JPH11336165A - 人体局部洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 人体局部洗浄装置において、人体局部を洗浄
する洗浄水の流路が複数で構成される場合に、洗浄水の
供給路と上記各流路との連通を切替える流路切替手段を
簡単かつコンパクトに構成すること。 【解決手段】 ロータリバルブ４３８のケース７４内に
第１バイパス流路７４ｆを形成し、この第１バイパス流
路７４ｆで肛門洗浄用主流路５１に連通する第１連通部
７１１と補助連通部７１４とを連通させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は人体局部洗浄装置に
関し、特に、洗浄ノズルなどの洗浄手段への流路の切替
構造に係るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の人体局部洗浄装置において、人体
局部を洗浄する洗浄ノズルへの流路を複数設け、この複
数の流路を選択的に切替える流路切替手段の構造とし
て、特開平９−１４４１０４号公報に示されるようなも
のが公知である。これは、図１０に示すように、ケース
１０１と、ケース１０１に形成された流入口１０２ａ、
１０２ｂ及び流出管１０３ａ、１０３ｂ、１０３ｃと、
ケース１０１内部に収納され第１流量調節弁１０４、第
２流量調節弁１０５、及び第３流量調節弁１０６が形成
されたロータ１０７と、ロータ１０７を駆動するモータ
１０８とを備えるものである。そして、モータ１０８が
駆動してロータ１０７を回転させ、所定の位置でロータ
１０７を固定する。その後、流入口１０２より洗浄水を
供給すると、ロータ１０７内の３つの流量調節弁１０
４、１０５、１０６の配置状態により、所望の流出管か
ら洗浄水が排出されるものである。

【０００３】また、特開平９−３１６９６８号公報に記
載された流路切替手段は、図１１に示すように、ケース
内に固定的に配置された固定プレート１１１と、固定プ
レート１１１に対して回転可能に取り付けられた回転プ
レート１１２とを備えるロータリバルブである。このロ
ータリバルブの固定プレート１１１には、人体の肛門を
洗浄する肛門洗浄用主流路に連通する第１連通部１２
１、同じく人体の肛門を洗浄する肛門洗浄用副流路に連
通する第２連通部１２２、及び女性局部を洗浄するビデ
洗浄用流路に連通する第３連通部１２３が形成され、一
方回転プレート１１１には、洗浄水タンクからの洗浄水
が供給される回転スリット部１３１が形成されている。
このような構成において、肛門洗浄用主流路のみから洗
浄水を噴出させて人体の肛門を洗浄するときは、図１１
（ａ）のように回転スリット部１３１を第１連通部１２
１と対面させる。これにより洗浄水は、第１連通部１２
１から肛門洗浄用主流路に流出する。また、肛門洗浄用
主流路と肛門洗浄用副流路の双方から洗浄水を噴出させ
て人体の肛門を洗浄するときは、図１１（ｂ）のように
回転スリット部１３１を第１連通部１２１及び第２連通
部１２２との両方に対面させる。これにより、洗浄水
は、第１連通部１２１に形成された出口ポート１２１ａ
から肛門洗浄用主流路に流出するとともに、第２連通部
１２２から肛門洗浄用副流路に流出するものである。
尚、ビデ洗浄を行うときは、回転スリット部１３１と第
３連通部１２３とを対面させる。これにより、洗浄水
は、第３連通部に形成された出口ポート１２３ａ１２３
からビデ洗浄用流路に流出するものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記の従来技術では、
流量切替弁が複数あるので、これらを構成する上で流量
調節ユニットが大型化することに加え、これらを駆動さ
せるためのモータも駆動力を要求されるために大型化が
必要であり、機能部品が集約した人体局部洗浄装置を製
造するにあたり、スペース的な面から実情に即さない場
合が多い。

【０００５】これに対し、後記の従来技術では、流路切
替手段としてのロータリバルブは、基本的には１枚の固
定プレートと回転プレートとで構成されるので、スペー
ス的に有利である。しかしながら、肛門洗浄用主流路と
肛門洗浄用副流路との双方から洗浄水を噴出して人体の
肛門を洗浄しようとした場合、肛門洗浄用主流路とは別
の肛門洗浄用第２主流路を設け、この肛門洗浄用第２流
路から肛門洗浄ノズルに供給している。つまり、流路切
替手段と洗浄手段とを連結する流路は、肛門洗浄用主流
路、肛門洗浄用第２主流路、肛門洗浄用副流路、及びビ
デ洗浄用流路の４流路必要となる。このため流路構成が
複雑になるとともに、流路切替手段が大型化するという
問題がある。

【０００６】故に、本発明は、上記実情に鑑みなされた
ものであり、人体局部洗浄装置において、人体局部を洗
浄する洗浄水の流路が複数で構成される場合に、洗浄水
の供給路と上記各流路との連通を切替える流路切替手段
を簡単かつコンパクトに構成することを技術的課題とす
るものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るためになされた請求項１の発明は、人体局部を洗浄す
るための洗浄手段と、前記洗浄手段に連通する第１の流
路及び第２の流路と、人体局部を洗浄する洗浄水が貯え
られた洗浄水タンクと、バイパス流路が形成されたケー
スと、前記ケース内に固定的に配置され前記第１の流路
に連通する第１連通部、前記第２の流路に連通する第２
連通部、及び前記バイパス流路により前記第１連通部に
連通する補助連通部が形成された固定プレートと、前記
ケース内に配置されるとともに前記固定プレートに対し
て回転可能に取り付けられ前記洗浄水タンクから供給さ
れる洗浄水が流動する回転スリット部が形成された回転
プレートとを備えた流路切替手段と、前記回転スリット
部と前記第１連通部とを対面させて前記回転スリット部
を流動する洗浄水を前記第１連通部に流動させる第１の
状態及び、前記回転スリット部と前記第２連通部及び前
記補助連通部とを対面させて前記回転スリット部を流動
する洗浄水を前記第２連通部及び前記補助連通部に流動
させる第２の状態とを、選択的に取り得るように前記回
転プレートの回転を制御する制御手段とを備えた人体局
部洗浄装置としたことである。

【０００８】上記発明によれば、人体局部洗浄装置は、
人体局部を洗浄するための洗浄ノズルなどの洗浄手段
と、洗浄手段に連通する第１の流路及び第２の流路と、
人体局部を洗浄する洗浄水が貯えられた洗浄水タンク
と、第１の流路、第２の流路のうちの１つまたは複数を
選択して該選択された流路と洗浄タンクとを連通させる
流路切替手段と、流路切替手段の切替動作を制御するマ
イクロコンピュータ等の制御手段を備える。また、流路
切替手段は、バイパス流路が形成されたケースと、ケー
ス内に固定的に配置され第１の流路に連通する第１連通
部、第２の流路に連通する第２連通部、及びバイパス流
路により前記第１連通部に連通する補助連通部が形成さ
れた固定プレートと、ケース内に配置されるとともに固
定プレートに対して回転可能に取り付けられ洗浄水タン
クから供給される洗浄水が流動する回転スリット部が形
成された回転プレートとを備える。そして、制御手段
は、回転スリット部と第１連通部とを対面させて回転ス
リット部を流動する洗浄水を第１連通部に流動させる第
１の状態及び、回転スリット部と第２連通部及び補助連
通部とを対面させて回転スリット部を流動する洗浄水を
第２連通部及び補助連通部に流動させる第２の状態とを
選択的に取り得るように、回転プレートの回転を制御す
る。これにより流路切替手段の切替動作を制御するもの
である。

【０００９】請求項１の発明は、上記構成のため、例え
ば第１の流路を肛門洗浄用主流路と、第２の流路を肛門
洗浄用副流路とした場合、回転スリット部と第１連通部
とを対面させて回転スリット部を流動する洗浄水を第１
連通部に流動させる第１の状態では、洗浄水タンクから
供給される洗浄水はまず回転スリット部を流動し、次い
で、回転スリット部と対面している第１連通部に流動す
る。第１連通部は第１の流路、つまり肛門洗浄用主流路
に連通しているので、第１連通部に流動した洗浄水はさ
らに肛門洗浄用主流路に流れるものである。一方、回転
スリット部と第２連通部及び補助連通部とを対面させて
回転スリット部を流動する洗浄水を第２連通部及び補助
連通部に流動させる第２の状態では、洗浄水タンクから
供給される洗浄水はまず回転スリット部を流動し、次い
で、回転スリット部と対面している第２連通部及び補助
連通部に流動する。第２連通部は第２の流路、つまり肛
門洗浄用副流路に連通しているので、第２連通部に流動
した洗浄水は肛門洗浄用副流路に流れる。また、補助連
通部はケースに形成されたバイパス流路により第１連通
部に連通している。この第１連通部は第１の流路に連通
しているので、補助連通部に流動した洗浄水はバイパス
流路を経て第１の流路、即ち肛門洗浄用主流路に流動す
るものである。このため、第１の状態においては、肛門
洗浄用主流路からのみ洗浄水が噴出して洗浄強さの強い
集中的な洗浄を行うことができ、第２の状態において
は、肛門洗浄用主流路及び肛門洗浄用副流路の双方から
洗浄水が噴出して洗浄強さの弱い分散的な洗浄を行うこ
とができるものである。

【００１０】本発明において最も注目すべきことは、ケ
ースにバイパス流路を形成し、このバイパス流路で補助
連通部を第１連通部に連通させたことである。このた
め、第２の状態において肛門洗浄用主流路及び肛門洗浄
用副流路の双方から洗浄水が噴出して洗浄強さの弱い分
散的な洗浄を行う際に、肛門洗浄用主流路に供給される
洗浄水は、回転スリット部に対面している補助連通部か
らケースに形成されたバイパス流路を経て肛門洗浄用主
流路を流動する。従って、従来のように肛門洗浄用第２
主流路を外部に設ける必要がなく、流路切替手段をコン
パクトに構成することができるものである。また、流路
切替手段は、基本的には１枚の固定プレートと回転プレ
ートとで構成されるので、スペース的にも有利となるも
のである。

【００１１】上記技術的課題を解決するにあたり、請求
項２において講じた発明のように、前記人体局部洗浄装
置は前記洗浄手段に連通する第３流路を備え、前記固定
プレートは前記第３流路に連通する第３連通部が形成さ
れ、前記制御手段は前記第１の状態、前記第２の状態、
及び前記回転スリット部と前記第３連通部とを対面させ
て前記回転スリット部を流動する洗浄水を前記第３連通
部に流動させる第３の状態とを選択的に取り得るように
前記回転プレートの回転を制御することを特徴とする請
求項１に記載の人体局部洗浄装置とすることが好まし
い。

【００１２】上記請求項２の発明によれば、人体局部洗
浄装置は第１の流路、第２の流路の他に、洗浄手段に連
通する第３の流路を備える。また、固定プレートには、
第３の流路に連通する第３連通部が形成されている。そ
して、制御手段は、第１の状態、第２の状態の他に、回
転スリット部と第３連通部とを対面させて回転スリット
部を流動する洗浄水を補助連通部に流動させる第３の状
態も選択的に取り得るように回転プレートの回転を制御
するものである。

【００１３】請求項２の発明は、上記構成のため、例え
ば第１の流路を肛門洗浄用主流路、第２の流路を肛門洗
浄用副流路、第３の流路をビデ洗浄用流路とすると、第
１の状態では、上述のように洗浄水は肛門洗浄用主流路
に流れる。第２の状態では、上述のように洗浄水は肛門
洗浄用主流路及び肛門洗浄用副流路の双方に流れる。ま
た、回転スリット部と第３連通部とを対面させて回転ス
リット部を流動する洗浄水を補助連通部に流動させる第
３の状態では、洗浄水タンクから供給される洗浄水はま
ず回転スリット部を流動し、次いで、回転スリット部と
対面している第３連通部に流動する。第３連通部は第３
の流路、つまりビデ洗浄用流路に連通しているので、第
３連通部に流動した洗浄水はさらにビデ洗浄用流路に流
れるものである。このため、第１の状態においては、肛
門洗浄用主流路からのみ洗浄水が噴出して洗浄強さの強
い集中的な洗浄を行うことができ、第２の状態において
は、肛門洗浄用主流路及び肛門洗浄用副流路の双方から
洗浄水が噴出して洗浄強さの弱い分散的な洗浄を行うこ
とができ、第３の状態においては女性局部を洗浄するこ
とができるものである。

【００１４】このように、本発明においては、３つの流
路を備える人体局部洗浄装置においても、その流路切替
手段の構成をコンパクトにすることができるものであ
る。

【００１５】

【実施の形態】以下、本発明を実施の形態により具体的
に説明する。

【００１６】図１は、本例における人体局部洗浄装置の
全体斜視図である。図において、人体局部洗浄装置１
は、便器２と、水洗水が貯えられた水洗タンク３と、便
器１の上部に載置された本体４とを主な構成とするもの
である。

【００１７】本体４は、便器２の上部外周に該便器２を
後側から取り巻くように載置されており、全閉状態にお
いて便器２の上面を覆う便座４１、全閉状態（図示せ
ず）において便座４１の上部を覆う便蓋４２、及び、便
器２の使用時に種々の機能を実行するための機能部４３
を内部に収容した本体ケース４４と、本体ケース４４の
上部表面に設置され使用者の操作により種々の機能が選
択可能とされた操作パネル４５、便座４１の下部に突出
し人体局部を洗浄する洗浄手段としての肛門洗浄ノズル
装置４６、同じく便座４１の下部に突出し女性局部を洗
浄するビデ洗浄ノズル装置４７を備えるものである。便
座４１及び便蓋４２は、夫々の基端辺に図示せぬ回動軸
が一体に取り付けられており、これらの回動軸は本体ケ
ースに形成された軸孔により回動可能に軸支されてい
る。従って、便座及び便蓋は、上記軸孔に対して回動し
て開閉可能であり、この回動に伴いそれぞれの回動軸も
回動する構造である。

【００１８】図２は、内部の機能部４３が示された本体
４を示す図である。図において、本体４は、前述したよ
うに、便座４１、便蓋４２、機能部４３、該機能部４３
を内部に収容した本体ケース４４、肛門洗浄ノズル装置
４６、ビデ洗浄ノズル装置４７を備えるものである。機
能部４３は、図１に示す操作パネル４５の下部に配設さ
れ該操作パネル４５に配列した操作ボタンが押圧された
ことを検知するスイッチ基板４３１、該スイッチ基板４
３１の下部に取り付けられマイクロコンピュータ等の制
御手段よりなるコントロール基板４３２、該コントロー
ル基板４３２の下部に配置し肛門洗浄ノズル装置４６や
ビデ洗浄ノズル装置４７に供給する洗浄水を貯える洗浄
水タンク４３３、洗浄ノズル装置４６、４７の横部に配
設され局部乾燥時に温風を供給するための温風ファン４
３４、温風ファン４３４の隣りに配設され便器使用時の
脱臭を行うための脱臭ファン４３５、脱臭ファン４３５
の隣りに配設されトイレ室の暖房を行うための部屋暖房
ファン４３６、等の、各種機能を実行するための要素が
設置されている他、洗浄ノズル装置４６、４７に対して
温風ファン４３４とは反対側の横部には、便座の開閉状
態を検知する便座開閉検知手段及び便蓋の開閉状態を検
知する便蓋開閉検知手段が収納された検知ユニット４３
７が、肛門洗浄ノズル装置４６及びビデ洗浄ノズル装置
４７の図示上方には、これらのノズル装置４６、４７へ
の洗浄水の流路を選択的に切替えてそれぞれのノズル装
置４６、４７に洗浄水を供給するための流路切替手段と
してのロータリバルブ４３８が配設されている。また、
便座４１の内部には、静電容量式物体検知センサ４８が
埋設されている。この静電容量式物体検知センサ４８
は、便座４１の上部に物体が配置されたときの静電容量
の変化を検知し、この静電容量の変化量で便座上部の物
体を検知するものである。

【００１９】図３は、本例における人体局部洗浄装置１
において、ロータリバルブ４３８、肛門洗浄ノズル装置
４６、ビデ洗浄ノズル装置４７の部分断面及びこれらの
接続構成を示す図である。図に示すように、肛門洗浄ノ
ズル装置４６は、その先端部に肛門洗浄主ノズル孔４６
１と肛門洗浄副ノズル孔４６２を備えた伸縮可能な肛門
洗浄用可動ノズル４６３と、肛門洗浄用可動ノズル４６
３を内部に収納又は内部から突出可能に構成された肛門
洗浄用シリンダ４６４とを主構成とするものである。肛
門洗浄用シリンダ４６４には、その側部に形成された副
流路用入口４６５及びその後部（図示左側部）に形成さ
れる主流路用入口４６６を備える。主流路用入口４６６
には、該主ノズル用入口４６６からシリンダ４６４に入
り肛門洗浄用主ノズル孔４６１に連通する第１の流路と
しての肛門洗浄用主流路５１が連通されている。副流路
用入口４６５には、該副流路用入口４６５からシリンダ
４６４に入り肛門洗浄用副ノズル孔４６２に連通する第
２の流路としての肛門洗浄用副流路５２が連通されてい
る。ビデ洗浄用ノズル装置４７は、その先端部にビデ洗
浄ノズル孔４７１を備えた伸縮可能なビデ洗浄用可動ノ
ズル４７２と、ビデ洗浄用可動ノズル４７２を内部に収
納又は内部から突出可能に構成されたビデ洗浄用シリン
ダ４７３を主構成とするものである。ビデ洗浄用シリン
ダ４７３には、その後部（図示左側部）にビデ流路用入
口４７４が形成され、このビデ流路用入口４７４には該
ビデ流路用入口４７４からシリンダ４７３内に入りビデ
洗浄ノズル孔４７１に連通する第３の流路としてのビデ
洗浄用流路６１が連通しているものである。

【００２０】ロータリバルブ４３８は、固定プレート７
１と、回転プレート７２と、シールパッキン７３と、こ
れらを内部に収容するケース７４と、回転プレート７２
を回転するためのモータ７５とを有する。また、モータ
７５は、該モータ７５の駆動を制御する制御手段として
のマイクロコンピュータ８に電気的に接続されている。
このマイクロコンピュータ８は、コントロール基板４３
２に配置しており、モータ７５の駆動を制御することに
より回転プレート７２の回転を制御するものである。

【００２１】固定プレート７１は、ケース７４内に固定
されて配設されており、回転プレート７２は、ケース７
４内で固定プレート７１に対面するとともに面接触する
ようにされ、回転可能に配設されている。シールパッキ
ン７３は、ロータリバルブ４３８内の液洩れを防ぐため
にゴム性の材質で形成されており、その一面は固定プレ
ート７１の回転プレート７２が対面する側と反対側の面
に、その他面はケース７４の内壁に密着している。ま
た、ケース７４には、洗浄水タンク４３３からの洗浄水
が供給される洗浄水供給口７４１と、肛門洗浄用主流路
５１に連通した主流路用洗浄水排出口７４２と、肛門洗
浄用副流路５２に連通した副流路用洗浄水排出口７４３
と、ビデ洗浄用流路６１に連通したビデ用洗浄水排出口
７４４が形成されている。尚、洗浄水タンク４３３と洗
浄水供給口７４１とは洗浄水供給通路９１により連通さ
れているものである。

【００２２】図４は、図３におけるロータリバルブ４３
８を矢印Ａ方向から見た場合の部分断面図である。図３
及び図４に示すように、ケース７４内には、第１連絡流
路７４ａ、第２連絡流路７４ｂ、第３連絡流路７４ｃ、
第１ドレン流路７４ｄ、第２ドレン流路７４ｅ、本発明
のバイパス流路としての第１バイパス流路７４ｆ、及
び、図３、図４では図示しない第２バイパス流路７４ｇ
が形成されている。第１連絡流路７４ａは主流路用洗浄
水排出口７４２に開口し、この主流路用洗浄水排出口７
４２から肛門洗浄用主流路５１に連通している。第２連
絡流路７４ｂは副流路用洗浄水排出口７４３に開口し、
この副流路用洗浄水排出口７４３から肛門洗浄用副流路
５２に連通している。第３連絡流路７４ｃはビデ用洗浄
水排出口７４４に開口し、このビデ用洗浄水排出口７４
４からビデ洗浄用流路６１に連通している。第１ドレン
流路７４ｄはケース表面に形成された第１ドレン排出口
７４５ａに開口し、この排出口７４５ａから大気に開放
されているものである。同様に、第２ドレン流路７４ｅ
はケース表面に形成された第２ドレン排出口７４５ｂに
開校し、この排出口から大気に開放されているものであ
る。尚、上記第１流路７４ａ、第２流路７４ｂ、第３流
路７４ｃ、第１及び第２ドレン流路７４ｄ及び７４ｅ
は、シールパッキン７３が当接している側のケース内壁
に開口部を持つものである。また、第１バイパス流路７
４ｆ及び第２バイパス流路７４ｇは、それぞれ溝状にケ
ース内壁（シールパッキン７３が当接している側のケー
ス内壁）に形成されているものである。

【００２３】図５は、図４におけるＢ−Ｂ断面図であ
り、ケース７４の内壁面を示すものである。図におい
て、ケース７４の内壁面には第１バイパス流路７４ｆ
と、第２バイパス流路７４ｇが形成されている。また、
７４ａ’、７４ｂ’、７４ｃ’、７４ｄ’、７４ｅ’
は、それぞれ第１連絡流路７４ａ、第２連絡流路７４
ｂ、第３連絡流路７４ｃ、第１ドレン流路７４ｄ、第２
ドレン流路７４ｅのケース内壁面における開口部であ
る。図より明らかなように、第１バイパス流路７４ｆの
一端は、第１連絡流路７４ａの開口部７４ａ’に連通し
ている。また、第２バイパス流路７４ｇの一端は、第２
ドレン流路７４ｅの開口部７４e’に連通しているもの
である。

【００２４】図６は、各プレート７１、７２を示す図で
あり、図６（ａ）は回転プレート７２、図６（ｂ）は固
定プレート７１である。

【００２５】図６（ａ）において、回転プレート７２は
円盤状に形成されており、その一表面（固定プレートに
対面する側の面）に回転スリット部７２１、第１連通窓
部７２２、第２連通窓部７２３が形成されている。回転
スリット部７２１は、回転プレート７２の中心から径方
向に向かって該回転プレートの縁部まで延びた有底溝と
して形成される。第１及び第２連通窓部７２２、７２３
は、回転プレート７２の中心を中心とした扇型状の有底
凹部として形成されるものである。回転スリット部７２
１は、洗浄水タンク４３３と洗浄水供給通路９１により
連通されており、洗浄水タンク４３３の上流側に配置さ
れた電磁弁９２が開くことにより、洗浄水タンク４３３
内の洗浄水が洗浄水供給通路９１を経て回転スリット部
７２１に流動するようになっているものである。第１連
通窓部７２２は、回転プレート７２と固定プレート７１
とが所定の状態で対面している場合において、後述する
固定プレート７１の第１出口ポート７１１ａと第１ドレ
ンポート７１５とに対面し、第１出口ポート７１１ａと
第１ドレンポート７１５とを連通するものである。第２
連通窓部７２３は、回転プレート７２と固定プレート７
１とが所定の状態で対面している場合において、後述す
る固定プレート７１の第３出口ポート７１３ａと第１ド
レンポート７１５とに対面し、第３出口ポート７１３ａ
と第１ドレンポート７１５とを連通するものである。

【００２６】図６（ｂ）において、固定プレート７１
は、第１連通部７１１、第２連通部７１２、第３連通部
７１３、補助連通部７１４、第１ドレンポート７１５、
第２ドレンポート７１６、及び、連通孔７１７が形成さ
れている。第１連通部７１１はケース４３８に形成され
た第１連絡流路７４ａのケース内壁での開口部７４ａ’
と対面している。従って、この第１連通部７１１は第１
連絡流路７４ａを経て肛門洗浄用主流路５１に連通する
ものである。第２連通部７１２はケース４３８に形成さ
れた第２連絡流路７４ｂのケース内壁での開口部７４
ｂ’と対面している。従って、第２連通部７１２は第２
連絡流路７４ｂを経て肛門洗浄用副流路５２に連通する
ものである。第３連通部７１３はケース４３８に形成さ
れた第３連絡流路７４ｃのケース内壁での開口部７４
ｃ’と対面している。従って、第３連通部７１３は第３
連絡流路７４ｃを経てビデ洗浄用流路６１に連通するも
のである。補助連通部７１４はケース４３８の内壁に形
成された第１バイパス流路７４ｆに対面している。この
第１バイパス流路７４ｆはその一端が第１連絡流路７４
ａの開口部７４ａ’に連絡しているので、第４連通部７
１４は第１バイパス流路７４ｆ、第１連絡流路７４ａの
開口部７４ａ’を経て第１連通部７１１に連通するとと
もに、第１連通部が連通する肛門洗浄用主流路５１にも
連通するものである。第１ドレンポート７１５はケース
４３８に形成された第１ドレン流路７４ｄのケース内壁
での開口部７４ｄ’と対面している。また第２ドレンポ
ート７１６はケースに形成された第２ドレン流路７４ｅ
のケース内壁での開口部７４ｅ’と対面している。第１
及び第２ドレン流路７４ｄ及び７４ｅはその先が大気に
開放されているので、第１及び第２ドレンポート７１５
及び７１６は第１及び第２ドレン流路７４ｄ及び７４ｅ
を経て大気と連通するものである。

【００２７】図に示すように、第１連通部７１１、第３
連通部７１３、補助連通部７１４、第１ドレンポート７
１５、及び第２ドレンポート７１６は、固定プレート７
１の中心からの距離がほぼ等しい径方向位置に形成され
ている。これに対し、第２連通部７１２は、これ以外の
連通部及びポートよりも、固定プレート７１の中心から
の距離が短い径方向位置に形成されている。また、第２
連通部７１２と補助連通部７１４は、回転プレート７２
の回転スリット部７２１に双方が対面可能な周方向位置
関係とされているものである。

【００２８】第１連通部７１１は、第１出口ポート７１
１ａ及び第１流量調節溝７１１ｂで形成されている。第
１出口ポート７１１ａは、固定プレート７１の表裏を貫
通した孔で形成されており、この孔状に形成された第１
出口ポート７１１ａに肛門洗浄用主流路５１が連通して
いる。第１流量調節溝７１１ｂは第１出口ポート７１１
ａに連通しており、図において第１出口ポート７１１ａ
から反時計回りの周方向に延びて溝状に形成されてい
る。

【００２９】第２連通部７１２は、第２出口ポート７１
２ａ及び第２流量調節溝７１２ｂで形成されている。第
２出口ポート７１２ａは、第１出口ポート７１１ａと同
様固定プレート７１の表裏を貫通した孔で形成されてお
り、この孔状に形成された第２出口ポート７１２ａに肛
門洗浄用副流路５２が連通している。第２流量調節溝７
１２ｂは第２出口ポート７１２ａに連通しており、図に
おいて第２出口ポート７１２ａから時計回りの周方向に
延びて溝状に形成されている。

【００３０】第３連通部７１３は、第３出口ポート７１
３ａ及び第３流量調節溝７１３ｂで形成されている。第
３出口ポート７１３ａは、第１出口ポート７１１ａと同
様固定プレート７１の表裏を貫通した孔で形成されてお
り、この孔状に形成された第３出口ポート７１３ａにビ
デ洗浄用流路６１が連通している。第３流量調節溝７１
３ｂは第３出口ポート７１３ａに連通しており、図にお
いて第３出口ポート７１３ａから時計回りの周方向に延
びて溝状に形成されている。

【００３１】補助連通部７１４は、補助出口ポート７１
４ａ及び補助流量調節溝７１４ｂで形成されている。補
助出口ポート７１４ａは、第１出口ポート７１１ａと同
様固定プレート７１の表裏を貫通した孔で形成されてお
り、この孔状に形成された補助出口ポート７１４ａに第
１バイパス流路７４ｆが連通され、さらに第１バイパス
流路７４ｆから開口部７４ａ’を経て第１連通部７１１
に連通している。補助流量調節溝７１４ｂは補助出口ポ
ート７１４ａに連通しており、図において補助出口ポー
ト７１４ａから時計回りの周方向に延びて溝状に形成さ
ている。

【００３２】尚、各流量調節溝７１１ｂ、７１２ｂ、７
１３ｂ、７１４ｂは、それぞれが連通する各出口ポート
７１１ａ、７１２ａ、７１３ａ、７１４ａから遠ざかる
に従い、その断面積が小さくなるように、溝高さまたは
溝幅が徐々に変化して形成されているものである。

【００３３】また、固定プレート７１には、連通孔７１
７が形成されている。この連通孔７１７は、ケース内壁
に形成された第２バイパス通路７４ｇに開口している。
第２バイパス流路７４ｇの一端は、第２ドレン流路７４
ｅに連絡しているので、連通孔７１７は、第２バイパス
流路７４ｇ、第２ドレン流路７４ｅを経て大気に連通し
ているものである。

【００３４】上記構成において、以下にその作動につい
て、図７、図８、図９を参照して説明する。

【００３５】図７は、各種の状態におけるロータリバル
ブ４３８内の固定プレート７１と回転プレート７２との
相対配置関係を示したものである。

【００３６】使用者が本例に示す人体局部洗浄装置１を
使用し、用便後に洗浄強さが強い集中的な洗浄を行うた
めには、操作パネル４５の操作スイッチの内、パワフル
洗浄ボタン（図示せず）を押圧する。すると、ロータリ
バルブ４３８において、モータ７５が駆動するとともに
マイクロコンピュータ８によりモータ７５の駆動が制御
される。これにより、ロータリバルブ４３８の回転プレ
ート７２が所定角度回転し、固定プレート７１と回転プ
レート７２は図７（ａ）に示す配置関係となる。その
後、洗浄水タンク４３３の上流側に配置された電磁弁９
２が開き、水道圧により洗浄水タンク４３３から洗浄水
を洗浄水供給路９１に圧送する。図８は、この状態にお
けるロータリバルブ４３８の内部状態及び洗浄水の流動
経路を示した図であり、図８（ａ）は回転プレート７２
から固定プレート７１までの洗浄水の流動経路を、図８
（ｂ）は固定プレート７１からケースまでの洗浄水の流
動経路を、図８（ｃ）はケース内の流路への洗浄水の流
動経路を、図８（ｄ）はケース内の流路から肛門洗浄ノ
ズル装置４６までの洗浄水の流動経路を示す図である。
図７（ａ）及び図８において、回転プレート７２の回転
スリット部７２１は、固定プレート７１の第１連通部７
１１のうちの第１出口ポート７１１ａに対面している。
この状態であると、洗浄タンク４３３内の洗浄水は、水
道圧により圧送されて洗浄水供給路９１を通り、ケース
７４に形成された洗浄水供給口７４１からケース内部に
進入する。ケース内部に進入した洗浄水は、図８（ａ）
の矢印のように流れ、回転プレート７２の縁部にまで形
成された回転スリット部７２１内を流動する。このとき
回転スリット部７２１と固定プレート７１の第１出口ポ
ート７１１ａとは対面しているので、洗浄水は回転スリ
ット部７２１内から第１出口ポート７１１ａに流動す
る。そして、洗浄水は第１出口ポート７１１ａから開口
部７４ａ’を経てケース７４に形成された第１連絡流路
７４ａを流れ、第１連絡流路７４ａが開口した主流路用
洗浄水排出口７４２から肛門洗浄用主流路５１に流動す
るものである。このようにして肛門洗浄用主流路５１に
流動した洗浄水は、肛門洗浄ノズル装置４６に入り、ノ
ズル装置４６内を図８（ｄ）の矢印のように流れ、肛門
洗浄ノズル４６３に形成された肛門洗浄用主ノズル孔４
６１から人体の肛門に噴出され、人体局部を洗浄するも
のである。尚、この状態では、洗浄水は第１連通部７１
１のみを流動し、その他の連通部（第２連通部７１２、
第３連通部７１３、補助連通部７１４）からは流動しな
いので、肛門洗浄用主流路５１のみからの勢いの強い集
中的な洗浄を行うことができる。また、回転スリット部
７２１と第１出口ポート７１１ａとが対面している状態
から、回転プレートを反時計回りに回転させ、回転スリ
ット部７２１と第１流量調節溝７１１ｂとを対面させた
場合、回転スリット部７２１を流動する洗浄水は、まず
該回転スリット部７２１に対面する第１流量調節溝７１
１ｂに流れ、その後に該第１流量調節溝７１１ｂに連通
した第１出口ポート７１１ａに流れる。洗浄水は、この
第１流量調節溝７１１ｂにより流路断面積が絞られ、第
１出口ポート７１１ａを経て肛門洗浄用主流路５１に流
れる洗浄水の流量が減少される。このように、第１流量
調節溝７１１ｂは、上記状態において回転プレートの回
転に伴い肛門洗浄用主流路５１内を流動する洗浄水の流
量を可変させることを可能とするものである。尚、この
図７（ａ）に示すような、回転スリット部７１２と第１
出口ポート７１１ａとが対面した状態、及び、回転スリ
ット部７１２と第１流量調節溝７１１ｂとが対面した状
態が、本発明における第１の状態の一例である。

【００３７】使用者が洗浄強さの強い集中的な洗浄を行
った後、この洗浄を終了するためには、操作パネル４５
内の停止ボタン（図示せず）を押圧する。すると、洗浄
水タンク４３３の上流側に配置された電磁弁９２が閉
じ、洗浄水タンク４３３から洗浄水供給路９１への洗浄
水の圧送は停止される。これと同時に、ロータリバルブ
４３８においては、モータ７５が駆動するとともにマイ
クロコンピュータ８によりモータ７５の駆動が制御され
る。これにより、ロータリバルブ４３８の回転プレート
７２が所定角度半時計回りに回転し、固定プレート７１
と回転プレート７２は図７（ｄ）に示す配置関係とな
る。図７（ｄ）において、回転プレート７２の第１連通
窓部７２２は、第１連通部７１１の第１出口ポート７１
１ａ及び第１ドレンポート７１５に部分的に対面してい
る。このため、第１連通部７１１の第１出口ポート７１
１ａは第１連通窓部７２２を経て第１ドレンポート７１
５と連通状態とされている。また、回転スリット部７２
１は、固定プレート７１の連通孔７１７に対面している
状態である。この状態であると、肛門洗浄用主流路５１
内及び肛門洗浄用主流路５１につながる肛門洗浄ノズル
装置４６の内空間は、第１出口ポート７１１ａから第１
連通窓部７２２を経て第１ドレンポート７１５と連通し
ていることになる。このため、肛門洗浄用主流路５１内
及び肛門洗浄用主流路５１につながる肛門洗浄ノズル装
置４６の内空間に残留した洗浄水は、その残圧により第
１出口ポート７１１ａまで逆流し、第１連通窓部７２２
を経て第１ドレンポート７１５に流れ込む。そして、第
１ドレンポート７１５からケース内の第1ドレン流路７
４ｄを流動し、該第１ドレン流路７４ｄから大気へと排
出されるものである。

【００３８】また、この状態であると、回転プレート７
２の回転スリット部７２１は、固定プレート７１の連通
孔７１７に対向している。また、連通孔７１７は第２バ
イパス通路７４ｇに開口し、このバイパス通路７４ｇは
ケース７４に形成された第２ドレン流路７４ｅに連絡し
ている。従って、回転スリット部７２１に連通した洗浄
水供給路９１は、回転スリット部７２１から連通孔７１
７、第２バイパス通路７４ｇ、第２ドレン流路７４ｅに
連通し、さらに第２ドレン流路７４ｅから大気に連通す
ることになる。このため、洗浄水供給路９１内の残留洗
浄水は、その残圧により回転スリット部７２１に流れ、
さらに回転スリット部７２１から連通孔７１７、第２バ
イパス通路７４ｇを経て第２ドレン流路７４ｅに流れ、
この第２ドレン流路７４ｅから大気へと排出されるもの
である。

【００３９】使用者が本例に示す人体局部洗浄装置を使
用し、用便後に洗浄強さが比較的弱い分散したマイルド
な洗浄を行うためには、操作パネル４５の操作スイッチ
の内、マイルド洗浄ボタン（図示せず）を押圧する。す
ると、ロータリバルブ４３８において、モータ７５が駆
動するとともにマイクロコンピュータ８によりモータ７
５の駆動が制御される。これにより、ロータリバルブ４
３８の回転プレート７２が所定角度回転し、固定プレー
ト７１と回転プレート７２は図７（ｂ）に示す配置関係
となる。その後、洗浄水タンク４３３の上流側に配置さ
れた電磁弁９２が開き、水道圧により洗浄水タンク４３
３から洗浄水を洗浄水供給路９１に圧送する。図９は、
この状態におけるロータリバルブ４３８の内部状態及び
洗浄水の流動経路を示した図であり、図９（ａ）は回転
プレート７２から固定プレート７１までの洗浄水の流動
経路を、図９（ｂ）は固定プレート７１からケースまで
の洗浄水の流動経路を、図９（ｃ）はケース内の流路へ
の洗浄水の流動経路を、図９（ｄ）はケース内の流路か
ら肛門洗浄ノズル装置４６までの洗浄水の流動経路を示
す図である。図７（ｂ）及び図９において、回転プレー
ト７２の回転スリット部７２１は、固定プレート７１の
第２出口ポート７１２ａに対面しているとともに、補助
出口ポート７１４ａにも対面している。この状態である
と、洗浄水タンク４３３内の洗浄水は、水道圧により圧
送されて洗浄水供給路９１を通り、ケース７４に形成さ
れた洗浄水供給口７４１からケース７４内に進入する。
ケース７４内に進入した洗浄水は、回転プレート７２の
縁部にまで形成された回転スリット部７２１内を図９
（ａ）の図示矢印のように流動する。このとき回転スリ
ット部７２１と固定プレート７１の第２出口ポート７１
２ａとは対面しているので、洗浄水は回転スリット部７
２１内から第２出口ポート７１２ａに流動する。そし
て、洗浄水は第２出口ポート７１２ａから開口部７４
ｂ’を経てケース７４に形成された第２流路７４ｂを流
れ、第２流路７４ｂが開口した副流路用洗浄水排出口７
４３から肛門洗浄用副流路５２に流動する。このように
して肛門洗浄用副流路５２に流動した洗浄水は、肛門洗
浄用ノズル装置４６に形成された肛門洗浄用副ノズル孔
４６２から人体の肛門に噴出され、人体局部を洗浄する
ものである。

【００４０】また、回転スリット部７２１は固定プレー
ト７１の補助出口ポート７１４ａとも対面しているの
で、洗浄水は回転スリット部７２１内から補助出口ポー
ト７１４ａにも流動する。補助出口ポート７１４ａはケ
ース内壁に形成された第１バイパス通路７４ｆにより第
１連絡流路７４ａの開口部７４ａ’に連絡しているの
で、補助出口ポート７１４ａに流動した洗浄水は図９
（ｃ）の図示矢印のように第１バイパス通路７４ｆを流
れ、開口部７４ａ’を経てケース７４に形成された第１
流路７４ａを流動する。そして、第１流路７４ａが開口
した主流路用洗浄水排出口７４２から肛門洗浄用主流路
５１に流動する。このようにして肛門洗浄用主流路５１
に流動した洗浄水は、肛門洗浄用ノズル装置４６に形成
された肛門洗浄用主ノズル孔４６１から人体の肛門に噴
出され、人体局部を洗浄するものである。

【００４１】このように、図７（ｂ）及び図９に示す状
態では、肛門洗浄用主ノズル孔４６１及び肛門洗浄用副
ノズル孔４６２の双方から洗浄水が噴出される。このた
め、洗浄水の噴出面積が拡大され、洗浄強さの弱い分散
したマイルドな洗浄を行うことができるものである。ま
た、回転スリット部７２１と第２出口ポート７１２ａ及
び補助出口ポート７１４ａとが対面している状態から、
回転プレートを時計回りに回転させ、回転スリット部７
２１と第２流量調節溝７１２ｂ及び補助流量調節溝７１
４ｂとを対面させた場合、回転スリット部７２１を流動
する洗浄水は、まず該回転スリット部７２１に対面する
第２流量調節溝７１１ｂ及び補助流量調節溝７１４ｂに
流れ、その後に第２流量調節溝７１２ｂに連通した第２
出口ポート７１２ａ及び補助流量調節溝７１４ｂに連通
した補助出口ポート７１４ａに流れる。洗浄水は、第２
流量調節溝７１２ｂにより流路断面積が絞られ、第２出
口ポート７１２ａを経て肛門洗浄用副流路５２に流れる
洗浄水の流量が減少されるとともに、補助流量調節溝７
１４ｂによっても流路断面積が絞られ、補助出口ポート
７１４ａを経て肛門洗浄用主流路５１に流れる洗浄水の
流量が減少される。このように、第２流量調節溝７１２
ｂは、上記状態において回転プレートの回転に伴い肛門
洗浄用副流路５２内を流動する洗浄水の流量を可変させ
ることを可能とするものである。尚、この図６（ｂ）に
示すような、回転スリット部７１２と第２出口ポート７
１２ａ及び補助出口ポート７１４ａとが対面した状態、
及び、回転スリット部７１２と第２流量調節溝７１２ｂ
及び補助流量調節溝７１４ｂとが対面した状態が、本発
明における第２の状態の一例である。

【００４２】上記説明からわかるように、第２の状態に
おいて、肛門洗浄用主流路５１及び肛門洗浄用副流路５
２の双方から洗浄水が噴出して洗浄強さの弱い分散的な
洗浄を行う際に、肛門洗浄用主流路５１に供給される洗
浄水は、回転スリット部７２１に対面している補助連通
部７１４からケース７４に形成された第１バイパス流路
７４ｆを経て第１連絡流路７４ａへ、そして第１連絡流
路７４ａから肛門洗浄用主流路５１を流動するので、従
来のように肛門洗浄用第２主流路を外部に設ける必要が
なく、ロータリバルブ４３８をコンパクトに構成するこ
とができるものである。

【００４３】使用者が洗浄強さの弱い分散的な洗浄を行
った後、この洗浄を終了するためには、操作パネル４５
の停止ボタン（図示せず）を押圧する。すると、電磁弁
が閉じ、洗浄水タンク４３３から洗浄水供給路９１への
洗浄水の圧送を停止する。これと同時に、ロータリバル
ブ４３８においては、モータ７５が駆動するとともにマ
イクロコンピュータ８によりモータ７５の駆動が制御さ
れる。これにより、ロータリバルブ４３８の回転プレー
ト７２が所定角度時計回りに回転し、固定プレートと回
転プレートは前述した図７（ｄ）に示す配置関係とな
り、肛門洗浄用主流路５１内及び洗浄水供給流路９１内
の残留洗浄水が排出される。また、肛門洗浄用副流路５
２内の残留洗浄水は、肛門洗浄用ノズルと肛門洗浄用シ
リンダとの隙間より外部に排出される。

【００４４】使用者が本例に示す人体局部洗浄装置を使
用し、女性局部の洗浄を行うためには、操作パネル４５
の操作スイッチの内、ビデ洗浄ボタン（図示せず）を押
圧する。すると、ロータリバルブ４３８において、モー
タ７５が駆動するとともにマイクロコンピュータ８によ
りモータ７５の駆動が制御される。これにより、ロータ
リバルブ４３８の回転プレート７２が所定角度回転し、
固定プレート７１と回転プレート７２は図７（ｃ）に示
す配置関係となる。その後、洗浄水タンク４３３の上流
側に配置された電磁弁９２が開き、水道圧により洗浄水
タンク４３３から洗浄水を洗浄水供給路９１に圧送す
る。図７（ｃ）において、回転プレート７２の回転スリ
ット部７２１は、固定プレート７１の第３出口ポート７
１３ａに対面している。この状態であると、洗浄タンク
４３３内の洗浄水は、水道圧により圧送されて洗浄水供
給路９１を通り、ケース７４に形成された洗浄水供給口
７４１からケース７４内に進入する。ケース７４内に進
入した洗浄水は、回転プレート７２の縁部にまで形成さ
れた回転スリット部７２１内を流動する。このとき回転
スリット部７２１と固定プレート７１の第３出口ポート
７１３ａとは対面しているので、洗浄水は回転スリット
部７２１内から第３出口ポート７１３ａに流動する。そ
して、洗浄水は第３出口ポート７１３ａから開口部７４
ｃ’を経てケース７４に形成された第３流路７４ｃを流
れ、第３流路７４ｃが開口したビデ用洗浄水排出口７４
４からビデ洗浄用流路６１に流動するものである。この
ようにしてビデ洗浄用流路６１に流動した洗浄水は、ビ
デ洗浄用ノズル装置４７に形成されたビデ洗浄用ノズル
孔４７１から女性局部に噴出され、女性局部を洗浄する
ものである。また、回転スリット部７２１と第３出口ポ
ート７１３ａとが対面している状態から、回転プレート
７２を時計回りに回転させ、回転スリット部７２１と第
３流量調節溝７１３ｂとを対面させた場合、回転スリッ
ト部７２１を流動する洗浄水は、まず該回転スリット部
７２１に対面する第３流量調節溝７１３ｂに流れ、その
後に該第３流量調節溝７１３ｂに連通した第３出口ポー
ト７１３ａに流れる。洗浄水は、この第３流量調節溝７
１３ｂにより流路断面積が絞られ、第３出口ポート７１
３ａを経てビデ洗浄用流路６１に流れる洗浄水の流量が
減少される。このように、第３流量調節溝７１３ｂは、
上記状態において回転プレート７２の回転に伴いビデ洗
浄用流路６１内を流動する洗浄水の流量を可変させるこ
とを可能とするものである。尚、この図７（ｃ）に示す
ような、回転スリット部７１２と第３出口ポート７１３
ａとが対面した状態、及び、回転スリット部７１２と第
３流量調節溝７１３ｂとが対面した状態が、本発明にお
ける第３の状態の一例である。

【００４５】使用者がビデ洗浄を行った後、この洗浄を
終了するためには、操作パネル４５内の停止ボタン（図
示せず）を押圧する。すると、電磁弁９２が閉じ、洗浄
水タンク４３３から洗浄水供給路９１への洗浄水の圧送
が停止される。これと同時に、ロータリバルブ４３８に
おいては、モータ７５が駆動するとともにマイクロコン
ピュータ８によりモータ７５の駆動が制御される。これ
により、ロータリバルブ４３８の回転プレート７２が所
定角度時計回りに回転し、固定プレート７１と回転プレ
ート７２は図７（ｅ）に示す配置関係となる。図７
（ｅ）において、回転プレート７２の回転スリット部７
２１は、第２ドレンポート７１６に対面している。第２
ドレンポート７１６は、ケース７４に形成された第２ド
レン流路７４ｅに連絡している。従って、回転スリット
部７２１に連通した洗浄水供給路９１は、回転スリット
部７２１から第２ドレンポート７１６、第２ドレン流路
７４ｅに連通し、大気に連通する。従って、洗浄水供給
路９１内の残留洗浄水は、その残圧により回転スリット
部７２１に流れ、さらに回転スリット部７２１から第２
ドレンポート７１６、第２ドレン流路７４ｅを流動し、
大気へと排出されるものである。

【００４６】また、図７（ｅ）において、回転プレート
７２の第２連通窓部７２３は、第３連通部７１３の第３
出口ポート７１３ａ及び第１ドレンポート７１５に対面
している。このため、第３出口ポート７１３ａは第２連
通窓７２３を経て第１ドレンポート７１５と連通状態と
されている。この状態であると、ビデ洗浄用流路６１内
及びビデ洗浄用流路６１につながるビデ洗浄ノズル装置
４７の内空間は、第３出口ポート７１３ａから第２連通
窓７２３を経て第１ドレンポート７１５と連通している
ことになる。このため、ビデ洗浄用流路６１内及びビデ
洗浄用流路６１につながるビデ洗浄ノズル装置４７の内
空間の残留水は、その残圧により第３出口ポート７１３
ａまで逆流し、第２連通窓７２３を経て第１ドレンポー
ト７１５に流れ込む。そして、第１ドレンポート７１５
からケース７４内の第1ドレン流路７４ｄを流動し、大
気へと排出されるものである。

【００４７】以上のように、本例における人体局部洗浄
装置１は、人体局部を洗浄するための洗浄手段としての
肛門洗浄用ノズル装置４６と、肛門洗浄用ノズル装置４
６に連通する肛門洗浄用主流路５１及び肛門洗浄用副流
路５２と、人体局部を洗浄する洗浄水が貯えられた洗浄
水タンク４３３と、肛門洗浄用主流路５１、肛門洗浄用
副流路５２のうちの１つまたは複数を選択して該選択さ
れた流路と洗浄水タンク４３３とを連通させる流路切替
手段ととしてのロータリバルブ４３８と、ロータリバル
ブ４３８の切替動作を制御するマイクロコンピュータ８
等の制御手段を備える。また、ロータリバルブ４３８
は、ケース内の第１連絡流路７４ａの開口部７４ａ’に
連通した第１バイパス流路７４ｆが形成されたケース７
４と、ケース７４内に固定的に配置され肛門洗浄用主流
路５１に連通する第１連通部７１１、肛門洗浄用副流路
５２に連通する第２連通部７１２、及び第１バイパス流
路７４ｆにより第１連通部７１１に連通する補助連通部
７１４が形成された固定プレート７１と、ケース７４内
に配置されるとともに固定プレート７１に対して回転可
能に取り付けられ洗浄水タンク４３３から供給される洗
浄水が流動する回転スリット部７２１が形成された回転
プレート７２とを備える。そして、マイクロコンピュー
タ８は、回転スリット部７２１と第１連通部７１１とを
対面させて回転スリット部７２１を流動する洗浄水を第
１連通部７１１に流動させる第１の状態及び、回転スリ
ット部７２１と第２連通部７１２及び補助連通部７１４
とを対面させて回転スリット部７２１を流動する洗浄水
を第２連通部７１２及び補助連通部７１４に流動させる
第２の状態とを選択的に取り得るように、回転プレート
７２の回転を制御してロータリバルブ４３８の切替動作
を制御するものである。

【００４８】このため、回転スリット部７２１と第２連
通部７１２及び補助連通部７１４とを対面させて回転ス
リット部７２１を流動する洗浄水を第２連通部７１２及
び補助連通部７１４に流動させ、肛門洗浄用主流路５１
及び肛門洗浄用副流路５２の双方から洗浄水を供給して
洗浄強さの弱い分散した洗浄を行う第２の状態におい
て、回転スリット部７２１から補助連通部７１４に流れ
た洗浄水は、ケース７４に形成された第１バイパス流路
７４ｆを通り、該第１バイパス流路７４ｆから第１連絡
流路７４ａに流れる。そして、第１連絡流路７４ａから
肛門洗浄用主流路５１に流動するものである。

【００４９】このように、第２の状態において肛門洗浄
用主流路及び肛門洗浄用副流路の双方に洗浄水が流動し
て洗浄強さの弱い分散的な洗浄を行う際に、肛門洗浄用
主流路５１に供給される洗浄水は、回転スリット部７２
１に対面している補助連通部７１４からケース７４に形
成された第１バイパス流路７４ｆを経てケース内に形成
された第１連絡流路７４ａへ、そして第１連絡流路７４
ａから肛門洗浄用主流路５１を流動するので、従来のよ
うに肛門洗浄用第２主流路を外部に設ける必要がなく、
ロータリバルブ４３８をコンパクトに構成することがで
きるものである。

【００５０】また、本例における人体局部洗浄装置１
は、肛門洗浄用主流路５１、肛門洗浄用副流路５２の他
に、ビデ洗浄ノズル装置４７に連通するビデ洗浄用流路
６１を備える。また、固定プレート７１には、ビデ洗浄
用流路６１に連通する第３連通部７１３が形成されてい
る。そして、マイクロコンピュータ８は、上記第１の状
態、第２の状態の他に、回転スリット部７２１と第３連
通部７１３とを対面させて回転スリット部７２１を流動
する洗浄水を第３連通部７１３に流動させる第３の状態
も選択的に取り得るように回転プレート７２の回転を制
御するものである。

【００５１】このため、回転スリット部７２１と第３連
通部７１３とを対面させて回転スリット部７２１を流動
する洗浄水を第３連通部７１３に流動させる第３の状態
では、洗浄水タンク４３３から供給される洗浄水はまず
回転スリット部７２１を流動し、次いで、回転スリット
部７２１と対面している第３連通部７１３に流動する。
第３連通部はビデ洗浄用流路６１に連通しているので、
第３連通部に流動した洗浄水はさらにビデ洗浄用流路６
１に流れるものである。このため、第１の状態において
は、肛門洗浄用主流路５１からのみ洗浄水が噴出して洗
浄強さの強い集中的な洗浄を行うことができ、第２の状
態においては、肛門洗浄用主流路５１及び肛門洗浄用副
流路５２の双方から洗浄水が噴出して洗浄強さの弱い分
散的な洗浄を行うことができ、第３の状態においてはビ
デ洗浄用流路６１から洗浄水が噴出して女性局部を洗浄
することができるものである。

【００５２】このように、本例においては、３つの流路
を備える人体局部洗浄装置においても、その流路切替手
段としてのロータリバルブ４３８の構成をコンパクトに
することができるものである。

【００５３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
人体局部洗浄装置において、洗浄水の流路を切替える流
路切替手段を簡単かつコンパクトに構成することができ
るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態における、人体局部洗浄装
置の全体斜視図である。

【図２】本発明の実施の形態における、本体及び本体内
の機能部を示す図である。

【図３】本発明の実施の形態における、ケース、肛門洗
浄ノズル装置、ビデ洗浄ノズル装置の外観及び部分断面
図であり、またこれらの接続構成を示す図である。

【図４】図３において、ロータリバルブを図示矢印Ａ方
向から見た場合の部分断面図である。

【図５】図４におけるＢ−Ｂ断面図であり、本発明の実
施の形態における、ケースの内壁面の構造を示す図であ
る。

【図６】本発明の実施の形態における、可動プレート及
び固定プレートの構成を示す正面図であり、図６（ａ）
が可動プレートを、図６（ｂ）が固定プレートを示す。

【図７】本発明の実施の形態における、固定プレートと
可動プレートとの相対的位置関係を示す図であり、図７
（ａ）が第１の状態、図７（ｂ）が第２の状態、図７
（ｃ）が第３の状態、図７（ｄ）が第４の状態、図７
（ｅ）が第５の状態、図７（ｅ）が第６の状態を示す。

【図８】本発明の実施の形態における、第１の状態での
洗浄水の流動経路を示す図であり、図８（ａ）は回転プ
レート７２から固定プレート７１までの洗浄水の流動経
路を、図８（ｂ）は固定プレート７１からケースまでの
洗浄水の流動経路を、図８（ｃ）はケース内の流路への
洗浄水の流動経路を、図８（ｄ）はケース内の流路から
肛門洗浄ノズル装置４６までの洗浄水の流動経路を示す
図である。

【図９】本発明の実施の形態における、第２の状態での
洗浄水の流動経路を示す図であり、図９（ａ）は回転プ
レート７２から固定プレート７１までの洗浄水の流動経
路を、図９（ｂ）は固定プレート７１からケースまでの
洗浄水の流動経路を、図９（ｃ）はケース内の流路への
洗浄水の流動経路を、図９（ｄ）はケース内の流路から
肛門洗浄ノズル装置４６までの洗浄水の流動経路を示す
図である。

【図１０】従来技術における、肛門洗浄ノズルの断面図
である。

【図１１】他の従来技術における、ロータリバルブ内の
回転プレートと固定プレートとの相対配置関係を示す図
である。

【符号の説明】 １・・・人体局部洗浄装置 ２・・・便器 ４・・・本体 ４１・・・便座 ４２・・・便蓋 ４３・・・機能部 ４３２・・・コントロール基板、４３３・・・洗浄水タ
ンク、４３８・・・ロータリバルブ（流路切替手段） ４４・・・ケース ４５・・・操作パネル ４６・・・肛門洗浄ノズル装置（洗浄手段） ４６１・・・肛門洗浄主ノズル孔、４６２・・・肛門洗
浄副ノズル孔 ４７・・・ビデ洗浄ノズル装置（洗浄手段） ４７１・・・ビデ洗浄ノズル孔 ５１・・・肛門洗浄用主流路（第１の流路） ５２・・・肛門洗浄用副流路（第２の流路） ６１・・・ビデ洗浄用流路（第３の流路） ７１・・・固定プレート ７１１・・・第１連通部 ７１１ａ・・・第１出口ポート、７１１ｂ・・・第１流
量調節溝（第１流量調節部） ７１２・・・第２連通部 ７１２ａ・・・第２出口ポート、７１２ｂ・・・第２流
量調節溝（第２流量調節部） ７１３・・・第３連通部 ７１３ａ・・・第３出口ポート、７１３ｂ・・・第３流
量調節溝（第３流量調節部） ７１４・・・補助連通部 ７１４ａ・・・補助出口ポート、７１４ｂ・・・補助流
量調節溝（第４流量調節部） ７１５・・・第１ドレンポート、７１６・・・第２ドレ
ンポート、７１７・・・連通孔 ７２・・・回転プレート ７２１・・・回転スリット部、７２２・・・第１連通窓
部、７２３・・・第２連通窓部 ７４・・・ケース ７４ａ・・・第１連絡流路、７４ｂ・・・第２連絡流
路、７４ｃ・・・第３連絡流路、７４ｄ・・・第１ドレ
ン流路、７４ｅ・・・第２ドレン流路、７４ｆ・・・第
１バイパス流路（バイパス流路）、７４ｇ・・・第２バ
イパス流路 ７５・・・モータ ８・・・マイクロコンピュータ（制御手段） ９１・・・洗浄水供給流路

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 人体局部を洗浄するための洗浄手段と、 前記洗浄手段に連通する第１の流路及び第２の流路と、 人体局部を洗浄する洗浄水が貯えられた洗浄水タンク
   と、 バイパス流路が形成されたケースと、前記ケース内に固
   定的に配置され前記第１の流路に連通する第１連通部、
   前記第２の流路に連通する第２連通部、及び前記バイパ
   ス流路により前記第１連通部に連通する補助連通部が形
   成された固定プレートと、前記ケース内に配置されると
   ともに前記固定プレートに対して回転可能に取り付けら
   れ前記洗浄水タンクから供給される洗浄水が流動する回
   転スリット部が形成された回転プレートとを備えた流路
   切替手段と、前記回転スリット部と前記第１連通部とを
   対面させて前記回転スリット部を流動する洗浄水を前記
   第１連通部に流動させる第１の状態及び、前記回転スリ
   ット部と前記第２連通部及び前記補助連通部とを対面さ
   せて前記回転スリット部を流動する洗浄水を前記第２連
   通部及び前記補助連通部に流動させる第２の状態とを、
   選択的に取り得るように前記回転プレートの回転を制御
   する制御手段とを備えた人体局部洗浄装置。
2. 【請求項２】 前記人体局部洗浄装置は前記洗浄手段に
   連通する第３の流路を備え、前記固定プレートは前記第
   ３の流路に連通する第３連通部が形成され、前記制御手
   段は前記第１の状態、前記第２の状態、及び前記回転ス
   リット部と前記第３連通部とを対面させて前記回転スリ
   ット部を流動する洗浄水を前記第３連通部に流動させる
   第３の状態とを選択的に取り得るように前記回転プレー
   トの回転を制御することを特徴とする請求項１に記載の
   人体局部洗浄装置。