対のロータ溝部300は、直径方向に対向して、つまり180°対向して、配置されている。一対のロータ溝部300は、筒部30を直径方向に貫通している。図1に示すように、筒部30の後端面は、段差面201bに当接している。
軸部31は、筒部30の後側に延在している。軸部31は、カップリング5を介して、エンジンのカムシャフト95に連結されている。軸部31は、自身の軸周りに回転可能である。すなわち、ロータ3は、回転軸Xを中心に、所定の回転方向θ(図2における反時計回り方向)に回転可能である。
図4に示すように、軸部31は、周方向油溝310と、一対のロータ側係合凸部311と、ピン固定孔312と、を備えている。周方向油溝310は、軸部31の外周面に凹設されている。周方向油溝310は、無端環状に延在している。一対のロータ側係合凸部311は、軸部31の後面に凸設されている。一対のロータ側係合凸部311は、180°対向して配置されている。図5に示すように、ロータ側係合凸部311は、回転方向後面(ロータ側当接面)311aと回転方向前面311bと凸部内周面311cを備えている。回転方向後面311aと、回転方向前面311bと、は互いに平行に延在している。凸部内周面311cは、回転軸Xを中心とする部分円弧面状を呈している。図4に示すように、ピン固定孔312は、軸部31の後面に凹設されている。ピン固定孔312は、軸部31の径方向中心(回転中心)に配置されている。
(ベーン4)
図1に示すように、ベーン4は、ベーン本体40と、一対のキャップ41と、を備えている。ベーン本体40は、矩形板状を呈している。一対のキャップ41は、ベーン本体40の長手方向両端に配置されている。ベーン4は、ポンプ室Aに収容されている。ベーン4は、ロータ3と共に回転可能である。ベーン4は、一対のロータ溝部300に沿って直径方向に往復動可能である。図2に示すように、ベーン4は、回転角度に応じて、ポンプ室Aを複数の作動室A1〜A3に区画可能である。ベーン4の前端面は、端板21の後面に当接している。ベーン4の後端面は、底壁部201の前面に当接している。
(カップリング5)
カップリング5は、カムシャフト95の回転力(駆動力)を、ロータ3に伝達している。また、カップリング5は、カムシャフト95とロータ3との軸ずれを吸収している。図3〜図6(b)に示すように、カップリング5は、カップリング本体50と、一対の係合凹部51と、一対の係合凸部52と、補強壁部53と、四つの第一応力緩和部54と、四つの第二応力緩和部55と、を備えている。
カップリング本体50は、円板状を呈している。一対の係合凹部51は、カップリング本体50の外周面に凹設されている。一対の係合凹部51は、180°対向して配置されている。係合凹部51は、ロータ側係合凸部311に、周方向に回転力を伝達可能に、係合している。図5に示すように、係合凹部51は、回転方向後面(第二当接面)51aと回転方向前面51bと凹部外周面51cとを備えている。回転方向後面51aと、回転方向前面51bと、は互いに平行に延在している。凹部外周面51cは、回転軸Xを中心とする部分円弧面状を呈している。ベーンポンプ1駆動時(ロータ3、ベーン4回転時)において、回転方向後面51aは、ロータ側係合凸部311の回転方向後面311aを、押圧する。当該押圧により、カップリング5からロータ3に、回転力が伝達される。
図4に示すように、一対の係合凸部52は、カップリング本体50の後面(軸方向一面)から後側(軸方向一方)に凸設されている。一対の係合凸部52は、180°対向して配置されている。係合凸部52は、カムシャフト側係合凹部950に、周方向に回転力を伝達可能に、係合している。後側(軸方向)から見て、一対の係合凸部52と一対の係合凹部51とは、互いに90°ずれて配置されている。ベーンポンプ1駆動時において、回転方向後面(第一当接面)52aは、カムシャフト側係合凹部950の回転方向後面(カムシャフト側当接面)950aおよび回転方向前面950bのうち、回転方向後面950aに、押圧される。当該押圧により、カムシャフト95からカップリング5に、回転力が伝達される。係合凸部52の後側部分には、前側から後側に向かって先細る(周方向幅が小さくなる)、挿入部520が形成されている。
補強壁部53は、カップリング本体50の後面から後側に凸設されている。補強壁部53は、一対の係合凸部52同士を連結している。ここで、カップリング本体50と係合凸部52との境界のうち、回転方向後側θ−の部分を後側境界Ba、回転方向前側θ+の部分を前側境界Bbとする。図6(a)にハッチングで示すように、四つの第一応力緩和部54は、二つの後側境界Ba、二つの前側境界Bbに配置されている。具体的には、図6(a)に点線ハッチングで示すように、二つの前側境界Bbには、二つの第一応力緩和部54が配置されている。並びに、図6(a)に実線ハッチングで示すように、二つの後側境界Baには、残りの二つの第一応力緩和部54が配置されている。四つの第一応力緩和部54は、二つの後側境界Ba、二つの前側境界Bbに沿って延在している。図6(b)に示すように、第一応力緩和部54は、隅R形状を呈している。図6(a)にハッチングで示すように、四つの第一応力緩和部54は、各々、カップリング本体50と補強壁部53との境界Cにまで延在している。四つの第二応力緩和部55は、各々、カップリング本体50の外周面に配置されている。四つの第二応力緩和部55は、各々、第一応力緩和部54の径方向外端に連なっている。第二応力緩和部55は、前後方向に延在している。第二応力緩和部55は、横断面C字状の溝状を呈している。図4に示すように、補強壁部53の後面には、ピン挿通孔530が開設されている。ピン挿通孔530は、カップリング5を前後方向に貫通している。ピン挿通孔530は、カップリング本体50の径方向中心(回転中心)に配置されている。
(圧入ピン6)
図4に示すように、圧入ピン6は、頭部と軸部とを備えている。圧入ピン6の頭部の外径は、カップリング5のピン挿通孔530の内径よりも、大径である。圧入ピン6の頭部は、補強壁部53の後側に配置されている。圧入ピン6の軸部は、後側から前側に向かって、ピン挿通孔530に挿通されている。圧入ピン6の軸部の前端は、ロータ3のピン固定孔312に固定されている。図5に示すように、圧入ピン6の軸部の外径は、ピン挿通孔530の内径よりも、小径である。このため、圧入ピン6の軸部とピン挿通孔530との間には、隙間bが確保されている。また、ロータ側係合凸部311と係合凹部51との間には、隙間aが確保されている。隙間aは、隙間bよりも大きい。また、圧入ピン6の軸部の外径は、図4に示すピン固定孔312の内径よりも、大径である。このため、圧入ピン6の軸部は、ピン固定孔312に圧入されている。
[ベーンポンプの動き]
次に、本実施形態のベーンポンプの動きについて説明する。ベーンポンプ1駆動時においては、カップリング5を介して、カムシャフト95からロータ3に回転力が伝達される。具体的には、図4に示すように、カムシャフト95の回転に伴って、カムシャフト側係合凹部950の回転方向後面950aが、カップリング5の係合凸部52の回転方向後面52aを、押圧する。このため、カップリング5が回転する。また、カップリング5の回転に伴って、係合凹部51の回転方向後面51aが、ロータ側係合凸部311の回転方向後面311aを、押圧する。このため、ロータ3が回転する。ロータ3の回転に伴って、ベーン4は、回転しながら一対のロータ溝部300を往復動する。ベーン4の回転に伴って、図2に示す複数の作動室A1〜A3の容積は、拡縮変化する。当該容積変化に伴って、吸入孔200aを介して、作動室A1〜A3は、倍力装置から、空気を吸引する。吸引された空気は、排出孔201aを介して、作動室A1〜A3から外部に排気される。
なお、図1に示すように、ベーンポンプ1駆動時においては、径方向油孔203、周方向油溝310、軸方向油溝204、回転するベーン4と段差面201bとの隙間を介して、ポンプ室Aに潤滑油が供給されている。
[作用効果]
次に、本実施形態のベーンポンプの作用効果について説明する。ベーンポンプ1駆動時においては、図4に示す係合凸部52は、カムシャフト側係合凹部950により、回転方向後側θ−から回転方向前側θ+に向かって、捩られる。このため、図6(a)に示す後側境界Baには、引張方向の応力が発生する。並びに、前側境界Bbには、圧縮方向の応力が発生する。この点、本実施形態のベーンポンプ1によると、後側境界Baおよび前側境界Bbに、第一応力緩和部54が配置されている。このため、後側境界Baおよび前側境界Bbにおける局所的な応力集中を抑制することができる。また、図6(b)に示すように、第一応力緩和部54は、隅R形状(溝状)を呈している。このため、カムシャフト側係合凹部950の前縁(開口縁)の角部が、第一応力緩和部54に干渉しにくい。
また、ベーンポンプ1駆動時においては、図4に示す係合凹部51は、ロータ側係合凸部311を、回転方向後側θ−から回転方向前側θ+に向かって、捩る。このため、図6(a)に示すように、後側(軸方向)から見て、カップリング本体50の外周面のうち、前側境界Bbに対応する部分には、圧縮方向の応力が発生する。この点、本実施形態のベーンポンプ1によると、カップリング本体50の外周面のうち、前側境界Bbに対応する部分に、第二応力緩和部55が配置されている。このため、当該部分における局所的な応力集中を抑制することができる。
図9に示す従来のベーンポンプ100の場合、カムシャフト102とロータ側係合凸部107との間に、給油パイプ109が介装されている。ロータ側係合凸部107の内部には、軸方向油孔110が穿設されている。ベーンポンプ100のポンプ室(図略)には、カムシャフト102から、給油パイプ109、軸方向油孔110を介して、潤滑油が供給されている。このように、軸方向に油路を確保する必要があるため、カップリング本体104の径方向中心には、係合孔108が開設されている。すなわち、カップリング本体104は、円環状を呈している。したがって、カップリング本体104、延いてはカップリング103の剛性を確保しにくい。
この点、図1に示す本実施形態のベーンポンプ1の場合、潤滑油は、ハウジング2の筒部20Bの径方向外側から供給される。このため、カムシャフト95とロータ3との間を給油パイプにより連結する必要がない。すなわち、カップリング5の径方向中心に、係合孔を開設する必要がない。
当該油路の経路変更に起因して、図4に示すように、本実施形態のベーンポンプ1のカップリング5のカップリング本体50は、中実の円板状を呈している。また、カップリング5は、補強壁部53を備えている。補強壁部53は、カップリング本体50の後面(軸方向一面)に凸設されている。補強壁部53は、カップリング本体50の径方向中心を、直径方向に横切っている。補強壁部53は、複数の係合凸部52同士を連結している。このため、カップリング5の捩り剛性を高くすることができる。また、係合凹部51は、カップリング本体50に径方向に凹設されているものの、補強壁部53まで到達していない。この点においても、カップリング5の捩り剛性を高くすることができる。
図9に示す従来のカップリング103の係合凸部105には、挿入部が形成されていない。このため、係合凸部105の後端面(先端面)の角部Dが、カムシャフト側係合凹部106に、圧接しやすい。したがって、角部Dに応力が集中しやすい。この点、図3、図4に示す本実施形態のカップリング5の係合凸部52には、挿入部520が形成されている。このため、係合凸部52の後端面(先端面)の角部Eが、カムシャフト側係合凹部950に、圧接しにくい。したがって、角部Eに応力が集中しにくい。また、係合凸部52は挿入部520を備えているため、カップリング5をカムシャフト95に組み付ける際、簡単に、係合凸部52を、カムシャフト側係合凹部950に、前側から挿入することができる。
図5に示すように、圧入ピン6とピン挿通孔530との間には、隙間bが確保されている。また、ロータ側係合凸部311と係合凹部51との間には、隙間aが確保されている。このため、カップリング5は、カムシャフト95とロータ3との軸ずれを吸収することができる。
また、図5に示すように、本実施形態のベーンポンプ1によると、カップリング5をロータ3の回転軸Xに調芯した状態で、凸部内周面311cと凹部外周面51cとの間には、隙間aが確保されている。また、凸部内周面311cおよび凹部外周面51cは、ロータ3の回転軸Xを中心とする、部分円弧面状を呈している。すなわち、凸部内周面311cと凹部外周面51cとは、同心円状に配置されている。このため、凸部内周面311cと凹部外周面51cとの間に、周方向全長に亘って、径方向幅が均一な隙間aを確保することができる。したがって、本実施形態のベーンポンプ1によると、軸ずれ吸収時のカップリング5の動きをスムーズにすることができる。
また、凸部内周面311cは、ロータ3の回転軸Xを中心とする、部分円弧面状を呈している。このため、ロータ3の捩り剛性を高くすることができる。同様に、凹部外周面51cは、ロータ3の回転軸Xを中心とする、部分円弧面状を呈している。このため、カップリング5の捩り剛性を高くすることができる。
また、図3に示すように、係合凸部52の後側部分には、挿入部520が形成されている。このため、係合凸部52がカムシャフト側係合凹部950から前側に外れるのを、抑制することができる。
<第二実施形態>
本実施形態のベーンポンプと、第一実施形態のベーンポンプとの相違点は、後側境界だけに第一応力緩和部が配置されている点である。また、カップリング本体の外周面のうち、前側境界に対応する部分だけに、第二応力緩和部が配置されている点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
図7に、本実施形態のベーンポンプのカップリングの後面図を示す。なお、図6(a)と対応する部位については、同じ符号で示す。図7に示すように、二つの第一応力緩和部54は、二つの後側境界Baだけに配置されている。一方、二つの第二応力緩和部55は、カップリング本体50の外周面のうち、二つの前側境界Bbに対応する部分だけに配置されている。本実施形態のベーンポンプと、第一実施形態のベーンポンプとは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態のベーンポンプのように、ベーンポンプ1の回転方向θが一方向の場合(例えば、オートマチックトランスミッション車の場合)、任意の係合凸部52を挟んで、回転方向後側θ−に第一応力緩和部54を、回転方向前側θ+に第二応力緩和部55を、各々配置してもよい。こうすると、カップリング5の構成が簡単になる。
<第三実施形態>
本実施形態のベーンポンプと、第一実施形態のベーンポンプとの相違点は、ロータ側係合凸部の回転方向後面、回転方向前面、係合凹部の回転方向後面、回転方向前面が、各々、径方向に延在している点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
図8に、第三実施形態のベーンポンプのカップリングの径方向断面図を示す。なお、図5と対応する部位については、同じ符号で示す。図8に示すように、ロータ側係合凸部311の回転方向後面311a、回転方向前面311b、係合凹部51の回転方向後面51a、回転方向前面51bは、各々、径方向(カップリング5をロータ3の回転軸Xに調芯した状態における、回転軸Xを中心とする半径方向)に延在している。本実施形態のベーンポンプと、第一実施形態のベーンポンプとは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態のベーンポンプによると、図5に示すように回転方向後面51aおよび回転方向後面311aが径方向に延在していない場合と比較して、ベーンポンプ駆動時において、回転方向後面51aと回転方向後面311aとの接触面積を拡大することができる。例えば、回転方向後面51aと回転方向後面311aとを全面的に面接触させることができる。また、回転方向後面51aおよび回転方向後面311aにおける面圧分布のばらつきを、抑制することができる。すなわち、回転方向後面51aと回転方向後面311aとの「片当たり」を抑制することができる。なお、回転方向前面51bと回転方向前面311bについても同様である。
<その他>
以上、本発明のベーンポンプの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
ロータ側係合凸部311、カムシャフト側係合凹部950、係合凸部52、係合凹部51の形状、大きさ、位置、配置数などは特に限定しない。後側(軸方向)から見て、係合凸部52と係合凹部51とが、重複していてもよい。
第一応力緩和部54、第二応力緩和部55の形状、大きさ、位置、配置数などは特に限定しない。第一応力緩和部54、第二応力緩和部55は、横断面C字状の溝状や横断面U字状の溝状を呈していてもよい。また、丸面取状、角面取状の第一応力緩和部54、第二応力緩和部55を配置してもよい。
第三実施形態(図8参照)と同様に、図4に示すカムシャフト側係合凹部950の回転方向後面950a、回転方向前面950b、係合凸部52の回転方向後面52a、回転方向前面52bを、各々、径方向に延在させてもよい。こうすると、図4に示すように回転方向後面950aおよび回転方向後面52aが径方向に延在していない場合と比較して、ベーンポンプ1駆動時において、回転方向後面950aと回転方向後面52aとの接触面積を拡大することができる。例えば、回転方向後面950aと回転方向後面52aとを全面的に面接触させることができる。また、回転方向後面950aと回転方向後面52aとの「片当たり」を抑制することができる。なお、回転方向前面950bと回転方向前面52bについても同様である。
すなわち、カムシャフト側係合凹部950は、カムシャフト側当接面950aを有し、係合凸部52は、カムシャフト側当接面950aに周方向に対向する第一当接面52aを有し、ロータ側係合凸部311は、ロータ側当接面311aを有し、係合凹部51は、ロータ側当接面311aに周方向に対向する第二当接面51aを有し、以下の条件(a)および(b)のうち、少なくとも一方を充足する構成であればよい。(a)カムシャフト側当接面950aおよび第一当接面52aは、各々、径方向に延在している。(b)ロータ側当接面311aおよび第二当接面51aは、各々、径方向に延在している。
条件(a)を充足する場合、カムシャフト側当接面950aと第一当接面52aとの接触面積を拡大することができる。また、カムシャフト側当接面950aと第一当接面52aとの「片当たり」を抑制することができる。条件(b)を充足する場合、ロータ側当接面311aと第二当接面51aとの接触面積を拡大することができる。また、ロータ側当接面311aと第二当接面51aとの「片当たり」を抑制することができる。
挿入部520の形状は特に限定しない。後側(カムシャフト側係合凹部950の底面側)に向かって、先細る形状であればよい。例えば、カップリング5の径方向外側から見て、テーパ状、台形状、三角形状、部分円弧状(例えば半円状)などであってもよい。
ロータ3の回転方向θは特に限定しない。回転方向θが正逆両方向であってもよい。例えば、マニュアルトランスミッション車で坂道発進する場合、回転方向θが逆転する。ロータ3が正逆両方向に回転する場合は、少なくとも正回転方向(減圧対象物(ブレーキ装置の倍力装置)を減圧する方向)が、本発明の「回転方向」に該当する。なお、図5に示す隙間a、bを確保できれば、圧入ピン6の代わりに、スクリュー(ワッシャー付きであってもよい)を用いて、カップリング5をロータ3に取り付けてもよい。
1:ベーンポンプ、2:ハウジング、3:ロータ、4:ベーン、5:カップリング、6:圧入ピン、20:ハウジング本体、20A:ポンプ部、20B:筒部、21:端板、30:筒部、31:軸部、40:ベーン本体、41:キャップ、50:カップリング本体、51:係合凹部、51a:回転方向後面、51b:回転方向前面、51c:凹部外周面、52:係合凸部、52a:回転方向後面、52b:回転方向前面、53:補強壁部、54:第一応力緩和部、55:第二応力緩和部、90:ボルト、91:ナット、92:Oリング、95:カムシャフト、200:周壁部、200a:吸入孔、201:底壁部、201a:排出孔、201b:段差面、202:フランジ部、203:径方向油孔、204:軸方向油溝、300:ロータ溝部、310:周方向油溝、311:ロータ側係合凸部、311a:回転方向後面、311b:回転方向前面、311c:凸部内周面、312:ピン固定孔、520:挿入部、530:ピン挿通孔、950:カムシャフト側係合凹部、950a:回転方向後面、950b:回転方向前面、A:ポンプ室、A1〜A3:作動室、Ba:後側境界、Bb:前側境界、C:境界、D:角部、E:角部、X:回転軸、a:隙間、b:隙間、θ:回転方向、θ+:回転方向前側、θ−:回転方向後側

Claims (4)

  1. ロータ側係合凸部を有するロータと、
    前記ロータと、カムシャフト側係合凹部を有するカムシャフトと、の間に介装され前記カムシャフトから前記ロータに回転力を伝達するカップリングと、
    を備えるベーンポンプであって、
    前記ロータの回転軸方向を軸方向として、
    前記ロータ側係合凸部は、径方向内向きの凸部内周面を有し、
    前記カップリングは、カップリング本体と、前記カップリング本体の外周面に凹設され前記ロータ側係合凸部に係合する係合凹部と、前記カップリング本体から前記軸方向に凸設され前記カムシャフト側係合凹部に係合する係合凸部と、を有し、
    前記係合凹部は、径方向外向きであって、前記凸部内周面に径方向に対向する凹部外周面を有し、
    前記カップリングを前記ロータの回転軸に調芯した状態で、前記凸部内周面と前記凹部外周面との間には、隙間が確保されており、前記凸部内周面および前記凹部外周面は、前記ロータの回転軸を中心とする、部分円弧面状を呈していることを特徴とするベーンポンプ。
  2. 前記カムシャフト側係合凹部は、カムシャフト側当接面を有し、
    前記係合凸部は、前記カムシャフト側当接面に周方向に対向する第一当接面を有し、
    前記ロータ側係合凸部は、ロータ側当接面を有し、
    前記係合凹部は、前記ロータ側当接面に周方向に対向する第二当接面を有し、
    以下の条件(a)および(b)のうち、少なくとも一方を充足する請求項1に記載のベーンポンプ。
    (a)前記カムシャフト側当接面および前記第一当接面は、各々、径方向に延在している。
    (b)前記ロータ側当接面および前記第二当接面は、各々、径方向に延在している。
  3. 前記係合凸部は、前記軸方向一方に向かって先細る挿入部を有する請求項1または請求項2に記載のベーンポンプ。
  4. 前記係合凸部は、前記カップリング本体の前記軸方向一面に複数凸設され、
    前記カップリングは、前記軸方向一面に凸設され、複数の前記係合凸部同士を連結する補強壁部を有する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のベーンポンプ。
JP2016133129A 2016-07-05 2016-07-05 ベーンポンプ Active JP6498157B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016133129A JP6498157B2 (ja) 2016-07-05 2016-07-05 ベーンポンプ
PCT/JP2017/019749 WO2018008289A1 (ja) 2016-07-05 2017-05-26 ベーンポンプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016133129A JP6498157B2 (ja) 2016-07-05 2016-07-05 ベーンポンプ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018003733A JP2018003733A (ja) 2018-01-11
JP6498157B2 true JP6498157B2 (ja) 2019-04-10

Family

ID=60946075

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016133129A Active JP6498157B2 (ja) 2016-07-05 2016-07-05 ベーンポンプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6498157B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110219801B (zh) * 2019-04-29 2021-05-28 上海连成集团苏州股份有限公司 一种叶片泵

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0261381A (ja) * 1988-08-24 1990-03-01 Hitachi Ltd スクロール圧縮機のオルダム継手
JP2005163607A (ja) * 2003-12-02 2005-06-23 Aisan Ind Co Ltd ベーン式バキュームポンプとバキュームポンプにおけるロータ及びカップリングの製造方法
JP2010101209A (ja) * 2008-10-22 2010-05-06 Fuji Oozx Inc ベーン式バキュームポンプ
JP5492811B2 (ja) * 2011-03-10 2014-05-14 日立アプライアンス株式会社 スクロール圧縮機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018003733A (ja) 2018-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20060120908A1 (en) Tandem type trochoid pump and method of assembling the same
US9777775B2 (en) Scissor gear assembly
JPH1082377A (ja) 電動ポンプ及びドライブジョイント
JP2016529450A (ja) スラストワッシャ
US20020132673A1 (en) Power transmission system
US9938973B2 (en) Vehicle hydraulic supply apparatus
JP6498157B2 (ja) ベーンポンプ
US10487912B2 (en) Torsional vibration damper
WO2018008289A1 (ja) ベーンポンプ
JP2018003732A (ja) ベーンポンプ
JP6570445B2 (ja) オイルポンプ駆動装置
JP6729806B2 (ja) トルク伝達用継手および電動式パワーステアリング装置
US7503757B2 (en) Oil pump having rotor receiving portion for restriction moving range of an outer rotor in a direction perpendicular to an eccentric direction
JP6661684B2 (ja) フロントカバー組立体
JP6020029B2 (ja) ベーン型圧縮機
JP2004036823A (ja) オルダム継手
JP4400468B2 (ja) ドライブジョイント
JPH11336779A (ja) ドライブジョイント
KR102137382B1 (ko) 오일펌프 드라이브 허브 장치
US11815102B2 (en) Axial securing of a pump
JP3754580B2 (ja) 内接歯車ポンプ
JP2019090361A (ja) クランクプーリの取付構造
US12104683B2 (en) Torque converter
JP5252206B2 (ja) 内燃機関用ウォータポンプ
WO2022219886A1 (ja) ポンプ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180418

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190305

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190312

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6498157

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250