JPH11335744A - 連続熱処理炉ならびに連続熱処理炉における雰囲気制御方法および冷却方法 - Google Patents
連続熱処理炉ならびに連続熱処理炉における雰囲気制御方法および冷却方法Info
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- JPH11335744A JPH11335744A JP5659899A JP5659899A JPH11335744A JP H11335744 A JPH11335744 A JP H11335744A JP 5659899 A JP5659899 A JP 5659899A JP 5659899 A JP5659899 A JP 5659899A JP H11335744 A JPH11335744 A JP H11335744A
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Abstract
スと急冷帯隣接炉帯(加熱帯等及び冷却帯等)の雰囲気
ガスとの混合を簡単な手段にて防止できる連続熱処理
炉、および窒化を防止できる炉内雰囲気ガス制御方法を
提供する。 【解決手段】 複数の炉帯のうち最初と最後を除き1つ
が雰囲気ガス吹き付けにより材料を急速冷却する急冷帯
11であり、かつ雰囲気ガスシール手段として入口部に上
流側から第1、第2のロールシール装置4A、4Bで仕
切られたロールシール室3と出口部に第3のロールシー
ル装置4Cを有し、第1のロールシール装置入側部と第
3のロールシール装置出側部とが接続され、および/ま
たはロールシール室と急冷帯内最上流部6とが接続され
た連続熱処理炉とし、炉内水素濃度を急冷帯内で10%以
上、また急冷帯入側の炉帯で10%以下に制御する。
Description
し、詳しくは、帯状材例えば鋼やアルミニウム等の金属
帯を連続的に熱処理するために使用される連続熱処理炉
およびその操業方法等に関する。なお、本発明におい
て、水素濃度の%は体積%を意味する。
状の材料を連続通板しながら所定のヒートパターンを辿
らせる設備であり、加熱・均熱・冷却(徐冷,急冷等)
などの処理順にそれぞれの処理機能を有する炉帯を順次
配置して構成されている。例えば冷間圧延鋼帯の連続熱
処理炉は、図4に示すように、処理順に、鋼帯Sを、所
定の温度に加熱あるいはさらに均熱あるいはさらに徐冷
する加熱帯等10、所定の温度域で急速冷却する急冷帯1
1、所定の処理終了温度まで冷却するあるいはその前に
過時効する冷却帯等12が配置・構成されている。
を損ねることから、通常、連続熱処理炉内は無酸化雰囲
気に調整される。鋼帯の連続熱処理炉では、雰囲気ガス
として水素ガスを数%含有した、水素ガスと窒素ガスの
混合ガス(HNガスという)が一般に使用される。この
ようなHNガスを用いると熱処理の進行につれて還元に
与かった水素がH2O となって消費され、このままでは炉
内雰囲気を無酸化の状態に保持することはできない。そ
のため各炉帯に雰囲気ガスの排出管と供給管を設け、古
いガスを排出し新しいガスを補給して炉内の水素濃度を
一定に保つことが行われている。
帯でも同じというわけではなく、以下に述べるように、
鋼帯に付与すべき特性に応じてある炉帯では他と異なる
雰囲気ガス組成を採用する場合がある。例えばC0.01〜
0.02wt%の低炭素鋼では時効性改善のために、鋼帯を加
熱、均熱後に急速冷却して鋼中のCを過飽和に固溶させ
てから400 ℃前後に保持する所謂過時効処理が行われ、
そこでの急速冷却技術としては、雰囲気ガスを熱交換器
にて冷却・循環し、例えば図4に示すようなガスジェッ
トチャンバ13から、高速ガスジェット流として鋼帯に吹
きつけるガスジェット冷却法、内部に冷媒を注入した冷
却ロールを鋼帯に押しつけるロール冷却法、鋼帯に水、
ミストを吹きつける水冷却法、ミスト冷却法などがあ
り、このうちガスジェット冷却法は、他の方法に比べ冷
却後の鋼帯の外観および形状が良好で設備も安価であ
る。
却速度が小さいという欠点があり、この欠点を補うべく
急冷帯では水素濃度を高めて冷却能を高くしたHNガス
を使用することが、特公昭55−1969号公報、特開平6−
346156号公報、特開平9−235626号公報等に開示されて
いる。これにより急冷帯において冷却速度が50℃/sを
超える十分な急速冷却が可能である。
なる雰囲気ガスを使用する場合、他炉帯との雰囲気ガス
混合を避ける必要があり、そのため他炉帯との境界にシ
ール手段が設けられている。シール手段の具体的構造ま
たは装置としては、例えば、(A)異組成雰囲気ガス境
界部に配置され異組成雰囲気ガスの供給・排出が可能な
複数の処理室を兼ねた隔壁構造(特開平5−125451号公
報)、(B)シール舌片を鋼帯に摺動接触させる装置
(実公昭63−19316 号公報)、(C)シールロール、ブ
ローノズル、シールダンパを組み合わせた装置(特開昭
59−133330号公報)、(D)例えば図4に示すような、
材料の表裏面側から材料の通板速度と同じ速度で回転す
るロールを材料を挟むように配設したロールシール装置
4などが知られている。なお、図4の急冷帯11において
はその入口、出口の他、ガスジェットチャンバ13を配置
した急冷帯前段の出口にもロールシール装置4が設けら
れている。
シール舌片との接触により鋼帯にスリ疵が発生する。特
に通板速度の大きい熱処理条件下でその危険性が高い。
また(A),(C)ではシールガス流量を常時確保する
必要性から雰囲気ガス原単位が悪化するほか、シール性
能確保のために高精度のガス流量を必要とするので設備
が高価になる。これらに対し(D)では、鋼帯にスリ疵
が発生せず設備も安価となる。
処理炉の急冷帯では、他の炉帯(加熱帯等及び冷却帯
等)よりも水素濃度の高いHNガスを使用し、これを循
環・冷却して鋼帯に吹きつけるガスジェット冷却法によ
るのが製品表面性状および設備コストの観点から有利で
あり、これと同じ観点からすれば、シール手段としてロ
ールシール装置を採用するのが有利である。
ール装置4を急冷帯11の前後(入口および出口)に設置
して急冷帯内の高水素濃度雰囲気ガスを完全に遮断しよ
うとした場合、帯状材料に吹き付けられた急冷帯内の高
水素濃度雰囲気ガスが帯状の材料に沿うことによって形
成される流れ(随伴流とも呼ばれる)に起因して動圧が
発生し、この発生した動圧がロールシール装置に遮断さ
れる結果、ロールシール装置付近では静圧の上昇となっ
て現れる。例えば図5は、図4に示した連続熱処理炉に
板厚0.8mm 、板幅1250mmの材料をライン速度400mpmで通
板したときの急冷帯およびその前後の地点P1 〜P9 に
おける静圧(図5(a))と雰囲気ガス中水素濃度(図
5(b))の測定結果であるが、図5(a)より大きな
静圧ギャップが発生している箇所があり、そのため急冷
帯およびその前後にて炉圧のバランスが崩れて大きなガ
ス流れが発生する結果、急冷帯内の高水素濃度雰囲気ガ
スが急冷帯の外へ流出し、図5(b)に示すように急冷
帯内の水素濃度が低下することがわかる。この急冷帯内
の水素濃度低下を補うためには高水素濃度HNガスの投
入量を増やす必要があり、HNガス原単位の悪化を招く
ことになる。
ル装置を設けると、結果的に炉圧(炉内の雰囲気圧)分
布に基づくガス流を誘発するという皮肉な結果が生じる
が、従来のシール手段においてはこのような問題は考慮
されていない。なお、急冷帯からの高水素濃度雰囲気ガ
スの流出は、HNガス原単位の悪化を招くだけでなく、
急冷帯より上流側の焼鈍中再結晶過程にある帯状材料の
結晶組織に影響を及ぼすことが本発明者らの最近の研究
により明らかになった。すなわち、急冷帯入側に隣接す
る炉帯内の水素濃度が10%を超えて高くなると急冷前の
高温状態にある帯状材料の表層部で窒化が進行し、部分
的な表層の硬化現象が起こって問題となるという知見が
得られた。
スジェット冷却方式の急冷帯の高水素濃度雰囲気ガスと
急冷帯隣接炉帯(加熱帯等および冷却帯等)の雰囲気ガ
スとの混合を防止して、加熱および加熱後保持する炉帯
の雰囲気ガス中の水素濃度と急冷帯内の雰囲気ガス中の
水素濃度を適切に制御することができ、かつHNガス原
単位の優れた高水素濃度急冷帯を有する連続熱処理炉を
提供することを目的とする。
雰囲気ガス中で熱処理しその途上で帯状の材料を加熱し
た後水素含有ガス吹き付けにより急速冷却する連続熱処
理炉の雰囲気制御方法において、帯状の材料を加熱する
炉帯および加熱後保持する炉帯の雰囲気ガス中の水素濃
度を10%以下に制御することを特徴とする連続熱処理炉
における雰囲気制御方法(第1の発明)である。
中で熱処理しその途上で帯状の材料を加熱した後水素含
有ガス吹き付けにより急速冷却する連続熱処理炉におけ
る冷却方法において、帯状の材料を加熱する炉帯および
加熱後保持する炉帯の雰囲気ガス中の水素濃度を10%以
下に制御し、前記急速冷却を行う急冷帯内では、材料の
単位断面積当たりの張力Τu(kgf/mm2)を材料の板厚t(m
m)、板幅W(mm)に応じて下記の条件(式(1) 〜(3) のい
ずれかに該当する式)を満たす範囲に保持し、材料に水
素濃度10%以上の水素含有ガスを吹き付けることを特徴
とする連続熱処理炉における冷却方法(第2の発明)で
ある。
る順次配列された複数の炉帯を有する連続熱処理炉にお
いて、これら炉帯のうち最初と最後を除き1つが雰囲気
ガス吹き付けにより材料を急速冷却する急冷帯であり、
かつ雰囲気ガスシール手段として入口部に第1のロール
シール装置、出口部に第2のロールシール装置を有し、
第1のロールシール装置入側部と第2のロールシール装
置出側部とが接続されたことを特徴とする連続熱処理炉
(第3の発明)である。
中で熱処理する順次配列された複数の炉帯を有する連続
熱処理炉において、これら炉帯のうち最初と最後を除き
1つが雰囲気ガス吹き付けにより材料を急速冷却する急
冷帯であり、かつ雰囲気ガスシール手段として入口部に
上流側から第1、第2のロールシール装置で仕切られた
ロールシール室と出口部に第3のロールシール装置を有
し、ロールシール室と急冷帯内最上流部とが接続された
ことを特徴とする連続熱処理炉(第4の発明)である。
中で熱処理する順次配列された複数の炉帯を有する連続
熱処理炉において、これら炉帯のうち最初と最後を除き
1つが雰囲気ガス吹き付けにより材料を急速冷却する急
冷帯であり、かつ雰囲気ガスシール手段として入口部に
上流側から第1、第2のロールシール装置で仕切られた
ロールシール室と出口部に第3のロールシール装置を有
し、第1のロールシール装置入側部と第3のロールシー
ル装置出側部とが接続され、かつロールシール室と急冷
帯内最上流部とが接続されたことを特徴とする連続熱処
理炉(第5の発明)である。
ルロールを有することを特徴とする第3〜第5のいずれ
かの発明(第6の発明)である。
急冷帯の雰囲気ガスを高水素濃度ガスとした場合、急冷
帯からの高水素濃度ガスの流出によって、隣接する炉内
の水素濃度の上昇がみられる。一方、前記したように、
最近の研究により高温の再結晶段階にある鋼帯熱処理中
の水素濃度が高い場合に、鋼帯表層部に窒化による硬化
現象が起こるという知見が得られた。例えば図6は、鋼
帯表層部の窒化発生に及ぼす熱処理温度と雰囲気ガス中
の水素濃度の影響を示す説明図であり、再結晶温度域に
て水素濃度が10%を超える条件で熱処理した場合に鋼帯
表層部に窒化が起こることがわかる。
および鋼板極表面部の窒素量の増加(オージエ分光分析
等による)により判定した。以上の知見より、急冷帯内
の雰囲気ガスとして高水素濃度ガスを使用する場合に
は、急冷帯に隣接する徐冷帯ならびに徐冷帯の上流に位
置する均熱帯および加熱帯中の水素濃度を10%以下とす
る必要がある。
熱する炉帯および加熱後保持する炉帯の雰囲気ガス中の
水素濃度を10%以下に制御することと規定した。 <第2の発明>帯状の材料、例えば鋼帯の連続熱処理炉
では、冷却帯の一部にガスジェット冷却により鋼帯を急
速冷却する急冷帯が配置される。第2の発明では、第1
の発明に加うるに、急冷帯内で材料の単位断面積当たり
の張力Τu (kgf/mm2) を材料の板厚t(mm)、板幅W(mm)
に応じて前記式(1) 〜(3) のいずれか該当する式を満た
す範囲に保持し、かつ材料に水素濃度10%以上の水素含
有ガスを吹き付ける。この理由を図7を用いて説明す
る。
Q、水素濃度と熱伝達係数αとの関係を示すグラフであ
り、αはQおよび水素濃度にほぼ比例して増大する。な
お、風量密度Qは、鋼帯両面に吹き付ける風量を急冷帯
内の鋼帯片面の面積で除したものである。ここで、急冷
帯にて必要とされるαの値は材料(この例では鋼板)の
種類(鋼種)や板厚により異なるが、たとえばBH鋼板
(焼付塗装硬化性を付与した、主に自動車用鋼板等に用
いられる鋼板)の場合は急冷帯にて30℃/s以上の冷却速
度が必要とされ、これは板厚1.0mm ではα:200kcal/
(m2・ h・℃)以上、板厚1.6mm ではα:350kcal/(m2
・ h・℃)以上に相当する。
する必要があるため、水素濃度には一定の下限を設ける
ことが好ましく、また風量密度Qも板厚に応じて増加さ
せるのが好ましいが、一方でQは板厚に応じた所定の量
以下に管理する必要がある。すなわち、冷却効率を考え
ると冷却ガスジェットノズルと帯状材の距離を短くする
ことが有利であるが、風量密度Qを増加させると、鋼帯
がばたついて冷却ガスジェットノズルに接触し、スリ疵
が発生しやすくなる。このスリ疵が多発するQの値は、
板厚および帯状材の張力などに依存し、板厚が小さいほ
ど低い値となる。
いほどスリ疵が多発するQの限界が低くなる。図7に、
Τu =1.88−0.18×t−0.00080 ×W(W<1350mm)お
よびΤu =1.10−0.00033 ×W(W≧1350mm)の場合
(A)と、Τu =1.78−0.18×t−0.00080 ×W(W<
1350mm)およびΤu =1.00−0.00033 ×W(W≧1350m
m)の場合(B)とについて、板厚1.0mm と板厚1.6mm
におけるQのスリ疵多発限界を示す。(A)の場合、ス
リ疵多発限界のQは板厚が1.0mm で 150m3/(m2・min)、
板厚が1.6mm で 400m3/(m2・min)となるが、いずれも冷
却ガスの水素濃度が10%以上の場合に、目標のαを達成
することができる。他方、Τu がこれより低い場合
(B)は、水素濃度をかなり増加させなければ、はたつ
きなくして目標のαを達成することができない。
該当する式の右辺値より大きいと、急冷帯内のハースロ
ールに鋼帯が巻き付く際にバックリングや塑性変形が発
生し易くなり品質上問題がある。また、急冷帯の張力と
徐冷帯もしくは均熱帯の張力との差が必要以上に大きく
なり、張力制御用の例えばブライドルロールのモータパ
ワーが過剰に必要となるなど、経済的に好ましくない影
響が生じる。
水素濃度を限定し、かつ材料の張力を前記式(1) 〜(3)
のいずれか該当する式の範囲に保持するという限定を設
けた。なお、板厚の寄与につき前記式(1) 〜(3) におい
て係数の符号等が異なるのは、薄物ではバックリング防
止を重視した実験式、厚物では張力過多による板の塑性
変形の防止およびつなぎ材との張力段差低減を重視した
実験式によりそれぞれ解析を行うことが好ましいことに
よる。
は、水素含有ガス(第2の発明においては水素濃度10%
以上の高水素濃度ガス)吹き付けを行う急冷帯に隣接す
る徐冷帯ならびに徐冷帯の上流に位置する均熱帯および
加熱帯中の水素濃度が10%を超えない範囲で、急冷帯内
の水素含有ガスをシールし得るシール装置が必要であ
り、そのような高性能のシール装置は第3〜第5の発明
により実現する。
連続熱処理炉の一例を示す模式図である。図示のよう
に、この連続熱処理炉では、複数の炉帯のうち最初と最
後を除き1つが雰囲気ガス吹き付けにより材料を急速冷
却する急冷帯11であり、かつ雰囲気ガスシール手段とし
て入口部に第1のロールシール装置4A、出口部に第2
のロールシール装置4Bを有し、第1のロールシール装
置4A入側部と第2のロールシール装置4B出側部とが
連通管1により接続されている。かかる接続手段は本例
の連通管に限定されず、例えば被接続部分の炉殻同士を
連結して構成してもよい。なお、図2において、図4と
同一または相当部分には同じ符号を付し説明を省略す
る。
び下流の炉の炉圧がほぼ等しくなるので、例えば徐冷帯
側で炉圧変動が発生してもこの変動は上流側の雰囲気の
やりとりにより緩和され、かつ、炉圧調整は急冷帯と、
それ以外の炉との2者のバランスを取るだけで済む。無
論、随伴流とのバランス上、入側では急冷帯への微量の
ガス流入、出側では急冷帯からの微量のガス漏洩を許容
することとなるが、炉圧分布(炉圧バランスの悪化)に
より発生し得るガス流に比べればその量はずっと少なく
て済む。また窒化の懸念のある急冷帯上流側では急冷帯
へ流入する方向へのガス流を有するので、窒化防止上も
有効である。
と出口側の炉帯の平均圧となるので、ここに炉圧計(図
示せず)を設けて急冷帯との間の炉圧管理を行うと、な
お好適である。この構成により、加熱帯等10と冷却帯等
12の炉圧差がなくなり、この炉圧差に起因していた急冷
帯11と急冷帯隣接炉帯10,12との間の雰囲気ガス混合が
抑制される。
連続熱処理炉の一例を示す模式図である。図示のよう
に、この連続熱処理炉では、複数の炉帯のうち最初と最
後を除き1つが雰囲気ガス吹き付けにより材料を急速冷
却する急冷帯11であり、かつ雰囲気ガスシール手段とし
て入口部に上流側から第1、第2のロールシール装置4
A、4Bで仕切られたロールシール室3と出口部に第3
のロールシール装置4Cを有し、ロールシール室3と急
冷帯内最上流部6とが連通管2により接続されている。
かかる接続手段は本例の連通管に限定されず、例えば被
接続部分の炉殻同士を連結して構成してもよい。なお、
図3において、図4と同一または相当部分には同じ符号
を付し説明を省略する。
配設部でのガス噴射圧の変動によって生じていた急冷帯
11入口内外での炉圧差がなくなり、かかる炉圧差に起因
していた急冷帯11と加熱帯等10との間の雰囲気ガス混合
が抑制される。 <第5の発明>図1は、第5の発明に係る連続熱処理炉
の一例を示す模式図である。図示のように、この連続熱
処理炉では、複数の炉帯のうち最初と最後を除き1つが
雰囲気ガス吹き付けにより材料を急速冷却する急冷帯11
であり、かつ雰囲気ガスシール手段として入口部に上流
側から第1、第2のロールシール装置4A、4Bで仕切
られたロールシール室3と出口部に第3のロールシール
装置4Cを有し、第1のロールシール装置4A入側部と
第3のロールシール装置4C出側部とが連通管1により
接続され、かつロールシール室3と急冷帯内最上流部6
とが連通管2により接続されている。かかる接続手段は
本例の連通管に限定されず、例えば被接続部分の炉殻同
士を連結して構成してもよい。なお、図1において、図
4と同一または相当部分には同じ符号を付し説明を省略
する。
の炉圧差がなくなり、この炉圧差に起因していた急冷帯
11と急冷帯隣接炉帯10,12との間の雰囲気ガス混合が抑
制される。同時に、ガスジェットチャンバ13配設部での
ガス噴射圧の変動によって生じていた急冷帯11入口内外
での炉圧差がなくなり、かかる炉圧差に起因していた急
冷帯11と加熱帯等10との間の雰囲気ガス混合が抑制され
る。
5の発明は、従来の連続熱処理炉において、本発明で指
定される炉内二地点間に通板経路以外の通気接続経路を
設けたものであるから、ごく簡単な設備改造を行うだけ
で実施可能である。 <第6の発明>前記のように、第2の発明で急冷帯での
張力を式(1) 〜(3) のいずれかの範囲に保持することと
した。ところが、加熱帯等では鋼帯の温度上昇とともに
鋼帯の降伏応力が低下するため、張力を過大にすると加
熱帯等内のロールに鋼帯が巻き付く際に座屈する現象
(ヒートバックルと称す)がみられる。実操業では、鋼
帯の板厚が比較的厚い場合には加熱帯等も含めた連続熱
処理炉全体にわたり張力を高くして通板することも可能
であるが、比較的薄い板厚の鋼板を通板する際には、加
熱帯等ではヒートバックル防止のために張力を低め、急
冷帯ではばたつき抑制のために張力を高めて通板しなけ
ればならない。このように加熱帯等と急冷帯とで張力を
違える必要があり、そのための好適手段として第6の発
明では第3〜第5の発明のいずれかにおいて、急冷帯の
前後にブライドルロールを有することとした。これによ
り、加熱帯等での張力は低く保ちながら、急冷帯での張
力を式(1) 〜(3) のいずれかの範囲に保持することがで
きる。
置のシールロールと鋼帯とのギャップは5mm以下とする
のが好ましい。また、シールロールは、熱膨張による変
形を抑制するために水冷型のものや、またロールの素材
に熱膨張係数の小さい素材、例えばセラミックを用いた
ものが好ましい。
2、図3、図1に示した形態で第3、第4、第5の発明
を実施して実施例1、実施例2、実施例3とした。ま
た、図2、図3、図1からわかるように、実施例1、実
施例2、実施例3は第6の発明に則り、急冷帯前後にブ
ライドルロール8を設置して急冷帯張力を加熱帯張力と
分離して制御できるような設備構成としている。
に示す、実施例3と同じ設備)において第6の発明の要
件を満たさない(ブライドルロールがない)状態を想定
し、急冷帯張力を前記式(1) 〜(3) のいずれか該当する
式の範囲を下回る(第2の発明の要件を満たさない)加
熱帯張力と同じとした例を示す。上記の実施例1、実施
例2、実施例3および実施例4について、急冷帯の高水
素濃度雰囲気ガス(水素濃度約30%)使用量、鋼帯の窒
化発生頻度を調査し、図4に示した従来の連続熱処理炉
で張力について前記式(1) 〜(3) のいずれか該当する式
を満たして操業した場合の同調査実績(これを比較例と
する)と比較した。なお、図4では第3〜第5の発明範
囲外でブライドルロールを備えた従来炉の例を示した。
また、実施例3についてはさらに、板厚0.8mm 、板幅12
50mmの材料をライン速度400mpmで通板中に急冷帯および
その前後の地点P1 〜P9 (図1参照:図4の測定地点
と同じ位置)における静圧と雰囲気ガス中水素濃度を測
定した。ここに、連続熱処理炉は、急冷帯の前段の炉帯
が徐冷帯、後段の炉帯が過時効帯であり、雰囲気ガスが
HNガスである。
雰囲気ガス中水素濃度測定結果を前掲の図5(a)およ
び図5(b)にそれぞれ重ね合わせて示し、実施例1〜
3、比較例の雰囲気ガス使用量と窒化発生頻度を表1に
示す。なお表1の雰囲気ガス使用量と窒化発生頻度は比
較例を100 とした相対指数で示した。図5、表1より、
本発明によれば急冷帯と急冷帯隣接炉帯との間での雰囲
気ガス混合が有効に抑制され、雰囲気ガス使用量が削減
でき、窒化も防止できることが明らかである。
C)、過時効帯(OA)の炉圧・水素濃度の経時変化の
例を実施例1(図8)および比較例(図9)について示
すが、徐冷帯において炉圧の変動があっても、本発明に
おいては急冷帯との圧力バランスが保たれ、急冷帯とそ
の前後帯との間のガス流による水素濃度変化が生じてい
ないことが分かる。
値)、および急冷帯内での鋼帯のばたつき振幅(調査
値)が示すように、実施例1、実施例2、実施例3で
は、急冷帯前後のブライドルロールにより急冷帯張力を
加熱帯張力と切り離して前記式(1) の範囲に制御したの
で、加熱帯にてヒートバックルを発生させることなく急
冷帯内の鋼帯のばたつき振幅を抑制することができた。
一方、実施例4では、張力が前記式(1) 〜(3) のいずれ
か該当する式の範囲を下回ったため、急冷帯内では冷却
ガス吹き付けによる鋼帯の鋼帯のばたつき振幅が大きく
なり、鋼帯が冷却ガスジェットノズル先端に接触してス
リ疵が発生するに至った。なお、鋼帯のばたつきの影響
で実施例3と比較してαにも若干の低下がみられた。実
施例4においては風量密度Qを減少させればばたつきは
収まるが、その場合はαの値を180kcal/(m2・ h・℃)
以上(板厚0.8mm にて30℃/sの冷却速度を確保できる
値)もしくは350kcal/(m2・ h・℃)以上(板厚1.6mm
にて30℃/sの冷却速度を確保できる値)に確保すること
が困難となる。
が高速になるほど、また、冷却ガス風量が増大するほど
大きくなるのであるが、本発明によれば、第6の発明に
従い急冷帯前後にブライドルロールを設置し、第2の発
明に則って急冷帯張力を制御することで、かかるばたつ
き振幅を小さくすることができ、その結果、鋼帯と冷却
ガスジェットノズル先端との間の距離を短縮できるの
で、同一冷却ガス風量において、より高い冷却効率を実
現することができる。
冷却方式の急冷帯において、雰囲気ガスの水素濃度を10
%以上とした高効率ガスジェット冷却を実施するにあた
り、急冷帯と急冷帯隣接炉帯(加熱帯等及び冷却帯等)
との間の雰囲気ガス混合を簡単な手段にて防止できる連
続熱処理炉が実現し、特に鋼帯の連続熱処理では雰囲気
ガス原単位を大幅に改善でき、さらに高水素濃度雰囲気
ガスの影響による加熱帯における窒化の心配もなくなる
という優れた効果を奏する。
式図である。
式図である。
式図である。
る。
雰囲気ガスの(a)は圧力分布(b)は水素濃度分布を
示すグラフである。
囲気ガス中の水素濃度の影響を示す説明図である。
と熱伝達係数αとの関係を示すグラフである。
(b)の経時変化を示すグラフである。
の経時変化を示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 帯状の材料を雰囲気ガス中で熱処理しそ
の途上で帯状の材料を加熱した後水素含有ガス吹き付け
により急速冷却する連続熱処理炉の雰囲気制御方法にお
いて、帯状の材料を加熱する炉帯および加熱後保持する
炉帯の雰囲気ガス中の水素濃度を10%以下に制御するこ
とを特徴とする連続熱処理炉における雰囲気制御方法。 - 【請求項2】 帯状の材料を雰囲気ガス中で熱処理しそ
の途上で帯状の材料を加熱した後水素含有ガス吹き付け
により急速冷却する連続熱処理炉における冷却方法にお
いて、帯状の材料を加熱する炉帯および加熱後保持する
炉帯の雰囲気ガス中の水素濃度を10%以下に制御し、前
記急速冷却を行う急冷帯内では、材料の単位断面積当た
りの張力Τu(kgf/mm2)を材料の板厚t(mm)、板幅W(mm)
に応じて下記の条件を満たす範囲に保持し、材料に水素
濃度10%以上の水素含有ガスを吹き付けることを特徴と
する連続熱処理炉における冷却方法。 記 (a) W<1350mmの場合 1.88−0.18×t−0.00080 ×W≦Τu ≦2.38−0.11×t
−0.00084 ×W (b) W≧1350mmかつt≦0.85mmの場合 0.73+0.38×t−0.00030 ×W≦Τu ≦1.23+0.35×t
−0.00028 ×W (c) W≧1350mmかつt>0.85mmの場合 1.10−0.00033 ×W≦Τu ≦1.54−0.00029 ×W - 【請求項3】 帯状の材料を雰囲気ガス中で熱処理する
順次配列された複数の炉帯を有する連続熱処理炉におい
て、これら炉帯のうち最初と最後を除き1つが雰囲気ガ
ス吹き付けにより材料を急速冷却する急冷帯であり、か
つ雰囲気ガスシール手段として入口部に第1のロールシ
ール装置、出口部に第2のロールシール装置を有し、第
1のロールシール装置入側部と第2のロールシール装置
出側部とが接続されたことを特徴とする連続熱処理炉。 - 【請求項4】 帯状の材料を雰囲気ガス中で熱処理する
順次配列された複数の炉帯を有する連続熱処理炉におい
て、これら炉帯のうち最初と最後を除き1つが雰囲気ガ
ス吹き付けにより材料を急速冷却する急冷帯であり、か
つ雰囲気ガスシール手段として入口部に上流側から第
1、第2のロールシール装置で仕切られたロールシール
室と出口部に第3のロールシール装置を有し、ロールシ
ール室と急冷帯内最上流部とが接続されたことを特徴と
する連続熱処理炉。 - 【請求項5】 帯状の材料を雰囲気ガス中で熱処理する
順次配列された複数の炉帯を有する連続熱処理炉におい
て、これら炉帯のうち最初と最後を除き1つが雰囲気ガ
ス吹き付けにより材料を急速冷却する急冷帯であり、か
つ雰囲気ガスシール手段として入口部に上流側から第
1、第2のロールシール装置で仕切られたロールシール
室と出口部に第3のロールシール装置を有し、第1のロ
ールシール装置入側部と第3のロールシール装置出側部
とが接続され、かつロールシール室と急冷帯内最上流部
とが接続されたことを特徴とする連続熱処理炉。 - 【請求項6】 急冷帯の前後にブライドルロールを有す
ることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の連
続熱処理炉。
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JP10-100536 | 1998-03-26 | ||
JP10053698 | 1998-03-26 | ||
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002003954A (ja) * | 2000-05-25 | 2002-01-09 | Stein Heurtey | 制御雰囲気下で操作する熱処理エンクロージャを安全にする方法及びそれに用いるプラント |
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KR100954164B1 (ko) | 2002-09-13 | 2010-04-20 | 드르베르 엥떼르나씨오날 에스.아. | 금속 스트립의 연속적 열처리 과정 중 분위기 조절 방법 |
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KR20180121949A (ko) | 2016-04-05 | 2018-11-09 | 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 | 연속 어닐링로에 있어서의 냉각 설비 |
-
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US8097205B2 (en) | 2007-02-14 | 2012-01-17 | Jfe Steel Corporation | Continuous annealing equipment |
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