JPH11336158A - 汚物流し設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉢に向ってのみ吐水させることができ、また
予期しない吐水を確実に防止することができる汚物流し
設備を提供する。 【解決手段】 壁面２に吐水管支持部材５が取り付けら
れ、この吐水管支持部材５に吐水管６の基端側が水平方
向に回動自在に取り付けられている。吐水管６は、壁面
２と略垂直となりその先端の吐水口６ａが洋風便器１の
便鉢１ａの上方位置を占めた使用姿勢と、吐水管６の全
体が壁面２に沿っており吐水口６ａが便鉢１ａの上方か
ら退避した不使用姿勢とをとり得るように回動自在とな
っている。吐水管支持部材内には、この吐水管６が使用
姿勢をとったときだけ吐水管支持部材５内から吐水管へ
水が供給されるようにするための安全弁装置が設けられ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、便器などに適用さ
れる汚物流し設備に係り、詳しくは、しびん等の汚物を
洗浄するための回動自在な吐水管を有した汚物流し設備
に関する。

【０００２】

【従来の技術】しびんや、おまる、おむつ等の汚物を洗
浄するための水栓が設けられた便器が、実公平４−２１
９０１号公報に記載されている。

【０００３】図４，５は、同号公報の便器の斜視図であ
り、便器３１上面に便座３２が取り付けられている。ロ
ータンク３３の手前側に、汚物洗浄用水栓３５が設けら
れている。この汚物洗浄用水栓３５は、便器３１の上面
から立設されている水栓基部３６と、該水栓基部３６に
枢着されており、上下方向に回動可能な吐水管３７と、
吐水・止水及び流量制御を行うためのレバーハンドル３
８とを備えている。

【０００４】符号３９は吐水管３７の先端部の吐水口、
符号４０は便器洗浄用水を流すためのレバーハンドル、
符号４１は便座３２を跳ね上げた際の該便座３２とロー
タンク３３との当たり止めである。

【０００５】かかる従来の汚物洗浄用水栓３５を用い
て、しびん等の汚物洗浄を行うには、図５に示すよう
に、便座３２を起立させ、吐水管３７を前方に倒す。

【０００６】汚物は、便鉢上方に位置する吐水口３９か
ら吐出される水により洗浄される。このようにして汚物
の洗浄が終了したならば、ロータンク３３に設けられた
レバーハンドル４０を操作して、ロータンク３３から便
器３１に便器洗浄水を供給し、便器３１内の汚水を排出
させる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の汚物洗浄用
水栓３５が設けられている便器３１においては、便座３
２に着座した使用者が用便中にうっかり汚物洗浄用レバ
ーハンドル３８に触れ、該レバーハンドル３８が吐水側
に回動されると、吐水口３９から水が吐出し、背中に被
水してしまう。また、便器３１以外の箇所に吐水させて
しまうこともある。

【０００８】本発明は、このような予期しない吐水を確
実に防止することができ、しかも鉢内にのみ吐水させる
ことができる汚物流し設備を提供することを目的とする
ものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の汚物流し設備
は、鉢と、吐水口が該鉢の上方位置と該上方位置から退
避した位置とをとり得るように回動自在とされた吐水管
とを有する汚物流し設備において、該吐水口が鉢上方に
位置する場合のみ開弁する安全弁装置を設けたことを特
徴とするものである。

【００１０】かかる汚物流し設備にあっては、吐水管を
吐水位置にまで回動させない限りは安全弁装置が開弁し
ないので、予期しない吐水が無い。例えば、吐水管を便
器上方から退避させた状態においてはハンドルを開栓操
作しても吐水することがない。また、吐水管からは鉢に
向ってのみ吐水が行われる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態について説明する。図１（ａ）は実施の形態に係
る汚物流し設備の斜視図、図１（ｂ）はこの汚物流し設
備の平面図である。トイレルームの壁面２の前面に汚物
流しとしての洋風便器１が設置されている。この洋風便
器１の後部上面に便座ボックス３が設置され、便座４が
起倒方向に回動自在に該便座ボックス３に取り付けられ
ている。この便座ボックス３は温水洗浄装置（臀部洗浄
装置）を内蔵している。

【００１２】壁面２に吐水管支持部材５が取り付けら
れ、この吐水管支持部材５に吐水管６の基端側が水平方
向に回動自在に取り付けられている。壁面２には、この
吐水管６に対しホース７を介して接続されたハンドル式
水栓８が取り付けられている。

【００１３】吐水管６は、壁面２と略垂直となりその先
端の吐水口６ａが洋風便器１の便鉢１ａの上方位置を占
めた使用姿勢と、吐水管６の全体が壁面２に沿っており
吐水口６ａが便鉢１ａの上方から退避した不使用姿勢と
をとり得るように回動自在となっている。吐水管支持部
材５内には、この吐水管６が使用姿勢をとったときだけ
吐水管支持部材５内から吐水管内へ水が供給されるよう
にするための安全弁装置が設けられている。

【００１４】この安全弁装置の一例を図２及び図３に示
す。図２に示す安全弁装置は、吐水管６の基端に固着さ
れた筒状の弁体１０と、この弁体１０が挿抜されるよう
に吐水管支持部材５に設けられた弁孔１１と、弁体１０
の外周面に設けられた雄ネジ１２と、吐水管支持部材５
の内外周面に設けられた雌ネジ１３と、弁体１０に設け
られた通水用の開口１４と、この開口１４に対面するよ
うに吐水管支持部材５に設けられた凹溝１５と、弁体１
０に外嵌されたＯリング１６と、弁体１０の先端面に設
けられたガイド部１７とを有する。１８は弁体１０の抜
け防止用のストッパビスを示す。

【００１５】吐水管６を図１（ａ）の使用姿勢にする
と、図２（ａ）の通り弁体１０が上方に螺進し、弁体１
０が弁孔１１から抜け出す。（ただし、ガイド部１７は
弁孔１１内に残留する。このガイド部１７は弁孔１１の
内周面と摺動し、弁体１０が軸心方向に進退しても常に
弁孔１１内にスムーズに挿入されるように案内する。）
これにより、吐水管支持部材５内の水が弁孔１１、凹溝
１５、開口１４を通って弁体１０内に流入し、吐水管６
に給水可能となる。

【００１６】従ってこの状態でハンドル式水栓８を開栓
操作することにより、吐水口６ａから吐水が行われる。

【００１７】吐水管６を図１（ｂ）の二点鎖線で示す不
使用姿勢に位置させた場合、弁体１０は図２（ｂ）の通
り下方に螺進し弁孔１１を閉鎖する。この結果、ハンド
ル式水栓８を開栓しても吐水口６ａからは吐水しないも
のとなる。

【００１８】図３に示す安全弁装置は、吐水管６の基端
に固着された筒状のスピンドル２０と、このスピンドル
２０の内外を連通するようにスピンドル２０の下部に設
けられた開口２１と、スピンドル２０の先端から下方に
突設されたシャフト２２と、該シャフト２２に沿って進
退可能な弁体２３と、該シャフト２２の下端に固着され
たストッパナット２４と、弁体２３を下方に押圧するバ
ネ２５と、該弁体２３が上方から着座するように吐水管
支持部材５に設けられたシート部２６と、スピンドル２
０の外周面に設けられた雄ネジ２７と、該雄ネジ２７と
噛合するように吐水管支持部材５に設けられた雌ネジ２
８と、スピンドル２０の外周に装着されたＯリング２９
とを有する。

【００１９】吐水管６を図１（ａ）の使用姿勢としたと
きには、図３（ａ）のようにスピンドル２０が上方に螺
進し、シャフト２２の下端のナット２４に当接した弁体
２３がスピンドル２０と共に上方に移動し、シート部２
６から離隔する。従って、この状態でハンドル式水栓８
を開栓すると、吐水管支持部材５内から水が開口２１を
通ってスピンドル２０内に流入し、吐水管６の先端の吐
水口６ａから吐水が行われる。

【００２０】吐水管６を図１（ｂ）の二点鎖線に示す壁
面２に沿う不使用姿勢とした場合、図３（ｂ）の通りス
ピンドル２０が下方に螺進する。そうすると、スピンド
ル２０と一体のシャフト２２も下方に移動し、弁体２３
がシート部２６に着座する。この場合、弁体２３がシー
ト部２６に着座した後もなおシャフト２２は下方に移動
し、ナット２４は弁体２３から離隔する。弁体２３はバ
ネ２５によってシート部２６に押し付けられる。この止
水状態にあっては、ハンドル式水栓８を開栓しても吐水
口６ａからは吐水しない。

【００２１】上記実施の形態では鉢として洋風便器の便
鉢が採用されているが、汚物流しの流し鉢であっても良
い。

【００２２】図２，３に示す安全弁装置は弁体を上下動
させる型式のものであるが、１対のディスク弁の一方を
吐水管支持部材５に取り付け、他方を吐水管６に取り付
け、このディスク弁同士を摺接させた安全弁装置などを
用いても良い。

【００２３】

【発明の効果】以上の通り、本発明の汚物流し設備は、
吐水管を使用姿勢とした場合にのみ吐水管内に給水可能
となるので、予期せずに吐水することが防止される。ま
た、鉢に向ってのみ吐水可能であり、鉢周囲を被水させ
ることが防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施の形態に係る汚物流し設備の斜視図と平面
図である。

【図２】安全弁装置の一例を示すものであり、（ａ）図
は吐水状態の断面図、（ｂ）図は止水状態の断面図であ
る。（ｃ）図は弁体の斜視図である。

【図３】安全弁装置の他の例を示すものであり、（ａ）
図は吐水状態の断面図、（ｂ）図は止水状態の断面図で
ある。

【図４】従来の汚物流し設備の斜視図である。

【図５】従来の汚物流し設備を示すものであり、便座を
起立させたときの斜視図である。

【符号の説明】

１ 洋風便器 ２ 壁面 ４ 便座 ５ 吐水管支持部材 ６ 吐水管 ６ａ 吐水口 ７ ホース ８ ハンドル式水栓 １０ 弁体 １１ 弁孔 １２ 雄ネジ １３ 雌ネジ １４ 開口 １５ 凹溝 １６ Ｏリング １７ ガイド部 ２０ スピンドル ２１ 開口 ２２ シャフト ２３ 弁体 ２４ ナット ２５ バネ ２６ シート部 ２７ 雄ネジ ２８ 雌ネジ ２９ Ｏリング

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 鉢と、吐水口が該鉢の上方位置と該上方
   位置から退避した位置とをとり得るように回動自在とさ
   れた吐水管とを有する汚物流し設備において、 該吐水口が鉢上方に位置する場合のみ開弁する安全弁装
   置を設けたことを特徴とする汚物流し設備。
2. 【請求項２】 請求項１において、前記吐水管が吐水管
   支持部材に支持されており、前記安全弁装置は、該吐水
   管に設けられた可動側弁部材と、該吐水管支持部材に設
   けられた固定側弁部材とからなることを特徴とする汚物
   流し設備。
3. 【請求項３】 請求項２において、前記吐水管及び吐水
   管支持部材の一方に雄ネジが設けられると共に、他方に
   該雄ネジに噛合した雌ネジが設けられており、該吐水管
   を回動させることにより吐水管が進退し、前記可動側弁
   部材と固定側弁部材とが接離することを特徴とする汚物
   流し設備。